【艦これ】 母は艦娘 (113)
イベ入渠中にちまちま書き溜め
それぞれ、別々の鎮守府、パートナーは色々。
読んで下さっている方の御想像にお任せさせていただきます。
子供は息子だったり娘だったり。
親視点だったり子供視点だったり、その他の第三者だったり。
のんびり、まったり、やまなし、おちなし。
不定期更新。
全てに共通、母は強し。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503377303
母は艦娘
母親といえば皆は何を思い浮かべるだろうか?
愛、自己犠牲、包容力、笑顔。
母親で思い浮かべる言葉は人によって様々。
彼女達は皆女性であり、皆、いきいきと毎日を忙しく、そして自由に。
おかん、お母さん、母親、ヤンママ、御尊母、母上、ママ、マミー。
呼び方も様々、色々。
母親だって時にはお休みしたいもの。
子供がいたって誰かに甘えたい時もあるんです。
これはそんな艦娘が母親になったらどんな母親になるか。
そんな、少しばかり普通の家庭とは違う。
だけれど、いや、だからこそ、強くなる絆の。
これは、毎日を奮闘する母親達への賛美歌。
一軒目 おかんは艦娘
「おー、お帰りー、終業式だけあっていっぱい持って帰ってきたなぁ。」
「あー、紙袋が破れたかぁ……。男の子は学校に溜めこんでしまうからなぁ。」
「父ちゃんも経験あるとか前に言うてたな、そういえば。」
「仕方ない、気にせんとお昼の用意できてんで。」
「ん?お好み焼きにごはんはおかしい?」
「夏の暑いときに暑くなる物を出すなやて?」
「やかまし!母ちゃんの作るごはんが嫌なら食べんでいいですぅ。」
「あっ、そうそう、分かればええんよ。」
「お母さんなこれからまた任務やねん。」
「あー、そういう顔せんとなー。大丈夫やて。」
「お母さんいつもきちんと帰って来てるやろ?」
「軍規であんまり詳しい事言えなんのやけど軽空母のお母さんでないとあかんのや。」
「何?おかん以外にも軽空母はおるやないかって?」
「まぁ、そうなんやけどな?父ちゃんから頼まれたらな……。」
「父ちゃんがなぁー、お前しかおらん言うねん。」
「父ちゃんからこう頼られてその後のご褒美もなぁー///。」
「はぁ?何が色ボケババアやて?」
「ちょっ、自分、そこ正座!」
「はぁ?父ちゃんが羨ましい?」
「母ちゃんにそんなに愛されてるのがやて?」
「自分何いうてんや。父ちゃんに嫉妬してどうすんねん。」
「ほならな。母ちゃん、いってくるで!」
「あーーーー……、今日は本気であかんと思うたわー。」
「でもなぁ、自分の顔を思い出したらここは踏ん張らな!ってなってなぁ。」
「あー、そないな泣き顔せんとなー。」
「なんとか今日も帰って来たで。笑顔で迎えてーなー。なっ。」
「ただいま。今日も無事なんとか帰ってきたで。」
須賀京太郎「鳳翔様好き」
「おかえりなさい。お母さん。」
二軒目 母は艦娘だった
母を知る人は表情が分かりにくい人だったと言う。
私にとってこれほど疑問に思う言葉はなかった。
母が居ない時によく話し相手をしてくれたお姉さん達。
翔鶴さんや瑞鶴さんに聞いてもやはり母は感情をあまり表に出すことが無いという。
「今日の肉じゃがどうかしら?」
「お母さんの自信作よ!さっ!もっと食べなさい!」
「ほら、もっとご飯も食べなさい。大きくなれないわよ!」
私と会話するのが、私の食べる顔を見るのが。
これ以上なく楽しい。
そんな表情を全面に出した笑顔を母は私に向ける。
私の記憶の中での母はいつも笑っている顔しかない。
「ほら、ごはんが……。」
ゆっくりと手が伸び、頬についた米粒をとり。
「おべんとうをつけてどこへ行くつもりだったのかしら。」
それを食べながらいたずらっぽい笑顔を向け母は私をからかう。
まったく無表情など誰が言い出したのであろうか。
母の表情は実に様々だ。
国を護るとは愛する家族を護ることと同意である。
敵が陸に上陸し民間人を屠る、それを防ぐ為に家族を護るとは国を護ることでもある。
自分が戦うその先に護らなければならない物が有る。
結果として国を護ることに繋がっているだけなのよ、とは母の言葉。
でも、建前はお国の為にっていう事にしておかないと父に悪いから内緒ね。
と、その本音を少しだけ見せてくれたのはいつだったか。
それは母に見送られ学校へ行っていた時のことだった。
学校へ軍の車がやってきて自分を連れて行く。
いつかはあり得ることと母から覚悟をしておくようにと言われていたから。
なんとはなくすんなりと受け入れることができた。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
泣きじゃくり、謝り続ける翔鶴さんに瑞鶴さん。
母は将来の為を考え戦力として勝る二人を敵から囲まれた窮地から逃がす囮になった。
とは後に聞いた。どうやらその時の私は上の空で何も聞いていなかったようだ。
「貴方達はなんとしても生きて帰らせる。」
「国を護るという事は家族を護るという事。その家族には貴方達も含まれているの。」
「さぁ!行きなさい!」
私にとっての姉2人に向けられたそれが母の最期の言葉だったそうである。
死地に向かいなおも普段通りの涼しい顔、いや、少し笑顔だったとか。
「ひゃくまんごぉ―くのー デデデン ほこりよぉ、かぁーーーぁが!みぃさぁーーきぃいーーーーー。」
母が好きだった歌を歌い髪を結う。
髪型はもちろんサイドテール。
写真の中の母はやはり笑顔だ。
「では、お母さん、行ってきます。」
「お母さんほど歌は上手くないね。」
最後まで私が艦娘になることを反対していた瑞鶴さんは言う。
「頭にきました。」
すこしだけ母の口調の真似。
母が護った家族を護る為、私は今日も護ります。
今回はここまで
安価の方は今日の夜頑張るよ!
