絵里「寸劇!桃太郎」 (38)

パチパチパチ

むかしむかしあるところにおばあさんとおばあさんが住んでいました。

にこ「なんでにこがおばあさんなのよ!」

花陽「お、おばあさん。落ち着いて」

おばあさんは山へしばかりに。おばあさんは川へせんたくをしにいきました。

にこ「それじゃあ私は山へ芝刈りに行ってくるから!」

花陽「じゃあ私は洗濯に行ってきます」

おばあさんが川でせんたくをしていると川上からドンブラコドンブラコと大きなほむまんが流れてきました。

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花陽「わあ!これは老舗の和菓子屋穂むらのおまんじゅう。ほむまんだ!これを持って帰ったらおばあさん喜ぶだろうなぁ」

おばあさんは大きなほむまんをひろいあげて、家に持って帰る事にしました。
そして、おばあさんとおばあさんがほむまんを食べようとほむまんを切ってみると

花陽「えいっ」

にこ「饅頭を包丁で切るってどうなのかしら…」

なんと、中から元気な可愛い赤ちゃんが出てきました。

絵里「ちょっと待って!」

諸事情により赤ちゃんは服を着たまま出てきました。

絵里「当たり前でしょ!ツッコミ事がいっぱいあるんだけど!」

にこ「いちいちツッコミ入れてたら話が進まないわよ」

絵里「そうだけど」

子供のいなかったおばあさんとおばあさんは喜びました。

絵里「でしょうね!おばあさんとおばあさんだもの」

にこ「絵里が登場してから一気に騒がしくなったわよ」

クレーマーみたいな出方したな

ほむまんから生まれた赤ちゃんをおばあさんとおばあさんはほの太郎と名付けました。

絵里「ほの太郎!!?私がやるのに?だったら穂乃果がやればいいじゃない」

にこ「って言うかほむまんから生まれたんならほむ太郎じゃない?」

花陽「それだとハム太郎みたいになっちゃうね」

ほの太郎はよく遊びご飯をいっぱい食べてスクスクと育ちました。

花陽「白米美味しいです~」

絵里「なんでおばあさんがいっぱい食べてるのよ…」

そしてある日、ほの太郎が言いました。

絵里「え?私?私台本貰ってないんだけど…」

花陽「え?えっと…」

ほの太郎は鬼ヶ島に鬼退治に行くと言いました。

絵里「あっ、えっと…ぼく、鬼退治に行ってきます」

にこ「そうかい。それじゃあ、これを持っておいき」

花陽「お腹が空いたら食べるんだよ」

絵里「おばあさんありがと」

ほの太郎はおばあさんが穂むらで買ってきたほむまんを持って鬼退治に旅立ちました。

絵里「ほむまんだったの!?何?宣伝?」





ほむまんの気持ち考えたことがあるのか!
https://i.imgur.com/ovAVosE.jpg

桃太郎は旅の途中で犬に出会いました。

凛「ねえねえ、ほの太郎さん!どこに行くのかにゃ~」

絵里「配役のチョイスを間違えてる!!?えっと…これから僕は鬼ヶ島に鬼退治に行くんだよ」

凛「へ~そうなんだ。それじゃあ、お腰に付けたほむまんを一つくれたらお供してもいいよ」

絵里「本当?それじゃあ、ほむまんを一つあげましょう」

凛「やったにゃ!凛は犬の凛にゃ~!テンション上がるにゃ~」

犬の凛はほむまんをもらい、ほの太郎のお供になりました。


しばらく歩いていると今度はサルに出会いました。

にこ「なんでにこがサルなのよ!他にいるでしょ!他に!」

絵里「にこ…」

にこ「何よ?さっさとほむまんを寄越しなさいよ」

凛「はっ!おばあさんの正体はサルだったんだね。そう言えばサルっぽいと思ったんだよね」

にこ「誰がサルっぽいですって?」

絵里「お願いだからややこしいアドリブを入れないで…」

サルのにこもほむまんを貰いほの太郎のお供になりました。

にこ「にこの名前だすのやめてよ!」

またしばらく歩いていると今度はキジに出会いました。

ことり「チュンチュン。私はキジのことり」

にこ「キジって本当にそうやってなくの?」

絵里「キジのことりって…またややこしい配役を…」

ことり「桃太郎さん。お腰に付けたきびだんご。一つ私にくださいない」

