ore うんち!w (52)
俺「俺はしがない農民さ~毎日田んぼとにらめっこ。
虫をつまんで投げてたまに食べて、へっこんだ腹の足しにするさ~」
母「たまに様子を見に行ったら、これだ。呆れた」
俺「聞いてた?」
母「村長様が俺に話があるそうよ、田はいいから上がってきなさい」
俺「俺に。また、よその田畑を耕すの手伝えって言うのか」
母「若い男は俺しかいないんだから、仕方ないじゃない」
俺「それを言われると、いかんともしがたいのよな」
俺(俺以外の若い男は、都会に出稼ぎに行った。なんで俺は行かなかったって?それは海よりも深いわけがあるのだが、ここでは飛ばさせてもらう)
俺は、水田から足を引き抜いて、家へと石ころを蹴とばしながら向かった。
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家へ入った俺は洗面所で泥を洗い流してから、清潔なタオルで躰を拭く。
村長は、この村において絶対的な主権を持ち、粗相するわけにはいかなかった。
それに、あの子も一緒かもしれない。
数度しか袖を通してない服を引っ張り出して、何度か深呼吸をしてから、居間への障子を開いた。
居間で、腰の曲がった老人と、うちの母と楽しそうに会話する幼馴染の姿があった。
俺「どうも、遅れました」ペコリ
幼馴染「こんにちは。俺さん、お元気そうでなによりです」
俺「こんにちは、幼馴染様、お久しぶりです」ジトッ
俺(あ~かわいい。なんでこんなに清楚で礼儀正しいんだろ)
幼馴染「…あの、顔になにかついてますか///?」
俺「いや、全然っ」
母「ごめんなさいねえ。この子と来たら、幼馴染様が来るといつもこうなのよ」
幼馴染「…」ニコニコ
俺「ち、違う(嫌われたくないっ!)」
村長「ごほんごほん、そろそろいいかの?」
幼馴染「あ、はい、失礼しました」
俺(助かった)
村長「さて、これからする話は、決して他言せぬように。とても繊細な事柄じゃ」
母「かしこまりました」
俺「はい」
俺(どうやら、田畑仕事のことじゃないみたいだな)
村長「実は、この度ウチの娘ととある貴族様との縁談が持ち上がったのじゃ」
それを聞いた俺は驚愕のあまり、言葉がでなかった。ハンマーで殴られたような衝撃がこめかみを突き抜ける。縁談?縁談ってなんだよ。
もし縁談が決まってしまったら、ずっと背中を追いかけてきた幼馴染は、どこへ行ってしまうんだ。
虚ろな問いを抱いたのは、当然俺だけで、母はすぐに手を叩いて喜んだ。
母「これはこれは、おめでとうございます。流石、村いちばんの器量よしと謳われた、幼馴染様です」
村長「ふむ。これで、この村もようやくお上にお目にかけてもらえるかもしれぬ。
だが、一つ問題があってな」
母「問題とは」
村長「相手側の貴族様のことをほとんど分からぬということじゃ。確かに相手は、それなりに名のある貴族様のようだが、こちらの知っていることといえば辞書に載っているような情報だけじゃ。実際、どのような相手かは、顔すらも分からぬ。むしろ、隠しているような印象も受けたが、高貴な相手にまさか失礼もできぬ。じゃから、こっそり様子を伺いにいってほしいのじゃ。無論、このような依頼を誰にでもするわけではない、
お主は母のために村に残り、そして助けてきた。儂はお主を誠実な青年だと、見込んでおるからして、こうして参った次第。やってくれるな?」
俺「――――村長様」
俺は、乾燥してしまった唇をちろりと舐める。
俺「もちろんでございます」
俺(反射的に言ってしまった。どう考えても、自分が惨めになるのに)
どこかで息を呑む音がした。
その方向へ視線を向けると、幼馴染様が目を伏せていて、すこしだけ悲しそうな印象を受けた。俺は、彼女は縁談相手を疑うことを恥じているのだろうと、思った。だから、慰めようとした。
俺「幼馴染様、貴族様はきっと素晴らしいお方です。必ずや、明らかにしましょう」
幼馴染「…」ニコニコ
彼女は、静かに微笑んだ。俺は彼女に気を遣わせることしか、できない。
それは、今の俺と彼女の関係を如実に表していた。
寝るのだ。起きたらかく
村長「ありがとう。やはり、儂の予想は間違っていなかっただろう、娘よ。彼は、しっかりと請け負ってくれた」
幼馴染「はい。ありがとうございます」ペコリ
村長「少ないが、これはお礼だ。受け取ってくれ」
母「こんなに、頂けません。いつもお世話になっていることの、せめてのもの恩返しでございます」
村長「いいんじゃよ。貴族の住む、トーキョーまでの道のりは長いし、急に息子がいなくなれば貴方も大変だろうて」
母「…誠に暖かいお言葉、感謝いたします」
