小日向美穂「新狸島」 (79)
モバマスより小日向美穂(たぬき)のSSです。
独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。
前作です↓
白坂小梅「幽霊だって休みたい」
白坂小梅「幽霊だって休みたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523604908/)
最初のです↓
小日向美穂「こひなたぬき」
小日向美穂「こひなたぬき」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508431385/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1524160333
拝啓
熊本のお父さん、お母さん
お爺ちゃん、お婆ちゃん
お元気ですか?
隣山の海老原さんと仲良くしていますか?
もうすっかり春ですが、東京は暑くなったり寒くなったりです。
熊本はどうでしょうか。気温の変化で、風邪など引かないよう気を付けてください。
さて、私は今――
「た、助けてぇ~~~~~~~~~っ!!!」
――無人島に取り残されています!!
事の発端は海外イベントでした。
それ自体は大成功のもと終わりを迎えたのですが、帰りが問題でした。
私とプロデューサーさんだけ、ちょっとした手違いでみんなと違う便の飛行機を取っていたのです。
それにしたって大きな時間差じゃないから、日本でまた会おうねって仲間と約束をして。
その飛行機が、墜落しちゃったんです。
……墜ちる瞬間のことはよく覚えてません。
隣のプロデューサーさんに夢中でしがみ付いて、大きな振動があって、体が浮遊感に包まれて……。
気が付けばカンカン照りの空の下、島の浜辺に打ち上げられていたのでした。
どれほど時間が経ったのかもわかりません。
そもそも圏外だったスマホもとっくに充電切れで、連絡手段どころか時計すら無いのです。
と、後ろの茂みからガサガサっと音がして、浅黒く日焼けした男の人がぬぅっと顔を出しました。
「プロデューサーさん!」
「駄目だ。やっぱり人が住んでる形跡は無いな」
そっか……。
残念そうに肩を落とし、隣に座るプロデューサーさん。
「そっちはどうだ?」
「全然です。鳥さんすら飛んでません……」
白砂に書いたおっきなSOSも、シャツと木の枝で作った旗も今のところ効果なし。
ここがどこなのかすらわからない有様では、どんな飛行機や船が通るかもわからないし……。
「他の乗客さんは無事なのかなぁ……」
「確かめようがないな……。とにかく今は、自分達が生き残ることを考えないと」
「そう、ですね……」
帰れるのかなぁ。
みんな、心配してるかなぁ。
飛行機に乗ってた人達とか、お仕事のこととか、心配事はいっぱいで……。
「美穂」
と、プロデューサーさんが立ち上がって私に手を差し伸べました。
「戻ろう。何か腹に入れないと」
砂浜から森へ入り、10分ほど歩いた場所に綺麗な湖があるのは幸運でした。
プロデューサーさんは既に結構馴染んでいました。
状況を整理して、飲み水を確保して……。
「これ煮沸した水。ぬるいかもしれんが、腹は壊さないだろう。俺も飲んで試した」
「あ、ありがとうございますっ」
プロデューサーさんがいなければ、私は一匹で野性に帰っていたかもしれません。
文化的生活は大事です。ほんとに。
「ていうか、慣れてません……?」
「『カワイイボクと貴重なタンパク源 ~輿水幸子の無人島ライフ~』のロケハンでしばらく一緒に生活したからな」
……つくづく幸子ちゃんは凄いと思います。
「さて……とりあえず食えそうなのは、木の実と植物の茎と、キノコか……」
「キノコって大丈夫なんでしょうか? その、毒とか」
「紛らわしくない範囲で食えるとわかる奴だけ分けといた。輝子にみっちりキノコ知識を教え込まれたのが活きたな」
輝子ちゃんもプロデューサーさんも凄いなぁ……。
一緒に遭難したのが私じゃなかったら、プロデューサーさんももっと楽できたのかなぁ。
私がそう思ってしまったのを察してか、プロデューサーさんは木の実を差し出して言いました。
「美穂がいなかったら、ここまでたくさん見つけられなかった。助かったよ」
「ぽこ……」
狸モードの私は嗅覚に自信があります。
文化的生活を身上とする小日向一族ですが、やんちゃだった子供の頃なんかは、
山の色んなものを探しておやつにしてたことがあります。
森のあちこちを駆け回って、人間では入れない狭いとこに潜り込んだりして……。
そうやって狸的嗅覚と直感の導くまま、なんとか二人分の食料をかき集めたのでした。
「いただこう。まずは食わなきゃな」
「はい。いただきますっ」
プロデューサーさんの荷物にあったライターで火を起こして、できるだけ火を通して食べます。
「……俺どんぐりをこんなにうまいって思ったの初めてかも」
「わ、私もです」
輝子ちゃんお墨付きの食べられるキノコもすごくおいしい。
ただやっぱり調味料がないと味気ないというか……ああ、お醤油が欲しい……。
「いやあキノコは偉いよ、うまいから偉い」
「そうですねっ。残りは天日干しにして、あとは……」
「ああ、あとは……」
お皿の代わりにした葉っぱの上にそれはありました。
虫。
一般的にはカミキリムシの幼虫とか、セミとかハチがおいしいっていうけど……。
そんなに都合よくおいしい虫がいたりはしませんでした。
それほど詳しいわけではないので、頼りになるのは直感でした。
できるだけ大きくて、毒がなさそうで、狸的に少しでも食欲をそそられる虫……。
「あ、当たり前だけど……生きてます、ね」
「虫を食うのはロケハン以来だが、こいつらは見たことがない……」
倒木を食べてたイモムシさんを摘み上げ、プロデューサーさんは意を決しました。
「俺が毒見をする。万が一の時は……」
「いえ、私も同時に食べますっ。プロデューサーさんだけ危ない目に遭わせられません!」
「美穂……。そうか、その意気やよし!」
たぬきの私にとって、虫さんはそんなに怖いものではありません。
山で遊び相手になって貰ったりもしましたから。
だけど、食べたことは流石になくて……。
「ご……ごめんね。私達も、食べなきゃ生きていけないの……!」
「命を頂くという言葉が身に染みるな……」
「それじゃあ……!」
「ああ、いただきます、で同時にいこう」
「せーのっ、いただきますっ!」
ぱくっ。
……。
…………。
………………。
「……のどごし、さわやか」
「ですね……」
どころか、おいしい。
おいしいのです……!
