QB「僕と契約して魔法星人になってよ!」ケロロ「であります!」 (40)

ー注意ー
・ケロロ軍曹×まどマギ
・まどマギの設定を借りたケロロ
・書き溜め有
・駄文

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ド…カーン…

ケロロ『およ?』

ケロロ『ココドコ?』キョロキョロ

ケロロ『なぜ、日向家が破壊されているのでありますか…?』

ケロロ『我輩の…ガンプラは…?』

ド…ゴーン

ケロロ『はれ?てことは、夏美殿と、冬樹殿は…?』

ケロロ『ギロロ…タママ…クルル…ドロロは…?!』

ケロロ『皆ァ…!!』グスッ

??『さあケロロ、今こそ君が魔法使いになる時だよ!』

ケロロ『?!』

ケロロ『誰でありますか…?』

??『…忘れたのかい?僕の名は………ねえ。僕と契約して、魔法星人になってよ』

ケロロ『我輩が…魔法星人…?それはどういうk』

夏美「くおらあああ!!いい加減、起きなさいよボケガエル!」

ケロロ「キイヤァア?!」

夏美「もう!テレビつけっぱなしにして寝ないでよね!しかも、いくら起こしても反応しないんだから…」

ケロロ「…ケロ?寝てた?ほ、夢だったのでありますか」

夏美「?どうしたのよ」

ケロロ「いや、何でもないでありますよー。ささ、DVDの続き続き♪」

ー夜ー

ケロロ(ふう、今日もお掃除洗濯に勤しんだであります。何しよっかなー、あり、そういえば冬樹殿はどこに居るのでありますかー?)

タママ「軍曹さん軍曹さん、今日から一週間、一緒にガンプラ作りしませんか~?お菓子も用意してありますよお」

ケロロ「ほう、タママ二等もガンプラの魅力に気づき始めたでありますか。でも何でまた急に?」

タママ「ギクッ…えーっとぉ、ど、どうでも良いじゃありませんかぁそんなの!大事なのはガンプラに対する熱意と魂ですぅ!さ、早くやりましょう、軍曹さん!」

ケロロ「そーだね!んじゃやろっか!ガンプラガンプラ~」

テテテ……

…パタン

ギロロ「…行ったか。
フン、あからさますぎるな」

クルル「クーックックック…嘘の匂いがプンプンするぜェ…濃厚になァ」

ギロロ「…それにしても、タママは何か企んでるのか?
なぜあんな嘘をつく必要がある?…様子がおかしいぞ」

クルル「さあな。ま、あの隊長愛のタママのこった、また何時もの感じで終わるんじゃねェの?」

ギロロ「…だろうな」

クルル「おっと、時間だ。俺は行くぜ、623との約束があるんだ…」

クルル「なんでもこのポコペンに、うまうま棒と似た食いもんがあるらしくてよォ…」

ギロロ「そ、そうか」

クルル「じゃーあな、センパイ。クーックックック」

クルル(まあ…匂いはニオイでも、他の匂いもしたけどよ…クックック)

カコン…

小雪「…」

ドロロ「…」

小雪「…来たね」

ドロロ「…風が…変わったでござる」

ドロロ「…嫌な予感がする」

ー翌日ー

ケロロ「どうでェタママ、この見事な造形はよぉ…」

タママ「うわー!軍曹さん、素晴らしいですぅ!天才ですう、ケロンいち…」キョロキョロ

タママ(まだ…来ないですかぁ)

タママ「ねえ、軍曹さん」

ケロロ「んー?ちょっと今我輩忙しいんですよねタママ二等これがズレたら我輩もう」プルプル

タママ「……」

タママ(軍曹さんは…)

タママ「…そうですよね!軍曹さんはガンプラ大好きですから…何よりもガンプラが大事で…」

タママ(きっとそうなんですぅ…そうでなきゃ…僕は…)

\ラッシャアセー/

\アリガトヤシター/

623「ふー、今日までかかってやっと買えたよ。あってよかったね、カレー味?」

クルル「クーックック…人気すぎて5軒回らないと買えない駄菓子か…。早速食してみるぜェ」

ベリベリモグモグ

クルル「クーックックック…うまうま棒に負けずとも劣らない…最っ高のカレー味だ~」

623「そ。良かった♪
あ、カレーといえば最近出来たカレー屋があるんだよね~」

クルル「くくっ…いいぜ~、俺の舌を唸らすことが出来ればな…」

623「じゃあ今度、行くっきゃないね♪」

クルル「ああ…」

623「あ、でも、今度俺ラジオで紹介することになってるから…もしかしたら人気すぎて行けなくなっちゃうかも…………」

テッテッテッ…

ー日向家・庭ー

猫「ミャウ!ミャウ!」

ギロロ「ったく、煩いな。どうしたどうした、ネコ」

??「やぁ!」

ギロロ「…っ!」チャッ

??「おっと…手荒いお出迎えだなあ」

ギロロ「貴様何者だ、何しに来た?!何処の星の生物だ!」

??「まあ落ち着いてよ。別に危害を加えたい訳じゃ無いんだ…僕はキュウべえさ」

テテテ…

タママ「どうしましたか、ギロロ伍長!おっきな声なんか出して~…あ!」

ギロロ「タママ!」

タママ「コイツは僕が片付けます…っ!タママインパクトォ…!!」

コオオ…
ドーン!!

