映画『ジョン・ウィック2』が7月に上映するので1を繰り返し見ていたら構想が出来てました。
※映画『ジョン・ウィック』をシンデレラガールズの高峯のあが演じるssです。
※特別出演に黒井社長とジュピター、アニメのシンデレラガールズのキャラクターが出てきます。
※演じると言いながらもジョン・ウィックとは異なる場面があります。
※アクションシーンをかなり省いているので、のあさんのガンアクションはジョン・ウィックを観賞して脳内変換をお願いします。
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《雨天・墓前》
ザァァァァァ………
【高峯P ここに眠る】
ザァァァァァァ………
のあ「…………」
スタスタスタ…
冬馬「……大丈夫か、のあ」
のあ「……別れは、苦しいわね…」
冬馬「…愛した人との別れ、それと同じ苦しみの繰り返しが生きるって事なんだと俺は思う」
のあ「………」
冬馬「最高の女性に看取られて死んだんだ…お前の旦那は幸せだったと思うぜ」
のあ「………何しに来たの、冬馬」
冬馬「…友の様子を見に、な」
冬馬「……何かあったら声をかけてくれ…親友」
のあ「…ありがとう、冬馬」
冬馬「……達者でな」
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《のあ宅》
ピンポーン
……ガチャッ
宅配便「のあさんのお宅ですか?」
のあ「………」
宅配便「サインをお願いします」スッ
のあ「………」サラサラサラ…
宅配便「ありがとうございました」
ガチャン ブォォォォォン…
のあ「………」
ガサゴソ…ガサゴソ…
のあ「…犬………手紙…?」バサッ
『のあへ』
『これを読んでいる時、僕はもう…この世にいないだろう』
『僕がいなくなって君に寂しい思いをさせる事が心残りでないらない』
『君はこれからも気丈に生きようとするだろうけど、それだと君の心が持たないと僕は思う』
『だから、君には他の生き甲斐も見つけてほしい』
『星ばかり眺めてないで、僕以外の温もりを見つけて欲しい』
『僕から君への、最後のプレゼントだ』
『身体には気を付けて……五年間、君と共に過ごせた幸福をありがとう』
『愛してる』
『Pより』
のあ「…P……」ジワッ…
ガチャッ…
ワンワン!!
のあ「…おいで」
ハナコ「ワンッ!」
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《翌朝・のあ宅》
ピピピピ!ピピピピ!
ピクッ!トテトテトテ……
ペロペロ…ペロペロ…
のあ「ッ!…分かった、今…起きるから……」ゴソゴソ…
ハナコ「ワンッ!」ハッハッハッ!
タッ、タッ、タッ…バサッ
のあ「……寝床と、餌が必要ね」
ハナコ「…?」クゥーン…
のあ「来なさい、買い物に行くわよ」スッ…
ハナコ「ワンッ!」
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《ガソリンスタンド》
ガチャッ、ガタン
のあ「(給油終わったら…この子の遊び道具も買うべきかしら?)」チラッ
ハナコ「?」ハッハッハッ
ブォォォォォン!!キキィィィィ…ブォン!!
ガチャッ……バタン
翔太「おい、給油しとけよ」
部下1「はいよ」
翔太「……---ん?」チラッ
のあ「…………」ガチャン
翔太「へぇ…いい車じゃん!マスタング?」
のあ「…ええ」
翔太「へぇ~………なぁ、いくらだ?」
のあ「…?」
翔太「車の値段だよ。いくらで譲ってくれる?」
のあ「…悪いけど、売る気はないわ」
ハナコ「ワンッ!」
翔太「犬付きか。僕はこう見えて愛犬家でね……まとめて買ってあげるよ」
のあ「車も犬も、売り物じゃない」
翔太「てめぇ…」
ガシッ
部下1「…今は止めておこう、な?」
翔太「…チッ」
部下1「…じゃ、お元気で」
のあ「……?」
ブォォォォォン…
部下1「……決まったな」
翔太「…ああ、決定だ」
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《夜中・のあ宅》
ワンワンッ!ワンワンッ!
のあ「……?」ムクッ
スタスタスタ…
のあ「……ハナコ?」
バキッ!
のあ「ッ……!!」ドサッ!!
翔太「…おい、車の鍵を探せ」
部下1「はいよ」
部下2「家中探すより聞いた方が早いだろ」グイッ
のあ「……ッ」グラッ
翔太「…それもそうだな」スタスタ…
翔太「おい、鍵はどこにある?」ズイッ
ワンワンッ!ワンワンッ!
翔太「チッ!うるせえな…黙らせろ」
部下2「あいよ」スッ…
ワンワンッ!ワンワンッ!
のあ「……ハナコ…」
ワンワンッ!
部下2「うるせえって言ってんだろ」
バキッ!!
キャインッ!
翔太「やっと静かになったか…このクソ犬が」
部下2「犬が好きなんじゃなかったのか?」
翔太「そうだっけ?」ハハッ
翔太「…さて、姉ちゃん。鍵の場所なんだが……」
部下1「おい、あったぜ鍵!」ジャラッ!
翔太「……まあいい。上出来だ」
部下2「女はどうする?」
翔太「…仕事以外で殺すのは面倒になる」
部下1「ヘヘッ、じゃあ一発やるか?」
翔太「バーカ、何の用意もしてねえのに手を出すともっと面倒になるだろうが」
部下2「了解、なら撤収しよう」
翔太「じゃあな姉ちゃん、今度はしっかり準備して姉ちゃんを襲いに来るよ」ニタァ
クルッ、タッタッタッ!!
のあ「………」フラッ…ドサッ
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ムクッ……フラフラッ………
のあ「…………」……スッ
ダキッ
のあ「…ハナコ……起きなさい………」ナデ…ナデ…
のあ「あなたと遊ぶための道具、まだ使ってないじゃない……」ナデ…ナデ…
のあ「ごはんも……美味しい物を聞いて、選んできたのよ……」ナデ…ナデ…
のあ「……お願い、あなたまで……私から離れないで………」ポロポロ……
のあ「ハナコ……!!」ギュッ…
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《朝・のあ宅庭》
ザクッ…ザクッ…パン、パン……
墓標【ハナコ】
のあ「……………」
のあ「………………」
ドクン
P『…君を置いて、先に逝くのは……辛いな……』
P『のあ……僕は、誰よりも君を……愛しているよ………』
P『………君の瞳の…星は…いつ見ても、綺麗…だな………』
ドクン ドクン
ハナコ『ワンッ!』
ハナコ『ワンワンッ!ワンワンワンッ!』
翔太『チッ、黙らせろよ』
部下2『はいよ』
ハナコ『ワンワンッ!ワンワンッ!』
部下2『うるせえって言ってんだろ』
ハナコ『ワンワンッ!』
ドクン ドクン ドクン
翔太『やっと静かになったか…このクソ犬が』
スッ…
のあ「…………………」
クルッ、スタスタスタ……
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《原田車修理工場》
ブォォォォォォン!!キッキィィィィィ!!
ガチャッ、バタン!
