ヴィーネ「無防備なガヴ」 (39)
ヴィーネ「ガヴ、いるの、おーい」
ヴィーネ(家のチャイムを鳴らしても反応しない)
ヴィーネ(もう寝ているのかしら)
ガチャリ
ヴィーネ(仕方がないので合鍵で入らしてもらう)
ヴィーネ(休日でどうせ何も食べていないのだ、私がしっかり食べさせてあげないと!)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498412307
ヴィーネ「おじゃましますー」
ヴィーネ(部屋には電気がついていた)
ヴィーネ(何だ、ちゃんといるじゃない)
ヴィーネ(扉を開くとテレビを前に変な機器を被ったガヴがいた)
ヴィーネ(何あれ?)
ヴィーネ(テレビには、3Dのアイドルが踊っている)
ヴィーネ(ガヴはコントローラーを振っている…そういうゲームなのかしら)
ヴィーネ「ガヴ、何しているの?」
ヴィーネ(反応しない・・・)
ヴィーネ(ガヴの肩をトントンと叩く)
ヴィーネ「ねえ、ガヴったら」
ガヴ「ひっ」
ヴィーネ(ガヴが驚き、機器を外してこっちを見る)
ガヴ「うぉおお、ヴィーネじゃん。脅かすなよ」
ヴィーネ「脅かしたつもりはないわよ。何どもチャイムを鳴らし、呼びかけたもの」
ガヴ「あぁ、ごめんごめん。ついゲームに夢中になちゃって」
ヴィーネ「この変な機器もゲームの機械なのね」
ガヴ「ああ、VRだ」
ヴィーネ「あー、これがVRなのね」
ガヴ「うむ。ついに手に入ったんだ。これが本当楽しくて、目の前に女の子がいるようだし、
戦闘機も臨場感があって、ホラーゲームもより怖さマシマシ」
ヴィーネ「へえーすごいのね」
ガヴ「ヴィーネもやる?」
ヴィーネ「私はいいわ。こういうのって酔うんでしょ?私、絶対気持ち悪くなっちゃうもの」
ガヴ「じゃあ、私はまたVRするから」
ヴィーネ「ちょっと待って。ガヴ、何も食べてないでしょ?」
ガヴ「そういえば、ゲームに夢中で何も食べていなかったな」
ヴィーネ「やっぱり」
ガヴ「だって、買ってくるのもめんどくさいし」
ヴィーネ「もう。私がつくるから、ちょっと待ってなさい。ゲームはできるまでやっていいから」
ガヴ「はいー、ヴィーネママ」
ヴィーネ「私はこんな大きな子を産んだ覚えありません!」
ヴィーネ(冷蔵庫には何も入っていなかった)
ヴィーネ(ちゃんとスーパーで買ってきて良かったわ)
ヴィーネ「ガヴ、ご飯できたわよー」
ヴィーネ(ガヴを呼ぶも反応しなかった)
ヴィーネ(テレビには空を飛ぶ戦闘機が映っていた)
ヴィーネ(VRに夢中。しかもヘッドホンをしているので、こっちの声が聞こえないみたいだ)
ヴィーネ(視覚も、聴覚もあっちの世界)
ヴィーネ(私のことが見えないし、私の言葉が聞こえない)
ヴィーネ(その姿は、とても)
ヴィーネ(無防備だ)
ヴィーネ(できた料理を机に置く)
ヴィーネ「ねえ、ガヴ」
ヴィーネ(ガヴの横に立ち、ガヴをじっと見る)
ヴィーネ(綺麗な髪の毛、小さな手、透き通った肌)
ヴィーネ(戦闘機が動く度に体を左右に揺らしちゃうガヴ)
ヴィーネ「かわいいな・・・」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ(ガヴはあまりにも無防備で、私の誉め言葉にはまったく気づいていない)
ヴィーネ(だから、そう)
ヴィーネ(それはほんの出来心で、)
ヴィーネ(今なら、簡単に言えると思ったのだ)
ヴィーネ「ねえ、ガヴ」
ヴィーネ「私、ガヴのこと」
ヴィーネ「好きなの」
ヴィーネ(言葉にした瞬間、体がぞくぞくした)
ヴィーネ(気持ちを言葉にするだけで、こんなに高ぶるなんて)
ヴィーネ「好き」
ヴィーネ(好きという気持ちがあふれ出す)
ヴィーネ(ガヴの後ろにまわる)
ヴィーネ(ガヴの髪に顔を近づける)
ヴィーネ「・・・いい匂い」
ヴィーネ(もっと嗅ぎたい、もっとガヴを感じたい)
ヴィーネ(・・・って、何やっているの、私!!!)
