絵里「だーれだ?」 (79)
~穂むら~
絵里「こんにちは」
雪穂「あっ、絵里さん。いらっしゃい」
絵里「穂乃果いる?約束してるんだけど」
雪穂「多分部屋にいると思いますよ。どうぞ」
絵里「ええ、じゃあ、おじゃまします」
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絵里「えっと、穂乃果の部屋は…ここよね?ふふっ、少し脅かしちゃおうかしら」
ガチャ
絵里「…」
そろ~り
絵里「だーれだ?」
穂乃果母「え?」
絵里「え?」
穂乃果「で、ちょうど絵里ちゃんと約束してたんだよ。もう、先に部屋に行ってるみたいだからさ」
亜里沙「そうだったんですね」
穂乃果「うん。だから雪穂が上がって来るまで私の部屋で待ってなよ」
ガチャ
絵里「あっ…穂乃果…亜里沙…」
穂乃果母「え?」
穂乃果「な、何してるの?」
亜里沙「お姉ちゃん?どうして雪穂のお母さんの目を隠してるの?」
絵里「いや…あの…」
穂乃果「と、とりあえず手をおろしたら?」
絵里「そ、そうね」
穂乃果母「あっ…穂乃果?洗濯物畳んで置いたから片付けるのよ?…それじゃごゆっくり…」
絵里「あっ…はい…」
穂乃果「あの…絵里ちゃんうちのお母さんと何してたの?」
絵里「いや…てっきり穂乃果だと思ってだーれだって…だって穂乃果の部屋だし」
穂乃果「え?穂乃果とお母さん間違えたの?」
絵里「そう言う事になるわね」
亜里沙「お姉ちゃん…穂乃果さんと雪穂のお母さんをどうやったら間違えるの?そんなに似てないよ?」
穂乃果「いや、亜里沙ちゃん。その言い方だと私とお母さん他人みたいだよ。まあ、確かにそんなに似てないけど…」
絵里「いや、後ろ姿とか似てたわよ?なにより穂乃果の部屋に穂乃果のお母さんが居ると思わないし」
穂乃果「だとしても…だとしてもさ、普通友達の部屋でだーれだってやる?普通待ち合わせとかしてる時にやるもんじゃないの?」
絵里「いや、まあ…そうなんだけど」
穂乃果「せめて後ろから軽く脅かすとかじゃない?やるなら」
絵里「でも、それはしなくて良かったわ」
穂乃果「いや、まあそうだけど」
絵里「…」
穂乃果「もうさ、正直さ…凄く恥ずかしいよ。なんか知らないけど穂乃果が凄く恥ずかしいだけど。誰に対して恥ずかしいのかも分からないけど穂乃果凄く恥ずかしいよ?」
絵里「いや、それは私の方が恥ずかしいわよ」
穂乃果「いや、結構穂乃果の立場も恥ずかしいよ?友達が自分のお母さんに間違えてだーれだってやってるの想像してみてよ?」
亜里沙「確かに…恥ずかしいかも…」
穂乃果「そうでしょ?なんなら亜里沙ちゃんも恥ずかしいよね?」
絵里「いや、亜里沙は恥ずかしくないわよね?」
亜里沙「お姉ちゃん。何だか私も恥ずかしくなって来たよ」
穂乃果「でしょ?よく分からない恥ずかしさがあるでしょ?」
絵里「ごめんなさい」
穂乃果「いや、別に責めてるわけじゃないんだけどさ。絵里ちゃんなんて妹にも目撃されてる訳だし」
絵里「確かに…そう言えばそうだわ」
亜里沙「この場に居る皆んな恥ずかしいですね」
穂乃果「せめてもの救いはお母さんが普通に対応してくれた事だよ。流石大人だね」
絵里「そうね」
ガチャ
雪穂「お姉ちゃん?お母さんに何かしたの?」
穂乃果「ああ…やっぱり恥ずかしい」
このぽんこつめ!