美世「………?」
翔太「いいか、この車は俺の物にする」
部下1「はいよ」
翔太「おい美世!この車の番号と登録変更を頼むよ!」
美世「……その車、どこで手に入れたの?」
翔太「はぁ?どうでもいいだろそんな事」
美世「…帰って。そのまま消えなさい」クルッ
翔太「おいおい!それはねえだろ!!俺はお前のボスだぜ!?」
美世「…」ピクッ
美世「…違うでしょ。私のボスはアンタじゃない、アンタの親父さんだ」
翔太「チッ…だけど、口の利き方には気をつけた方がいいよ?」ニヤッ
美世「………この車の持ち主は?」チラッ
翔太「いい女だったから犯そうかと思ったけど、準備してなかったからなぁ…」
翔太「あ、でも煩かった飼い犬は殺しちゃった♪」
美世「…飼い犬を?」
部下1「やっぱ犯しときゃよかったよ!」
翔太「バーカ、それで捕まったら意味ねえだろ!」
部下2「違いねえ!」
アッハッハッハッ!!
美世「飼い犬を殺した…ははっ、凄いわね」
美世「なかなかイカれてるよ、本当に」グッ…
翔太「そんな褒めるな…」
バキッ!!
翔太「グッ!」ドサッ!
部下1「何しやがる!」チャキッ!
美世「…へぇ、私に銃を向けるの?」
美世「この私の会社の中で、私に向かって銃を構える…ふふっ、面白いことするじゃない…」
ガシッ!
美世「やるならしっかり眉間を狙いなさい」ググッ…
部下1「クッ…!」
美世「それが出来ないならとっとと消えて」
部下1「このっ…!」チャッ…
部下2「やめろっ!」ガシッ!
部下1「……チッ」スッ…
部下2「…こんな事して社長が黙ってないぞ」
美世「あの人が私の行動に文句を言うわけがないわ」
翔太「てめぇ…絶対後悔させてやるからな!!」
美世「…………」
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スタスタスタ……
のあ「………」
美世「…久しぶりね」
のあ「私の車は?」
美世「…さっき来た」
のあ「…相手は?」
美世「……黒井翔太」
のあ「…黒井の息子?」
美世「ええ、そうね…」
美世「……どうするの?」
のあ「…………」
のあ「…車を貸して」
美世「シェベルはいつでも出せる…持ってって」チャラッ
のあ「…ありがとう」パシッ
ガチャッ、バタン
ブォンッ!ブォォォォォン!!!
美世「……おかえり、のあ」
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ジリリリリッ!ジリリリリッ!
ガチャッ
美世「はい、原田…」
『息子を殴ったそうだな』
美世「黒井社長………はい、殴りました」
『理由を聞こうか』
『それによっては…』
美世「貴方の息子は高峯のあの車を奪い………飼い犬を殺しました」
『………』
ガチャッ…ツー、ツー
美世「………」ガチャッ
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《黒井ビル》
黒井「…………」
タッタッタッ!!
部下「社長、相手が条件を飲みました」
部下「当然です、相手は断れるはずがない」
黒井「…………」
部下「……社長?」
黒井「…息子を呼べ」
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《高級バー》
コツ、コツ、コツ……
翔太「父さんどうしたの?急に来いだなんて」
黒井「………随分いい物を着ているな」
翔太「あ、分かる?これかなり気に入ってるんだ♪」
黒井「…まぁ、一杯乾杯しようか」スッ…
翔太「?ありがとう」スッ
チンッ!グイッ……
翔太「…ふぅ。だけど珍しいね、父さんが僕と飲むだけに誘うだなんて」
黒井「…ああ、そうだな」グッ
ドスッ!!
翔太「ガハッ!!」ガクンッ!
ウッ……ベチャチャッ!!
黒井「吐いた物は自分で拭け」ヒュッ
ベチャッ
翔太「……なんなんだよ…父さん…」
黒井「お前はヘマをした」
翔太「……全員殺した時は誰にも見られてない!」
黒井「仕事の話じゃない!」
翔太「…車!?あんなの、何でもない女でしょ!?」
黒井「その何でもない女が……高峯のあだ」
翔太「高峯のあ……誰だよそれ」
黒井「『寡黙の女王』、『サイバネティック』、『ミステリアス』」
黒井「『トランセンドキラー』、『銀弾の射手』、『全知全能』」
黒井「『イグナイトアビリティー』、『インスペクター』…そして『越境者』」
黒井「私の知る限り、彼女の別名はこれだけ存在する」
翔太「なにそれ…殺し屋?」
黒井「いや、高峯のあが殺し屋だったわけじゃあない」
黒井「殺し屋を始末する殺し屋…それが高峯のあだ」
黒井「…彼女は昔、我々の仲間だった」
黒井「ある時私は彼女の仕事を目の前で見た」
黒井「彼女はバーで悪名高い殺し屋を三人始末したよ」
黒井「それも銃を使わず……スタドリ一本でだ」
黒井「分かるか!?ビン一本で三人殺したんだぞ!!」
黒井「…だが五年前、のあが組織を抜けたいと言い出した」
黒井「原因は男だ…ハッ!あの女も恋をするんだとつくづく驚いたよ」
黒井「私は条件として絶対不可能と考えられた殺しを頼んだ」
黒井「…そして、あの女はそれを成し遂げた」
黒井「そのお陰で我々はこの地盤で絶対不落の地位に着いている」
黒井「それなに私の息子は!」
黒井「彼女の夫が亡くなった数日後に、事もあろうに彼女の車を盗み!!そして飼い犬を殺してしまった!!」
翔太「…父さん大丈夫……僕に考えがある」
黒井「ほぅ…考え?」
翔太「僕があの女を殺すよ」
黒井「お前は私の話を何も聞いていなかったのか!!!」
翔太「大丈夫!僕ならできるって!!」
グイッ!
黒井「いいかよく聞け。お前がどうこうできる相手じゃない」
黒井「殺しに対する技術や信念はお前と比べ物にならん」
翔太「父さん!!」
黒井「…間違いなく奴はお前を殺しに来る」
黒井「だからすぐに私の前から姿を消すんだ」
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黒井「…………」ピッ、ピポパピポ…
トゥルルル…トゥルルル…
ガチャッ
黒井「…やあ、のあ」
黒井「旦那さんの事は聞いた。辛かっただろう…冥福を御祈りするよ」
黒井「…ところで、だ……我々はとんでもないすれ違いをしているのだと思うのだよ」
黒井「…ここは怒りを抑え、冷静に話を」
ブツッ
ツー、ツー、ツー
幹部「…どうでした?」
黒井「…無言だ」
幹部「あぁ…まずい……」
黒井「殺し専門の部下…暗殺部隊を手配しろ」
幹部「…何人呼びますか?」
黒井「一人残らず全員だっ!!」
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《のあ宅》
のあ「…………」カチャカチャ……ジャキン
のあ「…」ピクッ
ガサガサッ…
ゴソ………スタッ
チャキッ……ススッ…
暗部1「……侵入成功、後に続け」
暗部2「了解」
暗部3「全部隊包囲しつつ潜入せよ」ピピッ
……カタン
暗部's『!』チャキキッ!
パスパスパスッ!!
暗部’s「」ドサッドサッドサッ
のあ「………」チャキッ
スタスタスタ……
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幹部1「…暗殺部隊、全員突入しました」
黒井「そうか…」
幹部2「いくらあの女でも、総勢13名の精鋭部隊全員相手に勝てるわけが……」
黒井「…そうか、13人か」
幹部1「社長?」
黒井「たった13人しか育てられなかった事が悔やまれるな」
黒井「………のあが錆び付き、衰えている事を願おうか」
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グラッ…ドサッ!
