ガヴリール「千年前の悪魔?」 (109)
ガヴドロ×ガッシュのクロスです。
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ガチャ
タプリス「こんにちは!天真先輩!天界からのお荷物をお届けにあがりましたよ!」
ガヴリール「おー、ありがと。でも別に宅配で送ってくれて良かったんだぞ?」
タプリス「いえいえ!下界に来れる機会なんてあまりないので、学校に頼んで私が運ぶことにしたんです!」
ガヴリール「よっと…思ってたより重いな」
タプリス「これが天界からの正式な依頼状になります」スッ
ガヴリール「おう…。しっかし天界で見つかった謎の石版を突然調べて欲しいって言われてもな……」ゴト
タプリス「?先輩、この本は…?」スッ
ガヴリール「(あっサターニャの魔本…)」
タプリス「全然読めません…」ペラペラ
ガヴリール「だろうな、それは魔界の本だ」
タプリス「魔界の!?なぜ天使である天真先輩のおうちに魔界の本が!?」
ガヴリール「あー…それは、まあ、悪魔のことを知るのも天使の務めだからな」
タプリス「さすが天真先輩!!意識がお高いです!!」キラキラ
ガヴリール「はっはっは…(本当はサターニャの力を引き出す呪文の本なんだけど)」
…数時間後
サターニャ「で、急に呼び出してこの石版はなんなのよガヴリール」
ガヴリール「なんだと思う?」
サターニャ「あっこの石版に掘られた字って……魔界の!?」
ガヴリール「やっぱりか?魔本の字と似てると思ったんだよな。この石版は悪魔と魔界に関係がある可能性が高い」
サターニャ「こんなもの、どこで手に入れたのよ!」
ガヴリール「天界」
サターニャ「え!?どうして魔界のものが天界に……!?」
ガヴリール「さあな。最近発見されたみたいでさ、下界にも関係あるかもって言うんで下界修行中の私にも調査の仕事が回ってきたんだ」
サターニャ「ふーん……」
ガヴリール「めんどくさいけど調べてみるしかないな」
ガヴリール「にしてもタプリスのやつ遅いな」
サターニャ「タプリス?ああ、あんたの後輩天使ね」
ガヴリール「石版を持ってきてくれたんだけど、下界にしばらく滞在するんだって。それでうちに泊まることになってさ」
サターニャ「ガヴリールのきったない家に泊まらなきゃいけないなんて不憫ね」
ガヴリール「うるせぇ。つかここに泊まりたいって言ってきたの向こうだし!」
サターニャ「で、その子は今何してるのよ」
ガヴリール「さぁな、その辺ふらふらしてんじゃないか?下界に興味津々だからさあいつ」
ガヴリール「仕方ない、暗くなってきたし迎えに行ってやるか」
サターニャ「それがいいわね。じゃあ石版の話は明日改めてするわよ!」
ガヴリール「ん、じゃまた明日な」タッ
住宅街
ガヴリール「どこまで行ったんだ、あいつ、そんな遠くまでは行かないと思うけど…」テテテ
ゴオッ!!!
ガヴリール「っ!?なんだ!?」
タプリス「あっ天真先輩じゃないですか!」
ガヴリール「あっタプリ…ス?」
ガヴリール「お、おいタプリス!なんでお前が悪魔の本を持ってるんだ!?」
悪魔?「彼女が私の本の持ち主だからです」
ガヴリール「悪魔……?(まさか、タプリスが本の持ち主!?)」
タプリス「そうです!私は悪魔の本の持ち主だったんです!そしてこの悪魔さんを魔界の王様にするのに協力することにしました!」
ガヴリール「は?突然何言ってんだ!?(本が光ってる!?)」
タプリス「ラドム!」
ボカァン
ガヴリール「わあ!?ちょ、どうして呪文を!?私たちが戦う意味なんかないだろ!」
悪魔「そうでしょうか?後ろ手に何を持っているのでしょうかね」
ガヴリール「げ……(本を持ってるのがバレてる…)」
ガヴリール「でも今はうちの悪魔はいないんだが」
タプリス「なおさら!チャンス!ということですね!天真先輩、本を燃やさせてもらいます!」
ガヴリール「タプリス!?どうしたんだよお前……」
ガヴリール「(と、とにかくまずい、タプリスは気になるが、本を燃やされるわけにはいかない、一旦退こう)」
ガヴリール「(神足通!)」シュタッ
ガヴリール「……ふう、家に戻ってきたはいいけど」
タプリス「逃げないでくださいよ、天真先輩!」シュタッ
ガヴリール「はぁ!?」
タプリス「何を驚いてるんですか?私も天使です、神足通は使えますよ!」
悪魔「タプリス、攻撃です」
ガヴリール「わ、待っ」
タプリス「ラドム!」
ボシュッ!!
ガヴリール「うわあっ!?」ドカァ
ガヴリール「タ、タプリス、やめてくれ……」
悪魔「ふふふ。無駄ですよ。タプリスは、今私の命令しか聞きません」
ガヴリール「何……?」
悪魔「私が洗脳しました。私の悪魔の力でね」
ガヴリール「な……」
タプリス「ラドム!」
ドカァン!!
ガヴリール「がっ……!」
ガヴリール「くっそ………、何で私が……こんな……」
悪魔「さて本を渡す気になりましたか?」スッ
ガヴリール「でも、言っちゃったんだよな、王様になるのを、手伝ってやるって……」
ガヴリール「本が燃えたら、あいつは……大悪魔にはなれない………」
悪魔「その目……まだ本を守るつもりですか?」
ガキンッガチャッ
サターニャ「ガヴリール!!」
ガヴリール「っ!?サターニャ……!?」
サターニャ「あんた一体何やってんのよ!」バッ
悪魔「パートナーの悪魔ですか」
サターニャ「怪我してるじゃない!」
ガヴリール「こんくらい平気だ。それより向こう向け、呪文唱えるぞ」
悪魔「悪魔が出てこようとやることは変わりません」
ガヴリール「悪魔的行為(デビルズアクション)!!」
サターニャ「行くわよ!」ズバッ
タプリス「ラドム!」
サターニャ「へえ、爆発の力なのね」スッ
悪魔「速い…!?」
サターニャ「はあっ!!」ビュオッ
悪魔「ぐっ…!!」ガキン
サターニャ「私の友達に怪我させたあんたに、手加減する理由はないわ!」
悪魔「ぐあっ…!!」バシュッ
悪魔「(強い、こんな奴がいたとは……!!)」
悪魔「ぐっ、タプリス!」
タプリス「はい!テオラドム!」ピカァ
サターニャ「!!この本の輝きは……!ま、まずいわ、ガヴリール!」バッ
ドカアアアン!!
サターニャ「…………」
ガヴリール「…………」
サターニャ「ガ、ガヴリール、大丈夫……?」
ガヴリール「うん、なんとか……お前の本も無事、だけど……おいおいおい、うちがぶっ壊れてるんだが!?」
サターニャ「それどころじゃないわ、まだ気配が消えてない」バッ
サターニャ「ガヴリール、あれって!」
ガヴリール「石版……!!お前らそれをどうする気だ!?」
悪魔「ちょっと貸していただきますよ」
ガヴリール「貸せるかアホ!その石版は天界から直々に預かってるんだ!」
悪魔「あなたに貸す気が無くても持っていきますよ。タプリス!」
タプリス「はい!」コオオ
サターニャ「なんだかわからないけど、泥棒は駄目……ってタプリス!?あんた何してんの!?ガヴリール、どういうこと!?」
ガヴリール「こっちもよく分かってないんだが、今あいつは隣の悪魔に洗脳されてるらしい!」
サターニャ「何ですって……!!」
タプリス「ラドム!」
ガヴリール「くっ……悪魔的行為(デビルズアクション)!!」
サターニャ「ふん、この程度の術!」ガアン!!
悪魔「ぐっ!」
サターニャ「タプリス、悪いけど大人しくしてもらうわよ!」ガシッ
タプリス「きゃあ!や、やめてください!」
サターニャ「心配しないで!あんたに攻撃するつもりはないわ!」
タプリス「離してください!」パアア
サターニャ「何!?」
ガヴリール「(この光は……天使力!!)サターニャ、まずい離れろ!!」
タプリス「悪魔は消えてください!」ズバアッ
サターニャ「……っ!?」ドッ
ガヴリール「おい、サターニャ!」
サターニャ「」ドサッ
ガヴリール「大丈夫か!?」
サターニャ「うぅ……」フラフラ
ガヴリール「(まずい、天使力はもともと対悪魔用の力……!!)」
悪魔「よくやりました、タプリス」
タプリス「えへへ、とどめです!」コオオオ
サターニャ「(魔本の輝きが……)ガヴリール、私の後ろに……」
ガヴリール「何言ってんだ!?フラフラのお前に耐えられるわけないだろ!」バッ
サターニャ「ちょ……ガヴリール、駄目……!!」
タプリス「テオラドム!」
ドカアン!!
