婦警「貴方を逮捕します!」男「!?」 (18)
男「ちょ!待ってくださいよ!何の言いがかりですか!」
婦警「ネタは上がってるんです!大人しくお縄につきなさい!」
男「何の事ですか…ちゃんと説明してくださいよ!」
婦警「あくまで白を切るつもりですね、いいでしょう。ネタは上がってるんですからね!」
男「そりゃ、下校してていきなり警察署まで連行されたりしたら誰だって抵抗しますって」
婦警「貴方は以前から、不審な行動が目立っていましたが、とうとうボロを出しましたね」
男「本当に何の事か、さっぱりなんですが」
婦警「ここに、貴方の今日一日の行動を記したリストがあります」
男「何勝手に、人のプライベート覗いているんですか!」
婦警「お黙りなさい。まず早朝、全く高校生にもなって、まだ妹さんに起こしてもらってるんですか?」
男「あー俺、貧血ぎみで、それに低血圧だから朝凄く弱いんですよ」
婦警「それは良くありませんね、貧血の原因は主に胃や腸の不調が原因と言われています。しっかりご飯は食べてますか?」
男「体調の原因は分かっているんで、大丈夫ですよ。それにご飯も妹が用意してくれますし」
婦警「妹さんがご飯を作ってくれるんですか?」
男「うち両親が共働きで、それに忙しいらしく、よく職場に泊り込むんですよ。それで家の家事は妹が殆ど担当してくれてるんです」
婦警「良くできた妹さんなんですね。ご飯もお味噌汁に卵焼き、鮭の塩焼きとひじきの煮物、それからほうれん草のおひたしですか」
男「よ、良く知ってますね」
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なんか婦警が色々やばいぞ…
婦警「貴方には、薬物使用の嫌疑もかけられていますからね。食事に良からぬ物を混ぜる可能性がありましたから調べさせてもらいました」
男「そんな事する訳ないでしょ…」
婦警「………ち、因みになんですが」
男「はい?」
婦警「私も、その、作りますよ?」
男「何を?」
婦警「ですから、その、朝食をです」
男「あ、そうですか」
婦警「はい!!!今朝はおにぎりと卵焼きに炙ったウインナーです!!!」
男「いや、あの近いです!婦警さん!」
婦警「それに家事も自信あります!朝食だって、そのままお昼ごはんにも使えますから!」
男「な、成程!手際良いんですね!」
婦警「そうなんです!!手際良いんです私!!」
男「分かりました!分かりましたから、離れてください、近いです!」
婦警「あ、、それは失礼しました、、、少し興奮してしまいました」
男「そ、そうですか…」
婦警「はい……」
男「………」
婦警「………」
婦警「8時15分登校」
男「あ、続けるんですね」
婦警「2時限目まで特に何事もなく授業を過ごす、と、駄目ですね、少し居眠りしていますよ。授業はまじめに受けるべきです」
男「す、すみません今日は天気が良かったので、つい」
婦警「学生の本分は勉強なんですから、そこはちゃんとしないと駄目ですよ?」
男「気をつけます」
婦警「さて!!!2時限目の休み時間!!ここ!!ここです!!!」
男「うわ!いきなり大声出さないでくださいよ…」
婦警「ここで貴方、3年生の女性に話しかけられていますね!!!」
男「え?あー、女先輩のことですか」
婦警「はい!!その方です!!随分と親しげに話していましたが、いったい何を話していたんですか!?」
男「特にこれと言った話はしてな」
婦警「どんな!!話を!!していたのですか!!!?」
男「……え、えと、俺、たまに先輩の家業を手伝ってましてそのお礼がしたいと言われまして」
婦警「なぜ貴方が、その方の家業を手伝うのですか」
男「いやー、その成り行きと言いますか、偶々俺が手伝えるお仕事だったんですよ」
婦警「だとしてもです。貴方が手伝う必要は無いですよね?まさか……邪な感情を持っているのでは!!」
男「先輩には、前から勉強を見てもらったりしたので、何か恩返しがしたいと思ってただけですよ」
婦警「勉強を…分かりました。ですが、本当にそれだけですか?」
男「それだけって何ですか」
婦警「その、、特別な、感情とかは抱いてないんですよね?」
男「そりゃ勿論、感謝とかはありますけど、それだけですよ…」
婦警「……わかりました、今はそれでいいでしょう、それでお礼と言うのは何なのですか?」
男「え、それ言う必要ありますか?」
婦警「凄く大切な事ですよ!!」
男「えぇ……」
婦警「さぁ!早く!!」
男「分かりましたよ…家業が少し落ち着いたので、今度家に来ないかとお誘いいただいたんです」
婦警「な!?な、なななんあなな!!!」
男「うわ、大丈夫ですか?」
婦警「大丈夫なものですか!!う、家に招き入れるなんて!!そんなふしだらな事許しませんっ!」
男「なんで婦警さんの許可が要るんですか」
婦警「と、とにかく認められません!若い男女が一つ屋根の下など!」
