高垣楓の晴飲雨飲 その3 (78)

前作

高垣楓の晴飲雨飲
高垣楓の晴飲雨飲 - SSまとめ速報
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高垣楓の晴飲雨飲 その2
高垣楓の晴飲雨飲 その2 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500436578

【四季の純米吟醸 デザインボトル】

 高垣楓の食事は、大抵の場合プロダクション内の食堂でまかなわれる。

 味についてうるさい社員やアイドルがいるおかげで、その質はすこぶる高く、

 楓は“料理については”不満はない。

 ただ、酒と一緒に楽しめないのがつらい。

 トップアイドルとはいえ、社内の食堂でくだを巻いていたら問題になる。

 また身分ゆえに、外で気軽に飲むというわけにもいかない。

 無論自分で調理を行うこともできない。

 なので楓は旨い酒、美味い飯を1つのテーブルに並べるため(だけ)に、

 後輩のアイドルに頭を下げる。

 幸いにして、プロダクション内に料理が達者な者は多い。

 灼熱の陽差しが、肌を焦がす夏。
 
 楓は楊菲菲に声をかけた。

 非情なまでに暑い。

 暑いからこそ日本酒を供にして、本格的な中華料理が食べたい。

 無論、楓は先輩の権威を振りかざすようなことはせず、

 材料費と駄賃を菲菲にわたした。

 約束の日の夕頃。

 料理人がやってくる前に、

 楓は金魚が泳ぐ、洒落た小瓶(240ml)をつついていた。

 『四季の純米吟醸デザインボトル 夏の戯れ』。

 名前の通り、四季に合わせたの4種のデザイン、

 くわえ女性の杜氏が作った

 “女性が楽しむための”日本酒として、にわかに話題になっている。

 度数は12%と、比較的低め。

 性別も何もない、

 立派な酒呑みである楓がこれを選んだ理由は、

 久方ぶりに京都の酒が飲んでみたくなったのと、

 「1本を飲みきった」という満足感を求めたためである。
 
 最近、楓に対する監視の目がやや厳しい。

 購入したばかりのウィスキーやワインの瓶が空になっていると、

 プロデューサーの小言が増える。

 こっそり瓶を捨ててもよいのだが、バレた時のことを考えると億劫。

 さらに健康の不安も手伝って、

 楓は断腸の思いで量を抑えることにした。

 銭湯の牛乳瓶にも似た仕組みの蓋を、きゅっと外す。

 香りは弱い。味はどうだろう。

 口をつけてみると、吟醸の割には淡白だった。

 うっかりごくごく飲みそうになったので、楓は慌てて唇を離した。

 菲菲は、パンパンに膨らんだリュックサックを背負ってやってきた。

 中には調理器具と、材料と、

 それから保存用のホーロウ容器が入っていた。

 2~3日分の料理を作り置きしてくれるのだという。

 なんとも気の利く後輩である。

中華風野菜スープ。
 
 特製麻婆豆腐。
 
 豆苗と胡瓜のピリ辛サラダ。
 
 エビと小松菜の炒め物。

 中華春雨。

 油菜(青梗菜のオイスターソース炒め)。

 八宝菜。酢豚。

 見惚れるような手際で、菲菲はこれらの料理を作り上げた。

 そして、出来上がった料理を少しずつ食べながら、

 楓は酒を楽しんだ。

 特に素晴らしかったのは、麻婆豆腐との組み合わせ。

 その時すでに一本を飲み切ってしまったから、

 楓は冷蔵庫で冷やしていた2本目を取り出した。


 麻婆豆腐には、これでもかという量の山椒がふりかかっていた。

 「美味しいから大丈夫ダヨー」

 菲菲はそう言っていたが、確かにその通り。

 彼女はラードやサラダ油を使わずに、

 豚ひき肉をじっくり炒め、その脂を鍋に馴染ませた。

 豆豉や甜麺醤によって演出されたその旨味は、

 ぞわぞわと楓の舌をなぞった。

 とはいえ、同時にかなりの辛さでもあったので、

 一口食べるごとに酒も口に含んだ。

 ふくよかな甘みが、ひりつく口内粘膜をなでてくれる。

 涼しげで奥ゆかしい風味が、身体の温度をゆっくり冷ましてくれる。

 それで落ち着いたら、また麻婆豆腐を食べる。

 また酒を飲む。