悪魔「ふふふ石版は無事ですね?」
タプリス「はい!」
悪魔「では行きましょうか」
………
ガヴリール「大丈夫か?サターニャ……」
サターニャ「あんた、これ……」
ガヴリール「結界だ、即席だから強度は大したことないけど、なんとかもったみたいだな」
サターニャ「こ、こんなことできたの!?」
ガヴリール「何だよそれ、私も一応は天使なんだが」
サターニャ「ま、まさか、あんたに守られるとはね……」
ガヴリール「私だってお前のパートナーだ。呪文以外だってサポートはしてやるさ」
サターニャ「ガヴリール……」
ガヴリール「それより、体は大丈夫か?」
サターニャ「普段はどうってことないのに、全然力が入らないわ……」グググ
ガヴリール「天使力による攻撃を受けてたからな……」
サターニャ「天使の攻撃があんなに強力なものなんて……」
ガヴリール「天使力は簡単に言うと魔力を消滅させる力だからな、悪魔が食らったらひとたまりもない筈だ」
サターニャ「どうりで力が入らないわけね……」
ガヴリール「ちょっと大人しくしてろ、魔力を回復させることはできんが怪我を少し治すくらいならできるから」ポワ
サターニャ「……、ごめん、ガヴリール……タプリスを、助けられなかったし……石版もとられちゃって……」
ガヴリール「……仕方ないよ」
サターニャ「まさか本の使い手だったなんてね」
ガヴリール「私も驚きだよ。でもそれ以上に、心を操る悪魔がいたなんて……」
サターニャ「確かに心を操るタイプの悪魔もいた気がするわ、にしたって最低ねパートナーを洗脳するだなんて!」
とりあえずここまで
まったり進行で
パクリ我っすクソスレ建てるな
取り合えず戦争と御城は今月中にはけものフレンズ化しないと
ログインボーナス無いDMMゲームはオワコン
ディリー任務が無いDMMサービスゲームはオワコン
学校
ラフィエル「おはようございます、ガヴちゃん、サターニャさん」
ガヴリール「おっす」
サターニャ「おはよう」
ラフィエル「一緒に登校なんて仲がよろしいんですね?」
サターニャ「んなっ!違うわよ!!」
ガヴリール「家が壊れて仕方なくな……」
ラフィエル「何かあったんですか?」
ガヴリール「うん。実はさ……」
ラフィエル「タプちゃんが、本の持ち主!?その上悪魔に洗脳されてるんですか!?」
ガヴリール「そうなんだ。昨日そのまま悪魔に逃げられて……居場所もわからないままで」
ラフィエル「それは困りましたね。では、報告がてら私は1度天界に戻ります。ガヴちゃんは引き続き警戒してください」
ガヴリール「うん……」
サターニャ「ガヴリール、天使の力でわかったりしないわけ?」
ガヴリール「無茶言うな、さすがに遠くの天使力までは感じ取れん」
ガヴリール「お前こそ悪魔の気配を感じたりできるんだろ?」
サターニャ「私も近くのだけよ!その……気配を探るのはそんなに得意じゃないのよ!」
ガヴリール「使えない悪魔だなぁ」
サターニャ「使えない天使に言われたくないわ!」
ガヴリール「はぁ、ラフィエルが戻ってくるまでは何もしようがないか…」
ガヴリール「石版を盗られたなんて天界に知れたらやだなぁ……」
サターニャ「大丈夫よ、タプリスの居場所がわかれば石版もそこにあるんだから」
ガヴリール「そうだろうけど……」
ガララッ
「ガヴ、サターニャ、おはよー!」
ガヴリール「あー、おはようヴィ……え!?」
サターニャ「ヴィネットあんた魔界に帰ったんじゃないの!?何でここにいるのよ!!」
ヴィーネ「うん。帰ったんだけど、魔界の仕事でちょっと下りて来たのよ!だからついでにガヴたちにも会いに来ちゃった!」
ガヴリール「いやいや、かっる!!私はもう、一生会えないもんだと!!」
ヴィーネ「私もこんなにすぐ下界に下りれるなんて思ってなかったんだけど、ちょっと事情があってね……」
サターニャ「魔界の仕事って言ってたわね、何やらされてるのよ」
ヴィーネ「ちょっと話すと長くなるのよね、ガヴたちにも無関係の話ではないんだけど」
ガヴリール「ってことは……、魔界の王を決める戦いのことか」
ヴィーネ「まあ、それ関係なんだけど……、ガヴ~!!」ギュー
ガヴリール「うわっ、な、何?」
ヴィーネ「久しぶり!私がいなくなってもちゃんとご飯食べてる?部屋掃除してる?ゲームばっかりしてない?」ギュー
ガヴリール「久しぶりに会って言うことそれかよ」
ヴィーネ「だって!ずっと気になって仕方なかったのよ!」
ガヴリール「お前は私の親か」
サターニャ「ヴィネット~」ソワソワ
ヴィーネ「ん?どしたのサターニャ」
サターニャ「………」ソワソワ
ヴィーネ「?」
ガヴリール「私にしたみたいにハグして欲しいんだろ、多分」
ヴィーネ「もう、仕方ないわね」ギュー
サターニャ「私、大悪魔になるために頑張ってるわよ!」
ヴィーネ「うん、ありがとね。あんまりガヴに負担かけちゃ駄目よ?」ナデナデ
サターニャ「任せなさい!」フンス
ガヴリール「何が任せろだよ」
サターニャ「何よ!!」
ヴィーネ「せっかく下界に来れたし、ガヴの部屋掃除しに行かないと!私は学校ないし行っていいわよね?」
サターニャ「ガヴリールの家なら昨日ふっとんだから、掃除しなくても綺麗にはなってるわよ。ね?」
ヴィーネ「えっ!?」
ガヴリール「あぁ!?誰のせいだと思ってんだよくそ悪魔!」
サターニャ「はぁー!?ぶっ壊したのは私じゃなくて相手じゃない!!」
ガヴリール「そもそも魔界の王を決める戦いなんて私からしたらどうでもいいものなんだからな、付き合ってやってるだけ感謝しろ、家直せ、金払え」
サターニャ「なーんでよりによって本の持ち主があんたなのかしらね、運悪すぎたわ」
ヴィーネ「まあまあ…、あんたたちは相変わらずね」
ガヴリール「てか、家行く前に話せよ。下界に来た理由」
ヴィーネ「あーそれね…。どうやら魔界の王を決める戦いにイレギュラーな事態が発生してるみたいなの」
ガヴリール「イレギュラー?」
ヴィーネ「この戦いは千年に一度、下界で行われることは知ってるわよね?」
サターニャ「ええ。私とヴィネットが下界に来たのもその戦いに参加するためだもの」
ヴィーネ「実は千年前に行われた前回の戦いに参加していた悪魔たちが復活したようなの」
ガヴリール「復活ってなんだよ。悪魔ってそんな長生きなのか?」
サターニャ「んなわけないでしょ!」
ヴィーネ「千年前の戦いのとき、何が起こったか詳しくはわからないんだけど、石の中に封じ込められたみたい。そして今になって、その封印が解かれ始めたのよ」
ガヴリール「石……?」ピン
あの続きか
サターニャ「今になって封印が解かれたってことは……」
ヴィーネ「ええ、おそらく封印を解いているのは現代の、今回の王を決める戦いに参加している悪魔だわ」
ガヴリール「へぇ、何考えてそんなことしてんだろうな~」
サターニャ「そんなのこの戦いで利用するため以外にないでしょ!卑怯な悪魔だわ!」
ガヴリール「卑怯なほうが悪魔っぽいけど?」
サターニャ「はあーあ、ガヴリールは悪魔のこと全然わかってないわね。卑怯な悪魔なんて全然かっこよくないわ、よって最低の悪魔よ」
ガヴリール「はいはい」
ヴィーネ「私の仕事は千年前の悪魔を見つけて魔界に強制送還することよ、彼らは今回の戦いには無関係だからね」
ガヴリール「なるほどな」
サターニャ「でも随分と急なのね」
ヴィーネ「そうね。まあそのおかげで下界に来れたし、対応が早い分にはいいんじゃないかしら!」
ガヴリール「仕事はちゃんとしとけよ~」
ヴィーネ「それガヴにだけは言われたくないわ!魔界からの命令だし私も働くわよ!」
サターニャ「……!!」ピクン
ヴィーネ「……あっ」ピク
ガヴリール「ん?」
サターニャ「な、何よこれ…」
ガヴリール「何か感じ取ったのか?まさかタプリスたちが……!?」
サターニャ「いいから本持って!外出るわよ!」ガシッ
ガヴリール「あっおい!」タッ
ヴィーネ「あっ、ガヴ!サターニャ!」
ガヴリール「ヴィーネ、お前は来るな!戦えないだろ!」
ヴィーネ「う、うん……」
校庭
ガヴリール「敵が来たんだよな!?どこだ!?」
サターニャ「それが……」
本の持ち主「ビライツ!」コオオ
悪魔「はああっ!!」
ギュアアッ
ガヴリール「うわっ!あぶねぇ。空気読めよここ学校だぞ!」
サターニャ「…………」ピクン
ガヴリール「行くぞ、サターニャ。悪魔的行為(デビルズアクション)!!」コオオ
サターニャ「…………」
ガヴリール「おい、どうした?呪文唱えたぞ」
サターニャ「伏せなさい!後ろよ!」バッ
ガヴリール「はあ!?」
バキイイイン!!