「うぅっ、ありがとう虫さん、ありがとうたぬきの直感、ありがとう貴重なタンパク源……!」
「次焼いてみようぜ!!」
〇
いつか、助けが来る。
私達はそう信じています。
その為にも、この誰もいない島で元気に生き延びなくちゃ……!
こうして私とプロデューサーさん、二人っきりの無人島サバイバルは始まったのです。
〇
「じゃあ、美穂……いいか?」
「は、はい……っ」
「できるだけ優しくするつもりだけど、痛かったら言ってくれ。すぐやめるから」
「大丈夫です。プロデューサーさんとだったら……どんなに痛くても、耐えてみせますっ」
「そんな嬉しいこと言われたら俺、手加減できなくなっちまうよ……」
「手加減なんて、しないでください。私プロデューサーさんのこと信じてますから!」
「じゃあ、いくぞ?」
「はい。あの……手を握っててくれますか?」
「ああ。ずっと離さないからな……」
ポンッ!
「よっしゃあ! 切るぞおおーーっ!!」
おーっ!
森に立ち向かうプロデューサーさん!
手には斧に化けた私!
私は持ち前の化け術で、プロデューサーさんが使うためのあらゆる道具になりました。
あんまり複雑な機構があったり、大きすぎたり小さすぎるものは無理ですけど……。
ちょっとした木を切るための斧なら、ちゃんと食べて気合を入れればばっちりです。硬い刃の部分も、むんっ! と気合を入れればなんとか。
手頃な大きさの木を切って切って、倒してまとめて整理して。
それは薪になって、足場になって、柱になって……。
「で……できた! 俺達の家だ!!」
「やりましたねプロデューサーさんっ!!」
手を取り合って喜びました。
目の前には、自然とほぼ一体化したような小屋……。
木を柱とし、枝葉を屋根とし、蔓のロープでまとめ上げた、100%現地素材のシェルター!
島は温暖で夜も凍えるほどではないのですが、やはり雨風は凌がなければなりません。
大人二人が横になっていっぱいくらいの、テントほどの大きさですが、それでもこれが私達の家です。
二人で作り上げた、二人のおうちなのです……!
〇
こんなこともありました。私が朝目覚めると、向こうからプロデューサーさんが……。
「美穂、美穂!! 美穂ーっ!!」
「ふあっ!? な、なんですかプロデューサーさん!?」
「バナナ! バナナあったババナ! あっちにバナババナバババババ」
「ばなば!? どどどどどこですかっ!?」
「バナナ味ーッ!!」
並んでダッシュする私達。
森の奥まったところに、なんとバナナの木が!
目くばせを受けて即変化。ブーメランになった私をプロデューサーさんが華麗に投げます。
(この頃になると彼のブーメランテクはかなり磨かれていました。アボリジニもびっくり)
いい感じに熟した一房を手に入れて、自然の恵みを口にします。
「かってぇ!? 野生のバナナかってぇ! あと甘くねえ!」
「わっ、中は種びっしりですね!?」
人間が品種改良したバナナのおいしさを思い知ります。
だけど野性のバナナでも、今の私達にとっては宝物そのものでした。
〇
何日が経ったでしょう。
何週間過ぎたでしょう。
はたまた何か月……?