絵里「うん。桃太郎じゃないけど…」

そうして、キジもほむまんを貰いほの太郎のお供になりました。

こうして犬、猿、キジの仲間を手に入れたほの太郎は、ついに

凛「圧倒的に戦力不足にゃ」

絵里「はい?」

凛「このまま鬼ヶ島に行っても全滅しておしまいだよ。だって、こっちは女の子一人と犬、猿、キジだよ?」

絵里「いや、そうかもしれないけど。それを言い出したら…」

凛「言っておくけどあっちは海未ちゃんと真姫ちゃんだからね?真姫ちゃんはともかく海未ちゃんにこのメンバーで立ち向かうのは負け戦にゃ。ちなみに凛は豆柴だからね?」

絵里「その補足情報はいらない…。でも、じゃあどうすれば良いのよ?物語終わらないわよ?」

希「おやおや?お困りかな?」

絵里「へ?あなたは?」

希「ウチは通りすがりの占い師」

絵里「希がナレーションやってるんじゃないの?」

希「このまま鬼ヶ島に行ってもあなた達は全滅してしまうってカードが告げています」

凛「ほらね?言ったでしょ?」

絵里「そうね…。で?じゃあ、どうすればいいんですか?」

希「10キロ先に伝説の剣の言い伝えがある神殿があります。その剣を抜く事が出来たら鬼を倒す事も容易いでしょう」

絵里「伝説の剣って…」

にこ「10キロ先って…近いのか遠いのか…」

こうして、ほの太郎達は伝説の剣を手に入れる為10キロ先の神殿を目指しました。

途中、行く手を阻む鬼の手下達との激闘。

絵里「え?ダイジェスト?」

複雑に絡み合う人間関係。

凛「にゃ~」

にこ「ウキィー」

絵里「犬猿の仲!?」

そして…恋…。

ことり「報われない恋だって分かってる…。でも、私は青鬼さんがずっと好きだったの」

絵里「無駄に複雑な設定!?」

こうしてほの太郎達は神殿に辿り着きました。

絵里「これが伝説の剣ね」

凛「さあ、早く引き抜くにゃ~」

絵里「やっと…あら?」

ほの太郎は伝説の剣を引き抜こうとしましたが重くて抜けません。

絵里「何?選ばれた物しか抜けないとかそういう奴?」

にこ「何よ。私に貸してみなさいよ。えいっ」

猿が挑戦すると伝説の剣はあっさりと抜けました。

絵里「私…主役なのよね?猿以下って…」

にこ「何よ。簡単に抜けるじゃないって重っ!何よこの剣」

それは 剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく 分厚く 重く そして大雑把過ぎた それは 正に鉄塊だった 。

絵里「いきなり世界観変わってない?」


そして、いよいよほの太郎達は鬼ヶ島へやって来ました。

海未「遅い!」

絵里「へ?」

海未「一体どれだけ待たせれば気がすむのですか?」

絵里「いや…それは」

海未「全く。自分の事もちゃんと出来ないのに。そんな事でよく世界平和などと大きな事が言えますね」

絵里「ご、ごめんなさい」

にこ「どうして敵に謝ってるのよ」

絵里「だって…普通に海未なんだもん」

海未「まあ、いいです。それでは、やりましょうか」

絵里「来るわよ」

海未「ひと~つ、人の世の生き血をすすり、ふたつ、不埒な悪行三昧、み~つ醜い浮世の鬼を、退治てくれよう…桃太郎」

絵里「それこっち側のセリフなんだけど」

にこ「こっち側も違うけどね」

こうして、ほの太郎達と鬼の戦いが火蓋を切って落とされました。

絵里「ぐへ~」

海未「なんです。口程にもないですね」

絵里「ちょっと…瞬殺って…」

凛「だから言ったにゃ…相手は海未ちゃんだって」

海未「それでは…トドメを」

絵里「海未…なんか役に入り込んでない?ちょっと待って。これ寸劇だからね?言っちゃうけど寸劇だから」

海未「覚悟」

絵里「いやぁぁぁ」

ことり「待って、青鬼さん」

海未「なんです?命乞いでしたら受け付けませんよ?」

ことり「違うの。私…あなたの事がずっと好きだったの」

海未「え?」

絵里「え?ここで?」

ことり「ずっとあなたが好きだったの。叶わない恋だとしても…それでも…だからトドメを刺すんだったら…最後に抱きしめて。そして、そのまま絞め落として欲しい。二度と勘違いしないように…強く…」

