【ガルパン】こんにちは、赤ちゃん (60)
~お昼休み・戦車倉庫
沙織「えーっ、みぽりんのお母さんって、まだ30代なの!?」
優花里「随分お若いとは思っていましたが……」
みほ「お母さんが私を産んだのは、お母さんがまだ二十歳になったばかりの頃だったんだぁ」
沙織「ひぇぇ~……、えっ、ていうかじゃあ、お姉さんを産んだときはまだ……未成年!?」
みほ「うん」
沙織「ひゃああぁぁぁ……」
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優花里「すごいですよねぇ」
沙織「だけど私達だってもう17歳だよ、あと2、3年で私に赤ちゃんができちゃうだなんて……はぁ~想像できないよ……」
麻子「まったくだ」
沙織「……今、なんかバカにされた気がする」
麻子「ひねくれすぎだ」
優花里「お家の事情、というやつですかねぇ」
華「わたくしの母も、みほさんのお母様ほどではありませんが、比較的早かったですね」
優花里「五十鈴殿のお母さんもたしかにお若いです」
麻子「跡継ぎ問題、か」
優花里「ですねぇ」
沙織「え……じゃあ、みぽりんも!? みぽりんもあと何年かしたら赤ちゃん産むの!?」
みほ「ふぇぇ!? わ、私!?」
沙織「やだもー、なんかショック!」
みほ「わ、わたしはまだそんなこと考えたこともないよ……。でもそういえば……将来の結婚について、そういう事もちゃんと考えておけって、13歳の頃に一度お母さんに言われたような……」
沙織「13ってまだ子供だよぉ!? まさかみぽりん、実は熊本に彼氏がいたりするの!?」
みほ「い、いないよっ! お友達だって、あんまりいなかったのに」
優花里「そ、そんな悲しい事いわないでくださいよぅ……」
華「わたくしも、子どもの事については良く考えておくようにと、お母様からたびたび言われていますね」
沙織「ひゃぁぁぁ……華まで……」
麻子「……私もできれば、なるべく早めに子供はほしい」
沙織「麻子!?」
麻子「おばあに、ひ孫を抱かせてやりたい……ずっと私達二人だけの家族だったからな」
沙織「……あ……」
みほ「麻子さん……」
麻子「おばあには言わないでほしい。なんか……恥ずかしい」
沙織「……んふふ、こっそり伝えちゃおっかな。おばあ、絶対に喜ぶと思うけど」
麻子「やめろ、ほんとにっ」
沙織「はいはい」
沙織「だけど、はぁ~、皆もう、子どものこととかちゃんと考えてるんだ……」
みほ「わ、私はべつに……」
沙織「うー……ゆかりん!」
優花里「はい?」
沙織「大学に入ったらいっしょに合コンしよ!」
優花里「え、えぇ? 私はそういうのはあんまり……」
沙織「そんな事いったら私達だけ行き遅れちゃうもん!」
優花里「今からそんな心配をしなくったって……。まぁでも西住殿も一緒に来てくれるなら」
みほ「わ、私!?」
沙織「あ、みぽりんは来ちゃダメーっ」
みほ「え、え……ど、どうして……? て……誘われても、私もそういうのは苦手だけど……」
沙織「みぽりんみたいなタイプは絶対に男の子にモテモテだもん! みぽりんが一緒じゃあ男の子ぜーんぶとられちゃうもん!」
みほ「ふぇぇぇぇぇぇ……?」
~放課後・学園廊下
てく、てく、てく
みほ(赤ちゃん、かぁ。)
みほ(そんなの早すぎるよ。まだ高校生なのに……)
みほ(だけど、お母さんは19歳の時にはもうお姉ちゃんを……)
みほ「……。……うーん……」
杏「西住ちゃーん」
みほ「あ、会長」
杏「会長じゃなくて元会長、でしょ?」
みほ「あ、えへへ、そうでした」