かわいいぞ
オレも恥ずかしくなってきたぞ
「山」
凛「ふう。やっと頂上に着いたにゃ」
希「ふふっ、お疲れさん」
凛「わ~凄い景色だにゃ…綺麗…」
海未「そうでしょう?」
凛「うん。頑張って登ったかいがあったにゃ」
海未「こないだの合宿の時は少々無茶をしてしまいましたが…登山もいいものでしょう?」
凛「うん。そうだね。凛、少し誤解してたよ」
海未「凛が山を嫌いにならなくて良かったです」
希「やっほーーーー」
凛「わっ、急に大きな声出してどうしたの?」
希「山頂って少し開放的な気分にならない?」
海未「わかります。それに、この壮大な景色を見ていると私の気にしている事などどんなにちっぽけなんだろうって…そんな風に思ってしまいます」
凛「確かにそうかもしれないにゃ」
希「実はウチーーーー、両親の前だとーーーーーー、物凄くーーーーーー、甘えますーーーーー」
凛「わっ、急にカミングアウトしたにゃ。よーし、凛も。凛はーーーー、実はーーーーーーー、小3までーーーーー、お漏らししていましたーーーーーーー」
希「え~本当に?」
凛「たまにだけどね」
海未「それでは、私も…実はわたしぃーーー、この間一人でアイドルになりきっている所をーーーーー、また花陽に目撃されてしまいましたーーーーーーー」
凛「…」
希「…」
海未「ふぅ、大声を出すと言うのはなかなか気持ち良いですね。あれ?どうしたのですか?」
凛「いや…そうなんだと思って」
希「しかも、またって…」
海未「あれ?二人とも私の時だけ反応が違くないですか?」
今さらなんだよなぁ・・・
希「いや、うん。まさかそんな事暴露するとは思わんもん」
海未「え?そんな事?」
凛「正直どんな顔すればいいか困るにゃ」
海未「私そんなに恥ずかしい事言いましたか?」
希「恥ずかしくないの?」
海未「恥ずかしいですけど。山の壮大さでカバー出来ませんか?」
凛「まあ…どうなんだろう?」
海未「と言うか二人の暴露と比べてもダメでしたか?」
希「う~ん」
海未「え?どうなんですか?凛?」
凛「正直…ちょっと、寒くないかにゃ~と…」
海未「え?何が違うんですか?二人と私とで何が違うのですか?」
希「海未ちゃんの場合はingやし…」
海未「それはあなたも同じでしょ?なぜ私の時だけ引くのですか?」
凛「う~ん。もっと、他の事にすれば良かったのに」
海未「他の?他の事なら引かなかったですか?」
希「別に今も引いてはいないけど…」
凛「試しにやってみれば?」
海未「私だけですか?」
凛「凛達も付き合おうか?凛はーーーーーー、こないだーーーーー、真姫ちゃんにお魚を食べさせられてーーーーーー、泣きそうになりましたーーーーーーー」
希「ウチはーーーーーー、実はーーーーーー、標準語で喋れまーーーーーーす」
海未「なるほど。わかりました。私はーーーーー、本当はーーーーーー、未だにポエムをーーーーーー、書いていますーーーーーー」
希「え?そうなん?」
凛「って言うか昔書いていたのも初めて知ったにゃ」
海未「ど、どうでしたか?」
希「いや…」
凛「…」
海未「やっぱり私の時だけ引いてるじゃないですか?どうしてですか?なぜ私の時だけ引くのですか?」
凛「引いてないよ。リアクションに困ってるだけにゃ」
海未「それを引いてると言うのでしょう?」
希「いや…うん…まあ、もういいやん」
海未「何がいいのですか?私はただただ恥ずかしい秘密を二つ暴露しただけじゃないですか」
凛「聞かなかったことにするよ」
海未「本当ですか?誰にも言いませんか?」
希「大丈夫やって。それに案外他のみんなにもバレてるかもよ?」
凛「実際、かよちんにはバレてるもんね」
海未「や、やめてください」
希「まあ、せっかく登山に来たんやし今の事は忘れよう?」
海未「そ、そうですね。そうですよね」
凛「うん。そうにゃ、そうにゃ。せっかくの登山を黒歴史で台無しにするなんてもったいないにゃ」