ガヴリール「後ろから、もう1組!?」
悪魔「早く呪文を!」
本の持ち主「ビライツ!」
ガヴリール「おいサターニャ!」
サターニャ「ごめん、そっちはあんたに…!」グググ
ガヴリール「あぁ!?くそっ!天使使いが荒い奴だ」パアア
ガヴリール「(さすがに2組が相手じゃ、私もそれなりに働かなきゃ無理か!)」
ガヴリール「(簡易天使結界!)」ヴン
ギュンッ
悪魔「ちっ、天使の結界か」
サターニャ「はあっ!」バシュッ
悪魔「ぐあっ!」
ガヴリール「おい、サターニャ」
サターニャ「油断しないでガヴリール!」
ガヴリール「は?何…」
本の持ち主「ガロン!」
ズドオオオッ
ガヴリール「!?上から何かが……」
サターニャ「3匹の悪魔の気配がしてたのよ!」
ガヴリール「嘘だろ、3組目…!?」
ガヴリール「(しかもこいつら、お互いに攻撃をしていない、まさか……組んでるのか!?)」
本の持ち主「グランセン!」コオオ
サターニャ「くっ!」ガキィン
本の持ち主「ガロン!」コオオ
悪魔「こっちだ!」
サターニャ「きゃあっ!」ドゴオッ
ガヴリール「サターニャ!…….くそ、3対1とか冗談だろ」
ガヴリール「こうなったら…、食らえ!」スピュッ
悪魔「ぐあっ!」ドシュッ
悪魔「何!?矢……!?」
サターニャ「うぅ……ガヴリール?」
ガヴリール「(しかもこいつら、お互いに攻撃をしていない、まさか……組んでるのか!?)」
本の持ち主「グランセン!」コオオ
サターニャ「くっ!」ガキィン
本の持ち主「ガロン!」コオオ
悪魔「こっちだ!」
サターニャ「きゃあっ!」ドゴオッ
ガヴリール「サターニャ!…….くそ、3対1とか冗談だろ」
ガヴリール「こうなったら…、食らえ!」スピュッ
悪魔「ぐあっ!」ドシュッ
悪魔「何!?矢……!?」
サターニャ「うぅ……ガヴリール?」
悪魔「天使か………」ジッ
悪魔「あれが、現代の天使……」ジッ
ガヴリール「な、なんだ……?こっち見て……てか、現代って」ハッ
ガヴリール「お前ら、千年前の悪魔か?」
サターニャ「なんですって…!」
本の持ち主「ビライツ!」コオオ
本の持ち主「グランセン」コオオ
ガヴリール「うわっ!?」
ギュアアッドドド!!
ビシッ……
ガヴリール「まずい、結界がもたな…」
バキイイイン!!
サターニャ「ガヴリール!」バッ
本の持ち主「グランセン!」コオオ
悪魔「食らえ!天使!」ドゴオ
サターニャ「させないわ!!」バキイイ
本の持ち主「ガンズ・ビライツ!」コオオ
悪魔「はあ!!」ギュアアッ
サターニャ「ええっ!?範囲攻撃!?」
ガヴリール「わあっ…!」
ドゴオオオン…
ガヴリール「く、う……サターニャ動けるか?」
サターニャ「あ、当たり前でしょ……大悪魔様がこんなところで倒れるわけにはいかないんだから…」グググ
悪魔「とどめ!」ズワッ
サターニャ「くっ、来なさい…!!」ザッ
悪魔「……!!」バッ
サターニャ「え、ちょ、私スルー!?」
ガヴリール「え?」
サターニャ「(狙いは、本の持ち主……!?)ガヴリール!そっち行ったわ!」
ガヴリール「っ!?…」
悪魔「はああっ!!」バッ
ガヴリール「くっ……」ギュッ
ヴィーネ「我、月乃瀬=ヴィネット=エイプリルの名において……開け!ゲートよ!」
ヴンッ!!
悪魔「!?」
ガヴリール「!?」
悪魔「何!?これは強制転移魔法陣……!?」
シュパアン……
ガヴリール「敵が、みんな消えた……!?」
ヴィーネ「ガヴ、大丈夫!?」タタッ
ガヴリール「ヴィーネ!今のお前が……?」
ヴィーネ「ええ。ここに来たのが全員千年前の悪魔なことがわかったから急いで来たの」
サターニャ「グッドタイミングね!」
ガヴリール「あぁ、助かった……」ヘロ
サターニャ「全く軟弱な天使ね!ヴィネットが魔界へ強制送還してくれなかったら正直やばかったわよ!」
ガヴリール「うるせぇな、お前のタフさが異常なんだろうが!怪我人労れよアホ悪魔!」
ヴィーネ「ガヴ、怪我したの?大丈夫?保健室行ったほうがいいかしら……」
ガヴリール「いいよ。大したことないし」
ヴィーネ「ほ、ほんと?」
ガヴリール「天使力が回復すればすぐ治せるから」
ヴィーネ「サターニャ、ガヴは手伝ってくれてるんだからちゃんと守ってあげるのよ!」
サターニャ「どうして私が!?てか、さっきのは仕方なくない!?」
ガヴリール「別にサターニャに守られなくても自分の身くらい守れるよ…」
サターニャ「ふふん。よく言ったわ!それでこそ我が下僕!」
ガヴリール「本燃やそ」
サターニャ「こらぁ!!」
ガヴリール「それより、悪魔は魔界に帰ったけど、本の持ち主は……あれ?」
ヴィーネ「みんな気を失ってる……?すみません、大丈夫ですか?」ポンポン
サターニャ「さっきまで普通に呪文唱えてたわよね、どうなってんの?」
ガヴリール「……天使」
サターニャ「ん?」
ガヴリール「本の持ち主、天使だ」
サターニャ「何よ急に。あんたもでしょ」
ガヴリール「………」
サターニャ「どうしたの?」
ガヴリール「なあ、前から少し思ってたんだけど、本の持ち主って全員天使なのか?」
サターニャ「……どうだったかしらヴィネット?」
ヴィーネ「戦いが下界で行われることは聞かされたけど、本の持ち主が天使っていうのは聞いたことない、かも」
サターニャ「ラフィエルもタプリスも、本の持ち主だったわね!やっぱり偶然ってことはないんじゃないかしら?」
ガヴリール「それがマジなら、何で魔界関係の催しに天使が駆り出されなきゃなんないんだよ、お前らで勝手にやれよな」メンドメンドメンド
サターニャ「わ、私に言われても困るわよ!!」
天使「うぅん……」パチ
ヴィーネ「あっ気がついた!大丈夫ですか?」
天使「あれ?私は一体何を……この本は?」
サターニャ「は?何よあんた、覚えてないの?」
ガヴリール「おーい」
天使「あっ、天使……?」
ガヴリール「お前、下界で研修中?」
天使「はい、そうですけど。あなたも?ですよね?」
ガヴリール「うん。歳が近そうだと思ったらやっぱりか。本を使ってたときのこと、まじで覚えてないのか?」
天使「え?ええ……。それより、ここは一体?」キョロキョロ
サターニャ「ここはニッポンよ!」
天使「ニッポン!?どうして私そんな遠い所に……!?!」
学校
ガヴリール「記憶もなさそうだったし、とりあえず天使たちにはそれぞれの研修先に帰ってもらった。あとで天界に報告したほうがいいかもな」ハァ
サターニャ「あんたたちも魔界の王を決める戦いのこと、天界から何も聞いてないわけ?」
ガヴリール「全然。……しかしなるほどな、下界で行われるってことは研修中の天使が巻き添え食らうってことか。タプリスみたいな例外もあるみたいだけど」
ヴィーネ「なんか、ごめんね…」
ガヴリール「別にお前が決めたことじゃないじゃん。それに、嫌ならすぐ本を燃やして終わりにすればいいだけだし」
サターニャ「だから燃やすんじゃないわよ!!」
ガヴリール「でも天界も、前もって何も言ってくれないなんてどういうことだよ」オコ
ガヴ宅
ガヴリール「家直って良かった!!」
ヴィーネ「何回破壊されるのかしらねこの家」
ガヴリール「初回はお前だけどな?」
ヴィーネ「あれは忘れましょう!?それよりご飯作ったから食べるわよ」
ガヴリール「おー、サンキュー」
ヴィーネ「あと、しばらく泊まってくからね」
ガヴリール「は?」
ヴィーネ「言ったでしょ、魔界の仕事で来てるって。もう下界の家は引き払っちゃったし、住むとこがないのよ」
ガヴリール「いや、でも何でうち?サターニャんとこ行ったら?同じ悪魔なんだし」
ヴィーネ「駄目よ!ガヴの私生活が心配すぎ!」
ガヴリール「お前なんなんだよマジ……、はぁ、まあいいけどさ」
ヴィーネ「ありがとう、ガヴ」
ガヴリール「ん……」
ガヴリール「ベッド使っていいよ」
ヴィーネ「え、でも私居候だし」
ガヴリール「大丈夫。私いつも床で寝てるから」
ヴィーネ「ってそれネトゲで寝落ちしてるだけでしょ!?」
ガヴリール「まあな」カタカタ
ヴィーネ「言ってるそばから!今日はもう寝るわよ!」
ガヴリール「はぁ!?まだ日付変わったばっかりじゃん!?」
ヴィーネ「あんたねぇ……」ハア
ヴィーネ「……ん?」
ガヴリール「どした?」
ヴィーネ「ごめん、ちょっと魔界から念話が」ドタバタ
バタン