ギロロ「…!!」

ギロロ「やった…か…?」

キュウべえ「やれやれ、当たるところだったじゃないか」

タママ「チイッ…」

ギロロ「オイ、タママ!こいつはお前の知り合いなのか?!」

ケロロ「ケロ~?
おーいタママ、ギロロ~!」

ギロロ「ケロロ!」

タママ「軍曹さん!」

ケロロ「何かあったのでありますか~?」

タママ「ああ、何で出てきちゃったんですか…?!とにかく二人とも、こいつとは絶対に関わらないでください!僕がやっつけますから!」

ケロロ「え?どしちったの?」

ギロロ「…?タママ?」

キュウべえ「…一旦、退散したほうがいいか…」

タママ「ッ逃がさない!」

ケロロ「!」

タママ「タママインパ…」スウウ…

ケロロ「待てタママ」

タママ「!!」

タママ「軍曹さんっ?!」

ケロロ「…夢に見た…白い生き物であります!」

タママ「え…?夢?何言って…」

ケロロ「タママ二等!攻撃を止めるのであります!」

タママ「!」

タママ「…分かった、ですぅ」

ギロロ「…??」

キュウべえ「……」

ーリビングー

ケロロ「いやー夏美殿が留守で良かったどありますなぁ!ささ、取り敢えずここに」

タママ「…」

ギロロ「…ふう」

キュウべえ「じゃ、早速。僕は、ケロン人の君たちと取り引きをしに来たのさ」

キュウべえ「そっちのタママって言う人は、僕を敵視していたようだけど…何かあったのかい?」

ギロロ「知らん」

ケロロ「それどころか、取り引き??どゆこと?状態であります」

タママ「……」

キュウべえ「それに軍曹の君も、僕を夢に見たという」

タママ(…命令さえ無ければ、こいつを攻撃できるのに…)

タママ(命令に背いて攻撃したら、軍曹さんの僕への信頼も無くしてしまうかもしれない…)

キュウべえ「…ま、いいか。話をしよう。まず、目的からだね。僕と契約して魔法星人になってよ。もちろん代償は払う」

ギロロ「魔法星人とは?貴様は何者だ?」

キュウべえ「今この宇宙を脅かし絶望を振り撒く存在、魔物を倒し続ける勇者のことさ。そして僕はそのアドバイザー…魔法の使者、みたいなものかな」

タママ「簡単に信じられる話じゃないですぅ。『魔法の使者』なんて言葉ではぐらかすんじゃねえよこのネコ助野郎」

キュウべえ「少なくとも、ネコではないよ」

ケロロ「勇者…勇者かあ…!」ワクワク

タママ「…ぐ・ん・そ・うさぁん…」ギロォ…

ケロロ「キィエエ…ずびばぜん…」

ギロロ「ったく。で?…魔物というのは聞いたことが無いが、本当なのか?」

キュウべえ「本当さ。今魔物は、この星を本拠地に活動を活性化させている。そして、僕に選ばれて契約した戦闘能力の高いケロン人は、魔翌力の源…この『ソウルジェム』を手にして戦い続ける義務が課されるんだ」

ケロロ「綺麗な宝石でありますなぁ…」

タママ「…穢れてるんじゃないですかぁ?逆に」

ギロロ「それにしても、何で俺らケロン人なんだ?」

キュウべえ「違う星に魔物が居た時は、その星にいる1番強い生命体と契約をしていたんだよ」

キュウべえ「それがそのうち、地球に魔物の本拠地が移ってしまった。
星の下見の時だよ…人間よりも能力の高い、ケロン人という星人がいると知ったのは。そっちの方がヒトよし魔物を倒し易いだろうし、都合が良い。だから、君たちに頼むことにしたんだ」

ギロロ「ケロン人は能力が高い…」ピク

ギロロ「…そりゃ、ペコポン人よりはそうだろうな」

タママ(あーあーおだてに乗っちゃって…)

キュウべえ「ちなみに、侵略者である君らに言っておくと、これは地球を救うことにはならない。宇宙を救うことになり、それは同時にケロン星をも救うことになる」

ギロロ「…ほう…」ピクピク

ケロロ「ケロン星の英雄になれるでありますか?!」

キュウべえ「頼むよ。今のうちに魔物を消さないと、宇宙諸共木っ端微塵…ってこともあり得るんだ」

ギロロ「………」

ギロロ「契約内容は?」

タママ「ちょっと、ギロロ先輩?!」

ギロロ「す、少し聞くだけだ!」

タママ「少し聞く?!ダメですよぉ」

タママ(だって、あんなの聞いたら誰だって…)

キュウべえ「契約内容は…」

キュウべえ「『何でも願いをひとつ叶える』。叶えられる願いの大きさは、本人の持つ魔法星人としての資質に比例するけれど」

タママ「…」

ギロロ「!」ピクッ

ケロロ「ふおぉ…我輩の資質は?資質は?!ガンプラ増やせる??」ワクテカワクテカ

タママ(……終わった…)

キュウべえ「そう、ケロロ軍曹…特に君の資質は大きいってほどじゃないんだ…!世界の法則だって変えられる程の、素晴らしいものだよ!」

ケロロ「ひょー!やっぱり我輩は才能があったんでありますなぁ!」

ギロロ「おいケロロ!ガンプラなんて馬鹿なこと言わないで、今すぐペコポン侵略を願え!」

ケロロ「おお、ギロロ伍長いいアイデア!でもまあ…それもそうでありますがー、ペコポンより宇宙侵略が良いであります!」ニヤリ

ギロロ「宇宙…侵略…!」キラキラ

タママ「……」

タママ「僕は降りますぅ」

ギロロ「タママ?!」

ケロロ「エ?!タママナンデ!?」

タママ「…そんな簡単に契約とか、地球侵略とかしたくないですぅ。しないで、欲しいです…」

タママ「それに…軍曹さんの願いは、そんな物なんですかぁ?すぐに決められるほどに小さいことなんですか…?」

ケロロ「タママ…二等…」

タママ「…もう良いですぅ」タタタ

ギロロ「…なんだ、あいつは!せっかく直ぐに侵略ができるかもしれないというのに!」

ケロロ「…確かに」

ギロロ「ギロ?」

ケロロ「確かに我輩、安直だったかもしれない…であります…」

ーベッドー

キュウべえ『僕は今日は帰るよ。例の件、急かすわけじゃないが、また来る時までに考えておいてね。魔物は繁殖するのも早い』

ギロロ『まあ……タママの言う通りかもしれんな…。これは、一旦小隊で話し合ったほうが良いことは確かだ』

タママ『もう良いですぅ』

ケロロ「…」

ケロロ「なんだか…寝れないや」

ケロロ「………冬樹殿たちなら、どうするのかな」

ケロロ「…そっか…魔物なんかがいたら…ポコペンも…ケロンも…」

ケロロ「でも、すぐに決めるのは…」

ケロロ「…我輩、わからないであります」

チュンチュン…

ケロロ「えーこれから侵略会議をはじめる!」

ケロロ(今日は、タママ二等兵は欠席でありますか…)

ケロロ「実は、クルルとドロロは知らないだろうけどかくかくしかじか~…」

クルル「くっくっく…面白ェ。だが、容易には信じられねぇ話だぜェ」

ギロロ「取り引き受けてみても損は無いと思うんだが…」

ドロロ「欲に駆られては何も手に入らぬ故…。どちらにしろ、ここはよく考えておくべきでござる」

ケロロ「ドロロ兵長とクルル曹長は、今の時点で願うなら何にしたいのでありますか?」

ドロロ「む…平和な地球でござるか…」

クルル「願いごとを無限に増やすぜェ…一生分のカレーと、金と、熟女…クーックックックッ!」

ケロロ「双方の極端な無欲さと欲深さが見えますなぁ…ああ…遠い…」

クルル「隊長さん、知ってるだろ?俺は嫌な奴だってなァ…」

ケロロ「ゲ、ゲロォ…」

ケロロ「えーとりあえず皆!願いごとは各自慎重に決めておくように、では解散!」

ー街ー

ケロロ「ねえ冬樹殿」テクテク

冬樹「んー?」テクテク

ケロロ「何でもないであります!」

冬樹「あはは、そっか」

ケロロ「…」

テクテク
テクテク

ケロロ(違うであります、冬樹殿。本当は何でもあるであります)

ケロロ(ねえ…冬樹殿。我輩は何を願ったら良いんでありましょう?冬樹殿だったら、どうすんの?)

ケロロ(モア殿に聞いてみても『我輩の幸せ』としか言わないし、猫に聞いてもにゃーとしか答えない…)

ケロロ「…うう」ピタッ

冬樹「…軍曹?どうし…」
ゴゴゴゴ!!

冬樹「!」

冬樹「な、…なにこれ…飲み込まれていく?!」

タママ「軍曹さんたちあぶなーい!」

冬樹「タママ?!」

ケロロ「タママ…?」

ケロロ「…」

ケロロ「…持っているその宝石は…何でありますか…?」

ケロロ「何で…」

ケロロ「何で、魔法星人になってるのォ…?」

ケロロ「ケロ…?蝶?薔薇…?」

冬樹「うわあ…なんだろうこの不思議な空間!嬉しいなあ…超常現象かなあ…」

ケロロ「冬樹殿…」

タママ「二人とも、下がっててください!」

ケロロ(…なんだろう、あのスーツ。いいな、かっこいいや…)

ケロロ(クルルが作ったわけではないのでありますか…?)

