男「なぁ」幼馴染「なんだい?」 (28)

男「なんでお前パソコン室に居んの?」

幼馴染「それは部活だからだよ」

男「お前部活入ってたのか。パソコン部?」

幼馴染「ノンノンノン。放送部」

男「放送部? なんで放送部?」

幼馴染「部室に使えそうな部屋が他になかったんだ。顧問の先生も高田先生だしね」

男「なるほどな」

幼馴染「うん」

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男「…放送部ってお前以外誰もいねーのか?」

幼馴染「そうだよ」

男「ふーん」

幼馴染「…君はなんでかわいそうなものを見るような目をしているのかな?」

男「さて、なんでだろうな?」

幼馴染「…まぁいいさ」

男「普段はどう言う活動をしてるんだ?」

幼馴染「はぁ…昼休みになんか流れてないかい? 放送で」

男「そーいえば流れてるな」

幼馴染「他にも色々やってるんだよ放送部は」

男「一人でか」

幼馴染「…そうだよ悪かったね」

男「別に悪いとは言ってないけどもさ」

幼馴染「それで男はなんでここに?」

男「あー、よくぞ言ってくれた。サンクス。俺高田先生に用があるんだった。今奥の部屋に居る?」

幼馴染「確かいらっしゃったと思うよ」

男「ちょっと見てくるわ」

男「おいおい居ないじゃーん」

幼馴染「ほんと? それはごめん。職員室かもしれないね」

男「俺探してくるわ」

幼馴染「行ってらっしゃい」

男「あ、幼馴染」

幼馴染「なに?」

男「俺も放送部入るわ」

幼馴染「え?」

幼馴染「と、突然だね。まぁ、そりゃ部員増えるのは嬉しいんだけれど、本当かい? 本当に本当にいいのかい? 」

男「いいよ。というか、これから三年間帰宅部ってのもなんだかなーって思ってたんだよ」

幼馴染「あまり釈然としない理由だけど、男が入部してくれるなんて嬉しいよ」

男「…あ、ああ。それに一人じゃ寂しいだろ?」

幼馴染「それは大きなお世話だよ!」

男「ごめん、ごめん。つい本音が」

幼馴染「しかも本音かよ!」

男「ツッコミ上手だな。幼馴染は」

幼馴染「それは褒められてるんだろうけども、微妙な感情だよ」

男「じゃあ、今度こそ俺行くわ。また明日な!」

幼馴染「うん、じゃあまた明日」

幼馴染「男と同じ部活か…」

しえん

高田先生とやらに寝取られる所まで安易に想像できたわ

次の日

男「失礼しやーす」

幼馴染「はいどうぞー」

男「ほれほれ。持ってきたぞ入部届け。見てみ」

幼馴染「はやっ。男早すぎないかい? 」

男「何そのセリフちょっとエロい」

幼馴染「は?」

男「…申し訳ございませんでした」

幼馴染「まぁ許してあげる。…高田先生後で来るって言ってたからその時、渡したらいいよ」

男「了解。それで今日は何してんの?」

幼馴染「あ、あんまり近くで画面を覗くな! 今日は体育があったんだ!」

男「え? 」スンスン

幼馴染「嗅ぐんじゃないよ!」バシィ

男「いててて、ごめんついつい。でもなんも臭わねえよ? 逆にいいかお

幼馴染「」バシィ

男「ごめんなさい」

幼馴染「オッホン。まぁ兎にも角にも、今日はね。滑舌の練習でもやろうかなと、ね」

男「滑舌かぁ。確かにいいね。俺の話し声聞き取りにくいって言われるし」

幼馴染「男は一際声が低いから、仕方がない部分もあるよね。でも結構特徴的でいい声だから、武器にもなるよ」