葉っぱで作った風呂敷いっぱいに木の実やキノコを包んで戻れば、
プロデューサーさんは家の中で休んでいるところでした。
「プロデューサーさん! 今日もいっぱい……」
返事はありませんでした。
覗いてみると、中で何かを見ているみたいでした。
もうすっかりボロボロになっちゃった彼の鞄。
防水仕様だったおかげで、その中身は幸いにもほとんど無事でした。
充電切れのタブレットやノート、今も役に立ってるライターやハサミとかの文房具……。
それと、アイドルみんなの資料。
プロデューサーさんはそれら一枚一枚に目を通し、指の腹で写真を撫でていました。
「…………」
やっぱり、帰りたいですよね。
私だって早くみんなに会いたい。
けど、しんみりしてるところは見せたくないし、彼もそうだと思うから……。
私は回れ右をしてその辺までぐるっと走り、今帰ってきたという顔でまた家に戻りました。
「おお、美穂! どうだった!?」
「大量ですっ! 任せてください!」
ちょうど出てきたプロデューサーさんに笑顔で応えて。
絶対日本に帰ることを、心の底で誓うのでした。
その日の食事で、少し変わったことがありました。
いつも通り採ってきたキノコをより分けてる最中、ふと……。
「……毛?」
何かから抜けたみたいな毛が、幾つかのキノコにくっついていて。
たぬきモードの私のかな? でも毛並みが違うような……。
この島に、私達以外の動物がいるのでしょうか?
〇
その夜は不思議なほど冷えて、葉っぱを繋ぎ合わせたシートを何枚も重ねて被りました。
陽が落ちれば辺りは真っ暗です。
人工の灯りはどこにも無くて、剥き出しになった星空は大きすぎて怖いくらいでした。
どこかから鳥や虫の鳴き声。森の奥の闇は、手を伸ばせば掴めそうなほどに濃くて。
「プロデューサーさん……」
だからでしょうか。
それとも、日本のことを思い出したからかな。
「そっちに行って、いいですか?」
二畳あるかないかくらいの家だから、横を見ればすぐ近くに彼はいます。
だけど遠慮してるのか、プロデューサーとしての職業意識が残ってるのか、
自分からは私に決して近付かないし、触ろうともしません。
けれどこっちからお願いすると、彼は黙って葉っぱのシートを開いてくれました。
私はころころんと横に転がって、プロデューサーさんの胸元に滑り込みます。
……あったかい。
……安心する匂い。
って、私臭くないかな……。
一応近くの湖で水浴びはしてるし、たぬきの姿ですいすい泳ぐこともあるけど。
そんな私の心配も知らぬげに、プロデューサーさんは葉っぱを降ろして、私の体を包み込んでくれました。
「頭を……撫でてくれますか?」
大きな手が後ろから回ってきて、頭をくしゃくしゃ撫でてくれます。
それがくすぐったくて、久しぶりな感じで少し笑いました。
鼓動と体温が直に伝わります。
抱き合うような体勢のまま、しばらく黙っていました。
ぬるま湯に浸るような、のんびりと重ったるくて甘い沈黙。
生き物は危機的状況に陥ると生存本能が刺激される、のは当然のことで。
ギリギリでも衣食住が間に合ったとしても、不安な気持ちはまだまだあって。
それはどこから来る不安なのか、どうすれば解消することができるのか。
その答えは、今こうして感じる体温にあるような感じがして……。
手を伸ばして、おヒゲの伸びた頬を撫でます。
「……プロデューサーさ」
がさっ!!
びっくりしました。全身が1センチくらい跳ねたと思います。
外で物音。風や物ではなくて、質量のある何かが自分から動いたみたいな感じ。
跳ね起きました。プロデューサーさんは私を庇うように抱きしめて、じっと息を潜めます。
ポ
ポ
ポ ポポン
ポ
ポン ポコ ポンヌ
ポン ヌポン ポ ポーン
ポポ
ポコポコポコ
ポッポコ
ンヌ
「な、な、なに……?」
「離れるなよ……」
シェルターの周囲に、無数の小さな物音が。
気配はすっかりここを囲んでいました。
それが急に包囲を狭め、最初の気配が駆け込んできて……!
「ポコーンヌ!!」
「きゃあああああっ!?」
えっ。
この鳴き声、におい、姿……。
「たぬき!?」
「ポコンヌ!! ポコポンヌル!!」
大きくてワイルドな野生の狸が、後から後から飛び出てきます。
私達は目を白黒させて抱き合っているしかありません。
「ポンヌルポン!!」
「ポコンヌ!!」
「ポッポコヌル!!」
「ポヌル!!」
「ポン!!」
狸語で何か言って……。
「み……美穂。なんて言ってるかわかるか?」
「は、はい。訛りがきついけど、なんとか……!」
どうやらそう言ってるみたいでした。
敵意は感じるけど、すぐに襲ってくるような凶暴性は感じられません。
むしろ向こうもびっくりしてるような、どうすればいいかわからないような、
戸惑いと警戒がありありと現れていました。
「……話、できるか?」
「や、やってみます」
ぽん、と耳と尻尾を出して。
「ぽこぽん、ぽんぽこぽんっ!」
「ポヌ!?」
私達は飛行機事故でここに流れ着いた、人間と化け狸です。
縄張りを荒らしてしまってごめんなさい。
だけど、生きる為に必死なんです。
どうか、見逃してもらえませんか?