村長達が去ったあと
俺「」ポケー
母「ばっかねぇ。断ればよかったのに」
俺「断れないだろう、JK」
母「そうかしら。幼馴染様はアンタに頼むことを相当に反対したらしいわよ」
俺「な、なんで」
母「迷惑を掛けられないとか言っていたけど、実際のところはどうなのかしら」
俺「…頼りなくて任せられないとか?」
母「いつにもまして卑屈ね」
俺「それより、母ちゃんは俺がいなくて大丈夫なのか。まだ、田植えは半分しかできてないぞ」
母「今度は私たちが、他家の力を借りるから大丈夫よ。きっと協力してくれるわ、アンタのおかげでね」
俺「…俺はそんな大層なことしてない」
母「そうね。でも、そうしたことの積み重ねが大きなことを動かしたりするものよ」
俺「…田んぼに戻るよ。母ちゃん」
母「頑張って」
期待
期待
メール欄は基本sagaでいいぞ
俺表記キモいから男にしてくれ
田んぼ
俺は、苗を泥の中につっこむ作業を繰り返しながら、縁談相手を想像していた。
貴族様というのだから、煌びやかな衣装を着た優男なのだろうか。
それとも、太鼓腹を抱えた樽男か。
幼馴染様が、そのような輩に抱かれる姿を想像するだけで、頭に血が上った。
俺「果たして幼馴染様は、それでよいのだろうか」
もし、こう尋ねたら彼女は、きっと肯定も否定もしないだろう。
いつものように、黙ってほほえむだけだ。
俺は額にじんわりと浮かんだ汗もそのままに、空を見上げる。
中天にかかった太陽が、水田を干上がらせようと、どんどん熱気をおくりこんでいた。
首にかけたタオルで顔を拭いた俺は、ふと自分の姿をかえりみた。
古ぼけた麦わら帽子をかぶってはいるものの、黒炭のように灼けた顔はいかにも品がない。
手足はそれなりに太いものの、武術を習っているわけではないので、ただの丸太同然。
さらには腰を悪くした母と同棲していて、蓄えはほとんどない。
俺「これでは、貴族様にとられる以前の問題だ。幼馴染様は、どんなふうに俺を見ていたのだろう」
いまさら気づいた俺は、その場で立ちつくしてしまった。
床屋 『千羽鶴』
女「いらっしゃいませ。って珍しいわね、俺さんがここに来るなんて」
俺「そういう気分のときもあるんだ」キョロキョロ
女「ふふふっ、嬉しいわ。そこに座ってちょうだい」
俺(なんだ空いている席に座ればよかったのか。数年ぶりだから忘れてしまった)
女「さて、どのようにしましょうか」チャキ
俺「…都会風とか、できるか」
女「都会風ね―。俺さんも、都会に興味がわいたのかしら」
俺「そんなところ」
女「分かりました。今回は、イケてる男前に仕上げましょう」
具体的な部分をぼかしながら、注文をつけると、彼女はテキパキと準備を進めた。
霧吹きを頭にかけて、それからリズミカルに鋏が鳴く。
母と比べると、手際の良さが目立った。
俺は暇つぶしも兼ねて、鏡越しに女へ話しかけた。
俺「大したものだ。女さんが寺子屋時代、手先が器用で折り紙名人として名を馳せたことを思いだしたよ」
女「どういたしまして。そのせいか、俺さんと兄によくいじめられたものだわ」
俺「そういえば、女さんの鞄の中に蛙をしこんだこともあったな」
女「ああもうっ、思い出しちゃった。あの時は、本当に驚いたし…怖かった」
俺「一週間経っても機嫌が直らないものだから、君のお兄さんと何里も歩いて、折り紙の本を買いに行ったよ」
女「アレは、もう燃やしてしまったわ。怒りに任せてね」クスクス
俺(ひでえ)
・・・
女「ハイ、できあがり」
俺「おおお、なんというか、すごいな。自分じゃないみたいだ」
女「元が、いがぐり頭だからね、整えてやればこんなものよ」
俺「これが都会風か、なんだか変なにおいがする」クンクン
女「それは香水って言うのよ。ちなみに、この村を出ていく男どもは、皆そう言うわ」クスクス
俺「なるほどなぁ。皆、外へ出る前はここを利用していたのか」
女「そう。だから、じつは、すこし心配なのよ」
俺「?」
そのとき、女は背中を見せて、道具箱に手をかけた。
女「俺さんも、兄と同じようにどこかへ行ってしまうんじゃないか―って」
俺「…」
女「でも、それって馬鹿な話しよね。だって、家族を置いていくようなことを俺さんだけはしなかった。なのに今更でしょう?」
俺「たまたまかもしれない」
女「謙遜しないで。私、これでも俺さんのこと、高く買っているんだから」
彼女もまた、俺の知らない微笑を浮かべた。
今夜はおわりです
今まで俺表記だったのでこのままでいこうと思いましたが
気になる方が多いようでしたら変えます
唐突に、彼女にだけはこの村をでる事情を知らせておきたくなった。