やっとE6の輸送が終わりそう2000ってあんた、ねぇ、もう
ここまでお読みいただきありがとうございました。
鹿島蘭子浜風マシュ「須賀家チラチラ」
我の鎮守府の入渠液は2000個以上有るぞ
阿武隈キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
墓前にバスクリン供えとくわ
RJママァ
乙です。
次は誰が母親の話なのか楽しみです
百里を行くものは九十をもって半ばとす
今イベでの堀がやっと後一人
未所持がだいぶ埋まってきました
E8がもう少しで終わりそうです、ここ数日血反吐はいておりました
1週間程空いてしまいましたが久しぶりの更新です
お時間宜しければお付き合いください
三軒目 母は現役艦娘
特別ではなく、英雄になることを望んでいるわけでもない。
駆逐艦である母はいつだって一生懸命だ。
「ねぇ、母さん。パンツ見えてる。」
「えっ!?あっ、ちょっとお母さんのパンツ見てなにする気よぉ!?」
「芋臭い顔の母親のパンツで何をしろと?」
「またそういうことを言う!」
ぷくぅと顔を膨らませる。
あれ?母親だよね?
というか大人だよね?
「いいもん!いいもん!お母さんの妹の叢雲ちゃん呼んじゃうもん!」
あっ、あのお方はやばい。
普段は姉である母にそっけない態度だがその息子の自分のこととなると見境がなくなる。
それは当然自分の子供に対してもそうであったらしい。
らしい、というのは彼女の息子を殴った地元の鼻つまみ者。
500人超の所謂DQN集団を謎の一団、薙刀らしき物を携えた武士達が。
その集団を壊滅、それも言葉を選んだ上で、マイルド表現で壊滅させたそうな。
一人だけ残った生存者、
つまり惨劇をわざと見せることによってその恐怖を広める為に残された者からどうにか聞き取れた証言によると。
「鬼の集団が小躍りしていた。」
とか。何せそれ以上を語らせようとすると失神するとかで他は何も聞き出せなかったそうだ。
そして、今なお『 檻のついた病院 』の中にいるそうだ。
「殺される。」
「死なない?かな?」
「なにそれ!?なんで疑問系なのさ!?」
携帯を取り出す母。
「あっ、叢雲ちゃん?今日さ、お姉ちゃんの所……。」
ジャンピングゥ土下座ぁーーーー!!
「すみませんでしたぁーーーーー!」
「おっ、謝っちゃう?」
「はい。」
「じゃぁ、許しましょう。」
うやうやしく。
母はとにかく姉妹が多い。長女だから当たり前ではあるのだが。
「今日は何が食べたい?」
艦娘であるがゆえに成長がとまった、
ぱっと見、外見中学生くらいの母が身長でまさる自分の顔を下から覗き込むように見て来る。
母の覗き込んだ顔と目があい少しドキリとする。
(とりあえず、親父を殴っておこう。)
決意を胸に母の問いに好物の名前を挙げておいた。
四軒目 お母さんは艦娘である
母の手料理。
お袋の味、母から娘へ、味覚が伝わり、一族の味。
「どっどうだ!」
自分は娘ではない。息子だ。
そして、料理が不得手な母から受け継げる味はない。
だから、いつも家にいる時間が少ない母の為にごはんは自分が作ってきた。
それはその少ない時間を自分の為に使い一生懸命頑張る母が好きだから。
料理の初心者向け本を買い、少しづつ、少しづつ。
料理と言うものはスポーツや勉強と同じで普段からの積み重ねの集大成。
そして、ほんの一掴みの才能。
まぁ、世に言う天才と呼ばれるやからが
このほんの一掴み部分が大きい為に積み重ねが少なくて済むのは妬ましくもあるが。
母がどや顔で握る菜ばしの先には控えめ表現でやや茶色が強い揚げ物。
「なぁ、母さんさ、油の温度みてる?」
「なにぃ!?そっ、その様な事は書いてないぞ!?」
しかも、妙に厚ぼったい揚げ物。何をどれだけ挟んだ?
もし、母上よ、そのレシピは何を参考にした。
「いや、いんたぁーねっとというものでな?」
おたおたと慌てる母が見せるはクッ○パッド。
あぁ、駄目な奴だ。
いや、正しく言うなら母のように基礎がなってない人間が使うべきではない料理レシピ集。
例えるなら中学校の陸上レベルの生徒に明日オリンピックの会場で金メダルとってこいと言う様な物。
出来るを前提に作られたレシピ集は出来ない人が参考にするには圧倒的に情報が足りない。
その結果が……。
「あぁ、うん。しかたないか……。」
母がやらかした食材を分解する。
豚肉のロースは衣を外し、数枚かさねだったのを解し。
中途半端に火が通っておりやれやれどうしたものか……。
「そういえば、紫蘇があったな。」
「あと、アスパラなんかも……。」
学校から帰ってきた時に既に手遅れだった台所の惨状を片付けつつ。
母の料理の失敗を修正しつつ。
大き目のロース肉を少し切ってサイズを変更。
肉の上に紫蘇を一枚、梅肉を載せ巻いて爪楊枝で止める。
アスパラも同じように肉を巻いて爪楊枝で止める。
醤油、砂糖、すこしのお酒。
「はい、出来上がり。」
抜けてしまったお肉の味を誤魔化す為に照り焼き風味。
「うまい!私はお前の母でよかった!」
「母さんさ、妹の浜風さんとかに料理を基礎から仕込んでもらいなよ。」
「あっ、あぁ。すまない。」
「それはそうと、担任から聞いたがお前は進路は調理学校でいいのか?」
「うん。」
「そうか、やりたい事があるのだな。ならば母は全力で応援しよう!」
古風な騎士の様な話し方。気品あふれる感じは騎士王か。
フンスと胸を反りかえし、『 どやぁ 』と後ろに文字でもでそうないい顔。
自分の進路じゃないだろうとも言いたくなり少し笑いを堪える。
そして、母のような全てがパーフェクト(子の贔屓目があるが)艦娘の唯一の欠点。
それが料理下手。
いや?かえってこれが魅力なのか?
「いや、やっぱり母さんは料理が下手なままでいいや。」
そう言うとなにぃと言う母。
ふふ、悪くはないかな?うん、悪くない。
このままでもいいか、もう暫くは。
もう少しだけ、母に甘えてもいいかな?
いいよね?うん。
少しばかりの更新
安価スレは明日やるよ!
今だから言えるE7をグラーフ掘る為に丙で叩き割ったことを
丙だと護衛退避でても昼で終わりますね、恐ろしく楽勝、出るわけではないですが
えぇ、グラーフをですね、なんとか堀り当てたからこそ言えますです
きつかった、本当
後はE4のIにケネディを轢いたあの娘を捜索にいくだけなので
のんびりと資源を回復させてからやりたいと思います
後、落し物のネタ集めもそろそろそろりと始めていますので
こちらと安価スレも終わりましたらやらさせていただければと思います(ネタ集めが結構時間かかるのですみませんです)
では、ここまでお読みいただきありがとうございました
おつかーレ
甲型駆逐艦の浜風は吹雪の妹なのか
雪風をお願いします
乙です
おつ
少しだけ更新
天霧堀、挫けそう
駆逐艦だからまたでもいいよと悪魔の囁き
五軒目 お母さんは艦娘なのです!