海未「はい。その通りです」
凛「じゃあ、海未ちゃん!気分転換に頂上まで登りきった気持ちで一句」
海未「あぁぁぁ、やっぱり忘れてくれないじゃないですかぁぁぁぁ」
希「一句だと5,7,5になってしまうけどな…」
不憫な海未ちゃん好き
「牛丼屋」
凛「にゃ~今日も疲れたにゃ~」
真姫「そうね」
凛「お腹空いたにゃ~」
にこ「いっぱい動いたものね」
凛「うん。ねえ、にこちゃん?帰りに牛丼食べて帰ろうよ」
にこ「牛丼?なんで牛丼なのよ?ラーメンじゃないの?」
凛「気分だよ。かよちんいないしさぁ、ねえ~食べに行こうよ」
にこ「にこアイドルだから牛丼なんか食べ…」
凛「あっ、そう言うのいいです。ねえ、食べに行こうよ」
にこ「仕方ないわね」
凛「本当?」
にこ「今日だけよ?」
凛「やったにゃ~。ねえ?真姫ちゃんももちろん来るよね?」
真姫「え?」
凛「話聞いてなかった?牛丼屋さんだよ」
真姫「え?仕方な…」
にこ「何言ってるのよ?真姫が牛丼屋になんか一緒に来るわけないじゃない」
凛「え?来てくれないの?」
真姫「え?い、いや…」
にこ「だって、あんた?真姫が牛丼屋で牛丼食べてるところ想像出来る?希や穂乃果じゃないのよ?」
凛「確かに…毎日イタリアンとか食べてそうだもんね」
にこ「いや、それはどうか知らないけど」
真姫「いや、だ、だいじ…」
凛「やっぱり…凛は3人で食べに行きたいから牛丼は諦めて…サイゼリアにしようか?」
にこ「そうね。それがいいわ」
凛「そうだよね。真姫ちゃんは牛丼屋さんには行きたくないんだからそっちの方がいいね」
真姫「行きたい!行きたいわよ!」
凛「え?牛丼屋さん?」
にこ「あんた…牛丼好きだったの?」
真姫「いや…牛丼が好きなわけじゃないけど…」
にこ「じゃあ、なんなのよ…」
凛「真姫ちゃんって難しいにゃ」
「画伯」
梨子「千歌ちゃん?詞出来た?」
千歌「えへへ、ごめん。まだなんだ」
梨子「またぁ?」
千歌「いやぁ、なかなか上手くいかないね?ちょっと行き詰まっちゃって。梨子ちゃんはそう言う時どうしてるの?」
梨子「私?そうねぇ…やっぱり気分転換をするのかな?」
千歌「気分転換…ってどんな事すればいいの?」
梨子「人それぞれだと思うけど…運動をするって人もいるだろうし、山に登ったりアイドルになりきってストレス発散したり…私の場合は絵を描いたりするかな?」
千歌「絵?梨子ちゃん絵を描くの?え?見てみたい!」
梨子「気分転換にだから本格的じゃないけど」
千歌「それでもいいよ。気分転換の参考にもなるかもだし」
梨子「じゃあ、少しだけなら」
千歌「描いてくれるの?」
梨子「何描けばいい?」
千歌「じゃあ…象!」
梨子「象…ちょっと待っててね?」
ガチャ
果南「お疲れ~」
千歌「あっ、果南ちゃん」
梨子「…」カキカキ
果南「あれ?千歌と梨子ちゃんの二人だけ?って言うか何してるの?」
千歌「今梨子ちゃんに絵を描いて貰ってるの。得意なんだって」
果南「へ~確かに上手そうだよね」
千歌「ね?梨子ちゃんって芸術家タイプだよね」
梨子「出来た!あれ?果南さん?」
千歌「今気がついたんだ…」
果南「凄い集中力だね」
千歌「まあ、それは置いといて…どれどれ?」
梨子「そんなに上手くはないわよ?」
千歌「いやぁ、そんな事言ってきっと上手…わあ…」
果南「どれ~?…うん、そう来たかぁ」
梨子「どうかな?」
千歌「なんて言うか…個性的な画風だね?ね?」
果南「え?あっ、味のある絵だよね」
梨子「本当?」
千歌「うん。ちょっと上級者向けだよね?」
果南「下手と達筆は紙一重って言うしね」
梨子「え?それは自信持って良いのかな?」
千歌「いいと思うけど…他の人には見せない方がいいかも」
梨子「え?どう言うこと?」
千歌「まだ、世に出すのは早いと思うんだ。ね?」
