【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その3【ADV】 (542)

・京太郎SSです。苦手な方はブラウザバック推奨

・安価が中心です。是非ご参加ください

・CP要素は少なくともエンディングまで多分ありません

・TRPG風要素も多分あります

・初スレにつき、至らぬ点もあるかと思いますがよろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1605003753

<基本システム>

・主人公は京太郎。通常一人までの同行者を連れることができる。
→現在は人数無制限

・各キャラは6種類のステータスを持つ(0〜9):
【探索】【行動】【交渉】【知識】【オカルト】【体力】

・判定はその分野のステータスを元に行う。同行者とのステータスの合算
(【ステ(高)】+【ステ(低)】× 0.5)× 8 が基本的な成否判定値。
コンマ≦判定値なら判定成功。判定値<コンマなら失敗。
一度失敗した判定では判定値に+10のリベンジ補正がかかる(一段階まで)。
当然状況によって判定値に補正がかかることがある。
00は100扱いなので注意。

<安価とりかた>

 【日付 時刻】 場所

どうする?
同行者:同行者
持ち物:持ち物一覧への安価
ステ :ステータス一覧への安価
周囲 :周囲にある施設等
人  :周囲にいる人(自分と同行者除く)
デバフ:キャラ→現在かかっているデバフ

1. 移動する
・場所指定

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・〜〜〜〜〜(場所)
・〜〜〜〜〜(場所)

4. 自由安価


↓◯

1. 移動:
別の場所に移動する。行ったことのない場所や行きづらい場所への移動は【行動】で判定

2. さぐる:
各種、その場でできる行動(場所を変えるものは1. 移動との複合扱い)
→辺りを見渡す
 隠れているものに気づく。【探索】で判定。失敗したら連続判定不可。

3. その他
装備や編成を変更する。

4. 自由安価:
適切と思われる判定を再コンマする。

・安価指定の内容について
一度に指定できる内容は「2つまで」。
何を持って1つとするかは定義が難しいので解釈にお任せするが、おおよそ
「『1. 移動する』や『2. さぐる』を組み合わせて実行するとしたらどうなるか?」
というのを基準にお考えを。無効な内容は安価下。

・連取ルール
 ・選択安価は連取不可
 ・コンマは連取可
 ・人が少ない(安価先が直下)時は安価後15分書き込みなければ選択も連取可
 ・連取不可の安価で取られた場合安価下

<時間>
10分単位で管理。行動によって消費時間が違う。
例)
・辺りを見渡す→0分
・会話→10分
・〇〇を探す→20分


<夜間の外出>
18:00〜06:00は「夜間」となる。

・バッドイベント
神楽山や小佐目山など、村の舗装路が通っている場所以外で高コンマを出すと発生。
「懐中電灯」所持キャラ及び同行者一名までは判定を軽減できる。
以下判定表(カッコ内は懐中電灯)
91-94(96-97):ちょっとこける。場所によってはヤバいかも。
95-98(98-99):脚をくじく。旅館等で手当するまで【行動】【体力】に-1。
99-00(00)  :??

・判定の下方補正
明かりのない所では【探索】【行動】-10。
「懐中電灯」があれば-5に抑えることができる。


<食事>
旅館で食べることができる。夕食は女子部屋(203号室)でそれ以外は食堂。
遅れると怒られたりおかずを取られたりする。間に合わないと食べられない。
 朝食:08:00〜09:00
 昼食:12:00〜13:00
 夕食:19:00〜20:00

必ずしも食べなければならないわけではないが、抜きすぎるとデバフがつく。
食事をすればデバフは解除される。
2食抜く:【体力】-1
3食以上抜く:【体力】-2
「◯食抜く」は食事の時間が終了した時点で判断される。


<睡眠>
京太郎の部屋(307号室)ではいつでも寝ることができる。安価時いつ起きるか指定。
特に指定がなければ夕食後に寝ると07:00に起床、それ以外は次の食事の前に誰かに起こされる。
過去24時間で寝た時間が3時間未満だと【探索】【体力】に-1のデバフ。


<炭鉱迷宮>
小佐目山にある廃炭鉱の入り組んだ坑道。5階層に分かれている。

・階層を進む/戻る際には
(【行動(高)】+【行動(低)】× 0.5)× 4
の判定が発生。失敗すればその階層に留まる(20分は消費)。
ただし入山直後は入口付近にいるためすぐに引き返せる。
「天岩戸」を通ってきた直後の第5階層でも同様。
あるいは、(40分×階層数)の時間を使い「確実に戻る」ことも可能。

・「夜間」判定について
基本明かりはなく、「夜間」の判定が常に適用される(懐中電灯も同じ扱い)。


<天岩戸>
炭鉱迷宮第5階層と祭壇を繋ぐ通路。
大きな岩の扉で塞がれており、どちらからでも開閉できる。
開閉の際には以下の通り【体力】で判定(安価時に通った後閉めていくか表記)。

開閉が生じる場合(10分)
・開けて閉じる場合
→対象コンマで開ける。成功していたら直下で閉める
・開けるだけor閉めるだけ
→対象コンマで開けるor閉める

開閉が生じない場合(0分)
→そのまま


<自動車の運転>
自動車の運転にはスキル【自動車運転】が必要。スキルは以下の判定に成功することでを取得できる。

・運転練習(20分)
【行動】× 4 の判定に成功することで、そのキャラは【自動車運転】を取得する。
当然ながら目の前に動く自動車がなければならないし、一台の自動車につき一人ずつしか練習できない。
「染谷まこ」は、この判定に1.5倍の補正がかかる。

スキルを所持しているキャラ
・まこ
・「榎田爺、楸野」を除く成人

自動車を使うことで村内の移動による時間消費は0分になる。

テンプレは以上ですが、漏れがあればご指摘ください。

前スレ:【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その2【ADV】
【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その2【ADV】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1601114329/)

ステータス一覧:清澄高校

須賀京太郎
【探索】:5
【行動】:6
【交渉】:7
【知識】:7
【オカルト】:3
【体力】:4

宮永咲
【探索】:5
【行動】:3
【交渉】:3
【知識】:7
【オカルト】:8
【体力】:3

原村和
【探索】:6
【行動】:6
【交渉】:4
【知識】:8
【オカルト】:1
【体力】:4

片岡優希
【探索】:8
【行動】:4
【交渉】:4
【知識】:2
【オカルト】:7
【体力】:2

染谷まこ
【探索】:4
【行動】:8
【交渉】:4
【知識】:5
【オカルト】:4
【体力】:5

竹井久
【探索】:3
【行動】:3
【交渉】:8
【知識】:5
【オカルト】:6
【体力】:4

ステータス一覧:大学生

山下
【探索】:5
【行動】:5
【交渉】:6
【知識】:4
【オカルト】:2
【体力】:8

北村
【探索】:5
【行動】:5
【交渉】:2
【知識】:8
【オカルト】:7
【体力】:4

向坂
【探索】:4
【行動】:7
【交渉】:4
【知識】:6
【オカルト】:4
【体力】:6


ステータス一覧:会社員

堂島
【探索】:6
【行動】:6
【交渉】:3
【知識】:8
【オカルト】:2
【体力】:2

米本
【探索】:7
【行動】:2
【交渉】:7
【知識】:4
【オカルト】:5
【体力】:4

ステータス一覧:村人

主人
【探索】:5
【行動】:7
【交渉】:4
【知識】:6
【オカルト】:3
【体力】:6

女将
【探索】:4
【行動】:7
【交渉】:6
【知識】:5
【オカルト】:4
【体力】:5

椿屋
【探索】:7
【行動】:5
【交渉】:3
【知識】:4
【オカルト】:5
【体力】:8

榎田
【探索】:2
【行動】:6
【交渉】:4
【知識】:3
【オカルト】:7
【体力】:7

榎田爺
【探索】:6
【行動】:3
【交渉】:2
【知識】:4
【オカルト】:8
【体力】:2


【探索】:4
【行動】:4
【交渉】:7
【知識】:4
【オカルト】:6
【体力】:7

柊妻
【探索】:6
【行動】:5
【交渉】:6
【知識】:3
【オカルト】:4
【体力】:5

カブ
【探索】:4
【行動】:3
【交渉】:4
【知識】:2
【オカルト】:6
【体力】:3

持ち物


・携帯電話
俺のケータイ。高画素の背面カメラが自慢の機種だ。

・腕時計
旅行の時は身につけている腕時計。
普段学校に行くときはかったるいので着けないのが男子高校生。

・旅館の地図
泊まっている旅館の館内地図。流石にもう迷わない。
http://imgur.com/laCzxEN

・懐中電灯
俺の泊まっている部屋にあった懐中電灯だが、もはや私物化してしまっている。
結構酷使しているが電池は絶対大丈夫。

・小佐目村の地図
この村の簡単な地図。やけに手書きっぽく雑に見えるが目の錯覚である。
http://imgur.com/a/xUtc2WP

・電子メモ帳
神楽神社の縁台下に落ちていた電子メモ帳。中身は米本の残した書き置きだった。

・曲げたヘアピン
優希から貰ったヘアピンを曲げたもの。
相当頑張れば、補正なしの【探索】でピッキングできるかもしれない。

・小さな鍵
小佐目山の炭鉱入り口で拾った、旅館事務所の金庫の鍵だ。

・古い新聞
廃炭鉱で見つけたとても古い英字新聞。1932年に発行されたアメリカの記事だった。

・マスターキー
事務所からくすねた旅館のマスターキー。307号室の鍵を墓地に送って召喚した。

・麻酔薬
「ケタミン」という麻薬指定のアブナイ薬。茶色いビンに入っている。

・注射器
お医者さんごっこのおもちゃではない、正真正銘の注射器。
ビンから薬品を抜き出すのには多少手間取る。

・小瓶
注射一回分の薬品を入れることができる小瓶。
ここに入っている薬品はノータイムで注射できる。

・車の鍵(榎田)
榎田の作業着に入っていた軽トラの鍵。白米くんストラップ付き。

・ガムテープ
榎田宅にあったコンバインの座席から見つけた黒いガムテープ。
今のところ人を縛る用途にしか使っていない。

・電子メモ帳の充電器
101号室の宿泊客、米本の荷物に入っていた充電器。100V:50-60Hz。

・車の鍵(旅館)
旅館の主人から預かった赤いコンパクトカーの鍵。

・ワイヤーカッター
旅館の物置で手に入れたワイヤーカッター。有刺鉄線やフェンスのような細い金属なら切断できるだろう。

・地下通路の鍵
楸野の金庫にあった鍵。「旅館・別館 2階 廊下」にあるハッチの錠を開閉できる。

武器

 装備中
京太郎:金属パイプ
咲:スコップ
和:高枝鋏
優希:スコップ
まこ:モンキーレンチ
久:シャベル
山下:日本刀
北村:シャベル
向坂:日本刀
堂島:大斧
米本:備中鍬
主人:包丁
椿屋:日本刀

 余剰
スコップ × 1
包丁 × 2

・金属パイプ:判定値+20・与ダメージ+1
軽くて取り回しのいいパイプ。素の【行動】が5以上なら隠し持てる。

・包丁:判定値+5・与ダメージ+2
どこにでもある普通の包丁。小さいので隠し持てる。

・モンキーレンチ:判定値+15・与ダメージ+1
ずっしり重いステンレスのレンチ。素の【行動】が3以上なら隠し持てる。

・高枝鋏:判定値+30・与ダメージ+2、狭い場所(室内など)では判定値-30・与ダメージ+2
リーチの長さが売りの高枝切りバサミ。どう考えても隠せない。

・スコップ:判定値+5
園芸用の小さな「スコップ」。戦闘に使うには心許ない。小さいので隠し持てる。

・備中鍬:判定値+10・与ダメージ+1
畑の土を耕すのに使われる鍬。隠せないため、持っていれば相当目立つ。

・シャベル:判定値+10・与ダメージ+1
掘ってもよし、振り回してもよしの「シャベル」。隠せないため、持っていれば相当目立つ。

・日本刀:判定値+20・与ダメージ+2
木刀や竹刀とは違う本物の真剣。素の【行動】が5以上なら隠し持てる。

・大斧:与ダメージ+3
金太郎が担いでいそうな大きな斧。これで叩き斬られれば堪ったものではないだろう。
しかしあまりに重いため、行動順について【体力】-3相当のデバフがつく。

>>7に柊一家のステータスを追加したので参照お願いします。
前スレ>>976から再開です。

〜〜〜〜〜


柊「......さて、俺はどうすりゃいいんだ?」


1. 俺たちと一緒に来てくれ

2. 地下研究室に合流してくれ

3. 家で待機していてくれ

4. その他(自由安価)

↓2

1

1

1. 俺たちと一緒に来てくれ


京太郎「解読に人をやっても人員過多だろうし、ひとまずは俺たちと一緒に来てくれ」

柊「相分かった」

久「私、この男と一緒に行くのイヤよ」

柊「なぁなぁ、俺が悪かったからさ......機嫌直してくれよ、ひ――――」

久「......」キッ

柊「――――た、竹井さん」

久「よろしい」


 【4日目 11:00】 楸野宅 2階 廊下 書斎前

どうする?

持ち物:>>8
同行者:久、椿屋、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :護衛A〜D(拘束)、楸野(拘束)
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・咲→【行動】-2(【4日目 11:10】まで)、恐怖状態(【4日目 12:10】まで)、麻酔(【4日目 11:40】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(京太郎)】+【探索(久)】× 0.5)× 8 = 52
・話をする(10分)
・楸野を説得する(10分)
(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 0.5 + 2 = 8
・麻酔薬を使う

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久、椿屋(楸野宅 2階 書斎)
・咲、優希、まこ、米本(楸野宅 地下研究室)
・和、山下、北村、向坂、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中)

4. 自由安価


↓2

4 榎田ジュニア、旅館女将もここに呼ぶ(榎田が車で女将も乗せて来れば時間もかからないよね?)
前スレ>>474の事がちょっと気になるから3家や女将の家になにかオフラシ様についての言い伝えとか教えとか何でもいいから親や祖父祖母、ご先祖から気になることを聞いてないか話し合って欲しい

京太郎「柊、この家の電話はどこに?」

柊「居間にあるぜ。着いていってやるよ」


 【4日目 11:00】 楸野宅 1階 居間


京太郎「黒電話って......いつから使ってるんだよ、一体」

柊「今時の子は使い方知らねえんだろ?教えてやろうか」

京太郎「そんくらい知ってるわ!というか、あんただって世代じゃないだろ」ジーガガガ

こんなもの、FAXどころか家庭では殆ど見なくなって久しい昨今では立派な骨董品だ。
慣れない手つきでダイヤルに指を掛け、何度か回すうちにようやく電話は繋がった。しかし悲しいかな、この電話はすぐに切らねばならない。
数コールしてからもう一度同じ動作を繰り返すと、ようやく期待していた人物の声にありつくことができた。

榎田『もしもし、須賀君?ボクボク、ボクだけど』

京太郎「ふざけるなら切るぞ」

榎田『ちぇ、ちょっとくらい乗ってくれたっていいのに......で、何かあったのかい?』

京太郎「色々な......取り敢えず楸野の家は押さえたから安全だ」

京太郎「話し合いたいことがあるから、旅館に寄って女将を拾ってから来てくれるか?」

榎田『わかった。すぐ行くからちょっと待っててくれ』プツッ

 【4日目 11:00】 楸野宅 2階 廊下 書斎前


女将「もう!折角お昼の用意してたのに」プンスカ

柊「よう榎田。お前がこっちに付いてるっていうのは本当だったんだな」

榎田「柊、君まで!......その鼻、やっぱり須賀君と戦いになったのか」

柊「あーいや、これは別口でな」ハハハ

榎田「......?」

間もなく白い軽トラが家の門を通り抜け、女将を連れ立った榎田がやって来た。
いや、本当に”間も無い”ほど早かった......群馬の豆腐屋もびっくりである。

京太郎「その話は置いておくとして、ちょっと聞きたいことがあるんだ」

京太郎「女将、昨晩あんた確か――――」


 優希「そうか...困ったじぇ、オフラシサマを鎮める情報が欲しいのに」

 女将「オフラシサマ...って、あの祀られてる神様のことよね」

 女将「オフラシサマ、オフラシサマ.........『オフラシサマ』?」

 優希「何か知ってるのか?!」

 女将「いえ、むかーしにね。おじいちゃんから何か聞いた気がするんだけど......うーん」


女将「あぁ、そんな話もあったわね」

女将「どうにも思い出せないのよね......ほんのこの辺りまで出かけてるんだけど」

そう言って女将は喉と顎の間を指で示した。
あとひと押し、キッカケさえ思い出せそうだという仕草だ。

京太郎「ともかく、こんな感じで何かオフラシサマについて知ってることがあれば教えてほしいんだ」


(【探索(椿屋)】+【探索(女将)】× 0.5 + 【探索(榎田)】× 0.5)× 8 = 80

↓2

37/80→成功!

どうにも筆が進まないので今日はここまでにします。全然話が進まず申し訳ない......
ついに3スレ目突入です。恐らくこれが最後のスレになるかと思いますのでよろしくお願いします。

明日は19時には始められると思います。今日よりはもうちょっと頑張りたいところ。
皆さま、今回もお疲れ様でした。

乙です

>明日は19時には始められると思います
なんて言ってましたが全然思いつかないんですわ、これが。
でき次第投下します......

書けたので始めます

37/80→成功!


榎田「――――それで寝る時に虫がすごく入ってきちゃってさぁ」

椿屋「虫と言えば、川の近くにカブトムシがよく集まる樹があったな」

榎田「あー、あったあった!」

久「......」イライラ

京太郎「ま、まあまあ」アセアセ

互いの「家」として知っていることで、何か有益な情報が新たに出てくることはなかったので、親や先祖から聞いた言い伝えについて話してもらうことになった。
しかし昔話が弾むうちにあれよあれよと話題は逸れていき、現在のような状況に至ってしまったていた。
結局その大声が耳を劈いたのは、今にも竹井先輩の堪忍袋が切れるかと思われたところだった。

女将「あー!!」

椿屋「」ビクッ

女将「ご、ごめんなさい......いやいや、それより大変よ!」

女将「例の話、思い出したわ!」

京太郎「本当か!?一体今の話のどこに思い出す要素が......」

女将「昔を懐かしんでたら、急にフッとね」アハハ

女将「ええと、私がまだ小学校にも入ってない頃の話なんだけどね――――」

母親「ちょっとお客さんにお料理出してくるわね」

少女「おかあさーん、ひーまー」バタバタ

母親「そう言われても......何なら手伝ってくれない?お駄賃出すわよ」

少女「えー、めんどくさいからいいや」


私が小さい時は両親も旅館の仕事で忙しかったから、面倒なんて殆ど見てくれなかった......今ではその苦労もわかるけどね。
だから育ての親は祖父母だったと言っても過言じゃない。特に祖父はよく遊んでくれたし、夜怖くて眠れない時は一緒に添い寝してくれたりもしたわ。
その時、決まって口にしていたフレーズがあって――――

「今晩は神様に会えるかね」

ずっと気になってたんだけど、ある夜ついに聞いてみたのよ。


祖父「ほら、そろそろ寝ようか」

少女「はーい」トテトテ

祖父「さてと......今晩は神様に会えるかねぇ」

少女「おじいちゃん、ねるときそればっかいってる」

祖父「ん?」

少女「『かみさまにあえるかな』って」

祖父「ああ、これかい?特に意味は無いんだけどね」

祖父「僕のお祖母さん――つまりお前のひいひいおばあさんだね――がよく言ってたのさ」

祖父「『べっぴんさんと一緒に寝ると、夢の中で神様に会えるんだよ』って」

少女「かみさまって、あめのかみさまのこと?」

祖父「そこまでは言ってなかったけど......この村で神様といえば、恐らくオフラシサマだろう」

祖父「お前はかわいいからね。一緒に寝てれば僕もじきに見れるだろうさ」

祖父「しかしアイツと結婚して以来、そんな夢はついぞなかったなぁ」

祖父「アイツは怖いばっかりで......っていかんいかん!聞かれたら殺される」

祖父「ほら、早く寝ようか」

少女「うん......おやすみ......」

女将「――――どう?何かわからないかしら」

柊「そんな話、聞いたことねえなぁ......お前らは?」

椿屋「.........いや」

榎田「僕も記憶にないな」

少なくとも四家の連中は知らないようだが、女将の家だけに残っていた貴重な話であるともいえる。
どうにも胡散臭い話だが、兎にも角にもそんなに簡単に会えるなら試してみようか......


どうする?

持ち物:>>8
同行者:久、椿屋、榎田、女将
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :護衛A〜D、楸野(拘束)
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・咲→【行動】-2(【4日目 11:10】まで)、恐怖状態(【4日目 12:10】まで)、麻酔(【4日目 11:40】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(京太郎)】+【探索(久)】× 0.5)× 8 = 52
・話をする(10分)
・楸野を説得する(10分)
(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 0.5 = 6
・麻酔薬を使う
・『寝る』

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久、椿屋(楸野宅 2階 書斎)
・咲、優希、まこ、米本(楸野宅 地下研究室)
・和、山下、北村、向坂、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中)

4. 自由安価


榎田と女将の行動について(帰る or 着いてくる)も指定お願いします。

↓2

2 久と同じ布団で寝る
この場合、起きる時間の指定出来る?出来るなら解読までor何か重要な夢なら夢が終わるまで


榎田、女将はこのままで

既に咲が寝てるのにわざわざヒッサと寝る理由…ヒッサがこの集団で一番のべっぴんだからですね!

現在【4日目 11:10】で解読終了は【4日目 11:40】→30分間の余裕があります。

(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(久)】× 0.5)= 9

↓2

失敗しても↓4まで連続判定

無理すぎww

来いや!

そいや

この判定も再挑戦補正はありません。
ちなみに判定値で京太郎が等倍なのは仕様です。

43/09→失敗
44/09→失敗
47/09→失敗


幸いにもこの家には腐るほど客室があるのだし、どこか一つくらい使っても大丈夫だろう。
丁度この隣にも和室がある。そうなれば思い立ったが吉日、早速竹井先輩に――――

京太郎「先輩、俺と寝てくれませんか?」

久「......は?」

榎田「ブーッ」

柊「アッハッハッハ!!ひぃ、腹いてぇ!!」ゲラゲラ

女将「その言い方はちょっと......」

――――え、何この反応?
俺は数瞬自分の発言を顧みて......なんつー発言してんだ、俺。

京太郎「あ、いやその、これは別にそういうわけじゃなくてですね、女将が言ってたことを試してみたいっていうか」アセアセ

柊「おいおい聞いたか?『久、俺と寝てくれ』だって――」ゴチン

椿屋「柊、少し黙っていろ」

柊は後でシバく。しかし今俺が話している相手は竹井先輩であって、このエロオヤジではないのだ。
怒っているだろうかと控え目にその表情を伺うと、意外にも先輩は狐につままれたような顔をしていた。

久「えーっと、私は構わないけど......本当に良いの?」

京太郎「何がですか?」

久「いえ、別に。解読のこともあるし早く済ませちゃいましょ」

京太郎「......!!ほ、本当に不純な動機じゃないですからね!?」

久「そうしつこく言うと余計に怪しく聞こえるわよ?」

そう言いながら隣の和室へ入り、すぐ右の押し入れを開ける。
おあつらえ向きに仕舞われていた敷布団からは、少々カビの匂いが漂っていた。

 【4日目 11:40】 楸野宅 2階 和室6


京太郎「......」パチッ

榎田「おや、おはよう須賀君。いい夢見れたかい?」

静かな和室の中にいる人間は俺以外に四人いた。
枕元に立って声を掛けてくる榎田に部屋の端で胡座といびきをかく柊、それから窓際に降りしきる雨を眺めて佇む女将。椿屋は隣の見張りか?
そして俺のすぐ隣――流石に違う布団である――で、未だ瞼を閉じたままの竹井先輩だ。

京太郎「先輩、起きてください」ユサユサ

久「ふぁぁぁぁ.........あら、失敗だったのかしら」

京太郎「みたいですね」

腕時計に目を落とすと、長針は文字盤上の"8"へ差し掛かろうというところだった。
そろそろ解読が始まって一時間、様子を見に行っても良い頃だろうか。


 【4日目 11:40】 楸野宅 2階 和室6

どうする?

持ち物:>>8
同行者:久、椿屋、榎田、柊、女将
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :護衛A〜D・楸野(拘束)
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・咲→恐怖状態(【4日目 12:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(京太郎)】+【探索(久)】× 0.5)× 8 = 52
・話をする(10分)
・楸野を説得する(10分)
(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 0.5 = 6
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久、椿屋、榎田、柊、女将(楸野宅 2階 書斎)
・咲、優希、まこ、米本(楸野宅 地下研究室)
・和、山下、北村、向坂、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中)

4. 自由安価


↓2

地下研究室へ向かう

 【4日目 11:40】 楸野宅 土蔵


レインコートを羽織り、玄関を開けて庭の端を目指す。
土蔵の外のひさしの下には、その狭さにもかかわらず五人もの人影を認めることができる。
一時間ぶりに見るその顔は随分疲れ果てた様子で、あの和ですら手を頭上に組んで大きく伸びをしていた。

和「竹井先輩に須賀君...んん......ふぅ、どうされたんですか?」グッ

京太郎(和......やはりいいおもちをおもちだ)

久「ちょっと様子を見に来たのよ。進捗はどんな感じ?」

和「ふふっ、それは......」チラッ

天使の眼は微笑み、その動きが土蔵の奥を指し示した。実際に行けば分かるってことか。
みんなに軽く礼を言った後、俺たちは薄暗い階段を下に踏みしめていった。

北村「宮永さんが目を覚ましたみたいだから、あんまり刺激してあげるなよー」


 【4日目 11:40】 楸野宅 地下研究室


京太郎「お疲れさん。咲は大丈夫そうか?」

優希「一人にしておくぶんには暴れないみたいだじぇ。ずっと何か言ってるけど......」チラッ

まこ「可哀想じゃが、今はこうするしかないしのぅ」

部屋の隅には、やはり頭を抱えて座り込んでいる見慣れたちんちくりんの姿があった。何もしてやれないのが心苦しいが、染谷先輩の言うとおりだ。
同じように頭を抱えている――ただしこちらは椅子に座り、机に肘を立てている――山下の姿が、咲と反対側の隅にはあった。

山下「クソッ、どうしてなんだ......」

京太郎「随分やさぐれてるな。どうしたんだ?」

山下「ん?ああ、須賀か。それが実はな......」

山下「――――本当に一時間で終わっちまったんだよ」

京太郎「だろうと思ったぜチクショウ!」ガシッ

山下「本当にどうなってるんだよ!お前の要求は無茶ぶり過ぎるし、かと思えば達成できちまうし」

京太郎「いや、マジで感謝してるよ!......それでこれが例のブツか」ペラッ

山下「ただし全訳じゃない。話の流れ全体が追える分だけの要約だ」

机の中央の紙を取り上げると、それはビッシリと文字の書かれた数枚のレポート用紙だった。
端には夥しい数のメモ書きが薄く走っているが、本文だけはくっきりとした確実な筆跡で記されていた。

<霎伝>

昔、とある人里離れた村があった。
雨は降らず開墾も進まないその地の人々は貧しかったが、古くより霊地であるとして山々は守られていた。

ある壬申の年、木々が色づく葉月の頃のことだ。日が昇り、普段であれば一面の秋晴れであろう大空を厚い暗雲が覆う中、その隙間を縫って天より一柱の神がいらっしゃった。
村の者が「貴方はどなたか」と尋ねると、その方は堂々たる語調で「私は雨風の神である」とお答え給わった。
曰く「昔からこの地を見ているに、お前たちは一向に豊かにならない。どうして私がこれを救おうとせずいられるだろうか」とて、村の者たちは尽く感謝の意を示した。
だが神は続けて、「しかしただ雨を降らせることは出来ない。これより先は壬申の年毎に美しき妾を四人、私に差し出しなさい」と仰るのだ。
村に住む中に神が満足される女はおらず、村人たちはこれに頭を悩ませた。
そうするうちに四人の大変見目麗しい女性達がやってきた。旅の者であるという彼女たちに事情を伝えると、少し考えさせてほしいと返した。

その夕刻、一人の女がある家を訪れ「私が妻になりましょう」と言うと、そこに住む村人は嫁入りの支度をした。
次の日の夕刻、次の女がまた別の家を訪れて同じように言うので、やはり村人は嫁入りの支度をした。
そうして四日目の夕刻、ついに最後の一人がある家の戸を叩いた。

夜明け前、村で最も大きな山にある洞へ四人の女とそれに付き添う四人の男が集まった。
男達が女に禊をしてやり、そこにおわす神へ「貴方の望む麗しき女人を四名、ここへ連れてまいりました」と申し上げると、
神は「さらば汝らを我が妾としよう」とお答えなさる。この時、現世を去る女たちはそれぞれこのように詠んだ。

「妻籠に 八重垣作る たまつばき その八重垣に つきたりぬべし」

「妻籠に 八重垣作る えのきぎの その八重垣に つきたりぬべし」

「妻籠に 八重垣作る きささげの その八重垣に つきたりぬべし」

「妻籠に 八重垣作る ひいらぎの その八重垣に つきたりぬべし」

神は「この地に恵のあらんことを」と言うと、妾共と常世へ旅立っていった。

じきに土地はよく肥え、よく潤い、人々は豊かになった。秋には特に雨が降った。
世話をした四人の男はそれぞれ『椿屋』『榎田』『楸野』『柊』と名乗り、村の権力者となった。
そしていつしかその神を村人達は『オフラシサマ』と呼び、深く崇め奉るようになっていた。

またある壬申の年には、秋がやってきたにも拘わらず村人達は為す術がなかった。
村には醜い女の他には老婆や赤子しかおらず、旅人も居なかった。つまり生贄にするはずの女が足りなかったのである。
約束の日が近づいても妾は差し出されず、これに怒り狂ったオフラシサマによって三日三晩大雨が降り続けた。
困った人々は雨を止めるよう嘆願しに言ったが、オフラシサマは聞く耳を持たなかった。

ある晩、榎田の夢に一人の女性が現れた。錦上添花のいでたちで大変高貴に見えたその方は、榎田に一本の櫛を手渡してこう言った。
「あの方がいらっしゃったら、これを後ろ髪に挿して差し上げなさい。きっと落ち着きなさることでしょう。」
目を覚ますと、榎田の枕元には確かにその櫛が置かれていた。

そして約束の日のことである。荒ぶる形相のオフラシサマを前に榎田は、その命と引き換えにその櫛を挿し給いた。
するとはっと表情を変えた神は、理性を取り戻したかのように天へ帰っていかれたのだった。


残念なことにこの後訪れた飢饉によって村は一時荒れ果て、その混乱のうちに櫛は失われてしまった。
榎田の家の者の夢に彼の貴婦人が現れることはついぞ無く、彼らは諦めて安定して生贄を捧ぐ方法を考えるようになった。
そして結局、人里にて美女を呼び寄せ、村に滞在させるということへ思い至った。
これらが時代を下り、言い伝えられる毎に変容され、余所から来た女性を生贄とするしきたりが起こったのである。
やがて漢字が日本へ伝わると、今まで名もなかったこの村は「妾を雨の神に献上する」との事から『霎』と呼ばれるようになった。
神代が過ぎ去り律令の時代となった昨今にあっても、この霎の地には未だ神がいらっしゃるのだ。

京太郎「――――『霎』、ねぇ」


 京太郎「いや、このバス停の名前、なんて読むのかな―って」

 咲「『小佐目』...『こさめ』?」

 和「『おざめ』です」


 咲「『こさめでん』、だね」

 京太郎「『こさめ』って...小降りの雨の『小雨』か?」

この内装......つまりこれらの書物たちは、他に小佐目村にあるどんな部屋とも似つかないものだろう。
分厚い土の層で隔てられたこの部屋に居ると、まるで俺たちは別世界に誘われたかのように錯覚してしまうのだ。
しかし数多の水滴が地面を叩き、風が大地を揺らすその音だけは、今もこの鼓膜に届いてきていた。

あー最後改行間違えたー
今日はここで終わりにします。

前スレの埋め協力ありがとうございました。
>>1000も書かせていただきますので、しばしお待ちください。

明日こそは19時に始めたい所存であります。
皆さま、今回もお疲れ様でした。

乙です
夢に出てくる美人さんと接触する方法他にないか考えないと

爺さんの幻覚みせる目でなんとでもなりそう

19時から始めます

開始ー

よし

突如、ぐぅという空気の絞れるような音がかすかに聞こえた。鼓膜を揺らすのは嵐の音だけでは無かったようだ。
山下が少々恥ずかしそうに頭を掻いているのをみて、張り詰めた空気がにわかにほころんだ。

京太郎「ははっ、何だよ」

山下「いやすまん、頭使ったら腹が減ってきたもんでな......」ポリポリ

久「あら、もうそんな時間なのね」

女将「申し訳ないけどまだ作ってる途中だから我慢してね?途中で呼び出されたんだから」

女将「今すぐ帰っても30分くらいは待ってもらわないと」


 【4日目 11:50】 楸野宅 地下研究室

どうする?

持ち物:>>8
同行者:久、椿屋、榎田、柊、女将
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・咲→恐怖状態(【4日目 12:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(京太郎)】+【探索(久)】× 0.5)× 8 = 52
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久、椿屋、榎田、柊、女将(楸野宅 2階 書斎)
・咲、優希、まこ、米本(楸野宅 地下研究室)
・和、山下、北村、向坂、堂島、主人(楸野宅 地下研究室)

4. 自由安価


↓2

2 久と寝ましょう

咲とは寝れる?

麻酔薬を使えば寝ることには寝れますが、
判定に成功したとしてもその後の行動は保証できません。

再安価↓1

2 久と寝る
他のキャラは楸野の見張りとか食事の準備とか櫛や櫛を渡した何者かについて調べたりとかやって欲しい

とりあえず13時までチャレンジ

久「おかえりなさい。気分はスッキリした?」

堂島「ああ、すっかりリフレッシュできたよ」

向坂「晴れてないのが残念だけどな」

外で息抜きをしていた解読メンバーたちが戻ってくると、お世辞にも広いとは言えない地下室は瞬く間にすし詰めとなってしまった。
風邪ひきが混じっていればあっという間に拡がってしまいそうな距離の中、久々に集合した仲間たちに向けて俺は話した。
柊が仲間に加わったこと、楸野が話していたことに霎伝のこと、特に『榎田』が大昔に授かった『櫛』のこと......