私はこの学校の教員である。
一昔前に比べれば市井に艦娘とその子供と言うのも増え、
はやい話、生めよ増やせよと。
減った労働人口を補うべく……というと乱暴だが。
まぁ、とりあえず、退役したりした艦娘達が海軍関係者達とかと結婚したりして子供が世に増えた。
私が教員を勤めるこの学校にも親が現役、あるいは退役した艦娘という生徒は多い。
海軍関係者専用の学校だから当たり前か……。
「先生、うちの息子の成績はそんなに駄目なのです?」
心配そうな顔でこっちを見つめるのは小学生。
いや、駆逐艦の艦娘だ。
久しぶりのアウト、いや、何がアウトってまぁ、父親の趣味だよね。
はぁ、理解というか理解してはいけないのだろうが。
まぁ、数年前に見た特殊潜航艇の母親よりかはましか……。
ましというのもなんだが。
初期艦として配置される事が多いから苦楽を共にして結ばれるという事も多いと聞く。
だから、そういう感情が……って、理解してはいけない。
「いえ、息子さんは成績優秀ですよ。」
「だったらなんで大学進学ではなく専門学校なのです?」
「だって、手に職をつけた方が早く工廠に入れるじゃん。」
「工廠になんか入らずにこういう時代だからこそ大学に進んで違う職業に就くべきなのです!」
工廠っていやぁ、海軍の鎮守府とかにあるあれかね?
艦娘の艤装整備とか受け持つあれ。
………。
あー、成程、マザコンこじらせちゃったかぁ。
お母様には言えなんなぁ。
「時代が時代だから手に職をつけたいのではないでしょうか?」
ここで生徒へのキラーパス。
いいかぁー、キーパーはオリバー並みに鉄壁だぞー。
先生は生徒の夢を応援します。
「だいたい不況時の失業率はブルーカラーの方が低いんだぜ!?」
よし!よくぞ言った!
今のお前は味方からのパスを受け取り敵MFをマルセイユルーレットで交すジダンだ!
「何いってるなのです!よそはよそ!うちはうち!なのです!」
「お母さんはあなたの為に進学しろと言っているなのです!」
怯むな!ゴールは目の前!敵はベッケン・バウアーだが今のお前はペレだ!
「あっ、うん………。」
その瞬間、俺は放たれたシュートがゴールポストに当たりベフンと跳ね返されるのを見た。
「先生もなにかいってやって欲しいなのです!」
プリプリと怒る母親。
「そうですね、ここは一度御家庭でお父様も交えてよく話し合われた方がよさそうですね。」
我が意を得たり、そういう顔をする駆逐艦の母親。
そんな恨めしそうな顔するなよー、自業自得DEATH。
生徒と親と三者面談をすると色々な母親と会話をする。
「あっ、母さん?いや、元気してるかなぁと思って。」
なんとなく電話をしたくなるのは年の所為か。
「えっ、また旅行いくの?」
「なに?懸賞で台湾の海外旅行があたった?」
「昔に行ったことがあるから凄く楽しみ?へぇ、そう。」
そういえば母は昔からえらく運が良かった。
「あー、そうかぁ。行ってらっしゃい。」
どうやら今年は帰省をしても実家にいないらしい。
母の運のよさは規格外だ、まったく。
六軒目 お母さんは元艦娘
お母さんの口癖。
「不幸だわ…..。」
艦娘を退役してお父さんと結婚して私が生まれて。
「今日は買い物に行くわよ!」
力強く意思表明。
今日は電車でちょっと遠出してお買い物。
お母さんはお父さん曰く結婚後に恐ろしくポジティブになったそうだ。
「不幸もね、毎日になれば日常なのよ!」
日常であれば特に気にするような物ではない。
と、お母さんの言葉。
「あっ。」
青信号で横断歩道を渡ろうとした時に切れる草履の鼻緒。
そして、そのお母さんの少し前を駆け抜けていく信号無視の暴走車。
「鼻緒が切れてよかったわ!」
どうよ、この幸運といいたげにいい笑顔でサムズアップをするお母さん。
「はい!お母さんは幸運だと思います!」
「そう!?やっぱりそう思う!?」
わしゃわしゃと頭を撫でてくるお母さん。
ぱよん。ぽよん。
むぅ、この大きさは遺伝してくれるのだろうか。
ぺたぺた。
遺伝してください。
そして、買い物も終了して。
「あら、雨ね。」
「あっ。雨です!」
「傘、持ってきていないわ…..。」
「不幸ね。」
といいつつお母さんの顔はなにやらイタズラでも思いついたような不敵な笑み。
「あっ、あなた?えぇ、そうなの傘を忘れちゃって。」
携帯を取り出しお父さんに電話。
少しばかりの会話の後に出されるVサイン。
「お父さんを呼び出すことに成功したわよ!」
災い転じて福となす。
早い話、不幸になるかならないかは受け取り手の問題でしかない。
お母さんは一つの事象だけをみれば不幸なのかもしれないけれど
全体で見れば幸福と見ることが出来るように物事を持っていくのが得意なのだ。
「いい?物事を考える時は一方向からだけじゃ駄目よ?」
「そして周りの意見も聞いてみなさい。自分の考え方と違う見方も有るかもしれないわ。」
「何事も多方面から考える癖をつけると人生は楽しいわよ!」
とお母さんは言っていた。
「しれぇ!詰まっているときこそコーヒーブレイクです!」
コーヒーカップを片手にブレイクダンス。
「ぶはっ。」
堪えきれずに笑い出す司令官。
「 ! 」
そして何かを思いついたようだ。
「編成を思いっきり変えていくぞ。物事の流れが悪いときは思いっきり流れを変えるのも重要だな。」
「はい!がんばります!」
結果はもちろん勝利。
「えへへ。幸運の女神の前髪をひっ捕まえて張り倒してやりました!」
「幸運の女神のキスを感じるんじゃないんだ・・・・。」
「しれぇ、お母さんの教えです。幸運の女神もチャンスの女神も髪を掴んで
張り倒してでも物にするくらいの度胸がないと物事は何事も上手くいきません!」
「おっ、おぅ。お母さんは女傑だったんだねぇ。」
女傑、確か艦娘の時は戦艦だったと聞いたことがある。
鬼より怖いなんとやらとかだったとか。
すっごく優しいお母さんなんだけど・・・・。
「えぃ!」
「ぐはっ。」
少しばかりの不満と抗議を込めて軽くしれぇを叩いておいた。
うん、お母さんの名誉はこれで守られたに違いない。
以上で終了でございます
ちまちま更新ではございますがもう少し続けていきたいと思いますので
お付き合いいただけると幸いです
三軒目と四軒目は別々の艦娘を想定して書いているのですが・・・・
分かりにくかったようで申し訳ありません
もう少し分かりやすく出来るよう精進いたします
乙
おつ
ゆきかじぇ
乙です。
電の子供の担任はサッカー好き
電の担任、自分の母親も人のことは言えないだろう…
うぉぉおおん
やっと堀が終わったよぉう
天霧がなかなか出てこないためだいぶ高くついたよチキショウメェ!