できるだけの誠意を込めて伝えると、たぬき達は目を見合わせて何やら審議を始めました。
「ポコンヌ」
「ポンヌ」
「ポコポンヌル」
「ポコ?」
「ポンヌル」
「ヌルポ」
「えっ、村に……?」
「村!? そんなのがあるのか!?」
つがいのメスが狸とは意外だった。
村に連れて行き、村長の指示を仰ごう。
彼らはそう言っていました。ひとまず矛を納めてくれたようです。
つ、つがいではないんだけど……。
まあ、ここでわざわざ訂正するようなことでもないですよね。えへへ。
〇
狸に連れられて、私達は森の奥へ奥へと入り込んでいきます。
彼らは慣れているのか夜目が利くけど、私達は松明が無ければ一歩先も見えません。
「ぷ、プロデューサーさん……」
「大丈夫だ、美穂に変なことはさせない。だから会話の方は頼む」
「はいっ」
「ぽこん、ぽこぽん?」
「ポンヌルポン、ポコポンヌル」
本当に村があるんですか? という問いに対して、
――もうすぐ灯りが見えるから、黙って歩け。
ですって。
彼らの言葉は崩しがひどくて発音に独特の訛りがあるけど、確かに日本狸語でした。
元は日本の子達だったということで間違いないと思います。
でも、だったらどうしてこんなとこに……?
鬱蒼たる森の向こうに、滲み出る灯りが見えました。
「ポコヌル」
着いた……みたいです。
篝火に照らされ、私達は呆然と立ちすくむばかり。
森の中に開けた場所があって、そこは狸の村でした。
なんと何十匹もの狸の群れが、わいわいぽこぽこ暮らしていたのです。
「これは……こんな場所があったのか……」
軽い運動場くらいはありそうな広さでした。
そのあちこちに篝火が焚かれ、狸の手による穴ぐらがあちこちで口を開けています。
私達が通されたのは、一番奥の一番大きな家でした。
人間には入口が狭いけど狸が暮らすには大きな穴ぐらで、それが村長の住居だというのです。
四畳半くらいの室内には、村の重鎮らしきたぬきがずらっと並んでいて。
その中心に、ひときわ体の大きいオス狸が鎮座しています。
思っていたよりも若い、精悍な狸でした。
「ポコポンヌ、ヌルポンポコヌ」
「……えーっと美穂、通訳してくれるか」
「は、はい。えっと……」
『海の近くに見慣れない生き物がいると、見回りの狸が言っていた。
何者かが食糧を勝手に採っているらしいという報告もあったが、それはあなた方だったのだな。
本格的に誰かいるとわかったのは、木からバナナが幾つも取られてからだったが……』
『ご、ごめんなさい。食べるものがどうしても必要で……』
すると意外や意外、村長は寛大に笑いました。
(人間には表情がわかりにくいかもしれませんが、狸だって笑うのです)
『いや、構わないよ。むしろよく来てくれた。
そちらさえ良ければ、ここでしばらく暮らしても構わない。食料を分けてあげよう』
『ほんとですか!?』
『本当だとも。だが、狸である君だけだ。人間には出て行ってもらう』
え……!?
『ど、どうしてプロデューサーさんは駄目なの!?』
『村にいる狸のほとんどは人間を憎んでいる。
何故ならそもそも我らがこの島で暮らすようになった理由が、人間の勝手な振る舞いだからだ』
『そんな……』
村長は、この村の成り立ちを語って聞かせました。
私の見立て通り、元はといえば彼らは日本で暮らす普通の野性の狸でした。
静かに暮らしていた彼らを人間が捕らえ、飛行機に乗せたのです。
行き先は、外国の動物園でした。
狸って日本ではありふれた動物だけど、海外ではすっごくレアな動物だそうなんです。
だから珍獣扱いを受けていて、動物園に入れればシロクマさんとかと同じ目玉枠になるそうで。
彼らもそういう風にどこかの動物園に売られる筈だったけど、そこでなんと輸送機が墜落。
私達とは違い、飛行機そのものが島にどかーんと落ちちゃったんですって。
「そうか。森のど真ん中なのにここが開けてるのも……」
『飛行機が落ちたからだ。この先へ進めばまだ残骸がある。人間の白骨死体もな』
ひえぇ……。
『で、でもじゃあ、追い出されちゃったプロデューサーさんはどうすればいいんですか!』
『そこまでの責任を持つつもりは無い。ただ我々の縄張りにいさせるつもりも無い』
『そんなの横暴です! プロデューサーさんを餓死させるつもりなんですか!?』
人間が好きな狸もいれば、嫌いな狸もいる。
島の狸はまさに後者で、そうなるだけの理由も十分すぎるほどにあります。
だけど私だけが村に受け容れられて、プロデューサーさんだけを追い出すなんて到底認められません!
プロデューサーさんは私の通訳を介して村長と会話を交わします。
「どうしても、人間は村に置いておけないと言うんですね?」
『その通りだ。あなたには気の毒だが、これは我が村の総意でもある』
「では、俺がいることで村に何か利益があるとすれば、どうでしょう」
『……なんだと?』
プロデューサーさんが何を言わんとしているのかよくわかりません。
わかりませんけど、信じて通訳します。
「ここに来るまでの途中、村の一角に土が掘り返されてる場所がありました。
何かを埋めたり掘り出したり……といった感じじゃなく、とにかく土を弄ろうとした感じでしたね」
『……』
「あれは、畑を作ろうとしていたのでは?」
狸の間でどよめきが起こりました。
当たりだということでしょう。村長だけが落ち着いていました。
『……日本にいた我々の父祖は、人里にあのようなものがあったと語り継いだ』
わっと、通訳通訳……!
