博士「という事なのです」
かばん「えーと…どういう事なんでしょう…」
サーバル「なになにー!?何か面白そう!」
博士「今回我々はかばんが発見したこの服の着脱についてもっと詳しく調べてみる事にしたのです」
助手「それにどうやらこの服というもの、一度失っても時間が経てば再生するという事も分かりました。そういった点について我々は非常に興味が湧いたのです」
かばん「なるほど。それで皆さんの服装についてチェックするという事なんですね」
博士「その通りです。ですがその前にお腹が空いたので料理を食べさせるのです」
かばん「えぇっ!?またですか?」
博士「腹が減ってはファッションチェックも出来ないのです」
助手「チェックの前に料理に突撃なのです」
博士「突撃!隣のご飯なのです」
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博士「ふぅー…満腹満足なのです」
助手「では博士、早速やるですか」
博士「そうですね助手。ちなみに今回突撃という事で特別審査員にこの方をお呼びしているのです。出てくるのです」
ヘラジカ「やぁやぁ私はヘラジカ!突撃という事で私が馳せ参じたからにはもう心配いらないぞ!!」
助手「(…博士。これはむしろ心配しかないのですが)」
博士「(…仕方ないのです。突撃と言ったら勝手についてこられたのです)」
サーバル「ねぇねぇ!私もそのしんさいん?っていうのやってみたーい!」
助手「カット役に審査員は務まらないのです」
サーバル「えぇ~!?いいじゃなーい!」
博士「…しょうがないですね。では好きにするといいのです」
サーバル「わーい!ところでそのしんさいん?って何やるの?」
博士「………まだ始まってもいないのに既に頭が痛いのです。助手、あとは任せたのです」
助手「では博士に代わって説明するのでよ~く聞くのですよ。まず対象のフレンズに対し審査タイムを設け我々が評価します。評価項目はファッション性は勿論、機能性、個性、そのフレンズに合っているか等様々です。その後博士から総評を頂きますですよ。ちなみに博士が審査委員長、私が副審査委員長兼司会進行、ヘラジカとサーバルが特別審査委員なのです」
サーバル「何かちゃんとよく分からなかったけど頑張るよ!」
助手「…」
博士「そして第一回目の審査対象はかばん、お前です」
かばん「えぇ!?ボクですか?ボクファッションとかよく…」
博士・助手「」ジィー
サーバル「うわっメッチャ見てる!メッチャ見てるよ!」
ヘラジカ「おぉ…!まるでハシビロコウのようだな」
博士「なるほど…分かりました」
助手「では審査タイムに入ります」
博士「まずかばんの服装についてですが、これはいわゆるカジュアルというやつなのです」
かばん「カジュアル?」
助手「ファッションでいうカジュアルは非常に広義的な部分があるので詳しい言及は避けますが、まぁシンプルで堅苦しさのない格好、といったところでしょうか」
サーバル「へぇ~!そうなんだ」
ヘラジカ「サーバル、今の説明で分かったのか?」
サーバル「ううん!全然!」
助手「…」
博士「目立つ特徴としてはやはりその名前の由来ともなった白いかばん、そして一見するとボロい様ですが実は覗き穴にもなる穴あき帽子、といったところでしょうか」
助手「下に穿いている半ズボンが同じ白で統一してあるのもポイントですね。上下に同じ色のものを配置する事によって全体を引き締まった印象にさせる常套手段なのです」
博士「まさにこの広大なジャパリパークを歩き回るにはうってつけのファッションといえます」
助手「実に探検家らしいファッションですね」
博士「また一人称がボク、短髪、その小ぶりな胸から当初は性別はオスなのでは?との噂も立っていました」
かばん「えっ…!?そうだったんですか…?…初めて聞きました……」
サーバル「だ、大丈夫だよかばんちゃん!パッと見分からないくらい胸が小さいからってかばんちゃんの魅力は変わらないから!」
ヘラジカ「生物的にはオスの方が強いのだから何の問題もなかろう?」
かばん「うぅ…ふたりとも慰めになってないですよ…」
博士「しかしちゃんと見れば膨らんでいるの明白、お前らの目は節穴かと言いたくなるのです」