それは、自分の評価を下げたくないのもあるけれどなにより彼女が孤独になってしまう、そんな予感がしたのだ。
しかし、村長様との約束を違えるわけにはいかない。だから、せめてもの良心が、こう言わせた。
俺「なぁ、もし俺が都会に出かけるようなことがあっても、すぐに戻ってくるよ。
お前が驚く様なお土産だって、持ってくるさ」
女は一瞬きょとんとしたが、それからケタケタ不気味に笑い出した。
女「なにそれ、馬鹿みたい」
俺「馬鹿じゃない、本気だ」
女「本気で言ってるなら、俺さんを軽蔑する」
俺「なんでだよ」
女「私の兄もそんなこと言って出ていった。これで五年と三か月、帰ってないよ」
店前に飾られている、千羽鶴は空しく揺れている。
まぁ一人称よりスレタイ直せよってなるけどな
内容は良いのにスレタイ見るたび草生える
それから、空元気で会話を続けた俺と女さんはいかにも滑稽だった。
代金を支払うやいなや、外へ飛び出ると
統率のとれた蛙の輪唱が俺を出迎えた。
聞き慣れたそれを聞いて、罪悪感が安らぐのを感じる。
だけど、胸にのしかかった重圧はそのままだ。
今日一日で村の皆が、どういう風に自分を見ているのかが、はっきりした。
それに則って期待されているのも痛いほど分かった。
だから各々の思惑を同時に叶える方法があればいいのにと、切実に思う。
そして、できることなら俺の邪な願いも。
さて便利なことに思案中にも、人の身体は動いてくれる。
自宅前の通りに入っていた俺は、その自宅から幼馴染み様が出てくるのが見えた。
彼女は俺に気づくとその場で一礼して、そそくさとその場を立ち去った。
その間、俺は横の田んぼに飛び込まんばかりの羞恥で顔を真っ赤に染め上げていた。
この村で、都会風な自分の髪型は奇異であるのだ。
黙って立ち去った彼女はこの頭を、どのように思ったのだろう。
自然と子犬が鳴くような嗚咽が、出てきた。
スレタイでよくある荒らしの糞スレだと思って開いたら糞スレは糞スレだが違う意味で糞スレだった
何をいってるかわからないと思うが俺にもわからない本当にわからないんだ
自宅
母「あんた、その頭どうしたの」
俺「都会の髪型、らしい」
母「そう、良かったじゃない。そんなに落ち込むことはないでしょう」
俺「俺だって、気に入ってた」
母「それで?」
俺「幼馴染み様に見られた」
母「あ、それは不味いかも」
俺「殺せよぉ!
ちょっとイメチェンして気を引こうとした数時間前の馬鹿を殺してくれ!」
母「最後まで、話を聞きなさい、このおばか。
幼馴染み様から、あんた宛てに手紙を預かってるのよ。だから、本人に直接会ったのは気まずかったのかと思ったの」
俺「て、手紙!?どれだそれ」
母「ほら、読んでみなさいな」
母の懐から出でた、一枚の手紙を引ったくる。
たしかに、宛名に達筆な字で俺様へと書いてある。
天井に透かしてみるが、内容は読みとれない。
神妙な気持ちで、封を解くと甘い桜の香りが鼻孔に広がった。もっと嗅ごうと鼻の穴も数倍に広がる。
母「どう?」
俺「いひひひぃ…」
母(気持ち悪い子ねぇ。こういうところ、お父さん譲りだわ)
10回ほど読み直して、俺は内容を理解した。
至上の幸福が、身体に行き渡るのを感じる。
気味悪げにみていた母が身を乗り出して尋ねる。
母「で、どうなの」
俺「あのね、幼馴染み様が、今度、俺と、二人きりで会いましょう。だって」
母「え、嘘」
俺「ヤッタァァァ!!ウォ!ウォ!ヒヤァアァァァ!!!」
あしたのようちえんはやいからねるわ
草
次の日の朝
村長様の奉公人がやってきた。そばかすが残る幼さを感じるが目鼻のしっかりした子で、ポニーテールの高さから気の強い印象を受ける。
その彼女が言うには、手紙の返事をもらいに来たのだという。
幼馴染様のお誘いを了承したことを告げると、彼女は玄関の戸口を閉めながら小さくため息をついた。
「お嬢様にも困ったものです。今更、貴方様が村長様に逆らえるわけもないのに」
俺「なんのこと?」
「直接、お聞きになってください。私の口からは話せません」ピシャ
俺は、なんだか自分が思っているのと違うことを、幼馴染様が企んでいるのだと悟った。
昨夜の俺は、楽観的すぎた。
その夕刻、幼馴染み様との待ち合わせの場所へ向かった。
寺子屋の裏側は、小高い丘へとつながる階段になっている。幼馴染様は階段下で立っていた。
いつもは着物姿なのに、今日はどういうわけか袴を着ていて、懐かしい感じがした。
俺「待たせてしまいましたか」
幼馴染様「いいえ。母校を眺めていましたら、時を忘れてしまいました」
幼馴染様は、寂しげに微笑んだ。彼女は、昔からこのような女性だった。