『お察しの通り、あれは畑を作ろうと試みた跡だ。
島には食糧がふんだんにあるが、それも無限ではなく、近頃は遠出して探さなくてはならなくなった』
「そこで、農耕……ですか」
『長い目で見れば、食べるものを安定して手に入れる土壌は必要不可欠だ。畑の仕組みはわかる……だが……』
ぷるぷる震える村長。
忌々しげに、肉球ぷにぷにの前脚を睨みつけます。
『我々では出来ないのだ。畑を耕し、種を植え、それらを手入れする作業が……!
なんと情けないことか! 手段を知りつつも、せいぜい穴を掘り返すしか出来ることが無いとは……!!』
「お気持ち、お察し致します。何匹もの狸を預かる村長の責任たるや想像を絶する重圧でしょう」
『気遣いに感謝する。だが、どのみちあなたには無関係なことだ。村ではなくご自分の心配をしてはいかがか?』
「俺を村に置いて下されば、畑の実現に一役買えることと存じますが」
!?
目を見合わせる狸達。もう村長とプロデューサーさんのやり取りに夢中です。
部屋中を毛深い緊張が包む中、村長は慎重に話の駒を進めていきます。
『あなたが畑を作ってくれるとでも?』
「まあ、そうなります」
『大言壮語も過ぎる。あなたとそこのメス狸が力を合わせたとして、たった二人で村全ての食糧事情を賄う畑を開墾すると?』
「そこですよ。その『人手』を増やせばいいんでしょう?」
〇
化学(ばけがく)の教導。
それこそが、プロデューサーさんの提案でした。
話そのものは単純です。ここで暮らす狸みんなが化学を習得し、人間に化ければいい……。
人間と他の動物の大きな違いは、なんといっても「手」にあります。
二足歩行ゆえに作業に特化できた、左右五本の指が独立して動く器用な手です。
これがあればこそ、人間は色々な道具を使い、あるいは作り、他の動物には真似できないレベルまで文化を発展させたのです。
指がうねうね動く手はなでなでの破壊力も抜群です。
だから狸が人に化ける時も、特にこの手の動きを重点的に訓練するのです。
だけど、彼らは人への化け方を知りません。
教えること自体は私ならできますが……なにぶん、長いあいだ人間と出会わず狸だけで暮らしてきた村。
人間というものがどういう姿でどう化ければいいのか……仮に化学を修めたとしても、それがまずわからないのです。
「資料ならある」
プロデューサーさんは家を出る時に持ち出していた鞄に手を突っ込みました。
「これを見て、人間を勉強して欲しい」
書類にまとめられた、所属アイドルの資料。
それにまだ充電の残っている(全然使わなかったから)ポータブルBDプレイヤーと、ライブBDでした。
村長はその案に乗りました。
作業をする上で、「人間の手」というものはこの上なく魅力的に思えたのでしょう。
プライドよりも村狸の生活を取る、理想的な指導者だ、とプロデューサーさんは言いました。
そこからが大変でした。
私、化学を人に教えるのって初めてだったから。
とにかく実践してみせて、まったく心得のないところから変化のいろはを教えるのが私の役割でした。
人だけじゃなくて道具にも化けられたらより便利です。
特に農具。これがあると無いとでは大違いで、人間と道具で役割を分けられれば効率は跳ね上がるでしょう。
「あのね、鉄の部分はこう、んーっと気張って! 思いっきり固くするの!」
「だめだめ、柄の部分がふにゃふにゃしてる! それじゃ握れないよぉ!」
「頑張って! あんまり複雑な道具にはならなくていいからっ!」
「思い込むの! あなたは農具! 鋤鋤鋤あなたは鋤! はいっ!!」
…………だいぶ大変でした。
その間プロデューサーさんは土地の開墾計画を進めていました。
どこからどの辺りを耕すか。何を植えるか。飛行機の残骸に、何か使えそうなものは無かったか……。
二つのラインを並行して進め、村に滞在するようになって数日後――
〇
ポンッ!!