ヴィーネ(まずい、さすがにまずい)
ヴィーネ(これ以上やったらバレる。さすがにバレて、軽蔑される!!)
ヴィーネ(深呼吸。すーはー、落ち着け、落ち着くのよ、月乃瀬=ヴィネット=エイプリル)
ヴィーネ「ガ、ガヴ、ご飯できたわーよ」
ヴィーネ(そう言って、ガヴの肩をとんとんと叩く)
ガヴ「あっ、できたの?」
ヴィーネ(ガヴがゴーグルとヘッドホンを外す)
ヴィーネ「うん。冷めないうちに早く食べましょ?」
ガヴ「わー、オムライスだ。さすがヴィーネの作った料理、すげー美味そう」
ヴィーネ「はいはい、お世辞はいいから早く食べなさい」
ガヴ「ありがとう、ヴィーネおかん」
ヴィーネ「まだママの方がマシよ!?」
ヴィーネ(それからというもの、VR中の無防備なガヴを楽しむのが日課となった)
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「はぁ・・愛おしい」
ヴィーネ「ガヴちゃんマジ天使」
ヴィーネ「はぅ~かぁいいよぉ~お持ち帰りィー!!したいよー!」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「スンスン。今日は体育があったからちょっと汗臭いわね」
ヴィーネ「でも、そのスパイスも格別なのよね」
ヴィーネ「スーハー。うーん・・・フォルテッシモッッッッッ!!」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「フフフ、パンツ丸見えよガヴ」
ヴィーネ「今日は水玉のパンツなのね」
ヴィーネ「あぁ、ガヴは私にパンツ見られながらゲームしているのね」
ヴィーネ「この背徳感、たまらない・・・!」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「今日もゲームに夢中ね、ガヴ」
ヴィーネ(今日はホラーゲームをしていた)
ヴィーネ(必死にゾンビから逃げている)
ヴィーネ(ガヴの顔が強張っているのが見ていて面白い)
ヴィーネ(本当に面白いんだな、VRって)
ヴィーネ(ありがとうVR。ありがとう〇ニー)
ヴィーネ(ガヴの胸の前に手をかざす)
ヴィーネ(あと数センチで触れるか、触れないかという所)
ヴィーネ「このギリギリ感がいいのよね」
ヴィーネ「ほ~ら、ガヴ。胸に触っちゃうよ。わしわししちゃうよー」
ガヴ「!!」
ヴィーネ(ゲームの中で目の前に敵が現れたのか、ガヴの身体がガクンと動く)
プニ
ヴィーネ「!!!!?」
ヴィーネ(つい胸を触ってしまった!?)