かつて、この寺子屋に通っていたときも、彼女だけは別格だった。
容姿や勉強の出来は言うにおよばず、その大人びた性格は先生すらも驚かせた。
だけど、それなら、俺は好きにならなかった。
むしろ、入学したときのように嫌っていただろう。
俺「幼馴染様は、百年に一人の神童と呼ばれていましたね」
幼馴染様「大人はそのように持ち上げていたけれど、私はクラスで一番走るのが遅かったのです。それは、俺さんもご存じでしょう」
彼女は、不満げに口を尖らせた。
俺(当然、覚えている。幼馴染様は、寺子屋の休み時間に始まる鬼ごっこが大の苦手だった。
鬼ごっこが始まるとすぐ彼女は鬼になり、倒れるまで走っていた)
俺「田畑の仕事を手伝っておりましたから、皆、身体だけは丈夫でした」
幼馴染様「まるで、つい最近のことのようです」
幼馴染様は、寺子屋を眩しそうに眇めてみた。
現在、寺子屋の門扉は開かれていない。それでも彼女の目にはなにかが映っているに違いない。
俺「さて、二人きりでお話ししたいと手紙にはありましたが…どういたしましょう」
幼馴染様「はい。それなのですが、郷愁に駆られたついでにちょっとした賭け事をしませんか」
俺「賭け事ですか」
幼馴染様「この丘の頂上に生えている一本松に着いたとき、都会が見えるかどうかです」
俺「ええ、いいでしょう。いったい何を賭けるのですか?」
幼馴染様「それは何某のこの村への、未練です」
夕陽でできた影で隠れて、彼女の表情は見えない。
ようちえんをやめさせられそうになったわくそが
最近の幼稚園児はこんなレベルの高いSSが書けるのか(白目)
俺「だけど、それは、こんなことで捨てるべきじゃないでしょう」
幼馴染様「俺さん、正しいことだけでは、世の中は回りません。
清濁を一切呑みこんで、物事を半か丁で決めるときがあるのです」
幼馴染様はそのとき、初めて俺と目があった。
彼女の深い憂いを帯びた瞳が、痛みを訴えかけてくる。
幼馴染様「俺さんが、幼い頃に私にそう言ったのです」
俺は思い出せない。
俺は、頭の出来がそんなによくない。
昔のことは、ぼんやりと覚えていても、なにを言ったまでかは忘れてしまっている。
だけど、幼馴染様が言うのなら、本当に言ってしまったのだ。
考えることを放棄させる、阿片のような許しの言葉を。
幼馴染様「今も昔も、私は、都会が嫌いです。村に住んでいる人たちを奪っていく悪魔のような場所。都会から帰ってきた人は、みんな村を馬鹿にします」
記憶の隅が、つつかれている。何かが、眼を醒まそうとしていた。
頬を紅潮させた彼女が、俺の袖をつかむ。
幼馴染様「でもそれ以上に、村が好きなのです。だから、こんなにも苦しい…!」
思い出した。
寺子屋時代、彼女は、まったく同じことをあの丘の上で言った。
とある夏休みの入り口、最後の授業が終わった後、上級生、下級生全員が集まって遠足することになった。
寺子屋の後ろの丘に登って、みんなで弁当を食べる。
そんな日におきた、些細な不幸。
とある上級生がふと都会を眺めて、憧れていると告白した。
隣に座っていた友人が同調し、都会にある素晴らしい道具について噂する。
その周りで誰かが、驚く。
その周りで誰かが、見てみたいという。
誰かが、都会へ出たいという。
誰かが、冗談めかして、こんな田舎に残るもの好きはいないだろう、と笑う。
幼馴染様が、青ざめた唇を噛む。
誰かが、農作業の辛さを愚痴る。
幼馴染様が、目を伏せる。
誰かが、寺子屋が近い将来廃止されることを噂する。
幼馴染様の呼吸がいっそう粗くなり、瞳に涙がたまる。
俺は、叫んだ。
「でも、俺はこの村が好きだぞ!川釣りとか山菜狩りとか、蛙の丸焼きとか!」
皆が仰天して俺を見てから、お前はいつも食い気ばかりだと笑った。
しばらくして、幼馴染様は恐る恐る俺に近づき、尋ねた。
「…俺君にとっても、ここはいやなことの方が多いのでしょう?」
俺「そりゃそうさ。でも、あんまり言われて腹が立った」
「それなら、この村も本当は好きじゃないのですね」
俺「幼馴染様、意外と馬鹿だな。好きだって言ってるだろ」
「…好きと嫌いは相反する感情ですよ」
俺「お前の言っていることは分からないけど、俺はいやなことだって好きな理由のうちに入るんだ」
「どういうことですか?」
俺「つまり、今この瞬間は嫌なことが終わったから、好きなんだ」
「…夏休みに入ったから、ですね」
俺「おう」
幼馴染様は憑き物が落ちたように、声を上げて笑った。
幼馴染様「私、この村が好きです。だから、苦しんでました」
幼馴染様「今は、もっとこの村が好きです」
すまんこれスレタイ回収する必要ある?
