千早「戦後72年」 (14)
千早「はぁ……」ピッ
春香「戻りました、お疲れ様です……どうしたの?千早ちゃん、ため息なんてついて。」
千早「あぁ春香、お疲れ様。そのね、今年って戦後から72年目じゃない?」
春香「そうだね、昨日が終戦日だったからこのところテレビはそればっかりだよねー。私としては平和が一番、仲良しが一番ですよ。」ウンウン
千早「そうね、私も同意見なんだけど……その、72っていう数字をあらゆるところで目にして……」
春香「……」
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千早「何故だか、胸がキュッと絞められてほんのり頭痛がするのよね。何でなのかし…」
春香「千早ちゃん……」
千早「な、なに。春香?」
春香「それは絞められるほどの胸がな…」
千早「ぶっ飛ばすわよ!!その辺もうちょっとフォロー入れて欲しくて春香に話したっていうのに!!」
春香「は、ははー……ごめんってば。そんなそっぽ向かないで、可愛いから。」
千早「……はぁ、まぁ詰まる所最近、72という数字を見すぎて少し神経質になってるだけよ、夏だし臨海公園とかでライブしてたらたまに水着になるしね。」
春香「港のフェスとかね。こないだ竜宮小町が北海道のI港のフェスに行ってた時の画像、インスタに上がってたけどあずささんの水着はすごかったよー。亜美が観客に水風船投げる企画があったのが幸いしたねぇ。」
千早「……ここまでの話の流れであずささん出してくるあたりが本当にやらしいわね。」
春香「いつもの言わないの?」
千早「言わないわ。」
春香「あはは、だからごめんってばぁ。うーん、そもそもその体の特徴も千早ちゃんのアイドル像、魅力として重要な要素でしょ?悲観してたらファンのみんなに申し訳が立たないよ。」
千早「だから、今年だけがちょっと特別なのよ。春香も11年後になればわかるわ。」
春香「さすがに28で人様の前で水着になるのは子供でもいなきゃ大分厳しいんだけど……歌って踊るのはもっと厳し…」
千早「765筆頭アイドルがそんなんじゃ、11年後は346にぼろ負けね。」
春香「う、うがぁ!いいでしょう!!この天海春香、10年経っても、20年経っても茶の間にビキニダンスを披露しちゃいますよ!!!」
千早「さすがにアラフォーはきついわ」
春香「」
千早「ご、ごめんなさい、春香。あぁそっぽ向かないで。可愛いから。」
春香「……というかそもそも私は83という数字に何も感じないから、そんな気持ちにはならないんじゃない?」
千早「ごめん春香、今すぐ上半身の顔以外そっぽ向いてちょうだい、何なら胸だけ捻ってもいいわ。手伝いましょうか?」
春香「全力でお断りするよ。それにしてもプロデューサーさん遅いね。今日は明日の地方での撮影があるから最終確認をしておきたかったんだけど……」
千早「それこそメールか最悪おしゃべりアプリで確認すればいいんじゃないかしら。どうせ、明日の集合場所と時間の確認くらいでしょ?直帰でよかったんじゃ…」
春香「本音は千早ちゃんに会いたかったのとプロデューサーさんにクッキー渡しに行きたかったの半々だよ。」
千早「……それは、その、ありがとうございました。」
春香「THE他人行儀!これを顔色をしっかり変えて行うのが千早ちゃんの可愛いところであります!!」
千早「そんな、軍人みたいな……ふふっ。何だか72がどうでもよくなって来たわ。このまま戦後何年って72以上になっても一生言い続けて行きたいわね。」
春香「そだねぇ、みんな仲良く、仲良くだよ…………でも実際戦争が始まったら私たちってどうなるのかな……?」
千早「え?」
春香「そのさ、テレビなんかでもずーっと今は戦争を知らない人が多くてーとか、日本は戦争に向かってるとか、近くの国だって世界中に緊張感があるだとか、実感はないけどみんながみんなそう言ってたら、いつのまにか本当に戦争になってるんじゃないかなって思うんだ。言葉の力って凄いじゃない?」
千早「……」
春香「その時に私たちは、プロデューサーさんは、765プロのみんなは……ううん、日本中のアイドルはどうなるんだろうって……」
千早「難しい疑問ね、答えはそう簡単には出ないわ。」
春香「え、だって悲惨な戦争なんだよ、私たちアイドルなんてきっと……」