少しばかりの更新ですが更新させていただきます
安価スレの方は明日時間がとれるので明日頑張るよ!
七軒目 ママは艦娘
それはある日の昼下がり
「ママから大事な話があります。」
「貴方はママと血の繋がりはありません。」
「いや、何となくそんな気はしてたし。」
「えぇ?!」
私が艦娘に志願した時に神妙な面持ちで言われた衝撃の告白。
のつもりだったらしい。
「ママと私ってさぁー、ほら、サイズが違うじゃん?」
ばいんばいん。
ちまっ。
「くっ、確かに胸部装甲は・・・・。」
「違うし、身長だし。」
「それにさぁ、適性が空母じゃなかったしねー。」
そう、ママの艦娘としての種別は装甲空母、正規空母の中でも特に適性持ちが少ない。
更に言うなら最初からの装甲空母。
適性持ちが特に少ない艦娘なのだ。(ここは私にとって誇らしい事の一つでも有る。)
対して私の適性は。
「まぁさ、重巡で頑張るよ。私ってば褒められて伸びる娘だからさ。」
艦娘の母親と娘というのは適性が有った場合やはり遺伝と言うか艦種が被る事が多いそうである。
そして、話は変わるがママにとっての衝撃の告白2日前。
私の適性が判明した日。
「そうかぁー、重巡やったかぁ。」
私にとってのママその2、軽空母のママ、龍驤さん。
「でも、航巡に改装出来るから瑞雲を積みまくれば実質空母かも!」
と謎理論を展開するはママその3の瑞鳳さん。
「まぁ、錬度を上げれば今は軽空母にだってなれるからさ!」
と励ますのは姉の瑞鶴さん。
私が姉と呼ぶのは龍驤さんや瑞鳳さんと比べなんとなく貫禄が足りないと感じているからだ。
本人には言えないし、自分自身そう感じる理由が分からないが。
なぜ軽空母の二人もママと呼んでいるか。
私はママの話によると鎮守府近くに捨てられていたそうな。
戦争という状況が続いていれば当然の如く有る口減らし。
それについて産みの母親を責めることは出来ないだろう。
艦娘として出撃が多いママは体を何度も高速修復材で直し続けた結果
プレスリーが宇宙人であると言うのと同じくらいの確率になるまで子供が出来なくなっていたそうだ。
だから即断即決でパパを説得という名の脅迫で了承させたとか。
とりあえず話を進めるとして母が三人、姉が一人いる理由について。
簡単に言えば私がママや姉達にしか懐かなかったそうだ。
加賀さん、赤城さんを始めとする方々が抱こうとすると
ジェット機のエンジン音もかくやと言うレベルで泣き叫んだとはママに聞いた。
そして、ママに龍驤さんや瑞鳳さん、瑞鶴さんに抱かれた時は直ぐに寝付いたりしていたそうである。
「勝ったな。」
龍驤さんが勝ち誇ったような顔していたとかなんとか?
「まぁ、あれやね、うちらに溢れ出る母性っちゅう奴の勝利?」
「玉子焼き好きかな?この娘。」
「まっ、加賀さんみたいに表情がないと赤ん坊は怖がるよねー。」
「瑞鶴?調子に乗っているようね。」
ゴゴゴゴ
「こら、加賀、怒るなやー、折角寝たのを起こしてまうやろ。」
「あっ、すみません。」シュン
女としてではなく母として勝ったとか?小難しい話は正直分かんないかなぁ。
とはいえ鎮守府の空母陣の方々皆が自分の娘として育ててくれていたのは間違いない。
物心つくころにはママ達以外に懐いていたそうだ。
「あぶぶぶぶぶー。」
「加賀があやしとる。」
「あんな顔出来るんですね。」
「赤城も初めてみるんか。」
「はい。」
そして、そんなこんなで私はすくすくと育ち…..。
「でかくなったなぁ。」
「でっしょぉー?身長も追い越したし~。」
ぎゅむぅ。
「うち、この柔らかさにずっと埋もれていたい。」
ぎゅむぅ。
「ここが桃源郷やったかぁ。」
艦娘は歳をとらない、正確には肉体が老化しない。
「私もぉー!」
瑞鳳さんをさらに沈める。
ほへぁ、と表現するような顔で堕ちる。
「あっ!私も!」
「自分は翔鶴のにでもうまっとき。」 シッシ
「そうよ、そうよ。」 シッシ
手であちらに行けという仕草をするママ達。
存外ママ二人は姉に厳しい。
「じゃ、ママ、行ってくるね!」
「いってらっしゃい!」
重巡としての初陣に岸壁から見送るママ。
出撃を見送るママは既に艤装がフル展開。
手にはボウガン、腰に艤装、きりりとした表情で立つ。
あれは、惚れるな。うん。
「いつかあのボウガンを貰えたらいいなぁ。」
私の心配をしていつでも出撃できる状態のママ。
まだ、心配される状態って事でも有るのかと思うと少し残念。
いつか私が軽空母に改装されたらあのボウガンを貰えないか聞いてみよう。
ママがいつも傍に居てくれる。なんとなくそんな気になれる気がした。
八軒目 俺が母親だ!
母には子供が沢山居た。
いや、正確には私以外は母とはなんの血のつながりはない。
私は母が艦娘をやめて随分後に授かった子供だそうだ。
艦娘というのは退役してただの人へと戻ってもどうしてか老化がほとんど起きないそうだ。
母が艦娘を辞めた理由は視力の低下。
もともと左目が悪かった母の残りの右目の視力低下は母の艦娘としての経歴を止めるには充分すぎる物だった。
「さぁて、第二の人生ってのも悪くねぇか。」
母はそういうと母に連れ添い海軍を退役した父と二人で児童福祉施設。
早い話、孤児院の運営を始めた。
そして、多くの恵まれない子供達を受け入れ社会へと送り出してきたそうだ。
深海棲艦達に親を目の前で殺され言葉をなくしてしまった兄弟。
食べていく為に体を売っていた姉妹。
海軍の資材を盗もうとして捕まり少年院へ送られるはずだった所を免れてきた子供。
「お?どうした?」
「.......。」
「あぁ、そうか、家が無くなって家族も失ったのか。」
コクン
「中学生か?どうだ?俺んとこに来ないか?ご飯だって食べれるし、学校だって行ける。」
「お前が望むなら高校だってなんとか行ける様にしてやるよ。」
「いいの?」
「あぁ!」
世間に見捨てられた。
絶望を抱えた。
希望なんて物をまったく信じようとしていなかった子供達。
母はそういった子供達を積極的に受け入れ、愛情を注ぎ世の中も捨てたもんじゃないって事を教えてきた。
でも、そのせいか、実の娘である私の事はいつも後回しだった。
そして、自分の事も後回しだった。
「なんでお母さんは私の事を分かってくれないの!!」
それは何度目になるか分からない母との衝突。
少しでも母の手伝いを出来ればと思い選択した福祉系学校への進路希望。
母は自分に引き掏られることは無いといい安定の望める職に就けるような進路をと言う。
「俺はお前の為を思ってだな!」
男勝りの母が本当に感情を顕にした時に出てくる男言葉。
「知らない、知らない!お母さんなんて死んじゃえばいいんだ!」
「お母さんは私なんか全然大事じゃないんだ!」
そして、次の日。
私は気まずい気持ちのまま学校へ向かった。
「あっ。」
昼食時に広げた弁当箱のごはんに大きく海苔で書かれた『 ごめんなさい 』の文字。
お母さんと仲直りしなきゃ。そして、きちんと話し合おう。私はそう決意したんだ。
でも、それはその日には叶わなかった。
私は教師から呼び出され母が倒れたことを知る。
「お母さんの病状ですが艦娘?だったんですか?体に相当な負担が来ていた筈ですが。」
「その所為ですかね?痛みに関する限度がだいぶ違うようで。」
「言われている意味がまったく分からないのですが。」
「心臓の血管の此処に瘤が出来ていますね。」
「サイズから言ってもかなり限界でして。」
医者からあっさりと告げられる母の病状。
手術を受けたとしても助かるかどうかという事の様だ。
艦娘だった時はどんなに重傷を負っても修復材で元通りだっただけに
父は現実と言うものを受け入れるまでに時間が掛かっていた。
「私、まだお母さんにごめんなさいって言っていない。」
色々な検査機器の配線やチューブが繋げられた母を私は見る。
そして、医者から告げられる厳しい現実。
治療に使う方法は現状、保険適用外になってしまう治療方法になると。
つまり恐ろしい治療金額が掛かる。
「なんとかします。私の持てる全てを売り払ってでも。ですので妻をお願いします。」
頭を下げる父。
「明日手術を行います。」
払うといったからか手術については直ぐに決まった。
そして手術室から出てきた母は入っていった時と同じように静かに眠っていた。
「手術は無事に成功しました。」
母の病状を説明してくれた人とは別の中年の貫禄のある人が手術服のままそう告げる。
「ねぇ、お母さん。私、まだ謝ってない。」
目を閉じたまま意識が戻らない母。
しかし、病院の経営というのも慈善事業ではない為、手術やその他に掛かった
これから掛かる費用について父が話し合うために別室へと行く。
「進学やめて働くかなぁ。」
巨額の治療費が掛かりそうなことくらい私にも分かる。
そして、父が驚いた顔をして帰ってきた。
その手には一枚の紙。
あまりにも高額な金額に腰でも抜かしたのかと思い絶望的な感情を抱きつつその紙を私もみた。
『 手術に掛かった費用 \ 0
治療に使用した薬品代 \ 0
個室等入院に関する費用 \ 0
総合計 \ 0
支払いは20年前にあなたのお母さんからいただいています。
当時中学生だった私は家と家族を同時に失いました。
そんな絶望の淵に立っていた私を貴方のお母さんは暖かく迎え入れてくれました。
高校を卒業後は幸いにして貴方のお母さんの協力もあり
国からの支援も受け大学へ進むことが出来ました。
今、20年にも渡る感謝の気持ちをやっとお返しする事が出来ました。
あなたのお母さんが目を覚まされたらお伝え下さい。
20年前はありがとうございましたと。 』
「うぅぅん。あぁ、よく寝た。」
どぼけた台詞とともに母が目を覚ます。
「あれ?ここは?」
「うぉ、俺なんでこんな格好なんだ!?」
意識を失ってからの記憶がまったく無く混乱する母。
ぎゅっ。
「お母さん。ごめんなさい。そして、ありがとう。」
「んあぁ?あぁ。そう、そうか。」
抱きつき泣き喚く私をあやしながら母は満足そうに、何かに納得したかのように。
「よく分からねぇけど心配かけちまったみてぇだな。ごめんな。」
笑顔で、語りかける。
「私、お母さんになる!」
「おっおう?」
「お母さんみたいに色んな人を助ける!」
私の考え、気持ちをやっと口に出来た。
一呼吸おいて。
「そっか、好きにしな。」
言外に応援するよという母のぶっきらぼうな物言い。
いつか、母の様に、世の中を少しでも良くする為に。
母がそうしてきたように。私もまた、頑張る。
以上で終了です
お読みいただきありがとうございました
第8話はアメリカの医師、ハワード・ケリー氏の実話をベースにさせていただいております
ちょっと泣けるいい話
では、また次回もお読みいただけると幸いです
すっとんだ資源を回復させないと・・・・
オッツオッツ
おつおつ
母性とは胸は関係ない、決して
最後のはどっちなんだ、五姉妹の末っ子か、二人きりの姉妹の姉か
後者だな
左目に眼帯なのが天龍
右目に眼帯なのが木曾
乙です。
大鳳の娘は鈴谷だな
鈴谷ですね
熊野だと埋もれるほ
だいぶ期間があいてしまい申し訳ないです
生きてました
本日の更新で最後とさせていただきます
お時間よろしければお付き合いください
九軒目 My mother is Aircraft carrier
Oh, say can you see,
ママは故国の英雄となり凱旋した。
by the dawn's early light
海軍海兵隊の軍楽隊に国歌でもって出迎えられ。
What so proudly we hailed
ママを一目見ようとする群衆で港は溢れ返り。
口々に母を賞賛する言葉が紡がれる。
at the twilight's last gleaming?