説明不足だったので補足
寺子屋が閉まったのはこの村が子供がより農作業に力を入れなければならないほど人手不足で貧乏になりつつあることの表現です
そこで貴族様に力添えをしてもらえればこの村は潤うのではないかと幼馴染様たちは考えています
実際の貴族様にそんな力があるかは知らn
だいぶいい話になりそうだけどスレタイでギャグendかbadendしかならなそう
そのときの幼馴染様から,彼女は成長した.
村長様のもとで教養を身に付け,よりお淑やかに,より冷静に物事を言うようになったと思う.
だけど,彼女の中で村への愛と都会に対する不信は反比例的に加速していったのだろう.
事実,今の村には,自分以外の若い男はいない.
手に職をつけるためか,あるいは農家に嫌気がさしたためか,様々な理由があって,皆出て行った.現実は,噂となって拡散し,また凝縮されて現実となる.
かつての村の寄り合いでその話題がでると,きまって村長様は苦虫を噛み潰したような声で呻いていた.
村長様「弱いものは,なにをしても生きのこらなければならん.ここの田畑は痩せてきていて,蓄えも目減りしている.村長としての,儂にはたれも責められぬ」
隣に座っている幼馴染様は,何も言わなかった.ただ,人一倍村を大切に思う彼女が,無念さを蓄積させていたのだとしたら,今の彼女も頷けた.
彼女は突然,村を救うかもしれない手段を与えられて,動揺しているのだと思う.
そうして俺は,飛び込んできた彼女を掌の中で捕まえてしまった.
彼女の心臓の鼓動も,未来も,今だけは俺のものだ.
ここで彼女を優しく愛撫してやれば,簡単に靡くかもしれない.
だけど,俺にも十数年,想い続けてきたプライドがあって,それは今更変えられないものだ.
俺「幼馴染み様」
幼馴染様「はい」
俺「ひとまず,離れて下さい,このような姿を誰かに見られるわけにはいきません」
気づけば,彼女の慎ましからぬ胸が腹部に当たっており,彼女の潤んだ唇が,胸板に触れんばかりだ.
幼馴染様「え…あっ,申し訳ありません」
彼女は俺の胸板を軽く押して,反作用によって何歩か後退してから,縋るようにそばの木に手をついた.
幼馴染様「あぁ,私としたことが,平常心を失っていました.どうか,お許しください」
俺(こちらも平常心を保つのに苦労した)
俺「気にしていません.それでは,賭け事のことですが,俺は降ります」
幼馴染様「なぜです?」
俺「村への未練は,持ってしかるべきだからです.ええ,幼馴染様はそれを大切に持っていなければいけません」
幼馴染様「くるしいだけなら,もう要りません」
俺「本件が終わった後のことをお考えになってください.婚約の如何によらずとも,村への,未練は形を変えて,幼馴染様を幸せにするでしょう.あの丘の上のときのように」
幼馴染様「…」
俺「幼馴染様,下賤の身ではございますが天地明神に誓って,お約束します.貴族様について一から十まで調べ上げ,幼馴染様にご報告させてもらいます.必ず,幼馴染様がこの村を好きでいられるような,決心ができるはずです」
幼馴染様は,それから長い間,俺を見つめていた.
珍妙な髪型をしているが凡庸な農民の中身を,その奥まで見透そうとするようだ.
正直,だめかもしれない.
そうして,幼馴染様が微笑むのではなく,笑って言った.
幼馴染様「心底から信頼しようと思ったのですが,その髪型が邪魔をしました」
半ば失望,半ば納得した.都会が嫌いだと言っている人に,この髪型は逆効果もいい所だろう.
幼馴染様「保険はしっかりとかけさせてもらいます.私,男性との巡りあわせは良くないものですから」
俺「なんなりと.…待ってください.幼馴染様,誰かと付き合ったことあるのですか?」
幼馴染様「いいえ.ただ,想い人ができても,どうも鈍感な方ばかりでした」
俺「男というものは,自分の色恋には疎いものですね」
俺(俺なら確実に気づいてるがな)
幼馴染様は,ようやくいつも通り微笑んだ.
俺は,どこか満たされるような気がした.
