相馬夏美「そんなことない」 (12)

夏美「おはようございまーす」

P「おはよう、夏美さん」

夏美「………」

P「どうかした? 俺の顔じっと見て」

夏美「Pさん、ちょっと元気なさそう? ていうか、眠そう」

P「あー、確かにそうかも。最近睡眠時間があまりとれてなくて」

夏美「そうなんだ。ダメよー、ちゃんと夜は寝ないと。私たちのために頑張ってくれてるのはわかるけど」

P「あはは、すまん」

夏美「何か手伝えることがあれば言ってね。簡単な仕事くらいなら力になれると思うから」

P「そんな、悪いよ」

夏美「そんなことないっ。普段Pさんだって、私たちのワガママ聞いてくれてるでしょ? 困ったときはお互い様よ」

P「夏美さん……ありがとう」

夏美「うんうん。だからどんどん頼ってくれて」

P「でもまあ、忙しいのはせいぜい一週間くらいだから気持ちだけで十分――」

夏美「そんなことない~~!」ギュッ

P「痛い痛い! ネクタイ引っ張らないで!」

夏美「緩んでたからビシッと締めてあげたのよ」

夏美「いい? 睡眠不足は身体に毒なの。Pさんの身体はひとりだけのものじゃないんだから、大事にしないと」

P「……そうだな。ごめん、気をつける」

夏美「あと睡眠が足りないとお肌とかお肌とかお肌とか、あとお肌に悪いわ」

P「ごめん夏美さん、さっきのセリフよりも目が据わってるんだけど」






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夏美「Pさん、書類の整理終わったわよ」

P「ごめん。いろいろ手伝ってもらっちゃって」

夏美「そこは、ごめんじゃなくてありがとうのほうがうれしいかなー」

P「はは……ありがとう」

夏美「ついでに軽く片付けもしておくわね」

P「お願いします」

夏美「了解♪」

P「………」

夏美「えーと、これはあっちの棚……どうしたの? 私の顔、何かついてる?」

P「あ、いや。たいしたことじゃないんだけど」

夏美「うん」

P「夏美さん、安産型だなと思って」

夏美「……は?」

P「きっといいお母さんになるんだろうなって――」

夏美「誰のお尻が肉ばっかりついてるって?」

P「そんなこと一言も言ってないんだけど!?」

夏美「そんなことない。安産型ってつまりそういうことじゃないの」

P「いや、そりゃ確かにヒップの肉つきが良さそうだとは思ってるけど。別に太ってるとかそういう意味で言ったわけじゃなくて」

夏美「本当に?」

P「本当に」

夏美「………」

夏美「そうよね。ごめんなさい、取り乱しちゃって」

P「わかってくれればいいけど」

夏美「ちょっと昔のトラウマが蘇ってきちゃってね……」

P「トラウマ?」

夏美「私がダイエットしてた頃、お尻がいっこうに小さくならないまま胸からどんどん脂肪がなくなっていったトラウマ」

P「ああ……そこから痩せていくタイプだったんだ」

夏美「最終的にある程度バランスはとれたけどね……うん、今思い出してもあの時は地獄だった」

P「まあ、でもあれだ。大丈夫」

夏美「?」

P「俺、お尻の大きい子のほうが好みだから」

夏美「Pさん……」

P「夏美さん……」


夏美「すけべ」

P「そんなことない」

夏美「でもうれしいわ。ありがとう」

夏美「うーん………」

P「どうしたの、夏美さん」

夏美「これ、見て」

P「これは……ああ、駅前の新しくできたケーキ屋の特集か」

夏美「そう。この店のモンブランが評判良くて、気になってるのよねー」

P「だったら今度買いに行けばいいじゃないか」

夏美「そうもいかないのよ……最近ちょっとカロリー取りすぎだし、ガマンしないと体重が増える可能性があるの」

P「おいしいから大丈夫だよ」

夏美「そんなことはない」ピシャリ

P「あ、はい」

夏美「自分が太りやすい体質なのは自分が一番よくわかってるから。年々代謝も落ちてるだろうし」

P(気軽に『一日くらい平気じゃない?』とは言えない感じだな)