ママは異国の地で私を産んだ。
Whose broad stripes and bright stars,
アメリカという国の威信を背負い、つねに全力で戦い続けた。
through the perilous fight.
夜空に輝ける星の如く劣勢に陥った味方への希望として
O'er the ramparts we watched
つねに先陣を切り、自身の操る艦載機を巧みに繰り敵を逆に追い込む。
were so gallantly streaming?
ママはアメリカという国家の存在、力としての存在を。
And the rockets' red glare,
そして、希望をもたらす為、戦い続けた。
the bombs bursting in air,
その名前の由来、かつてアメリカが独立を勝ち取る為に戦った古戦場での戦いのように。
Gave proof through the night that
あまねく海での航行の自由を勝ち取る為に。
our flag was still there,
幾度も傷がいえぬ状態で出撃を繰り返し。
Oh, say does that star-spangled
身に着けた制服に付いた自身の血を目立たなくする為に黒く染め上げ。
banner yet wave.
私はママが家族の皆とその使命の為に全てを犠牲にしてきた事を知っている。
O'er the land of the free
だから、この国歌は国の為ではなくママの為に歌う。
and the home of the brave!
私を愛してくれたママの為に。
私が歌い終わるとそれを待っていた大統領が演説を始める。
「我々アメリカはその建国の歴史以来、実に多くの困難に立ち向かい自由を勝ち取って来ました。
我々と言う言葉は私達が今回、自由を勝ち取った戦い以前においては
民族や、宗教といったものによりそれぞれが定義されてきました。
しかし、我々は今回共通の敵に対し、
それまでいがみ合ってきた全ての国家が手を結び協力し深海棲艦という敵に立ち向かいました。
その結果、我々という言葉は新しい『 人類 』と言う意味も持ちました。
我々人類は未知なる脅威から生存をする為に、
そして再び、自由を勝ち取る為に戦い勝利をおさめました。
そして、今日と言う日が我々の新たなる独立記念日となるでしょう!」
アメリカと言う国の独立記念日、
奇しくもその日に人類は長きにわたる深海棲艦との戦いに終結をもたらす決定的な勝利を納めた。
そして、同盟国の日本とともにその勝利をもたらした立役者であるママに国は勲章を贈ることを決めた。
軍人として最高位の名誉勲章を母の胸元に付ける大統領。
そして、感状を受け取るママ。
時が経てばママは国の英雄として、人類の英雄の一人して語られるだろう。
それは一つの英雄譚。
だけれど、その話に出てくる主人公は神に愛された勇者でもなく。
万の軍勢を従えた武将や軍師でもない。
休日にスーパーの安売りチラシを確認し毎日の食事の世話をし。
たまにパパのシャツのアイロンをミスって皺を増やしたり。
ごくごく普通のそんな主婦であるママが一生懸命頑張った物語りなのだ。
国歌を歌いそしてママの叙勲を脇で見ていた私にママが近づいてくる。
「お疲れ様。」
その一言、それだけで全てが分かり合えるママとの繋がり。
「ありがとう。」
そういってママはにかみながら笑った。
十軒目 最終話
明日は特別な日だ。
そして、私にとって忘れられない日。
また、お母さんにとっても忘れられない日。
戦争は終結し、国を守る為の最低限の艦娘を残し、国は多くの艦娘達の退役を進めた。
そして、戦艦であったお母さんはその退役の第一陣として応じた。
「お母さんは良かったの?」
艦娘として、連合艦隊旗艦を勤めた事の有ることを誇りとしていた母に問う。
「そうだな。妹にも同じ事を聞かれたが国を守るという役目は果たした。」
「後は後進に道を譲らねば。それに・・・、母としての役目もあるしな。」
そのたわわなたわわを後ろにそらし胸を張るお母さん。
お母さんの意思はとうの昔に決まっていたようだ。
「あらあら、私ちゃんには話してなかったの?」
「というか今更お母さんって。今まで空回りしていたことも有ったのに?」
と、不安を口にするお母さんの妹。
お母さんのやる気の空回り。遠い昔の、小学校時代の記憶。
うん、夏休みの工作で戦艦の精密モデル、それもバルサ材で作るのを手伝ってくれたっけ。
あれは女の子の作る夏休みの工作ではなかった気がする。
おかげさまであなたの娘はプロモデラーの趣味を獲得しました。
「あっあれは、私の軍艦時代の姿を知ってもらいたくてだな。」
「このビッグセブンの・・・・。」
と、いつもの口上を述べようとするお母さんをはいはいとあしらうお姉さん。
(叔母になるのだが、叔母と呼ぶには至極はばかれる感じがするのだ。)
「さっ、大事な明日に備えてさっさと鎮守府にもどりなさい。」
明日は大事な認識票返還式がある日。
昔の、自衛隊なんかでいう所の護衛艦の退役時に自衛隊旗を返還する。
それと同じ意味合いを持つ軍艦として艦娘としての認識票を退役の為、返還する。
その準備が鎮守府ではいまだされておりその最後のチェックがされている所だろう。
その主役たるお母さんが居ないというのは宜しくないという事くらいは私にも予測はついた。
「そうか。」
私と一緒にいたかったのか分かり易くしょぼんとするお母さん。
これから一緒にいる時間はいくらでも有るからと説得して送り出す。
「さっ、いったわね。やるわよ!」
えいえいおー、と掛け声を上げ女二人明日の、そう、お母さんの為の慰労会の準備をする。
「おはようございますでする。」
「ふふっ、おかしな日本語になってるわよ。」
そこにはばっちりとメイクを決めた、
(といっても、もとが良いので最低限で済むのが羨ましい)お姉さんが朝食の準備をしてくれていた。
「さっ、食べちゃいなさい。」
お母さんの妹だけあって料理も上手い。
そして二人仲良く並んで片付け、お母さんの最後の晴れ舞台に間に合った。
「お母さんをかっこよくお願いします。」
記録と腕章をつけるは重巡のあの人。
「もちろんです!」
手には良くわからないけど高そうなカメラを持つお姉さん。
まぁ、こう言っておけば間違いないだろう。
その式典の最中のお母さんは一言でいえば格好良く。
晴れやかな顔をして立ち、錦絵に描かれた武将の様に華やかで厳かで。
とにかく素敵だった。
「お帰りなさい!」
「お帰り。」
「ただいま!」
父は式典の片付けの為鎮守府で残業。仕方無いね!
