梨子『良好な恋愛関係に発展するには、まずはイメージ！イケメンな一面で押して押して押しまくるのよ！』

曜「押して押しまくる…！」

善子『待ちなさいッ！』

曜「悪魔ちゃん！」

善子『堕天使よ！』

曜「でもその羽とその格好だと…」

善子『これは見せかけの姿。元天使の私は天界から追放され、片翼失った…。だが、私は秘密裏に天界への反逆を企てるため…』

曜「悪魔でも中二病になるんだね」

梨子『よっちゃんはそういうとこあるからね』

善子『誰がよっちゃんだ！』

曜「まあまあ。喧嘩はしないでさ…」

善子『ったく。それより、あんた押して押しまくるって実際どうやるつもりなのよ？』

曜「それは…おごってあげたり、道路は車が通る方は歩かせなかったり…」

善子『………まあまあね』

梨子『はい？曜ちゃん、そんな感じでイケメン気取ろうとしてるの？』

曜「えっ？違うの？」

梨子『ない、ないわー。そりゃ、童貞ヨーソローとか言われても仕方ないわ』

曜「ぐふっ」

梨子『そんなんじゃダメよ！甘い台詞のひとつでも言えなきゃ絶対ダメ！』

曜「甘い台詞…？」

善子『必要、それ？』

梨子『試しに何か言ってみて！』

曜「うーん……」

梨子『～♪』ﾜｸﾜｸ

曜「ほ、星が綺麗ですね…//」

善子『なかなかいいじゃない…』

梨子『えー…』

曜「ダメ？」

梨子『ダメ？いや、ダメとかそんな領域にすら入らないわ』

曜「えぇ！？」

梨子『だいたい相手のこと褒めたりする台詞が出てこない時点でダメね』

善子『リリーはわかってないわね』

梨子『リリエルって呼びなさい！』

善子『直接的に言っても響かなければなんの意味もないでしょ？』

梨子『曜ちゃんの天然ジゴロなら、そんなの造作もないことだと思うけど？』

善子『ふふっ。リリーもその程度の観察力しかないのね』

梨子『なんですって…？』

善子『よく考えなさい？あなたが言う天然ジゴロの曜が堕とせないのよ？その時点でお察しでしょ！』

梨子『た、確かに…！』

曜「今日はたくさんしゃべるね」

梨子『でも、直接的に何か言ってくれることに嬉しくない人なんていないと思うわ』

善子『そうかもしれないけど、何事もストレートだけが全てじゃないのよ』

梨子『なるほど…』

曜「いや、今さらだけど天使と悪魔がお互いの意見に影響されちゃっていいの？」

善子『テキトーでしょ、そんなの』

曜「いいんだ…」

梨子『ストレートも良いと思うけどなー』

曜「面と向かって言うのは恥ずかしいじゃん、やっぱり…//」

梨子『遠回しに言うよりは良いと思うけどなー、私は』

善子『そうかしら？』

梨子『やってみよっか？』

善子『誰に？』

梨子『よっちゃんに』

善子『ふぅん。先に言っちゃったら、身構えるし意味なくない？』

梨子『よっちゃん、大好きだよ♪』ﾆｺｯ

善子『ぐっ…///』

梨子『どうだった？』

善子『さ、さあね？私には通用しないかしら？』

梨子『あら、残念♪』ｸｽｯ

曜「ナチュラルにイチャつかないでくれない？」

善子『イチャついてなんかないわよ！第一、天使族のコイツなんかと…』

梨子『むぅ…』ﾌﾟｸｰ

曜「それより相談なんだけどさ…」

梨子『囁くテンプレを壊してくスタイル』

曜「千歌ちゃんとの初デート。成功させて、あわよくば幼馴染みからステップアップしたいんだけど…どうしたらいいかな？」

梨子『ストレート』

善子『変化球』

曜「わたしはピッチャーですか」

梨子『その千歌ちゃんって子はさしずめバッターかしら？かっとばせ～♪』

曜「千歌ちゃんなら見逃し三振もありえるよ、本当に…」

善子『あんたが敬遠し続けてたりして』

曜「ない！ないもん！というか野球やめい！」

善子『どうだか…』

曜「と、とにかく！ストレートって、天使さんはどうやってやるつもりなのさ」

梨子『じゃあ、さっきの曜ちゃんのを借りると…。あっ、曜ちゃんには触れないからよっちゃんで試すね♪』

曜「あっ、はい」

善子『しょうがないわね。で、どうs』ｸﾞｲｯ

梨子『危なかったね。怪我、無かった？』ｲｹﾎﾞ

善子『ひぅっ///』ﾄﾞｷｯ

梨子『…みたいな感じでぶつかりそうになったとこを無理矢理抱き寄せて心配したげる』

曜「まず、車道側を歩かせちゃダメでしょ」

梨子『ああ、そっか…』

曜「それはそうと天使さん？」

梨子『なーに、曜ちゃん？』

曜「ほれほれ」

梨子『ん？………って、よっちゃん！？』

善子『これはダメこれはダメこれはダメこれはダメこれはダメこれはダメこれは…///』ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