ケロロ「…」

ケロロ(…なんで…)

ケロロ(……ずるいや…)

冬樹「髭のモコモコとドロドロとか…うわあ触ってみたいな~駄目かな軍曹…!」チラッチラッ

ケロロ「我輩には…判断つかんであります…」

冬樹「じゃあ触ろうっと…」

タママ「フッキー駄目ぇッ!!」

冬樹「え?」

ガッ

冬樹「わぁ!」

ケロロ「冬樹殿?!ちっこいのに、あのでっかいとこに連れてかれた…!!」

タママ「……」ピタリ

ケロロ「…タママ?!タママ!何で何もしないでありますか?!」

タママ「軍曹さん…」

ケロロ「?」

タママ「もう倒したからですぅ」

ケロロ「うぇ?」

ドグアァ…ン

タママ「フッキーはここに寝かせておきますから、あとは自由にしてください…僕はもう眠いんですぅ」

ケロロ「タママ…二等…」

ケロロ「ずるいや…」

タママ「え?」

ケロロ「ずるいやずるいや!何だよ一人だけ魔法星人になっちゃってさ!どーせお願いごとに大量のお菓子でも頼んだんだろ!そんなかっこ良くもないパワードスーツなんか着ちゃってさ!あーわかった、タママお前、自分だけ英雄になりたくて我輩にあんなこと言ったんだろ!」

タママ「……ずるい…?大量のお菓子…?『そんな』スーツ…?!英雄だって?!」

タママ「馬鹿にしないでくださいよぅ!!僕がどんな思いで…!」

ケロロ「!」

ケロロ「…だって…」

ケロロ「…だっで…」ズビビ

ケロロ(我輩が…どれだけ悩んだか…タママだって、知らないでありましょう…?)

ケロロ(なのに!)

タママ「…っ…軍曹さんなんて…」

タママ(このスーツを作った人が、どんな…!)

タママ「うぅ、軍曹さんなんて!」

ケロロ「タママなんて…タママなんて…」

ケロロ「お菓子の食いすぎで腹壊しちまえ、うわああああああん!」

タママ「ガンプラの作りすぎで利き腕痛めちまえ、わああああああん!」ピュー

冬樹「…あ」

ケロロ「!冬樹殿!」

冬樹「あれ、僕なんで寝てるの…?」

ケロロ「……」






ー同時刻ー

猫「ミャウ…ミャウ!」

ギロロ「ギロ?またか」

キラッ

ギロロ「なんだこの…宝石?」

ギロロ「…!空間が…」

夏美「ねーギロロー、あのボケガエルがまた当番サボったのよ?!ちょっと手伝いなさいよ!」

ギロロ「夏美、来るなッ!」

クルル「間に合ったか…。白いのの説明が少し遅かったら終わりだったぜ~?持ってきなァ『変身チョーカー』」

ヒュルル…
ハシッ

夏美「え?思わずキャッチしちゃったけど、これスーツのやつ?」

キュウべえ「くそ、なんて頻繁なんだ、魔物め…!商店街のほうにも居るのに…!契約してない状態じゃ心配だ、僕もいくよ!」ピョン

クルル「お~っとぉ…お前はここで黙ってな」ガシッ

キュウべえ「?!」

クルル「あの二人は負けやしないさ…その間に…」

クルル「お前がどんな生命体なのか、ラボでじっくり調べてやるよォ…クーックックックッ」

クルル「何せ、俺のデータベースには無かった生物なモンでなァ…」

キュウべえ「…!」

キュウべえ(『嫌な奴』…!!)

クルル「クックックッ…」

ケロロ「ただいまーであります…夏美殿、怒ってるかな…タママとも喧嘩しちゃったし…」

冬樹「お姉ちゃんには上手く言っておくから、ね?タママはきっと許してくれるよ、友達だもの…」

ケロロ「…?」

ケロロ「庭のほうから泣き声…?」

テテテ

夏美「……うぅ…ひっく…うっ、うっ…やだぁ…こないで、お化け…!」

冬樹「お姉ちゃん?!」


ケロロ「ゲロォ?!なんで夏美殿がパワードスーツで泣いているでありますか?!」

ギロロ「…………」

夏美「怖いよ…お母さん…冬樹…おばあちゃん…うっ、うう」

ギロロ「………」

冬樹「…ギロロ?…ねえ、どうしちゃったの、お姉ちゃん…」

クルル「……ヤバイな…ギロロ先輩や日向姉でも対抗できねえたァ」

クルル(それも、日向姉の精神が崩壊するほどに…!!)

キュウべえ「僕も散々調べ尽くされて身体が…まあいいけど」

キュウべえ「クルル曹長、判断ミスだね。二人の間に僕がいれば、こんなことにはならなかった。契約ができたんだ」

クルル「…チッ」

クルル「お前も大概『嫌な奴』…」

ギロロ「…おい…キュウべえ」

キュウべえ「なんだい?」

ギロロ「契約してくれ」

ケロロ「ギロロ伍長…!」

ギロロ「一度しか言わん、よく聞け、俺の願いごと…」

ギロロ「夏美の魔物の記憶、魔物の影響、魔物の危害…。『夏美の、魔物に関わる全てを消してくれ…』」

ギロロ「いつも通りに…生活してほしい…」

キュウべえ「…ナツミだけかい?」

ギロロ「俺の資質じゃ…日向家全員を魔物から遠ざけることはできないだろう?身の程は、知っているつもりだ」

キュウべえ「…ああ、そうだね。じゃあ…契約成立だ…。ソウルジェムを渡すよ」

ギロロ「……」

テテテ…

夏美「……」スウ…スウ

クルル「…ギロロ先輩」

ギロロ「俺ならあの時、キュウべえが来ても契約しなかっただろう…最後まで悩んで、な」

クルル「そうか…なら、俺は謝らないぜ~。だが、良かったのかァ?」

ギロロ「ああ…」

ギロロ「本望だッ…!」

冬樹「………」

冬樹「よくわからないけど…」

冬樹「(軍曹たちは、戦っているんだね…)」

タママ「…」コソコソ

タママ(分かってますぅ。あの人はいつだって、ナッチーのことしか願わなかった…)