杏「んで、難しい顔してどしたのさ。考えゴトー?」
期待
みほ「え、ええと……」
杏「なになに、おねーさんに話てみなよ」
みほ「う、うーん」
杏
「……。あのさ、西住ちゃん」
みほ「は、はい?」
杏「私はね、西住ちゃんの言うことなら、みんながびっくりしちゃうくらい、何だって聞いちゃうんだからね?」
みほ「……先輩……」
杏子「お、『先輩』かぁ、にひひ、なんだかむずがゆいなぁ」
みほ「じゃ、じゃあ、思い切って、聞いていいですか」
杏「どんとこい」
みほ「か、角谷先輩は……赤ちゃん、ほしいですかっ」
杏「へ」
みほ「角谷先輩はすごくしっかりしてるし、結婚とか将来の事とか……もう、考えてるんですか……?」
杏「……。」
みほ「……? あの……」
杏「ん……それってつまり、西住ちゃんが私のお嫁さんになってくれるってこと?」
みほ「へぇぁ!?」
杏「──なんてね、あっはっは、冗談冗談」
みほ「もう……」
杏「まーけど、なんでも聞くって言っちゃたしなぁ……西住ちゃんがどうしてもっていうのなら、無碍には断れないかなぁ~」
みほ「い、言ってません!」
杏「ひどいなぁー私となんかじゃ嫌かぁ」
みほ「そ、そうじゃなくて……もう、会長!」
杏「にひひぃ~……けど、西住ちゃんはさすがだねぇ」
みほ「何がですか……?」
杏「こうも予想外の事を聞かれるとはねぇ。一瞬ぽかぁんとしちゃったよ。悔しいなぁ」
みほ「は、はぁ、ごめんなさい……」
杏「けど、そうだねぇ、子供かぁ」
みほ「……。」
杏「……河島みたいな男の子を、産んでみたい、かな?」
みほ「へ……? お、男の子……」
杏「そそ、バカで視野も狭くて困っちゃうけど──ま、バカな子ほどかわいいっていうじゃん? そういう子を、私の手で立派に育ててあげたいねぇ、んふふ」
みほ「……。」
杏「あ、でもなぁ、身長の高い子に産んであげたいんだよねぇ。だから背が高い旦那さんがいいんだけど……私みたいなのをお嫁にしてくれるロリコンのイケメンは、なかなかいないかなぁ?」
みほ「……そ、そんな事ないです!」
杏「ん?」
みほ「会長は素敵な人です! 絶対、背が高くて恰好よくて素敵な男の人と出会えます!」
杏「……、ありがと、西住ちゃん。……はぁー、かゆいかゆい! キャラじゃないことを言うもんじゃないなぁ! じゃあね、もう帰る! おーはずかしい」
みほ「あ」
杏「今の話は西住ちゃんだからこそ伝えたんだからね、他の誰にも言っちゃダメだよー?」
みほ「も、もちろん、分かってます!」
杏「じゃ、ばいばーい」
みほ「あ、ありがとうございましたっ……」
そうか…この子等全員、跡継ぎ跡継ぎって産む子=女子って前提だから男の子が生まれる事とか全く考えてないのか
~校舎入り口、下駄箱
みほ(──あ、紗希ちゃんだ。一人かな……?)
紗希「……。」
みほ「紗希ちゃーん」
紗希「……?」
みほ「一緒に帰らない?」
紗希「……。」
紗希「……。」コクコク
みほ「よかったぁ!」
みほ(ふふふ、紗希ちゃんって、お人形さんみたいで可愛い……)
みほ(一緒にいると、なんだか落ち着くなぁ……)
みほ(……紗希ちゃんみたいな子だったら、私も赤ちゃんほしいかも……?)
みほ(……紗希ちゃんみたいな……)
みほ(……。)
みほ「……ねぇ、紗希ちゃん?」
紗希「…………?」
みほ「紗希ちゃんは……自分の赤ちゃんとか、子供とか……ほしい?」
紗希「……。」
紗希「……あか、ちゃん……?」
みほ(わ)
みほ(紗希ちゃんが喋った……うれし~……)
みほ(……紗希ちゃんみたいな子だったら、私も赤ちゃんほしいかも……?)
