的場梨沙「今日だけクラスメイトにしてあげる!」 (11)

梨沙「じゃーん! どう? この前の学園ドラマ撮影でもらった写真!」

心「どれどれー? おぉ~、かわいいじゃん♪ イケてるイケてる☆」

梨沙「でしょでしょ! 学ラン+サラシのユッコに負けないように、個性タップリに仕上げたから!」

飛鳥「制服姿の梨沙は新鮮だね。これは小学校の?」

梨沙「ううん、こっちは高校生のギャルに着せてもらった設定の方。初等部の制服はこっちの写真」

心「ほう、これは……一部のファンに大ウケしそうなデザインって感じ」

飛鳥「一昔前のアニメでよく見た制服だね。中流以上の家庭の小学生なイメージがよく出ている」

梨沙「ロリコン大喜びのデザインよね! またキモいヘンタイのファンが増えちゃうわ!」

梨沙「プロデューサーがこの服持ってきたときは文句言ってやったの」

心「でもその割にはノリノリで撮られてるように見えるけど」

梨沙「仕事は仕事でちゃんとやるのがオトナのレディーよ!」

飛鳥「偉いね、梨沙は」

梨沙「まあ、撮られてるうちにだんだんいい気分になってきたし? プロデューサーが似合う似合うってべた褒めするもんだから、アタシもなんだかんだこういう制服も悪くないかなーって思うようになってたっていうのもあるけど」

心「かわいいね、梨沙ちゃんは♪」

飛鳥「普通に気に入っていたんじゃないか」

梨沙「アタシって何着ても似合っちゃうからしょうがないわね♪」

心「じゃあ、はぁとメイドのスウィーティーな服も」

梨沙「それは着ない」

心「ぶーぶー☆」

飛鳥「ボクも着ないからな」

心「せめて聞くところまではやらせてくれない?」






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飛鳥「こっちの女子高生スタイルの制服の話に戻るけど。なかなかアレンジの効いた着こなしだね」

