モバP「事務所に帰ると加蓮が必ず死んだふりをしています。」 (21)


n番煎じです。
悪しからず。



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北条加蓮(16)
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モバP「ただいま……って加蓮!?!?」

外回りから事務所に帰ると、そこにはうつ伏せに倒れこむ加蓮の姿が。

背中のあたりは血に染まり、身体から飛び出すようにその傷を負わせたであろうポテトが……


……うん?ポテト?


よく見ると加蓮の手元に赤く文字が書かれている。

ポテI

トを書く途中でこと切れたらしい。

謎のクオリティの高さは評価するけど、小学生組が見たら号泣ものだからやめてね。



ーーポテト殺人事件。



P「ただいま………」

加蓮「」


加蓮が白い花に囲まれながらソファーに横たわっている。

穏やかな表情だ。

きっと安らかな最期だったんだね。

うん、間違いなく天国に逝ってるよこれは。

確かに思わず写真を撮っちゃったくらい綺麗な光景ではあったけど、実家が花屋さんのアイドルが協力するのはずるいと思うんだ。

次は、なるべく低予算でお願いします。


ーー白い花の中で。

懐かしいなオイ



P「ただいま……」

加蓮「」


鬼のお面を被った加蓮が倒れている。

そして無数に散らばる豆。

なるほど、今日は節分だったね。

季節感があって大変よろしい。

でも多分、鬼は物理的に豆にやられるんじゃなくて、魔滅(まめ)からくる願掛けだと思うな。

だから、早くその血糊を落としにいこう?

洗濯とか大変じゃない?


ーー鬼は外。



P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮がハナコを抱いて倒れている。

なるほど、加蓮はなんだかとっても眠かったらしい。

って、渋谷家全面協力過ぎるだろ。

まぁ確かに超低予算なのはいいけれど、ハナコが窮屈そうだから早く解放してあげてください。

地味に服装まで似せててクオリティは高いけどね。


ーー渋谷さんちの犬。




P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮がなにか小さな紙のようなものを持って倒れている。

今日はなぜか顔が血まみれだ。

手に持っていた物を確認すると、フリフリの衣装を着た奈緒だった。

なるほど、これは可愛い。

これは奈緒が悪い。

ダイイングメッセージで奈緒って書いていれば、なお、よかったかな。

とか言ってたらちょうど帰ってきた奈緒に引っ叩かれた。

加蓮、その血糊貸してくれ。

奈緒による連続殺人にしよう。


ーーなおかわいい。




P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮が頭から血を流して倒れている。

近くにはヤシの実が落ちている。

ヤシの実に当たって死ぬとか古畑任三郎の父親かよってツッこんだら、すかさず都が出てきて古畑風に推理を始めた。

ヤシの実が頭に降りてくるから“ヤシオリ事件”らしい。

突然のシン・ゴ◯ラ。

どうやら事件は迷宮入りしたようだ。

是非とも加蓮が死んでしまう理由を解き明かして欲しかったのだが。


ーー謎解きはモノローグのあとで。



P「ただいm…

ガンッ!!!!

バタッ

加蓮「」


加蓮が頭から血を流している。

どうやら俺が開けたドアによって死ぬらしい。

死ぬらしい、という言い方をしたのは、まさに今、目の前でダイイングメッセージを書いているからだ。

ご丁寧にフルネームで名前を書いてくれるようだ。

さすがに殺人事件の犯人になったことはないので妙な気分だ。

でも俺、ドアを手前に引いて開けたんだけど。

めっちゃ冤罪なんだけど。


ーー犯人はプロデューサー。



P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮がソファーで寝てる。

あれ、今日は血も出てない。

綺麗な顔をしている。

………ハッ

ウソみたいだ。死んでるのか、これで。

死んだふりに慣れてきた頃だからこそのこのネタ、今日は負けを認めよう。

ちょっと美波を呼んでくる。


ーー私をお城に連れてって。




P「ただいま……」

加蓮「」


床に倒れた加蓮と、ぶちまかれたコーヒー。

なるほど、コーヒーに毒物を入れられた毒殺事件か。

よし、せっかくだから犯人を推理しよう。

……ペロッ……これは、青酸カリ!

なんちゃって。

気を取り直してテーブルの上を見ると1組のティーカップが。

両側から飲んだような跡。

微かなジャムの溶け残り。

……なるほど、今回は迷宮入りは避けられたようだ。

まぁ、アーニャは普通に加蓮とお茶してただけだろうけども。

これからも仲良くしてやってくれ。


ーー北海道より愛を込めて。



P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮が首を吊っている。

なるほど、原点にして頂点。

わかっていてもなかなかの迫力がある。

きちんと揃えられている靴のそばに、わかりやすく遺書が置いてある。

読むと、どうやら俺がポテトを週に2回までと決めたことが悲しすぎての自殺らしい。

そんなこと言われても。

仕方がないので週に3回まではOKということにする。

その代わり、野菜もしっかり摂ること。

……というか、それどうやって身体を吊ってるの?

ふむふむなるほど、今度のイベントではフライングとか取り入れてみようか。


ーー加蓮のメーデー。




P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮が倒れている。

傍らには食べかけのリンゴ。

なるほど、どこかの鏡に世界で1番可愛いと言われたのか。

うん?

ってことは、まさか俺がキスする流れなんだろうか。

心なしか加蓮も顔を赤らめている気がする。

でも実は、原作の童話では単にリンゴを喉に詰まらせていただけなんだよな。

何かの拍子にそれが取れて、息を吹き返して王子様と結婚するとかそんな感じのはず。

……とか言ってたら、加蓮の顔がどんどん赤くなってゆく。

唇を突き出して、半ばヤケクソのようだ。

かわいいのでしばらく眺めている。

加蓮も張り合うつもりのようだ。

でも俺は、加蓮には白雪姫じゃなくてシンデレラになって欲しいかな。

そう呟くと、加蓮はおもむろに起き上がり、どこかへ行ってしまった。




そして、その日を最後に、加蓮が事務所で死んだふりをすることはなくなった。





ー数年後ー



P「ただいま……」

加蓮「」


加蓮が血を流して倒れている。

久々の光景だ。

久々でもすぐに死んだふりだとわかったのは、背中に刺さっているのがハリケーンポテトだったからだ。

あれ、今回の血糊はケチャップ?

そのままポテトも食べられるね。

一緒に片付けをしながらぼんやりと考える。

結局、加蓮はなんで死んだふりをするんだろう。

また続くようなら知恵袋にでも聞いてみようかな。



『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』と。



短いですが、これで終わりです。
自分でもなんで今さらこのネタを書こうと思ったのかわかりません。
HTML化依頼してきます。

分かり切ってたけど、綺麗なオチで良かっt

加蓮は構ってほしがりかわいい
おつおつ

嘘…だろ…>>17
>>1乙も言えずに逝くなんて…


お茶目な加蓮かわいい

ええやん
乙やで

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