男「俺の声が武器になるのか…。一体誰ぞと闘うんだ…」

幼馴染「そうだね…君の場合は朗読部門かな…」

男「!? 冗談だったんだが!? 闘う相手とか居るのか?」

幼馴染「そりゃ居るよ。大会があるからね。全国の放送部とガチンコ対決だよ。オススメは映像部門なんだけど私たちは2人しかいないから無理だとして他の部門だね」

男「おっ、おう」

幼馴染「まっ。気張らずに頑張っていこう! 後一ヶ月ぐらいだけど」

男「うぇ?」



これ見てくれてるやついて安心したわ。筆が遅くてすまんな

先生「ういーっす」

幼馴染「あっ先生こんにちわ」

男「こんちわっす」

先生「よぉ。幼馴染に男ぉ? どうした男なんで居るんだ? 暇潰しか?それとも冷やかしかか? どっちでも帰れ帰れ」

男「いやいや、暇つぶしとか冷やかしじゃないっす。入部希望っす」

先生「? なんの入部希望だ? パソコン部か? パソコン部なんて今はもう無いぞ」

幼馴染「高田先生、男は放送部に入部を希望してるんです」

先生「え? え? え? お前…男。完全に幼馴染狙いじゃねえかよ。完全にターゲットロックオンじゃねえか。確定スカウトだよそれは」

男「ち、違いますって! 幼馴染1人だって言うし、ちょっと放送部に興味あったし、何より家帰っても暇だからっす!」

先生「わかった! よし! 帰れ!」

男「何もわかってないじゃないっすか!」

先生「はいはい。その手に持ってるもの寄越しなさい」

男「あっはい」

先生「じゃあ、私は手続きしてくるから幼馴染に男、ちゃんと部活動しておくんだよ。くれぐれもこの教室で! 不純異性行為はしないこと! わかったなあ! お前ら!」

幼馴染「しませんよ!」

男「しないのか」

幼馴染「しないよ!」

男「はぁ。やっぱ愉快な大人だなぁ。あの人は」

幼馴染「高田先生、同僚の西村先生が結婚しちゃったせいでカリカリしてるらしいよ。高田先生は独身で彼氏も居ないから」

男「まじ? 結構美人なのに彼氏いないのか。勿体ねえ」

幼馴染「…男は高田先生みたいなのがタイプなのかい?」

男「いや、そうでもないかな。出来れば同い年ぐらいの娘がいいし」

幼馴染「ふ、ふーん」

男「まぁボーイッシュ系が好きだね俺は」

幼馴染「ほうほうなるほどなるほど」

男「まっ俺の好みなんてどうでもいいだろ。さっき言ってた練習しようぜ」

幼馴染「そう、だね。ん、じゃあやろうか」

おつつ

幼馴染「ちょっと待ってね。印刷してくるから」

男「ういー」

ガッチョンガッチョン

幼馴染「はい、これ」

男「なにこれ。うん? ういろう売り? なんか古典的で難しそうだな」

幼馴染「そうだね。もともと江戸時代の歌舞伎らしいんだけど私もよくわかってないんだ」

男「へー」

幼馴染「でも、これを読むことによって滑舌の練習、発声の練習にもなるんだよ。プロのアナウンサーとか声優の人とかも暗唱出来るぐらいに練習するらしいから、かなり効果的で基礎的な文章なんだよ」

男「この文章がかぁ。俺もこれ読んだら滑舌良くなるのかなぁ」

幼馴染「大丈夫。大丈夫。一回私が読んでみるから横に読み仮名を振っていくといいよ。ネットで検索したらわかるけど、サイトによって読み仮名もバラバラなんだ。どれが正しいかわからないから私たちは一応統一しておこうね」

男「ふむふむ。おっけい」

幼馴染「じゃあ、いくよ」

幼馴染「せっしゃおやかたともうすは__

幼馴染(女とは言ってない)