曜「だからさ、イチャついてるの？」

梨子『違いますッ！天使と悪魔が交わるなんてあってはならないんです！//』

曜「別にそんなディープな話してないんだけども…」

善子『堕天しゅる…』

梨子『ちょっ……起きてよ、よっちゃ～ん！』

しばらく経ちまして…

善子『ひどい目に遭ったわ…』

曜「でも幸せそうだったよ、悪魔ちゃん」

善子『……んな訳ないし//』

曜「前々から気になってたんだけどさ、二人って付き合ってるの？」

よしりこ『はあっ！？///』

曜「この状況になっていつからだっけ…もう、一年近くになると思うんだけど」

梨子『一年も進歩がない…』

曜「うるさいッ！//」

曜「だいたい最初の頃はお互い険悪でさ、喧嘩ばっかりだったじゃん？今、どうよ？」

善子『別に普通じゃないかしら』

梨子『ねえ？』

曜「じゃあ、この状態が終わってから二人ってどうしてるの？」

善子『それはまあ、帰ってるわよ』

曜「どこに？」

梨子『家に』

曜「天界とか魔界とか？」

善子『月44745円のちょっとした空間』

曜「なんかアパート的な！？」

曜「じゃあ、天使さんは？」

梨子『私も似たような感じ。天界まで帰ると費用がかさんじゃうのよね～』

曜「羽あるじゃん！交通費とかいらないでしょ！？」

梨子『いやー、この地上界と天界をまたぐ時に結構ね…』

曜「なんだこのシステムは…」

梨子『曜ちゃんの相手するのも大変なの！』

善子『うんうん』

曜「あっ、ごめんなさい……ってなるか！だったらマシなアドバイス少しはちょうだいよ！」

梨子『だって、問題解決しちゃったらおしまいだし…』

曜「へ？」

善子『ちょっ、リリー！』

>>1　ミスです
>>16を1とします、申し訳ない

ちか：じゃあ、明日駅前でね♪

ちか：楽しみにしてる！

曜：わたしも楽しみ～じゃあね♪


曜「ふぅ…」

曜「つ、ついに千歌ちゃんとデートの約束をするまでこぎ着けた…！」

曜「おそらく、このデートが千歌ちゃんとの関係をステップアップさせるビッグイベントになるはず…」

梨子『そうよ、曜ちゃん！ここが正念場よ！』

曜「て、天使さん！」

曜「もしかしなくても好きだよね？お互いのこと好きだよね！？」

善子『わ、私の変化球な攻略を聞きたくはないかしら？』

曜「このタイミングで！？」

善子『曜は今までその子にアプローチした。けれど、全然気づいてくれてない。そんな感じなのよね？』

曜「まあ、そうだけど…」

善子『じゃあ、試しに……リリー、めんどくさいけど相手して』

曜「また見せつけられるの…」

梨子『どうすればいいの？』

善子『正直、最近リリーうざいのよね』

梨子『なっ！』

善子『役目が役目がって、そうやって言うこと言うわりに曜の役にちっとも立ってないじゃないの』

梨子『よっちゃん…』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

善子『その上、変な意地張るし、趣味もなんか変わってるし、家ではベタベタくっついてくるし…』

梨子『いい加減に…！』ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

善子『まあ…』

善子『そんなとこ引っくるめて愛してるわ』

梨子『へっ…///』ﾄﾞｷﾘｺ

曜「…」ｼﾞﾄｰ

善子『…と、まあ？今のは口が悪かったかもしんないけど、適当に話振って何気ないタイミングで好意を伝える！どーよ！』

曜「あー、うん」

善子『あれ？なんか反応悪い…？』

曜「いや、まあ…アドバイスありがと」

善子『え、えぇ…』

曜「それよかさ、やっぱ二人付き合ってるよね？さっき公言したよね？」

善子『い、言ったかしら…？』

曜「家ではベタベタって…なに？一緒に暮らしてるの？」

善子『な、ななな、な訳ないじゃない！』

善子『さっきのは演技だし、そういうシチュエーションを想定して言ったのよ！』

曜「本当に～？」

善子『ほ、本当よ』

曜「…そういうことにしといてやりますか」

善子『……ほっ』

曜「今、安心した？」

善子『してない！してないから！』

曜「とりあえず明日のデートは二人に言われたこと参考にして頑張ってみるよ」

善子『健闘祈るわ』

曜「よし……んで、悪魔ちゃん？」

善子『堕天使ッ！なに？』

曜「ん」

善子『へ？………って、リリー！？』

梨子『そういうとこズルいそういうとこズルいそういうとこズルいそういうとこズルいそういうとこ…//』ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

善子『なにぶつぶつ言ってんのよ…帰るわよ』

梨子『うぅ…』

曜「二人の愛の巣に帰るの？」

善子『違わい！//…リリーの家に送るだけよ』

曜「ふーん。まあ、またね」

善子『りょーかい』ｼｭﾝｯ

曜「……消えたか」

曜「あれ、絶対付き合ってるわ。下手したら同居までしてるぞ、あの嘘つきたち」

曜「見せつけられるのも、いい加減やだし。わたしも千歌ちゃんとイチャイチャな関係になって見せつけてやるんだから…//」ｸﾞｯ

翌日
いつも通りの『お出かけ』で終わった曜ちゃんがいたみたい…

おしまい

乙

デート編ないんかい！

乙

おつおつ。リベンジデート編はよはよ
あるいは曜ちゃんと似た状況な千歌ちゃんsideでも