佐久間まゆ「ヒダリノテクビ」 (11)

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まゆ(私の左の手首には大きな目立つ疵跡がある)


まゆ(普段は手首を常に何かで覆っているので、見えることはない)


まゆ(手袋や、手首に巻いたリボンを外すとそれはあらわになる)


まゆ(おそらくは一生消えないであろう疵)



まゆ(これは……私がかつて、世界の全てを滅ぼそうとしたときにできた疵跡の話)

まゆ(佐久間まゆという女の子には、大きく3つの特徴があった)

まゆ(1つ目は、佐久間まゆはとても可愛らしい女の子であったということ)

まゆ(事実、私はモデルとして活動をしていた)

まゆ(少なくとも平均よりは上位の容姿を持っている女の子だったのでした)


まゆ(……そして、特徴2つ目)

まゆ(佐久間まゆという人間は、自分が譲りたくないことは“絶対に”譲らない人間だった)

まゆ(頑なに自分の最も求める事柄を絶対に諦めない)

まゆ(その2つが合わさったとき、なにが起こるのかというと……)



まゆ(佐久間まゆは、女に一番嫌われるタイプの女だった)

まゆ「おはようございます♪」

まゆ(教室に入り、笑顔で挨拶をする)


クラスメイト「……」


まゆ(朝の挨拶の声に反応して、みんな一度視線をこちら向ける)


クラスメイト「……」


まゆ(そして、何も見なかったかのように視線を戻す)

まゆ(彼女らは特に私になにかをしてくる事は無い)

まゆ(ただただ徹底的に、ひたすらに、彼女らは私と関わりたがらない)

まゆ(これが、私が築き上げた私の周囲の人間関係)


まゆ(佐久間まゆの特徴3つ目)


まゆ(佐久間まゆという存在は、誰からも必要とされていない存在でした)

まゆ(存在しない存在。必要ない存在)

まゆ(それがまゆでした)

まゆ(そして、それは学校だけでなく、職場や家でも同じです)


まゆ(モデルとして仕事はしていたけれど……圧倒的な人気があるわけでもなく)

まゆ(そこそこ人気はあれど、すぐに換えがきく。そんな程度)

まゆ(誰か他のモデルさんの代役なんてよくあることでしたし、逆にまゆの代役を誰かがやる時もあったり)

まゆ(モデルの仕事はマネキンである。それをわかっていても、虚しい思いは拭えません)


まゆ(別に、私じゃなくてもいい)


まゆ(まゆである必要のない仕事)


まゆ(それがモデルとしての私でした)

まゆ(そして、それは……家でも、同じ……)



まゆ「ただいま帰りました」

まゆ(毎日寄り道をせず、まっすぐ家に帰ります)

まゆ(お仕事の時も、学校からの帰宅でも)


父「ん……」


まゆ(父はこちらを見ようともしませんでした)

中断

面白そう。今後に期待

やはりリスカしてたか

ヒダリノチクビ?

期待しかない

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