みほ(……紗希ちゃんみたいな……)
みほ(……。)
みほ「……ねぇ、紗希ちゃん?」
紗希「…………?」
みほ「紗希ちゃんは……自分の赤ちゃんとか、子供とか……ほしい?」
紗希「……。」
紗希「……あか、ちゃん……?」
みほ(わ)
みほ(紗希ちゃんが喋った……やったぁ、うれし~……)
>>12
河島→河嶋
ミスばっかりやでホンマにコレ
みほ(紗希ちゃんが考えてる……)
紗希「………………。」
みほ(はぁ~、紗希ちゃんてほんと大人しくて可愛い子だなぁ)
みほ(……。)
ムズムズ
みほ(イジワルしたくなっちゃう。お姉ちゃんて、こんな感じなのかなぁ)
みほ「ねぇ、紗希ちゃん」
紗希「?」
みほ「どうやったら赤ちゃんができるかは、紗希ちゃん知ってる?」
紗希「……。」
みほ(うふふ、紗希ちゃん、照れちゃうかな? うふふ、ごめんね紗希ちゃん)
紗希「……。」チョンチョン
みほ「? え、耳を貸して、って? う、うん、何……?」
紗希「……、」ゴニョゴニョ
みほ「………………。」
みほ「……!?」
みほ「さ、紗希ちゃん……、す、すごく詳しいんだね……」
紗希「……」///
みほ「す、すごいんだね紗希ちゃん……」
紗希「 /// 」
紗希「……。」ゴニョゴニョ
みほ「こ、今度は何? ……え?」
みほ(『お父さんが教えてくれた。紗希には守ってくれるお母さんがいないから、自分自身でこういう事をしっかり理解しておかなくちゃいけない、って言われた)』)
みほ(……!)
みほ「さ……紗希ちゃんっ」ギュウウウ
紗希「っ、……?」
みほ「ごめんね、ごめんね……!」
紗希「……??」
???「わ……二人で何してるんですか?」
みほ「え?」
桂里奈「はっ、もしかして、あいびき?」
みほ「あ、桂里奈ちゃ──」
紗希「──」コショコショ
みほ(『桂里奈みたいな子どもがほしい』)
みほ「──!!?」
みほ「さ、紗希ちゃん……?」
紗希「……。」///
桂里奈「紗希が顔を赤くしてる! 絶対あいびきだ……」
みほ「か、桂里奈ちゃん違うよ?」
紗希「……。」///
紗希「……桂里奈も、一緒にかえろ」
桂里奈「あ、うん、帰ろ帰ろー」
てく、てく、てく、
みほ「……。」
桂里奈「ペラペラペラペラ」
紗希「……」フフフ
みほ(ほぁぁぁ……、紗希ちゃんってば、完全に子どもを見守るお母さんの顔になってるよぉ……)
みほ(紗希ちゃんって、絶対良いお母さんになっちゃうよ……)
みほ(優しくて素敵な男の人が、紗希ちゃんをお嫁さんにしてくれますように……)
~マンションまでの帰り道
みほ(ふふ、紗希ちゃんと桂利奈ちゃん、仲良く一緒に手をふってた……可愛いなぁ……)
??「──おいお前、そこのお前、ちょっと」
みほ「……ふぇ?」
**「──おい貴様バカじゃないのか、もっと丁寧に声をかけろ! ったく、受験組は作法も知らんのか」
??「ああ!? お前がちゃんと学園の位置を調べておかないからだろうが!!」
**「うるさい貴様が方向音痴なのが悪いんだ!!」
??「迷ってるのはお前も同じだっ!!」
みほ「あ、あのぅ?」
??「む」
**「ほらみろ貴様が騒ぐから怪しまれる」
??「はああああ!?」
みほ「……。あ、の、うっ!」
~マンションまでの帰り道
みほ(ふふ、紗希ちゃんと桂利奈ちゃん、仲良く一緒に手をふってた……可愛いなぁ……)
??「──おいお前、そこのお前、ちょっと」
みほ「……ふぇ?」
**「──おい貴様バカじゃないのか、もっと丁寧に声をかけろ! ったく、受験組は作法も知らんのか」
??「ああ!? お前がちゃんと学園の位置を調べておかないからだろうが!!」
**「うるさい貴様が方向音痴なのが悪いんだ!!」
??「迷ってるのはお前も同じだっ!!」
みほ「あ、あのぅ?」
??「む」
**「ほらみろ貴様が騒ぐから怪しまれる」
??「はああああ!?」
みほ「……。あ、の、うっ!」
>>26
すいません、また連投やんけ
?? & **「……。」
みほ「……あの、BC自由学園の人、ですよね?」
安藤「!?」
押田「!?」
安藤「な──おい、なぜばれたんだ!? 大洗女子の制服を着ているのに……」
押田「知るもんか! ……ん、いや待て、この子の顔、見覚えが……」
押田「……。」
押田「……あ!?」
安藤「?」
押田「この──大馬鹿ものぉ!!」ボコッ
安藤「痛っ、何しやがる!」
押田(この生徒、大洗の戦車道チームのメンバーだぞ!!)