パスパスッ!
暗部13「はぁ……はぁ……」ズルッ…ズルッ…
スタスタスタ…
暗部13「ッ!!」ジャキッ!!
パスッ!
暗部13「」ドサッ
のあ「……」カチャッ
ピンポーーン
のあ「!」
ピンポーーン
のあ「……」
スタスタスタ…
ガチャッ、ギィィ…
早苗「…やっほー、のあちゃん」
のあ「………苦情?」
早苗「そうなのよー。警察としては通報があったら来なくちゃだし……」チラッ
暗部13「」
早苗「あー……仕事?」
のあ「…いえ、ごたついただけよ」
早苗「…そっか」
早苗「じゃ、私は戻るね」
早苗「おやすみ、のあちゃん」
のあ「ええ、おやすみ」
ギィィ…バタン
のあ「………」クルッ
スタスタスタ……
ガチャッ、ピピピッ…
のあ「…12時に“ディナー”の予約を………ええ、名前は、高峯のあ……」
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ピンポーーン
のあ「……」ガチャッ
響子「のあさん…!」パァァ!
のあ「元気そうね、響子」
響子「またお会いできるなんて…!」キラキラキラ
のあ「………」
響子「あ、いけない…先にお仕事済ませますね」パチンッ
ゾロゾロ……ゾロゾロ……
ガサゴソ…キュッキュ…
ガサガサ…シュシュッ!キュッキュ……
ズルズル…ドササッ!
シュッシュッシュッ……ザァァァ…キュキュッ
響子「…お掃除終わりました!血痕から硝子の破片、死体1つ残ってないはずです!」フンス!
のあ「ありがとう」ジャラッ
響子「のあさん…また会えますか?」チャリン
のあ「…元気でね、響子」ポンポン
響子「あっ……はい///」テレッ
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トゥルルル…トゥルルル…
ガチャッ
黒井「私だ……ああ」
黒井「失敗した?……まあ、そうだろうな」
黒井「ウィ、ご苦労」
ピッ
黒井「………おい」
幹部1「はっ」
黒井「のあの首に賞金を賭けろ」
幹部1「いくらにしますか?」
黒井「200万だ」
幹部1「…分かりました」
幹部2「我々はどうしますか?」
黒井「……翔太を『キャンディアイランド』で待機させろ」
幹部2「待機、ですか?」
黒井「のあをそこに誘き寄せる」
幹部2「…キャンディアイランドのオーナーに話は?」
黒井「付けなくていい。…むしろ乱闘になってくれた方がこちらとしては助かる」
幹部1「…注意が散漫になった所を狙う、ということですね」
黒井「…だが、やはりそれだけでは不安だな」ガタッ
幹部1「どちらに?」
黒井「…信頼できる者に会いに行く」
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《美城ホテル・ロビー》
スタスタスタ…
のあ「…………」
北斗「誰かと思ったら…チャオ♪のあ」
のあ「…相変わらず軽いわね」
北斗「いやいや、プレイボーイと言ってくれよ」
北斗「知ってるかい?君の首に200万の賞金がかかってるのを」
のあ「…それで、貴方もこの首を狙うのかしら?」
北斗「まさか。僕は300万以下の仕事はしない主義だし…同じ殺し屋仲間を手にかけないさ」
のあ「……そう」クルッ
スタスタスタ
北斗「……つれないね、今も昔も」フッ
《受付》
ちひろ「いらっしゃいませ、のあ様」
のあ「チェックインをお願いするわ」
ちひろ「一泊二日でよろしかったですか?」
のあ「…場合によっては延びるかもしれないわね」
ちひろ「かしこまりました」カチャチャッ
のあ「…オーナーは元気?」
ちひろ「はい、二年前から変わってません」カチカチッ
のあ「そう、それにしては随分と内装が綺麗になったわね」
ちひろ「少し前にリニューアルしましたので…ですが、大きく変わった場所はありません」カチリ
ちひろ「346号室です」スッ
のあ「そう……ありがとう」チャッ
スタスタスタ
ちひろ「のあ様」
のあ「………」
ちひろ「二年前と同じように御迎えできることを、心より嬉しく思っております」
のあ「………」
スタスタスタ…
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《冬馬宅》
冬馬「…そっちからわざわざ来るなんて珍しいじゃねえか」
黒井「…お前に頼みたい事があってな」
冬馬「電話で十分だろ」
黒井「いいや、私が出向かなければならないのだよ」
黒井「何せ、組織随一のスナイパーと言われた君に頼むんだ……」
冬馬「……?」
黒井「君の親友である高峯のあを、200万で殺してほしい」
冬馬「…………俺以外にも頼んでいるのか?」
黒井「のあを殺した者に200万をやると言ってある」
冬馬「……分かった、引き受けるよ」
黒井「フッ、さすが冬馬だ」
黒井「余所者よりお前の方が信用できる…よろしく頼むぞ」
冬馬「……ああ、任せとけ」
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《美城ホテル・VIPバー》
ガチャッ…
スタスタ……
のあ「………オーナーはいる?」
ウェイター「…あちらに」スッ
のあ「ありがとう」クルッ
スタスタスタ……
のあ「お久し振り」スッ…
美城「……ふむ」
美城「私の知ってる君は、殴る事はあっても殴られるような人間ではなかったはずだが」
のあ「鈍ったのよ」
美城「フフッ、鈍った人間が黒井の精鋭を皆殺しか…怖いものだ」
のあ「単刀直入に言うわ……翔太の場所を知りたい」
美城「それに答える前に、こちらの質問に答えてもらおう」
美城「君は、この世界に戻ってきたのか?」
のあ「……いいえ、立ち寄っただけよ」
美城「それは本心で考えた事か?」
美城「しっかりと自分に問い、考え抜いて出した答えか?」
のあ「………」
美城「君程の人間がこの世界に小指一本でも触れてしまったら…そこから引き摺り降ろそうとする人間も出て来るだろう」
美城「だからもう一度聞く」
美城「君は、戻ってきたのか?」
のあ「……私も、もう一度聞くわ」
のあ「翔太は今…どこにいる」
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《黒井ビル》
幹部「…のあは美城ホテルに入ったとの事です」
黒井「美城ホテルか……」
幹部「既に殺し屋を送り込みました」
黒井「ホテルにか?大胆だな…」
黒井「…ホテルのルールを破ってでも殺しを成し遂げた者には報酬の二倍払おう」
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美城「…君は知ってると思うが、このホテルにはルールがある」
のあ「『ここで仕事をしてはならない』」
美城「その通りだ」
美城「それを破った者にはキツい罰が待っている…」
美城「だから君も、ここでは肩の力を抜くといい」ニッ
のあ「…ええ、そうさせてもらうわ」スッ
スタスタスタ
瑞樹「いらっしゃい、飲み物は……のあ!?のあじゃない!!」
のあ「…久しぶりね、瑞樹」
瑞樹「ねえ、表の世界はどうだった?楽しかった?」
のあ「…ええ、私には勿体無いくらい……楽しかったわ」
瑞樹「…旦那さんは残念だったわね」
のあ「………ええ」
瑞樹「前と同じでいいのよね?」
のあ「お願いするわ」
瑞樹「………はいお待たせ、これはオーナーの奢りよ」コトッ、スッ…
のあ「ありがとう………メモ?」パサッ
メモ【キャンディアイランド】
のあ「………!」クルッ
美城「……」フッ
のあ「オーナーにも御礼を言っておいて」スッ
瑞樹「りょーかい。行ってらっしゃい♪」
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《ディスコ・キャンディアイランド》
翔太「やっほー、元気?」
かな子「はい、おかげさまで」
警護「………」
かな子「…先に入られた警護の方達もいましたが、今日は随分と大所帯なんですね」
警護「無駄口叩かず職務を全うしろ」
かな子「…失礼しました」
翔太「…あんな女が守衛なの?」
警護「…ああ見えて場数を踏んでる歴戦の者だ」
翔太「ふーん…ま、興味無いけど」
警護「………」
かな子「(…あの厳戒態勢、何かあるのかな?)」
かな子「(でもオーナーから何も聞いてないし……副オーナーなら何か知ってるかな)」
「動かないで」カチャッ
かな子「!?」
かな子「(嘘……まるで気付かなかった…気配すら……)」チラッ
のあ「…こんにちは、かな子」
かな子「…お久し振りです、のあさん……」
のあ「…貴女、痩せた?」
かな子「…のあさんと最後に会ってから、20キロ程……」
のあ「そう、頑張ったじゃない」
かな子「…のあさん、今日は仕事ですか?」
のあ「…残念ながらな、ね」
かな子「(あの厳戒態勢……そういう事か)」
のあ「…かな子、今日はもう上がりなさい」スッ
かな子「…恩に着ます」スッ
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《キャンディアイランド・更衣室》
部下2「~~♪」シュッシュッ
ススッ…
部下2「…?誰かいるのか?」クルッ
のあ「……」ヒュッ
ガシッ!!