ガヴリール「おー、忙しいな」
バタン
ヴィーネ「ただいま」
ガヴリール「おー」
ヴィーネ「ガヴ、千年前の悪魔たちを蘇らせている悪魔が判明したわ」
ガヴリール「ほう」
ヴィーネ「名前はゾフィス。爆炎系の術を使う悪魔よ」
ガヴリール「爆炎……?」ピク
ヴィーネ「どしたの?もしかして心当たりがある?」
ガヴリール「そいつってもしかして、洗脳とかできる?」
ヴィーネ「えっと、他人の心を操る力があるから、洗脳も可能じゃないかしら」
ガヴリール「そいつだ……!うちから石版を盗んだのも頷ける。そこに封印されていたんだ、千年前の悪魔が!」
ヴィーネ「石版?」
ガヴリール「そっか、ヴィーネには話してなかったな。天界から預かった石版。どうやらお前の言う、千年前の悪魔が封じられてる石みたいだ」
ヴィーネ「待って。天界から預かったって言った?」
ガヴリール「うん」
ヴィーネ「何で?石版が天界にあったの?」
ガヴリール「らしいぞ」
ヴィーネ「そんなの、ありえない……」
ガヴリール「だよな、魔界のものなのに」
ピンポンピンポンピンポン
ガヴリール「あ?」
ガチャッ
サターニャ「ちょっと!ガヴリール!お泊まり会するなら私も呼びなさいよ!!」
ガヴリール「帰れ」
ヴィーネ「サターニャ、何しに来たの?」
サターニャ「お泊まり会に来てあげたのよ!ヴィネットがガヴリールの家に泊まるって聞いて!」
ガヴリール「帰れ」
サターニャ「何でよ!!」
ガヴリール「見て分かれよ、定員オーバーだっつの」
ラフィエル「こんばんは~」シュタッ
ガヴリール「うわあっ!?」ビクッ
ヴィーネ「ラフィ!?」
ガヴリール「ねえお前ら何なの?何でうちに集まるの??」
ラフィエル「あらあら、驚かせてしまってすみません~、さっき天界から戻ったので、ガヴちゃんに報告しようかと思いまして」
ガヴリール「なんだそういうことかよ」
ヴィーネ「久しぶり、ラフィ。天界に行ってたのね」
ラフィ「あら?どうしてヴィーネさんが?」
ヴィーネ「かくかくしかじかで」
ガヴリール「かくかくしかじか」
ガヴリール「それで、タプリスの居場所は分かったのか?」
ラフィエル「タプちゃんを天界のほうから探してもらいましたが、どうやら彼女は南アメリカの遺跡にいるみたいですね」
ガヴリール「!?なんでそんな所に?」
ラフィエル「悪魔が連れて行ったのではないでしょうか?それからもう一つ気になることがありまして……」
ガヴリール「?」
ラフィエル「下界で研修中の天使何人かが突然行方不明になったとの報告が……、そしてどうやらその報告にあがった天使たちもタプちゃんと同じ場所にいるようなんです」
ガヴリール「これは……」
ヴィーネ「ええ、間違いない。千年前の悪魔の、本の持ち主の天使たちだわ」
サターニャ「タプリスたちは大丈夫なの?」
ラフィエル「私が千里眼で見てみましょうか」
ガヴリール「そうだな、頼む」
サターニャ「って、あんたもできるんじゃないの?」
ガヴリール「ラフィのが精度が高い」
サターニャ「へーえ、そうなの」
ラフィエル「毎日やってますからねぇ~」
サターニャ「へー……ん?」
ラフィエル「ではいきますよ」ピカアア
サターニャ「ちょっと待って、今すごく何か引っかかったんだけど」
ガヴリール「あまり気にするな」
ラフィエル「千里眼!」ピィーン
ラフィエル「……遺跡はお城のような地形ですね。タプちゃんは無事みたいです……どうやら遺跡内部の上階にいるようですね。階下には千年前の悪魔が点在しています」
ヴィーネ「やっぱりいるのね」
ガヴリール「私達だけじゃそいつら全員を相手にするのは無理だぞ」
ラフィエル「戦闘を避けるためには飛んで上階に侵入するのが良さそうです」
ヴィーネ「ガヴたちはタプちゃんを助けるのに専念して。千年前の悪魔たちは私が処理するわ」
サターニャ「強制転移ゲートカードがあるからって1人で大丈夫なの?」
ラフィエル「でしたらヴィーネさんのフォローは私がしますよ」
ヴィーネ「ありがとうラフィ!」
ガヴリール「じゃあ私とサターニャで、一気に上階に攻め入って……」
サターニャ「タプリスを操ってるアイツをぶっ飛ばして、全て解決ね!!」
魔物基本的に好きだけどゾフィスは好きになれんかったな
洗脳が怖くて
翌日
ヴィーネ「ガヴ、朝よ。ご飯食べたら出発だからね」
ガヴリール「ん……わかった。てかせまい。結局みんなうちに泊まりやがって」
ラフィエル「ふふふ、でもお泊まり会楽しかったですね~」
サターニャ「zzz…」
ガヴリール「起きろ、アホ悪魔」ゲシッ
サターニャ「!?いった!なにすんのよ!」
ガヴリール「さっさと起きろ。もうすぐ出発するぞ」
南アメリカ・遺跡
シュタッシュタッ
サターニャ「わ、本当にすぐ着いた。便利ね、天使の瞬間移動!」
ガヴリール「神足通な」
ヴィーネ「みんな、昨日言った作戦は覚えてる?」
サターニャ「ええ。私とガヴリールでタプリスを助けに行くのよね!」
ヴィーネ「私達は階下の千年前の悪魔を相手する、けど……おそらくゾフィスのところにも千年前の悪魔はいると思うの」
ガヴリール「普通に考えればそうか……」
サターニャ「つまり、そいつらもぶっとばせばいいのね!」
ヴィーネ「ま、まあそうなんだけど……」
ラフィエル「お2人にかかる負担が大きいですね。大丈夫でしょうか……」
サターニャ「問題ないわ!!」
ガヴリール「簡単に言いやがるな」
ヴィーネ「!…来るわ!」ピクン
ラフィエル「やはり神足通を勘づかれたようですね」
ガヴリール「よし、じゃあさくっと終わらせるか。行くぞ、サターニャ」バサァ
サターニャ「ヴィネット、ラフィエル、あんたたちだけで本当に大丈夫?」
ヴィーネ「私はあなたたちのほうが心配よ!とにかくそっちは任せたわ、ガヴをよろしくね、サターニャ!」
サターニャ「わかったわ!」バサァ
遺跡内部
ゾフィス「どうやら二手に分かれたようですね」
タプリス「あ~!はやく天真先輩来ないですかね!はやく本を燃やしてあげたいです!」
ゾフィス「タプリスは優しい子だね」
タプリス「当然です!私は悪魔を王にするために働く道具!その名も天使ですから!」
ゾフィス「彼女達はここまで辿り着けるかな……、いや、君の記憶が正しければきっと来るだろうね」
ゾフィス「天真=ガヴリール=ホワイト、か……あの下級悪魔風情が、まさか天使学校の主席天使を引くとはね」
ゾフィス「面白くなりそうです」フフ
バサバサ
サターニャ「ガヴリール、タプリスはどのへんにいるの?」
ガヴリール「細かい位置はわからないな」
サターニャ「!」ビクゥ
ガヴリール「どうした?」
サターニャ「感じるわ、悪魔の大きな気配!あそこよ!」ヒュン
ガヴリール「あっ、おいサターニャ!」ヒュン
遺跡内部
スタッ
サターニャ「卑劣な悪魔ども!大悪魔様が来てあげたわ!さっさと天使たちを解放しなさい!」ズビシ
千年前の悪魔「来たか」ズッ
千年前の悪魔「待ちわびたぜ」
サターニャ「あれ?ゾフィスじゃない!?」
ガヴリール「待てってサターニャ!……お前考えなしに突っ込みすぎだろ!こっちが不利な状況わかってんのか!?」バサァ
サターニャ「!ガヴリール!ゾフィスはこいつらの奥よ!気配がするわ!」
ガヴリール「話聞け」
ガヴリール「やっぱりヴィーネの言った通り、そう簡単にゾフィスのところには行けないか。」ハア
千年前の悪魔「やっと戦えるな……」
千年前の悪魔「あの時の恨み……」
ガヴリール「ん?」
本の持ち主「ボギルガ!」コオオ
千年前の悪魔「はぁ!」ギュビッ
サターニャ「ガヴリール!呪文を!」バッ
ガヴリール「おう、悪魔的行為(デビルズアクション)!」コオオ
ズバアッ
ガヴリール「(やっぱりだ、この感じ……前に会った千年前の悪魔からも感じた……)」
ガヴリール「(憎悪……!?)」
ガヴリール「おい、お前らは何でゾフィスに協力してるんだ?お前らの戦いは千年前に終わっただろ?」
千年前の悪魔「………」
サターニャ「そういわれればそうね!封印を解いてくれたお礼かしら?」
千年前の悪魔「馬鹿か貴様は」
サターニャ「馬鹿って言うな!!」
千年前の悪魔「我々は自分のために戦っている。ゾフィスとは利害が一致しているだけだ」
本の持ち主「デズルガ!」コオオ
千年前の悪魔「はあっ!」ガッ
ガヴリール「……!」バサアッ
ドガアアン!!