島狸の中にも、才能のある子はいました。
その子達を筆頭に、人間に化けることができたのです。
資料をもとに忠実に再現した、私から見ても見事な変化でした。
「か……楓さん! 楓さんじゃないか! 元気してましたか!?」
「ポンヌ?(CV早見沙織)」
「ぷ、プロデューサーさん! その子たぬきです!」
「はっ! そ、そうだった……そっくりだったからつい……」
「芳乃ー! 会いたかったぞー!」
「ポンヌル(CV高田憂希)」
「プロデューサーさん~!」
「美嘉! うおおーん!!」
「ヌルポ?(CV佳村はるか)」
「プロデューサーさ……泣いてるっ!?」
ともかくそういうことで、村のメス狸は資料を元にアイドルの姿に変化することができました。
……流石にみんな耳と尻尾丸出しですけど。
手の動きも問題なし。道具を握ることは十分にできそうです。
「ふぅ、良かった……」
「そうですねっ。それになんだか、懐かしい気分……」
「ああ、そうだな……それより……」
プロデューサーさんはさっきから顎を上げて、みんなの首から下を絶対見ないようにしてました。
「……隠すものを用意しないとな」
「…………」
ぎゅむ。
「あいたっ! なんでつねるの!?」
そして――――
「うーーーむ…………頭がおかしくなりそうだ」
「ど、同感です……」
「……最も悪夢的なのは、オスが化けるのは全部俺ということだな」
男性の資料は無かったから……。
見慣れたアイドル達と、無数のプロデューサーさん。
化け術を覚えた島の狸達が、プロデューサーさんの指示のもと村を発展させていきます。
畑を耕して、周辺を整理して、キノコの栽培所を作って、雨風を凌げる家を作って…………。
「さて……畑に関しては、あとは気長に待つしかない。差し当たりすぐに食い物を調達できる方法も確立させないとな」
「どうするんですか?」
「そうだな。虫の飼育と、それから釣りを教えよう。ここには湖や小川もある。食える魚がいるかもしれない」
狸は雑食で、食べられるものならなんでも食べます。
その食性は人間のサバイバル術にも見事に合致して、プロデューサーさんのプロデュースが完璧に機能しました。
「それにしても、やっぱり詳しいですね……。農耕とか、私全然わからなかったです」
「『カワイイボク村 ~輿水幸子、村を拓く~』のロケハンでこっちも色々やったからな」
…………やっぱり幸子ちゃんは凄いと思います。
〇
かくして島狸は発展を遂げました。
たぬ耳とたぬ尻尾を生やしたアイドルのみんな(と無数のプロデューサーさん)の手により、
森の中に驚くほど文化的な村が形成されていきます。
「畑に関しては、まだ成果がわかるのは先かと思いますが……」
『いえ、十分です。私は人間を誤解していたようだ』
木でできた村長の邸宅で、私達はココナッツの祝杯を挙げました。
『あなた達の来訪はこの村にとっての福音だ。我々島狸は、二人を家族として正式に迎え入れたく思う』
ほらっ、やっぱりプロデューサーさんは凄いんです。
恐縮する彼の隣で私はうきうきです。見たかっ! って感じで。
私達は狸と手に手を取り合って、安定して暮らせる生活基盤を作り上げていくのでした。
〇
――生きていく上での不安要素はなくなりました。
アイドルのみんなと同じ姿(耳と尻尾はあるけど)の狸達と一緒で、寂しさは相当紛らわせたと思います。
だけど、日本に帰ること。
これだけは、まだ何も具体化できていないままなのでした。
〇
大事な話がある。
ある日そう言われ、村長の家に向かいました。
私はといえば何の話なのかさっぱり見当もつきません。
プロデューサーさんにも大事な話があるとかで、だけど私とは別の家に呼ばれていきました。
中では村長と数匹のオス狸が、難しい顔をして座っていました。
『話って何ですか、村長?』
『うむ……これは我が村全体の問題であり、君達の今後にも関わる話なのだ』
『?』
『知っての通り我らは、飛行機の墜落に端を発する動物園の狸』
『えっと、はい』
『着陸から幾星霜、自然の恵みを受けてここまでの繁栄を保ってきた……』
どうしたんだろう、改まって……。
他の狸に促され、村長は前置きをばっさり省略しました。
『単刀直入に申し上げる。我らの子を産んではくれまいか』
!?
話によれば、村のたぬきは三~四世代目。
最初の群れで家族を作り、その子供たちがまた育ち……と種を繋いできましたが、
ここで問題になるのは「群れ全体の一族化」。
世代を重ねるごとにみんな親戚みたいになり、どんどん血が濃くなっていく……ということです。
これを防ぐには、新たな血を掛け合わせるしかありません。
けれどこの島は同族のいない絶海の孤島……。
そこに現れた新しい男女が、私達なのでした。
『同様のお願いをプロデューサー氏にも持ち掛けている』
『そ、そんな……!』
『彼は人間だが村の仲間だ。祖国では人と狸の混血もいたと聞く……。
村の未来の為に、ここで人の血に交わることもやぶさかではないと誰もが言っている』
狸はとても一途な動物。生涯、つがい一匹しか愛することはありません。
だけど島狸のみんなは、それを曲げてでも新たな血を入れようというのです。
私は複数のオス狸と、プロデューサーさんは複数のメス狸と。
ひとえに村の為に……。みんながこの島で命を繋いでいく為に。
人間と狸の間でも、ぽんぽこぽんっとなんとかしたらどうにかなると海老原さんちが証明してます。
してますけど。
……し、してるけどぉ……。
でも……!
『だ、ダメ、です。お、お断りします……っ!』
『どうしても……か』
『どうしてもです』
『そうか……』
村長はとても残念そうに俯き、他のオス狸に目配せ。
そして、重々しく合図を出したのでした。
ざざざっ!
