海未「そんな穂乃果お嬢様みたいなこと言わないでください。学校に遅刻してしまいます」
雪穂「んー・・・・。く~」スヤァ
海未「・・・・仕方ありません。寝ながらお着替えの方、失礼致します」ヌガセ
雪穂「ふぁ~・・・おねが~い」ネムネム
海未「んっ、これは。雪穂お嬢様、また痩せましたね。いけません、成長期なのですから無理なダイエットは」
雪穂「いいの~これで~・・・・ん~・・・・・・・・・んんっ?!」パチッ
海未「むっ、また下着を付けないで寝ていましたね。形が崩れないようあれほど」スルスル
雪穂「へっ!? ちょっとおおおお//// うっ、うみっ?! なっ、ななんで私のパジャマ脱がせてるの?!///」ガバッ
海未「私に着替えさせて欲しいと、先程雪穂お嬢様がおっしゃっておr」
雪穂「言ってない言ってない言ってないってっ?!/// 自分で着替えるから部屋の外で待っててよ!////」ワタワタ
海未「はぁ。かしこまりました」
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---------------
海未「さあ急いでお支度を」
雪穂「分かってる! わかってるぅ~♪ 遅刻しちゃうよぉ! なんでもっと早く起こしてくれなかったの~!」
海未「申し訳ございません。雪穂お嬢様の寝顔があまりにも美しく見惚れてしまいまして」
雪穂「あっ// あっそっ!/// ・・・とっ、とにかく早く歯磨かないとっ」バタバタ
~洗面所~
雪穂「お姉ちゃん!」
穂乃果「お~。ふきほおはお~」シャコシャコ(歯磨き中)
ことり(メイド)「おはようございますっ、雪穂お嬢様♪」ペコリ
雪穂「おはよっ。もうっ、お姉ちゃん遅い!」
穂乃果「ちょっとまって~」シャコシャコ
雪穂「早く場所代って!」ぎゅう
穂乃果「うわぁっ、そんなにおされたら―――ふぇっ、ふぇっ・・・・・・ぷぇっくしょーい!! てやんでい!!」ブバッ
ことり「きゃ」
雪穂「うわっ、もうお姉ちゃんってばキチャナイな―――」ベタァ.... (穂乃果の涎と歯磨き粉の泡だらけ)
穂乃果「ごめんごめん穂乃果江戸っ子だからついあっもう一回でそぶっっっへっっくしょぉぉおおいい!!! チクショーメェ!」ブババァ
雪穂「・・・・・・・・・・」ベベタァ......
穂乃果「あわわわわわわ・・・・。もう歯磨きはいいや、ことりちゃん学校行こう!」タッ
ことり「はい、穂乃果お嬢様♪ はしり~だす~、やんやんおくれそ~ぉですぅ♪」タタタッ
雪穂「あ~もぉ~・・・。髪までに付いてるよ~・・・」
海未「シャワーを浴びて行かれてはどうでしょう」
雪穂「そうする・・・。だけどそうすると学校に遅刻しちゃうから、海未、今日は車出してくれる?」
海未「はっ、かしこまりました。エンジンを温めておきます」ペコッ ササッ
---------------
穂むら 軒先
雪穂「う~遅刻しちゃう。時間ないから朝ごはんのチーズケーキ鍋風ブルベリーマカロントレイン和えは車の中で食べちゃお」
雪穂「海未~? 行けそー?」
海未「ひっひっふぅ~」 タッ タッ タッ
海未「はいっ、たった今エンジンがぷりっぷりに温まった所です。いつでも行けます」
雪穂「そ。じゃおねがい」
海未「失礼いたします」 両手を広げ
雪穂「んっ」 抱きかかえられ
海未「発進します」タッ ビューン!
シュタタタタタ
海未「安全運転で参ります」シュタタタタ
雪穂「ん~。風が気持ちい~。朝ごはんもおいし~」モグモグ
ランボルニーギニギ「速い?! この俺が追いつけないだと・・・?!」ブロロロォン
女子高生「みてみてあの子! すごいイケメンの執事にお姫様抱っこされてるよ!」
トランプ大統領「きゃ~/// うらやましー!/// わたしにもしてほしー!」
雪穂「ふふん・・・///」
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中学校 校門前
亜里沙「雪穂まだかなー・・・。そろそろ校門しめられちゃうよ~・・・あっ!」
海未「おはようございます。亜里沙さん」シュタタタタ ピタッ
雪穂「亜里沙。おはよう」
亜里沙「おはよう! 雪穂は今日も海未さんに乗せてもらったんだ。いいな~。亜里沙も海未さんに乗りたい!」
海未「申し訳ございません亜里沙さん。私は雪穂お嬢様専用の執事なので」
亜里沙「そんな~・・・」
雪穂「いいじゃん少しくらい。今度乗せてあげなよ」
海未「かしこまりました。雪穂お嬢様そうおっしゃるなら」
亜里沙「やったー! それじゃ雪穂早く教室行こっ。遅刻しちゃうよぶふぇっくしょぉおい!! べらんめえ!!!」
雪穂「うわっ、びっくりした」
亜里沙「えへへ。亜里沙もちょっとは江戸っ子らしくなってきた?」
雪穂「う、うん・・・どうかなあ・・・」
亜里沙「海未さんまたねっ!」
海未「はい。いってらっしゃいませ」ペコリ
---------------
お昼休み
ゆきあり「「ごちそうさま」」
亜里沙「雪穂っ。おかず交換してくれてありがとっ。この中華弁当毎朝海未さんが作ってるんだよね? こんなにおいしい料理が作れる執事さんがいるなんてホントうらやましいよ~」
雪穂「そう? これくらい普通じゃない?」
JC1「・・・・・」ソワソワ
JC2「・・・・・」ヒソヒソ
雪穂「? なんだろう、なんかいつもとちょっと空気が違うような」
亜里沙「何言ってるの雪穂! 雪穂は女の子としての自覚は無いの!?」
雪穂「へっ? な、なんかあったっけ今日・・・?」
亜里沙「今日はうれしはずかしトキメキランデブーな恋する乙女の日! バレンタインデーだよ!」
雪穂「ああ、そっか、今日だっけ」
亜里沙「もう、とぼけないでよー。というわけで、はい雪穂! 亜里沙からバレンタインデーのチョコだよ! ロシアのチョコなの!」
雪穂「おお~、こんなにいっぱいたくさんもらっていいの? 私チョコ大好きだからすごく嬉しいよ。ありがとう。早速頂きます」 ヒョイ パクッ
雪穂「っ~~!?☆×@※ んぐぁ?! かっっっらぁあー!」ヒリヒリ
亜里沙「えへへ~すごいでしょ~。ロシアのチョコだからロシアンチョコなの! 全部にタバスコゼリーが入ってるんだぁ」
亜里沙「ところで雪穂は誰かにチョコあげないの?」
雪穂「ヒョイ パク モグモグ...辛っ。モグモグ 私? うーん、チョコかー。私にはチョコをあげるような人はいないかな」
亜里沙「えー? ほんとー? 気になる人とか全然いないの? 例えば概念部の畑さんとか。雪穂あの人の歌が好きだって前に言ってたよね」
雪穂「畑さんかー。確かに歌が上手で綺麗な人だけど、いつどこに何人いるかも分からない人にチョコをあげるのはハードル高いって」
亜里沙「畑さんは雪穂のタイプじゃないってこと? じゃあ前衛文学部の公野先輩は? あの人知的ですっごく人気があるでしょ? 毎年チョコ一杯もらっているみたい」
雪穂「いやいや・・・神様にそんじょそこらのチョコ差し上げるのは恐れ多いって」
亜里沙「公野先輩もダメなの? 雪穂ってば理想高すぎだよー。じゃあ雪穂はどういう人だったら本命チョコをあげてもいいって思えるの?」
雪穂「私がチョコあげたい人かー・・・・」
亜里沙「あっ、分かった。海未さんでしょ」
雪穂「んぐっ?!/// うっ、ごほっけほっ・・・んんっ。な、なんで急に海未の名前が出てくるの?!///」
亜里沙「確かに海未さんは綺麗だし歌上手だし知的で文学のことも色々知っているもんね。だけどね、雪穂。海未さん以上の人を探してたら一生結婚できないよ?」
雪穂「だから海未は関係ないでしょっ!」
亜里沙「はいはいつんでれつんでれ」
雪穂「もうっ」
雪穂「・・・・・・・バレンタインデーねぇ」
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放課後
穂むら 台所
ことり「おいしくな~れ♪ おいしくな~れ♪」 (料理中)
雪穂「・・・・ねえ、ことり、ちょっといい?」
ことり「あっ、雪穂おじょうさま。おかえりなさいませっ♪」ペコリ
雪穂「うん、ただいま。・・・・それで、ちょっと・・・お願いがあるんだけど・・・」
ことり「はい、なんでしょう?」
雪穂「ことりってお菓子作り得意だよね?」
ことり「はい得意ですよ♪ なにか食べたいお菓子があるんですか? なんでも作りますよっ!」
雪穂「あっ、うん、ありがとう。だけど・・・その・・・ちょっと違くて・・・」
ことり「はい? 違う、といいますと?」キョトン
雪穂「・・・私にチョコの作り方を教えて欲しんだけど」
ことり「チョコの作り方? ・・・ああっ! そっかなるほど今日はバレンタインデーだからですね! そういうことならことりにお任せです! えへへっ、雪穂お嬢様は本当にお可愛らしい方で、ことりもお仕えできて嬉しいです♪」
雪穂「な、なにを考えているか知らないけどっ、そっ、そういうのじゃないから! ただ単にいつもお世話になってる学校の先輩に義理チョコを贈るだけだから! 義理だから!」
ことり「はいかしこまりました♪ それでは、どのようなチョコになさいますか?」
雪穂「どんなチョコ? あー、うん。どうしよっか・・・うーん・・・」
ことり「生チョコなんてどうです?」
雪穂「生チョコかぁ。いいね」
ことり「生チョコはお勧めですよ。なぜなら―――」 コソッ
雪穂「?」
ことり「生チョコって、女の子に人気のチョコなんです。だからきっと喜んでくれますよ♪」ポソッ
雪穂「っ//// わっわかったっ/// とにかく生チョコの作りかかた教えてっ」
ことり「はい! では材料を準備しますね」
ことり「きっと大事なチョコでしょうから、材料からこだわりましょう!」
雪穂「義理だからっ! ・・・ま、まあ、でも? こだわる分には別いいけどっ?」モジモジ
ことり「最高級のちゅんちゅんクーベルチョコレートと最高品質の東京産ことり生ミルクを使います!」
ことり「それでは雪穂お嬢様もご一緒に」
ことゆき「「あーしてこーして」」
ことり「はいできあがりました☆」
雪穂「おおっ、おいしそ~」ジュル
ことり「いっぱい作ったから一つ味見しては如何でしょう」
雪穂「うん、頂きまーす」パクッ
雪穂「んんっ♪ チョコがすぐに口の中で溶けて、甘くてほろ苦くてどこか柑橘系の爽やかな香りもあって、それがあっという間に口の中いっぱいに広がって・・・♪ おいしー」モグモグ
ことり「やりましたねっ! この愛情たっぷりな生チョコ。食べた人はきっと雪穂お嬢様にメロメロになっちゃいますよっ」ニコニコ
雪穂「もうことりったら!//// ・・・・とにかくありがとっ。持っていくね」
ことり「はいっ♪ ぐっどらっくです~」
---------------
雪穂の部屋
雪穂(いいチョコは作れたけど、どうやって渡そうかな・・・・? タイミングって大事だよね)
雪穂(まずはひとけの無い所に相手を連れ出すでしょ)
雪穂(それで二人っきりになって。二人っきり・・・///)
雪穂「んんんっ」頭ブンブン
雪穂(なに意識してるの私は。二人きりになるなんてしょっちゅうあるじゃん)
雪穂(とにかく・・・)
雪穂(・・・・一生懸命想いを込めたチョコだから・・・・それがちゃんと分かるように、特別なチョコなんだって分かるように。・・・そのためには、気持ちを言葉にして一緒に渡すのがいいかな)
雪穂(例えばこんな感じ―――)ポワワ
~~~~~~~~~~~~~~~~
海未「雪穂お嬢様? ご用があるとのことですが、なんでございましょう?」
雪穂「うん・・・・あのね・・・。このチョコ受け取ってください! ついでに私も受け取ってください!」
海未「嬉しいです。こちらこそ、この結婚指輪を雪穂お嬢様の左手薬指にはめさせてください」
雪穂「うみ・・・・////」ポッ
~~~~~~~~~~~~~~~~
雪穂「!?///// だぁぁ~~~!! なんじゃこりゃあ/////」カァ
雪穂(違う違うこうじゃない!)
雪穂(これは義理チョコ・・・・そう! 義理チョコなんだから)
雪穂(もっと、こう・・・適当な感じ・・・そう! 適当な感じでいい! べっ、べつに特別な意味なんてないんだからっ、勘違いされないようにしないとねっ)
雪穂(だとしたらこうかな―――)ポワワ
~~~~~~~~~~~~~~~~
海未「・・・・・・」(仕事中)
雪穂「・・・・・・・・・・・海未。ご苦労さん」スタスタスタスタ ズイッ
海未「雪穂お嬢様ごきげんよ、うっ? あ、あの、これは?」何か受け取り
雪穂「ああそれ? もらい物だけど、私いらないから、海未が食べたかったら食べていいよ。口に合わなかったら捨てていいし。じゃ」スタスタスタスタ
海未「え、ええ・・・?」キョトン
~~~~~~~~~~~~~~~~
雪穂「よ、よし! これで行こう!」
< コンコン
< 雪穂お嬢様
雪穂「わっ?! な、なに? 海未?」
< はい、海未です。お部屋のお掃除をしてもよろしいでしょうか
雪穂「ああうん。いいよ」
スーッ
海未「失礼いたします」
雪穂「んっ、お願い」
海未「はい」テキパキ
雪穂「・・・・・・・」
海未「・・・・・・・」サッサッ
雪穂(・・・・・・今二人っきりじゃん)
雪穂(ううんっ違う違う! そっちはボツになった奴だから! そう、適当な感じに―――)
海未「あら、これはなんでしょう?」ヒョイ
雪穂「あっ!? それは!」
海未「クンクン 甘い。チョコレートですか?」
雪穂「あっ、いや・・・」
雪穂(ど、どうしよ・・・こっちから渡す前に気付かれちゃった。ま、まあいいや、このまま適当な感じで―――)
雪穂「ああ、う、うん、チョコだけど・・・・・。で、でも大したもんじゃないし。もらい物で、よかったら―――」
海未「もらい物?! 今日ですか?! バレンタインデーの今日にもらったのですか?! 誰からもらったと言うのですか!!!」ガタッ
雪穂「へっ?!」ビクッ
海未「雪穂お嬢様!」ズズイ
雪穂「あっうっ・・・ご、ごめ・・・私が作った奴・・・」
海未「雪穂お嬢様の手作りチョコぉ?!」ズガーン
海未「誰かにあげるのですか?! はっ! も、もしかして私ですか!?」パァ
雪穂「なっ! ち・・・ちがう!」
海未「違うのですか・・・・。では誰にあげるのですか?」
雪穂「えっ、うっ・・・そ、それは・・・・そ、そう! 学校の先輩にあげるの! いつもお世話になってる公野先輩に!」
海未「・・・・・そうですか」
雪穂「うぅ・・・・そう・・・・。だから返してよ・・・・」
雪穂(私のバカ・・・・。変な意地張ってせっかくのタイミング逃しちゃった・・・・。はぁ・・・。チョコは後で自分で食べよ・・・・)ションボリ....
海未「・・・・・・・」ガソゴソ
雪穂「・・・えっ? ちょ、ちょっと。そのチョコ先輩にあげるチョコだって言ったでしょ。勝手に開けないでよ」
海未「・・・・あむ」
雪穂「ああ! 何食べてるの!」
海未「モグモグ.... ンッ ゴクッ ・・・・とてもおいしいチョコですね」 ...ジリ
雪穂「どういうこと海未!」
海未「とてもとても暖かく甘美で情熱的で・・・。雪穂お嬢様にもこれを味わってほしい・・・」 ....ジリジリ
雪穂「味わってって・・・、今海未が食べちゃったじゃん。・・・・っていうかなんで私に近づいてきてるの?」 アトズサリ
トンッ
雪穂(うっ、後ろは壁・・・。もうこれ以上下がれない・・・)
海未「ええ、私は雪穂お嬢様のチョコを食べました。それはとても柔らかく、口の中に入れた瞬間に雪のように優しく溶けました。でも、まだ、残っています。・・・・ほら、ここに」壁ドンッ 顎クイッ
雪穂「きゃ?!」ビクッ
海未「このチョコを公野先輩に差し上げる・・・? 冗談じゃありません。これほどまでにお嬢様の心のこもった・・・雪のようなチョコと・・・雪穂お嬢様を手に入れられるのならば・・・私は神にでも逆らってみせます」肘ドンッ スーッ...
雪穂「う、うみ・・・・」ドキドキ
< さぁ! ヒュメヴォー!
海未「だから一緒に味わいましょう」ススーッ....
< かーな~えるのは~
雪穂「はぁ・・・はぁ・・・」どきんどきん
< みぃんなのっ、ゆぅっきぃ~
雪穂(海未の顔がだんだん私に近づいてきて・・・)どっきんどっきん
< まけない~ こころで~
海未「・・・・・・・・・雪穂、お嬢様」目を瞑り
雪穂(私のくちびるに―――――って、さっきからなんなのお姉ちゃん!)
< あし~た~へ かーけーてゆこぉー
雪穂(今いい所なんだからちょっと静かにしてよ!)
< デデデンッ♪ テレレレー♪
< ハックショォォイ!!!
雪穂「あああああ! うるさーい! おねえちゃあああん!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
目覚まし時計「つっよぉい つっよぉい」
雪穂「・・・・・・」パチッ
目覚まし時計「ねっがい ご と が~」
雪穂「・・・・・・・」ムクッ
目覚まし時計「ぼーくたーちをー 導いてくーれーたー」
雪穂「・・・・・・・・・」ポチッ
目覚まし時計「つーぎーはー ぜぇったぁい 譲れっなi」ブチッ
雪穂「・・・・・・・・・・・」
< ブフェックショーイ!!! べらぼうめぇ!!!
< お父さん! さっきからくしゃみうるさい!