サターニャ「ガヴリール!」
ガヴリール「危ねぇな……」バサッ
サターニャ「くっ、悪魔ども!狙うなら私にしなさいよ!本の持ち主を狙うなんて卑怯よ!」バッ
千年前の悪魔「天使と共闘して、同胞に刃を向けてる貴様がそれを言うか?」
サターニャ「な、何ですって…!」
サターニャ「あんたたちだって、本の持ち主は天使なんでしょ!?」
千年前の悪魔「我々の本の持ち主は、ゾフィスによって調整を受け、心を操られた天使だ」
千年前の悪魔「呪文を唱えてくれる道具だな!はっはっは!」
サターニャ「何て酷いこと……!!」
千年前の悪魔「酷い?我々の方が酷い目にあわされたんだぞ?」
千年前の悪魔「千年前の戦いで我々を石に封じ込めたのは、他でもない、天使なのだからな!」
サターニャ「なっ!?」
ガヴリール「それでか、私に向ける強い恨みのこもったあの視線は」
千年前の悪魔「そうだ。我々は天使のせいで千年間も……石の中に閉じ込められた!」
サターニャ「そんな……、本当なの?ガヴリール」
ガヴリール「千年前の話だぞ、私が知るかよ。ただ……」
サターニャ「?」
ガヴリール「ひとつ合点が行くことがある」
ガヴリール「石版が天界でみつかったことだ。最初は疑問でしかなかったが、天使が悪魔を封じたのであれば、石版が天界にも存在したことに説明はつく」
サターニャ「てことは、本当なの……?」
ガヴリール「可能性はあるな」コク
千年前の悪魔「これは魔界より課せられた、王を決める戦い。天使の本の持ち主を使い、悪魔同士が戦い合い、1人の王を決めるもの」
千年前の悪魔「しかし」
千年前の悪魔「それは間違いだった。千年前には気づけなかった。この戦いの本当の意味……」
千年前の悪魔「これは本来、悪魔と天使が戦い合うものということを」
ガヴリール「何だと……?天使と悪魔の戦いを助長するために、天使を戦いに巻き込んでるってのか?」
サターニャ「そんなことあるわけないわ!天使は本の持ち主なのよ!」
千年前の悪魔「それがどうした?」
千年前の悪魔「ゾフィスは魔界の王になったら、天界と戦争を起こすと言っていたぞ」
ガヴサタ「「!?」」
ガヴリール「お前らがゾフィスに協力する理由はそれか」
千年前の悪魔「そうだ」
千年前の悪魔「我々の側につくのなら今のうちだぞ、そこの悪魔。でなければここで魔界に帰ってもらうことになる」
サターニャ「…………」
ガヴリール「どうする?サターニャ」
サターニャ「どうするって、あんたはどうするのよ。もうあんたにも無関係な話じゃないわ」
ガヴリール「まあそうだけど。正直天界のことはどうでもいいんだよなぁ、地上で暮らしたい身としてはさ」
サターニャ「あんたこんな時に何言ってんの?」
ガヴリール「冗談だよ、そんな顔するな」
ガヴリール「もしもお前が悪魔として向こうにつくなら、この本はお前に返そう。もう1度聞くぞ、お前はどうする?」
サターニャ「本を返すですって?」ニヤ
サターニャ「その本はもうあんたに預けたものよ。私の本の持ち主は1人だけ。あんただけよガヴリール」
ガヴリール「……、そうかよ」
千年前の悪魔「何?まさかお前ら」
サターニャ「なーーーっはっはっは!天界と戦争ですってぇ?小悪魔らしくスケールがちっちゃすぎる話だわ!!」
千年前の悪魔「なに!?」
サターニャ「そんなことせずとも真の大悪魔ならば下界、いや天界すらもその存在でもって簡単に支配下に置いてみせるわ!!」ビシッ
ガヴリール「何言ってんだこいつ」
千年前の悪魔「どうやら容赦はいらないようだな」
サターニャ「大悪魔になるのはこの私よ!行くわよ、ガヴリール!」
ガヴリール「へいへい」
千年前の悪魔「呪文を唱えろ天使!」
本の持ち主「ボギルガ!」コオオ
本の持ち主「デズルガ!」コオオ
ギュビッ!!ガッ!!
千年前の悪魔「2対1で勝てるわけがないだろ!」
ガヴリール「サターニャ、ちょっと下がれ」
サターニャ「は!?何でよ!」
ガヴリール「いいから」パアア
ガヴリール「(天使結界)」ヴン!!
ドガアアアン!!
千年前の悪魔「っ……!?」
千年前の悪魔「結界で全て防がれた!?」
ガヴリール「今だ!」コオオ
サターニャ「!…わかったわ!」バッ
ガヴリール「悪魔的行為(デビルズアクション)!」コオオ
ギュンッ!
千年前の悪魔「!」
サターニャ「隙だらけよ!」ズバアッ
千年前の悪魔「ぐああああーーっ!!」
千年前の悪魔「悪魔ともあろう者が天使の力を借りるなど……!!」
サターニャ「はぁ!?べ、別に今のは私1人でもなんとかなったし!?」
スピュッ
千年前の悪魔「ぐあああ!!」
サターニャ「!?」バッ
千年前の悪魔「天使の矢……くそが!どこから……!!」キョロキョロ
千年前の悪魔「お、おい、お前の体!」
千年前の悪魔「え!?透けて……、まさか!?」
メラメラメラ……
ガヴリール「勝負あったな」
千年前の悪魔「馬鹿な、本が燃え……いつの間に……」
ガヴリール「天使には瞬間移動が使えるんだ、知らなかったのか?」
千年前の悪魔「ふ、ふざけるな!これだから天使は……!!」バッ
ガキィン!!
サターニャ「勝負がついたのに、悪あがきなんてみっともないわよ」
メラメラメラ……シュウウ
千年前の悪魔「くそが、こんな、こんな簡単に……」スゥ…
ガヴリール「これで操られていた本の持ち主たちも解放されたな」
サターニャ「って、あんたねぇ!」クルッ
ガヴリール「あ?」
サターニャ「何1人で終わらせてるのよ!!私を活躍させなさいよ!!大悪魔になるのは私なのよ!?」
ガヴリール「だってさ」
サターニャ「何よ」
ガヴリール「お前の術って身体能力強化みたいなやつで、複数相手向きじゃないじゃん」
サターニャ「それは……、そうだけど」
ガヴリール「まあ、いい囮になったんじゃないか?」
サターニャ「あんたね!!……はぁ、ったく、あんたが本気を出せば、きっと私の力も要らないんでしょうね」
ガヴリール「何だよ、落ち込んでんのか?」ニヤ
サターニャ「ふん、そんなわけないでしょ。最初から本気出せって言いたかったのよ」
ガヴリール「本気を出すのは疲れるしやだ」
サターニャ「やっぱり駄目ねこの天使」
ガヴリール「でも今は別だ。タプリスを助けるまではな」
サターニャ「私を大悪魔にするまで、でしょうが!」
ガヴリール「あのなー、天使力も使えば減るんだからな。あんまり当てにされても困る」
サターニャ「別に当てになんかしてないわよ!!」
ガッシュ知らないけど面白い
ガヴリール「そんで?ゾフィスはどこにいるんだ?」バサッ
サターニャ「向こうから気配がするわ。逃げないってことは、迎え撃つ気みたいね」バサッ
ガヴリール「そっちのが楽で助かる」
サターニャ「……」バサバサ
ガヴリール「……」バサバサ
サターニャ「ガヴリール」
ガヴリール「ん?」
サターニャ「さっきあいつが言ってたことってさ……」
ガヴリール「何の話?」
サターニャ「天使が本の持ち主になる理由よ。少し思っちゃったの……魔界の王を決める戦いなら、確かに悪魔同士でやれば充分だって。どうしてこの戦いに天使を巻き込むのかって……」
ガヴリール「……」
サターニャ「あいつらの言う通り、魔界の王を決める戦い、なんてただの建前で、本当の目的は、悪魔と天使が戦うためなのかしら……」
ガヴリール「……んなもん知らねーよ」
サターニャ「え?」
ガヴリール「この戦いがどんな意図でされてようと、どうでもいいだろ」
サターニャ「いや、よくないでしょ!」
ガヴリール「じゃあもし本当に、天使と悪魔を戦わせる意図で行われていたとしたら、お前は私に鎌を向けるのか?」
サターニャ「ななな何言ってんのよ!?自分の本の持ち主にそんなことするわけないじゃない!!」
ガヴリール「じゃあ、ほかの天使なら?」
サターニャ「……」
ガヴリール「そうだな、私目線の話だが例えば悪魔でもヴィーネはすごい良いやつだ。これからも仲良くやっていきたいと思う。でもゾフィス、あいつは別だ。ぶっとばしたい」
サターニャ「う、うん……それは私も同じだけど」
ガヴリール「じゃあそんなもんでいいんじゃね?」
サターニャ「って何でそんな適当に受け流せるのよ!」
ガヴリール「はぁ……、前から思ってたこと言っていい?」
サターニャ「な、何よ」
ガヴリール「お前真面目すぎ」
サターニャ「はあ!?」
ガヴリール「まー、真面目なことが悪いこととは言わないけどさ」
サターニャ「あんたは適当すぎよ……」ボソ
ガヴリール「うるっせーな、いいだろ適当で。魔界の意図なんて知るかってんだよ。それよりもお前がどうしたいか、だろ」
サターニャ「……、自分がどうしたいか」
スイーッ
ストン
サターニャ「ここね……」
ガヴリール「よし、慎重に」
ギィ……バタンッ!!