次回予告
いよいよ,旅の前日,俺にかけられた保険がはっきりする.それは村長様の奉公人と共に貴族様の調査をすることだった.
初の女性との旅にどぎまぎするのだが,彼女はどうも俺のことを嫌っているようで...?
さらに,貴族様のもとへたどり着いた俺たちを,思ってもみない人物が待っていた!
伯爵の陰謀とがうんちが織りなす痛快ファンタジー
とりあえずここで一旦きります
続くときは上記の展開でいく
めんどくさがって全部まとめるなや集金サイト
ようちえんにゅうがくからやりなおせとか言われたわ
草生える
旅の前日
俺「●●駅で電車に乗って、△△駅で降りる…」ブツブツ
母「いざ、都会に行くとなると覚えることが多くて大変ね。でも、おおよその計画は立てられたんでしょ?」
俺「それはそうなんだけど、乗降車する具体的な時間と泊まる宿が決まってないんだ。
それに家にあった日本地図が、あてにならないのは困っている」
手に持った地図を広げて、母に見せつけた。畳一畳ほどもある大きさのそれは年月と湿気によって黄ばみ、虫がところどころ食い荒らした跡が残っている。
図は読みづらいし、数十年前のものなので地形も変わってしまっている。
母「若い頃、父さんと新婚旅行したときは、それで行けたんだけどねえ」
俺「その頃って電車の運賃も高かったのじゃないか」
母「ええ、ざる蕎麦250杯分の値段だった。だから、運賃を浮かすために徒歩で20里(60km)は歩いたの。今はもうできそうもないわね」
俺「そんな新婚旅行は嫌だな」
母「やってみれば、案外平気なものよ。それに書生の父さんのほうが体力なかったから」
俺「へぇ。じゃあ、なら俺も大丈夫かな」
母「あの奉公人の子、都会からきたらしいし。きっと、ね」
・・・
俺は、つい先ほど訪れたポニテの少女を思い出した。
村長様からの命でやって来たらしい少女は暗い表情で、今回の旅に同行すると言った。
曰く、第一に調査の信用性を高めること、次点で俺が村を一時的に出ていく理由になるそうだ。
俺「前者はまだ分かるけれど、村を出ていく理由になるっていうのはどうしてだい?」
少女「今回、私が都会に里帰りすることになりました。しかし、年頃の女の一人旅は危ないと言うことで貴方様がついてきてくれることになった。簡単に言えば、村の皆さまへの口実ですよ」
俺(あとで尾をひきそうな理由だな。しかし代案がぱっと思いつくわけでもない)
少女「それで、了承していただけるでしょうか」
俺「えーと、そういうことなら、これから、よろしく」
少女「よろしくお願いいたします…」
俺(テンションが低い。おそらく、見知らぬ男と旅なんて嫌なのだろう。自分なら嫌だ)
・・・
母「釘を刺しておくけど、あの子に手をだすなよ」
俺「まさか。いくら男女二人旅だからって、間違いは起きないだろ」
母「あの子、見た感じ一筋縄ではいかない性格だから。あんたみたいな男はころっと騙されるわ」
俺「そんな言い方はよしてくれ。これから一緒に旅をするんだ」
母「…」
俺「それとも、なにか根拠があるの?」
母「あの子、昔都会で奉公してたらしいのよ。それが奉公先の家でなにか犯罪を行って、追い出されたそうよ。それを村長様が慈悲から引き取りになったんですって」
俺「それ、本人から聞いたの?」
母「まさか、噂よ。うわさ」
俺「なら信じないよ。母ちゃんも適当なこと言いふらすなよ」
母「ふーんだ。分かってます」
俺(これが村社会で、ひとつ嫌っているところだ。よそから来た他人の過去をほじくり返して広める)
俺は勝手な同情を少女に抱いた。せめて旅の道中は、芋なりに紳士らしく振舞おうと思う。
うおおおおおおおお!糞スレ糞スレ糞スレ
明朝 村の出口
俺「気持ちは嬉しい。けれど、玄関まででよかったのに」
母「私のことより、自分のことを心配なさい。特にその手提丸型をおとさないようにね」
手からぶら下がった手提丸型は、蜂に刺された如く膨れ上がっている。
この中には、矢立て(現代の鉛筆)、日時計、振り分け弁当等々が入っている。ひとたびこれを失えば、二度とここには戻ってこられないだろう。
俺「スリ、置き引きにも気を付ける」
母「そうね。赤ゲットを着ていると狙われやすいから…」
赤ゲットとは赤色の毛布のことで、田舎者は外套の代わりにマントとして羽織るのだ。洒落たものが田舎に流通していないことの現れである。
その点、道路をはさんで立つ少女は違った。
えび茶色の袴が女性の貞淑さを醸し出し、それに矢絣の細やかな色波が弾けるような利発さを纏わせている。
彼女の目の前に立つ、村長様、幼馴染様が声をかけるたび、筆でさっと描いたような薄桃色の唇は緊張と責任感で固く結ばれつつあった。
村長様「くれぐれも怪我をせぬようにな」
幼馴染様「少女さん、お気をつけて、いってらっしゃいませ」
少女「村長様、幼馴染様、しっかりと使命を果たしてまいります」
それから、互いに別れの言葉をひとしきり述べたところで、俺と少女は並んで出発した。会話するのに不便なくらいには、お互い距離をとっていた。
資料を調べては自身の無知に苦しむ
矢絣 ← いみはもちろん、そもそも読めない…読めなくない?
