私はずっと、戦い続けていた。
少女「やああ!たあぁぁ!!」ザシュッザシュッ
巨大な人影「……」
人々から生まれる、この化け物から…
人影「…」ブォン
少女「!しまっ……!」
この世界に蔓延る、"思いの集合体"から…
少女「きゃあッ!」バシィンッ
ドガシャァアァン
ガラガラガラ…
人々を、守る為に……
※グロ注意です
ーー夜、工場跡ーー
ガラガラ…
大きな掌に弾かれ、私は放たれた矢の如く吹き飛ばされた。
体勢を立て直す余裕などあるはずもなく、そのまま後方にあった壁に頭から激突した。
老朽化が進んでいた壁はその衝撃に耐えきれず、がらがらと轟音を立てながら崩れ落ちた。
瓦礫や硝子片が身動きの取れない私に容赦なく追い討ちをかける。
少女「ぁ…ぐ……ッ!」ギュッ
私が噴き出す血を血を抑えていたその間に、黒い煙のような集合体__"人影"が、私の目前にまで迫っていた。
人に近い形をしているその怪物は、大人一人分程度なら容易に覆い尽くせる巨大な手を、今にも振り下ろさんと高く掲げていた。
少女 (…ッ!来る!)ダッ
ブォンッ
ドガアアァァン
少女「はぁ、はぁ…危なかった…!」スタッ
間一髪だった。少しでも行動が遅れていたら、私は__
少女 (でも隙ができた…今なら…!)ジャキッ
少女「はぁ!たぁぁ!」ズバン、ズバァン
人影「……!」
少女「これでぇ……!」スッ…
少女「終わりだああぁぁ!!」ズバアァァァン
人影「………オオオォォォォ……」ゴゴゴゴゴ…
私の渾身の一撃がとどめとなり、人影は低い呻き声をあげながら消えていった。
どうやら斃すことができたらしい。
少女「……終わった、かな…」
少女「…はぁ……」ヘナ
気の抜けた私はその場にへたり込んでいた
勝利はしたが、嬉しくはない。
むしろ戦いが終わって湧き上がってきたものは、圧倒的な疲労感だった。
立ち上がることすら億劫にさせるそれに、私は辟易とする。
少女「…腕…折れちゃった……まぁ、すぐ治るか…」
少女「………帰ろ…」
私は重い身体を持ち上げ、住んでいるアパートへ向けて踵を返した。
はよはよ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません