現役アイドルとホテルの同じ部屋にお泊り。普段であればスキャンダルである。特に相手が小学生アイドルなら尚更だろう。
「千枝、こうしてベッドに腰掛けて並んで、おしゃべりするのが夢だったんです♪」
サイズの合わないバスローブに身を包んだ担当アイドル、佐々木千枝が横にいる。そんな異常とも言える光景に遭遇することになった原因は数時間前にさかのぼる。
──
その日は地方でグラビア撮影があった。順調そうに見えた撮影も機材トラブルに見舞われ終了は20時前。佐々木千枝を女子寮に送り届けるため、車を飛ばすも大雨に見舞われてしまった。女子寮までの距離を考えると下手すると日付を跨ぐかもしれないし、この土砂降りでは時間はさらに読めないだろう。
「千枝、遅くなりそうだから、助手席で寝てていいんだぞ」
「いえ、移動中もお仕事中ですし…!」
真面目。千枝にはそんな言葉がよく似合う。そんな事を考えていると道路横の電光掲示板の文字が目に入った。
『●●高速道路 土砂災害通行止め』
「最悪だ……」
……
「大人1名、子供1名ですね、はい空室は1室のみですが、ございます」
結局、高速道路のインターチェンジの近くのビジネスホテルに宿泊する事にした。助手席という狭い空間で大切なアイドルを眠らせたくはなかったからだ。
「あの、シングルは空いて無いんですか?」
「いえ、シングルは満室でして…ツインルームが1室のみとなります」
アイドルと同室という事が引っかかったが、ベッドが2つあるツインルームということで、その部屋に決めた。部屋に入り早々に千枝はシャワーを浴びに浴室に向かった。
──
…そして今に至る。
「で、そのあと、小春ちゃんがね…♪」
「な、なぁ千枝?遅いから今日はそろそろ寝るんだ」
「はい…」
おしゃべりを楽しんでいた千枝は少し悲しげな表情を浮かべた。コミュニケーションも大切だが時間が時間。先に眠っていてもらうことにした。
「プロデューサーさんは…?」
「俺もシャワーを浴びてから寝るよ、おやすみ千枝」
「おやすみなさい」
……
ガチャッ
そこは洗面所兼脱衣所が備わった広めの浴室だった。そこに入った瞬間。目に飛び込んできたのは千枝の服だった。おしゃれな子供服が綺麗に畳まれていたが、その上にパンツが置いてあった。
「……」
先程のバスローブ姿の千枝が頭によぎる。それと同じような色、白いパンツ……
「……」
魔が差したと言うべきか、気がつけば一番上に置いてある千枝のパンツを手にとっていた。
「シミついてる…」
千枝の純白のパンツについた黄色いシミに俺は理性を失いかけていた。
「……やめておこう」
越えてはイケない一線は社会人としてわかっている。俺はパンティを元の位置に戻し、シャワーを浴びるため服を脱いだ。その時だった。
ガチャ
「ち、千枝!?」
よくあるハプニング。そう、そのはずだった。だが千枝は俺の裸体をじっと見つめていった。
「なんで嗅がなかったんですか?」
「なっ…」
彼女が発した言葉が空間を支配した。見られていたようだ。未遂で終わったが、それで済まされる話でない事は誰にでも明らかだ。
「プロデューサーさん、答えてくれないんですか?」
千枝は俺に言い訳を考える時間を与えなかった。あぁ全部おしまいだ。俺はその場に崩れ落ちた。
「すまなかった!!千枝、俺は…」
「…なんで…嗅がなかったんですか?って聞いてるんです!!」
謝罪の言葉は受け入れられなかったようだ。俺は正直に佐々木千枝のパンツに劣情を覚えたこと、それを行動に移しかけたことを話した。そして改めて謝罪のため土下座した。
「そう、ですか…それじゃ、試してみますか?」
顔を上げると合わないバスローブを脱ぎ捨てた千枝の姿あった。穢れの知らない未熟な身体が視界に飛び込んでくる。そこからは一瞬だった。
「ち、千枝?んぐっ!?」
千枝は股間を俺の口に押し当てたのである。毛のないつるつるの秘所が0センチ前にある。小さなワレメから鼻の奥に淫らなニオイが伝わってくる。