かばん「よ、良かった…」
助手「しかし博士、かばんの性別が明確に表記された資料が後日訂正され性別不明になった、との報告も受けているのです」
かばん「えぇっ!?」
博士「なるほど…。それはそれで妄想が膨らむのです。…私は認めませんが」
サーバル「(博士達はどっちの味方なんだろう)」
博士「…ゴホン。話が逸れてしまったので戻すのです」
助手「かばんのファッションを語る上で無くてはならない要素、ですね」
かばん「(…もう帰りたい)」
博士「それはやはりタイツなのです!」
かばん「えっこれの事ですか?でもどうして…」
博士「かばんが黒セルリアンから救出されて本来の姿に戻った時、何故かそのタイツと手袋だけが消えていました」
助手「その時我々は思ったのです。このセルリアンは変態だ、と」
サーバル「変態ってなにー?」
ヘラジカ「博士達みたいな者の事じゃないか?」
博士「おばかフレンズは黙るのです。…話を戻しましょう」
助手「かばん。お前が黒セルリアンと戦った後その手袋とタイツはどうなったですか?」
かばん「そう言えば段々と元に戻っていったような…」
博士「そこなのです!」
かばん「えっ?」
博士「お前は気付いていないかもしれませんが元に戻るという過程であろう事かお前は生脚のかばん、ハイソックスのかばん、ニーソックスのかばんという新しい属性を次々に生み出してしまったのです!ちなみに私は断然生脚派なのです」
助手「確かにあの姿からは何か底知れぬ『えろす』を感じましたね」
博士「かばんの生脚は珍しいので今度我々にもじっくり研究させるのです。じゅるり…」
かばん「えっ…えぇ~………」
助手「ただシンプル過ぎるが故にちょっと安っぽいですね」
かばん「そ、そうでしょうか…」
博士「確かにこれではそこら辺のファストファッションブランドで簡単に揃えられてしまうのです」
かばん「ファ、ファストファッション…?」
助手「…では博士、総評を」
博士「分かりました。あなたは…………………………マネキンです!!」
かばん「マ、マネキン…!?」
サーバル「すっごーい!かばんちゃんは実はマネキンちゃんだったんだね!」
かばん「サーバルちゃん!?」
助手「では特別審査員にも評価を頂きましょう」
ヘラジカ「かばんのファッションは完璧だ。きっとこのファッションチェックというものを見越してわざわざこの服装を選んだのだろう…まさに作戦勝ち!!」
かばん「…あの~ボクいつもこの服装なんですけど…」
ヘラジカ「そうだったか?」
サーバル「大丈夫だよかばんちゃん!かばんちゃんは何着ても可愛いよ!」
かばん「サーバルちゃん…」
助手「ノロケはいいとして…」
サーバル「ノロケじゃないよ!」
博士「…さて、チュートリアルはこれくらいにしてそろそろ本番に移るのです」
助手「そうですね。それでは記念すべき第一回目のゲストはこのふたりです」
キンシコウ「こんにちは」
ヒグマ「何だ何だ?」
サーバル「あっ!キンシコウとヒグマだ!」
ヘラジカ「おぉ…!中々強そうな奴等が来たな!」
かばん「すみません何か急に呼び出しちゃって…」
ヒグマ「まったくだ。私達ハンターの仕事で忙しいんだから手短に頼むぞ」
助手「ではどちらからいきますか博士?」
博士「そうですね…ではまずキンシコウからいきましょう」
キンシコウ「わ、私ですか?よろしくお願いします」
博士・助手「」ジィー
サーバル「博士達相変わらず凄い集中力だね!」
かばん「…サーバルちゃん。あれはただ凝視してるだけだよ」
助手「…これは壮観ですね博士」
博士「…そうですね助手。実に良い…このレオタードが実にいい味を出しているのです…じゅるり」
キンシコウ「あ、あんまりまじまじ見ないで下さい…」
ヒグマ「(何だこのドスケベフクロウズ)」
助手「いや~堪能しましたね」
博士「至福の一時だったのです」
キンシコウ「は……恥ずかしかった………」
助手「では博士。総評を」
博士「分かりました。あなたは…………………………メチャシコウです!!」
キンシコウ「メ………え…?何…?」
ヒグマ「…キンシコウ。今のは聞かなかった事にした方がいいぞ」
かばん「さすがににそれはセクハラというやつなんじゃ…」
博士「マネキンは黙るのです!まったく少し配慮に欠けた表現だったからといってあれもセクハラこれもセクハラ…世知辛い世の中ですね助手」
助手「まったくです博士」
博士「大体こんな破廉恥な格好で外を出歩くなど何を考えているのですか。もしこのメチャシコボディを求めて誰かが襲ってきたりなんかしたら…」
ヒグマ「そんな奴いねぇよ…」
キンシコウ「うぅ…私そんなつもりじゃないのに…」グスン
ヒグマ「…よしよし」
キンシコウ「ヒグマさぁん…」
助手「こらそこ。いちゃつくなです」
ヒグマ「いやお前らがいじめるからだろ…」
博士「はて何の事やら…。我々は世間の評価をそのまま代弁しただけなのですよ?」
サーバル「(この短時間で早くもふたりの犠牲者が…私審査員で良かったかも…)」
博士「では次は我々の料理係でお馴染みのヒグマです」
ヒグマ「誰が料理係だ」
博士「という事でチェックの前に早速料理を作るのです」
ヒグマ「はぁ!?さっき食べたばかりだろ!」
博士「失礼な…我々をボケ老人のように扱わないで欲しいのです」
助手「頭を使うにはエネルギーを使うのです。エネルギーを使うとお腹が減るのは当然の事なのです」
博士「つまり我々と料理は切っても切れない関係、分かったらさっさと料理を作るのです」
ヒグマ「こいつら…」
かばん「ま、まぁまぁ。ボクも手伝いますから」
ヒグマ「悪いなかばん…」
博士「早くするのですよー」
ヒグマ「」イラッ
博士「ふぅ…本日二度目の満腹満足です」
助手「ふたりで作ると早さも美味しさも二倍なのです」
かばん「あはは…ありがとうございます」
博士「ん?そう言えばさっきから特別審査員のヘラジカの姿が見えませんが…」
サーバル「ヘラジカならさっき強そうな奴を見つけたとか言って飛び出していったよ」
博士「まったくどいつもこいつも…自分勝手なのです」
助手「ですね」
ヒグマ「(いやお前らがそれ言うか)」
博士「では改めてヒグマのファッションチェック再開なのです」
博士・助手「」ジィー
ヒグマ「(はぁ…ハンターの仕事より大事な用があるって言うから何かと思えば…来るんじゃなかった)」
助手「なるほど…。我々フレンズの中ではサイキョーと名高いヒグマですが服装に関しては至ってシンプルですね」
ヒグマ「…悪いかよ」
博士「いえ、今回はそこがポイントです。シンプルだからこそ動きやすさに重点を置いている、まさにハンターらしい戦闘向きなファッションといえるのです。更にスカートの下にしっかりスパッツも穿いてガードも完璧。ついでに胸の大きさも申し分無いのです」
ヒグマ「む、胸は関係ないだろ…!」
助手「一揉みしますか博士?」
ヒグマ「させるか!!」
博士「残念なのです。せっかくボーナスポイントが貰えるチャンスだったのに…」
ヒグマ「なぁ…もう帰っていいだろ。いい加減ひとりにしてきたリカオンが心配だ」
助手「待つのです。まだ博士の総評が終わってません」
博士「そうなのです。それにヒグマ、お前は一つ勘違いをしてるのです」
ヒグマ「勘違い?」
博士「何ですかそのスカート丈は!?まるでスカートの意味を成していないではないですか!!」
ヒグマ「べ、別にいいだろ!ヒラヒラしてると落ち着かな…じゃなくて動きにくいんだよ!」
博士「私はいつもお前が料理を作っている時、セルリアンと戦っている時、そのスカートから見える引き締まったお尻を見ながらあぁ…何故こいつはスカートを履いているのだろう…と常々思っていたのです」
ヒグマ「いや思うなよ。余計なお世話だ」
助手「…では博士。総評を」
博士「分かりました。あなたは…………………………痴女です!!」
ヒグマ「誰が痴女だぁーーーー!!!!」
助手「博士。どうでしたか第一回突撃!隣のファッションチェックは」
博士「いや~あらゆる欲求が満たされて満腹満足なのです。次回はもっと色んな種類のフレンズをチェックするのですよ…じゅるり」
なおこの企画の評判はまたたく間に広まり第二回目が開催される事は無かった…………。
おしまい
おつお
アプリ版では条件を満たすことでフレンズのコスチュームチェンジができたらしい・・・
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