果南「え?うん…そうだね。まだそのタイミングじゃないね」
梨子「そうかな?」
千歌「うん。そうだよ」
梨子「じゃあ、そうしようかな?」
ガチャ
善子「お疲れ~」
千歌「あっ、善子ちゃん」
善子「だからヨハネよ!って、わっ、何?この下手な絵は…千歌さんが描いたの?」
梨子「え?下手な絵?」
千歌「あっ、あれだよ?ほら?善子ちゃんはほら…ね?」
果南「ああ…うん。善子は趣味が違うんだよ。センスが独特だから」
梨子「そっか。なるほど」
千歌「うん。だから…ね?善子ちゃんもいるし。ね?」
梨子「そうね」
果南「ごめんね、善子?後でジュース奢ってあげるからね?」
善子「え?何で?」
個性的(ピカソ)
「キス」
海未「ふぅ。やっと片付きました」
ことり「お疲れ様。こっちも終わったよ」
海未「そうですか。では、穂乃果が戻って来たら今日は帰りましょう?」
ことり「うん」
海未「それにしても遅いですね。職員室に印鑑を貰いに行くだけなのに…寄り道してるでしょうか」ブツブツ
ことり「…」ジィー
海未「な、何ですか?」
ことり「ううん。海未ちゃんって綺麗な睫毛してるなって思ったの」
海未「そ、そんな急に…何ですか」
ことり「本当に綺麗だよね」ジィー
海未「ちょっ、近いです。ことり、やめて下さい」
ことり「ふふっ、海未ちゃん可愛い」
海未「なっ」
ことり「顔真っ赤だよ?」
海未「からかっているのですか?」
ことり「ううん。本当にそう思ってるよ?ただ、海未ちゃんが照れてるからつい」
海未「て、照れてなどいません」ガタッ
ことり「海未ちゃん、落ち着いて?」
海未「いた。目にごみが」
ことり「だ、大丈夫?急に立ち上がるから埃が舞っちゃったんだよ」
海未「うっ、ちゃんと掃除しているに…」
ことり「仕方ないよ。生徒会室は毎日来るわけじゃないし」
海未「そうですが…」
ガララ
穂乃果「………」スタスタ
海未「あっ…穂乃果。遅かったですね」
ことり「印鑑貰えた?」
穂乃果「うん…」
海未「?」
ことり「どうしたの?」
穂乃果「いや、別に…」
海未「そうですか?」
穂乃果「うん」
ことり「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「とりあえず…印鑑もらって来たからファイルに閉じておくよ?」
海未「あっ、はい」
穂乃果「えーっと、ファイルはっと…」
海未「ファイルはあっちの部屋ですが?」
穂乃果「あ~そーだった、そーだった…ちょっと取りに行ってこよう。そうしよう」
ガチャ
穂乃果「スゥ~……あぁぁぁぁぁ。見ちゃったぁぁぁ。穂乃果見ちゃったよぉぉぉぉ。え?ことりちゃん、海未ちゃんにチューしてたよね?あれ、絶対そうだよね?海未ちゃん顔真っ赤だったし涙目だったし。あぁぁぁ、どうしよう?気まずいよ。どうするの?小さい頃から仲良しトリオだと思ってたのは穂乃果だけ?」
ガチャ
海未「何を騒いでいるのですか?ファイルは?」
穂乃果「海未ちゃん?私と海未ちゃんはこの先もずっと友達?」
海未「え?当たり前じゃないですか」
穂乃果「ことりちゃんは?」
ことり「そんなの決まってるよ。ずっと大事な友達だよ」
穂乃果「どんな事があっても?」
ことり「うん。どんな事があってもだよ?」
海未「先程からどうしたのですか?もしかして…何かやらかしたのですか?」
穂乃果「やらかしてないよ!それはむしろ二人でしょ?」
海未「はあ?」
穂乃果「さっき見たよ?ことりちゃんが…その…海未ちゃんに…」
ことり「え?見てたの?」
穂乃果「見てたよ。一部始終全部見てたよ」
ことり「そうなんだ?海未ちゃん可愛かったでしょ?顔真っ赤にしてたもんね?」
海未「こ、ことり」
穂乃果「え?」
ことり「え?」
穂乃果「いや…え?焦んないの?」
ことり「どうして?」
穂乃果「いや、だって…普通焦るでしょ?」
ことり「そ、そうかな?」