雪穂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・くぅ/////」ガバッ
雪穂(うぁぁぁ~~~!//// なんって夢を見てんのわたしはぁああ!!)ジタバタ
雪穂(うぅぅぅぅぅぅ//////) モダエ ゴロゴロ
コツンッ
雪穂「あたっ?!」
雪穂(何か頭に当たった。なに・・・?)クルッ
少女漫画【ツンデレお嬢様と従順執事 ~私のお嬢様は誰にも渡さない~】
雪穂(昨日お姉ちゃんから借りたマンガ・・・・。これのせいかぁ・・・・)
雪穂「・・・・・・・・」
雪穂「・・・・・・・・・・・はぁ」
雪穂(・・・・朝ごはんたべよ)
---------------
居間
雪穂「・・・・・・・・」ポケー
テレビ「それでは次のニュースです。米朝首脳会談に向け、この度トランプ大統領はうんたらかんたら」
雪穂「・・・・・・・・」ポケー
< ピンポーン
雪穂「・・・・・・・・」ポケー
< はーい
< ガラガラ
< あら、海未ちゃんにことりちゃん。おはよう
雪穂「?!」ドキッ
< おはようございます
< おはようございますっ♪
雪穂「・・・・・・・」ドキドキ
< ごめんね~。穂乃果、一応は起きてはいるみたいなんだけど、まだ降りて来てなくて。なんなら部屋から引き摺り出しちゃっていいから、ほら、上がって上がって
< はい、お邪魔致します
< おじゃましまーす
< トントントン
雪穂(海未さん・・・。階段上がってる・・・・)ドキドキ
雪穂「・・・・・・・?」ドキドキ
雪穂(な、なんで私の心臓こんなに鳴ってるの・・・?)ドキドキ
< 穂乃果―? 起きてますか? 入りますよ
< わぁ?! 待った待って待って開けちゃダメーッ!
< な?! 何を言っているんですか! 朝練をやろうと言い出したのはあなたですよ!
< そうだけどー・・・そうじゃなくてー! 今はダメなの! すごい散らかってて、海未ちゃんがこれ見たら絶対怒るから、海未ちゃんは入っちゃダメ!
< 意味が分かりません・・・! 朝練はどうするんですか!
< すぐ行くからちょっと下で待っててー!
< 全く、あなたという人は・・・
< トントントン
雪穂「?!」トゥクン
雪穂(う、海未さんが降りてくる・・・!)トクントクン
雪穂(私、か、髪大丈夫かな・・・?)サッサッ
雪穂(えっと、服は・・・・)パッパッ
< テクテク ガラッ
雪穂「!」ドキン
海未「もうっ、穂乃果は何を考えているんですか・・・。あっ、雪穂」
雪穂「ど、ども」ペコ
海未「おはようございます」
ことり「おはよう雪穂ちゃん。ごめんね、朝ごはんの途中だった?」
雪穂「い、いえ。今終わった所ですから、気にしないでください」
海未「そうだちょうど良かった。雪穂に渡したいものがあったんです」
雪穂「えっ?」
海未「これです。どうぞ受け取ってください」スッ
雪穂「ラッピングされた箱・・・? あの、これは?」
海未「今日はバレンタインデーですよね。私にとって親しい人にお渡ししようと思って」
雪穂「えっえっ? わ、私に?」
海未「ええ、是非。自分で言うのもなんですが、おいしくできたと思います。・・・といっても、私はお菓子作りはほとんど経験がないので、ことりにずっと横に付いてもらってやっとできたものですが」
ことり「ふふふっ。海未ちゃんね、何人かの人にチョコを配るつもりなんだけど、その中で雪穂ちゃんのチョコに一番気合入れてたよっ♪」
雪穂「へっ?!/////」トゥンク
海未「ことりっ/// ・・・・ええ、まあ、そうですね、ことりの言う通りです・・・///」
雪穂「ど、どうして・・・? 海未さんはお姉ちゃんやことりさんの方が親しいんじゃあ・・・?」トゥクントゥクン
海未「そんなことないです。確かに穂乃果やことりは私にとって一番の親友ですが、それは雪穂も同じです」
海未「ですが穂乃果にあまり甘い物は与えない方が良いですし、それとチョコ作りを手伝ってくれたことりには作り終えた時に食べてもらいましたし。それで雪穂に渡すチョコを一番丁寧に仕上げたんです」
雪穂「そ、そうですか・・・・///」テレテレ
海未「朝食は終えたんですよね? よかったら今食べて頂けますか? そのチョコ、生チョコなので、溶ける前に」
雪穂「あっ、はい、頂きます」ガサゴソ パカッ
雪穂「わぁ、綺麗な見た目。それに甘くて上品な香りもする」
海未「な、なんか照れますね・・・///」
雪穂「頂きます」パクッ
海未「はい、どうぞ」
雪穂「んっ、んっ」モグモグ
雪穂(んんっ? この味は・・・・)
海未「どうでしょうか、お味の方は。私も味見しましたがおいしくできたと思っています。材料からこだわっているんですよ。百貨店に行って高品質のクーベルチョコレートと100%動物性の北海道産生クリームを使っています」
海未「仕上がったその生チョコはとても柔らかく、口の中に入れた瞬間に雪のように優しく溶けて、しばらくの間、甘さが口の中に残ってくれるんです」
雪穂(雪のように優しく溶けて―――口の中に残って―――)ポワワ
~~~~~~~~~~~~~~~~
海未「とてもとても暖かく甘美で情熱的で・・・。雪穂お嬢様にもこれを味わってほしい・・・」
海未「それはとても柔らかく、口の中に入れた瞬間に雪のように優しく溶けました。でも、まだ、残っています。・・・・ほら、ここに」壁ドンッ 顎クイッ
~~~~~~~~~~~~~~~~
雪穂「っっ~~!!///////」カァ
ことり(むむむっ?! これは・・・!)チューン
海未「あっ、す、すみません、ことり。大部分ことりに手伝ってもらったのに、まるで全て自分で作ったかのように自慢してしまって」
ことり「ううん! 気にしないで! それよりことりはちょっとことほのしてくるから海未ちゃんは雪穂ちゃんと二人で待っててくれる? ごめんね?」スタッ タタタタッ
海未「ことり? 行ってしまいました」
雪穂(へっ? えっ? う、海未さんと二人きりって・・・!?////)トゥックン トゥックン
海未「・・・・そ、それでどうでしょうか? チョコの方はお口に合いましたか・・・?」
雪穂「! んっ んっ」コクッ コクッ
海未「ほっ・・・・。そうですか、良かったです」
雪穂「・・・・・」モグモグ
