人の魔王 (9)
「撃て…」
すべては光に飲み込まれる。
その光には愛も哀もなく、ただ全てが平等に消えるだけ。
そこには憎しみしか残らない。
今、私は世界を救う為…多くの命を奪った。
私は魔王と呼ばれる者だ。
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ふむ、続けたまえ
人の皇子「なあ、世界で一最弱な国を知ってるか?」
ゴブリン「いや、しらねえ」
エルフ「私も知らないわ」
人の王子「じゃあ、最強は?」
ゴブリン「そりゃあ、龍国か天使国だろ?んで最凶は悪魔だ」
エルフ「まあ確かに強いけど、龍族は100頭も居ないし、天使族なんて悪魔族に攻められて周辺国に助けを求めた時点で権威はボロボロよ」
人の王子「そして…天使を攻めて悪魔は周辺国に袋叩きにされて絶滅した」
人の王子「今世界には圧倒的な力を持つ大国が存在せず、全ての国が世界の覇権を狙って小競り合いを繰り返す」
人の王子「平和な世界は訪れないな…」
ゴブリン「まあ、百年の戦国の世だからな…それに平民の俺達には関係ないだろ?」
エルフ「そうよ、それに難しく考えなくても私達は仲良くできてるんだから…いつかみんな分かり合えるわ」
人の王子「もちろん信じてるさ」
ゴブリン「それで最弱の国はどこだよっ」
人の王子「俺たちの国のどれかだよ」
人の国、エルフの国、ゴブリンの国はここ100年のうちに出来た新しい国である。
悪魔族討伐の功績により天使国の領土の一部を割譲し、領土を得た。
この三ヶ国は決して親密な間柄ではない。
周りを強国に囲まれているため仕方なく同盟を組んでいるのだ。
そして大した魔翌力も戦闘力も持たない人はゴブリン族とエルフ族から見下されていた。
エルフ「嘘よ!少なくとも私の国は魔法も満足に扱えない人の国ほど弱くないわ!」
ゴブリン「俺の国も兵士の数は多いからな…人の国と軍事力が同じはずがない!」
人と悪魔以外の種族は皆…プライドが高いのだ。
たとえ仲良くしていたとしても心のどこかでは見下している。
だから見下し、蔑んだ悪魔達に世界の均衡を崩されたのだ。
人の王子「ハハ、すまない一番弱いのは人の国さ、君たちの国は決して弱くない」
人の王子「…一番弱いのは人の国さ」
エルフ「ふん!わかれば良いのよ」
だけど俺は全ての種族が差別もわだかまりもなく笑顔で暮らしていける世界を目指している。
それが100年前の悪魔と人の約束だからだ。
プロローグ終了
今日の投下は終わります
乙
メール欄にsagaっていれると文字化けしなくなるで
乙
人の国は荒れていた。
今の王に力はなく、多数の貴族が他国へ寝返ったのだ。
国内は飢餓や失業者が溢れ、物価が高騰する。
それとゴブリンとエルフの国の国境沿いに大きな金山を発見したのもいけなかった。
初めは金山で国内の経済を少しでも安定させることができると喜んだのだが、ゴブリンとエルフの国が権利を主張したのだ。
我々の土地だと…
そして…その2つの国の後ろ盾をしているのが世界の1/6を支配する大国…龍国である。
この大国の所為で人の国に味方をする国ひとつもなかった。
人の王子「さて…どうするか」
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