穂乃果「そうだよ。だって、あんな事…海未ちゃんなんか顔真っ赤にして涙目になってるじゃん」
海未「それは…だって、ことりが急に無理矢理近づいて来るから」
穂乃果「え?待って?無理矢理?無理矢理なの?」
ことり「だって…海未ちゃんが可愛い顔するから…つい…」
海未「ちょ、ちょっと…ことり…」カァァァ
穂乃果「え?どっち?海未ちゃん照れてるけど?結果的にどっちなの?」
ことり「海未ちゃんは嫌がったんだけど…私が…」
穂乃果「え?海未ちゃんは嫌だったの?」
海未「それは…だって恥ずかしいじゃないですか」
穂乃果「え?どっち?その言い方はどっち?まんざらでもない感じ?」
海未「それは…正直嬉しい気持ちもありますけど」
穂乃果「え?そうなの?じゃあ、穂乃果も腹を括っていいのね?女同士とか幼馴染の関係とかさ」
海未「え?何を言って…」
ことり「穂乃果ちゃん?何を言ってるの?」
穂乃果「いや、だからこれからそう言う風に接していいの?」
海未「え?あの…やはり…私の睫毛は…その…自信を持っていいのでしょうか?」
穂乃果「え?睫毛?睫毛って?」
ことり「え?穂乃果ちゃんも海未ちゃんの睫毛可愛いと思うでしょ?思わずまじまじと見ちゃうでしょ?」
穂乃果「え?まじまじと?…あっ…もしかして…」
海未「どうかしましたか?」
穂乃果「いや…海未ちゃんの睫毛可愛いね」
もっと書いて
ほのかわいい
「ドッキリ」
絵里「にこ?準備はいい?」
にこ「いいわよ!希には普段さんざんやられてるからね。たまにはギャフンと言わせてやらなきゃ」
絵里「そうね。もう来るのね?」
にこ「うん。そのはずよ。メイクもバッチリだし絶対驚くわよ」
ガチャ
希「ふふふ~ん。あれ?誰もいないやん。おかしいな?えりち達先に行ってるって言ってたのに」
絵里「ふふっ。呑気に鼻唄なんて歌っちゃって。可愛いじゃない」
希「ふふふ~ん」
にこ「さあ、行くわよ?」
絵里「ええ」
絵里「バァァァ」
希「キャァァァ」
絵里「やった!大成功ね」
希「うっ…」
にこ「ワァァァァァ」
希「キャァァァ」
絵里「イヤァァァァ」
にこ「いや、何で絵里まで驚いてるのよ!」
希「え、えりち?」
絵里「いや、怖いのよ。そのメイク」
にこ「そう?」
絵里「うん。怖いから…こっち向かないで」
にこ「なによそれ。まあ、いいわ。ドッキリ成功ね」
絵里「そうね。希の事だからリアクション薄いと思ったけど以外と反応良かったわね」
にこ「そうね。女の子みたいにキャーって言ってたわよ?」
絵里「ふふっ。希?驚いた?」
希「うっ…ううっ…」
絵里「の、希?」
希「な、何なん?うぅ」
絵里「あれ?あれ?希?」
希「いきなりなんなん?ヒック」
絵里「あれ?泣いていらっしゃる?」
にこ「え?」
希「何で…何でそんな事するの?」
絵里「いや、あの…希の驚いた顔を」
希「そう…なら大成功だね。ううっ…ぐすっ」
絵里「あれ?ちょっと?こんな展開…あれ?こ、怖かった?」
希「だって。あんなの…グスッ…怖いに決まってるよ」
にこ「いや、あの…喋り方変わってるわよ?え、絵里?どうするのよ!」
絵里「イヤァァァァ。こっち向かないで」
にこ「いや、ここであんたが怖がってんじゃないわよ。さらに面倒くさいわ」
絵里「いや、そうだけど。そうなんだけど」
希「グスッ…うぅ…」
絵里「あの…希?ドッキリだから?ね?泣き止んで?」
希「だって…」
絵里「希?あれよ?私よ?こんなメイクしてるけど…絵里よ?」
にこ「いや、それは分かってるでしょ」
絵里「イヤァァァ。ちょっとぉぉぉ、こっち向かないで」
にこ「いや、だから…あんたどんだけ怖がってるのよ。メイクしてる段階で散々怖がったんだから慣れなさいよ」
希「…グスッ」
にこ「はあ…全く…なんでこんな事に」
絵里「の、希?あの…ごめんね?」
にこ「悪かったわよ」
希「ううっ。もういいよ」
にこの顔がこわい