「…どう、ですか?千枝のおまんこ❤」
「んぐぅ!?ぐぐぅ」
「えへへ❤千枝のにおいでコーフンしてるなんて…プロデューサーさんはヘンタイ、なんですね❤」
興奮しないわけが無かった。俺のペニスはギンギンに勃起して先端からは我慢汁が滴っていた。まだ女性として見るには若いかもしれないが、俺にとって大切な担当アイドル佐々木千枝は、最高の女性だ。
「舌でぺろぺろしてください❤」
小さな妖精のクンニ要求に逆らうことはできなかった。俺は密着した口から舌を出し秘所を舐めはじめた。
「…は❤…はぁ…❤いい…ですよ…千枝のおまんこ、もっと舐めてください」
幼い秘所から流れ出る淫靡な液体が、口内に流れ込む。卑猥な雌のニオイが鼻へと抜けていく。
「は、はぁ❤は、あぁ~ん❤プロデューサーさん、とってもお上手です…❤」
頭の中が千枝のニオイでいっぱいだ。クンニをしたまま無意識に手がペニスに向かう。
「プロデューサーさん、オナニーしちゃ、だめです…よ❤」
うるさい。もう我慢なんてできない。ペニスを握った手をシコシコと動かす。もちろん口も止めるわけにはいかない。
「あぁ❤だ、だめぇ❤」
イキたいイカせたい。もう頭の中がめちゃくちゃだ。
「あっん゛ああぁあああ!!」
ドピュウウウウ
千枝の悲鳴にも似た喘ぎ声が聞こえた瞬間、俺は射精した。千枝も絶頂したのか、腰がカクついた。
「はぁはぁ…❤タイミングばっちりです❤」
……
ザーメンを放出して冷静になった俺はことの大きさに気がついてしまった。担当アイドルと一線を越えてしまった。しかも純愛であっても非合法な年頃だ。
「お、俺は…」
「プロデューサーさんは、勝手にオナニーしてイッちゃいましたね…サイテーです」
軽蔑の目つきだった。俺は言葉を失い放心してしまった。千枝はニヤニヤと笑みを浮かべながら脱衣所を出ていく。
「それじゃあ、千枝は先に寝ますね…おやすみなさい」
──
翌朝、ホテルをチェックアウトして女子寮へと車を走らせる。
「……」
「……」
無言が続く。昨晩あんな事があったのだから当然だろう。車を走らせること数時間、女子寮に着き、建物の前に車を停める。
「…千枝、ついたぞ」
「プロデューサーさん…!!」
千枝は声を出して言った。
「ごめんなさいプロデューサーさん…昨日のことは全部、ブルーナポレオンのみなさんにお話しました」
「え…」
千枝の突然の暴露に固まってしまう。ブルーナポレオンのメンバーに話した?なんだ、どういうことなんだ。そんな事を考えていると…
「って言ったら驚きます?」
「…わ、悪い冗談はよせ…」
「冗談なんかじゃないですよ?」
千枝はそう言うとスマホの画面を俺に見せる。そこには行き果てて呆然とする俺の姿が映し出されていた。そう、わるい子、佐々木千枝が握った俺の弱みだった。
「…千枝が誰にも言わないと信じてます?…でも千枝のコト甘く見てるとホントにバラしちゃいますよ」
「条件はなんだ?」
「えへへ❤千枝のお願いはこれです…」
俺にハートのシールで封をされた便箋を手渡すと、そそくさと車から降りて女子寮に入っていった。
──
千枝のレッスンは休みになったが、プロデューサーである俺は、今日も仕事だ。事務所に戻るなりデスクへと向かう。
「お疲れ様です。プロデューサーさん♪昨日は大変だったみたいですね」
事務員の千川ちひろが、ねぎらいの言葉をかけてくれた。
「えぇ、大変でしたよ。あっこれホテルの領収書です」
日常的な会話を終え一息つく。俺は千枝に便箋をもらっていことを思い出した。ちひろさんに気付かれないように封を破り中身を確認する。
『昨日、とっても気持ちよかったです。だから──千枝にクンニする舐め犬になってください❤ ささきちえ』
俺の答えはイエス以外ありえなかった。
(おしまい)
「次があるときはイチゴジャム持って割り込まないと……」
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