 この繰り返しで、結局4本、

 つまり四季すべてのボトルを開けてしまった。

 「辛さがすごいからさ…ふふっ♪」
 
 なので菲菲が全ての料理を作り上げた頃には、楓もすっかり“出来上がって”いた。

四季の純米吟醸 デザインボトル
…一昨年ごろから話題になっている、小瓶の日本酒
 風味はかなりひかえめな方

 量もひかえめなので、
「日本酒を試してみたい…」、そんな人におすすめ

 そうか、いままで割りと恵まれてたから忘れてたが近所に美味い居酒屋ねえと美味い料理と呑むのって結構手間なんだな……

>>15
最近思うことは、下手な居酒屋よりも夜営業の蕎麦屋の方がいいということ
気の利いた店はそば以外の定食もあるし、腹一杯食っても3000円は超えないし…

作者の酒の購入経路は

・ビックカメラ
・KALDI
・久世福
・amazon
・近所の酒屋

KALDIは安くて旨いワインが揃ってて
久世福は面白い酒があるからすき

近所の酒屋と一言にいわれても相当幅があるんだよなぁ
うちの近所の酒屋はベルギービール100種類近く売ってたりするし(お気に入りはギュルデン・ドラーク)

>>18
それは羨ましい
こっちの酒屋は徹底的に日本酒

クラフトビールの品揃えが良い店が近くにできないかねえ…

いま飯中なので、12時過ぎたら投稿する
主役はジョニ赤

【ジョニーウォーカー レッドラベル】



高垣楓は赤いラベルを纏ったボトルの表面を、

カリカリと引っかいた。

気品があって、それでいて親しみやすいデザイン。


『ジョニーウォーカー レッドラベル』

通称ジョニ赤。

ウィスキーを切らしたことに気づいた楓が、

変装をした上で、マンション近くのコンビニに駆け込んで購入した。

酒がなくなるということは、それほど、楓にとって一大事である。

 

 バレてなければいいけど…。

 不安を振り払うように、キャップを捻る。

 豊かな香りが、こしょこしょと楓の鼻梁をくすぐる。

 ジョニ黒(ブラックラベル)やシーバスリーガル12年(通常版)と比べると

 気品に欠けると言われがちだが、

 赤ラベルのいたずらっぽさもまた、魅力の1つである。

 楓はショットグラスにウィスキーを注いだ。

 まず一杯。

 グラスを誰にともなく掲げて、飲み干す。

 口当たりは香りほどに強くはない。

 しみじみとした甘さが、舌を流れていく。


 彼女はぶるっと身体を震わせた。

 ずいぶん遠くまで来てしまったような気がする。

 トップアイドルという栄光の座についたものの、

 いや、ついてしまったからこそ、

 なんだか先が見えてしまったような、

 そんな寂しさは覚えた。

 望めばいくらでも高い酒を飲めるのに、

 駆け出しの頃のように気安い酒を飲むのは、

 その寂しさが原因なのかもしれない…。

 楓は4杯目のウィスキーをあおった。

 酔いが回ってきてもおかしくないが、頭が奇妙に冴えてしまっている。

 夕飯はすでに済ませていたが、彼女はごそごそと冷蔵庫を漁った。

 何が入っているのかわからない。

 梅干し、明太子、魚の缶詰、漬物…。

 ああでもない、こうでもないと、

 賞味期限の切れた食品を外に出していく。

 すると、冷蔵庫があらかた片付いてしまった。

 つまみはなかった。

根性なし、と楓は冷蔵庫のドアを叩いた。

しょうがないので、侘しい気持ちでウィスキーと向き合う。

「こっちを向いて、スコッチウィスキーのおじさん…」

 彼女は、ラベルのジョニーおじさん(通称)に話しかけた。

 けれども彼はそっぽを向いたまま、歩き出そうとしている。

 孤独に、彼自身にもわからない道を。

ジョニーウォーカー レッドラベル
…1000円前後で変えるウィスキーの中では一番好き

 作者はこれでウィスキーの“甘み”を覚えた口である

ジムビームと飲み比べてみれば多分わかる…はず

おつおつ。おじさんいないけど冷凍庫のメロウ・イエロー(オールドテーラー)を開けたくなった。イベントまで我慢我慢
この楓さん、素面のとき手が震えてないか不安になる

ファイティング・コックや ワイルドターキー8年とか行けるんだろうか(バーボン党)