男「何勘違いしてるか知りませんが、先輩の家、寺なんで普通にご両親やご兄弟いますよ」
婦警「ふぇ?そ、そうなんですか」
男「そうなんです」
婦警「では、家業と言うのは」
男「まぁ、所謂お払い的なやつですかね。俺、たまたま’見える’性質だったので」
婦警「それは、お疲れ様です」
男「ありがとうございます」
婦警「ですがそれでも女性の家にほいほい着いて行くというのは感心しませんね」
男「いや、まだ行くとは言ってないのですが」
婦警「ここは!!!まず!!!私の部屋に来るべきなのではないのでしょうか!!!」
男「はぁ!?」
婦警「安心してください!常に掃除してますので部屋は綺麗ですし、映画やゲームをして遊ぶのは素敵だと思います!!!」
男「女性の家にほいほい着いて行くのは感心しないんじゃ」
婦警「私は全然大丈夫です!!むしろばっちこいです!!」
男「えぇ……」
婦警「さて次です!!お昼休み!!貴方ここでとんでもない事を犯していますね!!」
男「え、何言ってんですか!?」
婦警「人気の無い旧校舎の空き教室で、女の子と二人で何をしていたんです!?私ばっちり記録してましたよ!!」
男「あ、やっぱりこのリスト婦警さんが自力で作ってたんですね」
婦警「こ、ここここんな、誰も来ないであろう場所に二人でなんて、いったい何をしていたんですか!」
男「普通に後輩と弁当食べてただけですよ…」
婦警「わざわざ人気のない場所を選んでですか?」
男「あー…食事は出来るだけ静かに取りたいんですよ」
婦警「なら一人で食べることも出来ますよね?この女性はいったいどなたですか」
男「後輩ですよ。流石に一人きりで食べるのは寂しいので昼は良く一緒に食べるんです」
婦警「い、一緒になんて、、なんて羨ましい」
男「あのー、もういいですか?いい加減そろそろ帰りたいのですが」
婦警「いえ、貴方には聞いておかなければならない事がまだあります」
男「はぁ、なんでしょう」
婦警「この、後輩さん、ですか?唯の後輩なんですか?」
男「???」
婦警「ですから、、その、付き合っているとか」
男「いやいや、そんなことあるわけ無いじゃないですか」
婦警「本当ですか!?本当なんですね?」
男「随分念を押してきますね」
婦警「だ、だって私見ましたもん」
男「見た?」
婦警「貴方とその後輩さんが抱き合っているのを」
男「あー。」
婦警「あー。とはなんですか!あんなの恋人がすることじゃないですか!!」
男「違うんですよ、あれには理由があって」
婦警「どんな理由があるっていうんですかぁ!」
男「ちょ!泣いてるんですか!?」
婦警「泣いてませんよぉ!唯この先の言葉を聞くのが怖くて胸が張り裂けそうになっているだけですぅ!」
男「良く分かりませんがハンカチ貸しますからとりあえずこれで涙拭いてください」
婦警「ずびま゛ぜん、お借りじま゛す゛」
男「あ、はい。てかそれもうあげますので」
婦警「本当でずか゛?あ゛り゛がどう゛ござい゛ま゛ず、宝物にじま゛ず」
男「とりあえずそれ食べるの止めて下さい」
婦警「あ、はい」
男「はぁ…えっとですね、後輩は甘えたがりな奴でしてよく引っ付いて来るんですよ」
婦警「貴方に懐いて、甘えていると?」
男「懐いているのかは分からないですけど、甘噛みされたりして、まぁ後輩が言うには甘えているんだそうです」
婦警「では、本当に付き合ってたりとかは…?」
男「ないです」
婦警「………な、なーんだ!そうだったんですね!それならそうだと早く言ってくださいよ!!」
男「急に元気になったなこの人」
婦警「何やら聞き捨てならない事も聞こえましたが今私は気分が良いのでそれはまた今度聞く事にします!」
男「そうですか。帰らせてくれるのならもう何でも良いです」
婦警「さて、午後はちゃんと授業を受けていたようで感心です。学生の本分は勉強ですからね」
男「さらっとスルーですか」
婦警「問題は放課後です。仲が良さそうに同級生の女の子と下校してますよね?」
男「まぁ幼馴染なんで仲は良いとは思いますよ」
婦警「ですが、急に!何ですかこの!!破廉恥な格好をしたアブナイ女は!」
男「あー。」
婦警「こ、、ここ、こんな!破廉恥な格好をしたアブナイ女と下校するなんて何を考えているんですか貴方は!」
男「幼馴染です」
婦警「は?」
男「ですから、その破廉恥な格好をしたアブナイ女が俺の幼馴染なんです」
婦警「…このスリングショットの水着の方がですか?」
男「はい」
婦警「最近の若い子って凄いんですね」
男「幼馴染だけだと思います」
婦警「ええ、、どうしましょう、場合によっては彼女も連行する必要があるような…」
男「で、でもこれにもれっきとした理由があるんですよ!」
婦警「むしろこの格好に理由があるほうが怖いんですが」
男「あいつ!魔法少女なんです!」
婦警「………はい?」