夏美「あ、でも。Pさんが責任取ってくれるならいいわよ」

P「責任って、体重増加の?」

夏美「人生の」

P「重っ!」

夏美「誰が重いって!?」

P「いや体重の重いじゃない!」

夏美「うん、知ってる」

P「おい」

夏美「うふふ」

P「………」

夏美「………」

P「人生の責任は取らないけど、今度一緒に食べに行く? その後運動することもセットで」

夏美「うん」

P「いいの? あっさり決めちゃって」

夏美「Pさんからのデートのお誘い、断ったら女が廃るわ」

P「光栄、なのかな」

夏美「たぶん!」




後日


茜「朝から走るのはやっぱり気持ちいいですね!! ファイヤー!!!」

ダダダダダ……

夏美「やるわね茜ちゃん。だけど私も、飛び入り参加の年下の子に負けるわけにはいかないのよ……!!」

P「あの、夏美さん? 無理に茜のペースに合わせなくても……息あがってきてるし」

夏美「そ、そんなことない……!!」ゼーゼー

P(そうだよなあ。この人、ストイックってことは負けず嫌いでもあるよなあ)



別の日


夏美「はいPさん、今日のお弁当」

P「ありがとう。なんだか申し訳ないな、毎日お昼用意してもらっちゃって」

夏美「いいのよこのくらい。一人分作るのも二人分作るのもそこまで手間は変わらないから」

夏美「お互い身体が資本だし、Pさんにもバランスのいい食事をとってほしいの」

P「そういうのに気を遣ってる夏美さんお手製の弁当だ。食べると健康間違いなしだな」

夏美「それに、私側にもメリットはあるのよ?」

P「それって?」

夏美「Pさんとお昼を一緒にする口実が作れる」

P「それ、面と向かって言えるのずるいと思う」

夏美「そんなことない。乙女は素直であるべきよ」

P「……かな。じゃあ、いただきます」

夏美「おあがりよ!」

P「それ違うソーマ」



P「日頃から気を遣ってるだけあって、夏美さんの肌は綺麗だね」

夏美「そう? うふふ、ありがとう」

P「きっとすべすべなんだろうな」

夏美「どうかしら。ある程度自信はあるけど、やっぱり若い子と比べちゃうとね」

P「そう? うちの若い子たちと比べても負けてなさそうだけど」

夏美「そんなことないわよ」

P「そうかな……あ、触ってみればわかるかも」

夏美「ダメ」

P「ちょっとだけでも?」

夏美「ダメ」

P「普段あれだけ身体には自信あるって言ってるのに?」

夏美「それでもタッチはダメ!」

P「なぜタッチだけ露骨に」

夏美「やっぱりそういうのってちゃんと段階踏んでからのほうがいいじゃない……?」

P「変なところで純情だ!」

夏美「だって、ねえ」

P「まあ、そこまで嫌がるなら俺も無理には――」

夏美「んん~……よし! わかった! 触るならいっそ最後まで触りなさい!」

P「え?」

夏美「あ」

P「最後までって……どのへんまで?」

夏美「まってちがう、今の違う」

P「そうか。夏美さんがそこまで真面目に考えているなら、俺も漢に」

夏美「ダメよPさん、私たちまだその世界にフライトするのは早すぎ――」

P「冗談だよ」

夏美「………」


夏美「今度一緒に岩盤浴に行くとき、岩盤に埋め込む」

P「ごめんなさい」



………

……


夏美「ねえ、昔言ってたわよね。私が安産型だって」

P「ん? 言ったかな、そんなこと」

夏美「言ったのよ。いいお母さんになりそうだって」

P「だとしたら、昔の俺の言った通りになったってことだ」

夏美「そうかしら」

P「うん。あの子もすくすくと育って、もうすぐ幼稚園卒業だし。これも母親の育児の賜物だ」

夏美「そんなことない。パパが頑張ってくれたからよ」

P「いやいや、そんなことは……って」

夏美「否定し合っても、しょうがないわよね。ふふ」

P「その通りだね」

夏美「これからもよろしくね。あなたと一緒なら、なんだってできる。どこにだって行けるわ」

P「こちらこそ、よろしく」


夏美「………」

夏美「ところでPさん。明日、一日休みよね」

P「うん」

夏美「あの子、今日は幼稚園でお泊り会なの」

P「……二人目、欲しいってこと?」

夏美「………」

夏美「そんなこと、ある」テレリ



この後夜にテイクオフした

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
夏美さん新SRおめでとうございます。劇場とてもかわいい。SRはまだ引けてません

過去作
栗原ネネ「まってちがう」
小松伊吹「なんだよエスパーか!?」
相葉夕美「恋バナ」

などもよろしくお願いします


面白かった



ちょっと陸自に頼んでイージスアショアからSM-3撃ってもらい、フライトの邪魔をしてきます

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