部下2「ッガァッ!!?」ドカッ!!
ガシャァン!!!
のあ「…翔太はどこ?」グッ…
部下2「…ハッ、だれが……!」
グググッ……
部下2「…ち、地下のプールに………ッ!」
のあ「……そう、ありがとう」グイッ
ゴキャッ!!
部下2「」ドサッ
のあ「貴方は犬を殺した……携帯、貰っていくわね」スッ
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《地下プール》
ハッハッハッ!ヒャッホゥ!!
ギャハハハハ!!マジカヨ!?
警護「こちらプール、異常無し」ピッ
翔太「ねえねえ!君も遊ぼうよー!!」グイッ
警護「…私の役目は子守りじゃない、警護だ」パッ
翔太「なんだよ、アンタも高峯のあが怖いのか?」
翔太「僕は違うね!あんな女なんか全然怖くないし!!」
警護「…そうか。なら、怖がるべきだ」クルッ
スタスタスタ…
翔太「ッ~~!!」イライラッ
警護「他の状況は?」
警護1「一階は異常無し、他のフロアも大丈夫です」
警護「…他に変わった様子は?」
警護2「それが…ここのガードマンの姿が見当たりません」
警護「!?まさかもう…」
「それは私が引き上げさせただけだよー」
警護「!!…副オーナー、どういうつもりだ?」
杏「それはこっちのセリフだよ。『寡黙の女王』の来店、なんでその話を黙ってたわけ?」
警護「…誰が来ようと客の身を守るのがここのやり方だろうが」
杏「それを吠えるなら来るだろう相手も伝えろっつってんだよ」ギラッ
警護「!………」
杏「女王が翔太を狙っていて、それを阻止するために賞金を賭けた…それは別にいいよ」
杏「だけどさ、そのためにうちの店の従業員を犠牲にさせようとしたのは許せないよねー。相手が相手だし」
警護「…つまりは、社長に逆らうのか?」
杏「……私達が依頼されたのは息子の接待とそっちのガードマンの配備許可」
杏「女王殺しは依頼の外……それをしてほしいならオーナーに許可取ってよね」クルッ
警護「待て!…ここのガードマンを下げたという事は……」
杏「…かな子から報告があったのが10分前……」
杏「それ以上前からこの店に来てるよ、彼女」ニッ
スタスタスタ…
警護「…全員くまなく探せ!見つけ次第射殺しろ!!」
従業員「…よろしかったのでしょうか?」
杏「うちの子達が殺されるよりいいでしょ」
従業員「いえ、オーナーに話さずこんな事して…」
杏「オーナーが休みの時だけ権限は私だから大丈夫だって」
杏「…あー、でも一応報告しとこうか」ピッ、ポパピプペ…
杏「…あ、智絵里?実は……え、知ってる?」
杏「うん、うん……あー、どうだろ。たぶん付き合ってくれるんじゃない?店に迷惑かける分くらいには」
杏「うん、うん…ディナーと警察は…うん、分かった。はーい」ピッ
従業員「…どうでした?」
杏「気にしないから女王と食事がしたいって」
従業員「は、はぁ…」
杏「…あーあ、私も引退してゴロゴロしたいなー……誰か結婚して養ってほしいよ」ハァ…
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かな子「副オーナー、どうでした?」スタスタ…
杏「…私達しかいない時はタメ口でいいって。あと呼び方も」
かな子「フフッ…相変わらずだね、杏ちゃん」
杏「相変わらずって言うのは寡黙の女王に言うべきだって」
かな子「あ、もう仕事が終わってたの?さすがのあさん…」
杏「いや、翔太は逃げたから仕事はまだ終わってないね」
かな子「え、のあさんが標的を逃した…?」
杏「しっかり黒井の警備だけは殺してるあたり、腕が落ちたようには見えなかったけどなー……」
智絵里「ここで仕事したら私にも迷惑がかかるって思ったんじゃないかな?」
かな子「オーナー!?」
智絵里「ここは私達しかいないから口調と呼び方は…?」
かな子「あ…はは、こんにちは。智絵里ちゃん」
杏「あれ?今日は休みじゃ…」
智絵里「杏ちゃんだけじゃ後始末が大変でしょ?それに運が良ければのあさんに会えるかな…って」
杏「で、会えたの?」
智絵里「迷惑かけたお客さん全員にシャンパン空けてくれるって約束してくれました!」ブイッ!
かな子・杏『…………』
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《逃走中・車内》
翔太「はぁ……はぁ……」ガクガク…
翔太「…そうだ、あいつ……あいつは大丈夫だよな…?」カチャ
ピピピ…プルルルルル……プルルルルルル……
ガチャッ
翔太「!もしもし!おい、今どこにいるんだ!!まだそこにいるなら急いで逃げ…」
『お友達は死んだわ。貴方にも代償は払ってもらう』
ガチャッ
翔太「……な、なんでだよ…たかが犬一匹殺っただけじゃねえかよ……」ガタガタガタ
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--------
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《美城ホテル・ロビー》
ちひろ「お帰りなさいませのあ様」
のあ「…悪いけど、クリーニングをお願いしていいかしら」
ちひろ「…真に申し上げにくいのですが、その返り血はクリーニングでは落とせないかと」
のあ「……変な事を聞いたわね。忘れて」クルッ
ちひろ「ですが、新しいシャツとスーツでしたら部屋の方に数種類ありますのでそれを御自由にお使いください」
のあ「…ありがとう」
ちひろ「いえいえ」ニコッ
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《美城ホテル346号室》
のあ「…………」ドサッ
のあ「………」
のあ「……zzz」
……ガチャッ…
《向かいのビル・屋上》
ビュォォォ……
カチャチャ…キュッ、キュッ…ジャキン
冬馬「……さて、と…」スチャッ
のあ『………』スゥ…スゥ…
冬馬「…マジかよ、しっかり寝てやがる」
冬馬「……ん?」チャキッ
北斗『………』スッ…
冬馬「…やっぱり、ブランクがあるんだな」
冬馬「客が来てるぜ…のあ」バシュン
ヒュンッ…パリィィン!!