「と、これは!?」
お母さんが扉をあけたそこには私とお姉さんで飾り付けをしたお疲れ様会の会場があった。
『 お母さん、長い間お疲れ様でした 』
そして、お母さんが共に戦ってきた仲間達。
「お招きに預かりありがとうございます。」
いつもより柔和な表情の、いや、サイドテールがぴこぴこ動いてるから最上級な嬉しさのようだ。
そんな様子の空母のお姉さんがお母さんに礼を述べ。
「それじゃぁ皆!グラスは持ったかしら!?」
お姉さんが声をあげ。
「今日という日を皆と迎えられた事を、そして、いつもいつもビッグセブンっていってる私の莫迦姉に!」
「乾杯!」
えっ、私莫迦扱いなの?という顔をするお母さん。
まぁ、ビッグセブン!といつも何かにつけていってればねぇ、そうなりますよ。
とにかくその乾杯の後は飲めや歌えやの大騒ぎ。
空母のお姉さん達や、戦艦のお姉さん達。
重巡や軽巡、お母さんと一緒に戦ってきた人達が一同に騒ぐ。
「秋月達!食べてる!?」
装甲空母のお姉さんが駆逐艦のお姉さんに無理やり食べさせ。
あっ、白目剥いたや。さっき赤城さんに無理やり大量に食べさせられていたもんなぁ。
そして、お父さんの知り合いや、私の友人達。皆がお母さんの退役を祝ってくれる。
昨晩の内に妖精さんの謎技術で家を改造していなかったらこうは上手くいかなかっただろう。
「ちょっと!いい男がいっぱいいるじゃない!」
お母さんの退役祝いという事で友人達、男友達も呼んでいたのだが・・・・。
重巡のお姉さんは、まったく・・・・。でも、まぁいいや。
とにかく煩く、賑やかで、不躾で、騒がしく、楽しく。
それでいて皆、満足げに。
えぐえぐと泣きながら妹のお姉さんに背中をさすられ、集まってくれた皆に謝辞を述べ。
お母さんの退役おめでとう会はお開きとなった。
明日からはお母さんは今までとすこし違う日常が始まるだろう。
でも、きっとそれは楽しいものになるに違いない。
私は明日からの騒々しくも楽しそうな日々を考えると自然と頬が緩まずにはいられなかった。
艦!
以上で終了です
お付き合いいただきありがとうございました、依頼を出しに行ってまいります
一ヶ月程かけて長々とお待ちいただいた方がいるかは分からないですが
御迷惑をおかけしました
以下、ボツネタを供養するのにちょこっと使用します
まとめサイトに載らないといいんだけど・・・・(まったく関連性がないので)
まとめサイトの管理人さんがお読みでしたらこれから下のおまけは省いていただけると幸い
自分の他作品を読んで下さったことのある方にはあの漫画のオマージュか!とお分かりいただける
そんなボツネタ、では、今しばらくお付き合いの程宜しくお願いいたします
『 鎮守府第88支部 』
トントントン
軽快なエンジン音を立てながら船が港に近づいてくる。
水兵「お疲れ様です。今回の積荷はこちらです。」
提督「あー、艦娘が1名ね。えーっと、希望ではなく懲罰か。」
提督「好き好んでこんな所に来る奴はよっぽどだわなぁ。」
提督のぼやきにははと苦笑する水兵。
彼は定期的にこの島へ物資と、『 兵器 』を補充に来る任務に当たっている。
提督「どうだい、珈琲でも?」
水兵「いえ、次の輸送任務がまだありますので。」
そういうと水兵は船を港の艀から離し、ゆっくりと出港していった。
提督「さてと、枷は外してやる。後は自分で歩けるだろ?」
提督「あぁ、そうそう、俺の命をねらうなよ?」
提督「狙ったところで三途の川の渡し賃にもならんからな。」
「僕は何もやっていない。」
提督「しているかもしれないし、していないかもしれない。
大事な事はお前さんの選択肢は既に懲役分の任期を此処で全うするか、
懲役分の任期を買えるだけの金を稼ぐかの二択しかないってことだ。」
提督「何かやりたい事が残ってるんなら生き抜くことだな。」
提督「よろこべ、敵の弾は戦艦、空母、重巡、軽巡、駆逐。全てを区別せずに等しく死を与えてくれる。」
提督「死にたければいつでも敵の弾に当たりに行っていいぞ。」
「僕は。」
提督「あぁ、後な、色仕掛けも効かんからな。俺はEDなんだよ。」
提督「まぁ、だからこんな辺鄙かつ女しかいねぇ職場の長なんぞやってんだがな。」
べらべらと喋りながら提督は島の奥へと歩いてゆく。
提督「さぁてようこそ艦娘。ここが今日からお前さんの塒で、刑務所の鎮守府だ。」
提督「なぁになれちまえばどこも住めば都だ。宜しく頼むぜ?美人ちゃんよぉ。」
ここは鎮守府第88支部
鎮守府の管理番号では敵の襲撃に遭いとっくの昔に消えたはすの。
欠番であるはずの番号が使用されている鎮守府。
身に覚えのない嫌疑をかけられ逮捕、拘留。
まるで用意されていたかのように逮捕後2日目には解体処分と言う名の死刑宣告。
もしくはここの島への左遷を命じられた。
命があるならという事で此処への左遷を選んだ。
絶対に僕を嵌めた奴を見つけてその理由を聞き出すまで僕は[ピーーー]ない。
いいや、死んでやるもんか。
鎮守府着任翌日
作戦会議室
提督「集まったかな。今回集まった者で参加意思がある奴は聞いてくれ。」
摩耶「いいからさっさと内容を説明しろよ。」
提督「今日のピクニックは簡単だぞ。
戦艦を旗艦とした敵空母機動部隊を引き付けて横須賀の精鋭様をお通しする任務だ。」
川内 ヒュゥ
川内「幾ら?」
提督「任務報酬は1000、後は戦果ボーナス、撃破ボーナス。MVPには休暇もくれてやる。」
川内「休暇より金。」
長門「で、弾代を持つのはそっちか?」
提督「あぁ、今回は艦隊司令部を通しての任務だから弾代はこっち持ちだ。」
提督「派手にあばれてこい。」
摩耶「で、そっちの駆逐は?」
提督「あぁ、昨日付けでうちに左遷された『 補給兵器 』さんだ。」
摩耶「たく、司令部の奴等は名前で呼ぶことすらしねぇのかよ。」
提督「いつものことだろ。とりあえず、俺は作戦の説明終わったから寝るわ。」
提督「後は勝手にやってくれ、作戦開始時刻は1時間後。その時に参加するやつは出撃ドッグに集合な。」
