女「英語が嫌い」 (13)
男「なんで?お前学生の頃得意だったじゃん」
女「そりゃそうだけど…アンタだって苦手だったでしょ?」
男「え…あ、まぁ…」
女「…………」
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女(高校の頃、同級生だったこいつは大の英語嫌いだった)
女(文法なぞ分からんだのSとかVとか意味不だの…)
女(事あるごとに愚痴をこぼしていた)
女(対して私は嫌という訳でも好きという訳でもなく)
女(ただただ点の取りやすい科目としか見ていなかった)
女(…アレが起こるまでは)
男『勉強教えて』
女『唐突だなオイ』
男『次のテストマジでヤバいんだよ』
男『赤点取ったら小遣い1割減らすとか言ってんだよ』
男『親って残酷だよね』
女『非常に優しいっつーか甘いと思う』
女『でも何処でやんの?図書室とかこの時期空いてないよ』
男『お前ん家』
女『………』
男『どした?』
女『いや、何でも』
女(この時、私は『教えてもらう立場なんだから場所位提供しろ』と言おうとしたが)
女(コイツの部屋の荒れ具合を把握していたのでよそうと判断した。どちらにせよ結果は変わらなかっただろうが)
女『ただいま』ガチャ
男『おじゃマックスです』
女母『あら…男君いらっしゃい』
女母『女~ちゃんと用意したの?ゴm
女『ウチの部屋でミニ勉強会です』
女母『…無いならお母さんが
女『勉強会です』ズイッ
女母『ぶ、ぶラジャー』
女『ったく何言ってんだか…』
男『ん?どした?』
女『な、何でもない!早よ行こ!』ドッ
男『ちょ…押すな!』ドタドタ…
女母『もー…素直じゃないんだから』
男『これなんて訳すん?』
女『私は犬を飼っています』
男『これは?』
女『これらは私のバッグです』
男『バッグってかばんじゃね?』<ゼアーかばんちゃん!
女『揚げ足取んな』
男『こ↑こ↓?』
女『私は眠い』
男『なるへそ』カキカキ…
女『…あのさ、それ何のテキスト?』
男『英語の』
女『これで国語だったらびびるわ』
女『何年生対象のやつよそれ』
男『中学生の』
女『さらっと晒しますね』
男『とりあえず親父ギャグ教室行った方がいいよ』
女『ごめん何言ってんのか分からんマジで』
女『まぁいいや…とりあえず片っ端から解いてみな』
男『へーへー』
女(とりあえずツッコミたい所が多々あった訳だが、こいつはこいつなりに努力しているのは分かっていたので私は特に口出しはしていなかった)
女(ぶっちゃけこんな楽な仕事で授業料500円なんて上手い話無いし…)
女(だが数秒後、私は後悔する。そんな愚かで甘い考えをしていた事を…)
男『せんせーコレなんて言うんすかー?』
女『片っ端から答え教えてもらうのひとまずやめよっか』
女『どれどれ…』←なんだかんだ見る
女『The moon is beautiful…ね』
女『コレは…』
女『コレ………』
女『……』
女(…落ち着け、私落ち着け。Ochitsuke meeee……)
女(何中学生に変な文章書かせようとしてんの出版社さん!?どこだ?訴えんぞ)
女(勿論答えが分からない訳が無い!)
女(月はきれいですね、だ!)
女(……いや、確かにちょっと違うけどさ!?ね!?)
女(コレ完全に異性に言ったらアウトなパターンですよね?ね!?)
女(コイツが抜けてるのは英語のネジだけで他に関してはこれといって異常な所は無い)
女(むしろそっち方面には敏感だ!)
女(ここでは『は』と『が』に大した違いが無い!つまり…)
女(つまりぃぃぃ……///)
男『…なんだぁ?女でも分からないのか?』
女『えっいやその…』
女『今読み始めたばっかなんだよ!急かすな!!』
男『えぇ…なんかキレられた…』
女の頭がエロいパターンか
女(なんとか遠回しに言って誤魔化すか…?月綺麗とか…)
女(で、でも月+綺麗=例のソレになっちゃうだろうし…)
女(ぐ、ぐぬぬ…)
男『そこまで必死こいて考えてくれなくても、分からねぇなら分からねえって言やいいのに…』
男『解答もあるし』
女『!!』
女(そうだ!解答!直接答えを見て貰えば解決じゃん!?)
女(そうすれば私が伝える必要も無いし…)
女『…あー、じゃちょっと答え見てみて』
男『へーへー。それじゃ別冊子君のご登場だーい』ペラペラ…
女『……っ!!』
女(おい待てバカ私)
女(ここまで動揺しておいて訳文見られたら…)
男『…ああ、ふーん』
男『そーいう事?察しw』
女(ってなる事間違いなしじゃねえかああああっ!!)
女『やっぱダメェェエ!!』ガシッ
男『ええええっ!?』
女「中坊の問題位楽勝で解けるわ!』
男『でも今難しい的な事を…』
女『文字を見るのが難だっただけよ!!』
男『お前視力3.0以j
女『視力の問題ちゃう!!』
男『あっそう…』
女(どうしよう…)
女(益々答えが書きづらい雰囲気になってきたぞド畜生…)
女(…何でもいい…何か教えないと……)
女(こうなればヤケクソじゃ!!)
>>11
お前がすこ
女『…ど、どうぞ…』ガタガタ…
男「手が震えてますよお嬢様』
男『後どうぞっていうなら早くテキスト離してくんねーかな…』グググ…
女『嫌!やっぱ嫌だああああっ!!』
男『あ、櫻井翔」
女『古いわ!別に好きでも無いし!』バッ
女(あっ…つい手を…)
男『………』
女『』
男『…』カキカキ…
男『』チョンチョン
女『?』チラッ
知ってたw俺もだわww
女『』
女(ってのが男との交際の始まりだった)
女(果たしてこいつの分かってるってのが私がコイツを好きだったって事なのか…)
女(或いは聞いてきた英文の意味についてなのか…)
女(今となっては知る由も無い。まぁ知る方法も何も本人自体、ここにいるのだが)
女(今思えば男はわざとこのテキストを選んでいたんじゃないかと疑う時もあるが…)
女(どうなんだろ…そこまでする価値があったのか……)
女「ああ…やっぱり英語は嫌いだ…」
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