絵里「そ、そう?良かったわ」
希「グスッ」
にこ「でもあれね?希って普段スピリチュアル、スピリチュアル言ってる割には怖がるのね。しかも、あんな可愛く叫んじゃって。普段あんな感じな癖に」
希「うっ」
絵里「ちょっと、やめなさいよにこ…キャァァァァ」
にこ「いや、だから。あんた凄くメンドくさ」
希「もういいよ。笑えば良いよ。希は普通の女の子でしたって言いふらせばいいよ。もう、私は普通の女の子で通すから。関西弁もやめるから」
絵里「え?希?拗ねないで?もう。にこ。謝りなさい」
にこ「いや、あんたも共犯だからね?何ちゃっかり優等生の立場に立ってるのよ」
絵里「いや、そんなつもりじゃ…」
希「ふん」
絵里「希。ごめんね?ね?ほら、にこも」
にこ「わかったわよ。希、ごめんね?ほら、笑って?にっこにっこに~」
希「…新発売のお菓子が食べたい」
絵里「え?お菓子?うん。買って来るわ。買って来るから機嫌なおして?」
にこ「あっ、じゃあ私は飲み物買って来るから」
ガチャ
希「……凛ちゃん?もうええよ?」
凛「ふぅ。隠れるのも楽じゃないにゃ」
希「ありがとな凛ちゃん?情報くれて」
凛「希ちゃんを驚かそうなんて100年早いよね?それにしても、希ちゃん演技派だね?よく涙出せたよね?一瞬本当に泣いてるのかと思ったよ」
希「え?あっ…うん。まあね」
本気で怖がるのんたんといちいち怖がるえりち
どっちも可愛いな
かわいい
「凄い知り合い」
穂乃果「ふん、ふふ~ん。あれ?おーい!」
ツバサ「ん?あら?」
穂乃果「ツバサさーん」
ツバサ「穂乃果さん?こんな所で奇遇ね?」
穂乃果「何してたんですか?」
ツバサ「ちょっとお買い物を。穂乃果さんは?」
穂乃果「おつかいです。いやぁ、うちのお母さん人使い荒いんですよ。パン粉と天ぷら粉間違えて買ってたらもう一回行ってこいーって」
ツバサ「そ、そう。大変そうね」
穂乃果「そうなんですよ。疲れちゃいますよね」
ツバサ「いや、あの…お母さんがね?」
穂乃果「へ?」
ツバサ「いえ…何でも」
穂乃果「あれ?」
ツバサ「え?どうしたの?」
穂乃果「いや、あの子…迷子かなって?」
ツバサ「迷子?」
女の子「グスッ」
ツバサ「その様ね」
穂乃果「お嬢ちゃん迷子かな?」
女の子「…」コクン
ツバサ「えっと…どこから来たのかな?」
女の子「北海道」
穂乃果「え?北海道?北海道から迷子でここまで?」
ツバサ「いや、北海道から旅行でこっちに来てるのよね?ご両親も一緒でしょ?」
少女「…」コク
穂乃果「あ~そっかぁ。う~ん、どうしましょうか?どうやって探せば…東京広いしなぁ」
少女「うぅ」ウルウル
穂乃果「あ、ごめんごめん。見つかる。見つかるよ、簡単に。そうですよね?」
ツバサ「え?う、うん。そうね」
少女「本当ですか?」
穂乃果「うん、うん、本当。それに、このお姉さん凄いんだよ?」
少女「え?そうなんですか?」
ツバサ「いや、そんな大したことは…」
穂乃果「お嬢ちゃんA-RISEって知らない?」
少女「知らないです」
穂乃果「あっ、そう?」
ツバサ「…」
少女「はい」
穂乃果「あっ、でも、本当に凄いんだよ?もう本当に凄いから。ダンスとか凄いし」
少女「バク転も出来るんですか?」
穂乃果「え?う、うん。出来る、出来る」
ツバサ「え?ちょ、ちょっと穂乃果さん?私バク転なんて出来ないわよ?」
穂乃果「だってなんか興味持ち始めたんで…つい…」
ツバサ「そうかもしれないけど」
少女「あの、他には?」
穂乃果「え?あ、うん。えっと、クールで頭もいいし…何でも知ってるし」
少女「え?何でも知ってるんですか?」
穂乃果「うん。そうそう」
ツバサ「ちょっと待って穂乃果さん?何でもは知らないわよ」
穂乃果「いや、だってなんか凄い喜んでるし」
ツバサ「そうかもしれないけど。あの子の中で私凄い人になってるわよ」
穂乃果「あながち間違ってないですよ」