海未「…分かりました」

絵里「いや、過去に何があったの?この設定必要?」

海未「では…」

青鬼はキジを強く抱き締めました。

ことり「私は…ただ…ずっとこうして欲しかっただけなの…」

凛「ことりちゃーーーん」

にこ「くっ、あの子はただ幸せになりたかっただけなのに」


凛「これが…海未ちゃんのことりちゃんに対する答えなの?」

海未「そうです。私はこう言う生き方しか出来ません」

にこ「どうして…二人は愛し合ってたはずなのに」

絵里「ええ?何?この件続くの?」

海未「うるさい!私は…私は…仲間の為にも」

その時です

穂乃果「もう心配はいらないよ」

海未「誰です?」

穂乃果「私はほの太郎。ほむまんから生まれたほの太郎だよ!」

絵里「はあ?」

なんと、ほの太郎を名乗る謎の人物が現れてのです。

このひどい悪ノリ感結構好き

良いぞ

絵里「いや…あの、穂乃果?ほの太郎は私よ?」

にこ「一体どうなっているのよ?ほの太郎が二人って」

穂乃果「あなたは本当はほの太郎じゃないの。ごめんね。今まで私の代わりをやってもらってんだ」

絵里「代わりを?」

穂乃果「うん。私が身動き取れない状態の間ね。だからあなたはほの太郎じゃないの」

凛「え?じゃあ、この人は?」

穂乃果「あなたはただの村人」

絵里「待って。さらに複雑な展開を組み込まないで。頭が追いついていかない」

なんと、このほの太郎は本当はほの太郎ではなかったのです。

穂乃果「ありがとう。もう鬼退治は大丈夫だから」

にこ「ちょっと待ちなさいよ」

穂乃果「ん?」

にこ「急に出てきて実は私が本物ですって。はいそうですかと納得いくと思う。本物だろうが偽物だろうが私達が一緒に旅をしてきたのはこのほの太郎よ!」

絵里「にこ…じゃなかった。猿…」

絵里で笑う

にこ「だから猿って呼ばないで」

穂乃果「違う違う。大丈夫って言うのはそう言う事じゃないの」

絵里「え?」

穂乃果「青鬼さんが悪さをしていたのには理由があるんだよ」

絵里「本当の…理由?」

海未「そんなものありません。私はただ暴れたいから暴れているだけです」

穂乃果「青鬼さんは友達の赤鬼さんの為にワザと悪い事をしたんだよね?」

海未「違います」

真姫「もういいの」

にこ「うわっ…また鬼が出てきた」

海未「真姫…」

真姫「もういいの。海未…私は大丈夫だから。だから…私の為に無理をしないで」

海未「無理などしていません。私は自分の為に」

真姫「嘘よ。知ってるんだから。私がこんな性格だから…人間と仲良く出来なくて…あなたはワザと悪さをして私に退治されるつもりだったんでしょ?」

絵里「え?そうなの?」

穂乃果「そう言う事。要するに青鬼さんは赤鬼さんをヒーローに仕立て上げる為にワザと悪役を演じてたんだ」

海未「違う。何度も言ってるでしょう。私は…」

真姫「もういい。私は人間と友達になれなくたっていい。あなたがいない方が私は悲しいの」

海未「真姫…」

真姫「さあ来い人間。私が相手になってやる。私は…私は鬼なんだから。海未の仲間なんだから」

絵里「そんな…こんな事って」

真姫「早く。早く掛かって来てよ。早く…」

穂乃果「その必要はないよ」

真姫「どうして…」

穂乃果「見れば分かるでしょう?ここにはもうあなたの敵は居ない」

真姫「でも…」

穂乃果「だって、もう友達でしょう?」

真姫「私…素直じゃないから…嫌な事言うかもよ?」

穂乃果「大丈夫。その時はちゃんと言い返す」

真姫「可愛くない性格してるし…」

穂乃果「そんなのはお互い様だよ」

真姫「でも…」

希「ウダウダ言ってても仕方ないんやない?」

絵里「の、希…」

希「仲良くなりたいなら取り敢えず一緒にいてみる。友達ってそういう風に出来るもんなんやない?」

絵里「あなたは何者なのよ…」

泣いたまきちゃん

真姫「じゃあ…私と友達に…」

穂乃果「もちろんだよ」

海未「良かったですね。真姫…」

真姫「海未」

海未「これで私もお役御免ですね」

真姫「待って。海未も一緒に」

海未「それは無理ですよ」

真姫「どうして?それじゃ意味ない。あなたが一緒じゃないと嫌だって言ったじゃない」

海未「理由はどうあれ私は彼女達を傷付けました。なので…」

にこ「ふん。なに言ってるのよ。こんなの擦り傷よ」

凛「凛知ってるよ。友達と喧嘩したら仲直りすれば良いんだよね?」

穂乃果「その通り。ね?海未ちゃん」

海未「…全く。敵いませんね。穂乃果には…」

イイハナシダナー

ことりちゃん...

こうしてほの太郎一行は鬼と友達になり

花陽「は~い。みんなご飯炊けたよぉ~」

穂乃果「わぁ。おばあさんの作ったご飯は美味しいなぁ。ね?」

真姫「うん」

皆んな一緒に仲良く暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。


絵里「いや、めでたくないんだけど!私は?私はなんだったの?」

穂乃果「いや~そこら辺の解釈は人それぞれ的な?」

希「も~えりちはいちいち文句言い過ぎやって。本番は来週なんやからね」

絵里「こんなシナリオじゃ文句も言いたくなるわよ」

真姫「仕方ないでしょ。穂乃果達に任せるって言ったのは絵里なんだから」

絵里「だけど~海未~」

海未「任せると言ってしまった以上…仕方ありませんね」

絵里「そんなぁ」

穂乃果「まあ、絵里ちゃん。ファイトだよ!」

絵里ちゃん不憫なり

おつおつ
えりちが唯一のツッコミなのが初期のドラマCDっぽくて良かった

泣いた赤鬼やん

そして忘れ去られることり死去

昔話SSすき

モモデレラ思い出した

シュールギャグ好きよ

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