のあ「!」バッ!!
北斗「チッ!寝ててくれよ子猫ちゃん」パンパンッ!
のあ「!」ババッ!!
チュィンチュィン!
北斗「すまないね…夜のサービスを提供しようと思ったんだけど」カチッ
のあ「プレイボーイが聞いてあきれるわ」ダッ!
バシッ!
北斗「チッ!銃が…」
のあ「貴方、300万以下の仕事はしないって言ってたわよね」ヒュッ!
北斗「鈍っている君をホテルの中で殺れば倍の400万なんで…ね」パシッ!ブォン!!
のあ「…愚かな人」ヒュッ!
ガシッ!ブォン!!!
北斗「なぁッ!?」
ガシャァァァァァン!!!!
のあ「………」パンパン
北斗「グ……ウゥ…」ポタタッ…
トゥルルル…トゥルルル…
のあ「………」ガチャッ
ちひろ『夜分申し訳ありません。そちらの方から騒音の苦情が出ていまして…』
のあ「…ごめんなさい。私の部屋に招いていない男が来ていて……」
ちひろ『……そういう事でしたら、“ルームサービス”の御予約をされますか?』
のあ「……お願いするわ」ガチャッ
北斗「(クソッ…全然ブランクを感じさせない…まるで現役じゃないか……)」ズルッ…ズルッ…
のあ「誘っておきながら勝手に帰るのかしら?」チャキッ
北斗「…………」
のあ「…翔太はどこ?」
北斗「…悪いが、俺は知らない」
ガンッ!!
北斗「グウッ…ッ!!」ドサッ
のあ「なら、黒井について知ってる事を話しなさい」
北斗「ッ……言うと、思うのかい…ッ?」
のあ「…前から言いたかったのだけれど、四肢を指先から切り落とすのは趣味じゃないのよ」チャッ
北斗「…………」
のあ「…話しなさい」
北斗「………白井教会」
のあ「教会?」
北斗「そこに、黒井の隠し財産があるって聞いた…」
のあ「…ありがとう」ブォン!!
バキッッ!!!
北斗「グッ!」ドサッ
のあ「…………」
カチャリッ
のあ「!」
「背中を取られるなんて、らしくありませんね」
のあ「……知り合い、だったかしら…?」
「私はそのつもりです」
のあ「……」チラッ
武内「お久し振りです」スッ…
のあ「…久しぶりね」スッ…
武内「…その男性との話は終わったのですか?」
のあ「……ええ」
武内「そうですか……では、失礼します」スッ…
のあ「…ねえ、少し小銭を貰ってくれないかしら」
武内「…なんでしょう」
のあ「“ルームサービス”が来るまで、この男を見張っててほしいの」
武内「…“放流”、ですか?」
のあ「ええ、“放流”よ」
------------
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《翌朝・白井教会》
クラリス「主に祈りなさい…その祈りは必ず主の元に届きます……神の選択は必ず真摯な者の元に…」
カツ、カツ、カツ…
のあ「………」
クラリス「…あら?こちらには初めですか?」
のあ「ええ、そんな所よ」ババッ!ジャキンッ!!
ガードマン1「!」バッ!
ガードマン2「!」バッ!
ダダァァン!!
ガードマン1「」ドサッ
ガードマン2「」ドサッ
クラリス「あ、あわわわ…」ガタガタ
ガードマン3「…」チャキンッ!
のあ「隠し金庫に案内しなさい」タァン!
ガードマン3「」ドサッ
クラリス「わ、私達のボスが誰か知っているんですか…?」ガタガタプルプル
のあ「…ええ、よく知ってるわ」
《地下・隠し金庫》
ダダダァァン!!
ドササッ!
コツ、コツ、コツ…
のあ「………ここね」
クラリス「こ、こんな事してただで済むと思っているのですか…?」
のあ「(…金庫の鍵はかかってる。当たり前か)」ガチャガチャ…
のあ「…開けなさい」ジャキン
クラリス「あ、開けたら殺されてしまいます…」ガタガタガタ…
のあ「開けたらすぐに逃げればいい」
クラリス「に、逃げられるわけ…」
のあ「…主も祈る願い全て叶えるわけではなく、選択を持って答える」
のあ「貴女も選びなさい……開けるか、死ぬか」チャキッ
クラリス「…………あ……開け、ます……」
ガチャチャッ……ギィィ…
のあ「………」スタスタスタ…
クラリス「あ、あの…これを全部盗むのですか…?」
のあ「……いいえ」チャラッ
ゴトゴトゴトッ
クラリス「え?え?え?」
のあ「焼夷手榴弾よ」
シュゥゥゥゥ…ボォォォォォゥ!!!!
メラメラメラメラ
クラリス「は、はわわ……!」ダダッ!
のあ「………」クルッ
スタスタスタ……
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《白井教会前》
黒井「燃やされただと!?」
幹部1「ガードマンが全員殺され、シスターも行方不明と…」
黒井「…あの金庫の中は金だけではない…それ以上の物も入っていたんだぞ!!」
幹部2「社長、いかがいたしましょう…」
黒井「…おい」
幹部1「はっ」
黒井「全員に伝えろ。シスターは見つけ次第…処分だ」
幹部1「分かりま…」
タタァン!
幹部1「」ドサッ
黒井「!」
幹部2「!」バッ!
のあ「……」ジャキン!
黒井「殺せぇ!奴を殺せぇ!!」
幹部2「高峯のあを発見。射殺せよ」タタァン!
ダダダダ…ズダァァン!!
のあ「……」ダッ!!
タタタタタァァン!!!
ダンダンッ!!
幹部3「グウッ!」ドサッ
幹部4「ガハッ!」ドサッ
幹部2「敵は一人だ、消耗戦に持ち込め」ダダァン!
幹部5「し、しかし!こうも車に囲まれていると…」
タタァン!!
幹部5「」ドサッ
幹部2「チッ!」サッ!
幹部2「(このままだとさすがに……ん?)」ピクッ
幹部2「(…車……それなら)」ニヤッ
のあ「……」チャキッ
ダンダンッ!!
のあ「!」クルッ
ドカァァァァァァァァン!!!