京太郎「そういうわけで、この『櫛』について調べていきたいと思う」

京太郎「これが今後しばらくの方針だ」

優希「はいはい、しつもーん!」ビシッ

まっすぐ挙がったのは優希の手だ。このタコス娘の勘は侮れない鋭さを持っているし、
こういう時は結構的確な指摘をして――――

優希「お昼ごはんはいつ食べられるんだ?」

京太郎「真面目に聞けよ......」

それから楸野の見張りや食事についていくつか話し合い、結局米本と堂島が見張りに、
女将と主人が旅館に戻って食事を弁当に詰めてくるということで話は纏まった。


 【4日目 11:40】 楸野宅 2階 和室6


京太郎「それじゃあ先輩、もう一回お願いします」

久「何回でも良いわよ?寝てていいなんて楽な仕事で助かるわ」

京太郎「あはは......」

先程まで寝ていた和室に戻り、そのまま敷かれている布団へ身を潜らせた。
こんなに寝てばかりで、いつもの俺ならすっかり目が冴えてしまって眠りに落ちるのもままならなかっただろう。
しかしながらここ数日散々な目に遭ってきた身体は、瞼を閉じるだけで自然と俺の意識を奥底へ引き摺りこんでくれたのだった。

↑は下記へ時間訂正お願いします。
【4日目 11:50】から【4日目 13:00】まで→70分間

(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(久)】× 0.5)= 9

成功するまで連続判定
↓2〜8

たあっ

結構数もあるので連投アリアリでいきます
そいっ

うりゃ

えいっ

櫛櫛櫛

そい

どりゃ

まあ、無理やね

95/09→失敗
29/09→失敗
......
......
33/09→失敗

 【4日目 11:50】 楸野宅 地下研究室


まこ「しかし『手掛かりを探せ』と言ってもな......」ガタッ

和「相変わらず無茶なことを言いますね、須賀君」ガサガサ

元々京太郎は案外気が利くタイプで、人に指図するような事はあまりない。
私とのどちゃんで対応が違うのはなんとなく気に喰わないが、それでも色々とやってくれている。
それに比べると、この小佐目での事件に巻き込まれてからの京太郎は随分とはっきりとモノを言うようになった。
実際私たちは彼の指示でこの古史料の山をひっくり返しているわけだが、それにつけても頭にくることといえば......

優希「なーんでアイツと竹井先輩は呑気に仲良く寝てるんだ!」ウガー!

咲「」ビクッ

まこ「まあまあ優希、落ち着きんちゃい......気持ちは痛いくらい分かるがな」

和「そうですよ、あれはあくまで櫛を探すための行動の一貫なんですから......多分」

優希「はぁ、私もあったかいお布団でぐっすりしたいじょ......」

まこ「それは京太郎と一緒にってことか?」

優希「ち、違う!」

まこ「ふむ、なら久か」

優希「そういう意味でもないじぇ!」



(【探索(優希)】+【探索(和)】× 0.5)× 4 + 20 = 64

3回成功するまで連続判定(成功数に応じて手掛かりの数が変わります)
再判定補正あります(成功するたびにリセット)
↓1〜7

でやっ

ほい

てや

とあっ

3回成功したけどまだ判定あるの?

もう大丈夫です。
今続きを書いてますので少々お待ちを。

あるんだったらもう一丁

 【4日目 12:10】 楸野宅 地下研究室


バタッ

優希「およ?」

背後で......というか、もう何時間も咲ちゃんが座り込んでいる辺りで小さく物音がしたのに気付いた。
振り返るに果たして、咲ちゃんの細い体が汚い地下室の地面に倒れ伏しているのを認めることが出来たのだった。

優希「――――って、咲ちゃん!?」

和「咲さん!」ダッ

のどちゃんがその身体を(色々な意味で)揺らして一目散に駆け寄った。
あの爺さんのよく分からない術の毒牙にかかったのだ。
何かしら身体に害があるのではないかと心配されたが、しばらく肩を揺さぶっているうちに無事目を覚ましたようだった。

和「咲さん、大丈夫ですか?!」ユサユサ

咲「...うぅん.........あれ、和ちゃん?」

咲「優希ちゃんに染谷先輩も.........ってあれ?なんで私、こんな所にいるんだろ」キョロキョロ

まこ「咲!ずっと様子がおかしくなっとたけん心配しとったぞ!」

咲「様子が......?」キョトン

優希「咲ちゃん、ひょっとして覚えてないのか?」

咲ちゃんの頭が左右に振られる。話を聞くに、具体的に何があったかということは覚えておらず
ただ漠然とうなされているような、恐怖に包まれた感覚があったそうだ。
詳しいことは京太郎が帰ってきてから。そういうことで、ひとまず咲ちゃんにはここまでの話を整理して聞いてもらうことにした。



 【4日目 12:30】 楸野宅 地下研究室


山下「取り敢えず、目ぼしい物はこれだけ見つかったみたいだな」


・研究日誌A
和装綴じだが他の史料に比べれば多少新しく見える冊子。
中には日記のように、日ごとの研究内容が手書きで記されている。

・研究日誌B
古ぼけているが、確かに洋式の装丁を施されている冊子。
中には日記のように、日ごとの研究内容が手書きで記されている。

・地誌
『〇〇市誌』と書かれた、割合最近の冊子。
小佐目村を含めたこの地域の自然や気候、産業などの地理全般について纏められている。


山下「須賀は何時まで寝てるつもりだって?」

和「確か、遅くとも昼の1時には戻ってくると」

山下「あと30分しか無いのか......霎伝と違って量もないし、1冊くらいなら読めそうだな」


どれを読む?

1. 研究日誌A
(【知識(和)】+【知識(北村)】× 0.5)× 4 + 30 = 78

2. 研究日誌B
(【知識(和)】+【知識(北村)】× 0.5)× 8 + 30 = 126:自動成功

3. 地誌
自動成功

4. 何も読まない


↓2

1

洋式とはいえ、古い方が確実に成功する不思議

1

これはね、違うのですよ......Aは一応江戸時代後半くらいのイメージでして
周りがウン百年前のものばかりなので、それに比べれば新しく見えるという話です、はい。
Bの方は確実に明治以降のものなので、Bの方が新しいものになります。
日本語力が足りず申し訳ない......

2つ下げて>>81

49/78→成功!

<研究日誌A>


.........
.........

文化◯年◯月○日

 昨晩は一世一代のお役目、壬申の儀があった。
古くから伝わる手筈通りに榎田がオフラシサマを呼び、その後皆で娘達の喉を掻き切った。
当然ながら余り良い気分とは言えないが、これも小佐目のためであるから許してくれんと願う。
 さて、古くからご先祖様代々が考察する通りのことであるが、オフラシサマはかの牛頭天王様と同体であるというのは
 霎伝やその他の記述から見ても確かなことであると考えられる。
だが私の見たそれは、あくまで私の主観でしかないのだが、そのお姿は阿礼女史や安万侶公の記した御様にはとても似つかぬものであった。
オフラシサマは本当に祇園の牛頭天王様と同じ方でいらっしゃるのだろうか?


.........
.........

文政◯年◯月○日

 何月か手記が空いてしまったが、この間に榎田と連れ立って出雲は諏訪大明神へ参ってきた。
壬申の儀以来、予てより行って確かめたいと思っていたので、これがようやく成就したのである。
風土記にも書かれたる社殿の石段を昇り、巴の紋へ深く礼をして宿へ帰った後に榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。
果たしてこの男の言うことが確かであるかということは置いておくとして、しからばこれは由々しき話ではないだろうか――――


.........
.........

今日はここで終わります。

久々に沢山コンマを取った気がします。前は12回連続失敗なんてのもあったなぁ......
ちなみに9%を7回取って全て失敗する確率は約52%です。
裏を返せば一度は成功する確率が48%ですから、判定としては悪くはないくらいではないでしょうか。

明日も19時開始目標で頑張ります。
皆さま、今回もお疲れ様でした。


このスレは勧誘と睡眠薬以外のコンマは腐るので、確率以上に無理じゃね

乙です
え?文政榎田、牛頭天王と会ったの?

30分後に始めます

かいしー

 【4日目 12:50】 楸野宅 地下研究室


和「山下さん、ここに書かれているのは――――」

山下「この頃はまだ神仏習合が――――」


まこ「うむむむ......何の話をしとるのかすら分からんな」

優希「ああいうのは私たちは戦力外だから良いんだじぇ」

ブロロロ...

まこ「車か?」

優希「あ、私みてきまーす」

遠くから車のエンジン音が近づいてきているのが聞こえた。女将たちがお昼を持ってきたのか、聞き込みに行った榎田たちが戻ってきたのか。
まだ見ぬ第三勢力でないことを願いながら階段を昇って庭に出ると、丁度主人が赤い普通車から荷を降ろそうとしているところだった。

優希「おお、ついにご飯が来た!ごくろうごくろう」

主人「片岡さん、今はどういう状況で?」

優希「竹井先輩先輩と京太郎はまだ寝てて、ゴリラはのどちゃんとまた小難しいことを話してる」

優希「榎田のおっさんたちは村の人に櫛の話を聞き込みにいってるじょ」

主人「おや、そうですか。大分待たせてしまったかと思いましたが、まだ大丈夫みたいですね」

優希「ま、そのうちまた集まるじぇ」

いざ目の前にこうも重箱が並んでいるのを見てしまうと、やけにお腹が空いて仕方がない。
でも薄暗い地下室は嫌だな......せめて、どこか落ち着けるところで食べたいものだ。
そんなことを考えていると、後ろからは榎田の乗る軽トラがやって来ていたのだった。



久「――――なさーい、すがくーん?」ユサユサ

京太郎「.........あれ、先輩......おはようございます」ムクッ

肩を揺らす竹井先輩の声が頭に響き、働かない頭が少しずつ冴えてくる――――そうだ、夢だ。
何かを見ていた気がするのだが今ひとつ明瞭としない。確か、優希がカピに無理やりタコスを食わせて......

京太郎「......また失敗か」ガクッ

久「ま、気楽に行きましょう?そう簡単にいったら苦労しないしね」


 【4日目 13:00】 楸野宅 2階 和室6
 
どうする?

持ち物:>>8
同行者:久
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(京太郎)】+【探索(久)】× 0.5)× 8 = 52
・話をする(10分)
・楸野を説得する(10分)
(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 0.5 = 6
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久(楸野宅 2階 和室6)
・米本、堂島(楸野宅 2階 書斎)
・咲、和、まこ、山下、北村、向坂(楸野宅 地下研究室)
・優希、主人、女将、椿屋、榎田、柊(楸野宅 庭)

4. 自由安価


↓2

4 広い部屋(応接間?)で全員で食事&情報共有しつつ、気づいたこととか思い出した事がないか話し合い

捕虜の人たちも廊下にほったらかしは酷いし食事の部屋の隣の部屋に全員移して水とか食事与えてあげて欲しい

↑で
旅館に残されたお爺さんは大丈夫か?

つか、村の主要人物味方化or無力化したの時点でもう拘束もいらんのやない?
普通に説得もいらないレベルの気が…

4. 食事を取る


 【4日目 13:00】 楸野宅 1階 応接間


優希「タコさんウインナー!!」パァァ

久「本当に好きねぇ」

女将「あら、そんなもので喜んでもらえてよかったわ」アハハ

優希「美穂子おねーさんのお弁当を思い出すじぇ......」モグモグ

柊「うめぇな......よし、酒持ってくるか!」

榎田「頼むから勘弁してくれよ?昼間から酔っぱらいの相手はしたくない」

まるで宴会の仕出し弁当のような――実際一部は宴会の如き盛り上がりを見せているが――重箱を箸でつつく。
白米、焼き魚、漬物、また白米......うん、確かに旨いな。朝飯はおにぎりだけだっただけに、おかずの彩りが目も楽しませてくれる。
俺の隣に座る咲も、それは同じことのようだった。

京太郎「なあ、本当に大丈夫なのか?」

咲「うん。むしろ何があったか全然覚えてないんだよね......」

俺たちが楸野の記憶から戻って以来、向こう一時間半以上にわたって咲の記憶は欠落していた。
『榎田』が異形を呼び寄せた辺りまでは憶えているようだが......まぁ、仕方ないだろう。

腹も幾分落ち着いてきた頃に始まったのは和と山下による、研究室の捜索結果の報告である。
彼らが目をつけたものは全部で三つ。研究日誌が江戸時代後半と明治頃のものそれぞれ一つずつと、この地域の地誌が一つ。
最後のものは至って普通の書籍の見た目をしていて、町の公民館か図書館にでも行けば本棚に収まっていそうな代物だった。

京太郎「これが解読が終わってるっていう一冊か......うわっ、よく分からない単語ばっかりだ」

京太郎「この『牛頭天王様』ってのは何なんだ?」

和「この時代は『神仏習合』というものがあって、一部の単語が置き換わっていました」

和「メモ用紙が挟まってませんか?注釈があると思いますけど」

京太郎「おっと、これか」

・牛頭天王
「スサノオノミコト」が習合したもの。祇園精舎の守護神。

・阿礼女史、安万侶公
どちらも『古事記』の編者とされる人。

・諏訪大明神
現在の島根県にある『須我神社』の別称。

・風土記
奈良時代に作られた地方の地勢などをまとめた本。
ここではおそらく『出雲国風土記』のこと。

〜〜〜〜〜

京太郎「ふんふむ、なるほど」

京太郎(須我神社か......漢字は違うけど、ちょっとシンパシーを感じるぜ)

山下「あとの二冊はまだ手付かずだが、そう時間はかからんだろう」


榎田「次は僕らの番かな?こっちは件の『櫛』について他の家に聞きに回ってたんだ」

榎田「流石に全戸は無理だったけど、爺さん婆さんの家を中心に行ってきたよ」

榎田「結局、そういう話を知っている人は居なかった......言い伝えもないし、家族から聞いたこともないって」

女将「えぇ?......うーん、それじゃあおじいちゃんの話は何だったのかしら......」

実を言うと、村人たちは基本的に四家の言うことに従っているだけなので
現状彼らには敵対する動機が全くありません。
さすがにモブの村人までパーティーに入れられると捌ききれませんが、
指示さえすれば裏で普通に協力もしてくれると思います。

一応お聞きします。護衛A〜Dを解放しても大丈夫ですか?

↓1

構いません

了解です。
それから>>96の榎田の台詞が一行抜けてしまいました。
以下の通り訂正お願いします:


榎田「次は僕らの番かな?こっちは件の『櫛』について他の家に聞きに回ってたんだ」

榎田「流石に全戸は無理だったけど、爺さん婆さんの家を中心に行ってきたよ」

榎田「しかしこれがさっぱりでね。困ったんで、女将が言っていた『夢』の話も一応訊ねてみた」

榎田「結局、そういう話を知っている人は居なかった......言い伝えもないし、家族から聞いたこともないって」

女将「えぇ?......うーん、それじゃあおじいちゃんの話は何だったのかしら......」

生贄出さないと村滅びるって知ってるから協力してるんだと思ってたけど、何も知らずに拉致監禁とかの補助してたの?
下手に解放すると期限が迫ったとき4家の命令も聞かずにパニック起こしたりするかと

前スレ>>474での主人の発言の通り最低限の知識は持っています。
しかしあくまで四家が中心であってその詳細は知らないわけですから、
彼らが自分からああしようこうしようと考えているわけではありません。


 【4日目 13:00】 楸野宅 1階 和室1


護衛A「うめぇなぁ...」

護衛C「んだんだ」パクパク

護衛B「しかし、これからどうしたものかね」

護衛A「そうだな......あの連中の話を聞く限り、取り敢えずとんでもない話になってることは確かだ」モグモグ

護衛D「ま、俺らは今まで通り偉いさんに着いていくだけよ」

護衛C「それに連中に任せれば、このクソみてぇな因習ともおさらばできそうだしな......魚もーらい」ヒュッ

護衛D「あっ、おいてめえ!!」

ワーワー!ガーガー!

護衛B「だと良いんだがなぁ......」

主人「それでは......ご馳走様でした」

「「「ごちそうさまでした」」」

久々にゆったりとした――それでもたった30分だが、十分優雅に思えた――食事だった。
敵対する者は消えた今となっては時間的余裕はあるようにも思えるが、実際そうウカウカもしていられない。
俺をこうも焦らせていたのは、この瞬間も地面を叩きつける大雨だった。
たった四日前に土砂崩れが起きたのだ。こうも降り続いては、そろそろ危ないかも――――

――――あの日見た、土砂に押しつぶされる『未来』がにわかに蘇った。


 【4日目 13:30】 楸野宅 1階 応接間

どうする?

持ち物:>>8
同行者:清澄、大学生、社会人、夫婦、椿屋、榎田、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
【交渉】× 8
・話をする(10分)
・楸野を説得する(10分)
【交渉】× 0.5
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>


4. 自由安価


↓2

櫛ガチャやるか
2 寝る 咲と

2 寝る 咲 15時まで
解読班は研究日誌Bと地誌の解読。他のメンバーは楸野の見張りとか櫛情報の探索とかオフラシ様との対決に備えて夕食の準備とかで

2. 咲と『寝る』


京太郎「さて、また布団に篭もるとするか」

優希「おい犬!おまえさっきから寝てばっかりサボってばっかり、たるんでるじぇ!!」

京太郎「別にサボってるわけじゃねーっての!!」

解読班が解読のため研究室へ、向坂と米本が見張りのため書斎へ。
椿屋たち村の人間も聞き込みやら準備やらと忙しなく応接間を立っていくと、ついに残ったのは和を除く麻雀部員だけになってしまった。
そうとて何時までも油を売っているわけにもいかず、果たして真偽の程の怪しい言い伝えを実行すべく部屋を出ることにした。

京太郎「竹井先輩、もう一回......」

咲「むぅ......」プクー

久(......ふふっ)

久「あー、私すっかり眠気が飛んじゃったからパスで」

京太郎「そうですか......うーん、でも困ったな」

久「他の人に頼んだら?例えば.........」チラッ

咲「え、私!?」

竹井先輩の細い指が指したのは、俺のちょうど隣――つまりそこに座っている咲だった。
話を振られた本人も、あまりに意表を突かれたのか辿々しくあれやこれやと言っている。

京太郎「咲、女将のおじいさんの話は聞いたよな」

咲「う、うん......夢の中で神様がなんとかってやつだよね」

京太郎「それに付き合ってくれないか?いや、嫌なら全然断ってくれても――――」

咲「や、やります」

京太郎「即答!?......ま、別にいっか」

咲「......//」テレ


お茶を一杯飲み干した俺は、咲と何故か着いてきた優希――曰く、「何もないように見張っておく」とのことだ――を連れ立って2階の和室へ向かった。
窓際で仁王立ちの優希に、一挙手一投足がカクついている咲。そんな二人をもろともせず、何時も通り俺の脳は休眠を始めたのだった。

大変なことに気づいてしまいました。
今まで(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(久)】× 0.5)と書いておきながら、
久の0.5倍が入っていませんでした......orz
今更変えられないのでそちらに合わせます。申し訳ありません。


【4日目 13:30】から【4日目 15:00】まで→90分間

【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】 = 11

成功するまで連続判定
↓1〜9

01

惜しい

01

そいやっ!

>>1がコンマ成功してしまい微妙な空気になるアレ

すばら!

12/11→失敗
39/11→失敗
36/11→失敗
09/11→成功!

※重要な選択です

やるやんけ

これは間違いなく夢だな、うん。でなければこの現象の説明がつかない。

俺の前にいる少年は、小学生のころの俺自身だった。

懐かしいなぁ......小さい頃の自分を見るのはちょっと小恥ずかしい。
父さんは今よりちょっと若い顔をして、居間でテレビを観ながらお茶を啜っている。

京太郎「あれ、父さん今日休み?」

父「まあな」

京太郎「いいなー、うらやましい」

京太郎「あ、そうだ。これなんだけど.........」ガサガサ

俺の腰くらいの背丈しかない”俺”はランドセルを漁り、クチャクチャになった一枚のプリントを引き出した。
あぁ、そういえばこの光景もどこか見覚えがある気がする。この時俺が出したのって確か.........

『名前の由来を調べてみよう』

父「名前の由来?ふーむ、そういう宿題もあるんだなぁ......」

父「いいかい京太郎、お前の『京』っていうのは――――」

京太郎「あー、その前に名字のほうからおしえてくれよ」

父「名字か......よし、順番に行こうか」

父「まず『須賀』っていうのはだな――――――――――――」

 【4日目 13:30?】 楸野宅 2階 和室?


京太郎「......あれ?」

一瞬にして視界が捻じ曲がる。気がつくと俺は元の部屋に戻ってきて.........いや、違う。
布団がなくなってるし優希がどこにも見当たらない。その上、本来聞こえるはずの雨音は全く聞こえないのだ。
俺の背中を窓から差し込む強い日差しが暖め、襖にはその影が写し出されていた。
そしてその隣には、もう一つの小さな影も。

咲「うーん......おはよう京ちゃん......あれ、優希ちゃんは?」

京太郎「俺が聞きたいくらいだぜ。しかし、これはひょっとして成功――――」



咲「――――京ちゃん、後ろ!!」



1. 振り向く

2. 起きる


↓3

1

突然重要って言われても正解全く分からん
安価下

1

1. 振り返る


京太郎「!!」


咄嗟に振り向いた俺の目の前には、一人の女が堂々たる様子で立っていた。それは咲ではなければ姿を消していた優希でもない。
知らない顔だった。その長い黒髪を下で結い、頭には冠のようなものを被っている。
身体にまとった衣はとても古風にも見えるかと思えば、今風なファッションと言われても納得も出来る。少なくとも現代で俗に言う『和服』とは似つかないものだ。

ではそれは誰か?顔も素性も何一つが不明のこの女性を俺たちは、その内的空間に何と命名して解釈すればいいのだろうか。
俺は答えを持ち合わせていない。これまでに見た人物のうちの何人とも、それらの特徴は一致しなかったのだ。
しかし、あくまで抽象的な概念によってその人を形容するならば、これ以上ない表現があった。
俺だけではない。咲だろうと小鍛冶プロだろうと総理大臣だろうと、誰もが俺と同じ思考を辿り、この言葉に行き着くだろう。


「――――よくぞ参りました」


『女神』という、この言葉に。

今日はここで終わります。

>>118
本当に申し訳ありません。
しかしもとより、この選択の情報は探索であっても事前には絶対に出さないつもりでした。
何卒ご了承ください。

明日は土曜日ですが、流石にちょっとだけ進めようかと思います。いつもと同じく19時頃に開始です。
皆さま、今回もお疲れ様でした。

すいません、今日は安価ありません。
非安価部分だけ書き終わり次第投下します。ホントにちょっとです。

咲「へ、部屋が......!!」

あまりの衝撃にこの『女神』以外に意識のいくことがなかったが、咲の言葉にハッとして周囲を見渡す。
後ろを振り向くだけの一瞬――ほんの一秒にも満たない筈の時間だ――に畳も壁も天井もを含めた何もかもが消え去り、
代わりに残ったのは周囲一面が白一色に仄明るく照らされた、のっぺりした空間だけだった。
果たしてこの足元に地面があってそれを踏みしめているのか、それとも身体が宙ぶらりんなのではないかという区別もつかない。
そんな特異な空間のド真ん中に、その特異な存在は立っていた。

咲(ぜ、全然状況が掴めないけど......この人から凄い力を感じる)

咲「あの......ひょっとして、あなたが『オフラシサマ』ですか?」

??「いいえ、違います」

咲「え?それじゃああなたは一体......」

??「汝が問わば答えましょう。私の名は――――」


京太郎「――――クシナダヒメ」


咲「......京ちゃん?」

京太郎「あれ、なんで俺.........」


 優希「『天羽々斬』...なんて読むんだ?これ」

 京太郎「『あめのはばきり』だな。日本神話に出てくる剣だ」


クシナダ「如何にも。私はスサノオノミコトの妻、クシナダヒメです」

京太郎「なあ、あんたが――――いや、あなたが遥か昔に榎田へ『櫛』を授けた張本人なんですね?」

クシナダ「左様」

京太郎「......あれを、俺にもください」

一瞬、女神様は――果たして神様に感情とかそういうものがあるのかは疑問だが――口元を微かに歪ませて笑みを見せた。
そうして発された俺への返答は、非常に優しい声色だった。

クシナダ「何を申しますか。既にそこにあるではありませんか」

クシナダ「汝の隣をご覧なさい」

京太郎「えっ?.........!!」フラッ

情けないことに、脚の力が抜けた俺はそのまま地面へ座り込んてしまった。
思えばこのたった四日の間にも俺は様々な体験をしてきた。自分が死ぬ未来も見たし、得体の知れない瞳術も受けた。精神だけ120年前にタイムスリップしたりもした。
ちょっとやそっとの事では絶対に驚かない――――少なくとも、取り乱しはしないという絶対的な信頼を自分の神経へ抱いていたのだ。
そんな確固たる自信を即座に瓦解させたものは、風変わりな女神様の存在だけではない。

数秒前まで咲のちょうどいたあたりには、一本の櫛が落ちていた。
俺は、その意味するところを十分に理解した。

京太郎「は、ははっ.........何なんだよ、これ............」

京太郎「全然意味わかんねーし笑えねぇよ............」

京太郎「女神様、これは――――」

顔を上げた眼前には、あたかも元よりそうであったかのように虚空が広がっていたのだった。

 【4日目 14:10】 楸野宅 2階 和室6


京太郎「――――!」ガバッ

京太郎「咲ッ!!」

この十数年間のうちほぼ毎朝体験してきた感覚によって、俺は自分が眠りから目覚めたのだということを理解した。
普段ならそのままぼうっとしたり、あるいは二度寝への手招きと戦ったりという平和じみた余韻に浸らなければならないところだ。
しかし今の俺の脳はそれらを全てすっぽかし、即座に周囲を見渡すことを俺に許可してくれた。

優希「ああああ.........」ガクガク

京太郎「優希!お前ずっとここで見てたのか!?」ガシッ

優希「――――!!」コクコク

京太郎「何があった?!なあ、咲はどこ行った!」ユサユサ

優希「それが......二人がずっと寝返りとかもぞもぞしてたのが、ついさっき急に止まって......」

優希「何かあったのかと思ったら、いきなり咲ちゃんの身体が光りはじめて、それで......」

京太郎「それで!?」

優希「.........消えたじぇ」

京太郎「ッ!!――――」バサッ

ほんの少し前まで俺が寝ていた場所、そのすぐ隣にくっつけられた掛け布団を乱暴に剥がす。
だが果たして咲の姿はなく、まるでその代わりと言わんばかりに――――


――――シーツの上には、あの櫛が置かれていたのだった。


 『花の櫛』を手に入れた

今日はこんだけです

十数回の櫛ガチャをようやく成功したと思ったら大した情報も得られずバッドエンドとは…霎伝の時はノーリスクぽかったのに

まだ咲が死んだとは限らない、はず
死んだなら京太郎自殺しないとだけど

唐突すぎて意味不ではあるが、まぁ先の展開次第だな。

>>124が2行抜けていたので追加です


 優希「『天羽々斬』...なんて読むんだ?これ」

 京太郎「『あめのはばきり』だな。日本神話に出てくる剣だ」




 優希「『天羽々斬』...なんて読むんだ?これ」

 京太郎「『あめのはばきり』だな。日本神話に出てくる剣だ」

 優希「へー、なんでそんなこと知ってるんだ?」

 京太郎「あれ...そういえばなんでだろう?」


うーん、大事な場面で訂正入れることになるの格好悪いなぁ

夢で女神に会えるっていう女将祖父の話、この女神が京太郎と会うために記憶とか操って仕向けた疑惑

前スレ>>1000です。
例によって本編とは無関係です。

【カノジョカッコカリ その2】

前回のあらすじ:
探りを入れようと旅館事務所へ赴いた京太郎と久はひょんなことから恋人を演じることになり、ついにはキスまでしてしまう。
役得の京太郎と意外に満更でもなさそうな久。二人の距離が縮まる中、実はその光景を咲に目撃されていて......?!


 【3日目 17:30】 旅館・本館 2階 遊戯室


咲「カン」

タンッ

咲「嶺上ツモ、八連荘」

咲「48000は50400の責任払いだよ、京ちゃん」

京太郎「あの......もうとっくに飛んでるんですけど......」

咲「続行に決まってるよね?」ギロリ

まこ「ま、当たり前じゃな」ケラケラ

久「」チーン

優希「二人とも、そのくらいにした方が......」オロオロ

現在第二戦オーラス八本場、親の咲の和了でついに八連荘突入である。
点棒も胃壁も削っていく上家、いかにもこの状況を楽しんでいるらしい下家、既に意識のなさそうな対面に囲まれた俺の懐は
-54800という未曾有の大赤字を叩き出していた。染谷先輩、全然笑えるシチュエーションじゃないです。
一応優希はフォローしてくれてるみたいだけど、いやしかし............


京太郎(どうしてこうなった)


話は、事務所の物色を終えた俺たちが部屋に戻った前後へ遡る。

 【3日目 13:40】 旅館・本館 2階 203号室


ガチャッ

京太郎「ただいまー。のどかー、早速見てほしいも、のが.........?」

和「え、あの......」チラッ

扉を開き、靴を適当に揃えて室内に入る。ただ一人203号室に残っていた和は部屋の棚から長机を出して勉強を始めていた。
古文の参考書か。あれ、そういえば宿題があったような......しかし俺の脳はこの不都合な仮説を即座に棄却した。
目下には更に重要な疑問――――つまり、どうして和が挙動不審なのかという問題があったからだ。

久「どうしたの?すごく目が泳いでるけど」

和「それが、咲さんたちからこれを預かりまして......」サッ

久「これは......手紙?」


竹井先輩と須賀君に訊きたいことがあります。遊戯室に来てください。
 宮永咲より


なんつー怪しい手紙だこと。
中世ヨーロッパの白手袋か田舎に屯するヤンキーの果し状の如き内容はとても咲が書いたとは思えない。
ったく、一刻も早く沢山の情報を集めなきゃいけない今、こんなことをしている暇はないってのに......

久「へぇ、なるほどね......」ニヤリ

京太郎「......先輩?」

先輩の口から洩れ出る笑みは「自分は全て分かっている」とでも言いたげな自信感を孕んでいた。
この人、乗る気なのか?

 【3日目 13:50】 旅館・本館 2階 遊戯室


久「あら、三人お揃いで」

まこ「は、ははは......わしらのことは気にせんでくれ」

優希「私たちは野次馬というか何というか」

竹井先輩と一緒に遊戯室に向かった俺が目にしたのは、別に何をするでもなく突っ立っている三人の姿だ。
声を掛けると優希と染谷先輩は何だか気まずそうな顔をし、逆に咲は捲し立てるように俺たちを詰問した。

咲「京ちゃん、先輩!アレはどういうことなの!?」

京太郎「待て待て、アレじゃわかんねーよ」

久「そうよー、ちゃんと具体的に言ってくれないと」

咲「そ、それは......その、二人が......」

咲「キス、してたっていう......//」カァッ

京太郎(あぁ......やっぱり.........)

京太郎「それはだな......えーっと、あの......」

こいつ見てやがったのか。事情があったとはいえ、あの時のことは他の連中には――特に咲には――隠しておきたかった。
それが叶わぬ以上、取り敢えずここは何とか誤魔化して乗り切るのが最善だろう。おっと、この説明なら結構説得力あるんじゃないか?

京太郎「そうだ!別にキスをしてたわけじゃないんだ!」

京太郎「してるように見えたかもしれないけど、あれは実際には――――」

久「ええ、事実よ」

京太郎(えええぇぇぇえええ?!?!)

ナンデ?!センパイナンデ?!
竹井先輩の衝撃的にさっぱりしたカミングアウトによって俺の名案は瞬時に崩れ落ちる。
しかしそんなことを言えば、こいつが更に噛み付くのは火を見るより明らかであった。

咲「な、なんで?!付き合ってもないのにそんなのダメだよ!」

久「結論から言うと、あれは捜査のための演技だったのよ」

久「ね、京太郎君?」ニコッ

京太郎「は、はい、久さん」

咲「!?!?」

咲「えっ!?今二人とも、『京太郎君』と『久さん』って......」

京太郎(やっちまったー!)

久「それも演技で呼んでたから、つい」テヘペロ

咲「いやいやいや!」

咲「さっきから演技演技って、なら何があったっていうんですか!?」

過去ここまで、疑問符感嘆符が忙しそうな咲がいただろうか?少なくとも俺には覚えがない。
それほどまでに声を荒らげる咲――それから野次馬の二人――に対して、俺は説明責任を果たさざるを得なかった。

 【3日目 14:00】 旅館・本館 2階 遊戯室


京太郎「......てなわけで女将さんに迫られまして、キスしたわけです。はい」

まこ「――――!!」バンバン

優希「な、なるほど......」

染谷先輩、そんなに笑うほど面白いですか。優希は何だかよくわからんが神妙な顔つきで俺の話に耳を傾けていた。
そして気になる咲の様子は――――

咲「......」ブスッ

――――不機嫌。
俺の語りの間に一言も発すること無く、その頬を膨らませていた。ちょっとかわいい。

咲「......つまり、フリで終わらせるはずだったのに本当にしちゃったのは」

咲「距離感が掴めなかったからってことなんだね?」

京太郎「あ、ああ.......」

咲「......じゃあ許す」

嘘だ。実際のところあの瞬間の俺は完全にあの唇に魅せられていた。
つまり、不可抗力というよりはむしろ......いや、こんなことを言ってしまったら生きていれまい。

久さんの爆弾発言が投下されたのは、やはりそんなタイミングだった。

久「でも京太郎君、その割には結構グイグイ来てなかった?」

京太郎「」

咲「」

久「舌もちょっと入ってたような......」

京太郎「えっ」

咲「」

優希「お、おう......//」ボッ

久「それに、こんなことも言ってたわよね――――」


 京太郎「た、竹井先輩が相手で嬉しかったです!」


久「――――って」

京太郎「」

咲「」

久「本当に偶然だったのかしら......ねぇ?」ニヤニヤ

俺はその瞬間、『この人は味方ではない』ということをようやく理解した。
俺の味方ではないし、当然咲の味方でもない。久さんはただ楽しみたいだけなのだ。
一方咲の声はどんよりとして、ただただ重く鈍く響いていた。

咲「.........京ちゃん、どうなの?」

京太郎「......そりゃあ俺だって男だ。きれいな人とキスなんてできたら嬉しいに決まってるさ」

京太郎「最初の二つについては......その、すまん。よく覚えてないんだ」

京太郎「咲、部活の雰囲気を悪くするようなことをして本当に済まなかった。金輪際――――」

咲「......」プルプル

咲「私だって......」プルプル

京太郎「......咲?」


咲「私だって、京ちゃんとちゅーしたことあるもんっ!」


久「えっ?」

優希「えっ?」

まこ「えっ?」


京太郎「......えっ?」

 【3日目 17:30】 旅館・本館 2階 遊戯室


咲「カン」

タンッ

咲「嶺上ツモ、八連荘」

咲「48000は50400の責任払いだよ、京ちゃん」

その後、咲によって怒涛の三半荘勝負が竹井先輩へ提示された。栄えある勝者へ与えられる商品は『須賀京太郎になんでも命令できる権利』だそうだ。
当然俺は抵抗したいところであったが、この状況では人身供与に泣く泣く応じるほかなかった。
それにしても、さっきの咲の言ってたことって......ダメだ、全然身に覚えがない。

咲「ふぅ......和了り止めします」

咲の宣告によって、ようやく長い長い第二戦が終了した。
現段階で久さんの勝利は絶望的だが、次戦で3回くらい役満を和了ればギリギリ......インハイ決勝の優希以上に幸運なら勝機はある。

京太郎「久さん、あと一半荘ですよ」ユサユサ

久「ん......あら京太郎君、いつの間にか寝ちゃってたのかしら」ゴシゴシ

京太郎「気絶だと思いますよ、多分」

咲「二人とも、いつまでそうやって呼びあってるんですか」

咲「もうフリをしなくても―― 「別に」 ――?」

久「......別に、私が京太郎君のことをどう呼んだっていいじゃない」

久「私のかわいい後輩なんだから」

京太郎「.........久さん」

まこ(久、おぬし.........)

あと一戦、頑張ろう。
そう気合を入れるように、俺は自分の頬を叩いた。

 【3日目 18:50】 旅館・本館 2階 203号室


ガチャッ

「ただいまー」

教材の山も大分崩され、夕食の時間まで残り十分。いつまで経っても誰一人返ってこない状況にちょっと苛立っていると、ようやく部屋の戸が開く音がしました。
それと同時に発せられた声は男性――――つまり、この部活唯一の男子部員のものです。

京太郎「ふぅ、待たせた。咲と優希はトイレだってさ」

久「まこはその付き添いね」

それから少し置いて須賀君と竹井先輩が揃って姿を表しました。
しかしその顔はかなりやつれ、まるで死地を潜り抜けてきた後のようで......当然、その理由を聞かずにはいられません。

和「おかえりなさい。あの、遊戯室で一体何が......」

京太郎「ま、色々だよ。飯のときにでも話そう」

久「それより喉乾いたわ......京太郎君ー?」

京太郎「はいはい、久さんは緑茶でいいですよね。和もいるか?」

和「あ、ありがとうございます」

和(はて、どこか違和感があるような......?)

 【幼少期】


咲「ふぁぁぁぁ......ねむい......」ゴロン

京太郎「なんだよー、まだひるまなのに」

京太郎「ほんばっかりよんでるからだぜ?」

咲「ねむくなっちゃうのはしかたないもん......」グデー

咲「きょーちゃん......おやすみのちゅーして」

京太郎「えっ?!な、なんで!?」ドキドキ

咲「おとーさんはいつもやってくれる......」

京太郎「えーっと......」チラッ

咲「ん......」ウツラウツラ

京太郎「......はぁ、しょーがない」

京太郎「おやすみ、おひめさま」



咲「......Zzz.........」


カンッ!

京太郎と咲の関係については諸説ありますが、
とりあえず幼少期からの幼馴染だったことにします。

今日は19時より本編進行しますので、みなさまよろしくお願いします。

乙です
すばら!

乙よー
咲ちゃんとかいう本編ではちょっと良い感じの雰囲気になった後、神様からダメージ受ける系ヒロイン無事でいてくれ

小ネタと本編で雰囲気の乖離がヤバい。
そろそろ始めます。

>>126の続きから

 京太郎「よっ!学食行こうぜ」

 咲「これ今日返却日だから読まないと」

 京太郎「学食でも読めますよ?」


 咲「いいなぁ、私も今度京ちゃんに何か作ってもらおうかな」

 京太郎「いいぞ。咲より俺のほうが料理うまいだろうからな」

 咲「それはないよ!さすがに」ムー


宮永咲、俺の幼馴染。


 咲「ツモ、32000です!」

 アナウンサー「――――県予選団体はこれで完全決着!!」

 アナウンサー「――――清澄高校の逆転優勝です!!」

 京太郎「.........」


近いようで遠かった、俺の幼馴染。


 京太郎「なあ、咲」

 咲「うん、どうしたの?」

 京太郎「こうしてお前と二人でゆっくりするの、随分久々な気がするぜ」

 咲「え、なんで?そんなことないと思うけど」


 京太郎「って咲、お前は取りに行かないのか」

 咲「京ちゃんが守ってくれるんでしょ?なら要らないかなーって」

 京太郎「咲...」

 咲「......京ちゃん」


ようやく一緒に歩けた。そう思ったのに――――

京太郎「.........さき」

京太郎「なぁ......どこ行っちまったんだよ」

京太郎「お前、ひょっとしてトイレか?」

優希「京太郎......」

京太郎「ははっ、いっつもギリギリになるまで行かないんだもんな」

京太郎「そうならそうだって、誰かに言ってからにしろよ......」

優希「きょうたろう......」

京太郎「おい優希、お前も見張ってるならちゃんと見とけよな」

京太郎「おおかた途中でタコスのことでも考えて――――」

優希「きょうたろう!!!」

京太郎「――――ッ!」バシンッ

耳を劈くような優希の大声と共に、俺の右頬を痛みが襲った。

ここ数日で顔を殴られるのは何回目だろうか?
そのお陰で俺は正気を取り戻すことができたが、しかし同時にそれを「余計なお世話だ」と思ってしまった。
たとえ逆立ちしたって白は白のまま、黒は黒のままであり、現実は依然として斯く目前に横たわり続ける。
だが自分が正気でない間は、少なくとも現実から目を背けることは出来るのだ。

優希「バカッ!お前がこんなことでどうするんだ!」

優希「咲ちゃんが何とかなる可能性がちょっとでもあるなら、その方法を探すのが先決だろ!?」

優希「バカ犬がおかしくなるのは別にいつでもいいじぇ!」

京太郎「......あぁ、優希」

京太郎「情けねえけど、お前の言う通りだよ......でもさ」

京太郎「.........咲」

畳に一滴、二滴。
泉が枯れるまでには、少しばかりの時間がかかった。

持ち物


・携帯電話
俺のケータイ。高画素の背面カメラが自慢の機種だ。

・腕時計
旅行の時は身につけている腕時計。
普段学校に行くときはかったるいので着けないのが男子高校生。

・旅館の地図
泊まっている旅館の館内地図。流石にもう迷わない。
http://imgur.com/laCzxEN

・懐中電灯
俺の泊まっている部屋にあった懐中電灯だが、もはや私物化してしまっている。
結構酷使しているが電池は絶対大丈夫。

・小佐目村の地図
この村の簡単な地図。やけに手書きっぽく雑に見えるが目の錯覚である。
http://imgur.com/a/xUtc2WP

・電子メモ帳
神楽神社の縁台下に落ちていた電子メモ帳。中身は米本の残した書き置きだった。

・曲げたヘアピン
優希から貰ったヘアピンを曲げたもの。
相当頑張れば、補正なしの【探索】でピッキングできるかもしれない。

・小さな鍵
小佐目山の炭鉱入り口で拾った、旅館事務所の金庫の鍵だ。

・古い新聞
廃炭鉱で見つけたとても古い英字新聞。1932年に発行されたアメリカの記事だった。

・マスターキー
事務所からくすねた旅館のマスターキー。307号室の鍵を墓地に送って召喚した。

・麻酔薬
「ケタミン」という麻薬指定のアブナイ薬。茶色いビンに入っている。

・注射器
お医者さんごっこのおもちゃではない、正真正銘の注射器。
ビンから薬品を抜き出すのには多少手間取る。

・小瓶
注射一回分の薬品を入れることができる小瓶。
ここに入っている薬品はノータイムで注射できる。

・車の鍵(榎田)
榎田の作業着に入っていた軽トラの鍵。白米くんストラップ付き。

・ガムテープ
榎田宅にあったコンバインの座席から見つけた黒いガムテープ。
今のところ人を縛る用途にしか使っていない。

・電子メモ帳の充電器
101号室の宿泊客、米本の荷物に入っていた充電器。100V:50-60Hz。

・車の鍵(旅館)
旅館の主人から預かった赤いコンパクトカーの鍵。

・ワイヤーカッター
旅館の物置で手に入れたワイヤーカッター。有刺鉄線やフェンスのような細い金属ならプッツリ切れる。

・地下通路の鍵
楸野の金庫にあった鍵。「旅館・別館 2階 廊下」にあるハッチの錠を開閉できる。

・花の櫛
美しく花が咲く模様が彫られた、質素なつげ櫛。

 【4日目 14:10】 楸野宅 2階 和室6

どうする?

持ち物:>>150
同行者:優希
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、優希(楸野宅 2階 和室6)
・和、山下、北村、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中)
・向坂、米本(楸野宅 2階 書斎)
・椿屋、榎田、柊、女将(村内 調査中)

4. 自由安価


↓2

まずは全員に咲が櫛になった?事を伝えた後、櫛を調べる

 【4日目 14:10】 楸野宅 2階 廊下


米本「へぇ、それで大学でねぇ......」

向坂「そ、そうなんすよ、ははは......」テレテレ

京太郎「......」スタスタ

向坂「あれ、須賀ちゃんじゃん。しみったれた顔してどーしたのよ?」

優希「......二人とも、話があるじぇ。研究室に来てくれ」

米本「えっ、でも......お爺さんのこと見張ってなくていいの?」

優希「たぶん大丈夫」スタスタ

米本「......?」


 【4日目 14:10】 楸野宅 地下研究室


ガタッ ガタッ

和「さっき観たところに確か......あれ、二人とも早かったですね」

山下「ついさっき二冊目の解読が終わって、今は三――――」

京太郎「――――椿屋たちは?」

山下「え?えーっと......お前らが15時まで寝てるって話だったから、多分その頃に帰ってくるんじゃないか」

京太郎「そうか......なら後でいいか」

京太郎「今いる奴に、言わなきゃならないことがある」

北村「言わなきゃならないこと?」

久「咲が居ないけど、揃うまで待たなくていいの?」キョロキョロ

京太郎「.........無駄ですよ。だって――――」

まこ「......京太郎?」


京太郎「咲は消えたんだから」

 【4日目 14:20】 楸野宅 地下研究室


いや、悪いとは思ってるさ。でも勘弁してくれよ、俺だって一杯いっぱいだったんだ。
現状を説明しよう。研究室に集まったのは外出組を除く仲間たち。それら皆がみんな中央で話す俺の暗い声に耳を傾け、各々の反応を示している。
少なくとも清澄の――――つまり和と染谷先輩、それから竹井先輩の動揺具合は甚だしいものだった。

まこ「ちょ、ちょっと待て!つまり咲がいつの間にか煙のように消えて、その後に残ったのが......」

京太郎「......はい。この櫛です」

久「そんな――――」

和「そんなオカルトありえませんッ!!」

和「人間が一瞬で消えてしまうなんてある筈ないじゃないですか!」

和「咲さんが消えてしまったなんて、そんな......ッ!」

久「和......」ジワッ

北村「......みんな、同じ部活なんだっけ」

久「ええ。この夏全国に出て、インタビューも受けて......これでも、結構有名人なのよ.........?」

米本「あっ、そういえばテレビで......」

山下「苦楽を共にした仲間か......辛いね」

俺は――――恐らく俺たちはこの男の不器用な慰めに感謝していたが、それ以上にやるせない怒りを覚えていた。
こんな慰めで足りるような悲しみじゃないのに......でも、彼だって悪気があるわけじゃない。そういうやるせなさだ。

しかし、次に並べられた文言はそういった綺麗事ではない。
つい先程まで声を荒らげていた口から述べられたそれは、希望だった。

和「......もう少し調べませんか?」

京太郎「えっ?」

和「今、思いついた仮説があって......それを確認したいんです」

和「もしそれが正しければ、咲さんはきっと帰ってくるはずです」

京太郎「本当か!?」

和「はい。そのために須賀君の――――須賀君の見た『夢』の話がとても大事なんです」

和「だから......」

京太郎「......ああ、いくらでも協力するぜ!」

(【知識(和)】+【知識(北村)】× 0.5)× 8 + 30 = 126:自動成功

 【4日目 14:50】 楸野宅 地下研究室


和「......やはりその櫛は、ヤマタノオロチの伝説になぞらえた物ではないでしょうか」

京太郎「ヤマタノオロチって......頭と尻尾が八本あるっていう、あれだよな?」

和「ええ、有名なあれのことです」

和「その話は、大まかにはこういう流れなんです」

 様々な粗暴をはたらき天を追放されたスサノオノミコトは鳥髪という地に降り立ち、そこである老夫婦と美しい娘に出会った。
老夫婦には八人の娘がいたが、毎年やってくるヤマタノオロチという巨大な怪物に食べられてしまう。
今年もその時期になったので、最後に残ったこの末娘も食べられてしまうだろうというのだ。

 それを聞いたスサノオノミコトは、その娘を嫁に娶ることを条件に怪物退治をすることにした。
まず娘の身体を神通力によって櫛にして自分の髪に挿し、それから強い酒がなみなみ入った酒樽を用意して待った。

 やがてやって来た怪物は酒樽に気付くと、それぞれの頭で酒を飲み干してしまう。
そうしてすっかり酔ってしまったところにスサノオノミコトは出てきて、その剣で身体を切り刻んだ。
最後に尾を切ろうとすると、その尾の中から大刀が出てきた。
この時退治に使った剣が『天羽々斬』、手に入れた大刀が『天叢雲剣』である。

 天叢雲剣をアマテラスオオミカミに献上したスサノオノミコトは、妻となった娘と共に安住の地を探した。
そうして最後に辿り着いたのが、出雲国にある『須賀』の地であった。
そして、その娘の名こそ――――

京太郎「――――『クシナダヒメ』」

和がこくりと、小さく首肯する。


 クシナダ「如何にも。私はスサノオノミコトの妻、クシナダヒメです」


 優希「『天羽々斬』...なんて読むんだ?これ」

 京太郎「『あめのはばきり』だな。日本神話に出てくる剣だ」


父「まず『須賀』っていうのはだな――――――――――――」


和「その伝説に則るなら、咲さんは消えたのではなく『櫛』になり......」

京太郎「今、ここにいるってことか」

和「......正直信じられない話ですが、そうなります」

俺と和の目線が、挟んで座る机の上に置かれた地味な――――だけど、文字通り魔的な存在感を放つ櫛へ寄る。
これが咲......伝説の通りなら、最後にはちゃんと人間に戻るはずだというが......いやしかし.........

京太郎「――――『クシナダヒメ』」

和がこくりと、小さく首肯する。


 クシナダ「如何にも。私はスサノオノミコトの妻、クシナダヒメです」


 優希「『天羽々斬』...なんて読むんだ?これ」

 京太郎「『あめのはばきり』だな。日本神話に出てくる剣だ」


 父「まず『須賀』っていうのはだな――――――――――――」


和「その伝説に則るなら、咲さんは消えたのではなく『櫛』になり......」

京太郎「今、ここにいるってことか」

和「......正直信じられない話ですが、そうなります」

俺と和の目線が、挟んで座る机の上に置かれた地味な――――だけど、文字通り魔的な存在感を放つ櫛へ寄る。
これが咲......
伝説の通りなら最後にはちゃんと人間に戻るはずだというが、果たして。

和「それから、榎田さんが帰ってきたら見てもらったほうがいいでしょう」

京太郎「榎田に?どうして」

和「ここまでの話は、あくまでそういった神話的なアプローチからの考察です」

和「なんというか、その......『オカルト』のようなものが分かる人にも確認を取ったほうが確実でしょう」

 【4日目 14:50】 楸野宅 地下研究室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・清澄、大学生、社会人、主人(楸野宅 地下研究室)
・椿屋、榎田、柊、女将(村内 調査中)

4. 自由安価


↓2

大学生組(北村除く)に榎田パパを連れてきてもらう
榎田親子が戻るまでは研究日誌Bを読む

4. 研究日誌Bを読む:(【知識(和)】+【知識(北村)】× 0.5)× 8 + 30 = 126:自動成功
→【4日目 15:20】までかかります。


 【4日目 15:00】 楸野宅 地下研究室


榎田「へぇ、これがその......どう思う、親父?」

榎田爺「......」ジィー

向坂に頼んでいた榎田の爺さんが到着したのと、村内を回って聞き込みをしていた榎田が帰ってきたのは同じ頃だった。
二人が櫛を――爺さんは椅子に座って、子供の方は後ろに立って覗き込むように――眺める顔はなるほど親子なはずだ、よく似ていた。

(【オカルト(榎田爺)】+【オカルト(榎田)】× 0.5)× 8 = 92

↓1

ついさっき2冊目の解読が終わったって
>>154で言ってたのは何なの?

>>166
完全に失念していた......>>164は地誌の解読ということにします。
判定、所要時間等は変わりません。

54/92→成功!


榎田爺「......確かに、ヒトの感覚がある」

榎田爺「状況から考えて、その『宮永咲』が姿を変えているとみて間違いないだろうな」

京太郎「......!」

<研究日誌B>

......
......

明治◯年◯月◯日

 榎田から、呪術の試行の中で奇妙な事が起こったとの報告を受けた。
山に入っての修行中、周囲の枯れ果てていた草木がにわかに息を吹き返し、その一帯だけがあたかも春のような風景になったというのだ。
......確かに奇怪なことだが、少々興味深い。もう少し調べてみようと思う。


明治◯年◯月◯日

 随分前に榎田から報告を受けていた『奇妙な術』のことだが、研究を重ねた結果思わぬ作用を得ることができた。
妖力か、あるいは神通力と言うべきか。ともかく人にはそういった力があるのだが、これを使うことで傷を癒やすことが出来るらしいのだ。
しかしちょっとした切り傷等には使えず、生死に関わるような大怪我でなければ効力を発揮しないようだ。
どちらにしても、知っていて損はない。以下にその方法を記す――――

......
......


〜〜〜〜〜


『蘇生』

練習の所要時間は10分
【オカルト】× 6 に成功することで習得でき、以下の効力を発揮する。

・自分の【体力】が0になったとき、【オカルト】を3消費することで全快させることができる。
・他者の【体力】が0になったとき、【オカルト】を6消費することで全快させることができる。


<【オカルト】について>
術の行使などにより消費された【オカルト】は、1時間に1ずつのペースで回復していきます。

 【4日目 15:00】 楸野宅 地下研究室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍
・『蘇生』の練習(10分)
一人指定、【オカルト】× 6で習得

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、榎田、榎田爺(楸野宅 地下研究室)
・和、山下、北村、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中)
・その他(応接間 待機)

4. 自由安価


今更ですが、暇なキャラは応接間で待機ということにします。

↓2

なんか凄い秘伝!って感じのオカルトがあっさり出て来たな

地誌を読む

>>167
地誌は既に解読チームが読み始めています。終了は【4日目 15:20】です。
再安価↓1

4 久、榎田父、椿屋と楸野の所へ行って櫛を見せ経緯を説明する

タコスは蘇生の練習

2. 『蘇生』の練習
【オカルト(優希)】× 6 = 42

連続判定にする場合は指定お願いします。
↓1

連続で

それ

嘘だろ

49/42→失敗
85/42+10→失敗
74/42+10→失敗
36/42+10→成功!

今日はここまでになります。コンマが奮わないのは仕様です。

>>170
まあ、最終決戦で対椿屋用に使ってもらう予定だったので(白目)

小ネタ、ヒッサが不幸自慢するみたいな指定あったけど
どう考えても煽りすぎて険悪ムードになりそうだったので断念しました。ごめんね。

明日も19時開始目標になります。
みなさま、今回もお疲れ様でした。

乙です


しかし北村を筆頭に大学生組は思ってたよりも何倍も役に立つなぁ
イキり大学生犯罪者でアホな事して全員死ぬと思っててごめんなさい

今日は休みか?

酉ないですが>>1です。今日はお休みさせていただきます。
諸事情で遅くなってしまいました。本当にごめんなさい。

今日は20時から始めます

そろそろ開始ー

優希の練習は【4日目 15:40】までかかります。

 【4日目 15:00】 楸野宅 2階 書斎


果たしてここに来るのは何度目だったろうか?その度に何かしら悶着を起こしたものの、ついぞこの老人を説得することはできないでいた。
彼の求めるものは唯一つ、『呪いからの解放』である。櫛を――非常に不本意な方法によって――手に入れた俺たちであっても、このことは未だ何一つ情報を掴めていない。
では何故、彼の所へ足が赴くのだろうか。

楸野「おやおやこれは榎田殿。お体が悪いと聞いていたが大丈夫なのかね?」

榎田爺「何、私なら構いませんよ。優秀なタクシーが運んでくれますのでね」

京太郎「なんつー言い草だよ......よいしょっと」スッ

楸野「なるほど。身体は衰えても口だけは回るようですな」

下から拝借してきた椅子に背中の老人を座らせる。
楸野は一瞬彼を――――やはり見えていないはずなのだが、睨みつけたような仕草をして、こう切り出した。

楸野「まあよろしい。今はそのような些末事より余程重要なことがあるようですし」

京太郎「判るか?」

楸野「勿論!これが判らなければ、呪術を使うものとしては盲目とさして変わりませんよ」

楸野「ふむ......あのお嬢さんですか。私を覗いてしまった、哀れなお嬢さん」

楸野「カッカッカ!災難でしょうなぁ......変なものを見せられたと思えば、今度は櫛にされてしまうとは」

京太郎「.........んなこと自分が一番わかってるさ」

そんな後悔、さっきからずっとしっぱなしだ。

久「ま、それはそうとしてよ」

久「私たちは櫛を手に入れた。呪術使いの榎田も揃ってる」

久「あとは祭壇に行って神様を何とかしちゃえばクエストクリア......違わない?」

久「あなた、そんなに余裕綽々でいいのかしら」


(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 8 = 96

↓2

39/96→成功!


楸野「......最早活路なし、確かに私には既に打つ手がありません」

楸野「あなたが望むなら、今すぐにでも事を終わらせようとすることは可能でしょうな」

久「だったら――――」

楸野「――――だったら、どうなろうと言うのです?」

楸野「再三申しておりますが、私の望みは『死ぬこと』のみ」

楸野「オフラシサマが鎮められてしまえばそれもどうなるか......」

楸野「ならば私の今すべきことは唯一つ、あなた方の失敗をここで願うくらいのものです」

椿屋「......ご老人、『村の為』という考えは一つもお持ちでないのか」

楸野「はっ、まさか」

椿屋「.........そうですか」


(【交渉(久)】+【交渉(京太郎)】× 0.5)× 0 = 0:自動失敗


楸野「第一、『あとはオフラシサマを鎮めるだけ』と考えていては足元を掬われますよ」

京太郎「......どういうことだよ」

楸野「アレを読んだのでしょう?書いてあった筈ですよ」


 榎田は、その命と引き換えにその櫛を挿し給いた。


楸野「精々、腹は括っておくことですな」

 【4日目 15:10】 楸野宅 2階 書斎

どうする?

持ち物:>>150
同行者:久、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :楸野(拘束)
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍
・『蘇生』の練習(10分)
人物指定、【オカルト】× 6で習得

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、久、椿屋、榎田爺(楸野宅 2階 書斎)
・和、山下、北村、堂島、主人(楸野宅 地下研究室 解読中 【4日目 15:20】まで)
・優希(楸野宅 地下研究室 『蘇生』の練習 【4日目 15:40】まで)
・その他(楸野宅 1階 応接間 待機)

4. 自由安価


↓2

ちしをよむ

 【4日目 15:10】 楸野宅 地下研究室


優希「ぐぬぬぬぬぬぬぬ.........」ジィー

土蔵から伸びる秘密の階段も、こう何度も昇り降りすれば新鮮みが失われるものだ。
地下室では、身長143センチのチビ助が件の研究日誌とにらめっこしていた。

優希「失礼なやつだなー。この前測ったら144だったぞ」

京太郎「いや、そんなん見てもわかんねぇよ......んで何やってんだ?」

優希「これだじぇ」スッ

京太郎「『蘇生』......?」

優希「できるんじゃないかって練習してるけど......むがー!難しくてよくわからん!」

京太郎「堪え性がないなぁ、お前は」

しばらくして、机に向かっていた和がこっちへやって来てメモを手渡してくれた。
地誌の抜粋が終わったようだ。

<地誌>


〇〇県最大の水源である〇〇山を擁する本市の地理は、平地に位置する南部と山岳に囲まれた北部に大別される。

......
......

【小佐目地区】
本市に合併される前は「小佐目村」という自治体を構成しており、現在もその名前は俗称としてよく用いられる。

・交通
地区の南側から伸びる県道42号線だけが都市部と接続する唯一の道路であり、一日に二往復程度バスが運行されている。
北側で県境を挟んで△△県△△市と接し、炭鉱が稼働していた時期(後述)には採掘された石炭が処理のため搬出されていた。
しかし現在ではそれらも廃れており、同市と小佐目地区を接続する整備された交通路は存在しない。

・地理
南側を除く三方位を山林に囲まれており、地形的に孤立している。
一方〇〇山を水源とする小佐目川の流域である南方は比較的開けていて、広大な森林が広がっている。

・気候
比較的降水量の多い北部の中でも特に雨が多く、この地域で土に吸収された雨水は河川に注ぎ込み流域の用水を支える。
しかしそれらによる天災にも多く、古くから甚大な土砂災害を被ってきた。
特に明治◯年大雨災害は300名近い死者を出すなど、同地域に甚大な被害をもたらした(別表参照)。
これは県内で発生した記録に残る土砂災害としては現時点でも最悪のものである。

・植生
高山植物を始めとした貴重な草花類が多く存在する。
特に神楽山を中心とした地域に生息する「オザメキタダケソウ」はキタダケソウの亜種であり、
環境当局の策定するレッドリストにも絶滅危惧種として掲載されている。

・産業
主な産業は農業。米が中心だが、近年はその気候を利用してレタス・キャベツ等の抑制栽培も増加している。
一帯には石炭が多く埋蔵されており、江戸中期から「小佐目炭鉱」として栄えていた。
しかし明治◯年大雨(上記参照)の際に大規模な崩落事故が起き、これをきっかけとして大正初期にかけて徐々に操業を停止。
以後、立地条件や採算等の理由から採掘は行われていない。


【表:明治◯年大雨災害による被害概要】
・犠牲者数:283名(死者・行方不明者合計)
・家屋損害:61棟(うち全壊29棟)
・土地被害:約10km^2(当時の小佐目村敷地の三割程度)
・その他炭鉱等に被害多数

......
......

京太郎「.........なあ、この『明治◯年大雨災害』って」

和「須賀君と咲さんが見たという、楸野さんが失敗させた儀式のことでしょう」

京太郎「大規模な崩落事故――――そういえば」


 優希「――まるで、元々あった道が埋まっちゃったみたいだ」

 京太郎「...優希、他のところも見に行くぞ」

 それから見つけたいくつかの行き止まりは同じような見た目をしていた。
 大小さまざまの石や岩が堰き止めるように、斜面状に道が埋め立てられている。


京太郎「あれはこの時のものだったのか」

和「ところで、これを見てください」

マシュマロのように白い指が指し示していたのは「交通」の項目、その後半部分だ。
小佐目村が接する隣県の町についての記述がある。

和「以前からおかしいと思っていたんです。この村には炭鉱はあってもそれを処理する施設がない」

和「ここには『△△市へ処理のため搬出していた』とありますから......」

和「まだ、どこかに村の外へ続く何らかの道が残ってはいないでしょうか」

京太郎「......退路ってことか?」

和「もしものためですよ、もしものため」

京太郎「でも『交通路は存在しない』ってあるぞ?」

和「車道は存在しないということでしょう。使われていたのはおそらく鉄道のような......」

確かに、線路跡を辿れば樹海を宛もなく彷徨うより余程安全に森を抜けることが出来るかもしれない。
ま、一応考えておいて損はないか......

 【4日目 15:20】 楸野宅 地下研究室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍
・『蘇生』の練習(10分)
人物指定、【オカルト】× 6で習得

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、山下、北村、堂島、主人(楸野宅 地下研究室)
・優希(楸野宅 地下研究室 『蘇生』の練習 【4日目 15:40】まで)
・その他(楸野宅 1階 応接間 待機)

4. 自由安価


↓2

2 蘇生練習 榎田ジュニア

2. 『蘇生』の練習
【オカルト(榎田)】× 6 = 42

連続判定にする場合は指定
↓1

連続

それ

ほい

67/42→失敗
80/42+10→失敗
75/42+10→失敗
26/42+10→成功!

【4日目 16:00】までかかります


えー、デジャブを感じたところで今日はここまでになります。

>>189-190の通り、もういつでも最終決戦に挑むことは可能です。
残る問題は楸野をどうするかという点になります。

昨日今日と申し訳ない。明日は19時で大丈夫なはずです、たぶん。
みなさま、今回もお疲れ様でした。


楸野が櫛使えば[ピーーー]るしオフラシ様も静まるから一石二鳥かと思ったんだけどな

30分後に始めます

>>206
あの櫛、榎田家以外の人でもつかえるのかね?

>>208
誰でも使えます。でも最後くらい主人公が締めてほしいなー

投下開始します。

 【4日目 15:20】 楸野宅 地下研究室


柊「兄さん方、ちょっと失礼するよ」ヒョコッ

柊「ついさっき捜索隊から連絡役が来た。『未だ発見できないが、人員も体力の限界なので引き揚げたい』とさ」

連中の捜索が始まってからそろそろ八時間。この大雨の中、森林地帯を掻き分けるというのは相当な重労働だろう。
しかし村の主要人物がこちらに付いている今となっては、彼らを村から遠ざけておく理由もなくなってしまった。

京太郎「その連絡役はどうしてる?」

柊「椿屋に睨まれてビクビクしてるぜ」ケラケラ


1. 事情を伝えて引き揚げさせる

2. 事情を伏せて引き揚げさせる

3. 捜索を続けさせる

4. その他(自由安価)

↓2

1

1

櫛使う覚悟って言っても蘇生の術あるんだからノーリスクじゃないの?

最後は色々と状況が違うので、そうは問屋が卸しません。


1. 事情を伝えて引き揚げさせる


柊「あいよ、そういうことで伝えておく」

そういって去っていった柊とは入れ違いに、階段をドスンドスンと下りてくる足音がある。
榎田は地下室にやってくると、書物とにらめっこする優希を一瞥した。

榎田「おや。先客がいたか」

優希「むむっ、この優希ちゃんに何か用か?」

榎田「いやぁ、さっきの『蘇生』とかいうのをやってみようかと思ってね」


 【4日目 15:20】 楸野宅 地下研究室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

『蘇生』の練習
・優希:【4日目 15:40】まで
・榎田:【4日目 16:00】まで


1. 移動する
・楸野宅から出る
・応接間へ向かう
・書斎へ向かう
・地下研究室へ向かう
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・麻酔薬を使う
・『寝る』(10分)
一人指名、【オカルト】等倍
・『蘇生』の練習(10分)
人物指定、【オカルト】× 6で習得

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、山下、北村、堂島、主人(楸野宅 地下研究室)
・優希、榎田(楸野宅 地下研究室 『蘇生』の練習)
・その他(楸野宅 1階 応接間 待機)

4. 自由安価


↓2

蘇生練習組除いた今いるメンバーでオフラシ様の正体とか呪い解除の方法とか考察してみる

一つの話題につき10分になります。
5択の繰り返しで話を展開していき、間違えると元の選択肢に戻ります。
結論が出るか、三回間違えると終了です。

 【4日目 15:20】 楸野宅 1階 応接間


まこ「......ふーむ、やっぱりあの爺さんはどうにもならんか」

久「ま、呪いについても結局何も分かってないしね」

家中からかき集めた椅子を並べると、それだけで応接間は足の踏み場も無くなりそうだ。
そうして埋め尽くすように座る仲間たちを目の前にして、俺はある問いを投げかけることにした。

京太郎「だから、一度もっと根本的なことを整理しておくべきだと思うんです」

和「根本的なこと?」

京太郎「ああ。『俺たちが立ち向かっているものが何なのか』......ピースは見えてきたけど、まだ結論は出てない」



【オフラシサマの正体】

3/3


北村「そもそもオフラシサマって、何なんだろうね」

『オフラシサマ』......この村において云千年と祀られ、禍福をもたらしてきたモノ。
俺たちはこの存在について、結構多くの手掛かりを得ている。

京太郎「そりゃ、一言で表すなら......」


1. スサノオノミコト

2. ヤマタノオロチ

3. クシナダヒメ

4. この土地固有の神様

5. 人々の妄想が作り出した幻影


↓2

2

2

2. ヤマタノオロチ
→2/3


京太郎「ヤマタノオロチじゃないか?」

俺の意識は、身体の体験していない120年前の出来事を思い出していた。
若かりし日の楸野へ吸い込まれていったそれは、龍の姿をしていたように思える。

和「......それは違うんじゃないでしょうか」

和「霎伝の記述では、最初期のオフラシサマは人のような形として登場しています」

和「それにもしヤマタノオロチなら、人を救うようなことはしないのでは?」

京太郎「むぅ......なら、和は何だと思うんだ?」

和「そうですね、私は......」


1. スサノオノミコト

2. (ヤマタノオロチ)

3. クシナダヒメ

4. この土地固有の神様

5. 人々の妄想が作り出した幻影


↓2

1

1

1. スサノオノミコト


和「情報から考えると、スサノオノミコトとみるのが妥当でしょう」

和「霎伝では、夢に登場した女性が『あの方』と呼んでいました」

和「須賀君が出会った時、確かに『クシナダヒメ』と名乗っていたなら......」

まこ「そういえば、京太郎が優希と祭壇で撮ってきた写真があったのう」

染谷先輩の言葉に、ポケットに入っていたスマホの存在を思い出して取り出してみる。
昨日の朝の日付で保存されているそれらのうち何枚かには、鉄剣を持った男の木像が写っていた。

北村「『天羽々斬』か。スサノオノミコトがヤマタノオロチを倒した時に持っていた剣だね」

この大きく欠けた切っ先も意図的な意匠ということだろうか......
周囲は和の案に同意を示しているようで、首を縦に動かして頷いている者も多い。
しかし俺には未だ、一つ引っかかる点があった。

和「『荒ぶる神』というのもスサノオノミコトに重なる部分がありますね」

和「実際研究日誌にも、歴代の楸野家はオフラシサマをスサノオノミコトとして捉えていたような記述がありましたし」

京太郎「問題はそこだ。同じ日誌にはこうも書かれてたよな」


 榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。


諏訪大明神――――今日での須我神社はまさしくスサノオノミコトを祀る神社だ。
そこに出向いた榎田が「違う」と言ったということは、オフラシサマ=スサノオノミコトとは断定できないのではないか?


1. スサノオノミコトの兄弟だ

2. スサノオノミコトが変化したものだ

3. どちらかが偽者だ

4. 同じものだが榎田が間違えた

5. わからない

↓2

2
分からないが正解な時ってどういう状況よ

2で

2. スサノオノミコトが変化したものだ


――――そういえば、最初に山下へこの村の歴史を聞いた時、こんなことを言ってたな。


 山下「地方の山村には仏教や神道以外に、土着神や妖怪の類の言い伝えが残っていることが多い」

 山下「更に......この村だけというわけじゃないんだが、この地域に多い傾向として」

 山下「日本神話と土着信仰が融合したような神体を祀っていることが多いというものがある」


和「土着信仰ですか......」

久「そういう話に関する史料とかって見つかってないの?」

北村や堂島が顔を見合わせるが、そのどれもが横に振られた。
霎伝より古い時代......それこそ有史以前の事は知る由もない、か?


【終了】

今日はここで終わります。
正直物語作ってる側が考察書いてもどうにもならんので、グダグダ感は許していただきたい。
あるいは「こういう進行がいい」みたいなアイデアがあれば是非。

>>224
数合わせくらいに考えておいてください。

明日は【楸野の呪いを解く方法】からの予定です。
皆さま、今回もお疲れ様でした。

えーっとですね、皆さまに謝らなければならないことがあります。
一日手元の設定とかこねくり回しましたが、現状楸野の呪いについて得られる情報はないです。
京太郎たちはそんなこと知る由もないのでロールプレイ的には考察を進めるのが正しいのでしょうが、
何も出せないので正直どの選択肢を選んでも何もわからないまま終わると思われます。

そういった状況で安価を取り続けるのはあまりに虚無すぎるし誰も楽しくありません。
よって、【楸野の呪いを解く方法】についての考察は
>>1からの「分かることはない」という提示をもって代えさせていただきます。

30分後に始めます

やっぱりそうか。楸野、呪い解きたくて研究してたはずなのに資料の一つも見つからんって事は何一つ手がかりないのか

開始でござる

 【4日目 15:40】 楸野宅 1階 応接間


京太郎「だーっ!なんもわからんッ!」

オフラシサマの正体がどうにしても、俺たちはいつでもそれを鎮めることが出来る。
他方、それに抵抗し続けているのが楸野だ。彼の協力を得ることができれば、その知識や呪術は大きな助けになるだろう。
だからこそその呪いを解く方法――せめてその手掛かりくらいは――が掴めればよいのだが......
......結局、俺たちの考察は空転するばかりだった。


山下「あの爺さんだって相当呪いに関する研究もしてるはずだが、重要な発見はなさそうだった」

山下「そもそも、解く方法なんてあるのかねぇ......」

指を顎に宛てたり頭を掻いたりして唸っている俺たちとは対照的なのはちょうど戻ってきたタコス娘の顔だ。
ずいぶん上機嫌で、鼻歌まで歌ってやがる。

優希「ふんふんふん〜......今戻ったじぇ!」ビシッ

京太郎「何か良いことでもあったのか?」

優希「うむ。優希ちゃんは偉いのでバッチリ覚えてきました」

京太郎「マジか?!」

片岡優希、やはり天才か......!


 【4日目 15:40】 楸野宅 1階 応接間

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

『蘇生』の練習
・榎田:【4日目 16:00】まで

1. 移動する
・楸野宅から出る
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・『蘇生』の練習(10分)
人物指定、【オカルト】× 6で習得
・考察(10分)
話題指定

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・榎田(楸野宅 地下研究室)
・その他(楸野宅 1階 応接間)

4. 自由安価


↓2

『蘇生』の練習を優希と

2 考察
クシナダヒメの目的?みたいなの
櫛授けるにしても何がしたいのか分からん

2. 考察


優希「考察?」ズズッ

京太郎「ああ、ここまでの情報を集約しながらな」

何故老人というのはお茶が好きなのだろうか?そりゃ勿論甘い物好きなおじいちゃんも世の中には居るだろうが、少なくとも楸野は緑茶ばかり飲んでいるようだ。
急須に淹れたばかりの茶をグイッと飲み干すと、優希はその勢いを吐き出すように呟いた。

優希「咲ちゃん、なんでこんなことになっちゃったのかなぁ」


【クシナダノヒメの目的】


京太郎「......あの女神様に聞かないと分かんねえよ」

そっと右手を挙げて左胸へ当てる。
したらめったら物品の詰め込まれた鞄に入れてしまうのも気が引けた俺は、櫛を上着の胸ポケットに入れたままにしていたのだ。

優希「その人、一体何がした――――」

榎田爺「――――考えるだけ無駄だろうな」

「何かしたいんだろう」と言いかけた優希の言葉に眼を閉じたまま、そう老人は割り込んだ。

優希「......?」

京太郎「どういうことだ?」

榎田爺「今世の神々には各々の意志とか、ましてや目的などというものはあるまいさ」

榎田爺「言うなれば彼らは自然現象の一部。オフラシサマのように世界を荒らすものもあれば......」

榎田爺「その方のように、世界を在るべき姿に戻すために働く復元力もある。それだけの話よ」

正直申し訳ないとは思っている。後悔はしていない。
これ以上に説明のしようがないので......
さすがに時間経過はそのままでいきます。


 【4日目 15:40】 楸野宅 1階 応接間

どうする?

持ち物:>>150
同行者:
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

『蘇生』の練習
・榎田:【4日目 16:00】まで

1. 移動する
・楸野宅から出る
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)
・『蘇生』の練習(10分)
人物指定、【オカルト】× 6で習得
・考察(10分)
話題指定

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・榎田(楸野宅 地下研究室)
・その他(楸野宅 1階 応接間)

4. 自由安価


↓2

地下祭壇って行ったらもうイベント始まる?
あと調べてなくて何かありそうなのそこぐらいなんだけど

仕様としては、意図的に起こそうとしない限りは始まりません。
再安価↓1(連取可)

地下祭壇へ移動
メンバーは咲、タコス、久、和、榎田父、椿屋、山下

他のメンバーは榎田息子の練習が終わり次第、楸野も連れて旅館で待機

1. 地下祭壇へ


 【4日目 15:40】 旅館・別館 2階 廊下 大浴場前


京太郎「そうだ、楸野の書斎の金庫で......」ゴソゴソ

ここを通るのも昨日の朝以来だろうか。二つの世界を隔てる鉄扉に鍵を差し込むが、上手く奥で嵌まっていないようだ。
しばらくガチャガチャといじるうちに漸く錠は音を立て、冷たい空気が流れ出してきた。

京太郎「俺が先に降りる。後に続いてくれ」

梯子を一段ずつ静かに踏みしめ、足の裏が冷たい鉄板に触れたと同時に両手を離す。
そういえば、優希は昨晩の怪我で脚を痛めてるんだった。ちょっと支えてやるか......
上を向くと、次に足を掛けようとしていた優希はきょとんとした顔つきでこちらを見ていた。

優希「ん?何かあったのか?」

京太郎「......」


 咲「...見ないでよ」

 京太郎「見るかバカ!」


京太郎「いや、優希はズボンなんだなって思ってさ」

優希「......いつも適当にあしらわれてるから、急にそういうこと言われると反応に困るじぇ」


 【4日目 16:00】 小佐目山 祭壇


京太郎「――――!」ブルッ

生物的なようで静物的でもある。この妖しい紫の明かりは果たしてどうやって生まれているのだろうか。
一日半ぶりにやって来た巨大な地下空洞は、何本か松明の火が消えている以外は前と同じ様子を保っていた。
しかしこれはあくまで視覚的な情報に限った話だ。コンクリートで囲まれた長い通路を抜けると、唐突な悪寒が俺の皮膚を襲う。
洞窟特有の低い気温に由来するものにしては、あまりにも不自然だった。


山下「すげぇ、本当にこんな空間が地下に......」

榎田爺「本来なら、生贄が全員揃った後の――――つまり次の夜明け、ここで壬申の儀は執り行われる予定であった」

榎田爺「私がオフラシサマを降臨させ、他の者が生贄の喉を掻き切る......そういう手筈だ」

和「オフラシサマを降臨させるためには何か準備が必要なんですか?」

榎田爺「特には無いな。伝統的に着ることになっている装束があるが、必須ではない」

榎田爺「お望みとあらば今すぐにでも降ろせるぞ?」

久「ちょっと、勘弁してよ!」

榎田爺「くくく、冗談が通じんな」

 【4日目 16:00】 小佐目山 祭壇

まこたちがこちらへ移動中です(20分後)

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 2階)

4. 自由安価


↓2

嘘ついた.....>>240では旅館で待機だったので訂正です。
安価下

2 天羽々斬を調べる

2. 天羽々斬を調べる


京太郎「何か分かるか?」

和「いえ、写真で見た以上は何も......」

朽ちた鉄剣は、変わらずその男の右手に握られていた。
大きく欠けた先端に判読できない刀身の銘文、そして柄に残る『天羽々斬』の四文字。
俺の目には何ら変わりなく見えたが、彼らにはどうだろうか――――

山下「......」ジィー

椿屋「......どう思う?」

榎田爺「うむ、これは......」


【知識(山下)+知識(榎田爺)× 0.5】× 8 + 30 = 78

↓1

はい

15/78→成功!


山下「ここ、何だ?......速...........」

京太郎「......!」

和「ひょっとして......それ、読めるんですか?」

山下「ああ、殆ど朽ちて読めなくなってるが......判読できる部分だけ抜き出してみる」


『ここ――速須佐――――――――の佩かせ――――字剣――――伏給――――――――』

『――――霎――――――――守給―――――――――――――――也』


山下がボールペンを走らせるのを止めると、メモ帳にはこんな文字列が残されていた。

今日はここで終わります。

今更ですが、いくつかの記述は古事記や日本書紀から引っ張ってきているので
リアル神話技能があるとちょっち楽です。

月曜は祝日ですが来れるかもしれないので、可能なら進めます。
たぶん夕方ごろスタート?
みなさま、今回もお疲れ様でした。

乙です
咲もいるけどオカルトの判定はないの?

”咲”はいないので判定に参加できず、また『花の櫛』による判定の発生もありません

>>248についてですが、
今日は休みにする代わりにifルートを書き上げようかと思います。
深夜くらいに投下しに来ます。

楽しみ

ということで投下します。前スレ>>362からの分岐になっています。
流石に全部追うのは無理なのでdieジェストです。

 【3日目 20:50】 旅館・本館 2階 205号室


まこ「......京太郎、おぬしが決めてくれ」

京太郎「えっ...でも」

まこ「何が『でも』じゃ。ここまで中心になって調べてきたのは京太郎じゃろ?」

まこ「京太郎の考えが一番大事じゃけんの」

京太郎「染谷、先輩.........」

まこ(......許せ、京太郎)

......染谷先輩は卑怯だ。
にわかに窓の隙間が小気味悪い音を出す。いつの間にか、外を強い風が吹いているようだった。
しばらくしてその音が少し収まったころ、俺はようやくその決心をした。


京太郎「俺は――――」


1. 村から脱出する

2. 厄災を止める

「後の祭り」なんてのは手垢にまみれた慣用句だ。
世の中案外何とかなるもので、間違いをすぐに認めさえすれば幾らでも軌道修正は利くのだと数ヶ月も前の俺は思っていた。
しかし、実際のところ使い古された文句というのは裏を返せばそれだけ的を射た表現であり、世の真理を親切にも囁いてくれているのだ。

ここで"2"を選んでいれば、俺にはそれ相応の違った『未来』があったのだろう。それは今よりマシかもしれないし、もっと酷いことになっているかもしれない。
どちらにしても、今となってはそれを知る術はない。

1. 村から脱出する


京太郎「――――逃げよう」

京太郎「俺はあの部室に帰りたい。何としても」

京太郎「それ以外――――村のことも、何もかも関係ない」

京太郎「.........それが俺の選択だ」

沈黙は数秒か数十秒か続いたが、言葉を絞った俺には数十分にさえ感じられた。
ああそうとも、こうなるのは分かっていたさ!
たとえ俺がどんな選択をしようがこの中の誰かを裏切ることになる。そして彼女を地獄へ続く道に誘うのだ。
果たして、誰に俺のことを責める権利があるだろうか?

まこ「......そうか、分かった」

咲「京ちゃんがそう言うなら......仕方ないよ」

そう、彼女らにだってそんなものはありゃしない。

優希「京太郎、一つ確認しておきたいことがある」

京太郎「......」

優希「それは、『何があっても』か?」

京太郎「.........ああ、『何があっても』だ」

 【4日目 03:10】 小佐目山 鉱山管理所 1階 ロビー


見回りB「ガッ――――――――!」

和「あ、ああ、あ、あ......そんな.........」ガクガク

京太郎「和......」

和「ち、違うんですッ!私、こんなはずじゃ......」

京太郎「和」トン

和「は、はひっ!......」

京太郎「......大丈夫だよ」

和「......え?」

京太郎「俺たちは『生き延びる』ためにやってる。これは仕方ないんだ」

京太郎「だって、こいつは和を殺そうとしたんだから」チラッ

見回りB「――――――――」ドクドクドクドク

若い男の胸元は袈裟斬りに失敗したかのように右肩から斜めに砕かれていた......そういえば、和は左利きだったな。
人間の身体には一体どれだけの量の血液が流れているのだろうか?目の前の”水”溜まりを掬ってやれば大雑把には測り取れそうだ。
肩を抱いてそんな光景から目を背けさせてやると、和の震えは少しずつ止まっていった。

和「そう......ですよね.........」

京太郎「ああ、そうだよ......だから、あっちで染谷先輩と一緒に待っていてくれ」

和「......そうします」ヨタヨタ

部屋の隅で卒倒した咲を介抱している先輩に目配せをする。得も言われぬ表情のあるその方向へ、ゆっくりと和は歩いていった。
他方、それとは反対に俺に近づいてくるこいつは案外落ち着きを持ち合わせているらしい。

優希「京太郎くんは優しいじぇ〜?」

京太郎「優希だって和を置いて行きたかね―だろ?」

優希「まあ、な」

京太郎「............さて」

見回りA「ひぃっ!」ブルブル

京太郎「喋ってもらいたいことは山ほどあるんだ。協力してくれるよな」

 【4日目 04:30】 小佐目山 清めの洞・南


ザッ ザッ ザッ

京太郎「.........」ザッ

まこ「なあ、京太郎」ザッ

京太郎「......なんですか?」

まこ「.........いや、なんでもない」

京太郎「そうですか」ザクッ

俺が作業に戻ってから少し置いて、先輩も両手に携えたそれを再び壁面に突き刺す。
優希と咲は論外だし、和はまだ件のショックを引き摺っている。シャベルが二本しか無い以上このペアが生まれることは必須だった。
そういえば、この人と二人きりになるというのは珍しい気がするな。
部員が六人であるのに対して麻雀は四人でするゲームだ。必ず二人は余りが生じる。
不思議と――俺がすぐ飛んでしまうので卓に入っている時間が短いということもあるが――抜け番の多い俺だが、何故か染谷先輩と同時に卓から抜けることは少ない。
満足に一対一で最後に会話した機会がいつだったか思い出す。確か、新学期が始まってすぐだったか。

 【9月上旬】 清澄高校 旧校舎 空き部屋


コンコン

京太郎「失礼しまーす」ガラッ

まこ「おう、座りんちゃい」

「空き教室に来い」という書き置きと共に、一年生四人の名前が書かれたタイムテーブルが部室へ残されていた。
その日二半荘目が終わり、連続ラスが確定した後のことだ。部屋の扉を開けた俺を待っていたのは、染谷先輩と向かい合って置かれた座席だった。
勧めに従って腰掛けると、パイプ椅子のヒンジが軋んで気味悪い音を出した。

京太郎「どうしたんすか?こんな部屋まで借りて」

まこ「いやな、こうやって正式に引き継ぎが終わったわけだし」

まこ「一度みんなと面談をせんといかんなと思ったんじゃ」

京太郎「へぇ......でもみんなも結構気心が知れてきたのに、なんで今更?」

まこ「確かにそれは久にも言われたんじゃが......」ポリポリ

まこ「お互い分かってきたからこそ、いい加減になってしまう所もあるんじゃないか?」

まこ「何もないように見えても、実際そいつの腹の中にはデカい悩みがあるかもしれん」

まこ「そういうのは何とかしてやりたい。部長としてな」

京太郎「.........フフッ」

まこ「ど、どうした?!何か変なところでもあったか?!」アタフタ

京太郎「いや、全然変じゃないんですけどね」

京太郎「染谷先輩ってそういう部分は適当だろうと思ってたから、ちょっと意外で」

まこ「......」ゲシッ

京太郎「痛っ!じょ、冗談ですって!」アセアセ

まこ「口のなっとらん後輩へのお仕置きじゃ!」ガハハハ

染谷先輩は豪快に笑っていたが急に恥ずかしくなったのか顔を赤らめ、小さく咳払いをしてから再び話を始める。
その声はこれまでと一転して、彼女の想いを示すかのように真剣なものに移り変わっていた。

まこ「まぁ、らしくないのは自分でも分かっとる」

まこ「それでも、こんだけ大きな看板背負った部活の長になってしもうた」

まこ「これからはわしも頑張らなきゃな......そう思ったんじゃ」

 【4日目 04:50】 小佐目山 清めの洞・南


ザッ ガラガラ

京太郎「ふぅ......やっと開通だ」

京太郎「和、そこの懐中電灯で中を照らしてみてくれるか?」

カチッ

和「竹井先輩......どこですか?」

和「せんぱ――――!」

まこ「久ッ!」ダッ

まこ「おい、しっかりせい!」ユサユサ

染谷先輩の脚が地面を蹴ったのは、力なく地面へ肢体を伏せる竹井先輩の姿が晒されるのとほぼ同時だった。
それにつられて洞窟へ足を踏み入れると、その冷たい空気が顔を刺した。

久「.........ま、こ?」

まこ「......!」

まこ「久、怪我はないか?!」

久「大丈夫よ......でも、ちょっと寒いかな」

目を覚ました様子に安堵したのも束の間、起き上がろうとする先輩の手足はどうも覚束ない。
その身体を包むたった一枚の白い装束は確かにいかにも寒そうだ。

咲「無事でよかった......京ちゃん、ねえ」チョンチョン

京太郎「ああ、そうだった」ゴソゴソ

バサッ

京太郎「ここに先輩の服と毛布があります。それからちょっとだけ食べ物も」

京太郎「俺は外に出てますんで、着替え手伝ってあげてください」スタスタ

そう言う俺の頭はこれからの脱出経路のことで一杯だった。
バスで通ってきた道路は崩落した。獣道を何十キロと歩くにはこのメンバーでは余りに辛すぎる。
だが、それ以外にどんな選択肢があるだろうか?例え薄く仄かな望みであっても、今はそれに賭けるほかない。

優希「ホントにうーっすい望みだじぇ」

京太郎「おい、竹井先輩は?」

咲「染谷先輩が面倒みてるよ......あれ、いつの間にか曇ってる」

和「本当ですね。さっきまであんなに晴れてたのに」

ここ数日快晴続きだった小佐目の空は分厚い暗雲に覆われている。
間もなく午前五時。普通ならそろそろ東の空が白んでくる頃だが、その様子は全く見受けられなかった。

京太郎「......一雨ありそうだな」

 【4日目 08:10】 県道42号線 崩落箇所


まこ「おーい、通れそうかー?」

咲「うーん......全然ダメそうです」

久「やっぱり無理か......」ポリポリ

山際を削り取るように通されたアスファルトは、ほぼ垂直に覆い被さった土砂によって塞がれていた。
ひょっとしたら......もし晴れていたなら、ここを強引に乗り越えて行くこともできたのかもしれない。
しかし、二時間半ほど前から降り出した大雨がそれを阻んでいる。

和「でも、ここでは復旧工事をしてるはずですよね?」

和「しばらく待てば作業員の人に助けてもらえるんじゃ――――」

優希「――――それはないな」

和「......どういうことですか?」

優希が耳に挿していたイヤホンを外し、スピーカーの音量を上げる。
流れてきたのは聞き覚えのある――――全国津々浦々で似たりよったりの、紋切り型な声だった。


テレビキャスター『――――今朝から降り始めた大雨について、気象庁は県北部の一部地域に大雨注意報を発令しました』

テレビキャスター『県によりますと、3日前に発生した県道42号線土砂崩れの復旧作業も本日は中止するとのことです』


京太郎「これは?」

優希「携帯で聞けるラジオだじぇ。村だと聞けなかったけど、この辺りまで来ると入るみたいだ」

久「でも、これで選択肢が一つだけになっちゃったわ」

まこ「村に戻って別の道を探すのはどうじゃ?」

優希「もう朝の8時だぞ?あっという間に見つかるに決まってる」

咲「つまり......ここを下るしかないってこと?」

ガードレールの外側にはコンクリートで固められた、鵯越の逆落としの如き斜面が切り立っている。
下の地面までの距離は......考えたくもない。一度下に足をつけてしまえば上には登れないだろう。
でも、行くしかない。

〜〜〜十数分後〜〜〜


京太郎「よっ、こい......しょと」ストン

和「お疲れ様です」

京太郎「ああ、ありがとな......あとは染谷先輩だけか」

雨で濡れたセメントの斜面の上にいるのは生きた心地がしなかったぜ、まったく。
ともあれ、全員無事に ――「うがっ?!」―― え?

まこ「いたたたた......最後の最後で滑ってしもうた」

久「どこか怪我とかしてない?」

まこ「足首を少し切ったが......なんとか」

咲「あっ!そういえば絆創膏が......」ゴソゴソ

まこ「大丈夫じゃ、大した怪我じゃない。物資は取っておかんとな」

咲「......そう、ですか」

和「先輩、本当に気をつけてくださいね」

和「......私たちはこれから、ずっと歩き続けないといけないんですから」

その具体的な期間――――それが何時間か、それとも何日かというのは見当もつかない。
昨日の昼に旅館の駐車場から優希と並んで望んだ、遥か遠くの小都市の風景が思い起こされる。
俺たちとそれを隔てる、余りにも広い樹海......今まさに、その只中にいるのだ。

ところで『里』というのがどのくらいの長さを示すものかご存知だろうか?
尺貫法の単位で、一里はおよそ4キロメートル弱に等しいという。


 楸野「早く帰りたいというお気持ちはわかりますが、十里も歩いていくのはあなた方には無理でしょう」


他方、軍隊というのは一日に20キロから30キロに渡る距離を行軍するという。当然これは人数や地形によって変わるから一概に言えるものではない。
しかしそういうのを一切考えないとして、俺は現代の兵士たちを心から尊敬せずにはいられない。

久「ごめん......もうギブ......」

 【4日目 19:20】 小佐目樹海(6/20)


無限にも思える密林を歩み始めると、まもなく優希と咲、和は脚も動かないほどに消耗した。
落伍者が出た時に取れる選択は二つしかない――――背負っていくか、置いていくか。俺たちはなるべく前者を選ぼうとした。
鬱蒼とした草木が邪魔をする森林地帯を人間の身体を背負ったまま歩き続ける。休憩を何度も挟んで、歩いては倒れることを繰り返す。
限界が近いのは火を見るより明らかだったが、目を逸して脚を動かした。
それでも、この瞬間は来てしまったのだ。

京太郎「......仕方ない、また休憩にするか」

優希「ダメだ」

和「......ゆーき?」

優希「ここまでもう5時間は休憩して、それでもこのザマだ」

優希「これ以上休んだところでどうにかなる話じゃないじぇ」

優希「それに......」

ピカッ

まこ「――――!」

刹那、俺たちのいる辺りを一筋の光が掠めていく。
それが飛んできた後方を全員が振り返ると、遥か遠くでいくつもの光源が連なって列を成しているのを認めることが出来た。

京太郎「追手か......!」

優希「みんな、私を置いて早く行け!先輩も私を下ろせばまだ歩けるだろ!?」

久「そんな......!」

優希「私はどうせこの先保たないんだ!それよりも、みんなの方が.........」

まこ「優希ッ!バカなこと言っとるんとちゃうぞッ!」ガシッ

まこ「みんなで清澄じゃろうが!みんな居るのが麻雀部じゃろうが!」

まこ「おぬしがいなくなって良い筈ない!」

まこ「京太郎も言っとったじゃろうが、『あの部室に帰る』って!」

まこ「お前も何とか言えよ、おい!」

京太郎「............」

まこ「京太郎!須賀京太郎!」

優希「......京太郎、確認したよな」

優希「『何があっても』って」


 優希「それは、『何があっても』か?」

 京太郎「.........ああ、『何があっても』だ」


京太郎「......ああ」

優希「......みんなのこと、頼んだ」

京太郎「......わかった」

咲「そんな......!」

咲「ダメだよ!そんなの京ちゃんじゃないッ!京ちゃんなんて嫌いだッ!」

京太郎「咲......ッ!」

俺に背負われていた咲はずっとぐったりとしていたが、息を吹き返したかのように俺の首を絞めた。
それに抵抗することもなく、俺はなすがままにされるしかなかった。

和「......優希......本気、なんですね」

優希「のどちゃん......今まで、本当にありがとう」

優希「中学生の時に阿知賀の人たちの話聞いて......私、きっと嫉妬してたんだじぇ」

優希「のどちゃんは私の一番なのに、私はのどちゃんの一番じゃないんだって......」

優希「しばらく経っても、高校生になっても、ずっと心配だったんだ」

優希「......わたし、ちゃんと......のどちゃんの友達になれたよね」

和「.........そんなの、聞かないと、わからないん、です、か」

和「ゆうき、は......私の、大切な、とも、だち.........」

優希「のどちゃん......」

和「......はい」


優希「じゃあな」

 【4日目 22:40】 小佐目樹海(8/20)


俺は今、ここまでの運動不足を心から悔いている。高校に入学して半年、麻雀にかまけて体力をすっかり落としてしまった。
この怠惰がなければ、きっと......

咲「......ううん、わかってる。次は私の番だよね」

まこ「ぐっ.........」

咲「なんでかな。優希ちゃんのとき、どうしてそんなことを言うのか分からなくてすごい怒ってたのに......」

咲「今ではなんだか理解できる気がするよ」

久「さ、き.........」

和「......咲さん」

まこ「ダメじゃ!わしが一人でも二人でもおぶって――――」

咲「染谷先輩」フルフル

まこ「......」

他でもない咲自身の制止に、染谷先輩は何も言うことができない。
それから咲が、みんなに一言か二言告げて......その内容は全然頭に入ってこなかった。

咲「ごめんなさい。最期に、京ちゃんと二人きりにしてくれませんか」

京太郎「咲......?」

他の三人は力なく頷くと、とぼとぼと歩いていくらか距離を空けてくれた。

俺は咲が座り込む木の幹へ同じように腰を下ろし、疲れた脚をピンと伸ばした。
頭上の色づいた葉が降りしきる雨から俺たちを守ってくれるので、地面に投げ出された俺のつま先だけが濡れた。
俺は特に理由もなく、それを引っ込めることもしなかった。


咲「ねえ、京ちゃん」

京太郎「なんだ?」

咲「見て......あそこの花」

その細い指が指し示す先――――その茂みには紫の花がぽつりと一輪。
歩み寄ると十円玉くらいの小さな花弁が、背丈の低くて細い茎に弱々しくしがみついている......キタダケソウだ。

咲「綺麗だね」

京太郎「......こういう方が好きか?」

咲「.........うん」

咲「......思い出したんだね」

京太郎「......ああ」


 咲「ほら、中学生の頃登山に行ったでしょ?あの時一緒に見た花に似てないかな」

 京太郎「...?」


二年前、中学二年生の遠足。
ハイキング中に咲が歩けなくなって......こうしてキタダケソウを見つけた。あれはもっと白かったけどな。

咲「あの時、京ちゃんは確か進路の話してたよね」

京太郎「そーいえばそんなことも......どの高校に行くかなんて決めてもなかった」

京太郎「その後俺は適当に清澄にしたけど、お前まで清澄に行くって言ったはビビったぜ」

咲「ビビったって?」

京太郎「そりゃ、『また三年間このポンコツの世話かよ!』ってな」

咲「ちょっと!そんなに言うことないじゃん!」プンスカ

京太郎「ははは、悪い悪い」アハハ

京太郎「それはそうとして、どうして清澄に?」

咲「.........」

京太郎「......?」

咲「......それから、帰りに京ちゃんがおんぶしてくれたよね」

京太郎「ああ、最後に咲がなんか呟いてたことも覚えてるぜ」

咲「うそっ、それも覚えてるの!?」

京太郎「こう見えて俺、気が利くタイプなんでね」

咲「それって自分で言うことかな......はぁ」

咲「.........ねぇ、あの時なんて言ったのか教えてあげる」

咲「ありがと」

京太郎「おう、どういたしまして」

咲「それから、その.........」


大きく深呼吸。弱々しい声が、ようやく最後の言葉を紡いだ。

咲「私、京ちゃんのこと――――――――」

京太郎「......バカ、遅すぎんだよ」ニカッ

 【5日目 00:00】 小佐目樹海(9/20)


京太郎「.........」

和「.........」

まこ「.........」

久「.........」

果たして、あれからどれだけ歩いたのだろうか。その距離を知る術は持ち合わせていないが、時計は持っている。
でも、それを見る気にはならなかった。
少なくともあの後、追手の姿が見えることはなかったし、誰かが口を開くこともなかった......この瞬間までは。

まこ「.........どうして......」

まこ「どうして優希があんな目に遭わんといかん!咲が犠牲にならんといかんのじゃ!」

まこ「和、久!どうして何も言わんかった!大事な仲間じゃろうが!」

まこ「京太郎、どうして置いていったりしたッ!」グイッ

まこ「他にやりようが――――!」

京太郎「――――なら」

京太郎「なら、どうすればよかったと思いますか」


京太郎「染谷部長」


まこ「.........!」

今まで、この人のことを『部長』と呼んだことは殆どなかった。
新部長として頑張ってくれているのは十分に伝わってきていたが、それでも俺たちにとって『部長』とは竹井久そのものだったのだ。
ずっと考えていたさ。いつかは部長と呼ぼう......この人に報いるためにも、俺たちが歩みを進めるためにも。
俺はどうしてこの瞬間、染谷先輩ではなく『染谷部長』と呼んだのだろうか。

まこ「それは......」

まこ「――――――――!」

染谷先輩の声と俺たちの意識が不意に妨げられる。
轟音が響き渡り、やがて地面も揺れ始めた。つい数日前の夜に耳にしたものと同じ......いや、それよりも大きい。
そして――――

是後、素戔嗚尊之爲行也、甚無狀。何則、天照大神以天狹田・長田爲御田、時素戔嗚尊、春則重播種子且毀其畔、秋則放天斑駒使伏田中、
復見天照大神當新嘗時、則陰放屎於新宮、又見天照大神・方織神衣・居齋服殿、則剥天斑駒、穿殿甍而投納。
是時、天照大神、驚動、以梭傷身、由此發慍、乃入于天石窟、閉磐戸而幽居焉。故六合之內常闇而不知晝夜之相代。

その音はしばらく響き続け、やがて止んだ。
日はとうに沈み、頭上は殆どを木々の葉によって覆われている。当然どこで何が起きているのかは何も見えない。
だが俺たちは、それが何を意味しているのか容易に理解できた。

京太郎「......今日はこの辺りで寝ましょうか」

 【十数日後】 長野県内 ある病室


二日後、俺たち四人は樹海の出口に近い県道沿いを歩いているところを近所の住人に保護された。
そのままの流れで病院に担ぎ込まれ、過度の疲労と栄養失調と診断されるや否や入院の運びとなった。
尤もそれも一日で終わったのだが、何故俺が未だに――――しかも長野の病院でベッドに寝ているのかというと.......

コンコン

京太郎「どうぞ」

和「失礼します......須賀君、体調は大丈夫ですか?」

京太郎「ああ。たまにまだ脇腹が痛むけどな」

久「それにしても、まさか包丁で刺されるなんてねぇ」

京太郎「こればっかりは仕方ありませんよ。覚悟はしてました」

京太郎「照さんだって、きっと......」

京太郎「警察には届けませんから、医者にも何とか事故で通しました」

和「そうですか......」

京太郎「あの、ところで......染谷先輩はどういう......?」

久「......聞きたい?」

俺たちが長野に戻って数日、染谷先輩は――――自室で首を吊っているのを発見された。
発見が早かったことと適切な処置によって、奇跡的に一名を取り留めこそしたものの......