雪穂「・・・・・・///」ウツムキ
海未「・・・・おや? 雪穂? ちょっといいですか?」
雪穂「?」
海未「こっちを見てください」
雪穂「? ・・・・っ!」
海未「・・・・・・・」ジーッ
雪穂「! !?////」ドキドキ
海未「・・・・・・・」ジーッ
海未「・・・・・・・」ジリッ
雪穂「!!!///」
雪穂(なになに?!/// なんで私に近づいてきてるのっ?) アトズサリ
トンッ
雪穂(うっ、後ろは壁・・・。もうこれ以上下がれない・・・)どきどき
海未「雪穂・・・・あなた・・・」スッ
雪穂(海未ちゃんが更に近づいてきて・・・。だ、だめっ・・・!)目を瞑り どきどき
海未「・・・・・・・・」
雪穂「・・・・・!」どきんどきん
プニッ
雪穂「んぇ?」
海未「・・・・・やはり」プニプニ 頬サワサワ
雪穂「う、うみしゃん・・・?」頬触られ
海未「雪穂。少し太りましたね」
雪穂「んなっ!?」
海未「むっ。であれば、もしかしたら」スー
雪穂(? 私のほっぺたを触ってた手を下げて・・・?)キョトン
海未「・・・・・」ガバッ
雪穂「へっ!? ちょっとおおおお/// なんで私の服めくってるのおお!////」アタフタ
海未「こちらもやはり!」サワサワ
雪穂「やはりってなに?!」
海未「スカートのホックをこんなにきつく締めてはいけません! 内臓に負担を掛けますよ!」カチャカチャ
雪穂「ちょ?! ひゃ///」
海未「雪穂の事です、この程度太ったからと言ってまたダイエットしているでしょう!? しかし雪穂は不摂生をすることがダイエットと勘違いしている節があります! 現に見てくださいこの朝食! せっかくお母様が作って頂いた朝食なのでしょう! こんなに残して! 朝はしっかり食べないといけません!」
雪穂「こ、これはお父さんの分で・・・」
海未「言い訳しない! きんぴらごぼうに全然お箸を付けていないじゃないですか! いいですか? ごぼうといった根菜は食物繊維を多く含みそれを食べれば新陳代謝を向上させ」
雪穂「ひぇ~・・・いつの間にかお説教がぁ・・・」
海未「お説教とはなんですか! 私は雪穂の体の事を思って」
雪穂「はい~・・・・」ビクビク
海未「そもそも雪穂にダイエットは必要ありません! 今のくらいが標準体型です! むしろ無理なダイエットをすることが、大事な成長期に悪影響を与えてしまいます! そうならないよう、これからは適度に運動し、食事は必要以上に抜かない、そして履物は今よりワンサイズ大きい物を履くようにしください! 分かりましたかっ?!」
雪穂「どおどお・・・そんなに怒ったら血圧上がるよ海未さん・・・?」
海未「今は雪穂の話をしているんです! 私だってこんなにガミガミガミガミ言いたくありません! だいたい雪穂は ガミガミ」
雪穂(おねえちゃーん・・・早く降りてきて~・・・・)
< トントントン
穂乃果「ことりちゃん助かったよ~ありがと~」
ことり「いえいえどういたしまして♪」
穂乃果「うみちゃーん? いつまで遊んでるのー? 早く朝練いくよー」
海未「なあっ!? なんですかその言い方は! 元はと言えば穂乃果がですねえ!」スクッ スタスタスタ
雪穂「ほっ・・・。いってらっしゃーい」
< いってきまーす
< おじゃましましたー
雪穂「・・・・・・」
雪穂(そうだよね~、現実の海未さんはああだよねぇ・・・)
雪穂(でも、そんな海未さんが、ある日従順になって、従順すぎるぐらいで、私を束縛する程だったら・・・)
雪穂「・・・・・っ~~~!!////」悶え
ほの父「・・・・・・・」
雪穂「・・・・はっ!」
雪穂「・・・・私ももう学校行く」
ほの父「・・・・・・・」ノミ
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中学校
お昼休み
ゆきあり「「ごちそうさま」」
亜里沙「雪穂っ。おかず交換してくれてありがとっ。雪穂のうちの和風なお弁当好きだなー」
雪穂「そう? 私は絵里さんの作ってくれるロシアンな料理の方が好きだけど」
亜里沙「ホントっ? そう言ってくれると亜里沙も嬉しい!」
JC1「・・・・・」ソワソワ
JC2「・・・・・」ヒソヒソ
雪穂「今日はバレンタインデーかー」
亜里沙「そうだよ雪穂っ! ねえねえ持ってきてくれた?」
雪穂「持ってきたけど・・・・。本当におまんじゅうで良かったの? うちに来ればいつでも食べさせてあげられるのに」
亜里沙「この日にお菓子の交換がしたかったの! 日本の伝統なんでしょ? ハロウィンみたい!」
雪穂「んん~・・・多分違うと思うけど・・・。まあいいや。はい、おまんじゅうどうぞ」
亜里沙「あれっ? いつもと色が違うよ? 触り心地も」フニフニ
雪穂「うん。それは揚げまんじゅうね。いつものほむまんじゃ芸がないかと思って」
亜里沙「これもおまんじゅうなの?」
雪穂「そうだよ」
亜里沙「いただきまーす」パクッ モグッ
亜里沙「ん! これは! おまんじゅうじゃないけどおまんじゅうだ! 新食感! ハラショー!」
雪穂「気に入ってくれて良かったよ」
亜里沙「ありがとう雪穂っ! はい、亜里沙からはロシアのチョコだよ」
雪穂「おおっ、ありがとう。・・・・・ね、ねえ、ちょっと聞くけどさ、このチョコってタバスコが入ってたりする・・・?」
亜里沙「タバスコ? いくらロシアが寒いからって、チョコにまでタバスコは入れないよ~。雪穂はロシアを誤解してる」
雪穂「ごめんごめん。頂きます」パクッ モグ
雪穂「んんっ♪ おいしいっ。チョコだけど、日本でよく食べるチョコとは風味が違くて新鮮」
亜里沙「でしょー。おばあさまに送ってもらったんだ。亜里沙からは穂むらの羊羹をおばあさまに送ったよ」
雪穂「毎度いつもごひいきに」
亜里沙「雪穂は他に誰かとお菓子交換するの?」
雪穂「んー・・・。特には。あっ、でもこの前お姉ちゃんにあんこ入りのチョコあげたっけな」
亜里沙「あんこ入りのチョコ!? そんなのあるんだ! 絶対おいしいよそれ! 穂乃果さんいいなー」
雪穂「うん。お姉ちゃん、怒る程喜んでいたよ。妹ながら良いことをしたね」
亜里沙「亜里沙ももっと色んなお菓子が食べたいから、色んな人とお菓子交換したいな~」
