提督「いよいよ熊野も改二か……」
電「なのです。熊野さんの成長が楽しみなのです」
暁「レディーセブンの熊野さんだから、それはますます立派なレディーになっているに決まっているじゃない! 暁がもっと見習いたいくらいにね!」
提督「あはは、それはそうだな。そろそろ改装も終わっている頃だろう。楽しみだな」
――とおおおおおおおぅ!
電「あの声は……!」
暁「熊野さんだわ! 改装が終わったのね!」
提督「いやあれで分かるってどうなんだ」
電「司令官は分からなかったのです?」
提督「一発で分かった」
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熊野「航空巡洋艦熊野! 改二になって華麗に参上ですわ!」ビシッ!
電「ふわぁ……かっこいいのです! 素敵なのです!」
暁「電の言うとおりね! ますます熊野さんのレディ振りに磨きが掛かっているわ!」
熊野「え……? その、ご丁寧にどういたしまして」
提督「ああ、電と暁の言うとおりだな。ますます素敵になったじゃないか」
熊野「もう、提督までからかわないでくださいな。ま、まあ暁さんに見習われているわけですし、これくらい当たり前ですわ」
電「でも素晴らしいのです! 今日はお祝いなのです! これは盛大にお祝いするのです!」
熊野「お祝い? いえ、そこまでして頂くわけには……」
暁「遠慮しないでいいのよ? もう準備はすっかり整っているんだから」
熊野「準備って――」
パチン!
熊野「きゃっ!? 電気が消えましたの!? 真っ暗ですわ!」
期待してるよ荒らしは無視で進めて下さい
パチッ!
熊野「今度はライトが……いったい誰ですの!?」
雷「熊野さん、改二おめでとう!」
響「ハラショー。今日はめでたい日だね」
風雲「えーい!」
磯風「花吹雪が薄いぞ! もっと盛大にまき散らせ弟子三号!」
風雲「誰が弟子三号か!」
初春「なんぞ、めでたい日じゃのう……いつも以上に盛大に舞うとしようぞ!」
若葉「この瞬間を待っていた!」
白露「今日は熊野さんがいっちばーん!」
時雨「いいライトアップと花吹雪だね」
初霜「さあ! 熊野さんを輪形陣でお祝いしましょう!」
熊野「なんで輪形陣ですの!?」
磯風「その通りだ初霜! そこは単縦陣だろう!」
島風「単縦陣!? ますます意味が分からないよ!? ねえ長波ちゃん?」
長波「まー、祝うなら輪形陣で良いんじゃね?」
白露「熊野さん改二を称えよ!」
時雨「熊野さん改二を称えよ!」
村雨「熊野さん改二を称えよ!」
春雨「熊野さん改二を称えよ!」
熊野「恥ずかしいからやめてくださいな!?」
霞「熊野さん改二を称えよ!」(←やけ)
熊野「霞さんがそれをやるのはなぜか違和感ありまくりですわ!?」
五月雨「熊野さんきゃひに!? ……うう、したかみました……」
熊野「大丈夫ですの!?」
阿武隈「五月雨ちゃん大丈夫? ほら、舌見せて」
五月雨「いひゃいです……う~、どうして~?」
阿武隈「うーん、これくらいなら大丈夫かな」
五月雨「でもいたい~」
阿武隈「ほら、痛いの痛いの飛んでけ~」
熊野「痛いの痛いの飛んでけ~、ですわ」
五月雨「ありがとうごじゃいます……」
熊野「ところで……これは一体どういうことですの?」
電「熊野さん改二のお祝いなのです!」
熊野「それはありがたいですが、いきなりでびっくりしましたわ」
響「気にすることはないさ。全ては阿武隈さんが始めたことだからね」
阿武隈「響ちゃん!?」
熊野「阿武隈……一体なにしているのかしら?」
阿武隈「違います! あたしはただ熊野さんが改二になるから、おめでとうって言ってあげてねって伝えただけで――」
磯風「つまりは熊野さんを盛大にお祝いしろということだな! と師匠の胸に秘めた熱い想いを酌み取り、第一水雷戦隊プラスアルファで実行したわけだ」
阿武隈「違わないけど、どうしたこうなったんだろう……」
白露「熊野さんがいっちばーん!」
時雨「いっちばーん!」
村雨「いっちばーん!」
春雨「いっちばーん!」
風雲「い、いっちばーん!」
熊野「気持ちはありがたいのですけど、恥ずかしいですから控えめにしてくださらないかしら……」
不知火「熊野さんの改二になにか落ち度でも?」
熊野「ありませんわよ」
五月雨「い、いっちばーん」
熊野「五月雨さんも無理しないでくださいな」
阿武隈「それはそうとして、お祝いに熊野さんの好きなサンドイッチを作ったんですよ!」
熊野「あら! 気が利きますわね! 私サンドイッチは大好物ですのよ!」
阿武隈「えへへ、それは良かったです。熊野さんには日頃からお世話になってますからね。具もちょっと奮発しちゃいました」
磯風「微力ながら、磯風や風雲、暁も手伝ったぞ。熊野さんの口に合えばいいが」
熊野「ふふっ、阿武隈や磯風さんが作ったのなら心配なんてしませんわよ」
阿武隈「そう言ってくれると嬉しいですね。この前教えてもらった紅茶も淹れますからね」
熊野「それはますます楽しみですわね」
電「阿武隈さん、サンドイッチ持ってきたのです!」
島風「ふふーん、早いでしょ! ねっ、お姉ちゃん」
阿武隈「電ちゃん、島風ちゃん。ありがとうね」
島風「にひひ、どういたしまして!」
電「熊野さん、こちらにどうぞなのです!」
霞「じゃあ霞は紅茶を淹れるわね……阿武隈さん、ちょっと見てて欲しいんだけど」
不知火「あら霞。この前、ちゃんと淹れ方を教えてもらったのでは?」
霞「べ、別に良いじゃない」
風雲「阿武隈さんにちゃんと淹れられるところ見せたいだけでしょ」
霞「そんなことあるわけないじゃない!」ぷんすか!