ガヴ「あっ、ごめんヴィーネ? ぶつかった?」
ヴィーネ(さっと手をどかし、ガヴから離れる)
ヴィーネ(ガヴがVRゴーグルを外し、こっちを見る)
ガヴ「ごめんごめん、ついゲームに夢中だったわ。怪我しなかった?」
ヴィーネ「ええ、大丈夫よ」
ヴィーネ(ガヴは胸が触られたと気づいてないみたいだ)
ヴィーネ(事故だと思っているみたいだ)
ヴィーネ(た、助かった・・・)
ヴィーネ(でも、触ったんだ)
ヴィーネ(その小さな感触は私の中に残ってしまった)
ヴィーネ(一度知ったら、さらにもう一度知りたくなってしまう)
ヴィーネ(その先を確かめてみたくなってしまう)
ガヴ「・・・」
ヴィーネ(その日もガヴはVRをしていた)
ヴィーネ「ガヴ、今日も可愛いね」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ(ガヴはゲームでアイドルを応援していた)
ヴィーネ「ねえ、どんなアイドルよりもガヴが一番輝いているよ」
ヴィーネ(ガヴに近づく)
ヴィーネ「いい匂いだね、ガヴ」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「私、あなたの前だと恥ずかしくて言えないけどね」
ヴィーネ「とってもあなたのこと大好きなの」
ヴィーネ「笑顔のガヴが好き」
ヴィーネ「だらしないガヴが好き」
ヴィーネ「意地悪なガヴが好き」
ヴィーネ「でも、優しいガヴが好き」
ヴィーネ(彼女の耳元に近づく)
ヴィーネ「大好きだよ、ガヴ」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ(一度動き出したら止まらない)
ヴィーネ(心が麻痺し、)
ヴィーネ(行為はエスカレートする)
ヴィーネ「カプッ」
ガヴ「!!」
ヴィーネ(つい目の前にあった耳にかみついてしまった)
ヴィーネ(ガヴの身体がビクンと震えた)
ヴィーネ(ガヴは何も言ってこなかった)
ヴィーネ(気づいてない)
ヴィーネ(そう私は判断した)
ヴィーネ「ガヴがいけないんだからね」
ヴィーネ(ガヴのお尻に手をあてる)
ガヴ「!!」
ヴィーネ「こんなに可愛いガヴがいけないんだからね」
ヴィーネ(手を上下に擦る)
ヴィーネ「もう、我慢できない、かも」
ヴィーネ(ガヴの正面にまわる)
ヴィーネ(彼女の唇に指をあてる)
ヴィーネ「私、ガヴが欲しい」
ガヴ「・・・」
ヴィーネ「しちゃうよ、キスしちゃうよ」
ヴィーネ(顔を近づける)
ヴィーネ「本当にしちゃうからね」
ヴィーネ(あと10cm)
ヴィーネ(あと、5cm)
ヴィーネ(私は目をつぶった)
ガヴ「だああああ! さすがに気づくわ、ヴィーネ!!」
ヴィーネ「え!?」
ヴィーネ(ガヴがVRゴーグルを外し、大声をあげる)
ガヴ「耳かむとか、お尻さするとか、さすがに気づくから!!!」
ガヴ「き、キスとか駄目だから! 恥ずかしすぎるから!!」
ガヴ「お、おいヴィーネ、そんな目して、どうしっ!?」
ヴィーネ(ガヴを床に押し倒す)
ヴィーネ「ごめんね、ガヴ」
ガヴ「落ち着けよ、ヴィーネ!!えっ、まじで、や、やめ」
ヴィーネ「もう止まらないの」
ガヴ「ヴィー、ッッ!?」
ドアバターン
サターニャ「ガヴリール、お邪魔するわよー!」
ラフィエル「お邪魔します~♪」
ヴィーネ「チューーーーーー」
ガヴ「ウウウウンン、ンンン///」ジタバタ
サターニャ「あ、あ、あ・・・///」
ラフィエル「あらあら、お取込み中でしたね///」
サターニャ「お、お邪魔しましたーーーーーー///」
-ちょっと前-
ガヴ(最近、VRをする度に、近くに気配を感じていた)
ガヴ(視覚と聴覚がゲームに入り込むと、他の感覚が鋭敏となる)
ガヴ(だから、きっと勘違いで、ただヴィーネが近くを掃除しているだけだと思っていた)
ガヴ(でも、私の胸にヴィーネの手が当たった時に、違和感を持った)
ガヴ(掃除するにも近すぎる。偶然胸に手が当たるはずがない)
ガヴ(だから、次にVRをする時は、ヘッドホンをしながらもゲームの音は消してプレイした)
ヴィーネ「ガヴ、今日も可愛いね」
ガヴ(ヴィーネの声が聞こえた)
ヴィーネ「いい匂いだね、ガヴ」
ヴィーネ「ねえ、どんなアイドルよりもガヴが一番輝いているよ」
ガヴ(気配の正体は紛れもなくヴィーネだった)
ガヴ(何言っているのこいつ!?)