「あれっ」

タママ「…!」バッ

モア「タマちゃん、何してるんですかぁ?」

タママ「なんだ、女かよ…脅かしやがって。いいか、てめーは間違ってもキュウべえになんか関わるんじゃねえですぅ」

モア「タマちゃん…?どうしたの、その宝石…。汚れちゃってますよ?」

タママ「…!」

タママ(だいぶ濁ってんなァ…魔物狩りでもするか)

タママ「なんでもねーですぅ」

モア「あっ!」

テテテ…

ー侵略会議ー

ケロロ「で、何でクルルは夏美殿にモビルスーツを渡せたのでありますか?」

クルル「クーックックックッ、ギリギリのところで“白いの”にグリーフシードの存在を説明されてよ…」

キュウべえ「すまない、みんな。失態だったよ。もっと早くグリーフシードの存在と、魔物の強さを伝えるべきだったんだ…じゃなきゃ伍長、君は」

ギロロ「良い。終わったことだ…夏美の身には何も起きちゃいねえ」

ケロロ「グリーフシードってなんでありますか?」

キュウべえ「ギロロ伍長の持っているそれ…そう、ソウルジェム。グリーフシードは魔物の卵だが、その濁りを消し、魔翌力を回復するための力がある。そのためにも魔法星人は魔物を倒し続けるんだ」

ケロロ「魔物の卵…」

キュウべえ「けどやはり、ケロン人は素晴らしい文明を持っているよ。魔法星人にならずして魔物を倒すなんて…信じられないことさ」

ギロロ「……本当に、ギリギリだった…」

ドロロ「…確かに、ギロロ殿の身体には無数の包帯が巻かれているでござる。…夏美殿は」

ケロロ「ギロロが守ってくれたおかげで、あの程度で済んだのであります…」

ケロロ「願いの効果もあり、本人は転んで足を痛めたと思い込んでるでありますよ…」

クルル「クーックックックッ、男前だなァ、先輩」

クルル「んでまあ同時に、隊長と日向弟が魔物に遭遇し…魔物の存在が証明され、それをタママが倒した…」

キュウべえ「そう。謎なのは…軍曹、君の夢と…タママ二等兵の契約だ。僕は、彼と契約した覚えがない」

ケロロ「ゲロォ、よくわからんでありますなぁ…」

ギロロ「…」

キュウべえ「…」

ケロロ「…」

クルル「…」

ケロロ「…じゃ、話ももう無いみたいなんで、これにて解散!」

ガタタ

ケロロ「ギロロ伍長、ゆっくり休んで怪我を直すでありますよ!」

ギロロ「…ああ」

ケロロ「なーに、魔物が全て消えて、宇宙平和が訪れるまでの辛抱!…願いごとは…、伍長の分まで考えるであります」

ケロロ「じゃ…我輩はもう寝るんで…」テテテ

クルル「クーックックックッ…俺はラボに篭るぜェ…用があったら来な…ちょいとやりたいことがあるんでよ…」テテテ

ギロロ「…俺も寝る」テテテ

ドロロ「…拙者は……」

ドロロ「小雪殿にでも相談するでござる…」


キュウべえ(………)

キュウべえ(ギロロ伍長、資質はなかなかの男…だが小隊では下。クルル曹長は切れ者の上に素晴らしい資質…だが、軍曹には劣るし、嫌な奴だ。そしてドロロ兵長は、中の上といったところか…いずれにしろ、ケロロ小隊全員の資質は並外れている)

キュウべえ(…タママ二等兵…。彼は読めない。何者だ?)

ドロロ「小雪殿…」

小雪「んー?」

ドロロ「平和は…願うものではないでござる。創っていかなければならないもの」

ドロロ「そうではないでござるか?」

小雪「…そうかもしれないね」

ドロロ「…」

ドロロ「…しなくてはいけない願いごと…するとしたら、何が良いのでござろう」

小雪「そうだなぁ。…後回しでいいんじゃない?」

ドロロ「後回し…?」

小雪「そう。後回しにしてって願うの。そしたら、ずっと迷っていられるよ。それが本当に必要になる時まで」

ドロロ「…」

ドロロ「そんな生き方も、良いかもしれないでござるな…」

タママ「…くそッ、くそッ!!」

タママ「いくらグリーフシードを使ってもこいつ、濁りやがる…ッ!!」

タママ「……」

タママ「もう、疲れた…ですぅ…」

タママ「寝よ…」





クルル「クーックックックッ…」キュイイーン

クルル「やられたからには最高のタイミングで3倍にして返すぜ~。最新最強、パワードスーツでな…金に糸目なんか付けねェ…」ガガガ

クルル「まずは防御…それから…キシシ…」バチバチ





ネコ「みゃう」

ギロロ「…夏美は…おれがまも…ぐごご…」

ー三日後ー

キュウべえ「ギロロ伍長急いで!駅のビル前の壁、グリーフシードが埋め込まれていた」

ギロロ「何ッ?!」

ケロロ「本当でありますか?!」

クルル「クーックックックッ…いよいよだなァ…先輩のリベンジ戦。ほら、持ってけよドロボー。ケロン人専用防衛型強化服ゥ~だニョ。俺の三徹を無駄にしないでくれよ~?」

ギロロ「ああ、恩に着る…」

クルル「ククッ、気持ち悪いねぇ先輩。ほらよ。ついでに隊長のも作っといたぜェ」

ケロロ「うひょおぉ~!!カッコ良いであります!」

クルル「俺は寝るぜ~。ま、せいぜい頑張れよ~ん」

ギロロ「では、行ってくる」

ケロロ「ギロロ伍長…健闘を祈るであります」

ギロロ「ドロロ!何故お前がここにいる?!」

ドロロ「ふふ、拙者も契約して魔法星人になったのでござるよ~。ほら、クルル殿に貰ったケロン人用防衛型強化服も」

ギロロ「……良いんだな?」

ドロロ「覚悟がなければ、双方ここには居ないでござるよ。さて…」

ギロロ「ああ…」

ギロロ「箱の魔物…」

ドロロ「それにしても、不思議な空間でござるな…アサシンの技でもこのような形式は見たことが無いでござる。実用性というより、思念が籠っているような…?」

クルル『さてェ、スーツの説明といくか』

ギロロ「クルル?!寝たんじゃないのか?!」

クルル『ククッ…寝たいから、ギロロ伍長とドロロ兵長の音声認識と俺の思考プログラムでイロイロ返答できるようにしといたぜェ~。ポーズ?戦闘ヘルプって奴ゥ?ま、暇な時の嫌な奴シミュレーションにでもしてみれば?』

ドロロ「いちいち回りくどいことをするでござるな…」

クルル『ま、このプログラムは趣味で元々用意していたんでなァ。この発明によってスーツの能力が落ちる…なんてこたぁねえ。安心して貰って良いぜェ~』

クルル『おっと…探知機が反応してる。敵さんのお出ましのようだぜ~?手厚くお出迎えしてやりなァ』

ギロロ「分かってる…行くぞドロロ!」

ドロロ「承知した」

ドロロ「暗殺兵術鑑定眼力を使っても、結果は不明瞭…そしてアンチバリアも効果がないとは」

ギロロ「チッ…とんだ非常識な存在だな」ガガガガ

ドロロ「零次元斬!」ガガガ

ガガ!ガガガ…


ギロロ「…くっ、幾らやってもキリがない!」

ドロロ「ここは一気に!薄めの結局南極烈風冷却!」ヒュオオ…

ギロロ「よし、凍った!」

ドロロ「さ、今のうちに!」

ギロロ「使い捨て銃!!」ガガガガガガガガ

クルル『来たぜェギロロ先輩の魔法技…!俺のプログラムには想定内だったが、相手にとっちゃ相当な痛手。魔翌力で構成された銃でこそ出来る、勿体無い精神ポイ捨て乱撃ちだァ…いくらでも生成できる銃だからな』

クルル『だが乱撃ちといっても先輩の銃の腕前であれば百発百中。心臓は撃ち抜けなくとも一部損傷は免れねえ…だから技との相性は最高…!コイツを相手にした敵さんが可哀想だぜェ』

ギロロ「ザコは倒した、一気に行くぞ!」

カチリ

ドロロ「…トラ…ウマ…」

ギロロ「?!ドロロ!?」

ドロロ「ひどいよケロロ君~」

クルル『ヤバイな、兵長のトラウマスイッチが入っちまったようだぜェ…何か傷つけるようなことでも言ったか?それか敵さんが精神攻撃の類をしてきたのかもなァ…おっと、ドロロ兵長、上空に接近物…直ちに避けろ、つっても無理かァ?』

ドロロ「ブツブツブツブツ…」

ギロロ「危ねえ!!」ヒュンッ

クルル『よくやった先輩…逃げるついでに猛攻撃だな…敵の反応が無くなって来たぜェ』

ドシーン…

ドロロ「……何で助けてくれたの?」

ギロロ「…決まっているだろう、仲間…いや、………友達だからだよ。ほら、立て!」

ドロロ「…」

ドロロ「うん!」

クルル『お見事だぜェ…クックック…』

ギロロ「はあ…疲れたな、今日は」

ドロロ「拙者、今日はもう休ませてもらうでござ…あれ、タママ殿?」

タママ「あー!ギロロ先輩、ドロロ先輩。お疲れ様ですぅ」

ギロロ「…タママか。……ケロロが怒っていたぞ。お前はなぜ魔法星人に」

タママ「恋に負けて契約した軍人さんには、言われたくないですぅ」

ギロロ「……」

ギロロ「どういうことだ」

ドロロ(…!ギロロ殿とタママ殿の間に殺気が…!)

タママ「沢山タママインパクトォ!!」ヒュンヒュン…

ギロロ「っ!」

ギロロ「そっちがその気なら…」チャッ

ドロロ「やめ…二人ともっ」

ケロロ「庭から大きな音が…って何で二人が戦ってるのォ?!」

ドロロ「ケロロ君!それが…」

キュウべえ「喧嘩だね。魔法星人同士には良くあることだ」

ケロロ「喧嘩…?ドーシテ?!」

キュウべえ「ケロロ君。君の実力ならば、今すぐ契約した場合のみ魔法星人化した彼らを止める事が出来る」

ケロロ「契約…」

ケロロ「でも我輩、まだ願いを決めてな」

キュウべえ「さあ、僕と契約して魔法星人になってよ!」

クルル「クーックック…その必要はないな」

キュウべえ「!」

ドロロ「クルル殿?!」

クルル「ギロロ伍長、タママ二等…。身内同士で争うこと程醜いモンはないぜェ?」

ギロロ「…クルル」

タママ「…チッ」

ケロロ「あれ?クルル、どったのその格好?」

クルル「どうしたもこうしたも、これは特製のパワードスーツっすよ…」

ケロロ「てことは…クルルも?!」

クルル「普通の男の子やめちゃいました~ってか?キシシシ…」

タママ「…クルル先輩も…」

クルル「さあ、どうする?俺に止められて怪我したいかい、御二方…」

ギロロ「…」

タママ「……僕はもう帰るんで、いいですぅ」クルリ

クルル「そうかい」

ケロロ「あっ、タママー!」

タママ(クルル先輩…邪魔ですぅ~)

タママ(決めた…)

タママ(ぼく…今回は、あの『夜』と一人で戦うですぅ!)



ケロロ「…タママ」

クルル「ククッ。隊長、悪いが一旦席を外しててくれ。青いのと赤いのに話があるんでなぁ…」

ケロロ「ケロ?何ででありますか?!」

クルル「いいから家に帰ってな…」

ケロロ「…」

ケロロ「分かったであります。でも」

ケロロ「さみしいであります…何で教えてくれないの?我輩が魔法星人になってないから…?」

クルル「…違う」

ケロロ「違くないであります!もういい、クルルのバカ!タママのバカ!もう知らないッ」ピシャン

クルル「…」

ギロロ「…」

ドロロ「…それで、話とは」

クルル「……近いうち」

クルル「近いうちに、デッカいのが来るのがレーダーで感知された。あれは恐らく…」

ギロロ「魔物、か」

ドロロ「!!」

クルル「…ああ」

クルル「とても太刀打ちできそうにない奴だろうなァ…。『一人では』」

クルル「どうだい、俺と共闘しねェかい?」

ドロロ「それは…」

ギロロ「…そうだな、考えておく。貴様の言うことが信じられるようになったら、な…」

クルル「…」

クルル「クーックック…言うねぇ、先輩」

ケロロ(……みんな…みんな…魔法星人なんてやめちゃえばいいのに、であります…)

ケロロ(…あのソウルジェムが無ければ、魔翌力が無くなって魔法も使えなくなるかも…)

ケロロ「…そうだ!」

ケロロ「ゲロゲロリ…」ニヤリ





ギロロ「…ケロロが庭に全員召集か。珍しいこともあるものだ」

クルル「クーックック、何を考えてるのかねェ~」

ドロロ「拙者も呼んでくれた…!嬉しいよケロロ君~」

タママ「…」

ケロロ「ゲロゲロ…みんな集まったでありますな?」

ギロロ「…!貴様、その手に持っているのは…」

ケロロ「ご名答!皆のソウルジェムであります!」

タママ「!!」

ドロロ「ああ、無い!ずっと持ってたのに!」

クルル「ク…してやられたな…」

ケロロ「ゲーロゲロゲロ!我輩だって本気を出せば、これくら…」

タママ「返せですぅ!」

ケロロ「ゲロ?」

タママ「それは僕たちにとって大切な…!!」

ケロロ「タママ二等!魔法星人をやめたくないからと言って、言い訳は無用でありますぞ!こんなもの…」

ケロロ「えーい!こーしちゃるー!」ポイポイポイポイ

ドロロ「あんな遠くに…!」

ガシャガシャガシャガシャ

ブロロロ…

ギロロ「…!トラックの荷台に乗った、のか…?」

ケロロ「ふはははは!魔翌力の源であるソウルジェムが無くなったことにより…皆は魔法星人じゃなくなったであります!どうだ!」

タママ「余計なことを…!」

クルル「ク…」パリン

ドロロ「」ドサッ

ギロロ「かは…」ドサッ

ケロロ「って、あり?みんな?」

タママ「ぜえ…はぁ…。くっ…!待て~!」

タママ(時を止めれば…!)

タママ「ッ」パシッパシッパシッパシッ

ブロロロ…

ケロロ「…ゲロ?」

タママ「…ま…間に合った~!」

クルル「ココドコ…ワタシはダレ…ククッ…」

ギロロ「今のはどういうことだ…ソウルジェムが遠ざかった瞬間、意識が…」

キュウべえ「ソウルジェムは君たちの魂の器みたいなものだからね。離れたり壊されたり、濁ったりなんかしたら、魔法星人は死んでしまうのさ」

ギロロ「!」

ドロロ「…ッ!?魂を移し変えられた、ということでござるか?!」

ギロロ「…何故そんなことを…そんな大事なことを言わなかったんだ…!」

キュウべえ「それは…」

クルル「…『訊かれなかったから』だろ?つくづく厄介だねェ、お前さん」

キュウべえ「………君よりはマシさ」

ケロロ「…そんな…そんな…!」

ケロロ「我輩は、皆を…[ピーーー]、ところだったんでありますか?!」

ケロロ「こんなの、こんなの…」

ギロロ「チイッ、すぐに本部に連絡を…」

クルル「無駄だな」

クルル「本部に言ったところで対策が取れるわけも無い…こんな事例は、今まで全く無かったんだからなァ…」

ギロロ「ではキュウべえを殺せば!」

タママ「…それも無駄ですぅ。…こいつは無限に生きかえるようになってますから」

ギロロ「!!!」

ドロロ「…絶望的でござるな…」

ケロロ「……」

パチパチパチ

夏実「あれ、ギロロ?またお芋焼いてるの~?」

ギロロ「…芋は焼いとらん」

夏実「そっかー、残念」

ギロロ(すまん、夏実。
もう芋を焼くことは無い…)

ギロロ(俺は怪物になってしまった…)

夏実「…ねえ、またクッキー作ったんだけど…いる?」

ギロロ「すまんが、今は腹が減っていなくてな。…623にでもあげれば良い」

夏実「…ギロロ?」

夏実「変なの。
ま、いっか。623さんと今度、デートに行くし~♪告白できたらなぁ…なんて。ふふふ」

ギロロ「!」

ギロロ「……」

ギロロ「行くな夏実、俺は…夏実が…!」

ピューッ

夏実「あ!やかん火にかけたままだった…!急がないと、じゃあねギロロ」

ギロロ「あ…」

ギロロ「…」

ギロロ(助けてやったというのに…)

ギロロ「!」

ギロロ(待て…今俺は何を考えた…?俺は夏実に、何を求めたんだ…?)

ギロロ(見返りを求めたのか…?見返りが欲しくて助けたのか?!)

ギロロ「うう…!!」

ギロロ「忘れろ、忘れろ…」

ギロロ(…夏実のことなど、忘れてしまえ…!)





ーラボ内ー

クルル「…」カタカタカタ…

タンッ

クルル「後ろにいるのは分かってんだぜェ、白いの」

キュウべえ「……隠れてるつもりはなかったんだけどね」

キュウべえ「意外だったよ…まさか君が、あんな意味のない願いをするなんてね。ドロロ兵長のほうが、まだ分かるくらいさ」

キュウべえ「『誰かが死んでも身代わりになれる能力が欲しい』…」

クルル「俺も情に流されちまったみたいでなァ…隊長のせいか?クックック…」

キュウべえ「…まあ、願いは自由だし…何でも良いんだけどね。ただ、少し残念には思ったよ」

クルル「キシ…光栄だな、こりゃ…」

ー結界内ー

ギロロ「」ガシュッザクッ

ドロロ(ギロロ君の戦い方が、どんどん無謀なものになっていってる…!)

ドロロ「ギロロ君!もうやめるんだ、こんな…こんな戦い方っ」

ドロロ「最早…自傷だよ…!!」






夏実「…ねえ冬樹」

冬樹「なあに、姉ちゃん」

夏実「なんかボケガエルたちおかしくない?やたら静かだし、侵略侵略~とか言わないし…」

冬樹「…そう、かな?」

夏実「そうよ!また何か企んでるんじゃないでしょうね…」

冬樹「違うと思うよ」

夏実「…え?」

冬樹「きっと、戦ってるんだよ。みんなのために…」

夏実「…うーん。そう?」

冬樹「そうだよ、きっと」

冬樹「(がんばれ、皆…!)」

タママ(ギロロ先輩が暴走してしまったですぅ…)

タママ(あんな戦い方じゃ身体が持たない…じゃあもう[ピーーー]しか!)

クルル「やめときな…」

タママ「!」

タママ「なんで居場所が分かったんですか?」

クルル「クックッ…ただの偶然だ…。俺は今から623の家に行くところだったんだからな…」

クルル「とにかくやめとけよ…。どんな理由があろうと、仲間を殺したら…」

623「『その仲間全員を敵に回すことになるぜェ?』ってね…」

タママ「…ッ」

タママ「…」タタタ…

623「あーあ、行っちゃった」

クルル「チ、居たのかよ」

623「もうすぐ来るかなーってね。で?俺ん家に来て、なんのつもり?」

クルル「…」

クルル「ラボにとあるものがある…万が一俺様がダメになったら、預かってくれなくてもいいぜェ?」

623「…なんだよ、クルルにしては自信無さげじゃん」

クルル「今回はち~っとヤバくなんか無いんでねェ…」

623「…了解。分かったよ、その時は預かっておく」

クルル「クーックック、頼まないぜ~」

623「……」

623(クルル…)

書き溜め分終わりました。
今日はここまでです。
異色なクロスオーバーですので見てくださる方は少ないと思いますが、ありがとうございました。

おつ

おせっかいだけどメール欄に「saga」入れないとちゃんと「魔力」が「魔翌力」になるぞ

「sag『e』」じゃなくて「sag『a』」な

>>36
お節介なんてとんでもないです。ありがとうございます!

本編の魔法少女は出ないのかな?

>>38
「まどマギの設定を借りたケロロ」ですので残念ながら…申し訳ないです。

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