阿武隈「もー、ケンカしないの」
響「……」じー
熊野「……響さん? サンドイッチ食べたいのかしら?」
暁「駄目よ響。今日は熊野さんのお祝いなんだから、熊野さんが一番で、暁達はその後なんだから」
熊野「別に構いませんわよ」
雷「そんなの駄目よ! そういうところはきっちりしないと」
若葉「その通りだ響。熊野さんが最初だから、響はそれまで阿武隈さんの背中にいると良い」
響「すぱしーば」
トコトコトコ……ぴょん!
響「ウラー!」
阿武隈「きゃあ!? 響ちゃん危険だからいきなり背中に飛び付かないでっていつも言ってるじゃない!」
響「無駄だね」キラキラ
風雲「すがすがしいまでに聞き流したわね!?」
雷「あっさり阿武隈さんを身代わりにしたわね!?」
若葉「いつものことだ」
長波「そうだな」
初春「今更じゃのう」
島風「もー! いつも響ちゃんばっかりずるーい!」
白露「あたしもいっちばーん!」
時雨「いっちばーん」
村雨「村雨も放置プレイしないってばー!」
春雨「姉さんばかりずるいです! 春雨も一緒に遊びたいですー!」
五月雨「五月雨も、えーい!」
阿武隈「ふえええええ!? 熊野さん助けてえええええぇ!?」
熊野「その子達はみんな一水戦経験者ですのよ。一水戦旗艦のあなたがなんとかしなさいな」
阿武隈「無理ですううううううぅ!?」
電「みんな阿武隈さんに迷惑かけちゃだめなのですー!」
霞「そうよあんたらさっさと降りなさいな!」
初霜「そうですよ! 熊野さんを輪形陣でお祝いするべきです!」
阿武隈「そうです! 熊野さんをお祝いするからいったん離れてください!」
春雨「春雨にご用なのですか?」
阿武隈「春雨ちゃん聞こえない振りしないの!?」
時雨「残念だったね」
阿武隈「ううう……みんな、指示に従わないならサンドイッチはあげません!」
白露「!? みんな整列ー!」
「「「了解!」」」ビシッ!
熊野「あっという間に整列しましたわね!?」
阿武隈「わっ、皆早いです! 凄いね、えらいえらい!」
熊野「阿武隈、あなたそれで良いんですの……?」
提督「というか出来るなら最初からしてやれよ……」
暁「改めて熊野さん。改二おめでとう、なのです!」
「「「おめでとう!」」」
熊野「ふふっ、どういたしましてですわ」
霞「はい、紅茶お待たせ。熊野さんの口に合うと良いのだけど」
熊野「ふふっ、ありがとうですわ」
風雲「それじゃあ召し上がれ……上手くできているか不安だけど」
熊野「もぐ……おいしーですわー!」
磯風「それはなによりだ。師匠はともかく、磯風が作ったのは少し不安だったからな」
熊野「磯風さんも随分上達されたのでしょう? 私もあなたの努力は知っていますわよ」
電「磯風ちゃん頑張ったのです!」
磯風「なんだか恥ずかしいな……」
熊野「別に恥ずかしがる必要ありませんわよ。むしろ誇りなさいな」
島風「ねーねー阿武隈さん。島風達も食べて良い?」
阿武隈「うん、良いよ。みんなちゃんと仲良く分けてね」
島風「もっちろん! えーと、数はこれだけあるから――」
鈴谷「やっほー熊野! なんか盛大にお祝いされてるじゃーん!」
熊野「あら鈴谷。どうしたのかしら?」
鈴谷「なによー、せっかく鈴谷もお祝いしに来てあげたのに」
熊野「ふふっ、それは失礼しましたわね。ありがとうございます」
鈴谷「いやー、熊野も改二かー。先に改二になった先輩として、しっかり面倒見てあげるからね」
熊野「あら。練度は私の方が上でしてよ?」
鈴谷「言ったなー? じゃあ次の訓練でしっかり見せてもらうからね!」
熊野「よろしくてよ。新しい熊野、ご覧に入れて差し上げますわ!」
阿武隈「あたしも期待してますね!」
熊野「阿武隈に期待されては、答えないわけにはいきませんわね」
暁「さすがレディーセブンの二人ね……言葉を交わす姿も素晴らしいわ」キラキラ
風雲「暁がものすごく輝いた目で、熊野さんと阿武隈さんを見ている……」
長波「いつものことだし、あんまり気にしても仕方ねーぞ?」
阿武隈「たしか、熊野さんは鈴谷さんと同じように攻撃型軽空母にもコンバートできるんですよね?」
熊野「ええ、その通りですわ」
鈴谷「ふふーん、お揃いだね熊野!」
熊野「ええ。なんだか私もなんだか嬉しいですわ」