雪穂「あのね、亜里沙。亜里沙も誤解しているようだから言うんだけど、バレンタインデーってお菓子を交換する日じゃなくて、好きな人にチョコをあげる日なんだよ、一般的には」
亜里沙「そうだったの? あっ! それでも亜里沙正しいでしょ? だって一番好きな人にチョコあげたよ」
雪穂「えっ? ・・・あ、ああ、そういうことね。・・・そうやって面と向かってハッキリ言われるとちょと恥ずかしいと言うかなんというか・・・///」テレテレ
亜里沙「ふふーん」
亜里沙「ねえねえ、雪穂。好きな人で思い出したんだけど、さっきの国語の授業とっても面白かったの! 雪穂はどう思った?」
雪穂「えっ? な、なんだっけ・・・?」
亜里沙「また授業中寝ていたの? もー雪穂はー」
雪穂「ね、寝てないよっ。ただ、ちょっと考え事してて・・・。えっと、どんな授業だったの?」
亜里沙「あのね、平安時代のお話を先生がしてくれたんだよ」
雪穂「平安時代?」
亜里沙「うん。平安時代ではね、夜に寝ている時に見る夢が特別だったの。夢の中に想い人が出てくるとね、その想い人も自分の事が好きって事なんだって。きっと現実で直接会いに行くのは恥ずかしいから夢の中で会いに行くんだよ。こういう奥ゆかしさって胸が ほわぁ ってなるから好き!」
雪穂「へえ」
亜里沙「そういえば俺君は夜中眠っている時に、課長から『勤務中に寝るな!』って怒られる夢を見て飛び起きることがしょっちゅうあるんだって。きっと課長さんは俺君が大好きなんだね。オエーッ、だね」
雪穂「そうだね」
亜里沙「亜里沙はね、昨日の夜は雪穂と遊んでる夢を見たよ! ・・・ってことは雪穂は亜里沙のことを? きゃー//////」パタパタ
雪穂「んっ、うん・・・まあ//」
亜里沙「雪穂はどう? 昨日の夜は亜里沙が夢に出てきた?」
雪穂「私? 私が昨日見た夢は―――」
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海未「このチョコを公野先輩に差し上げる・・・? 冗談じゃありません。これほどまでにお嬢様の心のこもった・・・雪のようなチョコと・・・雪穂お嬢様を手に入れられるのならば・・・私は神にでも逆らってみせます」スーッ...
雪穂「う、うみ・・・・」ドキドキ
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雪穂「ふぁぁぁ///////」項垂れ
亜里沙「どうしたの?」
雪穂「な、なんでもない・・・/// ふー・・・・///」
亜里沙「それで? 雪穂の夢には誰が出てきたの?」
雪穂「・・・・う、うみさん///」
亜里沙「ええっ?! 海未さん?! いいなあ!! なんたって海未さんと言ったらヤマトナデシコだもんね! 夢で想いを伝えるなんて、なんと奥ゆかしい! さっすが海未さんです・・・!」
雪穂「奥ゆかしい・・・? 海未さんが・・・?」
亜里沙「そうでしょ? PVとかライブ見ても、海未さんって控えめでおしとやかだもん。μ’sを知ってるクラスの子もみんなそう言ってるでしょ」
雪穂「そうだけど・・・うーん・・・」
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雪穂「どおどお・・・そんなに怒ったら血圧上がるよ海未さん・・・?」
海未「今は雪穂の話をしているんです! 私だってこんなにガミガミガミガミ言いたくありません! だいたい雪穂は ガミガミ」
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雪穂(控えめでおしとやかで、奥ゆかしい・・・・かなあ・・・?)
亜里沙「?」キョトン
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後日 穂むら
雪穂「・・・・・・・・」ポケー (店番中)
雪穂「・・・・・・・・」ポケー
< ゆ~・・・きっほっ! ガバッ
雪穂「・・・・・・・・何?」ポケー
穂乃果「ねえねえいい事聞いちゃった。明日は店番しなくていいって」
雪穂「そう。それじゃ明日は一日中マンガ読んでよっかな」
穂乃果「ダメダメそんなの」
雪穂「なんで?」
穂乃果「買い物行こうよ! たまには姉妹水入らずでさ!」
雪穂「買い物って・・・お姉ちゃんお金あるの?」
穂乃果「うっ・・・。ほ、穂乃果は主にウィンドウショッピングでいいや。とにかくっ、雪穂、一緒に買い物行こうよ、ねー」ユサユサ
雪穂「分かった分かった、なんのさもう・・・」
穂乃果「そうそう、明日はちゃんとした服を着てよね。ジャージなんて絶対ダメだよ。この前ことりちゃんに選んでもらった大人なワンピースあるよね? あれでいいや」
雪穂「いやいや・・・。あれは私の一張羅だからあんまり軽々しく着たくないんだけど・・・」
穂乃果「とにかく着るの! 分かった?」
雪穂「う、うん」
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翌日 原宿
穂乃果「来たね原宿。原宿と言ったらファッションの街! 女子高生なら是非行かなきゃね」
雪穂「そうだね。それじゃ適当に周ろうっか」テク
穂乃果「あっ! 待ってそっちじゃない」グイッ
雪穂「わっ? っと? な、なに? 行くところ考えてたの?」
穂乃果「うん―――ううん! 考えてないっ、考えてないよ? なんも考えてないよう? 適当に周ろうっか」
雪穂「だからそう言ってるでしょ」
穂乃果「そ、そうだけど、えっと、その・・・そ、そう! 穂乃果はこっちに行きたい気分なの! こっちに行こう? ネッ?」
雪穂「いいけど・・・」
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雪穂「わぁ、このパンケーキおいそう」ジュル
穂乃果「雪穂ったら、ファッションの街にまで来て色気より食い気なんだから、お姉ちゃん恥ずかしいよ、あっ! このイチゴケーキおいしそう!!」ジュルリ
穂乃果「・・・と、違う違う。・・・えっと」キョロキョロ
雪穂「? 何か探してるの?」
穂乃果「えっ? 別に探してないよ?」
雪穂「・・・・?」
< あれー? ほのかちゃんだー
< 穂乃果?