のあ「クッ…!」ズサァァ…
タッタッタッ…
幹部2「車ごと吹き飛ばされるのは考えてなかったか?」
のあ「ッ………」ガクッ
幹部2「頭でも打って意識を失ったか…そのまま眠りな」チャキッ
黒井「待て」
幹部2「社長…」
黒井「…話がしたい。縛り上げて連行しろ」
幹部2「…はっ」グイッ
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《白井教会・倉庫》
のあ「……!」パチッ
黒井「おはよう、高峯のあ」
のあ「…………」
黒井「君が敵に回ったらただでは済まない…分かっていたつもりだった」
黒井「精鋭と言われた部下の死…息子の護衛の暗殺」
黒井「この辺りはまだ予想していた通りの事だった」
黒井「だが君は、私の予想を遥かに超える損害をもたらしてくれたよ」
のあ「………」
黒井「君が燃やした隠し金庫…あれに何が入っていたか知っているかね?」
黒井「あそこには表から裏、全ての重要な人物の不正や弱味の証拠が保管されていた」
黒井「あれさえあれば誰も私に逆らえない…そう、逆らうことのできない物だったんだ!」
黒井「それをお前は!金庫の中身全てを燃やしてしまった!!」
黒井「これがどれだけの損失か…理解出来ないわけではあるまい!!!」
のあ「…素敵な花火だったわ。心が洗われるくらいに」
黒井「…ははっ!そうかそうか……フハハハハハ!!!」スッ…
バキッ!!
のあ「ッ……」ポタタッ…
黒井「……高峯のあ。君はこの世界から逃げられないのだよ」
黒井「闇に手を染めた者がどんなに洗い清めたとしても…それが落ちることはない」
黒井「特に君みたいな闇に好かれている人間は尚更だ」
黒井「だから天は、君から旦那と言う君の安らぎを奪った」
黒井「分かるかっ!?君はもう、この世界から離れることは出来ない!!」
黒井「君は殺しの中でしか安らぎを覚えられない人間なのだよ!!!」
のあ「………そうかも、しれないわね」
黒井「…ほぅ、認めたか」
黒井「ハハハッ!ようやく君と分かりあえた気がするよ!!」
のあ「ここに来るまでの間、いろんな人に聞かれたわ…“戻ってきたのか”って」
のあ「あの時はまだしっかりと言えなかった……だけど、今なら言えるわ」
のあ「私は、戻ってきたと」
黒井「…では、帰還の祝いに交渉に入ろうか」
黒井「私の息子の所業を許し、再び私の元に来い」
黒井「そうすれば、金庫の件も含む全ての損害損失を無かったことにしよう」
のあ「……ええ、とてもいい条件ね」
黒井「よし、ならば…」
のあ「さらにもう1つ、私からも条件があるわ」
黒井「ほぅ、なんだね?」
のあ「貴方の息子を差し出しなさい」
黒井「……たかが車だろ!!たかが犬一匹だろ!!」
のあ「……私は、彼と会うまでは闇の中にいたわ」
のあ「暗く深い、闇の底……」
のあ「だけど…それを彼が振り払い、私に光を与えてくれた……」
のあ「彼が死んだ時、私は再び…世界が闇に閉ざされる感覚に陥ったわ」
のあ「そんな私のために彼が残した最後の宝物……それがハナコだった」
のあ「それを無惨に殺したのが貴方の息子よ」
黒井「…………」
のあ「これ以上息子を庇い立てするのなら…息子共々貴方も地獄の底に叩き落とすわ」
黒井「…交渉決裂だな」
黒井「殺せ、ただし銃は使うな。ゆっくり首を絞め…金庫の罪を償ってもらう」クルッ
幹部2「はっ」
のあ「…ッ!!」ガタタッ!!
黒井「さようなら、高峯のあ…私の古き親友」
コツ、コツ、コツ…
幹部2「後ろに回れ」
幹部6「はっ」ササッ
グルグルッ、グイッ!
のあ「ッカァ…アァ…!!」ギシギシギシッ!
幹部2「私は紳士だからな…すぐに終わらせてやる。しっかり押さえろ」ググッ!
幹部6「はい!」ギギッ!
ヒュッ……パリィィィン!!
幹部6「」ドサッ
幹部2「銃撃だとッ!?」サッ!
のあ「!」ガガッ!
ギギッ…ブチッ!!
ダッ!!
幹部2「しまっ…」
のあ「さようなら、素敵な紳士さん」ガシッ!
ゴキリッ!!
幹部2「」ドサッ
のあ「………」パンパンッ
のあ「……」チラッ
《隣接ビル・屋上》
冬馬「~♪」カチャッ…コトッ
のあ「……」ダッ!!
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《裏道・車内》
ブォォォォォン!!
幹部7「社長、これからいかがいたしましょう」
黒井「あの女が死んだのなら後はどうにかなる。しばらくは海外の別荘に…」
ダダァァン!!!ズガァァァァァン!!!
幹部7「な、なんだぁっ!?」
黒井「おいおい……そんなバカな…」
コツ、コツ、コツ……
のあ「……」ジャコン!
幹部7「け、KSG…!?」
黒井「ハッハッハッ!!いつの間にそんなショットガンを用意していたんだ!?」
ダァァン!!ドカカァァァァン!!!
のあ「……」ガシャコン
ガチャッ…
黒井「待て…待て、のあ!!」
黒井「降参だ、お前には負けたよ!!」
のあ「………」
黒井「……息子の場所を教える」
のあ「…私にかかってる賞金も取り下げなさい」
黒井「…だ、だがすぐになど……」
ズダァァン!!
のあ「……」ガシャコン
黒井「分かった!すぐに中止する!!」
黒井「…場所はお前も使った事のある郊外の黒井ペンションだ」
黒井「警備は厳重だぞ」
のあ「分かってるわ…守っても無駄よ」クルッ
スタスタスタ……
黒井「………」ギリッ…
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《美城ホテル》
北斗「………ッ!」ガクンッ!
武内「目を覚まされましたか?」
北斗「……椅子に後ろ手で拘束されたらまともに動けないじやないか」ジャラッ
武内「申し訳ありませんが、それを解くことはできません」
武内「それに…もうすぐ“ルームサービス”が来ます、それまでは我慢してください」
北斗「………」ゴソッ…
武内「貴方はこのホテルのルールを破りました…ホテル内で仕事をしてはいけないという、絶対のルールを」
北斗「………」…コキッ
武内「その行いを、オーナーが許すことはないでしょう」
北斗「……生憎だけど、そんなルール知ったこっちゃないんでね」ジャラッ!
武内「なっ…!」バッ!ジャキッ!
北斗「反応が遅いよっ!」ブォンッ!
ガッ!!
武内「しまっ、銃を…」
北斗「親指の関節を外せば、手錠くらいすぐ抜けるのさ」パシッ!
バンバンッ!!
武内「」ズルッ…ドサッ
北斗「“ルームサービス”によろしく……チャオ♪」ポイッ
------------
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《郊外・黒井ペンション》
翔太「…………」
部下1「こちら室内、異常なし」ガガッ
『こちら屋上、異常なし』ガガッ
部下3「大丈夫だって翔太、奴には賞金が200万もかかってるんだ…すぐに始末されるさ」
翔太「ああ……そうだよな…」
『こちら3階、異常なし』ガガッ
部下3「もうちょっと落ち着けって…な?」
翔太「……ああ」
『…こちら屋上、トイレに行きたいから代わりをよこしてほしい』ガガッ!
部下1「先に行っとけバカ野郎!…俺が行く、それまで待ってろ」ガッ!
《屋上》
ビュォォォォ……
部下5「」
のあ《変声機》「…ああ、すまない」ガガッ
タッタッタッ…ガチャ、ギィィィ…
部下1「…?待ってろって言ったのに先に行きやがったな」
ピチャッ
部下1「…血痕?」
部下1「…!!?」バッ!!