安藤(ヘ!?)
押田(よりによってなんて相手に声をかけるんだ、このっ、バカっ! お前は犬以下だ!)
安藤(はあああああ!? 犬をバカにするな可愛いだろうが!)
押田(お前には人間の言葉は通じないようだな! わんわん! わんわんわん!!!)
安藤(ぬがあああああああ!! わんわん! わんわんわん!!!)
みほ「………………。」
みほ(……秘密の偵察中……なのかな……?)
みほ「あの……気にしないでください。相手の事を調べるのも、戦略のうちですし」
みほ(……私達も、人のこと言えないし……)
押田(むむ?)
安藤(なんだ、話せる奴じゃないか)
安藤「君……名はなんという」
みほ「ふぇ? えっと……」
みほ「……。み、南住です……」
安藤(おい、知ってるか)
押田(いや、大洗の隊長の苗字に少し似てはいるが、『南住』とは聞いたことがない)
安藤(そうか、中核メンバーではないようだな、よかった)
押田(うむ)
安藤「……あー、南住さん」
みほ「は、はい?」
安藤「見つかってしまったものは仕方がない。見苦しい抵抗はしないつもりだ」
みほ「は、はぁ」
安藤「が……なんとか穏便に見逃してはくれまいか。もちろん、ただでとは言わん」
みほ「?」
安藤「──なんでもいい、君の質問に一つだけ、答えようじゃないか。……あ、いや、大会の作戦内容とかは、無しにしてほしいけど……」
みほ「べ、べつに、このまま帰っていただければいいんですけど……」
押田「いや……それでは私達の矜持にかかわる。なんでもいい……聞いてくれ」
みほ「う、うーん」
…………ぽわぽわぽわーん……
優花里『もしも他校が潜入偵察をしてきたら、ですか?』
優花里『そうですねぇ、その時は……バカになることですね』
優花里『はい、そうです。道化になりきるんです。そうして相手を油断させるんですよ、ふっふっふ……』
・・・・・・・・・・・。
みほ「………………。」
みほ「……じゃあ、お二人に、聞いてもいいですか……?」
押田「うむ」
安藤「なんでも聞いてくれ」
みほ「……。」
みほ「結婚とか、赤ちゃんとか……お二人は、そういう将来の夢はありますか……?」
押田「……!?」
安藤「…………???」
ニヤニヤがとまらんでこれ
押田「そ……それが、質問か?」
みほ「はい」
安藤「もっとこう、うちの保有してる各車両の台数とか、そういうのでもいいんだぞ」
みほ「でも私……恋に恋する乙女なので……そういうのどうでもいいです……」
安藤「えぇ……」
みほ(──うぅ、道化って、こういう感じでいいのかなぁ……恥ずかしい)
安藤(おい、大洗というのは前大会の優勝校だよな)
押田(そのはずだが……あれ、勘違いだったかな……)
安藤(うーん、きっとこいつは末端のメンバーなのだろう。補欠か? 優勝校と言えど下っ端はこの程度だということか……)
押田(まぁ、好都合じゃないか)
安藤(そだな)
みほ(声の大きい人達だなぁ……)
押田(しかし、どうしたものか、うーん、結婚だなんて……)
安藤(え? 意識したことぐらい、普通にあるだろ?)
押田(……は?)
