ほたると菜々のふたりぐらし後編 (23)
・前作
白菊ほたると安部菜々のふたりぐらし
ほたると菜々のふたりぐらし - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500729289/)
・Twitterに投稿したデレステSSを修正、まとめたものです
・前作の続き、後半部分となります
・事務所が潰れて路頭に迷ったほたると地下アイドル時代の菜々さんが同居しています
・白菊ほたる、安部菜々のコミュ1以前の話として書いています
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500895594
『卵』
菜々「ほたるちゃんと同居するようになって変わったこと、ですか?」
菜々「…」
菜々「お一人様1パック限りの卵とか2パック買えて凄い助かってます」
菜々「あとビール呑めないのでダイエットが超はかどってます…!!」
『ニチアサ』
ほたる(実はプリキュアが好きです)
菜々(プリキュアすごく好きです)
ほたる(でも、お世話になっている身で自分から観たいと言い出すのは我侭だし、大人の菜々さんはプリキュアなんて見ないですよね…)
菜々(まさか13の女の子の前で自分からプリキュア観ようとは言い出せない…!)
菜々「…」
ほたる「…」
菜々「ち、ちょっと退屈ですね!!テレビでもつけましょうか!」
ほたる「い、いいですね!」
菜々「何か面白い番組でもありませんかねー(ガチャガチャ)あー!アニメなんてやってるんですねー!」
ほたる「そうなんですか、知らなかったです!!ちょっと観てみましょうか」
~30分後~
菜々「意外に悪くなかったですね!(今週もプリキュア面白かった…!)」
ほたる「機会があればまた見てもいいですね(プリキュア楽しかった…!)」
『最初にもどる』
菜々(ほたるちゃんにナナのライブビデオを見せたのは失敗でした)
菜々(同業のヒトとお客さんでは見方が違います)
菜々(何度も巻き戻して凄い真剣に見てます!なんか恥ずかしい!)
菜々(しかしすごい集中力。後ろにナナがいるの忘れてないでしょうか)
菜々(あっ、今度は無言で振り付けを真似しはじめました)
菜々(可愛い!これは可愛いです!ヤバイ!)
菜々(ほたるちゃんの指先の表情いいなあ!参考になります。こう…こう…ちょっとナナも踊ってみましょう)
菜々(次のライブで早速活かしましょう!で、ビデオに撮ってほたるちゃんに見てもらって…)
<以下繰り返し>
『ウサミミ』
ほたる「アイドルを目指すにあたり、私も菜々さんのウサミミみたいにビジュアルで特徴を付けたほうがいいのでしょうか」
菜々「まさか他人からウサミミについて相談を受ける日が来ようとは」
菜々「結論から言うとやめたほうがいいです」
菜々「ナナみたいに自分のやりたいアイドル像にこのビジュアルは欠かせないって場合は別として、変に特徴を出すとあとで方向転換に苦労するからです」
菜々「というかこれだけ可愛くて肌すべすべなのに記号盛るとか何考えてんですか(ふにふにふにふに)」
ほたる「ふあー!?(ふにふにふにふに)」
菜々「(ぜいぜい)ほたるちゃんは事務所に入ったあと、自分の目指す方向をきちんと事務所の人と相談して、ビジュアルを決めていくべきです」
ほたる「(ぐったり)は、はい…」
菜々「ただ、この業界にはすごく変わった趣味のヒトがいて、時々とんでもない格好させようとしたりするから要注意です」
ほたる「と、とんでもない…!?」
菜々「たとえばキリンアイドルとか」
ほたる「キリンアイドル」
『飲み込む』
ほたる(言えない言葉があります)
ほたる(もう嫌、何故私だけ、訳知り顔しないで、放っておいて)
ほたる(口にしたら折れてしまいそうな。あこがれを汚してしまいそうな気がするから)
ほたる(そんなとき私は少しだけ沈黙して、ゆっくりとその言葉をかみ殺し、飲み込みます…)
菜々「えいっ(もみっ)」
ほたる「ふあっ!?」
菜々「ふふふほたるちゃんいい反応しますねー(もみもみ)」
ほたる「あ、んっ、菜々さん何を…!?」
菜々「何ってマッサージですよ?ほたるちゃん、奥歯をかみ締める癖があるでしょう。肩こり酷いんじゃないかと思って」
ほたる(…!)