ビビビッ!!
部下3「どうした、お前もトイレか?」
『屋上のやつが死んでる!!奴だ!!奴が来やがった!!』
部下3「はぁっ!?他の階の奴は何してやがった!!」
『分からん!ここにいないって事はそっちに向かってるはずだ!!すぐにそこから…』
ダァァン!
…ドサッ
部下3「お…おい!どうした!?」
『残るは貴方達だけよ』
部下3「!!」ゾクッ!
のあ「………」ポイッ
部下3「に、逃げるぞ!!」ガバッ!
翔太「あ、ああ!」ダダッ!
------------
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《車庫》
部下3「翔太こっちだ!早く車に乗れ!」ガチャッ、バタン!
翔太「はぁ……はぁ……」タタタッ!
ピッ!
ドカカァァァァァァァンッ!!!
部下3「」ドサッ!メラメラメラメラ
翔太「ひ、ヒィィィ!!」ドサッ!
メラメラメラメラメラ…ゴォォォゥ!!!
翔太「クソッ…車の火が……!!」
コツ、コツ、コツ…
のあ「車を爆破させるなら、乗った時を狙うべきね」チャキッ
翔太「うわぁ!?」ババッ!
翔太「嘘だろ!?たかが犬」
タァァン!
翔太「」ズルッ…ドサッ
のあ「…」クルッ
コツ、コツ、コツ……
------------
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《黒井ビル》
ジリリリリ……ジリリリリ……
カチャッ
黒井「………ああ、分かった」
ガチャッ
黒井「…………」
------------
--------
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《美城ホテル・ロビー》
のあ「世話になったわね」ジャラッ
ちひろ「いえ、また会えることを楽しみにしております」ニコッ
のあ「…会えるといいわね」
ちひろ「あ、のあ様。支配人から贈り物です」スッ…
ジャラッ
のあ「…車の鍵?」
ちひろ「2011年式ダッジ・チャージャー……昨晩のお詫びとの事です」
のあ「…オーナーにもよろしくね」クルッ
ちひろ「はい。御利用、ありがとうございました」ペコッ
------------
--------
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《海岸》
ザザァァァン……ザザァァァァン………
冬馬「…これで助けるのは何度目だ?」
のあ「…感謝してるわ」
冬馬「ったく、昔っからいつもそうだ」
冬馬「…で、復帰するのか?」
のあ「いいえ、もう…終わったわ」
冬馬「本気か?」
のあ「……………」
冬馬「…ま、それなら静かに暮らしな」
のあ「……ありがとう、冬馬」
冬馬「へっ、惚れたか?」ニヤッ
のあ「そうね……世界で二番目に素敵な男性だと思うわ」フッ…
冬馬「…世界一は難しそうだ」フフッ
冬馬「助けた礼はちゃんと返せよ」クルッ
のあ「ええ…今度、星の見える綺麗な場所を紹介するわ」
冬馬「天体観測か……悪くない」
北斗「……へぇー」
------------
--------
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《冬馬宅・玄関前》
冬馬「………」ガチャッ、ギィィ…
男1「動くな」チャキッ
冬馬「…俺に用か?」
男1「…そのまま家に入れ」
ゾロゾロ…
冬馬「……男6人でパーティーか?趣向を疑うぜ」
男1「さっさと入れ」カチャ
冬馬「…はいよ」
ギィィィィ……バタン
ガサゴソ…パサッ、カチャッ
冬馬「…持ってる物は全て出した。そろそろ目的を言ってくれてもいいんじゃないのか?」
「言わなくても分かるだろ?天ヶ瀬冬馬」
冬馬「!?」バッ!
------------
--------
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《車内》
ブォォォォォン……
のあ「…………」
ピリリリリッ…ピリリリリッ…
のあ「……」チラッ
携帯【天ヶ瀬冬馬】
のあ「……?」ピッ!
のあ「何か…」
『やあ、のあ。私の息子は即死だったそうじゃないか。感謝するよ、苦しませずに殺してくれた事を』
のあ「!」
『ああ、運転中だろうから手短に話そうか』
『この携帯の持ち主は私を裏切った…私からの依頼を受けながら君を助け、見逃した』
『例え誰であろうと裏切りは許さない…それが古くからの付き合いである人間だったとしてもだ』
『……ん?まだ息があったか…ちょうどいい、お前をここまで追い込んだ女に最後の恨みでも伝えてやれ』
のあ「……冬、馬…?」
『…悪ぃ、星は…見れそうにない……』
タァァン!!
『死体が見たいなら彼の家に来るがいい…では、さようなら』
ブツッ…ツー、ツー、ツー…
のあ「ッ…!」ガチャチャッ!!
キキィィィィッ!!ブォォォォォォン!!!
------------
--------
----
《冬馬宅前》
キッキィィィィッ!!!ガチャ、バタンッ!!
タッタッタッ!!
ガチャ…
北斗「さて、家に入ったのも確認したし…」チャキッ
北斗「依頼を最後まで果たさせてもらうよ…子猫ちゃん」コツ、コツ、コツ…
ピリリリリ…ピリリリリ…
北斗「…?」ピッ!
『御多忙の所申し訳ありません、北斗様』
北斗「君は受付の…」
『美城オーナーが貴方に忘れ物をお渡ししたいとの事ですので、申し訳ありませんが…』
北斗「(…いや、仕事は未遂だしあの男を殺した事もバレていないはず……)」
北斗「(最悪、あの女程度なら殺して終わらせれるか……)」
北斗「…分かりました、すぐに御伺いします」ピッ!
《冬馬宅・室内》
タッタッタッ!!
のあ「冬馬……ッ!!」バッ!!
のあ「………冬、馬……?」
------------
--------
----
《車内》
ブォォォォォン……
黒井「……今頃、のあは冬馬の惨殺死体を見て放心しているだろう」
幹部8「その間に我々は…」
黒井「港からヘリを使い、国外に逃げる…なに、奴も国外のどこにいるかまでは分かるまい」
幹部8「その前に北斗から吉報が来れば…」
黒井「不意を打てば…まぁ、期待せずに待てばいい」
------------
--------
----
《美城ホテル・バルコニー》
北斗「………」コツ、コツ、コツ…
北斗「(…ここで待ち合わせのはずだが……)」
黒服1「………」スッ…
黒服2「………」スッ…
黒服3「………」スッ…
黒服4「………」スッ…
北斗「!!?」バッ!!
北斗「(バカな…囲まれた?気配すら感じなかったぞ!?)」ゾクッ!!
コツ、コツ、コツ…
美城「伊集院北斗君」
北斗「み、美城…オーナー……」
美城「君はホテルのルールに反した……よって、君からはホテルの利用権利を剥奪、永久停止をさせてもらう」
北斗「ご、誤解です!そんなこと…」
美城「電話で伝えた忘れ物だ、受け取りたまえ」スッ
北斗「……ッ!!」
美城「のあの部屋に落ちてた君の銃だ。随分暴れたそうだな」スタスタ…
北斗「お、オーナー!!」
黒服's『………』ジャキッ
美城「…ああ、君風に言うなら……」
美城「チャオ、伊集院北斗」
パパパパァァァン!!!