久「まこは一応のところ回復して、意識もあるわ」

久「ただ何も食べず何も飲まず、ずっと布団をかぶりながら呟き続けてるらしい」

久「......『許してくれ』、って」

京太郎「............」

俺は弱い人間だ。


和「......そういえば、新聞を持ってきたんです......読みますね」

先々週に〇〇県小佐目地区で発生した土砂災害について、
警察と消防、自衛隊は以下の通り捜索状況を更新した。

・死者・行方不明者:98名
・生存者:4名

また昨日、行方が分かっていなかった、長野県の――――

和「――――片岡優希さんと宮永咲さんを.........」

久「......和、もういいのよ」

和「.........はい」

久「それから、須賀君に二つ伝言ね」

久「一つは学校から......『戻ってくる時期はいつでもいい。楽になったら登校してくれ』って」

久「もう一つは警察で、『事情聴取がしたいから――――」

学校。清澄高校。俺の母校であり、俺たち麻雀部の母校。
俺たちは何のためにあそこへ戻るのだろうか。何を学び、何を話して、何をするのだろうか。
『あの部室』に帰って、いったいどうなるというのだろうか。
そんな見当は到底つきそうにない。

一日は二十四時間だし、一時間は六十分だし、一分は六十秒だ。旅行の前と後では時間の流れに何も変わるところはない。
でもその日々には、あいつらはいないんだ。

唇に、あいつの温もりがよみがえった。


END:「選択の連続」

おお、もう‥‥‥
本編との落差で風邪ひきそう
いやまあ本編でも全滅エンドやらなんやらになる可能性もあるわけだけど

乙です
村が滅びたということは追手が咲とタコスは村人には見つからず生け贄にはならなかったのかな

超今更ですが今日はお休みです。

>>281
あるいは見つかる前に自分で......というのもありえます。
その辺はご想像にお任せしますということで。

明日は進めます。
19時から開始予定ですのでよろしくお願いします。

そろそろ始めます。

>>247の続きから再開です。

優希「それでどういう意味なんだ?」

山下「いや、断片的すぎてさっぱりわからん」

優希「がーん......なんか拍子抜けだじぇ」

山下「うるさいわ!」

京太郎「でも文字を読み取ってくれただけでも儲けもんだ。サンキューな」

京太郎「それより、ここの『速須佐』って部分はひょっとして......」

山下「ああ。どう考えても『建速須佐之男命』、つまりスサノオノミコトだろう」


 【4日目 16:10】 小佐目山 祭壇


どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2

2 木像を調べる

2 木像を調べる(10分)

【知識(山下)+知識(榎田爺)× 0.5】× 8 + 30 = 78

↓1

それ

1多いんだよー

これ知識8の和じゃないんだな
歴史関係だから?

>>290
和は写真を見て判定済みだった(前スレ>>386)ので除外したんですが、
読み返したらそもそも山下も判定済みでした。
こちらの不備ですので今回は自動成功にします。

自分でも何があったか把握できてないのダメだな(自省)

鉄剣の文字は携帯の写真じゃ読めないだろうし、再判定可だったということにしておきましょう。

自動成功!


山下「うーむ......」

自身と同じくらい背の高い神体を右から左から、あるいは下から、山下が目を皿にして覗き込む。
俺たちは手伝おうにも手伝うこともなく、手持ち無沙汰でそれを傍から眺めるしかなかった。

久「あ、ちょっと湿気っちゃってる......まあいっか」ボリボリ

優希「いいなー。私もおせんべい食べたいじぇ」

久「残念だけど一袋しか持ってきてないわよ」ボリボリ

和「ところで、お二人はあの像について何かご存じないんですか?」

和「この儀式に関わっているなら......」

椿屋「さあ、気にしたこともなかった。知らなくても儀式を進める上では別に問題はない」

榎田爺「私も術に係る部分以外は......そういった事柄は楸野家の仕事でもあったからな」

京太郎「適当だなぁ」

やがて姿勢を屈めたり伸ばしたりするのを止めて、山下がこちらに歩いてきた。
検証が終わったらしい。

京太郎「どうだった?」

山下「結論から言えば、目新しいものは特に無い」

山下「作者も作られた年代も不明......ただ、服装は相当古いものだ。詳しくはないが奈良時代よりは前だろう」

山下「その他の意匠については何か特徴があるような感じじゃなかったぜ」

山下「見ての通り、男であることは確かだけどな.....」


 【4日目 16:20】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2

炭鉱迷宮第5階層に出る

あと調べてないのある?
ポケベルとか一応調べてみる

2. ポケベルを調べる


和「......ポケベルですね」

久「ポケベルね」

山下「ポケベルだな」

榎田爺「懐かしいな。私がまだ若い頃には......」シミジミ

どこにでもある(いや、『あった』?)黒い筐体にはいくつかのスイッチが並んでいる。
しかしそのどれを押しても、2列しかないディスプレイはうんともすんとも答えなかった。


 【4日目 16:20】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2

何も思いつかん

2 神具について調べてみる

神具って何だっけ?

少し席外してました

>>297
祭壇の構成物は以下の通りです
・木像(天羽々斬所持)
・金属皿×4

具体的に指定をお願いします
↓1(連取可)

あるいは別の行動でも可です
安価下

20分経ったし別の事やっても大丈夫?

天羽々斬の判読した文字の考察してみて欲しい。守給ってググると「幸魂奇魂守給幸給」っていうワードがあってなんか重要そうな気がする

「幸魂奇魂」の「幸」(さき)は、「咲き」や「裂き」であり、増殖や分裂である。 「幸魂奇魂」の「奇」(くし)は、「串」や「櫛」であり、「整え」や「統一」を意味する。 「幸魂奇魂」は「分化繁殖」したモノを「整え統一」させ、大国主大神の道に神習い、明るく和やかな日々が送れるということを意味する

調べたらめっちゃ現状と同じ符号あるじゃん

3. 銘文の考察(10分)


山下「......取り敢えず、ここにあるものは大方調べ終わったみたいだな」

京太郎「ああ。それじゃあ、例の銘文についてでも考えてみるか」

和「表面はこんな内容だったな」


『ここ――速須佐――――――――の佩かせ――――字剣――――伏給――――――――』


山下「おっと、説明するのを忘れてた」

山下「当たり前だけど実際の文字は全部漢字だ。それっぽい具合に書き下してみたが......」

山下「実際にはこういう内容だった」

『―――――――爾速須佐――――御佩―十拳―――切散――――――――――――』

優希「うむ、さっぱりわかんないじぇ」キリッ

京太郎「威張ることじゃねーだろ」ペシッ

山下「でもこれ......どこかで見たことあるような、ないような.........」


(【知識(和)】+【知識(山下)】)× 4 = 48

↓1

なんか和がめっちゃ男らしい口調になっちゃってるので訂正

和「表面はこんな内容だったな」

和「確か、表面はこういう内容でしたね」

コンマなら下

92/48→失敗


山下「うーん......この辺りまで出かかってるんだけどなぁ」チョンチョン

そう言って自分の喉仏を指差す山下の顔は、まるで肉が噛み切れないかのようなもどかしさを如実に表していた。
ま、思い出せないものはしょうがないか。

久「それで、裏面がこうなってたわね」


『――――霎――――――――守給―――――――――――――――也』


山下「こっちは原文のままだ」

山下「読める部分が少なすぎて、書き下そうにも全くできなかった」

榎田爺「漢字がいくつかあるだけでも大まかな意味合いは拾えるだろう」

優希「!」キュピーン

優希「ひらめいた!」

優希「ずばり!このよくわかんない文字は――――」


1. ヤマタノオロチの伝説の舞台が小佐目である

2. スサノオノミコトは元々小佐目の守護神だった

3. オオクニヌシノミコトの存在を示唆している


↓2

再判定は出来ないか

3

優希「――――きっと、他にも別の神様がいるって意味だ」

京太郎「......は?」

この瞬間、俺の耳に優希の言葉は異国語のように聞こえ、さっぱり理解することができなかった――――それほどまでに突飛すぎる内容だ。
一体ここまでの話のどこから別の神様が出てきたんだ......
しかし優希はこれまでにもその直感によって幾度となく俺たちを救ってきている。この閃きを無碍にすることはできない。

和「ええっと......どういうことですか?」

優希「どういうことって?」

和「『別の神様がいる』という結論の根拠です」

優希「ああ、なるへそ」

優希「それはだな......」

京太郎「それは.........?」ズイッ

優希「何となくだじぇ」

――――俺は漫画みたいにコケた。

今日はここまでになります。

正直なところ、最後の選択肢は客観的な論拠がないため否定も肯定もできず
どの選択肢を選んでも同じような流れになりました。やっつけになってしまい申し訳ないです。

明日も19時から開始予定になります。
みなさま、今回もお疲れ様でした。

乙です
知識判定成功しないと駄目ってこと?

【知識】判定に成功しても大して変わりません。
ぶっちゃけると、そもそも......脚そ考ってやつです、はい。

真顔でなんてこと言うの京ちゃん

15分後に開始します

始めます

〜〜〜〜〜

 【4日目 16:30】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2

炭鉱迷宮第5階層に出る

他にこの村でオフラシ様関連の施設やらないか質問

4. 質問する


椿屋「オフラシサマに......ここ以外なら、せいぜい神楽神社くらいか」

榎田爺「しかしあれもあくまで表向きの存在。重要なものは置いてないだろう」


 【4日目 16:30】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2

炭鉱迷宮第5階層に出る

1 旅館に戻って皆と合流

1. 旅館へ


京太郎「よっこい......しょ、と」

ギィィィ......

京太郎「ん?」

北村「やぁ、おかえりなさい」

重厚な鉄板を押し上げようと梯子に脚を掛けると、不意にハッチが独りでに動いた。
上を見ると、メガネを掛けた長細い顔がこちらを見下ろしている。

京太郎「こんな所で何やってんだ?」

北村「染谷さんが『心配だから誰か見張っとけ!』って言うんでね。念の為さ」


ガチャッ

優希「ただいまー」

まこ「おう、やっと戻ってきたか」

向坂「おつかれちゃん、なんか見つかった?」

山下「いや、収穫ゼロってわけじゃないが......乏しいな」


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2

いけにえはどういう基準で
選ばれるのか椿屋に聞く

須賀京太郎とスサノオの関係考察

2. 京太郎の考察


榎田「へえ、あの剣にそんな内容がねぇ」

山下が銘文を記したメモ帳を懐にしまう。
結局のところこれが何について書かれていたのか、あるいは何を意味しているのかというのはイマイチ解っていない。
優希の説があることにはあるが......ま、それはそれとして。
確実なのは、やはりこれもスサノオについて刻んだものであるということだった。

京太郎「......一つ気になってた事があるんだけど、いいかな」

京太郎「俺についてのことなんだけど......」

和「須賀君についてのこと?」


1. 名前について

2. オカルトについて

3. 麻雀について

↓2

1

1

1. 名前について
(3/3)


【7年前】 須賀家 居間


父「まず『須賀』っていうのはだな、『清々しい』という意味から取られてるんだとさ」

京太郎「えー、そのまんまじゃねーか」

父「そう言うなよ。山田だって山の田んぼだから山田だろ?」

父「他にも砂地という意味の『スカ』が変わったとか、色々説はあるらしいが......」

父「後はアレだな。『須賀神社』っていう神社が沢山ある」

京太郎「すがじんじゃ?」

父「ああ。『須佐之男命』......漢字は確かこうだったかな」サラサラ

父「京太郎には難しいかもしれんが、これで『スサノオノミコト』って読むんだ」

父「これがすっごく偉い神様でな。それを祀ってるって話だ」

京太郎「すげー!かっこいいじゃん!」

父「そうだろ?」ハッハッハ


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室


女神様に会う前に観た記憶を頼りに、今より少しばかり若々しい父さんの語りを思い出す。
『スサノオノミコト』......確かに父さんはそう言ってた。

京太郎「俺の名前――――というよりは須賀っていう名字か」

京太郎「これはどうやらスサノオに関係しているらしい」

京太郎「オフラシサマとも何か繋がりがあるんじゃないか」

まこ「言いたいことは理解できる。じゃが、ありふれた名字とまでは言わんとしても須賀なんて沢山おるじゃろう?」

久「そうねぇ......具体的に、どういう繋がりがあるのか分かればいいけど」

京太郎「えーっと、それは......」


考えるの辛くなってきたので自由安価で......

↓2

一番辛いパターンじゃん

>>1としましては考察の内容がもっと具体的な指定だと大変書きやすいです。
たぶん現在の倍くらいの速さで書けます。

実際には関連している情報がいくつも存在するので、あまり範囲が広すぎると
色々なものに引っかかって、どれに話を伸ばせばいいのやら迷ってしまうのです......

安価なら下

具体的にと言われても、現状手詰まりで可能性しらみつぶししてる状態だしなぁ

繋がりなんて血縁ぐらいしか思いつかん。スサノオの末裔

京太郎「......スサノオの末裔、とか?」

今日はここまでになります。


石橋を叩いて渡るタイプの方もいらっしゃるかと思って言い出すべきかせぬべきか迷ってましたが、
このままだと延々に堂々巡りっぽいのでぶっちゃけます。

本編の進行上「これ以上の有益な情報・アイテム」はないです。
ゲームで言えば、世界の端まで到達しちゃってあとはラスボスに挑むだけです。
細かく言うと椿屋の家族(桜、椿屋妻)などまだ出てないキャラもいますが、会っても特に何もないです。
京太郎とスサノオの関係も設定自体はありますが、それを裏付ける証拠も用意されていません。

言うと興醒めだけど打ち明けずにダラダラ続いても興醒めなので、それならダラダラ続かないほうがマシですので申し上げました。
ここまで引き摺ってしまったこと、本当に申し訳ないです。


明日は所用により開始遅くなります。
おそらく20時くらいになるかと思いますが、改めてお知らせします。
みなさま、今回もお疲れ様でした。ごめんなさい。

乙です
うーん、それだと本当に行き当たりばったりになるのか
櫛は櫛で使う奴は死ぬみたいな言い伝えだし櫛使った後も儀式続いてるからもっと決定的な手がかりとか解決手段探す必要があるのかと思ったよ
意味深に繰り返される京太郎父の回想とかオフラシ様=スサノオにしてはよく分からん呪いやら京太郎に発現したオカルトとか研究日誌Aから何か発展するのかと

そーなのかー
なかなか難しいねんな


どうせなら楸野仲間にする交渉連打すべきだったかね。呪い解く方法見つけたら交渉確率上がると勘違いしてた

意味のない描写とまでは言いませんが、そういった攻略とは関係ない部分は少なからずあります。
紛らわしいことをしてしまい、本当に申し訳ない限りです。

30分後に始めます

ワンワン

>>322から再開かな......

ということで開始です。


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2

1 石戸を開けに炭坑跡へ戻ります

多分関係ないけどステータス戻るまで挑みたくないし、ラスボス戦に向けて全員で早めの食事

3. 食事


京太郎「!」

優希「む?喉にでも詰まったか」

まこ「ほれ、お茶いるか?」スッ

京太郎「あーいや、そういうわけじゃないんですけど......」

まるで蒸発するかのように、今まで俺を取り巻いていた何か――風邪をひいたときのようなもやもやとした気怠さ――が、にわかに全身から抜け落ちたのを感じた。
確かめるように手を握ったり開いたりするが、何が変わったのかはイマイチ解らない。
でも、やっと本調子だ。


 【4日目 17:10】 旅館・本館 1階 食堂


少し待っていてくれという主人と女将の指示の通りにしていると、間もなく十六膳の食事が長机に並んだ。
そう豪勢なものじゃない。むしろ簡単な料理ばかりだけど、それでも湯気の立つ味噌汁があるだけでも有り難い。
この食事で精を付けて、きっちり兜の緒を締めて最後の戦いに挑もう。

久「やっぱり日本人は白いご飯よねぇ」

北村「全くもって同意せざるを得ないね。女将さん、おかわりありますか?」

女将「はいはい。今持ってくるわね」ガタッ

堂島「呑気だなぁ、これから大一番だっていうのに」

榎田「最後の晩餐にならなきゃいいけどね」

「.........」シーン

優希「晩餐じゃなくて昼飯だじぇ」

山下「そういう問題じゃねーよ!」

――――どうにも締まらないが、とりあえず腹は膨れた。


 【4日目 17:30】 旅館・本館 1階 食堂

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2

訂正:京太郎のデバフは消滅しました

安価下

全員で祭壇へ。オフラシ様と対決

長くなるため、早いですが今日はここで一旦切ります。

この流れで土日中に完走したいと思っているので、明日は17時頃開始の予定で進行します。
幾らかゴタゴタもありますが、残り数回お付き合いの程よろしくお願いします。

みなさま、今回もお疲れ様でした。

乙です

wktk

30分後に始めます

わっふるわっふる

開始です

 【4日目 17:40】 地下通路


――――この空洞には常に水音が響いている。
この雨だからか、あるいは近くを地下水が流れているのか......何処からか漏れ出してきた小さな粒たちが、あちらこちらに水溜りを作っていた。

北村「雨が止んでから県道の開通までどのくらいかかるだろうね」

山下「おいおい、もう終わった後の心配か?」

北村「そりゃもちろん、今のうちから勝ったつもりになってるわけじゃないよ」

北村「それでも、僕らは何だかんだここまでやってきたじゃないか」

北村「今回だってきっと上手くいくさ」

堂島「私はこの後のことを考えると憂鬱だよ」

堂島「会社になんて説明すればいいのやら......はぁ」

 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇


榎田爺「うむ、この辺りでいいだろう」

四つの大皿を結んだ交点、祭壇の中央に椿屋が老体を下ろす。
榎田が出てきて父親の痩せこけた脚が冷たい岩の地面へ座るのを手伝った。

榎田「親父、大丈夫か?」

榎田爺「座布団くらいは持ってくればよかったか......いやはや」

榎田爺「ふむ......オフラシサマを降ろすにあたって、一応その仔細を伝えておかねばならんな」

榎田爺「まずは――――」

老人による具体的な手順の説明はしばらく続いたが、要約すれば以下のようになるだろう。
最初に彼が木像に向き合って長々とした文言を述べる。
条件に、つまり壬申の儀が執り行われる頃であるという時期さえ適していれば、『雨雲』が――地下深くの洞窟であるにも拘わらず――もくもくと現れ、像の周囲を取り囲む。
そしてまもなくそれらは次々に晴れていき、遂にオフラシサマは木像を依代として顕現するという。

優希「......ケンゲンってなんだじぇ?」

和「人や物がはっきりと姿を表すことです」

榎田「僕らは特に、幽霊や神様といった超常的なモノがに何らかの形をもってこの世へ現れることを指して使ってるよ」

榎田爺「私の父親の話では、60年前にはこの像の目が開いたとか、右手の剣を振り下ろしたとか......」

榎田爺「ともかく私も初めての事だ。何が起こるのかは保証しかねる」

榎田爺「さて、どうする?」


1. 始めよう

2. ちょっと待ってくれ

↓2

開始一レスで死亡フラグやめて

像が持ってる剣ぐらいは外したい

2. ちょっと待ってくれ


京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

京太郎「緊張したら心配になってきた......」

柊「なんだー?女々しい男は嫌われるぜ?」ニヤニヤ

京太郎「うっせえ!」

主人「まあまあ落ち着いて......大事な選択ですからね」

榎田爺「そうだな、やり残したことがあるのなら行けばよい」

榎田爺「準備が全て整ったらまた言いなさい」

久「それじゃ、私たちはこの辺りで暇でも潰してましょうか?」

優希「潰す道具はなーんもないけど」


 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 終わらせる

5. 自由安価


↓2

今さら物理的な対策がいるとは思えんな

4
一応京太郎以外は離れてた方がいいと思うけどね

どのくらい離れさせますか?

1. 洞窟内
状況に応じて援護可能ですが、危害が及ぶ可能性があります。

2. 洞窟外
地下通路、あるいは『天岩戸』外側。
援護はできませんが、洞窟内とは隔てられています。

↓2

1で

1

1. 洞窟内で離れさせる


京太郎「俺が目の前でオフラシサマを迎える。みんなは少し下がっていてくれ」

和「下がって、って......須賀君!それは危険すぎ――――」

京太郎「――――和、俺は大丈夫だ」

和「須賀君!」

優希「のどちゃん、忘れたのか?こいつは自分が死ぬ未来が見えるんだ」

優希「相手がそんなヤバいんなら実質予知し放題だじょ?」

優希「京太郎の一人や二人、そのへんほっぽいても大丈夫だろ」ヘラヘラ

和「でも......!」

和「......わかりました。無理はしないでくださいね」

京太郎「和も、もしもの時は援護頼んだぜ」

実際のところ、少なからぬ無理は通さなければならない状況なんだけど......とは言えなかった。
上手く言いくるめてくれた優希に感謝しないとな。

だが当の優希が話しかけてきたのは、そうして全員が持ち場に着こうというときだった。とてもか細い声だ。

優希「......京太郎」

京太郎「なんだ?」

優希「どうか、無事で」

京太郎「おいおい、無事じゃない時はお前に助けてもらえるんじゃなかったのか?」

優希「......そうだったじぇ」ニコッ

京太郎「待たせて悪かったな......始めようか」

榎田爺「相分かった。それでは――――」


皺だらけの口が呪文を紡ぎ出し始める。流れてくるその音に耳を傾けるが、とても意味のある言葉のようには思えない。
例えるとすればそう、まさに念仏というのが音としてもイメージとしても近いだろう。
榎田は「きっと古い言葉が混ざり合ってそのまま残ってるんだろうね。古代の日本語とか、あるいは漢語や梵語とか」と説明してくれた。

数分もしないうちに本物の雲が周囲を漂うようになり、やがて木で作られた男の周りに集まっていった。

久「いよいよね......」

まこ「ああ」ゴクリッ

結局のところはオフラシサマを鎮めるにはこの『櫛』を髪に挿すほか手段はない。他方、その櫛はたった一本しかないのだ。
『蘇生』が使える2人は後衛に回すとして、14人――――榎田の爺さんを除けば13人が囮になる。そして残った一人が神様の背後を取ってトドメを刺す。
俺たちの作戦は、そういう至ってシンプルな算段だ。
さて、問題の一人はというと......


・誰が櫛を挿す?
>>5-7より一人指名(榎田爺除く)


一応安価取ります
↓2

京太郎しかいないでしょ

・須賀京太郎


京太郎「......咲、行くぞ」ギュッ

右手に櫛を、可憐に咲く一輪の花が精巧に彫られたその櫛を握りしめる。


榎田爺「――――――――――――!」チラッ

依然舌を回したままの老人の顔が、僅かにこちらを向いた。そろそろ『降りてくる』という合図だ。
最初は白く、可笑しく言えばわたあめのような見た目をしていた薄い雲が、みるみるうちにその色を煤けさせていく。

そして今にも大雨を降らせそうな雨雲に姿を変えた頃、不意に背中を寒気が襲い――――



――――その瞬間、一辻の風が走った。

京太郎「!!」

間一髪、瞬時に姿勢を沈めた俺の後頭部を冷たいモノが掠めた。だが一瞬のうちに風を切っていった気配は、無機物のそれではない。まるで......
......そうだ、みんなはどうなってる?


京太郎「みんな!大丈夫.........」

その先には、立っているものは一人として存在しなかった。

あるものはうつ伏せになって倒れ込み、あるものは仰向けになって倒れ込む。

そのどちらも、緋色の血潮を湯水のように流す。

あるものは脚を失い、あるものは腕を失う。

そのどちらも、言葉にならない呻きと共に地を這う。

あるものは助けを求め、あるものは何も発さない。

そのどちらも、じきにその灯火の消えることだろう。

あるものは胸を失い、あるものは頭を失う。

そのどちらも、とうにその灯火の消えていることだろう。

あるものは泣き叫び、あるものは............

俺には何もできなかった。脚はあるが歩くことはできず、口はあるが声を出すことはできず、胃はあるが吐くこともできなかった。
だが何故だろう。後ろへ首を戻し、目を背けることだけはできた。

老人はそれを見て唖然とし、あるいは震えている。どうでもいい。
俺の脚は俺の身体を支えるのを止め、地面に座り込んだ。どうでもいい。
俺の眼はただ一点を見つめ、雲の晴れたあとを観察している。どうでもいい。

俺の身体は微動だにせず、剣が再び振り下ろされるのを――――


BADEND:「怒り」

榎田爺「相分かった。それでは......」

京太郎「――――――――待てッ!」

気がついた時には、俺はここに立っていた。


 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 終わらせる

5. 自由安価


↓2

まさかコンマ判定もなくバッドエンド直行とは…蘇生のオカルトも使えず、状況に応じて援護可能とはいったいなんだったのか…

仕様です。
安価なら下

4
京太郎一人残って榎田爺以外天岩戸の外に待機

4. 終わらせる


榎田爺「む、どうした?」

久「須賀君......?」

突如叫びをあげた俺に対して奇怪の目が向けられる。
「始めよう」と言ったかと思えば今度は「待て」と大声で止める......彼らには、そう見えていることだろう。

京太郎「違う、ここにいちゃダメなんだ!」

京太郎「クソッ!なんなんだよ、あれ......!」

山下「待ってほしいのはこっちのほうだぜ、須賀。ちょっと落ち着けよ」

山下「一体何があったんだ?」

目の前の彼らは確かに生きている。怪我もないし、しっかり足を地につけて立っている。なにより五体満足だ。
――――あれはただの夢。その事実を自分に言い聞かせることで徐々にではあるが、少しずつ冷静さを取り戻しつつあった。

京太郎「はぁ、はぁ...はぁ......はぁ.........」

京太郎「......あぁ、取り乱して悪かった。実は.........」


数分後には、面々が並べる顔からは血の気が瞬く間に引いていった。

向坂「どーいうことかは理解した。したけどよ......」

女将「なら、どうしろっていうのかしら」

京太郎「......何もしなくていい」

京太郎「俺が決着をつける」

優希「京太郎!」ガタッ

優希「さっきはああ言ったけどな!私たちを締め出さそうってなら話は別だじぇ!」

優希「そもそも―― 「優希」 ――」

京太郎「......もし優希がいたとして、それならどうなるってんだ」

俺は死なない――――その未来は全て可能性の塵となる。
先程の『未来』を思い起こすが、勝つためにはあと何人の『俺』が必要なのか皆目見当がつかない。一人、十人、五十人............それ以上だろうか。
しかしそれらの記憶を経て、勝利する『俺』は必ず現れる。

これは俺だけに限った話だ。俺以外の......記憶を持ち越せない人間が、あの攻撃を最後まで凌ぎ続けることは不可能だろう。
神様が鎮められた瞬間、そこには彼らの死体が存在してはならない。

<最終決戦について>

最終決戦は5回のコンマ判定で、回を経る毎に判定値は厳しくなっていきます。
その成功回数によってエンディングが変化します。

・0回
最悪の結末
・1回
ビターエンド
・2回以上
ハッピーエンド

ただし、条件を満たしているため最初の一回は自動成功となります。


夕飯行ってきます。21時からコンマ開始します。

再開します

 【4日目 18:00】 小佐目山 祭壇 天岩戸


椿屋「......閉めるぞ」

山下「せーの......ッ!」ゴゴゴッ

大岩によって坑道への道が閉ざされるその瞬間まで優希は俯いたままだった。やれやれ、帰ったらフォローしてやらないとな。
こうしてこちら側に残されたのは、いよいよ俺と爺さんの二人だけになった。
......彼だけはどうしても残らざるを得なかった。オフラシサマを降臨させるにはこの男が必要だ。


京太郎「貧乏クジ引かせちまって、その......本当に済まないと思ってる」

榎田爺「私は本望だから気にするな。どうせ、老い先短い人生よ」

京太郎「......その余生、無駄にすんなよ」


 【4日目 18:00】 小佐目山 祭壇


正直な話、この身体は足先から頭頂部に至るまですべて震えていた。俺は、これが武者震いなのだと思うことにした。
皺だらけの口が呪文を紡ぎ出し始める。流れてくるその音に耳を傾けるが、とても意味のある言葉のようには思えない。
きっと古い言葉が混ざり合ってそのまま残ってるんだろう。古代の日本語とか、あるいは漢語や梵語とか.........

京太郎(ま、あっちの榎田の受け売りだけどな)

やはり本物の雲が周囲を漂うようになり、次第に木偶が黒い霧の壁に閉じ込められる。
懐から櫛を......『咲』を取り出して右手に握った。その時まで、絶対に離しはしない。

京太郎「爺さん、あんたは一人じゃ逃げられないだろうから二つだけ言っておく」

京太郎「できる限り姿勢は低くしてろ。それから――――」


京太郎「祈っててくれ」


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 9 = 99
条件:第一撃を一度経験する→自動成功!

京太郎「へっ、初見殺しはもう通用しないぜ」


厚い暗雲の幕を破り、男が姿を現す。
しかしその身体は檜、杉や松、地球上に存在するどんな木材とも似つかない、紛れもない人間の皮膚で覆われているように見えた。
伸ばし放題の髭や毛髪、身体を包む端々が縒れた白布が体現する彼の粗野さを一言で言い表すなら......

京太郎「......『荒ぶる神』」

右手に握られていたのは、数時間前まで山下が穴が開くほど眺めていた鈍らではない。
頑強に打ち鍛えられた刀身がギラリと松明の光を反射して――――


オフラシサマ「――――――――――――!!!!!」


――――大きな空洞に、咆哮が轟いた。



(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 7 = 77

↓3

77より上なのか下なのか?

ほい

本スレの判定は全て下方ロールです

26/77→成功!


京太郎(読める......)

目前の豪腕が一挙に振り下ろされ、握られた武具が俺の退いた後の何もない空間を通過する。だがそのさらに先にも同じように虚空が続いているわけではない。
そのままの勢いで強く叩きつけられた地面は容易く砕け散り、小石がおよそ俺の背の高さほどにも舞い上がる。
そのうち弾丸のように撃ち出されたいくつかが、俺の顔の真横を飛んでいった。

京太郎「うおっ......!」

京太郎(あんなんで叩き斬られれたらまず怪我じゃ済まないな)

京太郎(でも、兎に角爺さんから一旦距離を取らないと......)タッタッタ

動作後の隙を突いて間合いを取ろうとする。
しかしその俺を逃すまいと、その直後に巨体が地面を蹴った。


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 5 = 55

↓3

どりゃ

加速

ひょっとしてエンド確定しちゃったから興が削げちゃった感じでしょうか?
成功数でハッピーエンドでも内容違うのでぜひご参加を......!

コンマなら下

どうだ

58/55→失敗


オフラシサマ「――――――――!!!」

京太郎「速い......ッ!」

彼は走り出したというより跳んでいた。
丸太ほどにも太い脚がこの地球を押し潰さんとするかの如く加速度を与え、その動きは俺の予想より遥かに俊敏だ。
毛むくじゃらの右手が空気を薙ぎ払うかのように水平に剣を振る。そして......

俺の胴体は木の枝のように、いとも簡単に真っ二つにされた。



京太郎「......!」

意識が一瞬だけ......ほんの一瞬だけホワイトアウトすると、丁度小石の銃弾が俺のすぐ脇を通り過ぎていった後だった。
上半身と下半身は迷子になっていないし、腸もあるべき場所へ収まっている。

京太郎「おいおい、あんなのどうやって避ければ......!」

京太郎「......試してみるか」

先程と同じようにオフラシサマから離れようと走るが、今度は全く別の意図を持っていた。
彼が横に跳ね、地面の砕ける音が聞こえると同時に――――

京太郎(――――俺も飛ぶ)

恐怖はない。まるでここが高校の体育館で、目の前にマットが敷いてあるかのように地面へと飛び込む。
俺の腰が数瞬前まであった空間を切り刻んだオフラシサマは、俺の前方に着地して動きを止めた。後頭部がガラ空きだ。

京太郎(もらったッ!)

実に一年ぶりか、俺は自分の身体をまるであの頃のように自在に操ることができている。
素早く体勢を立て直し、オフラシサマの背中へ飛び込もうとした。


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 3 = 33

↓2

そろそろハッピーエンド投下されたかと思って見たらまだコンマ判定が続いていたでござる

このままだと最後のコンマが出るの朝くらいになりそうだけど気にせず強行だ!

エンドが決まる最終決戦がコンマ神による運ゲーで、一番良いエンド見れる可能性が一番高い選択がオカルト7のキャラに櫛装備させる事だったっていうのが悲しい

>>394
いや、女キャラで櫛に出来るキャラ全員櫛にして榎田ジュニアに全部持たせて戦ってもらえば運要素なくせたんじゃないか?クシナダヒメ召喚判定に運が絡むけど

出来る出来ないは置いといて発想が主人公じゃなくてオフラシ様側だなもはや

62/33→失敗


その時、オフラシサマの肩が微かに動いた。

京太郎(マズい、斬られる!)サッ

京太郎「.........えっ?」

俺はてっきり彼はこちらの動きを分かっていて、後方を薙ぎ払ってくるだろうと考えていた。だからこそ足を止め、一旦下がったのだ。
にも拘わらずこの体躯は俺の方へ注目するどころか――――次の瞬間には、視界から消えた。

京太郎(消えた?.........いや、違う!)

京太郎(なあ、嘘だろ――――)


この時俺はたぶん天井を見上げたのだろうと思う。『と思う』というのは、果たして自分が本当にそうしたのか不確かだからだ。
なにせそれと同時に俺の頭蓋骨は粉々にされちまったからな。

だが今度はその眼に確かに焼き付けた。
上空から迫り、俺にその剣を突き立てるオフラシサマの姿を。

京太郎(って、避けられな――――)


右に避ければ薙ぎ払われる。
後ろに避ければやはり薙ぎ払われる。
前へ逃げれば剣先は届かないが、その巨躯によって押し潰される。
では動かなければ?脳天から串刺しだ。
もっと速く。追いつかない。
姿勢を低く。何の効果もない。
鉄パイプで応戦。この威力の前では一枚の紙にも等しい。
なら今度は.........
.........
.........
......
......
...
...
..
..


京太郎「.........来たッ!」

オフラシサマ「――――――――――――!!」


こんなことに慣れる人なんて誰もいないだろうと自分を嘲笑う。一回、十回、百回.........幾度となく試行し、幾度となく殺されてきた。
そして今、この瞬間が来たんだ。
彼の僅か右斜め後ろ、丁度剣先の触れないリーチの外――――そこに活路はあった。

その強烈な勢いのまま剣は硬い地面に深く突き刺さる。振り返れば、オフラシサマの後姿はたった二メートルの先に見えていた。

京太郎(剣を引き抜くまでの刹那、これに賭ける――――!)