サターニャ「サタニキア様とその使い魔ガヴリールが来てやったわよ!覚悟しなさい!ゾフィス!!」
ガヴリール「ってお前さぁ、なんですぐ入るわけ?何も考えてないわけ?」
ゾフィス「お待ちしておりましたよ」
タプリス「天真先輩!」
ガヴリール「あっタプリス……!」
サターニャ「!……」ゾワ
サターニャ「ガヴリール、ちょっと!」
ガヴリール「あ?何だよ呪文唱えるぞ」
サターニャ「嫌な感じがするわ……魔力が充満しているような」
ガヴリール「どういうことだ?」
サターニャ「おそらくこの場にいる悪魔はこいつ1体だけだけど……でも気をつけて」
ガヴリール「何をだよ、もっと何か分からないのかよ」
サターニャ「わからないわ!」
ガヴリール「無能悪魔だな」
サターニャ「とにかく、気をつけるのよ!」
ガヴリール「ちっ…(じゃあ念のため最初から結界を…)」ヴン!
シュウ…
ガヴリール「あ?」
サターニャ「何?」
ガヴリール「結界が張れん」
ゾフィス「当然。ここは私の張った魔術結界の中ですからね」
ガヴリール「何?」
サターニャ「いつの間に!?」
ゾフィス「最初からですが」
タプリス「あなたたちが自分から入って来たんですよ!」
サターニャ「この嫌な感覚はそれだったのね!卑怯よ!こんな待ち伏せみたいなこと!」
ガヴリール「何も考えず入ったお前のせいじゃねーかよ!」
ゾフィス「この魔術結界の中では天使の力は使えません」
ガヴリール「んな……確かに神足通も使えねえ、というか、天使力のコントロールが効かない。やられたな」
サターニャ「何ですって!」
ガヴリール「……、でもタプリスも中にいるけど?」
タプリス「はい?」
サターニャ「ふん、わかったわ!あんたの思惑が!!天使の力を借りず、公平にやろうって話ね!!」
ゾフィス「ふふ……、公平、ですか」
サターニャ「何よ?」
ゾフィス「そうですね、公平です」
ガヴリール「仕方ない、行くぞサターニャ。私は呪文唱えるくらいしかできないから、頼むぞ」コオオ
サターニャ「任せなさい!悪魔として格上なのは当然私、負ける理由がないわ!」
ガヴリール「悪魔的行為(デビルズアクション)!」コオオ
サターニャ「はあっ!」ズバッ
ゾフィス「やはり速い!距離をとっておいて正解です」
タプリス「ラドム!」コオオ
ドカァン!
サターニャ「(あいつの爆炎の術は手から出る!大体の攻撃位置は読めるわ!)」サッ
ドカァン! ドカァン!
サターニャ「(それがわかれば避けるのも簡単!)」サッ
ゾフィス「!!」
ズバッ
ゾフィス「ぐあっ!」
サターニャ「さあタプリス、あんたに攻撃はしたくないけど、本は力づくでも渡してもらうわよ」
タプリス「駄目です!」ババッ
サターニャ「ちょ、何でこんなやつ庇うのよ!」
ゾフィス「今のタプリスは私の道具なのですから当然です」
タプリス「テオラドム!」コオオ
ドカアアアン!!
サターニャ「あっぶな!」
サターニャ「(心が操られているのなら、少し手荒なこともしないとどうにもならないわね…!)」
ドカアアアン!! ドカアアアン!!
サターニャ「くっ、こんな狭いところで爆発を連発させるんじゃないわよ!ほとんど逃げ場が……!!」ハッ
ゾフィス「ようやく気づきましたか。少しは本の持ち主に気を配らないと、あっさり燃えてしまいますよ?本が」
サターニャ「ガヴリール!」ヒュンッ
ガヴリール「……、大丈夫、本は無事だ」
サターニャ「本よりあんたの体は!?」
ガヴリール「心配すんな、爆発がちょっと熱いだけだよ。でもこの部屋の狭さ、術の強度が増すぶん逃げ場がなくなる」
サターニャ「ええ、あいつらそれも考えてるわ」
ガヴリール「ともかくお前は私のそばにいると攻撃もできない、私なんかより敵に集中しろ」
サターニャ「そんなこと……」
ガヴリール「本は守ってやるからさ。それとも私が信用できないか?」
サターニャ「そ、そんなわけないでしょ!タプリスには悪いけど、私も本気で本を取りに行くわ」
ガヴリール「遠慮するな。あいつだってこんなこと、望んでない!」
サターニャ「わかったわ!」コク
ゾフィス「(本の持ち主を守るかと思いましたが、向かってきますか。離れてくれるなら好都合ですね)」
ゾフィス「タプリス、最大呪文を。一気に決めましょう」
サターニャ「(!…ゾフィスの本の輝きが……!まさか)」
タプリス「ディオガ・ラドム!」コオオオオ
ドカアアアアアアン!!!
サターニャ「ぐっ……!」ブオッ
ドッ ドシャッ
サターニャ「(こんなでかい術を屋内で放つなんて、何考えてるのよ……!!)」
サターニャ「あっ!」
タプリス「……」
サターニャ「タプリス!」バッ
サターニャ「大丈夫!?何よあいつ、自分の本の持ち主まで巻き込むなんて……」
タプリス「駄目、です、本は、燃やさせません、よ……」グググ
サターニャ「(こんな状態でも、あいつの本を守ろうと……)」グッ
ゾフィス「無駄ですよ、その道具は死ぬまで本を守り続けますからね」
サターニャ「ゾフィス!」バッ
ゾフィス「おっと、鎌を構えるのはやめてもらいましょうか?」スッ
サターニャ「えっ……、私の本…?」
ゾフィス「あなたの本は私の手の中です」
サターニャ「そんな!じゃあガヴリールは……!」バッ
ゾフィス「天使力の使えぬ天使など赤子の手を捻るようなものです。私の結界内にあなたたちが入った段階で勝敗は決してしましたよ」
ガヴリール「……」
サターニャ「ガヴリール!」
ゾフィス「しかし驚きです。あなたは天使の心を操る能力など持っていない。一体どんな魔術でもって天使に本を守らせていたのです?」
サターニャ「は……?」
サターニャ「あんたなんかと一緒にしないで!友達に魔術なんて使うわけないでしょうが!」
ガヴリール「……うっ」グッ
サターニャ「あっガヴリール!」バササッ
ゾフィス「天使を友達と呼称しますか、面白いですね」
サターニャ「大丈夫!?」
ガヴリール「……あれ?お前は」
サターニャ「?」
ガヴリール「悪、魔……」ギン
サターニャ「え?」
サターニャ「どうしたのよ、ガヴリール……」
ゾフィス「あぁ、そうそう。本を奪う前に、その天使の心も操らせてもらいました」
ゾフィス「余興というものです。本を燃やす前のね」ニヤ
サターニャ「あんたが……、ガヴリールの心を操って、本を奪ったって言うの?」
ゾフィス「さて、天使の力を抑える結界はもう要りませんかね」パチン
ゾフィス「存分に力を奮ってください、目の前の悪魔を殺すために、ね」
ガヴリール「……」パアアア
サターニャ「そんな……、ガヴリール……」
ゾフィス「安心してください。後で天使の洗脳は解いてやりますよ、あなたを殺した記憶は残したままね」
サターニャ「……!」
ゾフィス「あなたを殺したのが自分だとわかった時、どんな心の壊れ方をしてくれるんでしょう、実に楽しみです」
サターニャ「何て、やつなの……!」
ゾフィス「私は、悪魔ですよ」ニヤ
サターニャ「……!」
ゾフィス「さあどうします?殺られる前に殺ってしまいますか?友達と呼んだ天使を」
普通に面白い
ゾフィスの性格の悪さ出てるわ
ただ、ゾフィスの最大呪文はディオガ・テオラドムだったはず
ディガン・テオラドムとかいうのもあったかな
威力はディオガ>ディガンだけど、ディガンもかなり強力な呪文
バシュッ
サターニャ「っ!」バッ
サターニャ「(何よ今の!手加減も何も無いじゃない……!!)」
バシュッ バシュッ
ドガアアアン!!