「ひゃ……っ!?」
狸達が一斉に動いて、私を取り押さえました。
何が起こるか察した私は両手両足で必死に抵抗します。
だけど使命感を持った狸達の力は強くて、たやすく組み伏せられてしまったのです。
せめてもの抵抗に、声を限りに叫びました。
「わっ、私はっ! プロデューサーさん以外と結婚なんてしないんだもんっ!!
プロデューサーさんが他の子をお嫁さんにするのも絶対いやーっ!!」
その時。
家の扉が、蹴飛ばされるように開け放たれました。
「待ちたまえ君たち!!」
「プロデューサーさん!!」
「ポンヌルポンヌ、ポポポンヌル(流暢な発音)」
「プロデューサーさん!!?」
いつの間に島狸語を!?
プロデューサーさんは、止めようとしがみつく無数のメス狸を引きずってここまで来たようでした。
村長と対峙するその堂々たる立ち姿はまるで仁王像のようで、私はただただ呆然としていました。
「ポンヌル、ポポンヌ(厳かに)」
「ポンポポポンヌ、ヌルポンポ」
「ポヌルッポ、ポポン……(静かな怒りを込めて)」
「ポンヌ! ポポンヌ、ポヌルポンポ、ポンヌル!」
「ポン……。ポポ、ンヌル。ポンヌルポン! ポン!!(毅然とした態度で)」
私はぼけっとするあまりどんな会話をしていたのかも聞き流してしまっていました。
他の狸は、固唾を呑んで二人を見守っていました。
二人の間で何かの話がついたのか、オス狸が私を解放し、プロデューサーさんが抱き上げてくれます。
「あ、ぷ、プロデューサーさん……」
「大丈夫だったか、美穂?」
「はい……。でも、あの、村長とどんな話を……?」
「この子は俺のつがいだから、誰も手を出すなと」
「そ、そうなんですかぁ………………えっ」
えっ。
「え、え、ええぇええええっ!!?」
「美穂。俺は覚悟を決めたぞ」
がしっ。
私の両肩を掴み、プロデューサーさんはまっすぐこちらを見すえます。
「俺はまだ日本に帰ることを諦めていない。だけど、それには時間がかかるかもしれない。
ひょっとしたら、俺達が生きている間には実現しないかも……とすら覚悟している。
だけどいつか必ず帰れる。それが俺達の次の世代であってもだ」
「つ、次の世代……」
「そうだ。次の世代に希望を繋いででも、俺達の血筋を日本に帰さなくてはいけないんだ!」
つまり、それって……。
「俺達は島に骨を埋める覚悟が必要かもしれない。だけど、俺達の子は、その孫はきっと海を渡れる!
その為に、ここでたくましく生きていくべきなんだ!!」
こ、こ、こ、子……ままま孫……!
「俺の子供を産んでくれ。孫世代からは島の狸達と家族を作ることもあるだろう。だけど、俺達だけは一対のつがいだ!!」
「ひうっっ」
「協力してくれるな! 美穂!!」
心臓が止まるようでした。
まっすぐこちらを見すえる彼の目に、私はもう頭がてろんてろんになってしまっていました。
「は、はぃ……いっぱい産みましゅ……♡」
「よし!!」
〇
そこからが、また大変でした。
私とプロデューサーさんは他の狸とは婚姻関係を結ばない。それは、次の世代に任せる……。
けれど同じ群れに属する以上、新しい血はどうしても欲しい。というのが村の主張。
そこで、プロデューサーさんは村からの独立を唱えたのです。
森の奥に住まう狸族と、見つかりやすい砂浜近辺に住まう新たな狸族。
それはすなわち、島に骨を埋めるつもりの狸と、いつか外の世界に旅立ちたい狸との決別でした。
プロデューサーさんに賛同する狸は、若い子を中心に数多くいました。
村長はこれを受け、群れを脱する狸へのけじめとして、プロデューサーさんに決闘を申し込んだのです。
これこそ、のちの歴史に語られる「人vs狸 ~黄昏のタイマン~」なのでした。
ステゴロで決闘する一人と一匹は、お互い一歩も譲らない互角の戦いを展開。
夕日に染まる砂浜で、ついに壮絶なクロスカウンターでダブルKO。
「お前、強いな……!」「ああ、お前もな……!」という感じに互いの健闘を讃え合い、これをもって和解としたのでした。
かくして「森狸」と「浜狸」の二つに部族が分かれることとなります。
村長をトップとした森狸は、私とプロデューサーさん夫妻をトップとした浜狸への全面協力を表明してくれました。
ふ、夫妻って……あの……そ、その通りかもしれませんけど。
新たな門出を祝い、島狸一同で二人とも胴上げされます。わっしょいわっしょい。
「美穂!」
「はい!」
「がんばろうな!」
「はいっ!!」
飛び上がりながら目を合わせ、私達は笑い合いました。
これからきっと大変だけど、二人なら大丈夫。
二人で家族を築いて、いつか海の向こうへ……。
わーっしょいポンヌ!