男「いや、まぁそうなるのも分かります。俺も最初同じ反応でした」
婦警「えーと、幼馴染さんは大丈夫なんですか?その頭の病気とか」
男「仰る事もごもっともなんですけど悲しい事に本当に魔法少女なんですよあいつ」
婦警「えぇ…」
男「ほら、今巷で騒ぎになってる謎の怪獣がいるじゃないですか」
婦警「あぁ、あの触手だらけで男だろうが女だろうが構わず襲ってくる破廉恥さんですね?お陰でウチの署も苦労してます」
男「実は幼馴染はあの怪獣たちと日夜戦う魔法少女幼馴ちゃんなんです」
婦警「な!なんと!あの破廉恥さん達と日夜戦っているどスケベな女がいると聞いていましたが、それが幼馴染さんだったのですか」
男「はい、そういうことになります」
婦警「そうだったんですか。そうと知っていれば貴方が破廉恥な格好をしたアブナイ女と歩いていると思い連行する事も無かったんですが」
男「どんな理由であろうと連行するのは止めて下さい」
婦警「だって貴方を連れて行こうとしたとき彼女凄い声で叫びだしましたし」
男「俺が寝取られたとかなんか言ってましたね」
婦警「放って置いて大丈夫だったんでしょうか?」
男「いいんじゃないですかね」
婦警「随分ドライですね、そんな所も素敵ですが」
男「まぁとにかく、誤解が解けたようなら俺もう帰らせてもらいますよ?家で妹が待ってますし」
婦警「ちょっ!そんなまだ駄目です!せっかく二人きりなのに!それに手錠もしてますし!」
男「外しましたよ」
婦警「ふぇ!?そんな簡単に外せるようなものでは無いですよソレ!!」
男「ちょっとしたコツさえ分かれば簡単です」
婦警「そんなっ!待ってください!貴方にはまだ取り調べる事があります!!」
男「何を取り調べるんです?」
婦警「えっと、その、あの、えーとですね」
男「はぁ…婦警さん」
婦警「ひゃい!」
男「これ以上俺を拘束するって言うなら」
婦警「言うなら?」
男「今後一切婦警さんとは喋りません」
婦警「」
男「町で偶然鉢合わせたりしたとしても無視します」
婦警「」
男「それが嫌なら帰らせてください」
婦警「あ、はい、分かりました。お出口は右側です…」
男「はぁ、全く」
婦警「あ、あのー?」
男「はい?」
婦警「今後は私と話してくれないのでしょうか?顔を合わせても無視してしまうんですか?」
男「………はぁ」
婦警「ひぅ!」
男「冗談ですよ」
婦警「ふぇ?」
男「ですから、冗談です。婦警さん弄ると反応が面白いから、ついからかいたくなったんです」
婦警「じょ、冗談ですか」
男「はい」
婦警「また、私と話してくれるんですか?」
男「はい」
婦警「町で偶然出会っても無視したりしないんですか?」
男「はい」
婦警「連行してもいいんですか?」
男「それはやめてください」
婦警「…分かりました。今日のところは聞きたい事も聞けたので、帰って大丈夫です」
男「そうですか、それじゃあ」
婦警「…はい、お疲れ様でした…」
男「………」
婦警「………」
男「あの」
婦警「はい?なんですか?」
男「今度は、普通に話しかけてきてください」
婦警「え?」
男「そりゃ、いきなり連行されたら誰だって驚きますし、抵抗もします」
婦警「そ、そうですよね…」
男「でも、俺だって、婦警さんみたいな美人な方と話せるのは嫌じゃありませんから」
婦警「へ?」
男「んじゃ、そゆことで。お疲れ様でした」
婦警「ちょ、ちょちょちょ!待ってください!今のどういう意味ですかぁ!」
男「だぁ!!もう腕はなしてください!俺はもう帰るんですから!」
婦警「そんなぁ!ちょっと待ってくださいよ!男君!!」
男「あれ?なんでお前ここにいんの?」
妹「別に?兄の帰りが遅いから探してたら猫見つけて追いかけてたの」
男「ふーん。わりぃ、もしかして心配かけたか?」
妹「全然」
男「そっすか」
妹「それより早く帰ろうよ。私お腹すいたんだけど」
男「そーだな、俺も色々あって疲れたし早く飯食いてぇ」
妹「色々…ね」
男「ん?どうした」
妹「なんでもないよ?お兄ちゃん!」
男「うわっきっしょ!何たくらんでやがるお前!」
妹「ひっどーい!愛する兄のためにわざわざ迎えに来てあげたのに!」
男「お前猫追いかけてただけって言ってたじゃねぇか……」
妹「うん。そうだよー。いいからさっさと帰ろうよー」
男「はいはい」
妹「………………」
妹「………今まで覗くだけだったから大目に見てあげてたけど、お兄ちゃんを連れ去るなんて」
妹「お兄ちゃんに免じて一度だけは許してあげる。けど次は無いからね婦警さん?」
男「何してんだー?さっさと帰るぞー」
妹「はーい!お兄ちゃん!」
おしまい
おしまい!美人な婦警さんに取り調べられたい夢が見たいので寝ます!駄文失礼しました。おやすみなさい
乙
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