サターニャ「……くぁッ!!」
ドサッ
サターニャ「(掠っただけでこれって、何よあいつ、強すぎじゃないの……)」
サターニャ「(首席なんて半信半疑だったけど、こいつ本当に凄い天使だったのね…….)」
バサッバサッ
ストン
ガヴリール「……反撃してこないのか?」
サターニャ「……」
サターニャ「ちょっと前にね、ある天使に言われたのよ。お前がどうしたいか、で考えろって」
サターニャ「だから私は、あんたに鎌は向けない」
ガヴリール「……じゃあこのまま死ぬのか?」パアア
サターニャ「やれるもんなら、やってみなさいよ」ニヤ
ガヴリール「……」パアア
ガヴリール「死ね」
バシュッ
ゾフィス「ぐああああっ!!!!」ドシュゥ
サターニャ「……!」
ゾフィス「ぐ、あ……な、なぜ」
ガヴリール「天使を舐めてんじゃねーぞ、くそ悪魔」
ゾフィス「な、に!?術が解けている……!?」
ガヴリール「何驚いてんだ?自力で解けないとでも思ってたのかよ」
ガヴリール「自分から結界解いたのが仇んなったな」
ゾフィス「馬鹿な!私の術を自力で解くなど、そんなことが……!」
ガヴリール「お前は私の力を侮ってないと思ったけどな?じゃなきゃあんな結界張る必要ない」
ガヴリール「お前は私の天使としての力を恐れていた、そうだろ?」パアアアア
バシュッ
ゾフィス「ぐああああっ!」ドサッ
サターニャ「ガヴ、リール……!良かったぁ……」ギュ
ガヴリール「うわきもっ、抱きついてんじゃねえよ!」
ガヴリール「……てかお前、私が自力で術を解くの読んでたのか?」
サターニャ「ううん。でもあんたさっき言ったじゃない、本は守るって。私はあんたの言葉を信じただけよ」
ガヴリール「……っ、そうかよ」
ゾフィス「ぐ、ぅ……」グググ
ゾフィス「タプリス!呪文です!こいつらに最大呪文を……!!」
タプリス「……」
サターニャ「タプリスはあんたの術に巻き込まれてたわ、怪我を負いながらあんたの本を守ってね!」
ゾフィス「当然でしょう、命を張って本を守るよう操作しているんですから!クソッどこまで役立たずの道具なんだ!!くそ天使が!」
ガヴリール「この外道とは話をするだけ無駄だわ」
ゾフィス「本がこちら側にあるのを忘れましたか?私の言うとおりにしなければすぐにでも燃やして」
ガヴリール「うるせぇ勝手に燃やしとけ」パアアア
バシュッッ
ゾフィス「がはぁ!」ドサァ
サターニャ「いや燃やしとけじゃないわよ!!」
ガヴリール「燃えなかったみたいだな」ヒョイ
サターニャ「し、心臓に悪すぎるわ……」
ガヴリール「ま、お前が信じてくれたのに、かっこわるい真似はできないしな……」
サターニャ「え?」
ガヴリール「何でもない」
メラメラメラ…
ゾフィス「クソが!クソがぁ……」シュウ…
ガヴリール「うるせーな、とっとと魔界帰れよ」
サターニャ「こんだけ下界で暴れ回って、天使にも手を出したらきっと魔界警察も黙ってないわよ」
ゾフィス「下級悪魔風情が……ただの運で当たりの天使を引いたお前に、オレの気持ちなどわからんだろうな……!」
サターニャ「……?下級悪魔風情って?もしかして私のこと?」
ガヴリール「お前以外いないだろ」
サターニャ「はあ!?うちは下級悪魔じゃないしぃ!そもそもガヴリールが当たり天使って……ふふ、あはははは!!」
バシッ
サターニャ「何すんのよ!駄目天使!」
ガヴリール「……お前のその言い方だと、パートナーの天使はランダムで選ばれるように聞こえるが?」
ゾフィス「そうだ。オレたち下界に来た悪魔には1人に1人ずつ、天使の本の持ち主が選ばれる。下界研修に来ている天使を中心に、ランダムにな」
ゾフィス「本の持ち主となる天使の力は、オレたちに大きな影響を与えるのさ。当然力の強い天使を引き当てればそれは大きなアドバンテージになる」
ゾフィス「天使であるお前ならば分かるだろう?対悪魔において天使の力がいかに有用かはな」
ガヴリール「ふーん……」
ゾフィス「タプリスは本当に使えない天使だった……ろくにオレの言うことも聞かないし、協力もしない!天使の力も中途半端!」
ガヴリール「天使は道具じゃない。仮にお前の本の持ち主が私だったとしても、私はお前なんかに協力しないし、操られる気もない」
ゾフィス「ならばお前はなぜそいつの本を守る?」
ガヴリール「…!」
ゾフィス「タプリスの記憶を読んだぞ。お前は天使学校を首席で卒業した天使だろ?その力があれば、パートナーの悪魔に従わされてるわけでもあるまい?」
ガヴリール「別に……、私たちはタプリスを助けに来ただけだ」
ゾフィス「それだけで怪我を負ってまで本を守るか?すぐに本を手放していればそもそもオレの術にかかることもなかっただろうが」
ガヴリール「だぁーーーもううっせえな!はやく魔界帰れクソ悪魔!」バシュンバシュン
サターニャ「ちょ、ガヴリール落ち着きなさいよ!」
メラメラメラ…
シュウウウ……
サターニャ「終わった、わね」
ガヴリール「そうだな、あー最後まで本当に胸糞悪いやつだった」イライラ
サターニャ「ガヴリール……」
ガヴリール「んだよ」
サターニャ「ありがとう、本を守ってくれて」
ガヴリール「……、別に。本の持ち主だからな」
タプリス「……うぅ」
ガヴリール「タプリス!」
タプリス「あれ?天真先輩……?お怪我が……」
ガヴリール「こんなんお前に比べたら軽いよ。大丈夫か?気分は?」
タプリス「あの、私………、すごく酷いことをしてしまったような……」
ガヴリール「何か覚えてるのか?」
タプリス「いえ……ハッキリはしないんですけど……」
サターニャ「記憶は曖昧なのね」
タプリス「天真先輩……」ポロポロ
ガヴリール「心配するな、お前のせいじゃない、全部悪魔の仕業だ」
タプリス「悪魔……?」
ガヴリール「だから気負わなくていい、一緒に帰ろうぜ」
タプリス「!はい…!」
サターニャ「あとはヴィネットたちと合流しないとね。あの2人大丈夫かしら?」
ガヴリール「大丈夫じゃないか?」
サターニャ「とにかく最初のところに戻るわよ!」バサッ
ガヴリール「タプリス、飛べる?」
タプリス「すみません、翼は駄目そうです……」
ガヴリール「私も無理そうだな……」
サターニャ「はあ?全く天使は貧弱なんだから!仕方ないわね、私につかまりなさい!」
バッサバッサ
ガヴリール「落としたらぶっ殺すからな」
サターニャ「落とすわけないでしょ!」
タプリス「でも大丈夫ですか?重くないですか?」
サターニャ「重いわよ!」
ガヴリール「がんばれ」
バッサバッサ
ガヴリール「おい、前からなんか飛んでくるが」
サターニャ「え?」
ヴィーネ「ガヴ~~!サターニャ~!」ブンブン
ガヴリール「ヴィーネたちだ!」
ヴィーネ「ガヴ~~!」ギュウ
ガヴリール「ちょおま、こんな体勢の時に抱きつくな!」
ラフィエル「良かった、皆さん無事ですね~」
サターニャ「落ちる!!」
ヴィーネ「あぁ……、ごめんごめん。って何でこんな体勢?ガヴの翼はどうしたの?」
ガヴリール「焼けた」
ヴィーネ「!?」ガーン
サターニャ「大袈裟なこと言ってんじゃないわよ!火傷しただけでしょ!」
ガヴリール「火傷舐めんなよ」
ラフィエル「ということは天使力はもう残ってなさそうですね?」
ガヴリール「うん、すまんがラフィの神足通で帰るしかないな」
ラフィエル「そうですね、では日本まで……」パアア
シュンッ
ガヴ宅
パアア
シュタッ
ガヴリール「はぁ~~ただいま!」
サターニャ「帰って来れたわね!」
ラフィエル「タプちゃんは体のほう異常はありませんか?」
タプリス「はい、多分……」
ヴィーネ「魔術にかかったなら1度診てもらった方がいいと思うわ」
ガヴリール「ラフィ、悪いけどタプリスを天界まで送ってやってくんない?」
ラフィエル「そうですね、色々報告も兼ねて行ってきます。ガヴちゃんもお怪我お大事に」
ガヴリール「おう、ありがと」
ピカアァ
シュンッ