わーっしょいポンヌル!
わーっしょいポコポンヌル!
なんだか意識が……
わーっしょいポンヌ!
薄れてきて……
わーっしょいポンヌル!
視界が、ホワイトアウトして……
わーっしょいポコポンヌル!
あれ?
これって、もしかして……………………
〇
「………………」
朝でした。
ていうか夢でした。
「はぅぅぅぅぅ~~~~~~っ……!!」
プロデューサーくんに顔を埋めてじたばたじたばた。
結婚って! 次の世代って!
いっぱい産みましゅってなんなの私のばかばかばか!!
「はぁ……」
夢オチにしても、私ってばどうしてあんな……。
顔を洗って寝癖を直して、ふと覗いたリビングのテーブルに見覚えのあるパッケージが。
『カワイイボクと貴重なタンパク源 ~輿水幸子の無人島ライフ~』。
原因これでした。
結構前に好評を博した番組が、この度ソフト化されるということで。
昨夜、寮のみんなで観たのでした。ぶっ通しで四時間くらい。
土曜日です。
起きたのは10時過ぎで、寮のみんなは出かけているみたいでした。
私はオフです。
響子ちゃんが作っておいてくれた朝ごはんを食べて、お皿を洗って、着替えて……。
私の足は、自然と事務所へと。
ドアを開けるなり、いつも通りの気配と匂いが……。
「お、美穂ちゃん。今朝は随分ゆっくりやったねー」
「煩わしい太陽ね!」
「今日の善き日は、もう始まっておりましてー」
「……みんな……」
「美穂はん、今日はお休みやったんちゃいます? なんや忘れ物でもしはりました~?」
「皆さんに会いたかったんですよっ。私もそういうことあります!」
「あ、美穂ちゃん、朝ごはんちゃんと食べましたか? お味噌汁と一緒に用意してたんですけど」
「……う」
「そうだ、おいしい和菓子屋さんを見つけたんですよ~。あとでご一緒にどうですか~?」
「あと……いいホラー映画……見つけたの……」
「トモダチの収穫もできたから……良かったら……ソテーにしようか……?」
「う、う…………うぇぇえぇぇええ~~~~んっ」
『!?』
「ちょおお!? なになにどしたんいきなりっ!?」
「ごめ゙……ごめ゙んねぇ゙……みんないて……うれしくてぇ……」
「なにやら怖い夢を見られたご様子ー。よしよしー」
「うぅうっ……ありがとぉ芳乃ちゃん……だいすきぃ゙……」
「わ、わ、我が友よ! 夢魔に屈するとは、強靭なるそなたらしからぬ有様っ!」
ガチャッ
「はよざーす……お、今日はたくさん来てるな。ん? 美穂? どうかしたのか?」
プロデューサーさ………………
産み…………………………
「きゅう」
「うわーっ美穂ちゃんがぶっ倒れた!」
「え!? 何いきなり!? どうした美穂ーっ!!」
「美穂ちゃーん!!!」
「…………ふむー」
「今日もまた、平和なのでしてー」
~オワリ~
〇オマケ
―― 女子寮
周子「へぇー」
菜帆「不思議なこともあるものですねぇ~」
みく「事実は小説よりも奇なり、にゃ……」
美穂「みんな、何見てるの? ニュース?」
周子「お、美穂ちゃん。これは美穂ちゃんの見解も聞きたいとこやねー」
美穂「??? なになに、えっと……」
美穂「フィリピン沖の無人島に、意外な動物を発見………………」
『独自に繁殖していた、ニホンタヌキの群れ』
『海外へ輸送していた飛行機が墜落し、そこに根付いたものと思われる』
『ドローンの空撮によって確認』
『狸達は自然のままに暮らしており、あえて保護する必要は無いものと――』
美穂「へぇ~――」
美穂「――えええええええええええっ!!?」
~オワリ~
以上です。お付き合いありがとうございました。
第7回シンデレラガール総選挙は小日向美穂をよろしくお願いします(真顔)。
乙でした。まさかの夢オチw…からの??
ドローンで裸のアイドルとPが空撮されてたら大変な事にw
しかし相変わらず、たぬきと美穂の親和性は異常だな。かわいいけどw
前に見た薄い本を思い出す
https://i.imgur.com/RyxPPGS.jpg
乙。あとガッ! いっぱい産みましゅ超かわええ
乙
今回のは大石英司の「消滅世界上」の影響で、戦艦大和が活躍する小説を思い出した当方は異端ですな
とりあえず全裸のアイドル(狸)といて手を出さないのはやはりホm……ではなかったんだな
乙
このシリーズで一番すごいのは幸子説
丁寧丁寧丁寧につくられていてよかった
乙
鋤鋤鋤あなたは鋤を言いたかっただけだろ!
連作乙
数ある平行世界の中に、島でPとつがいになった美穂が居て、意識だけそっちに行ってた説を提唱しよう
そして人外よりサバイバルしてる幸子ちゃんは流石だと思いました、まる(KONAMI感
その鋤かよwww
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