菜々「飲み込むのってクセになっちゃうから…そしてやっぱり凝ってますね!こういうのほっとくと故障の原因になったりしますからね…さあ今日は全身もみほぐしちゃいますよー!」
ほたる「え、遠慮します…!?」
(このあとめちゃくちゃマッサージした)
『卵2』
菜々「ほたるちゃんと同居するようになって変わったこと、ですか?」
菜々「…」
菜々「お一人様1パック限りの卵とか2パック買えて凄い助かってます…え、ほんとですよ誤魔化してないですよ」
菜々「あとアイドルの話とかできるの楽しいです」
菜々「まあ確かに時々停電したり鍋が燃えたりすることもありますし」
菜々「今日は腰がグキーってああっほたるちゃん泣かないで!」
菜々「ほたるちゃんの言いたいことはわかります」
菜々「ほたるちゃんの噂はよく知ってますし」
菜々「その上で不幸なんか信じない、とか。ほたるちゃんのせいじゃないって言うことは簡単ですが、ほたるちゃんがそうは思えないんですよね」
菜々「うーん…ほたるちゃん」
菜々「10年アイドル目指して頑張って、芽が出ないのって不幸だと思いますか」
菜々「ナナは前、それは普通のことだって言いました。それともうひとつ」
菜々「この10年が不幸だったかどうかを決められるのは、もっとずっと先の事だと思うんです」
菜々「あの十年は幸せだった!ってなるか不幸だったってなるかは、今はわかんないし、誰かにそれを決めてもらいたくありません」
菜々「ほたるちゃんのこともそうです」
菜々「ほたるちゃんと暮らして起きる色々なことが不幸なのか幸運なのかなんて、今はわからないんです。ほたるちゃんにも、ナナにも」
菜々「だからナナは、ほたるちゃんと居ると楽しい。お得な卵がもう1パック買えて助かる。そのことを大事にしたいって思います…ほら泣かないで」
菜々「あとすみませんが今日は腰痛で動けそうにないので家事とかお願いします…!!」
菜々「ぶっちゃけ出て行かれるより腰痛のときほたるちゃんがいてくれるほうがずっと幸せ…!!!」
『ウエスト』
菜々「今日はほたるちゃんにどうしても聞きたいことがあります」
ほたる「は、はい」
菜々「菜々より身長あるのにウエスト細いってどういうこと」
ほたる「えっ」
菜々「ナナだって細い方なのに。秘訣教えてくださいほたるちゃん」
「なんて真剣な目…!」
『寝相』
ほたる「おふとんが一つしかないので、私と菜々さんは同じ布団で寝てるわけですが…」
菜々「人肌っていいですねえ、冬も湯たんぽいらずです」
ほたる「あの、わたし、聞き苦しい寝言とか言ったりしてないですか…」
菜々「…さあ。ナナ寝付きいいですからねー」
菜々「気にしない気にしない」
『バーゲン』
菜々「服のバーゲンて戦争なんです」
ほたる「そうらしいですね」
菜々「なのにいざ買った服がサイズ合わなかったり」
ほたる「ありそうです」
菜々「というわけで菜々には着られなかったこの白ワンピを貰ってくれないですか」
ほたる(これ…私のサイズにぴったり)
ほたる「菜々さん…」
菜々「貰ってくれないと困っちゃいます。菜々サイズ合わないですから」
ほたる「…ありがとうございます、大事にします、ね」
菜々「えへへ。こちらこそ、ほたるちゃんにはお礼言いたいことがいっぱいでしたから」
ほたる「…?」
『こたつ』
菜々「ほたるちゃん。せっかく出したコタツが私の不幸で壊れたりしたら…なんて思ってません?」
ほたる「…はい。実は…」
菜々「しかーし!その心配は不要です!」
ほたる「えっ」
菜々「だって、このコタツが壊れたのは去年の冬のことですから!」
ほたる「ええええ」
菜々「中に湯たんぽ入れると結構あったかいんです」
ほたる「あ、本当だ…」
『レッスン』
菜々(時々、ほたるちゃんをダンスレッスンに連れて行きます)
菜々(レッスンを見ると、ほたるちゃんのすごさが解ります)