穂乃果「いたっ! ・・・じゃなくてっ、えっと、あ、あーことりちゃんとうみちゃんだー」
雪穂「うみさんっ?!」ドキッ
ことり「穂乃果ちゃんも原宿にお買い物に来てたんだねっ♪」
穂乃果「う、うん! こんなところであえるなんてきぐうだねー!」
ことり「どこに行っても偶然に巡りあっちゃうなんて運命感じちゃうねー♪」
穂乃果「ねー♪」
海未「こんにちは、雪穂も一緒なんですね」
雪穂「・・・は、はい」
ことり「ねえねえ、せっかくだし4人で見て周ろうよ」
穂乃果「いいねいね! そうしよう! いいよね海未ちゃん、雪穂」
海未「ええ、構いませんよ」
雪穂「う、うん」
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穂乃果「きゃっきゃっ」
ことり「うふふ」
海未「・・・・・・」
雪穂「・・・・・・」モジモジ
穂乃果「あっ、いっけなーいほのか店番頼まれてたんだ」
雪穂「えっ? 今日は店番やらなくていいって言われてたんじゃ?」
ことり「あっ、ことりそろそろメイドのお仕事に戻らないと」
海未「メイド? ここは原宿ですが」
ことほの「「そういうわけでごめんね帰ります! 後は二人で楽しんでねっ」」スタコラサッサッー
雪穂「えっ? ちょ、ま」
海未「なんなんでしょう・・・行っちゃいました」
雪穂「う、うん・・・・」
海未「どうします? せっかくここまで来ましたし、雪穂が良ければ二人で歩きますか?」
雪穂「は、はい、もちろん」
海未「行きましょう」
海未「原宿はファッションの街とはよく聞きます。雪穂は服を買いに来たのですよね」
雪穂「ええ、まあ・・・。でもあんまりお金がないからウィンドウショッピングが主かな~・・・なんて、あはは」
海未「そうですか。・・・・お恥ずかしながら私は最近のファッションについてはよく分からなくて・・・」
海未「例えば今のその雪穂の服装」
雪穂「えっ、に、似合ってなかった・・・?」
海未「いえとんでもない。その清楚で落ち着いたワンピース、最近めっきりと大人っぽくなった雪穂にとても似合っていますよ」
雪穂「そ、そう・・・?/// この服は一番のお気に入りで。海未さんの方こそ、その服・・・、えっと、その服は・・・・」
海未「どうでしょうか? 似合っていますか? 一番綺麗な服を着てくるよう、昨日ことりに言われて、これにしたのですけど」
雪穂「も、もちろんとても似合ってる!」
海未「そうですか・・・///」テレテレ
雪穂(海未さん・・・・・スクフェス舞踏会編の覚醒前のお洋服着てる。明治時代の貴婦人みたいで綺麗で似合ってる。洋館の前に居たら絵になるくらいすごく似合ってるけど・・・。若者のファッションの街でその格好はちょっと浮いているような・・・)
雪穂(ま、まあ・・・海未さんらしいと言えばらしいか・・・)
海未「それでですが、私はこの服が気に入っていますし、そして雪穂の服も似合っているように思います。ですのでこの原宿で新しい服を揃えるとなっても、私、その気にあまりならなくて・・・。すいません、こんな私とでは面白くないですよね・・・」
雪穂「いえいえ! そんなこと! えっと、えっと・・・あっ! それじゃこうしません? 海未さんが面白そうだなと思うものを一緒に探してみるとか・・・?」
海未「それは嬉しい提案ですけど、雪穂はいいのですか?」
雪穂「はいっ。服はいつでも買いに行けるけど、せっかく海未さんとふ・・・ふっ、ふたりきり・・・/// な、なので・・・///」モニョモニョ
海未「ふふっ、そうですか。ありがとうございます。実は、原宿と聞いて行ってみたいと思っていた所があるんです。先程まで服飾担当のことりと一緒でしたから、今日は行かないつもりでしたけど、よかったらそちらに」
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明治神宮 至誠館
雪穂「ここは・・・武道場?」
海未「はい。明治神宮の御祭神の御加護と御神徳の元、柔道、弓道、剣道等 あらやる武道を通じて心身の鍛錬をし、次世代を担う人材を育成する場です」
海未「祭事がある時など、私は父に連れられてここにくることが子供の頃から何度かありました」
雪穂「そうなんだ。・・・ええと、ここが海未さんが行きたかった場所だよね? 武道をやるってこと・・・? その・・・私、武道ってやったことなくて・・・」
海未「いえ、私が行きたかったのは武道場ではなく、反対側のこちらです」
雪穂「反対側?」クルッ
< わー
< まてー
< こっちだよ~
雪穂「芝生の大きな広場があるね。小さな子供たちが走り回って遊んでいる」
海未「・・・・子供の頃、父に連れられてここに来るときは、父はいつも忙しそうにしていました」
海未「そんな父のそばで私は、この芝生で楽しそうに自由に遊ぶ子供達や、レジャーシートを広げてのんびり過ごしている大人達を見ていました。ビルばかりの都内では珍しいこれだけの広い芝生は、子供の頃の私には輝いて見えました」
海未「そんな風に見ながら、私は思っていました ―――私も、ここで遊んだりのんびりしたいな――― と。だけど忙しそうにしている父にそんなことは言えず、ただただうらやましく見ている事しかできませんでした」
海未「ということで、せっかく遊びで原宿に来たのですから、子供の頃にできなかったことを、今したいなと思いまして。雪穂、付き合って頂けますか?」
雪穂「はいもちろん! でも、遊ぶって、追いかけっことか? 海未さんのその服じゃちょっと・・・」
海未「クスクス、お気遣いありがとうございます」
海未「ここに来る途中、雑貨屋さんでレジャーシートを買ってきました。とりあえずあそこの木の下で広げましょう」ゴソゴソ
雪穂「はい」
バサッ
雪穂「レジャーシート敷けた。これで何をするんですか?」
海未「まずはこの上に座ります」ストン
雪穂「はい」ストン
雪穂「それから?」
海未「何も」
雪穂「何も? なにも・・・?」
海未「何もしません。のんびり過ごしましょう」
雪穂「う、うん。海未さんがそれでいいなら」
雪穂(のんびり・・・? とりあえず脱力していればいいかな?)