梨沙「でしょー? アイツも好きなようにやっていいよって言ってくれたから、こだわりにこだわり抜いたわ!」

飛鳥「スカートの丈、制服にしてはかなり際どいラインまで攻めているな……あくまでドラマだから、当然見映え重視で問題ないわけだけど」

梨沙「本当の高校だとダメなの?」

心「んー、高校によっては指導されちゃうかもねー。はぁとの友達も、先生に注意されたりしてたし?」

飛鳥「心さんは注意されなかったのかい」

心「はぁとはスカート長めにしてたからオッケー☆」

梨沙「スケバン?」

心「そこまで長くしてないわ☆」

梨沙「え、でもプロデューサーがこの前『似合いそう』って言ってたわよ?」

心「………」スッスッ


Prrrrr


心「あ、もしもしプロデューサー? 放課後校舎裏な☆」

梨沙「スケバンだ……」

飛鳥「放課後はいつで校舎裏はどこなんだ」


ヴー、ヴー


飛鳥「ん? Pからライン……」


『この辺で校舎裏ってどこのことだと思う?』


飛鳥「……あぁ。やはりボクとキミは共鳴しているね」フッ




P「た、ただいま戻りましたー……」

飛鳥「おかえり」

梨沙「なにビクビクしてるの?」

P「いや……心さんは? いないのか」

飛鳥「あぁ、彼女なら」


心「お前の後ろだあああああああ!!」ダキツキッ

P「うおあああああああ!!??」

心「はーいドッキリ成功☆ 気分爽快仕返し完了☆」

P「し、心さんっ!? あの、当たってますって!」

心「何が?」

P「む、胸が」

心「………」

心「あてててんのよ☆」

飛鳥「『て』がひとつ多くなかったか」

梨沙「顔赤いし照れてるんでしょ」

心「外野ー? うるさいぞー?」

P「俺の方が顔赤いから大丈夫だと思います」

心「そのフォローも意味不明だぞー?」

P「せっかく助け舟を出したのに」

心「泥船の助けを借りても沈むだけじゃんかー」

P「泥船とは失礼な」

心「だいたいプロデューサーがスケバンが似合いそうとか言うのが悪いの! ヨーヨーぶつけるぞ☆」


梨沙「こういうのなんて言うんだっけ? 犬も歩けば棒に当たる?」

飛鳥「………ひょっとして、夫婦喧嘩は犬も食わない、か?」

梨沙「あ、それそれ! それ言いたかった!」

飛鳥「我ながら正解したことに驚いているよ」



心「あーあ、はぁともJKに戻りたいなー♪ 今がイヤってわけじゃないけど、懐かしい~」

心「プロデューサーもわかるでしょ? この気持ち」

P「そうですね。この前久しぶりに学生気分を味わえましたけど、やっぱりいいものです」

心「え、なにそれ?」

梨沙「あー、あれでしょ? アタシが撮影の間だけ、プロデューサーをクラスメイトにしてあげたヤツ」

飛鳥「そんなことをしていたのか」

P「結構楽しかったな。いつもと違う関係っていうのも」

心「どんな感じでイチャイチャしてたの?」

梨沙「別にイチャイチャはしてないわよ! 普通のクラスメイトをやっただけ!」

心「じゃあ再現VTRをどうぞ!」

梨沙「えー? しょうがないわねぇ……」

~的場梨沙とクラスメイトの場合~


P「あれ? おかしいな……」

梨沙「P? アンタもしかして、また教科書忘れたの?」

P「あはは……まあ、そういう日もあるよ」

梨沙「しょうがないわねー。ほら、見せてあげるから席くっつけて」

P「ありがとう。さすが家も席も隣の仲だ」

梨沙「あんまり甘えてんじゃないわよー」

P「わかってるよ。今度梨沙がなんか忘れたら貸してやるから」

梨沙「残念。アタシは優等生だから忘れ物なんてしませーん♪ この通り、教科書もノートもばっちり……」

梨沙「……ノート、最後のページまで使ってるの忘れてた」

P「俺、まだ使ってないノート1冊あるよ」

梨沙「………」

P「どうしようかなー。貸してやるつもりだったけど、的場さんは優等生だから忘れ物なんてしないはずだしなー。きっとなんかの間違いなんだろうなー」

梨沙「………給食のからあげひとつ」

P「今日は青りんごゼリーが出る日だったなぁ」

梨沙「なっ!? だ、ダメよダメ! あれアタシ好きなんだから!」

P「そうか、ならこの話はなかったことに」

梨沙「ぐぬぬ……き、汚いわよ! ヘンタイPっ!」

P「なっ、ヘンタイではないだろ!」

梨沙「ヘンタイだもん! アタシをからかう表情がキモいもん!」

P「キモくない!」

梨沙「キモい! いじわる!」


先生「おいそこのバカップル☆ 授業中にいちゃつくのもほどほどにな☆」

梨沙・P「はーい……」

梨沙「って、誰がバカップルよ! アタシはパパ一筋だし!」

P「俺だってこんな生意気なヤツ!」

先生「はいはい、それ以上は独り身の先生の心に響くからやめましょうね~」

P「はあ、先生に遅れた宿題出してたら時間かかっちゃったな……」

P「もうみんな帰っちゃってるか……あれ?」


梨沙「………」


P「梨沙?」

梨沙「やっと来た。アンタ、遅すぎ」

P「いや、ごめん……じゃなくて。待っててくれたの?」

梨沙「べつに! 友達と話してたらこんな時間になっただけ!」

P「この教室、誰もいないけど」

梨沙「さっきまでいたの! ほら、わかったらさっさと帰るわよ」

P「う、うん……俺も早く帰りたいし、それはいいけど」

梨沙「あと、今日アンタの家遊びに行くから」

P「ええっ! いきなり!?」

梨沙「なによ、今さら気にするような仲でもないでしょ?」

P「いや、部屋散らかってるから」

梨沙「またぁ? アンタホントに整理整頓が下手よね。じゃあ掃除したげるから、行くわよ」

P「結局行くのは確定なんだ……」

梨沙「そうよ、確定♪ ほら、行きましょ!」ニコッ

P「……わかったよ」ハハ

梨沙「えっちな本とかあったら絶対見つけてやるんだから」ニヤニヤ

P「ないよ!」

梨沙「――みたいな感じだったわね」

P「小学生に合わせた演技、意外と楽しかったなぁ」

飛鳥「思った以上にいちゃついていたしノリノリだったね……」

心「ほんとにな♪」

梨沙「ていうかハートさんはなんでさらっと先生役で乱入してるのよ」

心「だって混ざりたいじゃんかー☆ ていうかまだやり足りないし、続きやろうよ♪ ね、梨沙ちゃん!」

梨沙「えー? ダメダメ、もう終わり!」

心「えー!?」

飛鳥「かなり楽しんでいるように見えたけど、続けたくはないのかい」

梨沙「そ! こういうのはたまにちょっとだけやるから楽しいのよ」

P「なんだか大人な意見だな……」

梨沙「もしかして、プロデューサーもがっかりしてる?」

P「ちょっとだけ」

梨沙「はあ……まったく。オトナなのにオトナっぽくない人ばっかりなんだから。がっかりする必要なんてないじゃない」

P「え?」

梨沙「だって。クラスメイトじゃなくたって、アンタはいつでもアタシのプロデューサーなんだから!」

梨沙「アタシは、プロデューサーのアンタが一番す……一番いいと思ってるから! それで満足でしょ♪」

P「梨沙………」

梨沙「わわ、ちょっと本気でうれしそうな顔してる! 感動で泣き出したりしないでよ?」

P「しないしない。でも、ありがとう」

梨沙「……べつに、思ってることを言っただけだし」

P「それでもだよ」

梨沙「……ほんと、プロデューサーってチョロいんだから♪」ニコ





心「………」

心「今のセリフどっかでパクろうかな……」

飛鳥「プライドというものはないのかい」

心「プライドだけじゃ勝てないのが女の戦いなの……!」

飛鳥(そもそも使えるシチュエーションがえらく限定的に過ぎると思うんだけど……)