安藤「あー、ごほん、じゃあ、答えようかな」
みほ「あ、はい」
押田「え? え? 安藤?」
安藤「中学三年の時に付き合ってた男子がいて……結婚ってどんなかなぁって、ちょっと、考えたことあるな」
みほ「わ~、そうなんで──」
押田「──は!? はあっ!? え、え、ちょっと待てはあああああ!?」
みほ「???」
安藤「なんだようるせぇな」
押田「お、お前っ、男子と付きあったこと……あったのか!?」
安藤「わたし結構かわいいし、べつにおかしかないだろ」
押田「が、学生だぞ!!!??」
安藤「いつの時代だよ……。まぁお前は女子中だったもんなぁ、そういう経験はないか、ふふん」
押田「っ、っ……不純だ!! そんな事があるもんか!!! 私達にはマリー様というお方がいるのだぞ!!?? お前、マリー様に忠誠を誓うって、私とも約束したろ!!!!!???」
安藤「いや約束したけど……私達だって年ごろの女の子だぞ。普通に恋愛とか興味あるだろ」
押田「っ、っ、っ……!!! わ、わぁあああああ!! バカこの! ばかやろおおおおおお!!!」ポカポカポカ!!
安藤「痛て!? 痛い!? なんなんだよ!?」
押田「盛りのついた犬だお前はああああああああ!!」シャシャシャッ(蟷螂拳)
安藤「ぐぇっ!? おまっ……ふざけんなあああああ!! わんわんわんわんわん!!!」ボカスカボカスカ
押田「がるるるるるるるうああああああ! おんっおんっあおぉんっ!!!」
みほ「──────あ、あのぅっ!!!」
安藤「わおん……?」
押田「がるっ……?」
みほ「さ……寂しいんじゃないですか……?」
安藤「あん?」
押田「……!!」
みほ「た、たとえ話になっちゃいますけど、もしも自分といっしょに戦車道を続けてきた大切なお友達がいて、、もしもそんなお友達に恋人ができたら──」
押田「……。」
安藤「……。」
みほ「もちろん心からおめでとうってお祝いするけど、やっぱり心のどこかではちょっぴり……寂しいって気持ちも、あると思います……男の子に友達をとられちゃったなって……子供っぽい感じ方かもしれないけど……」
みほ「だから……突然だから、びっくりしちゃったんじゃないかなって……思ったんですけど……違いますか?」
押田「…………。」
安藤「……。お前……」
押田「…………っ……」
押田「安藤、貴様……キ、キスとか、したのか?」
安藤「は?」
押田「っ、子どもができるような事……したのか!?」
みほ(……!!)
安藤「お、お前なぁっ! ……っ、……。……キスは、した。卒業式の時に」
押田「……っ……」
安藤「でも、その先は、バカ、してない。その先まで行ってる子も、何人かはいたけど……私はなんか……怖っくて」
押田「……。そいつとは、まだ付き合ってるのか」
安藤「いや……卒業して、自然消滅した」
押田「……。」
安藤「まぁ、それに……今は、お前らと戦車道してるほうが……楽しいし、な」
押田「っ……その言葉に偽りはないか。マリー様への忠誠に偽りはないか!?」
安藤「わかったって! ないってば!」
押田「……、はぁ……わかった、もういい……お前を、許す」
安藤「んだよもう……調子くるうなぁ……」
押田「……、南住さん」
みほ「あ、はい」
押田「見苦しいところを見せた。だが……ありがとう」
みほ「はい……?」
押田「私はまだまだ子供なのだな。それを君に、教えられたのかもしれないな……」
みほ「……。」
押田「ではさらばだ、この次は戦場で会おう! ──行くぞ、安藤!」
安藤「お前も大会のメンバーになれるよう、がんばれよな」
みほ「あ、はい……」
みほ「…………。」
みほ(お、男の子とキス、……赤ちゃん!?……はうぅぅぅぅぅ……)
(後日、安藤と押田は戦車道マガジンで『西住みほ』の写真を見て腰をぬかしました。それからマリー様に不勉強をなじられました)
流石にトップの顔は知っとかないと、ねえ
是非とも大洗のサキュバスさんのとこにも行って欲しいものだ
~夜・みほのマンション
みほ(──お母さんは20歳の頃にお姉ちゃんを産んだ……)
みほ(……ていうことは、19歳の頃にはもうお父さんと結婚してて……)
みほ(18歳の頃にはもうお父さんとキスとか──あんまり考えたくないけど、いろいろな事をしてて……?)