男「ほえー。すご」

幼馴染「なにその感想は」

男「いや、暗唱してるし、滑舌いいし、なんか凄いとしか」

幼馴染「男は語彙力がないねぇ。もっと勉強したほうがいいよ」

男「俺は褒めんてんねん! なんで貶されてんねん!」

幼馴染「なんでこってこての関西弁なのか。まぁ、一応ありがとうって言っておくよ」

男「いやでも、幼馴染むっちゃいい声だし!本当にアナウンサーとそう言う感じのプロみもあって良かったよ!」

幼馴染「そうかい? そんなに興奮しながら言われると流石に照れるよ…」

男「それでなんだけど、この文章長くない?」

幼馴染「長いよ」

男「早口言葉みたいなのも混ざってるじゃん」

幼馴染「混ざってるね」

男「いや、無理無理無理無理」

幼馴染「大丈夫だって、最初はゆっくりでいいからさ。一回読んでみよ? 一回だけ。ほんとちょっとだけでいいから?」

男「…んー。わかった。じゃあ読むぞ」

男「せっしゃおやかたともうすは__

幼馴染「結構上手いよ! 初めてにしては上出来! しかも鼻濁音が自然に出来てるし! いいよ!」

男「そうかなぁ? むっちゃ噛んだけど…」

幼馴染「最初はみんなそんなもんだよ。あとは滑舌と腹式呼吸を身につけたら急造だけど大会に出れるクオリティになるかな」

男「えぇ? 本当に出るのか?」

幼馴染「折角だしね。一回ぐらいは出ておきたくないかい?」

男「うーん。俺なんかが出ていいのかな。自信ないし滑舌悪いし」

幼馴染「滑舌はほんとに毎日練習していたら良くなっていくんだよ。私もそんなに滑舌いい方じゃなかったし。万が一にでもこの地区予選を突破できたら全国にいけるんだから言うなればインターハイ予選みたいな? そんな感じなんだよ。私も1人で出ようと思ってたんだけど、正直心細かったんだ。だから、男が出てくれたら嬉しいなって」

男「お、おう! 出てやんよ! 任しとけ!」

先生|ドア越し(青春してんなぁ)

男「おはよ」

幼馴染「おはよう、男」

男「今日も部活はあるのか?」

幼馴染「あ、言ってなかったね。木曜日と日曜日は定休日なんだ。あと私の気分次第で休みの日もあるよ」

男「…そうなのか。まじかー。今日の放課後暇になってしまった。どうしよう」

幼馴染「なんだい。その白々しい言い方は。暇なんだったら何処か行くかい?」

男「え? まじ?」

幼馴染「まじまじ」

男「いいね何処行くか」

幼馴染「それはーまぁ。放課後までたっぷり時間あるし、決めておいてくれればいいよ」

男「おっけー、じゃまた後で」

幼馴染「はいよー」

青春しやがって
おつ

男(授業暇だな。早く放課後ならねえかな)

キーンコーンカーンコーン

男友「男。どうした一時限目から突っ伏しやがって。なんなの夜更かしでもしてたのですかそうですか」

男「いや、授業暇だなーって」

男友「なるほど、平常運転ね。まぁいいや、今日の帰りは空いてるか?」

男「わりい、予定があってな」

男友「なに!? 昨日も無理じゃったやろーが! お前まえまえ、まさか彼女できたんじゃなかろうな。出来たならさっさと紹介しろよ言っておろーに!」

男「何語だよ! クセが強すぎてなに言ってるかわからねーよ!」

男友「ふーん。そうかそうか。ならいいんだ。まだならね」

男「なに言ってんだよ」

男友「また空いてる日、教えてくれ。じゃ」

男「忙しいやつだな」

男友2「男ー早く来いサッカーやるぞー」

男「おうけい! ちょい待ち!」

男(…zzZ」

先生「はいじゃあ。授業終わり。帰りのホームルームもちゃっちゃと済ましそうか」

男「はっ! 放課後」

先生「男。もうすぐだからそんなに勢いよく立ち上がらなくていいんだぞ」



先生「……はい終わりー。解散。気をつけて帰れー」

男「あ、何処行くか決めてないわ」


男「お、きたきた」

幼馴染「お待たせ。早いねー。柴田先生の担任が良かったよ。こっちの担任は話が長くて困るってるよ」

男「柴田は効率厨だからなー。さ、行こか」

幼馴染「何処行くか決めた? 」

男「おう。まずはクレープ」

幼馴染「そういえば男は甘党だったね」

男「幼馴染は苦手…じゃなかったよな?」

幼馴染「得意中の得意! テンション上がってきた!」

男「おっしゃ!」

ちょい待ちどころじゃなかった

まつよ!