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 1 = 11

↓2

踏み台

このスレでコンマ判定したらこうなるのは目にみえてましたね

52/11→失敗


............
............
.........
.........
......
......
......
......
...
...
..
..
..
.
.
.


俺は未だ、最早何回目とも知れない試行をただひたすらに繰り返していた。
右脚が、次いで左脚が千切れんばかりに地面を蹴り、俺を乱雑に束ねられたオフラシサマの後ろ髪へ運ぼうとした。
だが彼の動きはあまりにも鋭利だ。須臾の間にも剣を引き抜き、背後を見ようともせずにそのまま振りかざす。
その経路は丁度俺の首の向かう辺りを辿ろうとしている。どうやろうとしても、これを避けることはできずにいた。


京太郎(..........また、ダメなのか)


そしてその僅か後には――――

――――あるはずの切っ先が、それを刈り取った。

オフラシサマ「――――――――!?」

京太郎「.........天羽々斬!」

オフラシサマ、そして命拾いした俺自身でさえその出来事に驚愕している。
本来なら今頃は何もかも叩き斬られ、俺は再び数瞬前の過去へ引き戻されるところだった.........もう、何度味わったかも分からない感覚だ。
だが現実は違う。俺の首を掻き切らんとしたのはその剣に、天羽々斬に存在しない先端だったのだ。


京太郎「届けぇぇぇッ!!!」


右手は、そこに握られている櫛はただ一点を目指した。

 【同時刻】 小佐目山 炭鉱迷宮 第5階層


優希「......音がしなくなった?」

つい数秒前まで、この大岩の向こうからは聞いたこともないような音が漏れ出ていた。
きっと見たこともないようなことが行われていたのだろう。
それがどういうことだろうか、今や私の鼓膜を揺らすのは私自身の心音とここに集まる十数人の呼吸音だけ......それも殆どが闇に吸い込まれる。
狭い坑道は、静寂に包まれていた。

和「まさか、ついに決着がついたんじゃ......」

山下「その可能性は高いな」

米本「なら早く行かないと!」

堂島「安直すぎる!須賀君が勝ったのならいいさ」

堂島「でも仮に負けたんだったら――――」

優希「――――バカ、それなら尚更行かないとダメだじぇ!」

京太郎が敗北したのだとしたら、一体祭壇は今どうなっているだろうか?爺さんは生きているのか、それとも死んでいるのか。
どちらにせよ身体の自由が効かない以上出来ることは少ない。私たちが何もしなければオフラシサマはついに野放しになってしまうだろう。
そうなれば私たちの命はおろか、村の存続さえも絶望的である。
しかしこれも自分を納得させるための建前でしかない。
実際のところ、私の本音は一刻も早く京太郎の安否を確かめたい――そして、仮に傷ついているのなら助けなければ――その一心だった。

数人の力によって『天岩戸』が再び動かされる。
開ききらないうちに、私の小さな身体はその隙間から駆け出していた。

優希「......!」ダッ

久「あっ、ちょっと!」

まこ「優希!待ちんさい!」

優希(ごめん、先輩!)

洞窟へ続く狭い通路を一目散に走る。
祭壇で一体何が起こっているのか。それがもし見たくない現実だとしたら......そう思うと、走りきってしまうのは少し怖かった。
それでも僅か十メートルにも満たない短い道のりだ。

やがて私の前に、一つの風景が広がる。

おはようございます。
これにて全安価終了になります。

今日の夜からエピローグを投下しますので、それまでに
疑問意見被告人質問等ありましたらお書きください。

こういう謎解き系の安価は初めてだったからそういうものなのかも知れないけど、質問の判定に成功したのに人質の居場所知らないって嘘ついてたり明らかにシステム的な選択肢の時に判定の余地もなく全滅badエンドとかはちょっと理不尽かなと思ったな

こっちのルートって最終的には絶対この5回のオカルトステによるコンマ判定になるの?それだとあまりにも京太郎の初期ステが重要過ぎない?

そもそもエンドが単純なコンマ値で変わるのがどうかと思う。特にハッピーエンドでも分岐するのとか完全なハッピーエンド迎えられる確率が低すぎるのとか。京太郎死なないから死に戻りも出来ないし。

二回も死んでなおギリギリハッピーエンドという残念な結果だけどどこでルート間違ったんです?

いろいろ残るものはありますが、とりあえずエピローグ投下です。

 【12月中旬】 清澄病院 203号室


コンコン

「どうぞ」

がちゃりと音を立てて二人の女性が入ってくる。
一人は熊倉トシ、宮守女子麻雀部の監督。そしてもう一人は永水女子三年生の薄墨初美。
薄墨さんが来ると聞いた時は少々戦慄したが、現在の彼女は大分常識に則った衣服を纏っていた。
普通のトップスに普通のボトムス、普通のコート......うん、はだけた白い小袖も奇怪な仮面もここには見受けられない。

初美「お邪魔しますよー」

「お久しぶりです。熊倉さん、薄墨さん」

初美「そうですねー......前回は皆さんが帰ってきた直後だったから、三ヶ月ぶりですか」

トシ「遅れてすまないね。なにせ街の方でこの子の服を見繕ってたから」

「服、ですか?」

初美「そうなんです!冬だからっていくらなんでも寒すぎですよー!」

トシ「ここは日本有数の豪雪地帯だよ?あんな服装じゃそりゃ寒いだろうね」ケラケラ

初美「雪なんて霧島じゃ年に一回降るかどうかくらいなのに......」

(どんな格好で来るつもりだったんだろう)

それからは三人、他愛もない話で盛り上がっていた。秋の新人戦のことにコクマのこと、薄墨さんがすぐ近くで溝に嵌まり頭まで雪に埋もれてしまったこと。
宮守ではみんな受験ムードであるということ.........三年生は大変だな。そう思いながら薄墨さんを見ると、対岸の火事というふうに耳を傾けていた。
しばらくして、熊倉さんが壁に掛けられた時計をちらりと見た。

トシ「さて。そろそろいい時間だし、本題に入ろうかね」

トシ「小佐目のことと、それから――――」

トシ「――――そこで眠りこけてる須賀君のことも」


京太郎「............」


咲「そう......ですね」

トシ「まぁそっちは後回しにするとして、まずは薄墨の方からにしようか」

初美「はいはい、私の出番ですよー」

初美「あの後、警察の捜査とは別で全国各社合同の調査隊が派遣されました」

初美「うちからも神主さんと巫女さんを何人か......私と霞ちゃんも行ってきました」

初美「ほんちょーの人たち、人使いが荒いのですよー」

トシ「へぇ......でも提案したのは霧島からなんだろう?」

初美「おエライ方には色々あるらしいですけど、私にはさっぱりです」ヤレヤレ

初美「それで...........」


〜〜〜〜〜

 【10月下旬】 小佐目山 祭壇


初美「おー!これはなかなか壮観壮観」タッタッタ

霞「初美ちゃん、はしゃぐと恥ずかしいわよ?」クスクス

霞「それにしても、こういうのは小蒔ちゃんの方が得意だとは思うんだけど......」

初美「姫様をこんなヤバそうな所には連れてこられないし、仕方ないですよー」


霞「さて、どうかしら......」スッ

初美「大物は居そうですかー?」

霞「...............もう微かだけど、お一人だけ」

初美「やっぱり完全には祓いきれてないみたいですねー」


神職A「あの子たち、霧島の六女仙だっけか?」ヒソヒソ

神職B「らしい。霧島は何というか、色々と凄いな......」ヒソヒソ

巫女C「あそこまでの感受性とは......流石ですね」ヒソヒソ

神職B「それもそうなんだけどさ。何というか、ビジュアルがね」ヒソヒソ

巫女C「......確かにちょっと両極端すぎ――――」

霞「――――あら、何かご用かしら?」ニコッ

ABC「いえ、何も」

〜〜〜〜〜

初美「あの人たち、ちょっと失礼すぎますよね?!私だってまだまだこれからなんですよー......」グスン

咲「あの、薄墨さん......話がちょっと逸れすぎな気がするというか、なんというか」

初美「!......///」コホン

初美「そ、それで肝心の『オフラシサマ』についてですが」

初美「八坂の人曰く、スサノオノミコトに限りなく近いナニからしいです」

トシ「限りなく近いナニか?」

初美「『元から小佐目村の土地に土着の神様がいたところにスサノオ信仰が入ってきた。そして時代が下るごとにそれらは同格化されていき......』」

初美「『より荒々しさの強調された形で崇拝されていたのだろう』、と」

地下研究室から見つかった日誌......数ヶ月前に読んだその文章の内容を必死に思い出す。
確か、当時の楸野が化政年間に須我神社を訪れたときのことが記されていたはずだ。


 文政◯年◯月○日

  何月か手記が空いてしまったが、この間に榎田と連れ立って出雲は諏訪大明神へ参ってきた。
 壬申の儀以来、予てより行って確かめたいと思っていたので、これがようやく成就したのである。
 風土記にも書かれたる社殿の石段を昇り、巴の紋へ深く礼をして宿へ帰った後に榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。
 果たしてこの男の言うことが確かであるかということは置いておくとして、しからばこれは由々しき話ではないだろうか――――


初美「そのへんの史料も押収済みですよー」

初美「誘拐殺人の証拠なんかもあったから、警察とは一悶着あったらしいですけど」ボソッ

咲「あはは......」

トシ「日本の神道はどうなってるんだい、まったく......」

だがここで一つの疑問――――というより不安が残る。
霎伝によれば櫛を使って榎田が鎮めた後もオフラシサマは登場していたようだし、実際薄墨さんの話の中でも「祓いきれてない」という文言があった。
京ちゃんがやろうとしていたことは、まだ終わっていないのだ。

咲「あの......この後、小佐目村はどうなるんでしょうか?」

初美「......これから何とかしていくしかないですねー」

初美「取り敢えずのところは神楽神社を整備して、そこを拠点に色々と研究していくらしいです」

初美「次の壬申までに.........『六十ヶ年計画』って、ほんちょーの人は言ってました」

トシ「六十ヶ年か。スターリンもびっくりだね」

初美「まあ、私たちがおばあちゃんになるまでには解決策は見つかると思いますよー」

トシ「それは私に対する当て擦りかい?」

初美「そ、そういうつもりじゃないですよー!」アタフタ

トシ「はは、冗談だ」


〜〜〜〜〜


トシ「さて、次は私の番だね」

熊倉さんが持参のマイ湯呑み――何故かエイスリンさんのイラストがでかでかと書かれている――に入った煎茶を飲み干す。
そして京ちゃんの寝るベッドの方を一瞥した後、こう続けた。

トシ「彼の『オカルト』を聞いて即座に連想される人物が一人」

トシ「......私はまず、千里山に行ってきた」

 【10月上旬】 千里山女子高校


雅枝「お久しぶりです、熊倉監督」

トシ「いやいや、私はもう監督じゃない。あの子たちももう引退だし」

雅枝「寂しいですか?」

トシ「......そりゃあね」

雅枝「ま、ほんならそういう話も後で落ち着いたらしましょか」

雅枝「怜!熊倉先生が来たで」

怜「はーい......」ムクリ

怜「もう、ウチは受験生ですよ?勉強せなあかんのに」トコトコ

浩子(いや、ずっと清水谷先輩の膝で寝とったやん)


〜〜〜隣室〜〜〜


怜「つまり、『死ぬ未来を予知する』能力っちゅうわけですか」チュー

トシ「そう本人は言っていたそうだよ」

怜「ほーん。お、これ美味いわ」チュー

トシ「それはよかった――――それで参考までに園城寺さんの話を訊きたくてね」

怜「なるほど......」プハッ

怜「説明が難しいけど......私のは『見る』って感じで、その男子のとは同じじゃないで」

トシ「というと?」

怜「未来が――私は一巡先やけど――見えるのは確かなんやけどな」

怜「なんというか、他人事っぽいいうんですか.........未来がパッと浮かぶ。そんな感じなんですわ」

怜「その......えーっと、なんちゃら君は―― 「須賀君」 ――そうそう、須賀や」

怜「須賀君は光景だけじゃなくて、暑いとか寒いとかそういうのも全部感じとったんやろ?」

怜「私とはやっぱりちょっと違うなぁ」チュー

〜〜〜〜〜


トシ「その後も色々と訊いて回ったよ」

トシ「宮守の子たちは当然だけど、他にも――――」

熊倉さんの口からは次々と人名、あるいは組織の名前が吐かれていった。
そのうちの私にも聞き覚えがあったいくつかは全て全国各地に散らばっている。この人、三ヶ月でどれだけ動いていたのだろうか。

初美「そういえば、霧島にも来てたって聞いたのですよー」

トシ「ああ、その時は薄墨は居なかったね。神代さんには色々と世話になったよ」

トシ「ともかくだ。そういうことを延々と続けて、私はある一つの仮説に思い至った」

咲「仮説......ですか」

トシ「ああ。須賀君のオカルトは『死ぬ未来を見る』というものではなくて......」

トシ「『死んだ瞬間、時間を巻き戻す』ものじゃないか、ってね」

「時間を巻き戻す」......受動的に見るか、あるいは能動的に動かすか。
しかし本質的な部分は置いておくにしても、この間にある実際的な差異はあるのだろうか。

初美「確かに凄いですけど、それって何か違うんですかー?」

初美「結果としては予知してるのと変わらないように思えるんですけど」

トシ「ああ、勿論だよ」

トシ「未来が見えるだけだったとしても、その感覚まであったのなら当然表面上は同じだろうさ」

トシ「だが巻き戻されるまでの出来事は実際に起こったことだ。もっとも、須賀君以外には分からないけども」

トシ「もし須賀君が全てを『体験』していたとしたら――――」

咲「.........」

初美「.........」

トシ「――――魂の摩耗、とでも言えばいいのかね」

トシ「彼には休養が必要なんだろう」

トシ「それが何時までかは分からない。明日かもしれないし、十年後かもしれないけど......」

トシ「......私たちには、それを待つしかないよ」

しばらくして二人は再び病室の扉を開いた。松本の方で宿を取っており、明日は城を観光してからそれぞれの土地へ発つという。
去り際に渡してくれたメモには、「もし何かあればここに」という言葉が添えられた連絡先が走り書かれていた。

病院の面会時間も終了が迫り、帰り支度を始めようと腰を上げたときのことだ。
ふと私は京ちゃんに歩み寄って、その横顔を右手で撫で下ろした。

咲「ねえ、もうすぐ年末だよ?」

咲「先生が『そろそろ出席数がヤバい。三学期もいなければ須賀は留年だ』って言ってたし」

咲「このままじゃ京ちゃんが後輩になっちゃうよ!」

咲「新人戦も出れなかったし、ハロウィンもクリスマスもできなかったし......」

咲「いつもうちの雪を下ろしてくれるからお父さんも喜んでるのに、今年はしてくれないの?」

咲「......ねえ、起きてよ」


京太郎「............」


咲「......ふーんだ!京ちゃんがねぼすけなのは知ってますよーだ!」

咲「しょうがないから私が待ってあげるよ」

咲「だから今度からわざわざレディースランチのために呼ばないこと!部活ですぐ飛ばないようにもっと練習すること!」

咲「それから、それから.........それからね............」

咲「.........またね、京ちゃん」

 【元日】 清澄近くの神社


ガヤガヤ

久「うわっ、夜遅いのにすごい数ね」

まこ「正月じゃしこんなもんじゃろう?」ガジガジ

優希「ぶちょー。私も一本ほしいじぇ」

まこ「『ください』、な」

和「この近辺でも一番大きな神社ですしね。人は多いですけど、その分楽しめそうです」

優希「でも、また京太郎は来れなかったな......」モグモグ

「「「.........」」」

咲「......来年は」

咲「来年は、きっと来れるよ」

 【2月上旬】 roof-top


カランカラン

和「ふ、ふくはーうち//」パラッ

優希「おにはーそとだじぇ!」パラッ

おっさん「いてっ!」

まこ「馬鹿もん、お客さんになに投げつけとんのじゃ」ゴツン

久「しかもそれじゃあお客さんが鬼になっちゃうじゃない......はぁ、いらっしゃいませー」

優希「竹井先輩、なんか元気ないじぇ?」

久「教室がみんなピリピリしてるからこっちまで伝染してくるのよ。それで疲れちゃって」

和「早々に進路が決まっただけよかったですね......そういえば部長、咲さんはどうしたんですか?」

まこ「ああ、咲は今日もアレじゃ」

和「なるほど」

久「須賀君も果報者ね。咲が通い妻みたいじゃない」

まこ「久、あんまりそういうことを......」

久「......分かってるわよ」

優希(咲ちゃん.........)

 【数ヶ月:4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


やがて私の前に、一つの風景が広がる。

優希「......なんだじぇ、これ」

元々この洞窟は不自然なほどに無機質な――――生というものを感じない場所だ。
それにもかかわらず、現在この空間には「荒廃」という言葉がよく当てはまった。
そこらじゅうの地面と壁のところどころは岩石が完全に打ち砕かれ、盛り上がったり凹んだりしている。
そんな中に私は三つの肢体が倒れているのを見つけた。楸野の爺さん、京太郎、それから咲ちゃんだ。

優希「京太郎ッ!」

そのうち最も無事が心配された一つに駆け寄る。衣服は薄汚れて一部に穴が空き、また露出している部分だけでもいくつもの生傷を認めることができた。
臥す彼の胸に耳を当て、首に指を当てる。彼の呼吸音が私の耳に届き、彼の鼓動が私の指に届いた。覚えたての『蘇生』は使うまでもなさそうだ。

和「ゆーき!」

まこ「優希!一人で行ったら危ないじゃろうが!」

追従してきたみんなが後ろからやってきていた。何人かは爺さんのところへ、何人かは咲ちゃんのところへ、何人かはこちらへ。
見れば爺さんは随分と慄いていたが、意識はあるし目立った怪我もないらしい。

久「咲、しっかりしなさい!咲!」

咲「............せん、ぱい?」

久「......よかった」ホッ

咲「あれ......私、いつの間にこんな所に......確か布団で寝て、夢に女神様が――――――――!」ガバッ

咲「――――京ちゃんッ!!」

竹井先輩の介抱も振り払う勢いで私の......京太郎の方へ向かおうとする咲ちゃんの恰好は全て、一瞬にして私の目の前から姿を消したあの時のものと同じだ。
まるで止まっていた時計の針が、いっぺんに動き出したようだった。

咲「優希ちゃん、これっていったい......」

優希「京太郎がオフラシサマを鎮めたんだ」

優希「脈も呼吸もあるし大きな怪我も見当たらない。大丈夫、京太郎は生きてるじぇ」

優希「あとは意識さえ戻れば............」

連休が終わって次の土日に差し掛かった頃、至急の工事によって県道を塞いでいた土砂は概ね除去され、一応のところの通行が可能になった。
予想されていたよりも大幅に復旧が早まった要因には、数日は大雨を降らせるだろうと予想されていた雨雲が
日没頃には何事もなかったかのように消え去り、その後は常に清々しいまでの快晴が続いていたこともあるだろう。

その日、第一便のバスに乗って私たちは小佐目村を去った――――京太郎の乗った救急車を見送った後のことだった。

 【3月中旬】 清澄病院 203号室


咲「おまたせ......遅れてごめんね」


京太郎「.........」


咲「今日は竹井先輩の卒業式でさ......やっぱりみんな泣いちゃった」

咲「竹井先輩もそうなんだけど、部長のほうが大泣きで。ふふふ、おかしいよね」

咲「それで、これからみんなで会いに来たいって」

咲「京ちゃんもすっかり人気者だね。前まで影が薄いってぼやいてたのに......」

咲「だから京ちゃんも綺麗にしておかないとダメだよ?タオル持ってくるから、ちょっと待っててね」


京太郎「.........」

ガチャッ

母「あら、咲ちゃん」

咲「あ、こんにちは。今日は部活のみんなが一緒に来るんですよ」

咲「いつもお見舞いもみんなバラバラだったから......久々に全員で揃って、京ちゃんも嬉しいと思います」フフッ

咲「それで、今身体を拭こうかと―― 「咲ちゃん」 ――」

咲「......なんですか?」

母「......あなたはこの半年、京太郎にすごく尽くしてくれてるわ。私やお父さんくらい――――いいえ、それ以上かもしれない」

母「あなたがどうしてここまでしてくれるのか......それをあえて訊くつもりはない。無礼だもの」

母「でもね、咲ちゃん」

母「あなたの人生は、あなただけのものなのよ」

母「私にこんな偉そうなことを言う権利なんて本当はない......でも、これだけは覚えておいてね」

咲「......ありがとうございます」

咲「でも私はこれで......ううん、これがいいんです」

咲「今はこれが一番、幸せだから」

母「............ほら、こんなバカ息子の身体なんて私が拭いとくから!」ググッ

咲「わわっ!」

母「咲ちゃんはみんなを迎えに行ってあげなさい、ね?」

咲「あっ......ありがとう、ございます」

キィィィィ...バタン

 【2年後】 清澄病院 203号室


咲「先生が、来週はいよいよ卒業式だって。自分でも、あんまり実感湧かないな」

咲「そういえば、食堂のおばちゃんが今年度で退職なんだってさ......ほら、ランチセットの」

咲「だから、これから京ちゃんが復学してもレディースランチは食べられないよ!」

咲「京ちゃんがねぼすけなのが悪いんだからね」

咲「それにしても、近くの学校に受かってよかった......他のところは全部遠いし、行くのが大変だよ」

咲「お姉ちゃんにはプロを薦められたけど、やっぱり今の時代大学くらい出ておかないとね!」フンス

咲「......でも、一人暮らしはしてみたほうがいいのかなぁ」

咲「一人じゃないにしても、実家を出て暮らす経験はしておいたほうが良いって言うし」

咲「竹井先輩は福路さんとルームシェアしてるらしいし......私も誰か誘おうかな、優希ちゃんとか」

ピンポンパンポーン マモナクメンカイノオジカンガ......

咲「あれ、もうこんな時間だ」ガタッ

咲「じゃあね、京ちゃん」

 【4年後】 清澄病院 203号室


咲「京ちゃん京ちゃん!卒論通った!」ワーイ

咲「いやぁ、ここ最近はそればっかりでもうクタクタ......」

咲「来る頻度、減っちゃってごめんね。またしばらくは前みたいに来れると思うから」

咲「あっ、そうだ!チームの方から次年度の契約の話が来てたんだったけどね」

咲「難しいことよくわかんないからお父さんに聞いたんだけど、そしたら――――」


界『咲ももう大人になるんだから、この手のものは自分でなんとかしなさい!』


咲「――――って......契約できなかったら来年一年間、ニートになっちゃうよ......」グスン

咲「和ちゃんに聞いたから、取り敢えずどうにかなりそうだけど」

咲「.........プロに行ったら色んな人と戦いたいな」

咲「衣ちゃんと池田さんと加治木さんからあの時の再現をやろうって誘われたし、それから......」

咲「――――――――!!」

咲「――――?――――!」

咲「――――」

 【4年後】 清澄病院 203号室

ガチャッ

咲「一週間ぶり、京ちゃん。元気してた?」

咲「暑いね......麦茶持ってくるからちょっと待ってて.........ふぅ」


京太郎「............」


咲「実はインターハイの解説頼まれちゃって、しばらく東京に居たんだよ」

咲「そのとき、私もつい......アナウンサーの子にさ」

咲「『ところで宮永プロはもうすぐアラサーなわけですが......』だって」

咲「私まだ25歳だよ?!アラサーって普通28歳以上じゃないの?!」

咲「そう返したら今度は、『そんなのあっという間じゃないですか』って言われたよ」ズーン

咲「.........」

咲「もう、そんなに前なんだね」

咲「みんなであの部室にいたのも、みんなで麻雀したのも、みんなで旅行に行ったのも」

咲「京ちゃんが、最後に私の名前を呼んでくれたのも......」

咲「ここまであっという間だったのに、気がついたらもう――――」



京太郎「――――二十年、か?」

咲「十年だよ!」

咲「...................えっ?」

京太郎「よっ!随分久しぶり......でもないのか、実際は」

咲「.......きょう、ちゃん......?」

京太郎「おうよ。正真正銘、須賀京太郎だぜ」

京太郎「......なんだよその顔。まるで幽霊でも見たみてーじゃねえか」

咲「.........!」ジワァ

京太郎「おいおい、泣くなって!」アタフタ

咲「だって、しょうが、ないじゃん.........」

咲「京ちゃんが......京ちゃん......きょう、ちゃん.........!」

京太郎「......いくらでも泣いていいんだ」

咲「うん.........!」

京太郎「――――ただし、あいつらが出てきてからな」

ガタガタッ!

優希「あー......えーっと......」

まこ「こ、これはお二人さん......ご機嫌麗しゅう」

久「こんな所で会うなんて奇遇ね!あはは......!」

和「これはですね......そう、違うんですよ!咲さん!私は元々止めようとしてたといいますか ー―「和ちゃん」―― はひっ!」


咲「......どういうことか、一から説明して?」ニコッ

和はそれから、ここ数日のうちに俺の周りで起こった顛末を洗いざらい白状した。
つまり十年ぶりに俺が意識を取り戻したときのこと、それを聞いた優希と和、染谷先輩に竹井先輩が飛んできたときのこと。
そこで俺が、現在の俺自身の状況を知らされたこと。竹井先輩のいたずらで咲には俺が目を覚ました事実を伏せておくことが決定したときのこと、等々.........
その間、四人は漏れなく咲によって正座を強いられていた。

咲「――――だから、もうこんなことはしないでね!先輩方も金輪際止めてください!」

優希「はい......」

和「重々承知しました......」

まこ「すまん、調子に乗りすぎた」

久「はいはーい」ヘラヘラ

咲「先輩は後で麻雀しましょうか」

久「」

京太郎「まあまあ、折角みんな揃ったんだぜ?」

京太郎「パーッと楽しい方がいいじゃんか」

咲「まぁ、京ちゃんがそう言うなら......」プクー

咲の風貌は随分成長していたが、こうして少々不満な時に頬をふくらませる動作は全く以てその面影を残している。
俺は改めて、この眼前の女性が宮永咲であることを確信した。

京太郎「医者にも特別に、今晩はみんなこの部屋に残ってていいって許可も貰ったし......」

京太郎「色々と積もる話もあるしさ。まずはみんなが何してるかとか改めて聞かせて――――」

まこ「――――京太郎はそれでええんか?」

京太郎「......えっ?」

染谷先輩の発言は至極不可解だった。良いも悪いもあるだろうか?普通に俺、みんなの話聞けるの楽しみにしてたんですけど......
だがそれに続く彼女らの発言とニヤケ面を見て、俺はやっとその真意を理解できた。

久「それは後にすればいいじゃない。私たちは二、三時間くらい席外してるわね」ニヤニヤ

まこ「そういえば近くに飲み屋があったのう。そこ行くか」ニヤニヤ

優希「むふふふ......ごゆっくりだじぇ」ニヤニヤ

和「咲さん、ファイトです」グッ

咲「和ちゃん.....」

バタン


四人が部屋を後にすると、狭い病室には俺と咲だけが残された。
部屋の照明は廊下側だけが点灯され、窓際にある俺のベッドの辺りを心地よい光が照らす。

京太郎「......空調の真下だと結構寒いな」

咲「冷房止めて、窓開けよっか」

その言葉のとおり立ち上がった咲がエアコンを操作し、最後に傍の窓を半分ほど開いてくれた。
時刻は午後八時。長野の夏夜に吹く涼しい風が病室を抜けていった。

京太郎「涼しいな......」

咲「うん、そうだね......」

京太郎「.........俺、ここまでのこと聞いたよ」

京太郎「十年間、今までありがとう。それから......」

京太郎「待たせてごめんな」

咲「......待たせすぎだよ、バカッ」

咲「私、もう25歳だよ?」

京太郎「俺だって同い年だろ。中身は高校生だけどさ」

咲「もう!......じゃあ、そんな高校生の京ちゃんに質問です」

京太郎「おう!どんとこい!」

咲「私、変わったかな?」

京太郎「ふーむ......確かに随分と成長して......」

京太郎「......いや、そうじゃないか」

窓の外を見ると、眼下の路地を仲間たちが歩いている。
空を仰ぐと、天を左右に分断するかのように天の川が流れていた。

十年の歳月――――俺たちを隔てているそれを乗り越えるのは、決して容易なことではないだろう。
政治に経済、科学技術、社会常識に至るまでの全てが大きく変遷している。俺はそれら時間の流れに取り残されてしまっているのだ。

それでも、と俺は訴え続ける。
生きている限り、何度でもやり直せるし追いつける。
俺は時間を戻すのではなく、進めることによって彼女と生きていきたいんだ。

「綺麗になったな、咲」


HAPPYEND:「神は天にいまし、すべて世は事もなし」

Fin.

おつおつ
えんだー(以下略)とはならなかったけど一応ハッピーエンド行けて何より
重要なところとかでコンマが振るわなかったらもっと悲惨なことになってたとはいえ、いい感じに来てたから微妙にもやっとする!
どっかからやり直しとか最初からとかできるん?

シナリオ「清澄の探索者」はこれにて終了です。

まずはスレ立てからの三ヶ月間、お付き合いた方々に心からお礼申し上げます。

次に、このような尻すぼみもいいところな(最初から大したことなかったと言われればそうですが)話を書いてしまった身から
自己批評として「なぜこのスレはしくじったか」を考えましたので、いくつか挙げさせていきます。


・システム

1. そもそも最初のチョイスが間違っていた
>>1にも書いていますがこれが初のSSです。慣れないどころか未経験なのに、初っ端から謎解きモノを安価でやろうとしてしまいました。
しかもあれやこれやと要素をぶち込みまくった結果シナリオがごちゃごちゃして、悪い意味で複雑なストーリーが出来上がりました。
せめてテーマを絞って話の長さを削っていれば、以下の問題も各々多少は軽減されたのではないでしょうか。

2. 曖昧さを残してしまった
例えば最初の段階では時間設定という概念すら存在しませんでしたし(なんとなくの時間帯だけ)、以後にも「ここの判定ってどうなるの?」という予知が無数に存在していました。
結果後からこれらを場当たり的に制限していくことになり、次第に齟齬が拡大していきました。

3. 想定・テストプレイが甘すぎた
仮にも「TRPG風でやりたい」と言っている以上戦闘が発生することは必須のはずです。敵を仲間に出来るなら、味方を多くしていくのは当然の戦略です。
他にもスレ内で発生した「想定してなかった」事案中で、本来なら予見できた筈のものは多くあります。
しかし>>1が最初に持っていた「こういう話で作ってみたいなー」という考えが先入観となり、それらを妨げていました。
その結果テストプレイ(当然>>1しかいません)は>1の考えをシミュレートするだけのものとなってしまい、
本来の目的である設定やシナリオの不備を発見することができませんでした。


・シナリオ

4. 長い
まさか三ヶ月もかけることになるとは思わなかったです。反省しています。

5. 登場人物が多い
本来は山下や堂島も大学生Aとか会社員とかで良いかなと思っていたのですが、流石に扱いづらいということで名前をつけました。
また敵キャラ(楸野、榎田等)も変にキャラ付けをしていった結果、読者が気を配らなければならないオリキャラが大量に出来てしまいました。二次創作なのに。
もっと人物は減らして、名前も適当で良かった気がします。

6. ENDが雑
これは散々ご指摘をいただいた通りですが、特に最後のENDは酷かった思います。
プロットを書くのに夢中で、肝心の分岐方法(この場合は最終決戦などです)については「ま、コンマでええやろ」くらいの認識でした。
どうしてこれで良いと思ったのか、多大に反省しております。


・描写

7. ムラがある
最初は「地の文で風景描写細かくやって雰囲気出してみよう!」とか考えていたのですが、出来るわけありません。
当然時間経過と共に既に来たことのある場所が増えてくるので仕方ない部分もあるでしょうが、それでもその風景描写の量には場所によって大きな差が生まれてしまいました。

8. 敵の心情
「5. 登場人物が多い」とも通じるところですが、プレイヤブルキャラ(清澄の部員たち)以外の心理はもっと適当に書くべきでした。
非安価でもない限り、シナリオを破綻させずに進めるには理不尽な制限(道を通せんぼするカビゴンなど)を設置する必要があります。
このスレであれば「敵は基本仲間に出来ない」などをしなければ味方側が戦力過多になり、あらゆる行動がゴリ押しで可能になってしまいます。
ですがなまじ敵のキャラ付や心情描写等を入れてしまったがために、「いや、こいつ説得できないとおかしいよな」という論理に至るようになりました。


・その他

9. 誤字脱字が多い
注意不足です

10. 似たような表現の繰り返しが多い
引き出し不足です。もっと本や辞書を読みます。

被告人質問への回答です


>>373
あれはブラフと言うと高尚ですが、結果的には無駄選択肢でした。どちらにしても他の面子がいるとこうなりました。
最終決戦は京太郎とラスボスの一騎打ち以外にならないだろうと何故か想定しており、そっちに強引に持っていくための全滅ENDでした。
他にも、「3. 想定・テストプレイが甘すぎた」をご参照ください。

>>394-395
櫛は同時に一本しか存在できません。
『寝る』は選択肢に入っていましたが、判定もなくただ本当に寝るだけです。
これによって京太郎たちは初めてこれ以上櫛が作れないことを知り、『寝る』コマンドも消滅する予定でした。
>>232あたりで何故か消えてしまっているのは......謎です。
かつ京太郎以外のキャラは殺されれば死にますから、どんなに【オカルト】が高い組み合わせでも最終決戦は一度くらい失敗するだろうと。
その時点でBADENDにするつもりでしたが、もしすべて成功していたら......ここも読みの甘さの一つです。

>>400
それはそう

>>406
居場所:女将たちが知らないはずなのに後々元から知っている風になっているのは完全にこちらのミスです。本当に申し訳ない。
全滅END:>>373の通りです。

>>407-408
本当にごめんなさい。「6. ENDが雑」の通りです。

ハッピーエンド分岐については、死亡回数によって京太郎の昏睡期間が変わります(成功が多ければ死なない→すぐ起きる)。
より早い時期に起きることで色々な所に赴き、小佐目のその後についての情報をより多く得ることが出来ます。
今回はハッピーエンド中最も成功数が少なかったので回復時期は最も遅い十年後であり、このようなエンディングになりました。
ただしトシさんとロリ巫女のくだりは全ルート共通になっています。

>>409
「二回も死んで」というのは最終決戦以外のところで、ということでしょうか?ならむしろ少ない方だと思います。10回くらいは殺されるかなと想定してましたから。
大学生を仲間にして以来順に味方を増やしつつ大軍団が形成され始め、まず死ななくなりました。
>>1としては完全に思ってもいなかった展開ですが、読者としては最善の手だったのでしょう。
ですから最後が残念な結果なのは全て>>1のせいです。

>>438
最初からは流石に......最終決戦直前からやり直しが現実的な線でしょうが、正直今回のクソコンマ判定よりも納得できる上手いイベントを作れそうにありません。
また同じようにコンマ取るだけで良いのであれば、そこから分岐するENDは幾らでも書かせていただきます。

これに懲りて、経験値が貯まるまでの今後しばらくは
短編か非安価スレで書いていこうかと思いますのでよろしくお願いします。

もしまだ疑問等あればお答えしますので、どうぞお書きください。

三ヶ月間、本当にありがとうございました。

いえいえ、三ヶ月間楽しませていただきました!
エピローグの京咲も大変エモい…清澄のみんなや咲とのやりとりが終始ツボでした
乙!!