みほ(はぁ~、自分のそんな姿、ちっとも想像つかないよ……)
みほ「……お姉ちゃんは、どう考えてるんだろう。そういう話、あんまりしたことない」
みほ「……。」
ブーッ……ブーッ……
みほ「あ、メールだ」
<しほ『来月の法事、忘れていないでしょうね。きちんと身なりを整えてから帰ってくるように』
みほ「………………ハァ」
みほ「……帰りたくないなぁ……」
みほ(……結局、帰りたくないっていう気持ちがあるから、こんなおかしな事を考えちゃってるのかなぁ……)
……ごそごそ
『青春18切符』
みほ「……。……寄り道していこっと……」
──────────────────────────
───────────────────
───────────
────
翌月:
~横浜ランドマークタワー
ダージリン「──み、みほさんは随分大人ですことね? こ、子どもだなんて……ほ、おほほほほほ」
みほ「え、えっと……」
ペコ(あの、ごめんなさい、ダージリン様は意外とそういうお話には免疫がなくて……)
みほ(そ、そうだったんですか、ごめんなさい)
ペコ(いえ……)
ローズヒップ「わたくしはマッチョな殿方と結婚してたっくさんたくさん子どもを産むつもりですわよ!」
ダージリン「ぶぅーーーーーー! ロロロロロローズヒップ!?」
ペコ「ちょっ、ダージリン様、汚いです!」
みほ「お、お洋服がぁ……」
~イオンタウン金沢駅西本町
ぽろろろーん♪
ミカ「子どもを産む、それは人生にとって大切なことなのかな?」
アキ「もーお店の中ではそれやめてよー、ほら、警備員さんが睨んでるよぉ」
ミカ「~~♪」
ミッコ「まーけど、大切じゃないとは言えないんじゃないの? わかんないけど」
ミカ「君は──どう思うんだい?」
みほ「……私は……よく、わからないんです……」
ミカ「……。ふふ、悩むってことは、きっと人生にとって大切なことさ」
ぽろろろーん♪
アキ「も~、あっ、あっ、ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」
みほ(ミカさん……ありがとうございます……)
~させぼシーサイドパーク
アリサ「タカシィィィィ……私はタカシの赤ちゃんを産みたいのよぉぉぉ……」
ナオミ「アリサ、そこまで行くとちょっと怖いよ」
ケイ「oh! ハッスルハッスル! HAHAHA!」
みほ「でもアリサさんの気持ちはまっすぐで素敵だと思いますよ」
ナオミ「ものは言いようだね」
アリサ「──こんにちは私のタケシ!」
ナオミ「誰なのさ」
アリサ「タカシとの子供に決まってるじゃない!」
ナオミ「そ、そうか……」
みほ(ふふ……)
~熊本・西住家門前
みほ(丘に上がっている皆さんにしか会えなかったけど……でも、お話しを聞けてちょっとだけ元気が出た気がする)
みほ「皆それぞれ、いろいろな気持ちがあるんだよね……」
まほ「──みほ」
みほ「──!」
みほ「お姉ちゃん!」
まほ「お帰りみほ。ドイツに出発する前に会えてよかった」
みほ「うん、私も!」
エリカ「──あぁ隊長、師範がお呼びですよ」
まほ「ん」
みほ「あれ、エリカさん?」
エリカ「久しぶり。……隊長の付きそい」
みほ「そうなんだ」
みほ(──エリカさんも、赤ちゃん、産むのかな──?)