電「コンバート改装……やっぱり電も軽巡洋艦になれる可能性があるのです」キラキラ
時雨「ないと思うよ」キッパリ
電「!?」
村雨「ざっくり行ったわね……」
春雨「時雨姉さんすごいです。いろんな意味で」
電「阿武隈さん……電は……電は……」
阿武隈「もう、電ちゃん元気出して」ぎゅー
暁「ふふっ、電もまだまだ甘えん坊さんね」
白露「空母だったら艦載機も飛ばせるんだよね! せっかくだし白露もてるてる坊主作ったよ! いっちばーん大きいの!」
熊野「あら、それは感謝致しますわ」
白露「ほら! 今だって執務室の窓に飾ってあるんだよ! 時雨や電と一緒に作ったんだから!」
熊野「そのてるてる坊主、頭が大きすぎて逆さまになってますわよ!」
白露「あっれー!? せっかく阿武隈さんに教わって作ったのに!? どうして!?」
時雨「もう、姉さんってば。だからあまり大きくしないように言ったじゃないか」
電「電と時雨ちゃんのはしっかり頭が上になっているのです」
阿武隈「ふふっ、しょうがないですねえ。あとでもう一回作ろうか。今度は作り終わるまで見てあげるからね」
白露「ほんと!? ありがとう!」
熊野「阿武隈は面倒見が良いですわね」
霞「全く、ほんとお節介よね」
不知火「霞。顔が笑ってますよ」
霞「うっさいわよ」
熊野「けれど、空母なんて今までなったことありませんから、艦載機の運用なんてちんぷんかんぷんですわね……」
鈴谷「へーきへーき、鈴谷だってなんとかなったんだし、熊野も大丈夫だって!」
阿武隈「そうですよ。あたしだって大発や甲標的の運用はしたことありませんでしたけど、あきつ丸さんや千代田さんに教わってできるようになりましたし」
熊野「そうですわね……この鎮守府には頼りになる先輩型が沢山いらっしゃるのでしたわね」
鈴谷「なんだったら鈴谷が教えてあげよっか?」
熊野「よろしいんですの?」
鈴谷「もっちろん! それじゃ――」
瑞鶴「いいえ」
大鳳「それには及ばないわ」
熊野「瑞鶴さん!? 大鳳さん!?」
阿武隈「どこから出てきたんですか!?」
瑞鶴「艦載機の運用なら私達がしっかり教えるわ!」
大鳳「その通りよ! ふふっ、後輩がまた一人増えたわね!」
熊野「また一人増えた……?」
鈴谷「あー、その、うん」
瑞鶴「鈴谷には私達がみっちり教えてあげたのよ!」
大鳳「教え子がいるって、本当に良いですね……とても素敵なことだと思います!」
熊野「そ、そうなのかしら……?」
神通「ええ、その通りです! 教え子や弟子がいるって本当に素晴らしいことですね! その気持ち分かります!」
阿武隈「神通もどこから出てきたの!?」
神通「弟子希望がいると聞いてやって来たの」
阿武隈「今回のお弟子さんは熊野さんで、軽空母だから。水雷戦隊じゃないから」
神通「そ、そうですか……」ずーん
阿武隈「落ち込み過ぎなんですけどぉ!?」
瑞鶴「さ、善は急げよ! さっそく空母としての訓練をするわよ!」
大鳳「ええそうね! 行きましょう熊野さん!」
熊野「今からですの!? 少し待ってくださらないかしら!?」
大鳳「ぐずぐずしていたら日が暮れてしまうわ! 今日の青空は今日だけしかないんですから!」
熊野「意味が分からないことを言わないでくださらない!? 阿武隈、助けてくださいな!」
阿武隈「あたしは艦載機運用は専門外ですし……空母については護衛しかできませんから」
霞「さっきの熊野さんと阿武隈さんの立場が逆になってるわね」
熊野「これが因果応報ですの!?」
?「軽巡には艦載機運用ができない……たしかにそうかもしれない」
阿武隈「ふえ?」
熊野「何者ですの!?」
日向「だが水上爆撃機――瑞雲ならどうだ? もしかしたらいけるかもしれないぞ」
阿武隈「無理です」
熊野「無理ですわね」
電「無理なのです」
これで終わりです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
熊野さん改二おめでとうございます。非常にかわいくて強いですね。
阿武隈さんと熊野さんの掛け合いを一度書いてみたかったので、今回は書いてて楽しかったです。
おつおつ
>>18さん
乙ありがとうございます
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