乙です

おつ
ぶっちゃけ、初投稿でこの長さの安価スレをエタらず完結させた時点で賞賛ものなんだよなぁ
また新しいストーリーとかができたらやってほしい

まずは完結乙
実際のTRPGでもGM視点でプレイヤーが迷走し始めるのは稀によくあるけど、そういう時は「ぶっちゃけここじゃもう情報落ちないよ」とかメタ発言でも早めに伝えた方がベターだったかなって
ともあれエタらずに完結させてくれただけでありがたい お疲れ様でした

乙です!!

本当に乙でした
エンディングもここまで長文とは大満足です、他のENDも書いてくれるならいくらでも待ちます

俺こういうエピローグに弱いの…超乙
三ヶ月間楽しかったで!


完全なコンマ判定成功した時のエンド読みたい
あと作者が想定してたルートがどんなものか凄く気になる
戦闘と説得で仲間増やせなかったらタイムリミットに間に合う気が全くしない

集落は今回の事件で結果に関係無く、集団移転で廃村になるだろうから、どっちにしろ完全決着になる気がします。
京太郎が昏睡中にオフラシ様の研究はしなかったのだろうか。事件終了後に京太郎を目覚めさせるために清澄メンバーに調査させても良かったのでは(何もわからなければ京太郎は10年間昏睡)。
楸野の呪いについては集落の好事家による個人の研究ではなく全国区の協力が仰げるわけだから、知っている事を洗いざらい話してくれそう。

お久しぶりです。>>1です。
年末なんで蛇足を二つ引っさげて参りました。

蛇足1はコンマ神が微笑んだエンド(>>450)、
蛇足2は>>436の続きのような何かです(>>438)。

【蛇足1:もし最後のコンマが全部成功したら】



その眩さは地下に届かないはずのものだ。
身体の節々には誰が巻いたとも知れない包帯が縦横に走り、誰が着せたとも知れない旅館の浴衣がそれを包む。
俺が目を覚ましたのは冷たい岩盤の上ではなく、藺草の香りが鼻腔をくすぐった。


 【6日目 7:30】 旅館・本館 3階 307号室


筋骨が悲鳴をあげるのを多少我慢して姿勢を起こすと、そこは俺が泊まっている部屋に間違いなかった。
古めかしい内線電話に一度か二度しか付けていないテレビ、着替え一式が入ったボストンバッグ、座卓に置かれたクリスタルガラスの灰皿。
小さなベランダに続くガラス戸からは朝日が差して、壁に掛けられた俺の洋服を照らしている。

京太郎「咲、起きろ......咲」

咲「.........あれ、きょーちゃん......おはよー」

京太郎「おはよう。よだれ垂れてるぞ」

怪我人の膝を枕にしていた不届き者が、ようやく目を覚ました。

朝の歯磨きはどのタイミングでするのが良いんだろうか?俺は起きた直後に軽く、朝飯の後にしっかり磨くことを心がけている。
しかしそうは言っても普段の朝は忙しいし、一回はうがいだけとか結構おざなりになってしまっている感は否めない。
いや別に歯磨きの話はどうでもよくて、つまるところ何が言いたいかといえば......

京太郎「んんんーんんー」シャコシャコ

咲「んー?」シャコシャコ

京太郎「んんんーんんー、っんんっんーん」シャコシャコ

咲「ん、んんんんんんーんんー」シャコシャコ

京太郎「あー、あいあー」ガラガラ

咲「んー」シャコシャコ

こういう風景の、なんとも牧歌的であるかということだ。

畳んだ布団を部屋の隅に追いやって作ったスペースに座布団を敷いて腰を下ろす。
そういえば今日は俺たちが小佐目へ来てから六日目、つまり連休が明けた後の木曜日だ。
お天気キャスターの『木曜は特に冷え込む』という週間予報はどうやら的中したらしく、下に沈んだ冷気が素足から熱を奪っていく。
淹れたばかりのお茶をずずっと一口吸い上げると、朝の底冷えした身体に熱さが染みた。

京太郎「うーん......お茶が旨い」

咲「もう京ちゃん、おじいちゃんみたいだよ?......あっ、おいしい」

京太郎「な、言ったろ?」

特に銘柄などは書いてなかったけれど、案外いい茶葉なのかもしれない。

京太郎「しかし今日が六日目ってことは、俺は一日半も寝ちまってたってことか」

咲「うん。ずっと見ててあげたんだから感謝してね」

京太郎「ははっ、結局お前は起こされる側だったろ」

咲「そういうこと言わなくてもいいじゃん!」ポカッ

京太郎「いてっ」

何故こういう時にわざわざ一番痛む所を小突くかな、こいつは。
ともかくそう言って小腹を立てる咲の姿を見ているだけで、俺は何気ない普通を噛み締めることが出来るのだった。

京太郎「.........咲」

咲「なに?」キョトン

京太郎「お前が戻ってきて、本当に良かった」

 回想:【4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


それは、俺の右手が『花の櫛』を押し込んでから数秒のうちの出来事だった。
視界一面がにわかに黄金色の光に包まれる。全身が持ち上げられるような感覚に包まれ、そのままゆっくりと地面へ降り立っていた。
それとは対象的なのがオフラシサマだ。閉ざされた洞窟を風が吹き上げ、彼の身体が少しずつ天へ昇っていく。
俺は、ただそれを呆然として見つめていた。

光が集まり束となった。それはだんだんと形を成していき、やがて男神に寄り添う一人の女性が立ち現れる。
.........クシナダヒメ。夢の中で俺の前に現れ、俺に櫛を授けた女神だ。


京太郎「――――ッ!」

京太郎「おい!咲は、咲はどうなるんだよ!?」


オフラシサマ「――――――――――――」

クシナダヒメ「――――――――――――」


京太郎「クソッ!あいつまで連れていくつもりか!」

ああ、身体の節々が痛い。呼吸するだけで肺が刺されるようだ。
俺の身体は俺が思った以上によく動いてくれた。振るわれる全ての剣を凌ぎ、ここまで生き延びることが出来たのは奇跡に近い。
しかし当然無傷というわけにもいかず、『凌ぐ』というのも避けきることとは同義ではなかった。
ただ深く切りつけられても、強く打ちつけられても、それでもなお抗い続けてくれたというだけの話だ。

身を絞って最大限の声を上げる。それが彼らの耳に入っている様子はない。
俺はどうする。これ以上どうすればいい。こうして地べたに尻もち付いたまま、指咥えて眺めてるだけでいいのか?


違うだろ。


京太郎「待ちやがれってんだ!この野郎!」


彼らはどのくらいの高さまで昇っているのだろうか。そもそもこの世に存在していて、触れることが出来るのだろうか。
どうにせよ、手が届くとは到底思えない。


京太郎「咲を――――」


それでも俺は立ち上がり、地面を蹴り、右腕を伸ばした。


京太郎「――――――――返せッ!」


〜〜〜〜〜

意識があの夜の現実離れした出来事をなぞり、再び現在へ戻ってきた。目を開ければ視界には変わらず咲が映っていた。
俺の記憶はここで途切れている。その結果を見届けることは出来なかったが、こいつが俺の隣にいるということはきっと成功したのだろう。

思案する顔を見て、咲も俺が何を言いたいのか合点がいったようだった。
それから湯呑みからお茶を二、三回すすり、こう言葉を続けた。

咲「私だって京ちゃんがずっと起きないんじゃないかって心配だったよ」

京太郎「それは流石に心配性が過ぎるぜ。ただの疲労だろ」ハハハ

咲「......夢を見てたの」

京太郎「夢?」

咲「うん。京ちゃんがずっと寝てる夢」

咲「一ヶ月経っても、一年経っても、五年経っても京ちゃんは眠ったままで」

咲「一昨日の夜も昨日の夜もその繰り返し......寝る度に同じ内容ばっかり見ちゃって......」

咲「それでね......私.........それが、本当になるんじゃ、ないかって........怖くて.........」

京太郎「.........」ギュッ

咲「......京、ちゃん......」

京太郎「咲、ありがとな」

咲「.........うん」

貸し浴衣の袖が涙で濡れるけど、そんなこと知ったこっちゃない。
ここまでの数日間で俺たちが直面してきたのは非日常の連続だ。
実際怪我をしたヤツだっているし、何処かで選択を間違えていればもっと凄惨な事に......誰かが命を落とすような結果に終わった可能性だってあった。
それでも俺たちは生きている。今はただ彼女と、この時間を共有できていることだけを喜びたい。

突然、咲がその細い腕を俺の後ろ首にまわす。グイッと引っ張られるままに諸共畳の上に倒れ込んだ。

京太郎「うわっ!......何すんだよ、咲」

咲「んふふー」ニコニコ

京太郎「おいおい、こちとら怪我だらけで――――」


ガチャッ

まこ「咲、わしが代わるけん少しは休んだほうが......」


京太郎「」

咲「」


まこ「............失礼しました」

バタン


京太郎「」

咲「」

 【6日目 7:50】 旅館・本館 1階 食堂


食堂にはいつもと変わらない仲間たちがいて、一日ぶりに目を覚ました俺を迎えてくれた。
大学生や社会人の一団は未だ姿を見せていない。

咲「おはようございます......」

京太郎「おはよーっす」

優希「きょーたろー!やっと起きたか!」

和「もう大丈夫なんですか?満身創痍だったと聞きましたけど」

京太郎「ああ。この通りへっちゃらだぜ」

京太郎「ところで他の連中はどこに行ったんだ?」キョロキョロ

優希「おねーさんたちは多分部屋で寝てるじぇ。昨日の夜、遅くまで遊戯室にいたからな」

和「大学生の皆さんは七時過ぎくらいに出ていきましたよ」

京太郎「七時過ぎだって?一体どこに?」

和「神楽山です。確か『花を植え直しに行ってくる』と言ってました」

京太郎「あぁ、なるほど」

この頃には染谷先輩が言いふらした後だろうと予想していた俺は、例の件をどう釈明しようかということで頭が一杯だった。
しかし彼女たちの反応を見る限り、意外にも他の誰にも知れ渡っていないようだ。すかさず唯一の目撃者の元へ詰め寄る。


京太郎「先輩、さっきのことなんですけど......」ボソボソ

まこ「言いたいことは分かっとる。まぁ、程々にな」ヒソヒソ

まこ「しかしおぬしら......奥手に見えて案外ヤることヤッとるとは知らなんだ」クックック

京太郎「いや、違いますからね?」ボソボソ


和「何の話でしょうか?」

久「さぁ......大方の想像はつくけどね」

咲「ま、まあいいじゃないですか!そんなこと!」アセアセ

咲「それより、ここまでのことを教えてくれませんか?」

染谷先輩の目にはどうやっても苦し紛れの誤魔化しとしか映らなかっただろうが、実際これは俺にとっても一番気に掛かっていた事だった。
この『平和』の二文字を体現するような朝から察するに、昨日までに粗方の騒動は収まったのだろう。
しかし咲といえば一日一夜俺につきっきりで村の状況は知らないらしいし、俺自身は言わずもがなだ。

まこ「まあ待て。その前に......」チラッ

京太郎「?」

示し合わせたかのように、丁度厨房から俺たちを呼ぶ声があった。

 【6日目 8:00】 旅館・本館 1階 食堂


まこ「いただきます」

「「「いただきまーす!」」」

優希「今朝もタダ飯が美味いじぇ」

女将「あら、そういうこと言うなら追い出すわよ?」

優希「ゴメンナサイ」

和「感謝の気持ちは大事ですよ、ゆーき?」

久「ロハで泊まらせてもらってるんだからねぇ」

一日ぶりの温かい飯は空きっ腹によく染みた。
初日や二日目に比べれば内容は寂しいものだが、何より心配事を抱えないまま摂る食事というのは精神衛生的に大変良いものだ。
と、ここまで腰を落ち着かせた所で、俺はようやく話を切り出すことができた。

京太郎「なあ、そろそろ昨日の話を教えてくれよ」

優希「むふふ......それはこの優希ちゃんにおまかせあれ!だじぇ!」

 回想:【4日目 18:10】 小佐目山 炭鉱迷宮 第5階層


優希「......音がしなくなった?」

つい数秒前まで、この大岩の向こうからは聞いたこともないような音が漏れ出ていた。
きっと見たこともないようなことが行われていたのだろう。
それがどういうことだろうか、今や私の鼓膜を揺らすのは私自身の心音とここに集まる十数人の呼吸音だけ......それも殆どが闇に吸い込まれる。
狭い坑道は、静寂に包まれていた。

和「まさか、ついに決着がついたんじゃ......」

山下「その可能性は高いな」

米本「なら早く行かないと!」

堂島「安直すぎる!須賀君が勝ったのならいいさ」

堂島「でも仮に負けたんだったら――――」

優希「――――バカ、それなら尚更行かないとダメだじぇ!」

京太郎が敗北したのだとしたら、一体祭壇は今どうなっているだろうか?爺さんは生きているのか、それとも死んでいるのか。
どちらにせよ身体の自由が効かない以上出来ることは少ない。私たちが何もしなければオフラシサマはついに野放しになってしまうだろう。
そうなれば私たちの命はおろか、村の存続さえも絶望的である。
しかしこれも自分を納得させるための建前でしかない。
実際のところ、私の本音は一刻も早く京太郎の安否を確かめたい――そして、仮に傷ついているのなら助けなければ――その一心だった。

数人の力によって『天岩戸』が再び動かされる。
開ききらないうちに、私の小さな身体はその隙間から駆け出していた。

優希「......!」ダッ

久「あっ、ちょっと!」

まこ「優希!待ちんさい!」

優希(ごめん、先輩!)

洞窟へ続く狭い通路を一目散に走る。
祭壇で一体何が起こっているのか。それがもし見たくない現実だとしたら......そう思うと、走りきってしまうのは少し怖かった。
それでも僅か十メートルにも満たない短い道のりだ。


やがて私の前に、一つの風景が広がる。

 【4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


優希「......なんだじぇ、これ」

元々この洞窟は不自然なほどに無機質な――――生というものを感じない場所だ。
それにもかかわらず、現在この空間には「荒廃」という言葉がよく当てはまった。
そこらじゅうの地面と壁のところどころは岩石が完全に打ち砕かれ、盛り上がったり凹んだりしている。
そんな中に私は三つの肢体が倒れているのを見つけた。楸野の爺さん、京太郎、それから咲ちゃんだ。

優希「京太郎ッ!」

そのうち最も無事が心配された一つに駆け寄る。衣服は薄汚れて一部に穴が空き、また露出している部分だけでもいくつもの生傷を認めることができた。
臥す彼の胸に耳を当て、首に指を当てる。彼の呼吸音が私の耳に届き、彼の鼓動が私の指に届いた。覚えたての『蘇生』は使うまでもなさそうだ。

和「ゆーき!」

まこ「優希!一人で行ったら危ないじゃろうが!」

追従してきたみんなが後ろからやってきていた。何人かは爺さんのところへ、何人かは咲ちゃんのところへ、何人かはこちらへ。
見れば爺さんは随分と慄いていたが、意識はあるし目立った怪我もないらしい。

久「咲、しっかりしなさい!咲!」

咲「............せん、ぱい?」

久「......よかった」ホッ

咲「あれ......私、いつの間にこんな所に......確か布団で寝て、夢に女神様が――――――――!」ガバッ

咲「――――京ちゃんッ!!」

竹井先輩の介抱も振り払う勢いで私の......京太郎の方へ向かおうとする咲ちゃんの恰好は全て、一瞬にして私の目の前から姿を消したあの時のものと同じだ。
まるで止まっていた時計の針が、いっぺんに動き出したようだった。

咲「優希ちゃん、これっていったい......」

優希「京太郎がオフラシサマを鎮めたんだ」

優希「脈も呼吸もあるし大きな怪我も見当たらない。大丈夫、京太郎は生きてるじぇ」

優希「あとは意識さえ戻れば............」



それからは大忙しだった。京太郎の手当てもあったけど、それ以上に大変だったのは動揺が村中に広がっていたことだ。
帰ってきた捜索隊や騒ぎを聞きつけた村人達が楸野の家にどんどん押しかけ、騒動がようやく落ち着いたのは既に日付が変わった頃だった。

 【5日目 10:30】 楸野宅 1階 洋室2


優希「Zzz.........Zzz..................うーん」パチッ

優希「あれ、いつの間にか寝ちゃってたじぇ......」モニュ

優希(.........この感触は)モミモミ

和「――――ひゃぁぁああ!!」バッ

優希「のどちゃんおはよう」

和「お、おはようございます......」

優希「.........朝だな」

和「.........朝ですね」

優希「............」

和「............///」カーッ


〜〜〜〜〜

京太郎「なあ、最後のやりとりって要るのか?」モグモグ

優希「何を言うか!私とのどちゃんのラブラブな関係を伝える重要な場面だぞ!」

和「ゆ、ゆーき!真面目に話を進めてください!」バンッ

優希「はーい......それで、この時点で残ってたケンジンアコーは二つだ」

まこ「『ケンジンアコー』......?」

咲「ひょっとして『懸案事項』のこと?」

優希「そーそー、それだじぇ」パクッ ムシャムシャ

優希「一個目は楸野の爺さんをどうするか。二個目は榎田のおっさんたちをどうするか」

京太郎「榎田たちを?楸野は分かるけど、あいつらの何が心配事なんだよ」

久「考えてもみなさいよ。この村の若い男連中はみんな集団犯罪の実行犯なのよ?」

久「下っ端は置いておくにしても、主犯格はお咎め無しってわけにはいかないわ」

久「椿屋、榎田親子、柊......それからあの二人もね」チラッ

竹井先輩の目線の先には、ばつの悪そうな表情でこちらを伺う主人と女将の顔があった。

 回想:【5日目 12:40】 楸野宅 1階 応接間


榎田「――――それじゃあ、楸野さんの監視は村の者が交代制ということで」

椿屋「......くれぐれも厳重に頼む」

護衛A「は、はいっ!」

護衛B「わかりました」

タッタッタッ......

二人の若い男が駆け足で去っていき、それからしばらく沈黙があった。
私がどうしようか迷ってるうちに、染谷先輩が忌々しそうな口調で爺さんの話を続けた。

まこ「しかし、あの不死身の老いぼれをどうしたものかの」

北村「放っておくしかないんじゃないかな。僕たちに何かできそうにはないよ」

堂島「それこそ精々、官憲に引き渡すまで何もしないよう見張ってるくらいだな」

米本「そうだねぇ」

和「ではこの話はここでひとまず解決ということで。次は......」

久「あなたたちをどうするかって話ね」

柊「なぁ嬢ちゃん、勘弁してくれよぉ。俺だって家族がいるし......な?」チラッ

久「あら。だからって、私が監禁された挙句風邪までひいた事実は無くならないのよ」

柊「ぐぬぬぬ......」

昨日あたりから先輩がやけに厚着をしていたり鼻をかんでいると思ったら、なるほどそういうことだったのか。
......でも、彼らだってこの数日間を一緒に戦ってきた仲間なのだ。
きっとのどちゃんから猛反発されるだろうなと分かっていたものの、私はそれに対してこう返した。

優希「何とかならないのか?楸野の爺さんに全部押し付けることだって出来ないわけじゃないじょ」

和「ゆーき、そんなのダメですよ。何より違法行為を見逃せば私たちまで幇助の罪に問われるんですよ」

優希「だから、みんなで隠しちゃえばいいじぇ」

和「ゆーき!」

優希「だって協力してくれた仲間だぞ?おっさんたちがいなかったら、今頃みんな土の下だじぇ」

優希「それに――――」

榎田爺「――――待て嬢さん。それには及ばんよ」

主人「いいんですよ、片岡さん」

主人「自分がしてはいけないことをしていたということは自分が一番分かってます」

女将「これでも大人だしね。私たち」

榎田「こうなるのは承知の上さ」

椿屋「柊、腹を括れ」

柊「......はい」

こうなってしまうと、私に言葉は残されてなかった。


〜〜〜〜〜

優希「ということで、みんなまとめて警察に突き出すことになったじぇ」

京太郎「......なあ和、あいつらはこれからどうなるんだ?」

和「そうですね......罪状は誘拐監禁と殺人未遂。組織的かつ計画的な犯行ですから量刑は決して軽くはありません」

和「しかし村の背景を考えれば、情状酌量の余地ありとして大幅な減刑がされるかと考えられます」

和「執行猶予付きか、実刑でもごく短期間の判決になるんじゃないでしょうか」

「あくまで推測ですが」と付け足して和は結んだ。前々から分かってはいたが、この数日は改めて和の知識に感服するばかりだ。
もっとも弁護士と検事の娘だからといってその娘の言葉を鵜呑みにするのはおかしいし、まだ逮捕もされていないのに裁判がいつになるかなんて知りうるはずもない。
そんな先の話をしているようじゃ鬼も抱腹絶倒ってもんだ。

京太郎「......それで良いんだよな?」チラッ

主人「勿論ですとも」コクン

女将「前科付きは不名誉だけどね。どうせ私たち、この村以外で生きるつもりはないし」

それから女将は、「冷めちゃうわよ」とだけ言って俺たちに食事を促したのだ。

 【6日目 8:40】 旅館・本館 1階 食堂


京太郎「ふぅ、食った食った」

咲「もう!京ちゃんったら」

咲「ずっと寝てたのに、いきなりそんなに食べたらお腹痛くなっちゃうよ?」

京太郎「わりーわりー」

和「それで須賀君、この後はどうするんですか?」

京太郎「ん?」

まこ「今んところわしらのリーダーはおぬしじゃしな。何かやることがあるなら言ってくれ」

久「部長の面子がこれっぽっちも無いわね、まこ」

まこ「ぬかせ。今だけじゃい」フフッ

優希、和、染谷先輩に竹井先輩。そして咲。
ここにいる麻雀部員全員が俺の口から出る次の言葉を待っている。こんなん普段の清澄じゃ絶対にありえないな。
......そしてそんな機会は、きっとこれが最後だろう。

京太郎「......なあ、優希」

優希「ん?」

京太郎「まだ残ってる課題はあったか?」

優希「んー......いや、特には」

京太郎「なら、やることは一つしかねえだろ」

それから二日間、俺たちはとことん遊び続けた。


 【6日目 10:40】 小佐目村 路上


まこ「位置について....」

まこ「よーい......ドン!」バッ


京太郎「ッ!」ダッ

優希「いくじぇぇぇ!!」ドダダダ

カブ「負けねえ!!!」ダダッ

柊「オラァ!」ドドドド

山下「うおぉぉぉ!」ドスドス

咲「え?えええぇぇ??」タッタッタ


和「元気ですね」

米本「元気だねぇ」

久「あっ.....咲、転んだ」

和「転びましたね」


柊「うへっ!いててててて......」


久「あっちは足でも攣ったのかしら」

米本「......元気だねぇ」

 【6日目 15:20】 神楽山 山頂


優希「おい金髪!これって食べられるやつ?」

向坂「あーダメダメ。それは毒がある」

椿屋「これはどうだ」

向坂「バカッ、それは保全対象だから採っちゃダメなんだよ!早く戻せ!」

向坂「ったく。地元なのにンなことも知らねーのか」チッ

まこ「知ってるのに盗っていった奴もおったがのう?」

向坂「......悪かったよ」



 【6日目 22:50】 旅館・本館 2階 遊戯室


京太郎「ツモッ!裏は......乗った!」パタン

京太郎「8000オールの二本場は8200オール!」

榎田爺「ふむ、結構難しいのだな」チャラッ

北村「と、トバされた......」

堂本「おいおい、北村あんた弱すぎだろ」チャラッ

京太郎「へっへーん!またまた勝たせていただきました!」

咲「ウソっ!?京ちゃんが麻雀で勝ってる!?」

京太郎「俺だってトーシロー相手ならこんくらい出来るんだぜ?」

優希「カモるなんて情けない男だじぇ」

和「最低ですね」

京太郎「」ヒュゥゥゥ......

久「ま、悔しければ大会でもそのくらい頑張りなさい」ポンポン

 【7日目 13:00】 柊宅 庭


京太郎「がー!負けた!」

まこ「情けないのう、京太郎」

カブ「おーい兄ちゃーん!」テクテク

少女「......」トテトテ

京太郎「おうカブ、遅かったな。そっちの子は?」

カブ「あー、それがさ。コイツが兄ちゃんに会ってみたいって」

京太郎「へぇ......俺は須賀京太郎、高校一年生だ。よろしくな」

少女「わたしは.........」

桜「わたしは、椿屋桜......です......」テレッ

京太郎(か、かわいい!)

まこ(この子が椿屋の娘、じゃと......?)



俺たちはこの期間、存分に旅行を楽しんでいたと胸を張って言える。

 【9日目 13:00】 小佐目村 バス停


日曜日、ここ数日と同じようによく晴れた日の昼。
土曜日の早朝に届いた県道復旧の一報で俺たちは帰り支度を始め、第一便のバスがやってくる頃にはその準備も整っていた。
本来ならすぐにでも帰りたかったのだが、矢継ぎ早にやって来た警官隊からあれやこれやと事情聴取に遭ったせいで一日越しの帰宅となったわけだ。

榎田「改めてみんなにお詫びをしなきゃな......本当に済まなかった」

そう言って深々と頭を下げたのは村側に立つ見送りの全員。
その反対側に立つ俺たちは、正直なところ最後まで複雑な気持ちだった。彼らは敵だ。俺たちに刃を向けた張本人だ。
しかし同時に、この小佐目村に付き纏う厄災へ立ち向かった味方でもあった。それらは両立して存在する問題だ。
だが二元論的に言うならば、俺は確かに彼らを味方だと思っていた。

久「別に私たちは構わないのよ。頭を下げるなら刑事さんに下げなさい」

米本「ま、だいぶ酷い目に遭わされたけど......他が楽しかったから良しとしようかな」

古臭いバスに大量の荷物が積まれ、十一人の若者が続々と乗り込んでいく。
出口の近くに居た堂島が手で扉を閉めると同時に、初老の運転手が発車のアナウンスをかける。
後ろを振り返ると、一週間を過ごした小佐目村がみるみるうちに遠ざかっていく。そこには......


.........大きく手を振っている、俺たちの仲間が確かに見えた。

 【9日目 14:50】 〇〇市 市街地


山下「それじゃあ、俺たちはここで」

北村「大変だったけど、本当に楽しかったよ」

向坂「また会おうぜ!連絡くらいは寄越せよな!」



 【9日目 19:00】 東京駅


米本「私たちはここでお別れだね」

堂島「何かあればまた」



 【9日目 23:30】 清澄 最寄りの駅


まこ「この九日間、本当に大変だった。こうして全員無事に帰ってこれて何より」

まこ「しかし明日は学校じゃ!もうこんな時間だが、みんなよく寝て明日は元気に来るように!」

まこ「解散っ!」

パチパチパチ

京太郎「よっ!染谷部長!」

優希「日本一だじぇ!」

久「ちょっと、こんな時間に騒がないでよ」ヤレヤレ

和「ゆーき、一緒に帰りましょうか」

咲「京ちゃん、お父さんが車回してくれるらしいから乗っていきなよ」

京太郎「おう!サンキュー!」


 【9日目 23:50】 須賀家 玄関


京太郎「自分の家なのに久々だと緊張しちまうな」

京太郎「こんなに空けたのはインターハイ以来か」

京太郎(......なんとなくだけど、この言葉は明日までとっておこう)

京太郎「.........よし」スッ




そして――――


 【10日目 15:50】 清澄高校 1年B組


キーンコーンカーンコーン

ガタッ ザワザワ

誠「なあ須賀!お前なんで先週休んでたんだよ!」

誠「先生から聞いたけど、なんかすげー事件に巻き込まれたって本当か?」

京太郎「ははっ、んなわけねえだろ。ちょっと風邪ひいただけだ」

京太郎「そんじゃあ俺は部活行くわ。じゃあな!」タッタッタ

誠「......本当かねぇ」


咲「あ、京ちゃん!これから部活?」

京太郎「ああ。お前もだろ?」


和「咲さんに須賀君、こんにちは」

優希「一緒に行くじぇー」

 【10日目 16:00】 清澄高校 旧校舎 廊下


まこ「......」ソワソワ

久「.........」ソワソワ

京太郎「ちわーっす......あれ、何してるんすか?」

まこ「おお、やっと来よったか」

久「いやー......何だかね、みんな揃うまで待ってたかったのよ」アハハ

京太郎「気持ちはわかります」

優希「むむむ、本当に全員揃っているのか......?点呼しよう」

和「いや、どう見ても揃ってますよね?」

優希「細かいことはどーでもいいじぇ!番号!」

優希「一!」

まこ「二!」

久「さーん」

和「よ、四」

咲「五!」

京太郎「六!」

まこ「よしよし、全員おるな」

京太郎(やっぱり俺は最後か......とほほ)

京太郎(......ま、いいか)

俺は清澄の最後、六人の部員の六番目だ。普段は影が当たらないし、たまに忘れられたりする。
でもそれでいいんだ。目立つキャラじゃなくて、普段はみんなのサポートくらいが性に合ってる。ここ一週間が異常だったのさ。
ただみんなと一緒にいれば、「清澄麻雀部の一員」であれば十分だ。


まこ「それじゃあ開けるぞ......」ガチャッ

染谷先輩が開けた扉の先には、先々週から全く変わらない部室が広がっている。
いや、ちょっとホコリを被ってるかもしれない。今日の活動は掃除で決まりだな。
そして六人で足並みを整えて一歩、二歩と古い床を踏みしめる............