前スレにならって5編前後で依頼だす

次の話は梅酒

焼酎でてきてないですね、焼酎はしょっちゅう飲むものじゃないからかな

悔しさは解消出来そうかい?

>>34
書くしかないね

【白岳 あの頃の梅酒】

 アイドルと芸能人がスーパーや百貨店で買い物をするだけ、

 という企画が、近頃の流行らしい。

 製作費用もさしてかからず、店舗側は宣伝になるということで、

 どこの局でも似たような番組を作っている。

 楓は、その是非についてとやかく言うつもりはない。

 ただの仕事である。

 収録が終わったあと、楓は出て来たばかりの

 ドンキ・ホーテに舞い戻った。
 
 「日用品を少し…」

 スタッフや共演者には、そう告げた。


 チャンスは最大限に活かさなければ。

 楓はギラつく目で、酒類のコーナーを見回した。

 最近焼酎を飲んでいない。

 焼酎が飲みたい。

 芋焼酎に滅茶苦茶にされたい。

 飲んでもいないのに、胃袋がカッと熱くなった。

 だが、それに水を差す者が現れた。

 「楓さんは、どんなお酒を飲むんですか?」

 番組で案内をしていた店員。

 高垣って呼んでください、と言うのを我慢して

 「主に梅酒…ですね」

 と、お茶を濁した。

 それを本気にしたのか、

 彼はリキュールのコーナーまで楓を案内した。

 勧めてきたのは、高橋酒造株式会社の『白岳 あの頃の梅酒』。

 焼酎ベースの梅酒で、甘過ぎない風味が特徴なのだという。

 惜しい…。 

 楓は内心で、子犬のような鳴き声を出した。

 結局彼女は、その梅酒だけを購入して帰路についた。

時間は夜の8時。

 今日の晩御飯は、五十嵐響子が作っておいてくれた夏野菜カレー。

 帰った時に食事が用意されているというのは、1つの幸福の形である。

 まして、あの五十嵐響子の作った料理。

 オークションにかけたら、彼女のファンが青天井で入札するだろう。

 「……」

まだカレーが残っている小鍋を、楓は虚ろな目で見つめた。

好きなことを公表して活動できるのは、

本当に羨ましく、ちょっぴり妬ましい。

 炊き上がったばかりの白飯とカレーを、

 2:3くらいの比率でスプーンにのせて、口に運ぶ。

 野菜と鶏モモ肉の旨味がぎゅっと、弾けた。

 辛さは穏やかで、コクの方が強い。

 具材1つ1つの味もしっかり立っており、

 特にパプリカの甘みは、

 砂糖を加えたのではないかと思われるほどだった。

 楓は無心でカレーを完食した。

 彼女がふと我に帰った時には、テーブルのすみで、

 ボトルが拗ねたようにそっぽを向いていた。

 カラン、とグラスの中で溶けかかった氷が音を立てる。

 楓は申し訳なさそうにキャップを捻り、梅酒で杯を作った。

 「お疲れ様…」

 今日の私、とつぶやいて、まず一杯。

 芳醇としたほろ苦さが口いっぱいに広がる。

 楓は唸った。

 焼酎の面影がしっかりと残っているではないか。

 それでいて、飲み込む前に爽やかな梅の酸味も感じられる。

 たしかに、甘くたおやかな梅酒とは、一味ちがう。
 
 一言で言えば、力強い。

 あの頃、こんな元気があった頃…。

 楓は、ふと駆け出しの頃を思い出した。

 周りの全てが敵に見えてしまうような、そんな時も、

 笑顔で舞台に立っていられた。

 今では、ささいなことで傷ついてしまうから、

 そうならないように、プロデューサーも自分も単調な仕事を選びがち。

 なんだか、やりきれない。

「お酒に頼ってばかりで、なサケない…」

