男「蚊に噛まれたらとんでもない事になった」 (5)

男「……」

男(寝苦しい……)

男(もう十月だってのになんだこの暑さは……どうなってんだ……)

男(……いや、暑いだけならまだいい、俺は暑さに強い、大抵の暑さなら目を瞑ってるだけで我慢できる)

男(実際サウナ我慢比べは地元では負け知らず、最高記録8時間50分だ……)

男「……でも」

プィーン

男(……この音だけは、どうしても慣れねえ……)

男「……うっせえええええ!」パァン!!!

男「……たわいもないな」

「他愛もね」

男「……ひえっ……?」

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「男っていうのはどこの星でも馬鹿なのは変わらないのかしらね」

男「すいません調子乗りました呪わな……」

「呪ったりしないわ、恨むけれど」

男「うわあああああ!!ご、ごめ……」

蚊「この宇宙船どれだけかかったと思っているのかしら、ホント迷惑な種族よね」

男「……」

男「……」

蚊「ここよ、ここ、あなたの腕に張り付いてる」

男「……うおっ……?なんだこれ……」

男(目を凝らして漸く見えるくらいの何かが蠢いてやがる……)

男「……お前、さっき殺した蚊か?」

蚊「失礼ね!私はそんな名前じゃないわ!カ=リオーネよ!」

男「蚊じゃん……」

蚊「……ほんと男って野蛮て失礼な種族よね……」

男「……ていうか、何?俺の腕に張り付いてる蚊の死体は?本物?」

蚊「だから、宇宙船だって言ってるでしょう!あなたがたった今壊したじゃない!」

男「……えぇ……」

蚊「どうやって帰ればいいのよ!この星でワープ技術は確立していないわよね!?もう!」

男「……ごめん、マジで理解が追いつかない……お前蚊だよね……?死体から察するに俺の血吸ってたよね……?」

蚊「そうよ」

蚊「私たちの星の女性は他の生命体の種族の血を吸い取ることが仕事なのよ!」

男「蚊じゃん……」

男「……セリフから察するにお前は宇宙人なのか……?」

蚊「私から見ればあなたが宇宙人だけれどね」

男「……やばい、絶対俺なんかおかしい……なんで高々蚊を殺しただけでこんな幻覚見るんだよ……」

蚊「あぁ、あなたが言ってる「か」ってもしかして蚊の事かしら、たしかにこの星にはそういう生命体がいるわね」

蚊「全く……折角この星に来てあげたっていうのにどうしてこんな仕打ちを受けなきゃならないのかしら……私だって来たくて来たわけじゃないのに……」

男「あぁもう訳分からなくなってきやがった……」

蚊「まぁいいわ、こうなった以上あなたに責任を取ってもらう他ないわね」

男「……え……俺金とか全くないんだけれど」

蚊「この星のお金は信用通貨でしょ、それにどうせ私がここのお金を持ったところで意味なんてないわ」

男「……ほっ」

蚊「何安心してるの?お金で済めばよかったと思うわよ、多分」

蚊に噛まれるっていう人は西日本に多いらしいな

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