ヴィーネ「ガヴも天界に帰ったほうがいいんじゃない?」
ガヴリール「大袈裟だなぁ、大した怪我じゃないって言ってんじゃん」
サターニャ「ヴィネットは大丈夫なの?」
ヴィーネ「私は戦闘というより、悪魔を送り返してただけだから別に……ラフィも手伝ってくれたし」
ガヴリール「ふーん。まあともかく私は疲れたから寝るよ。お前らもさっさと帰れよ」ゴロン
ガヴリール「zzz…」
サターニャ「寝るのはっや!どんだけ消耗してたのかしら……やっぱり貧弱ねガヴリールのやつは!」
ヴィーネ「………、私が天使だったら、ガヴの怪我を癒やしてあげたりできたのになぁ」
サターニャ「ヴィネット……」
ヴィーネ「サターニャ、帰るんだったら先帰っててくれていいわよ。私しばらくまだいるから」
サターニャ「?、何するのよ?」
ヴィーネ「ガヴが起きたときに食べるご飯を作っといてあげようかなって」
サターニャ「はあーーー、ヴィネットあんた嫁に来ない?」
ヴィーネ「あんたね……」
サターニャ「まあいいわ!そういうことなら私も手伝ってあげる!」
ヴィーネ「う、うん。できる範囲でね」
……
ヴィーネ「え?魔界の王を決める戦いの真の意図?」
サターニャ「ええ、千年前の悪魔に言われたことが気になってて……ヴィネットはどう思う?」
ヴィーネ「う~ん、そもそもこの戦いのルールを決めているのって……今の魔界の王よね?」
サターニャ「そうなるわね、千年前の戦いで勝利した一族が仕切っているはずよ」
ヴィーネ「と言っても千年前の戦いも、現代の戦いと同じルールなのよね」
サターニャ「同じ?」
ヴィーネ「ええ。千年前も本の持ち主は天使だったはずよ」
サターニャ「……」
ヴィーネ「サターニャもガヴが心配なのね」
サターニャ「そんなわけないわよっ!」
サターニャ「私は魔界の王になる、そのためには、ガヴリールの協力は必要だけど……、でもあいつの力は借りたくない……!」モヤモヤ
ヴィーネ「もう、素直じゃないんだから。あなたもガヴも」
サターニャ「あいつよりは素直よ!」
ヴィーネ「……本当奇妙な関係よね」
ヴィーネ「この戦いの意図、もしかしたらこんな悪魔と天使の関係を作るため、かもしれないわね」フフ
サターニャ「こんな……って、ええ!?私とガヴリール!?」
ヴィーネ「何よ、あなたたちなんだかんだで仲良いじゃない」
サターニャ「そ、そうかしら……」
ヴィーネ「ええ!だからあなたたちが勝ったら絶対面白いわ!」
サターニャ「馬鹿にしてない!?」
ガヴリール「お前らさ……」
ヴィネサタ「「!?」」ビクッ
ガヴリール「人が寝てんのにうるせえ!!」
ガヴリール「別に飯まで作ってくれなくて良かったのに」モグモグ
ヴィーネ「駄目よ!心配じゃない!」
ガヴリール「ヴィーネは心配性だなぁ」
ヴィーネ「だって私もう、魔界に帰るから……」
ガヴリール「えっ…」
サターニャ「あっ。そういえば仕事で下界に来てるんだったわね」
ヴィーネ「千年前の悪魔を魔界に帰すためにね。でももうゾフィスもいなくなったし、この件は解決したから、私がここにいる理由もないわ」
ガヴリール「そうか……」シュン
ヴィーネ「まあ!また仕事で来るかもしれないしね!仕事でね!」
サターニャ「仕事なら仕方ないわね!」
ガヴリール「また来る気満々だな!?」
ヴィーネ「じゃあラフィとタプちゃんによろしくね!」
ガヴリール「うん、じゃあな」
シュパッ
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「……寝よ」ゴロン
サターニャ「ねえガヴリール」
ガヴリール「あ、お前いたの?」
サターニャ「ずっといるんですけど!?」
ガヴリール「んだよ」
サターニャ「私あんたに、王になるために力を貸せって、前言ったわよね」
ガヴリール「うん」
サターニャ「今も、その……変わってない?」
ガヴリール「あ?」
サターニャ「ほら、あれからいろいろ…….あったじゃない、あんたもその、大変な目にあったと思うし……」
ガヴリール「ん?本燃やしてくれって言いたいのか?」
サターニャ「違うわよ!!」
ガヴリール「じゃあ言っとくけど、私はお前のために、お前を手伝ってやってるわけじゃない」
ガヴリール「私は自分のしたいことをしてるだけだ」
ガヴリール「自惚れんなよ、アホ悪魔」
サターニャ「ガヴリール…….」
サターニャ「……ふ、ふん!そうよね!自分のために行動するなんて駄目天使のあんたらしいわ!」
ガヴリール「ん?あれ?」
サターニャ「ん?」
ガヴリール「お前の本が光ってるぞ……これは」ペラペラ
ガヴリール「新しい呪文?」
サターニャ「何ですって!何て書いてあるの!?」ガバッ
ガヴリール「いつものくそ恥ずかしいやつ」パタン
サターニャ「あっこら!見せなさいよ!」
ガヴリール「見せるも何も私しか読めないだろーが!ったくとっとと帰れよ、いつまでうちにいんだよ」
サターニャ「帰らないわよ!今から新呪文試す流れでしょうが!」
ガヴリール「めんどい、寝る」ゴロン
サターニャ「あーもう、何でこんなのがパートナーなのよ!何が当たりの天使よ、外れでしょこれ」
ガヴリール「こんなアホ悪魔のパートナーにされた私の不運さよりはマシだろ」
サターニャ「何ですってぇ!?」
サターニャ「ふーんだふーんだ!絶対大悪魔になって見返してやるんだから!!覚えてなさいよ!!」
ガチャッ バタン タタタ…
ガヴリール「……へいへい」
後日
タプリス「天真先輩!その節はご迷惑をおかけしました!」ペコペコ
ガヴリール「おー、気にすんなって。体の方は大丈夫か?」
タプリス「はい、おかげさまで回復しました!白羽先輩から詳しく聞いたんですけど、まさか魔界の王様を決める戦いなんていうのがあったんですね……」
ガヴリール「ほんと迷惑な話だよな。まあ、お前の下界研修が始まる前に本が燃えてくれて良かったよ」
タプリス「ええ……、まさか悪魔に心を乗っ取られるなんて、天使として恥ずかしい限りです……」
タプリス「あっそうです!天真先輩にお渡しするものがあったんでした!」スッ
ガヴリール「え?」
ガヴリール「うげ……天界からの呼び出し状じゃん……」
天界
校長「心無い悪魔によって心を操られていた天使たちの救出に尽力した、とのことで大天使様より感謝状が届いている。さすがは我が校の首席と次席!鼻が高いぞ!」
ガヴリール「(帰りたい)」
ラフィエル「ありがとうございます~」
……
ガヴリール「大したことしてねーのになんか貰っちゃったな~」
ラフィエル「素直に喜べばいいんじゃないですか~仕送りも増えますよ」
ガヴリール「よっしゃぁ!金ぇ!!」
ラフィエル「ふふふ、ガヴちゃんのそういうところ好きですよ~」
ラフィエル「そういえば石版の件ってどうなったんですか?」
ガヴリール「あー、千年前の悪魔が封印されていたって一応報告はしといたけど……なにぶん千年前の話だしな~」
ラフィエル「千年前の悪魔を封印したのは天使、って話でしたっけ」
ガヴリール「真偽が明らかになったところで、昔過ぎて私たちにはどうでもいいーって感じだしな」
ラフィエル「そうですけどね~」
ガヴリール「めんどい話も終わったし、さっさと下界に帰ろうぜ」
ラフィエル「ガヴちゃん」
ガヴリール「ん?」
ラフィエル「今回の件はこれで解決しましたが……、魔界の王を決める戦いはこれからも続けるんですか?」
ガヴリール「………ん、まあ…乗りかかった船だし」
ラフィエル「そうですか」フフ
ガヴリール「何笑ってんだよ……」
ラフィエル「いえ、何でもないですよ」
ガヴリール「あいつが大悪魔になりたいと思い続ける限りはそこそこに付き合ってやるさ。あれでも、友達だからな」
おわり
見てくれた人、レスくれた人ありがとうございました
乙
面白かった
乙乙
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