菜々(ほたるちゃんは決して器用なほうではありません)
菜々(でも、何度失敗しても、どんなに疲れても、絶対に諦めない)
菜々(決して倒れたままではいない子です)
菜々(いつか必ず、上に行く子です)
菜々(ふたりぐらしも、きっと長くはないのでしょう。ナナはレッスンを見るたび、そんなことを考えて)
菜々(それから、ほたるちゃんに恥じないナナで在りたいと、決意を新たにするのです)
『行ってらっしゃい』
菜々「…そっか。次の事務所、決まったんですね」
ほたる「はい。新しい寮も、世話してもらえて」
菜々「ほたるちゃんなら時間の問題だと思ってました。おめでとう」
菜々「…と、言いたいですけど。うーん。その事務所、あまりよくない評判も聞きますよ」
菜々「ナナ、次をねらってもいいと思うのですが。まだ居てくれていいんですよ?」
ほたる「…私は、不幸を呼びます。それが、とても、怖くて」
ほたる「でも、良いものを待ち続けて、立ち止まっていたら。いつまでも歩き出せなくなっちゃうかもしれなくて」
ほたる「菜々さんの優しさに甘えて…『いつか、次はいいものがくるから』って自分にいいわけするようになるかもしれなくて」
ほたる「それが、もっと怖いから。だから…」
ほたる「菜々さんに優しくしてもらったからこそ、踏み出してみなくちゃ、いけないと、思うんです。」
菜々「…いいなあ」
ほたる「菜々さん」
菜々「ほたるちゃん、かっこいいです。うん。かっこいい」
ほたる「菜々さん」
菜々「ほたるちゃん。菜々も必ず、そっちに行きますからね」
ほたる「菜々さん」
菜々「あ、でも、ホントによくない事務所だったら、ガマンしすぎちゃダメですよ。ナナを頼ってくれていいんですからね!」
ほたる「菜々さん」
菜々「…行ってらっしゃい、ほたるちゃん」
ほたる「…行ってきます、菜々さん」
菜々(こうしてふたりぐらしは終わりました)
菜々(今度ほたるちゃんを見るのは、テレビの中ででしょうか。ステージででしょうか)
菜々(さて、ナナもがんばらなきゃ。ほたるちゃんに負けないくらい!!)
『後日、346プロダクション前にて』
菜々「…あれ、ほたるちゃん!?」
ほたる「菜々さん!?」
菜々「その大荷物は一体。あれ、ほたるちゃんて××プロに行ったはずでは」
ほたる「…実はあのあと、結局解雇されてしまって」
菜々「ほたるちゃんクビとか見る目なさすぎないですか!ナナ文句言ってやります!」
ほたる「あ、で、でもその後縁があって、ここのプロデューサーさんに拾ってもらって、今日からこちらで」
菜々「…奇遇ですね。実は、ナナもなんです」
ほたる「えっ」
菜々「ここのプロデューサーさんがナナのライブ見てくれて。その縁で今日からこちらに」
ほたる/菜々「……」
ほたる「…菜々さん、知ってますか。ここの寮って、各室キッチンがついてるんですよ」
菜々「…じゃあ、今日は二人でカレー作らないとですね」
ほたる「ニンジン、星形に切りましょうね」
ふたりの付き合いは、続く。
(おしまい)
ほたると菜々のふたりぐらし
『おまけ』
菜々「いいですかほたるちゃん。ナナは17歳」
ほたる「えっ、でも菜々さんは■7歳・・・」
菜々「ノウッ!17歳!!、そしてほたるちゃんの同期!」
ほたる「は、はい」
菜々「だから今日からはナナちゃんって」
ほたる「でも、17歳ならやっぱり年上ですから、そこはやっぱり(尊敬を込めて)菜々さんで」
菜々「あれー!?」
(こんどこそひとまずのおしまい)
短いですが、これにておしまいです。
また思いついたらオマケを書くかも知れません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あべななさんじゅうななさい乙
ななほたはイイゾ
乙
いい組み合わせだった
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