千早「春香も日本史はやってるでしょ?例えば日清戦争や日露戦争のころは戦時下でも民衆は街で劇場や映画を楽しんでいたそうよ。」
春香「あー、そういえば聞いたことある。でもそれって戦地が日本から離れてたからじゃ……」
千早「それはそうよ、戦国時代から戦う者と戦わない者は分業して戦地は領土に被害をあまり出さないように心がけてたでしょ?そういった昔ながらの戦争が起きたならアイドルだって活動できるはずよ。多分軍歌みたいなの歌わされそうだけど。」
春香「なるほどね、次もまたあの太平洋戦争みたいに国民を挙げて戦う、なんてないかもしれないってことか。」
千早「いわゆる総力戦ね。これを嫌がったからこそ冷戦が起きたわけだし。次の戦争はどんな風になるのかを考えないとアイドルがその時どうなるかなんて考えることは出来ないわ。そして私たちにはそんなことを考えつく頭は?」
春香「はい、千早先生!ありません!私、天海春香は国のトップ同士のスマブラで決めてほしいとか考えてました!」
千早「はなまる回答ね、あとでうどんをおごるわ。というわけでこの話は終わりよ。」
春香「わーい、うどんだぁ!って、あれ煙に巻かれてない?これ。」
千早「巻いてるわ。ところで春香、今不安な気持ちはある?」
春香「……全然無いや、ありがとう千早ちゃん。」
千早「これで少しは恩を恩で返せたかしら?」
春香「千早ちゃんのなら仇でも嬉しいよー?えへっ」
千早「仇なんて欲しかったらいつでもあげられるもの、わざわざ返すほどのものでも無いわ、ふふっ。さぁて平和のために私たちにできることをやって行きましょ?」
春香「周りに仲良く、まず近場から!」
P「それからとにかく周りを周りだけでなく日本中を楽しませろ。」
春香「プロデューサーさん!お疲れ様です!」
千早「プロデューサー、お疲れ様です。春香がクッキー抱えて待ってますよ。」
P「おっ、それは嬉しいな。せっかくだし一休みするか。」
春香「はい、プロデューサーさん、どうぞ!ところでさっきのって要するにいつも通りってことじゃ無いですか?」
P「おぅ、ありがとう。うまそうだな、コーヒーでも淹れてくるか。そうだよ。」
春香「いつも通りにしてるだけで本当に戦争は起きな」
P「違うぞ、春香。いつも通りをずーっと続けていくことで平和を続けさせるのが大事なんだ。あれ、豆切れてる……仕方ない、インスタントでも淹れるか。」
春香「うーん?」
千早「ほら、春香が最初に言葉の力うんぬん言ってたでしょ。つまりみんなそんなことをつまらなくて考える必要が無い、日常に要らないものだって思わせられれば起きることなんてないのよ。だからプロデューサーは『平和を続ける』って言ってるのよ。」
P「そうだぞ、外人にアーミーって言って、Amamiの間違いじゃないの?って言われるのが春香の目標さ、ははは。」
春香「うわー、さすがに厳しいですよー、うちにはそもそも亜美がいますしー。でもわかりました。私はこれからもトップに向かって走り続けますね!」
千早「ふふっ、その目標じゃライバルだらけね。楽しくやっていきましょ。」
春香「うん、そうだね!ところでプロデューサーさん、明日のことなんですが……」
P「ここに七時半、早いけど頼みますよー。」
春香「わかりました。明日はよろしくお願いしますね。」
P「ん。よし、休憩終了、再来月予定の案件、形にしとくかな。クッキー美味かったわ、いつもありがとな。」
春香「はい、喜んでもらえて嬉しいです。それじゃ私たち帰りますね。」
千早「プロデューサー、先に失礼します。お疲れ様でした。」
P「おぅ、千早もレコお疲れ!春香もお疲れ、準備しとけよー。」
春香「プロデューサーさんこそお疲れ様です、この後も気をつけてください!それじゃ失礼します。」バタン
夜、○亀製麺前
千早「まさか駅前のはなまるうどんが潰れただなんて、○強いわね。」
春香「夏のキャンペーンも大々的にやってるね。あ、なんかキャンペーンやってるよ!見てみよ。」
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千早「よし、売られた喧嘩は買いましょう。血で血を洗う戦争開始よ」ゴゴゴゴゴ
春香「ち、千早ちゃあぁぁぁん!!!」
昼間に思いついたよく煎じられたネタをそれっぽくして投下、眠すぎ
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