神域
神「わたしは神」
天使「ええ存じております」
神「神は自分の持ち場なら、何をしても許される」
天使「……存じてます」
神「天使の許可など必要ない」
天使「やめて下さい本当に」
天使「ただでさえ少ないんですよ、信者」
天使「これ以上信仰が減ったら私のお給料も減らされるんです。
すでに雀の涙なのに」
天使「今月家賃払えなかったら、アパート追い出されるんですよ」
神「ここに住めば?
広いし」
天使「自分の領域ぐらい大事にして下さい。
仮にも神なんだから」
神「いいよ別に。広すぎるし天使の1匹や2匹。
普段は隅でゴロゴロしてるから生活の邪魔にもならない」ゴロン
天使「もっと神としてのプライドを大切にして下さい。
あと仕事して下さい」
神「ヤだよめんどくさい」
天使「即答かよ……」
天使「本当に少ないんですよ信者……
3人ですよ3人」
天使「しかもひとりは奴ですよ。
あの態度の悪い巫女! 実質2人!」
下界
巫女「へっくしゅん」
天使「同僚どころか後輩よりもお給料少ないんですよ!」
神「ウチが一番給料安いからね」ゴロゴロ
天使「この前なんか4コ下の天使に馬鹿にされたんですよ!
位! 格下!」
天使「ていうか名前も知らないのに!
なぜだ! なぜ奴はあのとき私に話しかけてきたんだ!」キー
神「まあまあ」
海岸
ザザーン…ザザーン…
神「現実はままならない……
苦労や努力をした分だけ結果になる、とは限らないのだ」
神「実力だけあっても発揮はできず、焦りから行き先を見失って潰れることもある」
神「だからこそ浮き世の荒波のなかで確固たる自己を保ち、自分だけの強さを誇れることが本当の強さであり
何よりも尊いのかもしれない」
天使「進むことと同じように、立ち止まって考えてみることも大事なのですね……」
ザザーン…ザザーン…
今日も、世界は平和だった。
天使「でも仕事はして下さい」
神「ちっ」
おしまい
いい息抜きでした
態度の悪い巫女の態度の悪さを描写する隙がなかったのが悔やまれる
乙
こんな神が人間を滅ぼす権限を持ってるようにはとても見えない……
乙
働きたくないけど働くと世界が滅ぶ……戦争の神様かな?
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