俺はあちこちがひび割れた道路の上を、進んでいく。
頭の中では、これからの予定がぎっしり詰まっている。
まずバス停に向かい、駅行きのバスに乗る。それから駅で切符を買い、乗り換えの時刻を確認する。それから―――
視界の端で、少女が強張った表情で口をもごもごと動かした。
俺「え、なんだって?」
俺は彼女に一歩ぶん歩み寄る。彼女はくいっと顎を上げて、今度ははっきりといった。
少女「あの、最初に私から、貴方様に伝えたいことがあります」
少女は軽く息を吐いて、冷静さを保ちながら告げる。
少女「基本的に、村長様は縁談の話を進める方向で動いています。ですから、そして私は村長様の御意思を尊重します。ですが、これは貴方様にとって、あま
り面白くないと思います、どうか恨まないでください」
俺「待ってくれ。なんで君は俺が縁談を面白くないと感じると思うんだ?」
少女は躊躇うそぶりをみせたが、圧されるようにして答えた
少女「それは、あの、先先日、幼馴染様と逢引されていたのを見てしまったので…」
俺は心臓を矢で打ち抜かれたように、絶句した。
アレを、誰かに見られていたのか。しかも、目撃者は村長様の奉公人。
視界を銀色の蚊が無数に飛び交い、意識を混濁させる。
少女「最初は、縁談から逃れるために幼馴染様が貴方様に頼んでいるとおもっていたのですが、途中で幼馴染様が抱き着いたのでようやく気づきました。
それで、すぐ離れたのです」
俺「は、はい」
少女「一度は忘れようとしました。ですが、その夜、幼馴染様と村長様に呼ばれて、貴方様と旅をするように言われました」
俺(なんという、あくむだ)
少女「このことはまだ、他の誰にも告げていませんし、つもりもありません」
少女「貴方様が協力してくだされば、墓までもってゆきます」
少女の頬は朱が差し、声はうわずっている。
「どういたしますか」
俺は、今すぐ決断を下す必要があった。
1 少女にひとまず従う
2 少女を殺す(END)
3 少女に真実を告白する
4 少女を襲う(性描写の後END)
お前らも読むの秋田だろうし安価直下な
1
飽きてないから
スレ汚したくないからひっそり見てただけでレスしなかったけど楽しみにしてるから
ちゃんと完結させ作れると嬉しい
俺「分かった。君に協力する」
少女「…ありがとうございます」
彼女は訝しげに俺をじっと見つめる。
少女「すこし、意外です」
俺「え?」
少女「幼馴染様の思ひ人なら、もっと気の強い方だと思いました」
俺「…」
少女「そういうところは、きらいではないです」
少女は、柔らかく微笑んだ。
それから少女は足取り軽く進み、時折重く沈んだ俺を急かした。
肩の荷が下りたのだろう、と俺は少女の背中を観察する。
現在、少女の勘違いを解く術はないのだろう。
仮に否定しても、勘違いを解くどころか、より深めてしまう可能性がある。
それに、表向き彼女に協力したように見せたとしても、幼馴染様にすべて伝えるだけの覚悟はしている。
少女「そういえば、俺さん」
俺「なんだい」
少女「都会に行ったことがありますか」
質問に、予定調和の答えを返す。
俺「一度もないよ。何度か、行ってみたいと思ったことはある」
少女「それはいいですね。着いたら、きっと驚くと思います。
昼は、馬車や人力車が唸りをあげて道路を駆け抜け、おっとりとした人を轢きかけますが気にしません。私たちは便がひっかけられ黒ずんだ木壁のすぐ横を、
慎重に進んでいくのです。洒落た山高帽をかぶった男性や、艶やかな着物を着た女性もいらっしゃいますが、みな一様に口をはんかちで覆っております」
俺「それはひどい」
少女「半分冗談です。ただ、皆が言うような天国ではないということです」
俺「君は、都会へ行ったことがあるんだな」
少女「ええ、用事で半月と少しばかり。すぐに村長様へ奉公しに行きました」
少女は、一瞬表情を凍らせたが、こともなげに答えた。
俺は気づかないふりをして、話を続ける。
俺「君、嫌なことだけじゃなく、良い所も教えてくれないか。
俺は今回の旅で、土産話をこしらえる必要があるのだ」
その相手は、床屋の女さんのことである。気まずくて、彼女とはあれから会っていない。
少女「そうですね、銀座の前の通りは夜もガス灯が明るく照らしていて、西洋の屋敷を際立たせて、それはもう美しいです。私も、あんなところへ住めたらと
思ってしまいました」
俺「はてガス灯とは?」