みほ「────……。」
エリカ「?」
──────────────────。
~法事の後
エリカ「──子ども、ねぇ」
みほ「エリカさんは、結婚とか、考えてる?」
エリカ「そんなこと今は考えたくない……って、思ってる」
みほ「ふぅん」
エリカ「でも」
みほ「?」
エリカ「隊長は、20になったら、結婚するって」
みほ「……。」
みほ「うん……初めて聞いたときは、私……泣いちゃった。なんだか、寂しくて」
エリカ「げ、最悪……」
みほ「え?」
エリカ「私は泣いたりはしなかった。でも……なんだかすごく、つらかった。あーあ、あんたとおんなじような反応してたなんて」
みほ「……。でもやっぱり、つらいよね……」
エリカ「私はずっと、戦車道の事だけ、考えていたい。一生独身だって、べつにかまわない」
みほ「……」
菊代「──あらあら」
みほ「菊代さん」
菊代「もったいないですよ。お二人とも私なんかと違ってとびっきりの器量良しなのですから」
エリカ「……。私はそうは思いません」
菊代「あら、お世辞じゃありませんよ」
エリカ「い、いえ、そっちではなくて……」
菊代「あら、では、お世辞ですか? ありがとうございます」
エリカ「そ、そっちでもないです……」
菊代「うふふ」
みほ「……あの、菊代さんは、結婚しないんですか?」
菊代「……。こほん、そういうデリケートな質問は、もっと慎重にしなくてはいけませんよ」
みほ「ご、ごめんなさい」
菊代「まぁ……私は西住流という大きな戦車の一部ですから、それで満足なのですよ。それが私の生き方ですから」
みほ「……。」
エリカ「……。」
菊代「ですがやっぱり、抱いてみたいですねぇ、お二人の赤ちゃん」
みほ「き、菊代さん……」
エリカ「う、うーん……」
菊代「うふふ……」
~居間
みほ(あ、お母さんが、座布団枕でお昼寝してる……)
しほ「……。」
みほ(法事のご挨拶で疲れてるのかな)
みほ「……。」
みほ「……お母さん、私も、お見合いとかしなきゃだめですか……?」
しほ「──彼氏でも、できたの?」
みほ「!! お、起きてたんだ」
しほ「足音で起きないようでは家元は務まりません」
みほ「……。」
しほ「で、お見合いをしたいの?」
みほ「ち、違うよ! ただ……私もしなきゃ、いけないのかなって……」
しほ「……仮にまほが不慮の事故で死んでしまったなら、その時は、その責任が貴方に移る」
みほ「……何それ……」
しほ「ですが、まほが今の調子で順当に力をつけてくれているのなら──まぁ、貴方は好きになさい」
みほ「……。」
みほ(やっぱり、嫌だ、こんな話、したくない……)
みほ「はい。……じゃあ、お昼寝の邪魔をしてごめんなさい」
しほ「……。」
しほ「……みほ」
みほ「え?」
しほ「待ちなさい。膝枕をなさい」
みほ「え? え? 私が、お母さんを?」
しほ「そうです」
しほ「早くなさい」
みほ「う、うん……。」
・・・・・・
みほ(お、お母さんの顔が、私の膝の上に)
みほ(……わ、人間の頭って、結構、重たい)
しほ「──勘違いをしないように」
みほ「え?」
しほ「べつに、貴方の将来に無関心であるわけではありません」
みほ「はい……」
しほ「ただ、貴方はまほに感謝をすべきですよ」
みほ「?」
しほ「まほがしっかり姉をやってくれているから、貴方は自由でいられる」
みほ「……。」
しほ「……私も一人娘で、長女だったわね」
みほ「……?」
しほ「だから自由恋愛など望むべくもなかった。──あぁ勘違いをしないように。常夫さんは世間様に胸をはって自慢できる立派な男性ですよ」
みほ「え、えと、う、うん」
しほ「ただ──貴方には私はまほが得ることのできなかった自由がある。もちろん自由には責任がつきものですが」
みほ「……?」
しほ「ともかく、せっかく貴方を次女に産んであげたのです。だから、結婚がどうのと──菊代から聞きましたよ──今はくだらない雑念にはとらわれず──貴方の戦車道とやらを極めて見せなさい。いいわね」
みほ「……」
みほ「……はい、お母さん……」
しほ「……」
しほ「──そういえば、人体の頭部はね」
みほ「え?」
しほ「生後に三か月の赤ん坊と、似たような重さなのですよ」
みほ「……。」
しほ「30分経ったら起こしなさい。──お休み、疲れたわ」
みほ「うん……」
みほ「……。」
しほ「すぅ、すぅ……」
みほ「…………………。」
みほ(お母さんの寝顔、赤ちゃんみたい……。)
おしまい
ありがとうございました。
あ~~~全員に俺の子供を産ませてぇ
内容は良かったのに、あとがきがサイアクだ
読了にとってあとがきも重要なファクターであることを証明する、悪しき見本である
蛇足とは正にこの事
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