おしまい

おまけ  飛鳥とPがクラスメイトの場合



校門前


P「………」

飛鳥「すまない、待たせてしまったね」

P「大丈夫。それより、何かあったのか?」

飛鳥「少し、クラスの女子達に捕まっていてね」

P「相変わらずモテモテだな……羨ましいよ」

飛鳥「女子が女子と仲良くなりやすいのは普通だろう」

P「いや、お前の場合はちょっと傾向が違うだろ……ああいうのはモテてるって言うんだよ。はあ、俺も女子との出会いがほしい……でもどうせ俺なんかじゃ」

飛鳥「P。あまり自分の価値を卑下するのはよくない。キミの価値を認めている人間だっているんだ」

P「けど」

飛鳥「お望みとあらば、語ってあげてもいいんだよ。キミの評価すべきところを。どうする?」

P「……いや、大丈夫。多分俺が照れるから」

飛鳥「ふふ、そうか」

P「帰ろうか」

飛鳥「あぁ。けど、その前にもうひとつ」

P「ん?」

飛鳥「ボクだって、生物学上は女子なんだぞ」

飛鳥「そして、妬みだってする」

P「………」

P「……わかってるよ、もちろん。美少女だって」

飛鳥「び、美をつけろとは言っていないだろう」

P「照れた?」

飛鳥「……キミというヤツは、まったく」

P「ごめんごめん。飛鳥の行きたいところに寄り道するから、許してくれ」

飛鳥「……本屋とゲームセンター」

P「またカーレースか? 今日も俺の勝ちだぞ」

飛鳥「勝負は時の運。やってみなければ何も理解らないさ」




飛鳥「………」

P「結局俺の全勝だったな」

飛鳥「次は、勝つ」

P「何度だって対戦してやろう」

飛鳥「寛容なチャンピオンで助かるよ。しかし、盛り上がっている間に外も暗くなってしまったね」

P「本当だな。帰ったら母さんに怒られるかも」

飛鳥「ボクは、キミとこうして、夜の道を歩くのが好きだ。周りが暗いぶん、キミの存在をより鮮明に感じられるような気がする」

P「飛鳥がそう言うなら、母さんに怒られてもお釣りがくるな」

飛鳥「光栄だね」

P「こうして歩いていると、この辺の建物も昔と結構変わってきてるな……あそこにあったラーメン屋もいつの間にか潰れちゃったし」

飛鳥「時が流れ、この街は変わっていく。いや、街だけじゃない。ボクもキミも、変わっていく。今は隣同士の住む場所も、いずれは変わっていく」

P「いつかは大人になるもんな」

飛鳥「あぁ。けれど……キミとボクとのこの関係、この時間だけは、変わらないでほしいな」

P「飛鳥………」

飛鳥「たとえセカイが暗闇に覆われようとも。キミは、ボクを見失わないでくれよ?」

P「………当たり前だ」

P「俺が見つけたダイヤの原石。トップアイドルになるその日まで、見失ったりは絶対にしないよ」

飛鳥「ば、馬鹿。演技中にリアルの設定を持ち出してどうするんだ」

P「あ、ごめん。つい感情が入りすぎて……とにかく、大事に思っているってことは本当だから」

飛鳥「そこを確認したいわけではなくて……」


心「はーいカットカットー☆ それ以上のリアルいちゃつきはこっちの胸が焼けちゃうぞ☆」

梨沙「ていうか、家が隣っていう設定真似したでしょ! べつにいいけどさ」

心「やっぱりはぁともやる! 年齢的にキツイとか知らない! はぁともプロデューサーと甘酸っぱいいちゃいちゃラブラブやりたーい☆」

飛鳥「現在進行形で割と甘酸っぱいラブコメをしていると思うけど」

心「………」

梨沙「顔赤いわよ」

心「う、うっさいぞ☆」

心「……ほんとにできてると思う?」

P「俺を見ながら素で真面目に聞かないでくださいよ……」

飛鳥「そう、こういうところがまさにそうだ」

梨沙「今の流れ、パパとのラブラブ計画に使わせてもらおうっと……」

飛鳥「だから、使える場面が限定的すぎる……!」



おまけおわり

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
梨沙のSRの制服すごいかわいいですね

シリーズ前作:佐藤心「もうすぐ32歳か……」

その他過去作
北沢志保「プロデューサーさんって、チョロいんですね」
関裕美「だめ、全部食べて」

などもよろしくお願いします



おまけが本編ですな

そういえばしーぶいさんって、大昔に佐藤がPの高校の姐さん的センパイで、最終的に両想いでハッピーエンドな話を書いてましたね

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