海未「今日はお日様がしっかり出ていて暖かくていいですね」
雪穂「そうですね~・・・」ダラーン
海未「それでいて、ここは都会の中にありながら、都会の喧騒は届いてこない。静かでいいですね」
雪穂「そうですね~・・・」ポケー
海未「ここは明治神宮の御社殿の裏手にあるんですよ。神域が近くて心洗われるような清々しさも感じられます」
雪穂「そうだね~・・・」
< いけ~
< くやぢぃ~~!
< にっげろ~
< にゅははっ
雪穂(小さい子供が遊んでる)
雪穂(私が小さい時も、あんな風に遊んでいたっけ。お姉ちゃんと、ことりさんと、海未さんと)
雪穂(お姉ちゃんとことりさんは昔も今とあんまり変わらないけど、海未さんはすごく恥ずかしがり屋さんだったなぁ。いつも物陰に隠れてて、涙目で、怖がりで)
雪穂(私より年上なのに、こんな頼りない人の将来は大丈夫なのかな、なんて小さい頃の私は思っていけど・・・)
雪穂(いつからか海未さんは、私やお姉ちゃんに毎日のようにカミナリを落とすくらいに強気になって、実際色んな武道を通じて強くなって、正義感があって、勉強もできるし、料理もできる。こんなに素敵な女性になるなんて、小さい頃は全然想像もしなかった)
海未「ああやって遊んでいる小さな子供達を見ていると思い出しますね。あのくらいの頃に、私と、ことりと、穂乃果と、雪穂で近所の公園で遊んでいた時の事」
雪穂「えっ・・・?」ドキッ
雪穂(同じこと考えてた?)ドキドキ
海未「あの頃と比べて穂乃果とことりは今もあんまり変わらないですけど、雪穂は結構変りましたよね」
雪穂「そ、そう? どんなところが?」
海未「小さい頃の雪穂はとても恥ずかしがり屋でした。いつも穂乃果の背中の後ろに隠れていて、私やことりに上手く話しかけられなくて。それにちょっと穂乃果を見失っただけで泣き出してしまうくらいの泣き虫でしたし」
雪穂「えっ/// ええ~?/// そうだったかなあ・・・?」
海未「そうでしたよ。ですから、私、失礼ながらこんなことを思っていました」
海未「こんな頼りない人の将来は大丈夫なのかな、なんて」
雪穂「!」
海未「中学校くらいからでしたっけ。雪穂は私の事を “海未ちゃん” ではなく “海未さん” と呼び方を変えましたよね」
雪穂「う、うん。いくら幼馴染とはいえ、同じ学校に通う先輩の事を ちゃん付けで呼ぶのはおかしいかと思って」
海未「自分でそのように考えられる辺り、雪穂はしっかりした人です。だらしない穂乃果とは正反対に、毎朝ちゃんと起きるし、体型の事を気にして自分自分を律する事が出来ているし、年上の私からしてもときどき驚かされるくらい、人前で冷静に落ち着いて自分の意見を言えるし。なにより―――」
海未「雪穂は穂乃果以上に、人の心の中にある本当の想いを感じ取るのが上手です」
雪穂「・・・・・・・」
海未「亜里沙から聞きました。μ’sとは何か、その心の中のモヤモヤを言葉にできなかった穂乃果の代わりに、雪穂からそれを言葉にして、穂乃果に伝えたと」
海未「そして、それが穂乃果を・・・μ’sを・・・・正しく導きました」
海未「・・・・本当にありがとうございました」
雪穂「・・・・・・・」
海未「こんなに素晴らしい女性に対して 将来は大丈夫なのかな? なんて思っていた子供の頃の私を叱ってやりたいです。なんてね、ふふっ」ニコッ
雪穂(・・・・・・従順で、従順すぎるぐらいで、私を束縛する程の海未さんも魅力的だけど)
雪穂(やっぱり、私の小さい頃から私を知ってくれている海未さんが、私が小さい頃から知っている海未ちゃんが、こうやってそばに居てくれるだけで、私は幸せだなあ)
雪穂「・・・・・・・・」コテン
海未「雪穂?」
雪穂「ふぁ~・・・・。ちょっと眠くなってきちゃった。肩かして~・・・・」
海未「ええ、どうぞ」
< あっ、み~つけた
< わ、あわわ・・・
< 一緒に遊ぼうっ!
....サワサワ
海未「優しい風が・・・。んん~・・・。今日は気持ちがいい日です」
~少し離れたところ~
ことり「ぴぃ~! 雪穂ちゃん海未ちゃんの肩にいった~!」
ことり「今朝海未ちゃんが原宿に行くのに舞踏会編のお洋服で家から出て来たときは着替えさそうかとも思ったけどやらなくて良かった! だってああやって草原の中の木漏れ日の下でおしとやかに座っている海未ちゃんが、清楚なワンピースを着た雪穂ちゃんに肩を貸しているあれ! すっごい絵になるんだもん! ねえねえ、すごいよ穂乃果ちゃん!」
穂乃果「ん~・・・? ん~・・・・。ほのか眠くなってきちゃった・・・。ことりちゃんお膝かして~・・・」コテン
ことり「ぴぃっ?! こっちも//// ・・・えへ。えへへへ//// 写真撮らなきゃ///」パシャパシャ
おわり
ありがとうございました。
つまらなかった
つまんね
乙
独特の雰囲気で面白かったです
俺君は課長と仲良くなれるといいね!
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