男「うまうま」

幼馴染「おいしいね」

もきゅもきゅ

男「ブルーベリーのやつも美味しそうだったんだけど、苺もやっぱうめえ」

幼馴染「あ、私もブルーベリーと迷ったんだよねー。結局男と一緒のやつにしちゃったけどね」

男「そういえばさ。幼馴染と遊ぶの結構久々じゃないか?」

幼馴染「確かに、そうだね。中学の時? かな」

男「そうそう。小学校の時は頻繁に家に行ったりしてたんだけど中学上がってからはそんなにだったもんなあ。でも未だに俺の母さんはお前のお母さんとむちゃくちゃ仲よさそうだけどな」

幼馴染「昨日も長電話してたもんね」

男「食べ終わったか?」

幼馴染「うん」

男じゃあ次は何処行くか?」

幼馴染「何処行こっか。本屋でも寄る?」

男「っあ、忘れてた。今日新刊出てるんだった」

幼馴染「じゃあよし行こうよ」


男「お前は何買うんだ?」

幼馴染「今日はね、ハンターハンター最新刊の発売日なんだ」

男「あー! そういえばお前もハンターハンター好きだったな。グリードアイランド編を熱く語り合った思い出だぜ」

幼馴染「懐かしい。よくそんなの思い出せたね」

男「久々に読みたいな。古本屋でも後で行ってこようかな」

幼馴染「私の家に全巻置いてあるけど本屋寄った後来る?」

男「…あー。そういえばお前の家、漫画すっげえ置いてあったな。でもいいのか?」

幼馴染「いいよいいよ。男だし大丈夫だよ」

男「…そっか。おっけ。じゃあそうしようか」

青春だな
おつ

幼馴染「ただいまー」

男「お邪魔しまーす」

幼馴染「あれ? ママ仕事かも。居ないや」

男「え? 本当にお邪魔していいのか?」

幼馴染「いいよいいよ。荷物置いてくるから男は手洗っといて。場所は覚えてる?」

男「お、おう」

男(なんか緊張するな)

幼馴染「お待たせー。男ーこっちこっち」

男「ほーい」

男「なつかしー。漫画部屋だ。相変わらず凄え!」

幼馴染「ほんとに呆れるぐらいにあるよね。えーとこれだね。1巻からでいい?」

男「おー。あざすあざす」

幼馴染「適当に座っていいよ。ソファーでもなんでも。何か飲み物持ってくるよ」

男「何から何までありがとうな」

幼馴染「ふふふ。気にしないで」

酔ったままだったから#と@ミスったわ
やってしまった。遅筆ですまん


幼馴染「はい、お茶」

男「んーありがと」

幼馴染「私も読もっと」

1時間後

幼馴染母「ただいまー」

幼馴染「あ、ママだ。おかえりー」

男「あ、お久しぶりです。お邪魔してますー」

幼馴染母「あらあらあらあら! 男くん! 大っきくなったねえ! ほんと久しぶりねえ! 幼馴染と仲良くしてあげてね! ほんと、うちの子は小さい頃から男くんのこ

幼馴染「ママ! ちょっと向こうでお話ししようね?」

幼馴染母「あらあらあらあら、男くんそれじゃあまた後で」

男「は、はい」

男(昔から変わらないな幼馴染の母さん…)

幼馴染「あ、男」

男「おかえり」

幼馴染「ただいま。ママが男も一緒に晩御飯食べて行きなよって言ってるんだけどどうする?」

男「え!? いや流石にそれはわるいよ」

幼馴染「いや、なんかもう男のお母さんにも電話しちゃってて」

男「えぇ…。お、おっけー。わかった。ご馳走になっていくよ」

幼馴染「ごめんね。うちのママが」

男「いいよいいよ。幼馴染の母さんのご飯久しぶりだしね。美味しかった思い出」

幼馴染「えー。流石に覚えてないんじゃない?」

男「いや、お前の家に泊まりに来た時に、ハンバーグを食べて美味かったんだなこれが」

幼馴染「そんな小学生の記憶覚えているだなんて、男は脳の無駄に使ってるキャパシティを勉強に回したらどれだけ賢くなるのかな」

男「それは無理だ」

幼馴染「即答は流石に笑っちゃうよははは」

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