 彼女の唇から、憂いと酒気を帯びた息が漏れた。

白岳 あの頃の梅酒

…“昔ながらの梅酒”がキャッチフレーズ
 甘みがおさえめで、いわゆるアルコール感が結構強い
 
 梅酒として楽しみたい人はオンザロックで飲むのがおすすめ

次回はシードル

シードルか
昼から飲んでも罪悪感の無い、夏には危ない飲み物かもしれん

【ニッカ シードル ドライ&スイート】

バレずにお酒を飲む方法。

 高垣楓は髪をゆらゆら揺らしながら、そのことについて考えていた。
 
 現在はマンション住まい。

 空き瓶の廃棄は毎週木曜日。

 しかし捨てにいくのは楓ではなく、

彼女のプロデューサーである。

 マンション内の住民達は

楓など歯牙にもかけないような成功者ばかりだが、

 近所の人々はちがう。

 大量の酒瓶を抱えた楓がぶらりと現れたら、

SNSなどであっという間に拡散されてしまう。

 ゆえにプロデューサーに頼る必要がある。

 しかし、そのせいで1週間の酒量が筒抜けである。


 おこられるのやだ。

生後約301ヶ月、(20から数えて)5歳の彼女は、

 多量の酒を栄養にして日々を生きている。
 
 それがなくては生きていけない。
 
 お酒、バレない…お酒、飲みたい…。

 楓は物憂げな顔で、通販サイトの画面をスクロールした。

 すると、小洒落た瓶が目に映った。

 みずみずしいリンゴの絵がラベリングされている。

 『ニッカ シードル』。

 リンゴのお酒。存在は知っていたが、飲んだことはない。

 楓は『ドライ』と『スイート』の、2種類の小瓶をカートに入れた。

 後日届いた瓶は、インターネットで目にした通り、

 一見では酒とわからない。

 あとは…。

 楓はシードル・ドライのキャップを開けた。

 すると、さわさわという音が瓶の中で反響して、

 砂浜で佇んでいるような気持ちになった。

 耳を楽しませるお酒は味も良いというが、果たして。

 彼女は縁に口をつけて、ぐっとあおった。

 甘みよりも酸味が強い。

 その酸味がキレのある苦味と渾然一体となって、喉ごしも良い。

 シードルは分類上、スパークリングワインの扱いだが、

 この風味はむしろフレーバービールのよう。

 度数も5%なので、ビールのような常備酒としてもふさわしかろう。

 一気に瓶を空にして、今度はスイートのキャップを捻った。

 こちらは香りが、ボトルの口からかすかに香る。

 ひょっとして、ジュースみたいな味なのかも…。

 楓は一抹の不安を覚えた。

 スイートは度数が3%と、チューハイに近い。

 彼女が酒として楽しむには、やや低い値だ。

 南無三、と唱えて一口。

 名前の通り、やはり甘い。

 だが、その甘さはべたべたしたものではなく、

 リンゴの芳醇な香りをまとった、上等な甘み。

 これなら、スパークリングワインとしての役割を立派に果たしうる。

 楓は大満足して、再び通販サイトの暖簾をくぐった。

資源ゴミ回収の日。

 一種のダンベルと化した、空き瓶の詰まった袋がプロデューサーに渡された。

 「いつもごめんなさい…」

 「謝るくらいなら酒の量減らして欲しいんですけど」

 「いえ、今回はお酒じゃありませんよ!」

  楓がそう言い張ると、プロデューサーは袋の中身を確かめた。

  小さな小瓶の山。

  ラベルはすべて削り取られており、その正体は一見では見破られない……。

 そのはずだった。
 
 「高垣さん、ニッカのシードルって知ってますか?」

 「しーっとる…あっ…」

  楓の反応を見て、彼は肩をすくめた。

 
 