提督はそういうとのたくさと会議室を出て行った。
摩耶「よう、私は摩耶ってんだ。あんた、時雨だろ?何やらかした?」
長門「摩耶、やめとけ、問わず、語らずがここのルールだろ。」
摩耶「そうはいうけどよぉ。」
川内「で、時雨、あんたは参加するのかい?」
時雨「すまない、まだ勝手がよく分からないんだけど誰か説明してくれないかい?」
長門「あー、まだ此処のルールについて書かれた契約書を渡されてないのか。」
ガチャ
不知火「司令からこれを時雨さんにお渡しするように言われたので持ってきました。」
不知火「目を通して自分の都合にあった契約書にサインをお願いします。」
不知火「サインをして提出後は変更が効きませんので熟考を。」
歴戦の、剃刀の様な鋭いまなざしを持った艦娘が時雨に書類をつきだす。
長門「提督は?」
不知火「仮眠室です。時雨さん確認した上で提出をお願いします。」
摩耶「どっちにサインすんだい?」
書類を確認するより先に聞いてくる摩耶。
川内「私は二枚目をお勧めするよ。」
時雨「?」
長門「簡単に説明するとだな。1枚目は軍人としての籍を残した上での契約。
だから弾代、燃料代は全ての作戦において保障してくれる。
ただし、支払われる報酬は給料のみだ。そして、出撃拒否はその場で銃殺だ。」
長門「2枚目は軍籍の放棄。だが、軍人では無くなる代わりに出撃拒否も出来る。
まぁ、出撃拒否はペナルティで100万だがな。そして、報酬は戦果に比例。
艦種事で算出方式が違うから戦艦や空母の方が儲かるという訳でもない。
但し、デメリットもある。弾代と燃料代は基本自己負担だ。
その分幾らでも節約できるし稼ごうと思えば幾らでも稼げる。」
摩耶「後な、作戦の受任する時は単艦でも受けれるけど大体はチームで出撃するんだ。」
摩耶「チームで出撃したときは報酬は山分けになるけどチームでしか出撃出来ない任務もあるから
自分以外の仲間とは仲良くしといたがいいぜ?」
川内「チームで受任する作戦程割がいいからね。」
時雨「説明ありがとう。」
時雨「皆はその、どちらを?」
長門「そうだな、ここに居るやつはほどんどが2枚目だな。」
川内「ここに縛られる期間を金で縮めたいって奴やただ金を稼ぎたいっていうのが殆どだからね。」
摩耶「後、飯はどっちも出るかな。月間で最低限のボーダーをこなしていれば。」
時雨「こなさなかったら?」
時雨のこの質問に全員が全員、首から上が無くなるというジェスチャーをする。
摩耶「まぁ、そういうこった。」
不知火「皆さん説明ありがとうございます。不知火の手間が省けました。」
不知火「それから、これを。」
クレジットカードの様な物を手渡される。
不知火「この島内外での身分証兼電子マネーです。」
不知火「報酬を振り込む口座に直結しておりますので紛失されないようお願いいたします。」
不知火「後、これは司令からの御連絡ですが今までの武勲を考慮して1000万の入金済みであるとの事です。」
不知火「暫くは不自由しないかと思いますが無駄遣いはなさらぬよう。」
不知火「では、不知火はこれにて失礼いたします。」
そう言い不知火は出て行ったのだった。
川内「初めから1000万とはあんた相当な武勲艦だったんだねぇ。」
長門「雪風以来か?」
摩耶「だね。まっ、[ピーーー]ばみな一緒だから今日の金を稼ぎにいきますかね。」
川内「何、摩耶も出るの?」
摩耶「弾代、油も持ってくれるんなら丸儲けだろ?」
長門「その通りだな。ドッグへ急ぐか。雪風はどうする?」
長門が語りかけると今まで気配のなかった所から返事が返ってくる。
雪風「雪風は今回は遠慮しておきます。」
長門「時雨は?」
時雨「……、そうだね。雪風を見習うよ。」
摩耶「なんだい、最初から出撃拒否かい?」
時雨「僕は生き延びてやらなきゃいけない事があるんだ。」
川内「金持ちは違うねぇ。」
長門「そうか、出撃するしないは個人の自由だしな。さっ、皆、行くぞ。」
わあわあと騒がしく出撃する者達がドッグへと向かっていく。
雪風「宜しかったのですか?」
時雨「うん。雪風はここが長いんだよね。それならその感覚に従おうと思ってね。」
雪風「さぁて、どちらがよかったですかね。」
にぃと口角を上にあげ笑う。
時雨は後程、そう皆が出撃して行ったほんの少し後に雪風の意図を思い知ることになったのだった。
此処は日本番外地
場所はインド洋の何処か。
深海棲艦対策として日本に租借された孤島。
バシュヌもクリシュナ、ガルーダに閻魔、なんならサタンだって付けてもいい。
ありとあらゆる神、悪魔から見放された運が極限にない奴がたどり着く所。
島の領有権こそ日本だが深海棲艦が跋扈する今の時代、好き好んでこんな外れの。
それも、あの世の入り口に来るような奴はいない。
鎮守府第88番、地獄の一丁目だ。
A-10を欲しがる蒼龍とか金さえ積めばクレムリンを引っ張ってくる明石とか
シュタインベルガーが好きなグラーフとか居ませんww
先日コネタスレに投下した秋月のお話なんかもきちんとやりたいですね
では、ここまでお読みいただきありがとうございました
また、どちらかで
乙
この没ネタの続きが見たいな
乙
ボツネタじゃなくて次回予告だよねこれ?
おつつ
良かったっす……
特に吹雪のが可愛くて良かった
ボツネタも良かった
続き期待しちゃいます
久し振りに元ネタの方読みたくなってきた
没ネタがあまりにもストレートすぎてワロタ。
乙です。
大統領の演説インデペンデンス・デイっぽかったな
待って没ネタ凄く読みたい
次回予告じゃなくて没ネタってのが信じられないんですが
没ネタの元ネタを知りたい
そして没ネタの続きはよ
>>111
そうか、知らない世代の方が多いんだろうな。
新谷かおる 『エリア88』 ってマンガだ
文庫版ですら、古本屋で探した方が確実
>>112
おぉ名前は聞いたことありますね
ついでにそのレコード壁に飾ってた…
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