少女「ええと…西洋から伝わる不思議な火でございます。蝋燭とは違い、何か月も夜中をずっと照らし続けることができるようです」
俺「それは素晴らしい。ぜひ家に欲しいな」
特に我が家はトイレまでの道が長く険しいので、夜、母に起こされることには難儀していた。
俺「それは手に入れられるだろうか」
少女「さぁ。あれが売られていたところを見たことがありません」
俺「むむむ」
少女との会話が思ったよりも弾み、駅までの道のりは、短く感じられた。
自分ももうスレを汚さない
今からようちえんを卒業してくる
駅に着いてから、三等車の切符を買った。
少女も慣れたもので、一言二言で駅員と会話しただけで乗り換えを把握したのだから、たいしたものだと感心した。
念のため、時刻表を二人分調達してから、電車に乗り込んだ。
やれ、この俺の何人かかってもびくともしないような鉄の化け物が動くのだから、世界は不思議だ。
少女に『エレキ』で動くのだと説明を受けて、雷神様でも中に閉じ込めているのだろうかと疑ってしまう。
さて、電車に入ると、手ごろな四人用席を見つけ、二人並んで座った。
向かいには老夫婦が座っているが、いたって静かで気にならない。
もしかすると、腰の痛みに耐えているのしれない。
ここは三等車なので、硬い木製の座席で、腰掛の部分だけシートが敷いてある簡素なつくりだ。数時間も乗れば、腰を痛めること間違いなし。
俺は、腰をむずむずと動かしながら、窓の外をぼんやりと眺める。
定刻になると、がたんと揺れてから、ゆっくり電車が動き始めた。
流れゆく景色も、最初は面白いものだが数十分もすれば飽きてしまった。
それどころかなにやら、上下左右に揺さぶられるせいで、腹の奥が沸きかえってくるし、背中から冷や汗が出てきた。
そんな俺を見かねたのか、少女は本をめくる手をとめて、尋ねてきた。
少女「なにやら体調が優れないようですが…」
俺「すこし、気分が悪いんだ。こう、揺られていると『中身』がせり上がってくるようで」
少女「電車に酔ってしまったのでしょう。景色のより遠くをご覧ください、きっと幾分かましになります」
俺「うん…俺はどうもこの電車と相性が悪いらしい」
雷神様が近くにいるというだけで、緊張してしまうのだ。
すると、前の席に座る爺が、にかっと笑って言った。
爺「よう、若いの。酔い止め薬はいるかい?」
俺「やぁ、それは助かります。頂けますか」
爺は、小袋から米粒のほどの大きさの球を数粒取り出し、手渡してくれた。
それを飲み込むと、なにやら苦い味が舌の上を転がった。
我慢して飲み込むと、先ほどより吐き気が収まった気がする。
俺「ありがとうございます」
爺「へへ。儂も同じさ。何度乗ってもこの揺れは慣れねえ」
爺もいくつか薬を取り出し飲み干すと、いくつも欠けた歯をぐわっとむき出した。
爺「苦くなければいいんだが、こいつしか儂には効かないのさ」
彼は、悔しそうに小袋を懐にしまった。
俺「ええ、そうです。急に少女…さんが都会へ帰るというので付き添いで」
少女「無理してお願いしたんです」
婆「あらあら、それはたいへんですねえ」
爺「なんでえ、駆け落ちってやつだと思ったのによ」
俺「いや、それはありませんよ。大体俺には心にきめた相手が―――」
少女「…」ジッ
俺「…もしいたら、駆け落ちして、周りを不幸にすることはしません」
爺「女々しい考え方だな。日本男児ならもっと、自由に生きろよ」
婆「お父さんっ」
爺「あー、悪かったな。でも爺になるとああしておけばよかったって思うことはあるんだ」
爺はふてくされた様子で、そっぽを向いた。
婆「ごめんなさいねえ、気難しい人だから」
婆がとりなす一方で少女は、氷のごとく冷たい微笑みを顔に張り付けていた。
居づらくなった老夫婦がどこかへ席を変えてから、少女は、そっと耳打ちをする。
吐息は温かく、掌で口元を隠す仕草は艶めかしいのに、その牙からは毒液が滴っている。
少女「ねえ、俺さん」
俺「ん?」
少女「自由な人間なんて、どこにもいません。
私だって、満足に話せないような幼いときに学んだんです」
俺「…つまり」
少女「仲良く、旅をしましょう」
俺「分かっている」
少女は俺の知らない表情で、微笑んだ。
俺の行く末が気になる
幼稚園やめて書けなくなったのかな…
待ってるよ
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