ツバサ「そんな事ないから。私だって普通の女子高生とそんなに変わらないから。ね?」
少女「え?そうなんですか?」
ツバサ「え?」
穂乃果「あぁ、ほら?あの子の夢壊れちゃいますよ?」
ツバサ「え、夢?さっき会ったばかりの私に?」
穂乃果「そうですよ」
少女「…」ジィー
ツバサ「あ、あの…穂乃果さんの言ったことは…概ねその通りよ」
少女「やっぱり!じゃあ、本当にバク転出来るんですね?」
ツバサ「え、ええ」
少女「何でも知ってるんですね?」
ツバサ「ま、まあ。知ってる事だけだけど」
少女「足も物凄く速いんですね」
ツバサ「え?増えてるけど?」
少女「凄いです。もう一度お名前聞いていいですか?」
穂乃果「東京を代表するスクールアイドルA-RISEのリーダー綺羅ツバサさんだよ」
少女「スクールアイドル…A-RISE…綺羅ツバサさん」
ツバサ「え、ええ」
穂乃果「そして私はスクールアイドルμ’sの高坂穂乃果だよ」
少女「スクールアイドル…」
おーい
少女「あっ、お姉ちゃん!」
ツバサ「え?家族の人?」
少女「はい。ありがとうございました」
ツバサ「何もしてないけど…」
少女「いえ、そんな事ありません。それじゃあ」
ツバサ「あの子私の事凄く勘違いして行っちゃったけど」
穂乃果「そうですね!私達も負けませんよ!」
ツバサ「え、ええ」
「東京」
のちの聖雪でない
~aqoursいつもの部室~
曜「今日も暑いね?」
千歌「そうだね。善子ちゃん見てると更に暑く感じるよ」
善子「何でよ」
花丸「それは服装のせいズラ。善子ちゃんが突っ込むのは御門違いズラ」
曜「あれ?千歌ちゃん?スマホ変えたの?」
千歌「え?うん。そーなの。最新モデルなの」
花丸「凄いズラ。未来ズラ」
善子「今度こそ突っ込むからね」
曜「へえ、凄いね」
千歌「でも、まだ設定とか終わってないんだよね。苦手でさ」
曜「善子ちゃん得意なんじゃない?」
善子「いや、そんな事ないけど」
千歌「そうなんだ。意外だなぁ」
曜「あっ、スマホとかそう言うのはやっぱり梨子ちゃんだ」
梨子「え?私?」
千歌「あっ、そうか。梨子ちゃん教えて?」
梨子「え?どうして私なの?」
曜「いや、だって東京出身だし」
梨子「え?それだけ?」
千歌「だって、東京に住んでる人って得意なんじゃないの?」
梨子「いや、そんな事ないわよ」
千歌「え?じゃあ、出来ないの?東京に住んでたのに」
梨子「まあ…そうね」
千歌「そっかぁ。残念だなぁ」
梨子「ご、ごめんね」
ルビィ「見てお姉ちゃん?μ’sの凛ちゃんがよく行ったラーメン屋さんだって」
ダイヤ「え?どれ?」
ルビィ「これだよ。この雑誌に載ってるの。流石凛ちゃんだよね?こんなお洒落なラーメン屋さん行ったことないよ」
ダイヤ「そうですわね」
果南「私には普通のラーメン屋にしか見えないけど。でも、東京なら梨子ちゃんが知ってるんじゃない?」
ダイヤ「確かにそうですわね」
ルビィ「梨子さんこのラーメン屋さん知ってますか?」
梨子「え?何?ラーメン屋さん?」
ルビィ「はい。この雑誌のラーメン屋さんです」
千歌「え?どれどれ?μ’sが通ってたラーメン屋さん?」
梨子「行ったことないし…聞いた事もないわ」
ダイヤ「え?」
ルビィ「東京に住んでたのに?」
梨子「え?う、うん。そもそも、ラーメン屋さんにそんなに行かないし」
ルビィ「そっかぁ」
ダイヤ「東京に住んでても知らなのですね」
鞠莉「ん~デリィーシャス」
果南「キャビア味のポテトチップスって…どこで買って来るの?」
鞠莉「東京から取り寄せたんだよ。と~ても美味しいよ」
善子「へえ。東京から…」
花丸「じゃあ、梨子さ…」
梨子「ないわよ」
花丸「え?まだ何も…」
梨子「キャビア味のポテトチップスなんて食べた事ないわよ?花丸ちゃん?」
花丸「そ、そうですか」