 「……なんでわかったんですか?」 

 「高垣さんが、酒以外をこんなに熱心に飲むわけないでしょう。
 
  何年あなたのプロデューサーをやってると思ってるんですか……。
 
  あと、ラベルまで削ったら隠したがってるのがバレバレですよ」
 
  今度は楓の方が、ちぢこまって肩をすくめた。

ニッカ シードル ドライ&スイート
…ドライはビールっぽい
 スイートは甘口のスパークリングワイン

 作者は青森の空港でこれを見つけ
 友人への土産にしたのだが、全国販売であった

【真澄 純米吟醸辛口生一本】

駆け出しの頃の高垣楓は、神田や浅草に繰り出してそばと酒を楽しんでいた。

真昼から人目を忍ばず。

とにかく美味そうにそばを食い、酒を飲むので、

頑固なはずの店主が黙って半盛りせいろと、追加の酒を奢ってくれた。

だがトップアイドルの楓は、気軽に外食をとることができない。

店に迷惑がかかるからだ。

年配のそば打ち職人が1人で経営する場所に、

血気盛んなファンが押し寄せたらどうなるか。

常連を大切にして、黙々とそばを打つ店主がどう感じるか。

深く考えなくとも、外にでるのが億劫になる。

現在、楓の机の上にあるのは、

プロデューサーに買ってきてもらったコンビニのそば。

それから、威風堂々とした面持ちの日本酒瓶。

長野、宮坂醸造の『真澄 純米吟醸辛口生一本』。

それをお猪口に注いで、すぐには飲まず、そばを食べる。

十割か二八か、詳しいことはわからない。

しかしそばの香り高く、喉越しもよい。

コンビニと言って馬鹿にできないものだ。

つゆは若干濃くて、それが口に残る。

二口目のそばの香りが、これでは紛れてしまう。

そこで、日本酒の出番である。

口に含むと、ぐっと米の風味がやってきて、

つゆのしょっぱさを包み込む。

それがまた、なんともいえない。

“辛口”と名前がついているが、カーッと舌を切ることもなく、

一切合切を吹き飛ばして、アルコールが居座ってくるわけでもない。

お行儀の良い頼もしさ。

酒はなめらかに下っていって、口の中が改まる。

これでまた、そばが美味しく食べられる……。

仕切り直しのための酒が、食事に限らず楓には必要だ。

酒がないと、いろんなことを考え過ぎてしまう。

楓は美しい。

翡翠のように艶めく髪。

時々、見ている側の心が締め付けられるような、憂いを帯びる瞳。

小さく、整った鼻。猪口に吸いつく、やわらかな唇。

この美貌があればアイドルにならなくても、

それなりの幸福をつかむことができたのではないか。

和歌山で良い伴侶を見つけて、あるいは独りでも…楽しく生きてけたのではないか。

少なくとも休日には好きな場所へ行って、食事と酒に舌鼓を打てるくらいには。

なぜアイドルになったのか。

突き詰めれば、答えは容易に出てしまう。

“アイドルにならない人生が、自分にはふさわしくないと思ったから”。

金のためではない。それだけは、楓自身が断言できる。

どこにいるかもわからない、一生会うこともない誰かに愛してもらいたいのだ。

“高垣楓”を、楓に触れぬまま抱きしめて欲しいのだ。

だから、窮屈な思いをしてもアイドルを続けられる。

けれども、楓自身そのことが恐ろしい。

アイドルをやめてしまったら、やめざるをえなくなってしまったら、

自分は何者になるのか。

知りたくない。だから、酒を飲んで全部忘れる。

酔い潰れて、起きた時には全てが夢だったらいい。

そんな事をぼんやり考えながら、昼食を終えた楓は眠りについた。

真澄 純米吟醸辛口生一本
…ガツンっと舌を痺れさせるような辛さではなく、後味を流してくれるくらいの辛口

 辛いの概念がわからなくなるが、そんな感じ

依頼出してきまーす


よかった

今度こそエロSSと間違われませんように……

栄光の過去

http://elephant.2chblog.jp/archives/52203826.html#comments
http://elephant.2chblog.jp/archives/52204196.html#comments

今度は絶対にエロSSと間違われませんように…

精飲ウッ!ドクッ!

住んでるところが近ければ
持ち込み飲み会してみたい

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