「こんばんは。今日はよろしくおねがいします」
「佐久間まゆちゃん? 本物の!?」
激似どころではない、本物としか思えないほどそっくりな女性だった。
え……マジ?
おれ今からこの人とセックスするの?
話は少し前に遡る――。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521468735
佐久間◯ゆ激似JDです。
ホテルで一日だけ楽しい夜を過ごしませんか?
間違えて出会い系サイトを開いたら気になるアカウントを見つけた。
プロフィール写真の目元は隠しているが、髪形はたしかに似せている。
一日だけ、というのがちょっと気になるな。
金が目的だとしたら固定客の常連の方が良いはずだ。
それとも単に、長時間はNGって意味だろうか。
なんて玄人みたいな分析してみたが、実のところ出会い系サイトを見るのは初めてだ。
すぐ閉じるつもりだったが、佐久間まゆちゃんの大ファンとしては見過ごせない。
激似って本当かよ。
言われてみれば似てる、程度じゃないだろうな。
はっきり言ってこの子に金使うくらいなら、まゆちゃんのグッズを買ったほうがマシだと思う。
だが一方で、容姿だけなのか、それ以外も含めて激似と自称しているのか興味があった。
JDは女子大生のことだろうから、まゆちゃんより年上だな。
流石に未成年だとすぐ削除されるから、JDということにして誤魔化しているのかもしれない。
……逆にもっと年上の可能性もあるわけだが。
言葉使いはまゆちゃんのブログやTwitterと同じ印象だ。
よく研究しているらしい。
えーと、気になったら直接アプローチするのか。
他の人とやり取りしてるかまでは分からないな。
ふん、その完成度を見極めてやる。
そして現在――。
「こんばんは。今日はよろしくおねがいします」
「佐久間まゆちゃん? 本物の!?」
最初は冷やかしのつもりで、金を払う気もなかった。
だがその完成度の高さに、だんだんまゆちゃん本人とやり取りしているような気になって。
とりあえず会ってから考えよう、と思わされた。
「いいえ、ちゃんとお伝えしてますよね?
私は本物の佐久間まゆちゃんじゃなくて、そっくりなだけだって」
「でもおれ、まゆちゃんの握手会何度も行ってるけど、どう考えても本物……」
「よく考えてください。本物がこんな事するわけないでしょう?
もし本物だったら……大変なスキャンダルになっちゃいます。
本物と間違えるくらい似てるってことなら嬉しいですけど」
普段雑誌などでよく見るまゆちゃんより大人っぽい服を着て、メイクも濃い。
そのためたしかに女子大生っぽく――似てるけど違うように――見える。
だがそれでも。
「本当に本物じゃないんですか? 見た目だけじゃなくて声とか雰囲気とか……まだ信じられない」
纏う雰囲気は人気アイドルそのものだった。
「あなただって、まさか本物のまゆちゃんとエッチできるとは思ってないでしょう?
でも気持ちを抑えきれなくて……そっくりさんでもいいから、ここに来たんですよね?
じゃあ仮に本物だったとして、なにか問題ありますか?」
「問題は…………ない、かな……?」
「私はまゆちゃんのそっくりさんだけど、あなたが本物と感じるならそれは自由です。
でもあくまでそっくりさんだから……」
「今日のことを『本物のまゆちゃんとエッチした』なんて自慢しちゃダメですよ?
ファンレターとかで話題に出して、本物に迷惑をかけるのもダメです」
「分かりましたか? ……分かりましたね?
じゃあ指切りしましょう。
もし約束破ったら…………許さないから。うふふ」
確信した。絶対本物だ。
実はこんな一面があったなんて幻滅…………しないな。
なんだかんだいっても性欲には逆らえねーや。
据え膳食わぬは男の恥って言うし、うん。
仕事のストレス溜まってるのかな……。
相場からすれば強気な金額も今なら納得できるし、
かなり慎重な印象だったのは、まゆちゃんとの約束を破らないか探っていたんだろう。
熱心なファンでなければ、どんなスキャンダルも関係ないからな。
……ということは熱心なファンとして認められたということか?
そうか、『一日だけ』は『これが最初で最後』って意味なんだろう。
何度も繰り返してたら流石に約束を破る不届き者が出かねない。
おれだったら絶対破らないけどな。
まゆちゃんと二人だけの秘密を持つほうが嬉しいし、期待に応えたいし。
とにかく、せめて満足してもらえるよう頑張ろう。
まゆちゃんのファンとして、今出来るのはそれだけだ。
……体力には自信ある方だったのに。
長時間のライブでも笑顔を崩さないアイドルには到底及ばないのか?
まゆちゃん まじ さきゅばす。
ま ゆ す き
~佐久間まゆ単独ライブにて~
ふふふ……まさか、まゆちゃんの全裸を見たファンがこの場にいるとは誰も思うまい。
隣のやつ彼氏面してるけど、おれまゆちゃんとヤッたことあるんだぜ? ……約束だから誰にも言わないけど。
目が合ったわー。俺に手振ったわー。あの夜を今でもはっきり覚えてるメスの顔してるわー。
あの口でオレのをしゃぶったんすよって言いたい! ……言わないけど。
最近ますます魅力的になった、というか妖艶さを身につけたと思うのは、あんなことがあったからだろうか?
歌声にあのときの喘ぎ声がオーバーラップしてヤバい。
正統派アイドルな表の顔とビッチな裏の顔のギャップがたまらん、一生応援する。
あの人とあの人と……あっ、あの人も。
だんだん『知り合い』が増えてきましたねぇ。
みんな約束を守ってくれて――破ろうとした人もいたけど、ちゃんと『お話』したら分かってくれたし――。
自分だけが特別な体験をしたと思ってるんでしょうね。
うふふ、かわいい。
ファンに夢を与えるのもアイドルの務めなんですよ?
このライブが終わったら、また違う人に連絡しなくちゃ。
次はどんな人かしら。
ファンの皆さん、これからもまゆを悦ばせてくださいね。
「みんなみんな、大好きでーっす!」
『ウオオオオオ……!!』
おわり
手玉に取られたいビッチなまゆを描きたかったので
おつおつー
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