梨子「東京に住んでたからって最新機器に詳しい訳でも有名なお店に通ってる訳でも奇妙なお菓子を食べてるわけでもないわよ?一緒だから。東京も内浦も一緒なのよ」
曜「そ、そうなんだ」
梨子「一緒は言い過ぎたけど…」
千歌「えっと、そうだよね?東京だってそんなに変わらないよね?」
梨子「そうよ。変わらないわよ」
ルビィ「そうなんですね。じゃあ、この壁ドンって言うのも…知らないですよね?」
梨子「え?……うん。聞いた事も見た事もされた事もない」
善子「知ってるじゃない」
「尊敬する先輩」
海未「まったく、あなたは」ガミガミ
穂乃果「はい…はい…はい…」
海未「それなのに…ふざけてばっかりで。あなたは生徒会長なのですよ?少しは前任の絵里を見習って真面目に」
穂乃果「わ、分かってるよ」
海未「本当に分かってますか?」
穂乃果「う、うん。あっ、絵里ちゃん」
海未「え?」
穂乃果「絵里ちゃーん」
海未「言ったそばから大声で騒いで…」
絵里「え?穂乃果」クルッ
穂乃果「き、きゃぁぁ」
海未「い、イヤァァァ」
絵里「え?あっ、そうか」
海未「え、絵里…その顔は?」
絵里「え?いや…希を脅かそうと思って…」
海未「はあ?何をやってるいるのですか?」
絵里「いや…本当にそうね」
海未「はあ…」
穂乃果「海未ちゃん」
チョイチョイ
海未「はい?」
穂乃果「んふふ~」
海未「な、何笑っているのですか?」
穂乃果「えっと…誰みたいに振る舞えばいいんだっけ?」
海未「くっ…」
絵里「あれ?二人ともどうしたの?私…お菓子を買いに行かなくちゃ行けないんだけど…行って良いかしら?」
穂乃果「海未ちゃん?穂乃果もメイクしてイタズラした方がいいかな?」
海未「くっ」
穂乃果「絵里ちゃんの真似をした方がいいんだもんね?」
絵里「え?何?」
海未「私が言ってるのは…いい時の絵里の話をしてるのです」
絵里「え?いい時の私?え?なんの話?」
穂乃果「絵里ちゃんはこう言う所も含めていい所なんですよーだ」
絵里「え?こういう所?え?」
海未「そんな訳ないでしょう。どう考えても絵里の悪い所でしょう」
絵里「え?私今否定されたの?海未に否定されたの?」
穂乃果「ほら、海未ちゃんのせいで絵里ちゃんが可哀想だよ」
絵里「え?私可哀想なの?」
海未「そんな…別にそう言うつもりで言ったわけではありません」
絵里「ちょっと待って?私ついていけないんだけど?どうして私はこんな扱いを受けてるわけ?」
穂乃果「いや、それは分かるでしょ?」
海未「鏡を見てください」
絵里「え?あれ?穂乃果まで?いや、確かにこのメイクはどうかしてるけど」
海未「とにかく、絵里の事は置いといて」
穂乃果「あっ、ズルい。急に話を変えて」
海未「ズルくありません。だいたいあなたは昔から」
穂乃果「昔の話はいいじゃん。そんな昔の事言い出したら海未ちゃんなんか中学生の頃ポエムとか書いてたじゃん」
海未「今その話は全然関係ないでしょう」
穂乃果「海未ちゃんが昔の話とかし始めるからだよ」
絵里「ちょっと。ケンカはやめなさい!!!!あなた達は生徒のお手本となる生徒会の一員なのよ?こんな廊下で大声で喧嘩なんて」
穂乃果「いや、その姿で言われても」
海未「絵里が普段通りの姿で現れてくれたらすんなりお説教をして終わっていたのですよ」
絵里「え?…そうですか」
ピロン
穂乃果「あっ、凛ちゃんからだ。新発売のお菓子を食べるから部室においでだって」
絵里「え?
完
乙
絵里ちゃんこの後メイク落とす時も大変そうだ…
おつおつ
こういう短編集もええな
最後の話が希ドッキリの話に繋げてあるのが上手かった
さらに絵里ちがメイク落とそうと自分の顔を鏡で見て
卒倒するところまで想像できる
また書いてください乙
>>67
ボロ出す梨子ちゃんかわいい
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