……ドサッ
美城「…後は頼む」ジャラッ
響子「はい、オーナー♪」チャリッ
------------
--------
----
《冬馬宅》
のあ「……………」
ピリリリリッ!ピリリリリッ!
のあ「………」ピッ
『美城だ。…事情は察している』
のあ「………」
『君の聞きたいことも予想できるし理解できる』
『だが規則により私から君にそれを伝えることはできない』
『ある男が港にヘリを待機させ、それで国外へ逃亡しようとしているなどという事は』
のあ「…………」ピッ!
------------
--------
----
《港付近》
ブォォォォォ……
幹部8「もうすぐヘリの場所です」
黒井「そうか…ヘリは来ているのか?」
幹部9「待機してい……ん?なんだあの車…」
幹部10「車?」
幹部9「後ろから来てる車だ……」
ガシャァァァァァンッッ!!!
黒井・幹部's『!!?』ガクンッ!!!
幹部8「な、なんだぁっ!?」
ブォォォォォォォン!!!!
のあ「…」カチャッ
幹部9「な、なんでお前が…」
パンパンッ!!
幹部9「」ガクンッ
幹部8「クソッ!」チャキッ!
ギャギャギャギャ!!ブォォォォォン!!!
幹部10「あの女無茶苦茶だぁ!!」
黒井「ハッハッハッハッハッ!!!そうだ!!あの女ならこれくらいするなぁ!!!」
幹部8「港に待機してる者は銃を持て!高峯のあが来た、射殺しろ!!」
幹部10「く、クソッ…!!」
黒井「…まあ、頑張りたまえ。……無理だろうがな」ボソッ
のあ「………」チャキッ
------------
--------
----
ダダダァン!!ダァァン!!
ダンダンッ!!!
黒井「……まさか、組織が2日で壊滅するとはな……」フラッ…フラッ…
コツ、コツ、コツ…
のあ「……」ジャキッ
黒井「…ッ……のあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」チャキッ!!
のあ「…」スッ
パパァァン!!
黒井「………ははは……」ズルズルッ…ドサッ
のあ「………」コツ、コツ、コツ…
黒井「……私を敵に回した者は、痛い目を見る……」
黒井「だが……お前を敵に回した者は……痛い目どころでは、ないな………」
のあ「………」コツ、コツ……チャキッ
黒井「………また会おう、のあ」ニッ
のあ「…ええ、また会いましょう」
パァンッ!!
------------
--------
----
《保健所》
ガチャガチャ…バキッ!
ギィィィ……
のあ「………」コツ、コツ、コツ…
ワンワン!ワンワン!ワンワン!
のあ「………」コツ、コツ、コツ…
のあ「…」ピタッ
カチャリ、キィィ…
「ワンッ!」
のあ「……帰りましょう、私の家に…」
アッキー「ワンッ!」
終わり
《おまけ》
《打ち上げ・居酒屋》
冬馬「まさかジュピター全員死ぬとは…」
北斗「だけど楽しい撮影だったから…ね?」
翔太「僕ひたすら悪態吐いて逃げてるだけだったじゃん。しかも黒ちゃんの息子設定だから苗字も変わってたし」
黒井「…………」
翔太「その黒ちゃんは黙って飲んでるし」
冬馬「特別出演で出てくれって言われて出てみたら悪役のボスだもんな…」
北斗「ですが、あれは社長でなければ出来ない役だったかと」
黒井「…フン!まあ今回は私も楽しかったし良しとしよう」グイッ
「最後のやり取りなど、黒井社長でなければ絵になりませんでしたよ」
黒井「…どこかのだれかと思えば、346プロの娘さんか。親父さんは元気かね?」
美城「父がよろしくお伝えくださいと」
黒井「アイツは相変わらず海外に出ずっぱりか」
美城「フフッ…よろしければ父と黒井社長のお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」
美城「どうにも、父は黒井社長の話になると嬉々として語りだすので…」
黒井「…ククッ、あの男も変わらんな」
黒井「いいだろう、ならばあの男が会社を立ち上げる時の話だ。あれは……―――」
翔太「…顔が広いんだね、黒ちゃん」
北斗「そりゃ社長だからね」
冬馬「…あんた達も立ってないで座ったらどうだ?」
武内「…では、失礼します」スッ
ちひろ「失礼しますねー♪」
翔太「うぇ!?いつから!!?」
北斗「常務さんと一緒に来てたよ」
冬馬「俺達はともかく社長やそっちの常務、プロデューサーから事務員まで出すなんざ…監督は何考えてんだ?」
北斗「監修監督全て346プロだと聞いていますが、その辺りも関係しているのでしょうか?」
武内「…実は、この映画を撮影する際にイメージする役者がいなかったらしく、通りすがりの私が抜擢され……」
ちひろ「私もそんな感じですかね」ハハハ…
北斗「スカウトする側がスカウトされてどうするんですか」
武内「…返す言葉もありません」
翔太「まあまあ、北斗くんもプロデューサーさん殺しちゃったんだから御相子って事で」
冬馬「…御相子か?」
冬馬「ところで主賓とアイドル達はいつ来るんだ?」
北斗「てっきりそちらと一緒に来られると思っていましたが」
翔太「黒ちゃんが隙あらば961プロに勧誘するって言ってたね」
武内・ちひろ『……来て、いないのですか?』
冬馬・北斗・翔太『…………え?』
《隣の中華料理屋》
美世「……ここで合ってるんだよね?」
クラリス「地図ではここだと…」
智絵里「ど、どうしよう……もし違ってたら……」オロオロ…
杏「案外隣の居酒屋だったりして」
かな子「プロデューサーに確認してみましょうか?」
響子「プロデューサーさんの連絡先は…」ゴソゴソ
早苗「私隣の居酒屋に行きたーい!」
瑞樹「打ち上げって言ったら普通居酒屋よねー?」
のあ「麻婆豆腐とライス大盛」
ハイヨー!
全員『(のあさん普通に頼んでる…!!)』
クラリス「の、のあさん!?もし場所が違ってたらすぐに移動しないといけないのですよ!?」
のあ「麻婆豆腐が私を呼んでいた…それだけの話よ」
杏「うわぁー…さすが今回の主賓」
智絵里「えーと…えーと…」オロオロ
美世「まあまあ。智絵里ちゃん落ち着いて」
響子「プロデューサーさん!今……え!ということは、やっぱり隣の居酒屋だったんですか!!?」
かな子「は、はやく行きましょう!!」
早苗「よっしゃ飲むぞー!!」
瑞樹「ダッシュよ!ダッシュ!!」
ワイワイガヤガヤ…ワイワイガヤガヤ…
ハイオマチー!
のあ「………」モグモグ…モグモグ…
ズルズル…ズルル!
のあ「………」チラッ
貴音「………」ズルルル…
のあ「…………」
のあ「………」モグモグ
貴音「………」チラッ
のあ「(今度は麻婆ラーメンを食べてみようかしら)」
貴音「(今度は麻婆ラーメンを食してみましょう)」
終わり
構想を練ってる途中に上位でのあさんが来ててビックリしました。
長文お付き合い、ありがとうございました!
…のあさんボイス付かないかなぁ……
ジョン・ウィック見たことないけど見てみたくなったわ
のあさん、こういう役似合うねー
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