――――三歩目、誰が図ったというわけでもなく、その声は重なって聞こえた。




 『ただいま!』


 【12月中旬】 清澄高校 麻雀部室


京太郎「ロン。7700」パタッ

優希「む、やるな京太郎」

まこ「伊達に秋の新人戦で四位は獲っとらんな」

京太郎「男子と女子じゃレベルが全然違いますよ」

和「いえ、それでも凄いことだと思いますよ?」

和「少なくとも入部当初の須賀君とは見違えました」

京太郎「そ、そうか?」デヘヘヘ

咲「むぅ......」プクー

季節は少し飛んで冬。みんなとそれなりの試合が出来るようになり、非常に嬉しい須賀京太郎です。
しかし地力が伸びた分もあるとはいえ、これにはちょっとした仕掛けがあるのだ。

和「そういえば」ズズズッ

京太郎「?」ゴクッ

和「戦績を見ていて気づいたんですが、須賀君は一時期から大物手への放銃が格段に少なくなりましたね」

和「ほとんど皆無と言っても過言じゃないです」ズズッ

まこ「確かに、京太郎が倍満以上の振込するところなぞしばらく見てないな」ボリボリ

久「跳満もかなり減ったし」

優希「昔は役満にも平気で振り込んでたのになー」ムシャムシャ

咲「一時期ってどのくらい?」

和「確か九月の末くらい、ちょうど旅行の後くらいからでしょうか」

咲「.........それってもしかして」

京太郎「ま、つまりそういうことだ」グイッ

久「須賀君がオカルト持ち?世も末ね」ケラケラ

京太郎「そんなこと言わなくてもいいじゃないですか!」クワッ



「その話、面白そうじゃないか」

がちゃりと音を立てて二人の女性が入ってくる。
一人は熊倉トシ、宮守女子麻雀部の監督。そしてもう一人は永水女子三年生の薄墨初美。
薄墨さんが来ると聞いた時は少々戦慄したが、現在の彼女は大分常識に則った衣服を纏っていた。
普通のトップスに普通のボトムス、普通のコート......うん、扇情的な恰好じゃなくて何よりだ。
俺にそっちの趣味はないんだが、優希がからかってくるとうるさくてたまらない。


初美「お邪魔しますよー」

京太郎「お久しぶりです。トシ先生、薄墨さん」

初美「そうですねー......前回は皆さんが帰ってきた直後だったから、三ヶ月ぶりですか」

トシ「遅れてすまないね。なにせ街の方でこの子の服を見繕ってたから」

咲「服、ですか?」

初美「そうなんです!冬だからっていくらなんでも寒すぎですよー!」

トシ「ここは日本有数の豪雪地帯だよ?あんな服装じゃそりゃ寒いだろうね」ケラケラ

初美「雪なんて霧島じゃ年に一回降るかどうかくらいなのに......」

久(この子、どんな格好で来るつもりだったのかしら)

それから十分くらいは他愛もない話で盛り上がっていた。コクマや春の選抜のこと、薄墨さんがすぐ近くで溝に嵌まり頭まで雪に埋もれてしまったこと。
宮守ではみんな受験ムードであるということ.........三年生は大変だな。そう思いながら右を見ると、薄墨さんは対岸の火事というふうに耳を傾けていた。
ならば左は?一週間に三日は部室に居座っている竹井先輩は、やはり苦虫を噛み潰したような顔で話を聞いていた。
しばらくして、トシ先生が壁に掛けられた時計をちらりと見る。

トシ「さて。そろそろいい時間だし、本題に入ろうかね」

トシ「薄墨、例の件はどうなってるんだい?」

初美「はいはい、私の出番ですよー」

初美「あの後、警察の捜査とは別で全国各社合同の調査隊が派遣されました」

初美「うちからも神主さんと巫女さんを何人か......私と霞ちゃんも行ってきました」

初美「ほんちょーの人たち、人使いが荒いのですよー」

トシ「へぇ......でも提案したのは霧島からなんだろう?」

初美「おエライ方には色々あるらしいですけど、私にはさっぱりです」ヤレヤレ

初美「それで...........」

 回想:【10月下旬】 小佐目山 祭壇


初美「おー!これはなかなか壮観壮観」タッタッタ

霞「初美ちゃん、はしゃぐと恥ずかしいわよ?」クスクス

霞「それにしても、こういうのは小蒔ちゃんの方が得意だとは思うんだけど......」

初美「姫様をこんなヤバそうな所には連れてこられないし、仕方ないですよー」


霞「さて、どうかしら......」スッ

初美「大物は居そうですかー?」

霞「...............もう微かだけど、お一人だけ」

初美「やっぱり完全には祓いきれてないみたいですねー」


神職A「あの子たち、霧島の六女仙だっけか?」ヒソヒソ

神職B「らしい。霧島は何というか、色々と凄いな......」ヒソヒソ

巫女C「あそこまでの感受性とは......流石ですね」ヒソヒソ

神職B「それもそうなんだけどさ。何というか、ビジュアルがね」ヒソヒソ

巫女C「......確かにちょっと両極端すぎ――――」

霞「――――あら、何かご用かしら?」ニコッ

ABC「いえ、何も」


〜〜〜〜〜

初美「あの人たち、ちょっと失礼すぎますよね?!私だってまだまだこれからなんですよー......」グスン

咲「あの、薄墨さん......話がちょっと逸れすぎな気がするというか、なんというか」

初美「!......///」コホン

初美「そ、それで肝心の『オフラシサマ』についてですが」

初美「八坂の人曰く、スサノオノミコトに限りなく近いナニからしいです」

まこ「限りなく近いナニか?」

初美「『元から小佐目村の土地に土着の神様がいたところにスサノオ信仰が入ってきた。そして時代が下るごとにそれらは同格化されていき......』」

初美「『より荒々しさの強調された形で崇拝されていたのだろう』、と」

地下研究室から見つかった日誌......数ヶ月前に読んだその文章の内容を必死に思い出す。
確か、当時の楸野が化政年間に須我神社を訪れたときのことが記されていたはずだ。


 文政◯年◯月○日

  何月か手記が空いてしまったが、この間に榎田と連れ立って出雲は諏訪大明神へ参ってきた。
 壬申の儀以来、予てより行って確かめたいと思っていたので、これがようやく成就したのである。
 風土記にも書かれたる社殿の石段を昇り、巴の紋へ深く礼をして宿へ帰った後に榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。
 果たしてこの男の言うことが確かであるかということは置いておくとして、しからばこれは由々しき話ではないだろうか――――


初美「そのへんの史料も押収済みですよー」

初美「誘拐殺人の証拠なんかもあったから、警察とは一悶着あったらしいですけど」ボソッ

咲「あはは......」

和「日本の神道って一体......」

だがここで一つの疑問――――というより不安が残る。
霎伝によれば櫛を使って榎田が鎮めた後もオフラシサマは登場していたようだし、実際薄墨さんの話の中でも「祓いきれてない」という文言があった。
俺たちが終えたと思っていたことは、その実まだ終わっていなかったのだ。

京太郎「この後、小佐目村はどうなるんですか?」

初美「......これから何とかしていくしかないですねー」

初美「取り敢えずのところは神楽神社を整備して、そこを拠点に色々と研究していくらしいです」

初美「次の壬申までに.........『六十ヶ年計画』って、ほんちょーの人は言ってました」

トシ「六十ヶ年か。スターリンもびっくりだね」

優希「む?何のことだじぇ?」ヒソヒソ

和「『五カ年計画』です。世界史でやったでしょう?」ヒソヒソ

初美「まあ、私たちがおばあちゃんになるまでには解決策は見つかると思いますよー」

トシ「それは私に対する当て擦りかい?」

初美「そ、そういうつもりじゃないですよー!」アタフタ

トシ「はは、冗談だ」

初美「そうだ、もう一つ報告があるですよー」

トシ「なんだい?」

初美「楸野とかいう超超高齢者のことです」

「「「.........!!」」」

京太郎「......それで、楸野がどうしたんですか?」

初美「普通の村の人たちは普通に裁判に出られましたが、あのお爺さんはそうはいきません」

初美「そもそも戸籍がなかったですし」

初美「結局小佐目山の件と同時進行で、楸野の呪いを解く研究も進めることになったのですよー」

咲「呪いを解く?」

初美「見た感じあっちもオフラシサマ関係みたいですけど、本体以上に手こずりそうですよ......」

初美「でもまあ、いつかは成功するはずです。その時が来れば、百ウン十歳のジジイもようやくくたばるはずですよー」

初美「......いつになるかは分かりませんけど」ボソッ

京太郎「そう、ですか......」

俺は――――きっと俺以外の五人も、複雑な思いを抱いていた。
楸野は死を求めていた。それが叶えば本望だろう。だが当然それは罰を与えることにはならない。
結局、俺たち人間は『楸野』という存在を罰する術を持たなかった。

このことは、小佐目村の事件に関する唯一にして最大の蟠りとして、俺たちの心に永遠に残り続けるのだ。

トシ「さて、次は私の番だね」

先生が持参のマイ湯呑み――何故かエイスリンさんのイラストがでかでかと書かれている――に入った煎茶を飲み干す。

トシ「須賀君の『オカルト』を聞いて即座に連想される人物が一人」

トシ「私たちはまず千里山に行ってきた。そうだよね?」

京太郎「は、はい!」

 回想:【10月上旬】 千里山女子高校


雅枝「お久しぶりです、熊倉監督」

トシ「いやいや、私はもう監督じゃない。あの子たちももう引退だし」

雅枝「寂しいですか?」

トシ「......そりゃあね」

雅枝「ま、ほんならそういう話も後で落ち着いたらしましょか」

雅枝「そんで、そっちのパツキンが例の子か」

京太郎「清澄高校一年の須賀京太郎です」

雅枝「うん、ちゃんと受け応えが出来ててよろしい」

雅枝「......怜!熊倉先生と須賀君が来たで!」

怜「はーい......」ムクリ

怜「もう、ウチは受験生ですよ?勉強せなあかんのに」トコトコ

浩子(いや、ずっと清水谷先輩の膝で寝とったやん)

〜〜〜隣室〜〜〜


怜「つまり、『死ぬ未来を予知する』能力っちゅうわけですか」チュー

京太郎「そうなります。随分限定的ですけど」

怜「ほーん。お、これ美味いわ」チュー

トシ「それはよかった――――それで参考までに園城寺さんの話を訊きたくてね」

怜「なるほど......」プハッ

怜「説明が難しいけど......私のは『見る』って感じで、君んとは同じちゃうで」

京太郎「どういうことですか?」

怜「未来が――私は一巡先やけど――見えるのは確かなんやけどな」

怜「なんというか、他人事っぽいいうんですか.........未来がパッと浮かぶ。そんな感じなんですわ」

怜「須賀君は光景だけじゃなくて、暑いとか寒いとかそういうのも全部感じとったんやろ?」

京太郎「えーっと......」

人間そう簡単に『死んで』も困る。数ヶ月前の記憶をたどるが、温度感覚まであっただろうか.........

京太郎「わかんないですけど、痛かったのは確かです」

怜「せやろ?私とはやっぱりちょっと違うなぁ」チュー

〜〜〜〜〜

咲和優ま久「............」ジー

京太郎「べ、別に良いだろ!遊びじゃないんだから」

まこ「へえへえ、京太郎君は大変じゃのー」

優希「私たちを差し置いて大阪観光とは偉くなったもんだじぇ」

久「私なんて受験で大変なのに......」オヨヨヨ

京太郎「だから違うって!」

トシ「ほら、与太話はそのくらいにしな」パンパン

トシ「......それで、その後も色々と訊いて回ったよ」

トシ「宮守の子たちは当然だけど、他にも――――」

先生の口からは人名、あるいは組織の名前が次々と語られる。
そのうちのいくつかは俺にも聞き覚えがあったが、全て全国各地に散らばっている。この人、三ヶ月でどれだけ動いていたのだろうか。

初美「そういえば、霧島にも来てたって聞いたのですよー」

トシ「ああ、その時は薄墨は居なかったね。神代さんには色々と世話になったよ」

トシ「ともかくだ。そういうことを延々と続けて、私はある一つの仮説に思い至った」

咲「仮説......ですか」

トシ「ああ。須賀君のオカルトは『死ぬ未来を見る』というものではなくて......」

トシ「『死んだ瞬間、時間を巻き戻す』ものじゃないか、ってね」

京太郎「時間を、巻き戻す......」

「時間を巻き戻す」。受動的に見るか、あるいは能動的に動かすか。
しかし本質的な部分は置いておくにしても、この間にある実際的な差異はあるのだろうか。

優希「確かに凄いけど、それって何か違うのか?」

初美「確かに、結果としては予知してるのと変わらないように思えるですよー」

トシ「ああ、勿論違うよ」

トシ「未来が見えるだけだったとしても、その感覚まであったのなら当然表面上は同じだろうさ」

トシ「だが巻き戻されるまでの出来事は実際に起こったことだ」

トシ「もしも『何億回も死に続けるような出来事』に遭遇したら――――」


刹那、全員の視線が俺の方を向いた。


トシ「須賀君」

京太郎「はい」

トシ「君は普通の人間と違って、まともな死に方は出来ないよ」

トシ「気をつけなさい」

京太郎「........肝に銘じておきます」

 【元日】 清澄近くの神社


ガヤガヤ

久「うわっ、すごい人の数ね」

まこ「正月じゃしこんなもんじゃろう?」ガジガジ

優希「ぶちょー。私も一本ほしいじぇ」

まこ「『ください』、な」

和「この近辺でも一番大きな神社ですしね。人は多いですけど、その分楽しめそうです」

咲「お参りできるまでどのくらいかかるのかな」

優希「おい犬!背高いんだから教えろ!」

京太郎「へいへい。そうだなぁ......この流れだと一時間くらいか」

久「うっそー......」ゲンナリ

咲「立ってるだけで疲れちゃうよ......」

和「まあまあ。話しながら待てばすぐですよ」

〜〜〜一時間後〜〜〜


優希「あれ、神社のお参りってどうするんだったっけ?」

和「『二礼二拍手一礼』です」

まこ「二回拝んで二回拍手、それから一回拝むんじゃな」ヨシ

京太郎「あ、空いたぞ。行きましょう!」


「「「......」」」ペコッ ペコッ

「「「......」」」パンッ パンッ

「「「......」」」ペコッ


久「みんな、何をお願いした?私は金運上昇よ!」

まこ「商売繁盛」

和「学業成就です」

咲「嶺上開花」

優希「タコス千万!」

まこ「色々違うのが混じっとらんかったか......?」

咲「京ちゃんは?」

京太郎「俺?えーっと......」

京太郎「.........無病息災」

優希「つまらんやつだじょ」

久「でも須賀くんらしいわ。死ねないしね」

和「死ねないですしね」

まこ「死ねないけんの」

京太郎「ちょ、冗談にならないですからね!」

それからしばらく遊んで回り、日が傾き始めた帰り道。元日だというのに、何故か周りには誰も居なかった。
他のみんなと別れた俺と咲は田んぼの間を通る田舎道を二人きりで歩く........いや、厳密に言えば歩いているのは俺だけだ。

京太郎「今年も咲が咲らしくて安心したぜ」ハハッ

咲「笑わないでよ......」グスッ

やはりと言うべきか、咲は帰り道で派手に転んだ。おまけに草履の鼻緒も切った。
そういうわけで現在の咲は俺におんぶされる形で落ち着いているのだ。

咲「あーあ、せっかくの晴れ着だったのに汚れちゃった」

京太郎「ちょっと汚れただけだろ?破れたわけでもないし大丈夫だろ」

咲「着物の洗濯って大変なんだよ!もう、分かってないんだから」

京太郎「へいへい、俺が悪うございましたよ」

咲「......せっかく京ちゃんに見せられたのに......」

京太郎「.........別に良いさ」

咲「えっ、『別に良い』ってどういうこと?」

京太郎「おめーみたいなちんちくりんに着物なんて十年早いって話だよ」

咲「ちょっと!そんなこと言わなくたっていいじゃん!」ギャー!

京太郎「うおっ、背中で暴れるなよ!落ちるぞ!?」

京太郎「だいぶ冷えてきたな」

咲「おばさんがお雑煮作ってくれてるらしいから早く帰ろ」

京太郎「あー、そういえばそうだった。今朝は食べらなかったからな」

咲「竹井先輩が急に初日の出を見るぞー!なんて言い出すんだもんね」

京太郎「あの人には振り回されっぱなしだよなぁ」

咲「あっ!ねえねえ、丸いおもちって食べたことある?」

京太郎「うーん......そう言われると経験ないかも」

咲「最近おばあちゃんがおもちを送ってくれたんだけど、それが――――」

京太郎「――――――――?」

咲「――――!!」

咲は案外、背伸びをしようとするやつだ。
どうも周りに子供っぽいと思われるのが嫌らしく、色々と無理をするのだ。ドジなのに。
今日こうして慣れない着物を身にまとっているのも、俺たちに対する見栄っ張りの一環なのだろう。
着飾ってるよりもありのままの咲の方がよっぽど良いのに、と俺は思った。

.........一瞬、別の期待をした。思春期の男にありがちな自惚れっぽい期待だ。
それが合っているのかどうかを本人に聞くのは簡単だけど、俺はとりあえず自分の胸にしまっておこうと思う。
まあ、心配しなくてもコイツとのことはなるようになるだろうさ。さっき神様にも拝んできたし。


そんな雑談を交えて歩いているうち、愛する我が家は目前に迫っていた。
他人の家に上がる際は「お邪魔します」と挨拶するのが常識なんだろうが、長年うちに出入りしている咲についてはこの限りでないのだ。
だから玄関を開けた後、俺と咲の言葉は一致する。話の種にもならないことだけど、俺にはそれが楽しくて仕方がない。

家族がいる。友達がいる。先生がいる。仲間がいる。
和がいる。優希がいる。染谷部長と竹井先輩がいて、咲がいる。

今は、それが一番楽しい。


IF-HAPPYEND:「ただいま!」

【蛇足2:えんだー】


京太郎「なぁ、咲」

咲「ん?どうしたの?」

女性のおめかしの最中に野郎の付け入る隙は一切ないと言ってもいい。
彼女の顔に塗り重ねられている化粧品の名前をいくつ知っているかと聞かれれば、おそらく俺はゼロと答えるほかないだろう。
しかし、それをただ黙って待つには暇を持て余しすぎていた。

京太郎「龍門渕さんってお金持ちだよな」

咲「絵に描いたような大金持ちだからね」

京太郎「それで、俺は思うんだよ」

京太郎「ひょっとしたらこんなこともあり得たのかな......ってさ」

咲「......私、今すごい忙しいんだけど」

冷たくあしらわれてしまったが、俺は聞こえないふりをして十年前のあの日へ思いを馳せた。

 【2日目 13:10】 旅館・本館 食堂


和「つまり、当分は長野には帰れそうもないということですね」

久「そうなるわね」

咲「村に代々伝わる四家......ミステリーっぽくって面白いかも」

京太郎「何言ってんだお前は」

優希「よっしゃー!学校休みだじぇ!」

まこ「帰ったらその分補習じゃと思うがの」

優希「」ガーン

村の長老である楸野氏の邸宅で話を聞いてきた俺と竹井先輩は、その内容をみんなに伝えた。
優希によって半分以上盗られてしまったトンカツを口に運ぶ......うん、ツンとした刺激が絶妙にマッチしてご飯がすすむ。

咲「えー、揚げ物にからしつけるの?」

京太郎「普通つけるんじゃないのか?」

咲「私の家ではつけたことないかな」

優希「トンカツにからしなんてありえないじょ」

和「でも、肉の臭みを消す効果もありますし.......あ、私の家ではつけてます」

久「ソーセージにつけるマスタードみたいなものじゃない?」

まこ「しかしそうか......困ったのう」ボリボリ

優希「何かあるのか?」

まこ「ああ、おぬしらには秘密にしとったか。実は来週末に龍門渕との練習試合を入れとってな」

まこ「ちなみに終わった後はパーティーらしい」

和「そうだったんですか.........でも何故秘密に?」

久「優希なんてパーティーだって知ったら、一週間ずっと浮足立っちゃうでしょ?」

(((確かに......)))

優希「失敬な!そーいうことするのはこいつだけだ」ビシッ

京太郎「俺はそこまで子供じゃねーよ!」

どっと笑いが起きた。不本意にも部内で俺のおバカキャラが定着していっている気がする......
もう一人のおバカに恨めしい表情を送るが、俺の意図に気付きもせずタコ天を頬張っていた。

まこ「そういうわけで、事情を話して延期か中止ということにしたいんじゃが......うーむ」

女将「電話使う?」ヒョコッ

咲「あるんですか?」

女将「ええ、事務所に有線電話が通ってるから。使いたかったら気軽に言ってね」

まこ「そうですか。そんじゃあお言葉に甘えて.........」

 【2日目 13:20】 龍門渕邸


衣「ふんふんふ〜ん」

prrrrrr prrrrrr

衣「電話か......ハギヨシ!」

シーン

衣「ともきー!じゅんー!」

シーン

衣「盲亀浮木......みんな忙しいのか。余儀ないな」

衣「よいしょ!えい!」ピョン ピョン

衣「届いた!」ガシッ

pi

衣「もしもし、りゅーもんぶちです」

衣「清澄の次鋒か!今度部長に相成ったと聞いたが健勝か」

衣「ふむ、来週の合同練習のことで.........えっ?」

衣「.........」トボトボ

歩(あれ?......どうしたんだろう)

歩「衣様、いかがなされましたか?」

衣「......あゆむ.........」ジワッ

衣「うわーん!」ギュッ

歩「こ、衣様?!」

歩「何か嫌なことでもあったんですか?!」アタフタ

衣「今しがた電話で......清澄が......みんな土砂崩れで......」グスッ

歩「えっ、えぇっ?!」


歩「ええっと、こういうときは......」ワタワタ

智紀「どうしたの?」

歩「それが清澄のみなさんが――――」


智紀「ど、どうしよう......」

純「よう智紀、あっちの掃除終わったか?」

智紀「それが今、それどころじゃなくて――――」


純「おいおい、どうなってんだよ......」

一「純くんじゃん。どうしたの?」

純「国広君!聞いてくれよ、なんでも――――」

 【2日目 13:40】 龍門渕邸 透華の部屋


透華「........」ジーッ

透華(清澄の皆さんは旅行中でしたわね......ふふふ)

透華(今のうちに牌譜を研究して、のどっちに差をつけなければ)

バンッ!

一「失礼します!」

透華「一、騒がしいですわよ」

一「透華様、今はそれどころじゃないんだよ!」

一「清澄の人たちが旅行先で土砂崩れに巻き込まれて生き埋めになってるって!」

透華「!?」

透華「そ、そんな.........」フラッ

一「わわっ!」サッ

一「あの透華さま......しっかりして――――」

透華「――――ません――――」ボソッ

一「......?」

透華「ありえません!そんなことはありえません!」グッ

透華「のどっち、勝ち逃げなど許しませんわよ!」


透華「......ハギヨシ!」パチン


ハギヨシ「――――ここに」スッ

 【2日目 17:20】 小佐目村 旅館前


柊さんたちと親交を深めた俺と咲の旅館へ向かう帰路は、既に終盤に差し掛かっていた。

京太郎「ふぅ......午後はすごく歩いた気がする」

咲「やっぱり京ちゃん、高校に入ってから体力落ちたんじゃない?」クスクス

京太郎「そんなこと――――いや、確かにそうかもな」

京太郎「って、お前なんてそもそもほとんど運動できねえじゃんか!」

咲「私は麻雀があるので大丈夫です」

京太郎「ぐぬぬぬぬ............ん?」チラッ

その時、パラパラという何処か聞き覚えのある音が微かに俺の耳に入った。
音源はどうやらこちらへ近づいているようで――――

咲「京ちゃん!あれ!」ピッ

京太郎「.........!」

――――遥か彼方から真っ直ぐ飛んでくるヘリコプターは、明らかにここを目的地としていた。

村人A「なんだなんだ?!」

村人B「おいおい......」

村人C「おかあさーん、ヘリだー!」

村人D「しっ!黙って見てなさい!」

山里へ響き渡る不似合いなロータ―音を聞きつけた村の人々は、皆家から出て様子を伺っている。
やがて黒い機体は俺たちのいる駐車場の上空で停止し、少しずつその高度を下げていった。


北村「」ポカーン

山下「......なんじゃこりゃ」

向坂「うわっ、風すげー!」


女将「何事?!」

主人「あの、うちの駐車場......」

操縦士『こちらアルファ1、ランディングポイントに到着』

ハギヨシ「京太郎君、宮永様!ご無事ですか!」

京太郎「ハギヨシさん?!どうしてここに......」

ハギヨシ「透華お嬢様の命で救助に参りました。さあ、早く乗って!」

隊員A「ターゲット二名を確保した。双方無事!第二小隊は予定通り降下、残り四名の捜索を――――」


十分としないうちにヘリコプターは狐につままれたような顔の六人組を乗せて離陸した。
こうして俺たちは小佐目村から脱出し、奇妙な旅行は幕を閉じたのだった.........

〜〜〜〜〜

京太郎「――――って感じで、どうですかね」

一「流石にないんじゃないかな」アハハハ

純「いやいや、透華ならやりかねないぜ......おっと、終わったみたいだ」


スタイリスト「......いかがでしょうか?」

透華「パーフェクトですわ!超目立ってますわよ!」

咲「疲れたー」グデー

京太郎「だいぶ時間かかりましたね」

透華「この私が中途半端な仕上がりを許すはずがありませんもの」

咲「京ちゃん......どう?」クルッ

京太郎「完璧だよ。どこに出しても恥ずかしくない」

純「おいおい、出されるのはお前んところだぜ?」グイグイ

京太郎「わかってますよ」

ガチャッ


まこ「大変じゃ!和と照さんが暴れだしおった!」

京太郎「あちゃー......放置しすぎたか」

咲「酒癖悪いからね、あの二人」

まこ「お色直し中の余興がちっとばかし盛り上がりすぎてな」

一(どんな余興だったんだろう)

透華「丁度いいですわ。そろそろ参りましょうか」

咲「そうですね......よいしょっと」

京太郎「ほら、掴まれよ」

咲「ありがと」

純「ほー、エスコートまでバッチリじゃんか?須賀くんよぉ」

京太郎「ははっ、散々言われましたからね」

控室を出て、二人並んで係員の先導に続く。
無駄にデカい建物の通路を右に曲がり左に曲がり、いくつかの扉を通り過ぎて――――



 【12:50】 龍門渕ホテル 披露宴会場


カンッ!

>>450
隠密行動がメインの想定でした。

(必要なら大学生三人組を仲間に)

楸野の地下研究室を調べて櫛の話を突き止める

一人を櫛にする

儀式中、オフラシサマが降ろされたタイミングに乗り込んで最終決戦

最終決戦は
 仲間vs止めようとする小佐目側
 京太郎vsオフラシサマ
という構図になる予定でした。前者は普通の戦闘で、『蘇生』などが用意されていたのもそのためです。

>>451
廃村は特に考えてなかったです。
京太郎の昏睡についてはトシさんが語っている通り、最後のオフラシサマ戦で死に過ぎた事による「魂の消耗」というのが理由です。
調査しても、結局は時が経つのを待つしかないという結論に至るのではないかと思います。

以上蛇足でした。
では皆さん、良いお年を。

おつおつこれは良いお年玉
何も解決しないけどもんぷちエンドで草生えますよ

乙!これは良いお年玉。LPの回復待ちじゃ、真相が分かっても京太郎が目覚めた時の土産話と関係者の心の整理ぐらいにしかなりませんね。
上手く事が運んでも本気を出した龍門渕により誘拐殺人が発覚で、どうなろうと詰んでいたのでは。前回は運良く発覚しなかったですが、今回は龍門渕が関わらなくても、その保証は有りません。隠蔽の難易度は時代と共に格段に上がります。
三家があっさり説得に応じたのも、「これ以上続けられない。もう止めたい…でも踏ん切りが付かない」と思っていたからかも。

乙です!
トゥルーエンドすばら!!

>>514
儀式中って事は本来は人質は救出出来ない予定だったの?救出出来ない時って村人+四家VS清澄2人+大学生3人って瞬殺されない?

乙です!良いエンディングでした
質問だけど、京太郎が一番最初に見た走馬灯?みたいなのも死に戻り能力?
そして京太郎が突然死に戻りオカルトに目覚めたのってなんか理由あり?

あけおめです。


>>517
現実的に考えれば勿論その通りです。大抵の問題は札束で殴れば解決しちゃうだろうし。
ただそれを言ったらシナリオになりませんから、龍門渕はネタ要員にしかならないでしょう。

>>518
儀式中は他の者は入れない(2スレ目>>474)ため、実際の相手は楸野、椿屋、榎田、柊の四人。榎田のジジイは置物です。
ステや装備的にはキツい戦いだけど、まあ最終決戦だしいいかなーと思って......

>>519
一番最初の時間軸ではなんやかんやあって京太郎たちは村の暗部に気づかぬままで、他方儀式も失敗に終わります。結局村は土砂に押しつぶされました。
最初の走馬灯はそこで死んだ京太郎が時間を巻き戻した際に残った記憶です。つまり、本編の時間軸の京太郎は一人目ではないのです。
メタい話をすると、本来であれば壬申の儀は余所者には決して明かされない儀式です。少なくとも仲間が突如消えでもしない限り村の異常性に気付くことはないでしょう。
しかし誘拐されてから探索を始めるのではシナリオ的に間に合わないので、なるべく早い段階で彼らに捜査の動機を与える必要がありました。そのための舞台装置に過ぎません。

次に京太郎がオカルトに目覚めたきっかけですが、これはスサノオノミコトが与えたものです。
スサノオノミコトは、自身の分身とでも言うべきオフラシサマが暴走している現状に頭を悩ませていました。
そこにちょうど村へやって来た京太郎にオカルトを授け、事態を解決するようけしかけたわけです。


それから次回安価スレのご相談です。
一応以下の候補があります。

A案


――――5月中旬


【清澄高校 麻雀部室】


京太郎「サポート、ですか」

久「そゆこと」

ポンコツ咲の隠れた......というにはあまりにも衝撃的な特技が発覚し、あれよあれよという間に電撃入部を果たして早一週間が経ったある日の夕方。
下校時刻を知らせるチャイムから数分後、竹井部長の「話がある」という一言が出口へ向く俺の足を止めた。

久「知ってると思うけど、私は別にお遊びがしたいわけじゃない」

久「私がこの部活でやりたいのは『勝つ麻雀』よ。チームで大会に出て、勝ち進んで、そして.........」

京太郎「全国ですね」

久「わかってんじゃない」

久「......正直、今年も無理だろうって思ってたの」

久「優希にまこにそれから和。十分な実力を持った面子が揃ってる」

久「でも人が足りないことにはどうしようもなかった」

「須賀くんが女装でもしない限りはね」と冗談交じりに付け加えるが、それを聞いて笑えるほど気軽な雰囲気ではなかった。
やがて俺が淹れた安物の紅茶を口に含み一息置いてから、語調を強めて部長が続ける。

久「そこに咲が来てくれた!この時を二年以上ずっと待ってたのよ!」

久「私はこのチャンスを絶対に逃したくない。これを逃したら一生後悔するはずだから」

久「悪いけど、初心者の須賀くんには私達が指導できる機会は少なくなるわ」

久「こんなこと言うのは酷だって分かってる。それでも.........それでも、私はあなたに頼まなきゃならない」

部長が語る間にも、俺の意識がハンドボールに打ち込んだ中学生活をなぞる。
三年間そう悪くない成績を残せたし、最後の夏は県大会の決勝まで行った。幸運なことに俺は部内でも『結構上手い奴』という地位を維持し続けていた。
でも、そうした実績が俺たちレギュラーだけの手で作られたものだとは微塵も思ってはいない。
俺たちが結果を出すことに集中できたのは何故か?練習から用具、あらゆる雑務に至るまで、それをサポートしてくれた人たちがいたからだ。

......この人はそういう存在を欲している。なら、俺はそれに応えるべきじゃないのか。


久「お願い。私に力を貸して」

京太郎「もちろんです、部長」



『京太郎おつかい伝説(仮)』

王道(?)育成系安価スレ。雑用パワーで清澄を全国優勝に導け!

B案


「ねえねえ、おとーさん、おかーさん」

「ん?どうしたんだ?」

「どうしてふたりはずっとてをつないでるの?」

小さな娘の質問に妻はどう答えたものかと思案顔。
一方の俺は、この問いに対するたった一つの合理的な回答を持ち合わせていた。

「ふっふっふ......教えてやろうか」

京太郎「それはな、お母さんがすぐに迷子になるからだよ」

咲「もうっ、京ちゃんったら」



ピンポーン

京太郎「Zzz............お客さんか」パチッ

鳴り響いたチャイムの音に目を覚ますと、既に時刻は13時半を回っていた。朝飯はおろか昼飯まで食いそびれたか。
すぐ外には来客がいるようだが、流石にこの格好で出ていくわけにもいかない。とりあえずうがいして、上だけでも羽織って......

ピンポーン

京太郎「はいはい、今行きますよー!」

洗面台でコップに水を注ぎながらそんなことを言ってみるが、聞こえていないのか――あるいは聞こえているのに無視しているのか――チャイムは鳴り止まない。
誰だこいつ!他人の家のインターフォンを連打しやがって......近所の悪ガキと思わしき訪問者に苛々を募らせつつ、早足で玄関に向かった。

ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポンピンポンピンポン

ガチャ

京太郎「はーい!お待たせしました――――って、あれ」

照「京ちゃん、久しぶり」

京太郎「照さん!お久しぶりです」

京太郎「......げっ。淡までいやがる」

淡「この淡ちゃんが来てやってるのに『げっ』とはなんだ!キョータローのくせに!」

京太郎「アラフォーが自分のこと『淡ちゃん』なんて言ってんじゃねーよ」


 「お前が殺したんだッ!!!!」ガッ

 「違うんです、照さん!俺は......なら、どうすれば良かったっていうんですか!」

 「そんなこと知らない!お前がやった!!お前が!お前が!お前がっ!!」ドガッ

 「テル、やめてよ!!ほら落ち着いて......キョータロー、大丈夫?」

 「違うんです、照さん......俺、だって.........」

 「俺は............」

 「......キョータロー」



『京太郎「楽しい宮永一家」(仮)』

アラフォーになった京太郎たちの話。京咲だったり京照だったり京淡だったり。基本は照と淡視点。
シリアスだったり安価要素少なめだったり重要人物にオリキャラが出てきたりするけど、それでも大丈夫なら是非。

C案


――――冬のある夜 午後九時


【白糸台駅】


淡「あっ!待ってー!」ドタドタ


「ドアが閉まります。ご注意ください」

プシュー

淡「ふぅ、ギリギリセーフ」

寒い中で待ちたくなかったし、間に合ってほっとした。
普段ならたくさん人が乗ってるんだけど......私の他には誰も居なくて、ちょっと特別な気分になった。時間が遅かったからかも。

ガタン... ゴトン... ガタンゴトン

すぐに電車が動き出して、私の乗ってる最後尾の車両もホームの先端に差し掛かった。
私はボーッと窓から外を眺めてて――――外は暗かったけど、確かに見たんだ。


淡「............え?」


ホームの一番先っぽに立ってる、大きな鎧の姿を。

淡「せんぱーい!」フリフリ

照「淡?」キョトン

菫「なんだろう、凄く面倒なことになる予感がする」


菫「見つかったかー?」バサッ

照「全然ダメ......あ、しまっ――――」ガラガラガラガラドサッ

菫「はぁ......この本の山、どうしたものか」


菫「何だこれ。どうしてこんな所に?」

照「石だよ、菫」

菫「そんなの見れば分かる」


照「す、すすすすすすみれ、あれあれあれあれあれって.........」ガタガタガタガタ

淡「あわわわわわわ......」ボーゼン

菫「馬鹿ッ、とりあえず逃げるぞ!」ガシッ


『菫「白糸台の亡霊」(仮)』

菫が主人公の探偵モノ。
謎解き:ホラーが7:3くらい。多分1スレで終わる。

特に投票だとか期限があるだとかといったことはないので、
「これ良さそうだなー」というのがあったら教えていただけると嬉しいです。

やっぱり僕は王道を征く‥‥‥京太郎安価スレ、ですか
てなわけでAで

B

Bを見てみたいかな!!

aかなやっぱり

シリアスの内容が怖そうではあるけどBかな
Aもやって欲しいけど育成スレは中身とコンマと安価が多いと簡単に5,6スレ以上とかになる可能性があって中身のバランスが大変そう
昔は何十スレとかのもいくつもあったけど・・・

A

Aじゃね?知らんけど

Bは安価で咲タコ脱落の脱出の後日談ルート移行も有りそうだし、選択はAで
Aも京太郎が昏睡中か覚醒後の思い出話に出来そう。ふと思ったけど京太郎の献身に対し清澄は何も出来ていない…

京太郎視点がいいしA一択

B

A

淡ちゃん好きなんでB

aで

A

穏祖父「大帝かい穏は古いマシーンが好きだね」
穏「うん、だってグレートはおじちゃんって意味なんだって」
穏祖父「もしかしてグレートグランパの事かな…」
穏「とにかくおじちゃんのエンペラーだから私グレートエンペラーが大好き」
(お祖父ちゃん、今私は山の頂にいるよ)
淡「二位抜けなんてかっこわるいでしょ!」
菫「やめろ淡!ダブル(二輪駆動)でアタックするのは!」
セーラ「スピードがある大星の方が弾かれた!」
船「二輪では前方にトルクが足りないんです阿知賀のマシーンはアルミホイールと高ダウンフォースの大帝ですからね」
穏「よしここまでは好調あとは下り坂でリードを保って…」
こーこ「おおっとー!千里山が飛んだ!上り坂を加速して一直線にゴールへ!」
穏「清水谷さん山をこえてさらに山なりに///」
竜「これが怜が見せてくれた最短コース!」

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