P「……何がいいんだ?」
結華「お、聞いてくれるんだ? プロデューサー、太っ腹―。あ、太ってる、って言ってるわけじゃないよ? まあ、三峰としてはもうちょっと運動したほうがいいカナー、と思わなくもないですが」
P「ご褒美はなくていいのか?」
結華「ちょちょちょ、それは困る。ごめんごめん、謝るから許して? 三峰はこのままありのままのPさんのことが大好きだよ。ちゅっ!」
P「で、何がいいんだ?」
結華「Pたんつーめーたーいー。でも、ご褒美くれちゃうところは甘いよねー。そんなプロデューサーのことは好きだよ。これはもうラブだね、ラブ。それで、なんでもいいの?」
P「……できる範囲なら」
結華「できる範囲、できる範囲ですかー……。それなら、プロデューサー、三峰とデートしよ?」
P「ダメに決まってるだろ」
結華「えー。できる範囲ならなんでもいいって言ったじゃーん。プロデューサーの嘘つきー」
P「それは明らかにできる範囲じゃないだろ……で、本当のところは何がいいんだ?」
結華「デートが本当のところかもよ?」
P「はいはい。で?」
結華「む、プロデューサー、信じてないなー? まあ冗談なんだけど」
P「知ってる」
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結華「でも、デート以外かー……これは難問だね? プロデューサー」
P「なら、もうご褒美なんてなくていいんじゃないか?」
結華「いやいや、せっかくPたんがなんでも言うことを聞いてくれるって言ってるんだよ? この機を逃す手はないでしょー」
P「だから、なんでもじゃないんだが……」
結華「んー……こういうとき、どうするべきかなー……うーん……」
P「いつもみたいにケーキとかでいいんじゃないか?」
結華「それは名案! と、言いたいところなんだけど……三峰、最近ものを食べる機会が多くてねー。アイドルなんだし、体重管理は大事でしょ?」
P「食べる機会? ……なにかあったか?」
結華「……こがたんの料理、めちゃくちゃおいしいよね」
P「あー……」
結華「あれはダメ。あれはダメだよ、プロデューサー。ごはんが進む。進んじゃうっ! これにケーキまで上乗せしちゃうと、三峰のお腹がPたんのお腹みたいになっちゃうっ!」
P「……俺の腹、そんなにまずいか?」
結華「それはどうだろうねー。スーツの上からだとわかりにくいし……ちょっと脱いじゃう? ヌード撮影、しちゃう?」
P「するわけないだろ……と言うか、結華も見たくないだろ」
結華「ありゃー、それは残念。三峰、Pたんのたくましい肉体を見てみたかったなー」
P「絶対嘘だろ」
結華「いやいや、代わりに三峰のセクシーな肢体を見せてあげてもいいかなーと思うくらいには本気だよ?」
P「セクシー……?」
結華「ちょ、そこ引っかかる? それは失礼じゃない? 三峰、傷ついちゃったなー」
P「あ、いや、すまん。悪かった」
結華「悪いとは言うけど撤回はしないんだ。ふーん……どうせ三峰の水着姿に需要なんてありませんよーだ」
P「いや、需要はあると思うぞ」
結華「どこに?」
P「……こことか」
結華「……」
結華「……プロデューサー。それはちょっと、直球でいくところ間違えたんじゃない? 恥ずかしい発言じゃない? 『三峰のカラダの需要は俺にある!』なんて……相手を間違えればセクハラだよ?」
P「……すまん」
結華「素直でよろしい。まあ、プロデューサーが三峰を気遣って言ってくれただろうことは明らかだし、優しい三峰は許してあげます」
P「……いや」
結華「うん?」
P「本当に、需要はあるよ。結華の水着姿、俺は見たいよ」
結華「……だから、そういうのが危ないって言ってるんだけど?」
P「それについては申し訳ないが……大事なことだからな。雑誌の表紙とかでそういう仕事も、いつかは……」
結華「あーもー! プロデューサー、気早すぎ! Pたんの三峰への愛は痛いくらいに伝わったから、もうこの話はおしまい! わかった?」
P「……わかった」
結華「わかればよろしい。……で、ご褒美ですが」
P「ああ、そう言えばそういう話だったな」
結華「忘れてたの? これこそ大事なことですよ? アイドルのモチベーションの管理はプロデューサーの大事な仕事でしょ?」
P「最初に話をそらしたのは結華じゃなかったか?」
結華「それはそれ、これはこれですよ」
P「そうか……?」
結華「とにかく! もうご褒美は決まったから! ケーキ! ケーキに決めました!」
P「……体重管理は?」
結華「そのぶんレッスンをすればいいと聞きました! だから大丈夫なのです!」
P「……まあ、レッスンをするって言うなら付き合うが」
結華「お腹がちょっと危ないPたんも運動するって?」
P「そっちじゃないが」
結華「本当にしなくてもいいの?」
P「……そこまで言われると心配になるからやめてくれ」
結華「なら、今回は見逃してあげましょう。三峰ってば優しい子!」
P「釈然としないな……」
結華「そんなこと言ってないで、ほらほらPたん、早く行こ? 売り切れちゃうと大変だし、急がなくちゃ! ケーキとコーヒーが、三峰たちを待っているー!」
P「勝手にコーヒーを追加するな――って、待て! そんなに急いでも、俺が付いていけないって……!」
終
終わりです。プロデューサーさんと三峰結華さんのかけあいかわいいですよね。ふたりともかわいいです。
ありがとうございました。
乙
三峰かわいい
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