ガヴ(いつもこんなこと言ってたの!? え、匂い嗅いでたの?)
ガヴ(えっ、ええと、ま、マジか―――!?)
ガヴ(恥ずかしすぎる、はずい)
ヴィーネ「笑顔のガヴが好き」
ヴィーネ「だらしないガヴが好き」
ガヴ(でも、不思議と)
ヴィーネ「意地悪なガヴが好き」
ヴィーネ「でも、優しいガヴが好き」
ヴィーネ「大好きだよ、ガヴ」
ガヴ(悪い気がしなかった)
ガヴ(ヴィーネは私のこと、こんなに思ってくれていたんだ・・・)
カプッ
ガヴ(!?)
ガヴ(おい、耳!?耳かまれた!?)
サワサワ
ガヴ(次はお尻!?)
ヴィーネ「しちゃうよ、キスしちゃうよ」
ガヴ(駄目だ駄目だ駄目だ)
ガヴ(取り返しがつかないことになる!! 止めないと!!!)
ガヴ「だああああ! さすがに気づくわ、ヴィーネ!!」
-現在-
ヴィーネ(私はガヴの前で土下座をしていた)
ガヴ「言うことは?」
ヴィーネ「つい出来心でやってしまいました。とても反省しています」
ガヴ「で、出来心で私のファーストキスを奪うなよ・・・」
ヴィーネ「ファースト・・・グッ」
ガヴ「おい、ガッツポーズするな、反省してないだろ!?」
ヴィーネ「私、ヴィーネ、とても反省、している」
ガヴ「心がこもってないぞ。あーどうするんだよ、サターニャとラフィにはどう説明すれば・・・」
ヴィーネ「どんまい」
ガヴ「本当に反省しているの、お前!?」
ヴィーネ「本当にごめんなさい。やりすぎました」
ガヴ「まぁ、いいよ・・・、ヴィーネの気持ちは嫌というほどわかったし」
ヴィーネ「許してくれるの!? ガヴまじ天使!」
ガヴ「だあああ!何かリミッター外れていません?」
ヴィーネ「ブンブン」
ガヴ「まぁ、許すからさ・・・」
ガヴ「ヴィーネも、VRやってみない?」
ヴィーネ「えっ?」
おわり。VRをやっているヴィーネに悪戯するガヴはご想像にお任せ。
久々に書きました。変態ヴィーネを書きたかった。
おつ
乙
コメディも面白いし百合的にも素晴らしかった!可愛かった!
おつ
すげーよかった
ヴィーネかわいい
なのはのニート侍を養うリョナ妹スレと勘違いして開けました
すごい良かった
違ってたら申し訳ないけどバレンタインSSとか書いてなかった?
ヴィーネ「ガヴにチョコつくるわ」ヴィーネ「ガヴにチョコつくるわ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487011843/)
を書いてました! よくわかりますね…!
他にも、
ガヴ「結婚した」ヴィーネ「・・・はぁ!?」
ヴィーネ「あそこにいるのはガヴと…千咲ちゃん?」
タプリス「今日こそ悪魔に勝ちます」サターニャ「のぞむところよ」
を書いてきたので、良かったらぜひー
見たもんばっかだな
結構初期から書いているな
>>35
文体が特徴あるからわかってしまった
そのガヴが結婚したって奴ガヴSSで一番好き
>>37
ありがとうございます!
しばらくSS書いてなかったので、また書いていけたらと…!
最初は恋する乙女だったのにどうしてこうなった
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません