博士「一年に一日だけのチャンス! 絶対に完成させてみせる!」(19)

ある研究所にて──



助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「博士がおっしゃっていた、細長い直線状の物体を発見いたしました!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「先ほどの物体、おそらくは植物の一部分であると推測されます!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「失礼いたしました。実際には、ある種の両生類である可能性が高いです!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「やはり先ほどの物体、鳥類であることが判明いたしました!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「確認を取りましたところ、本日は2015年、6月6日で間違いありません!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「本日の天候を確認して参りました! 梅雨前線の影響により、雨天です!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「文具店にてご指定の品を無事購入し、ご指示通りに破損させました!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「小麦粉を発酵させた食物に、小豆を煮た物質を詰め込むことに成功いたしました!」

博士「個数は!?」

助手「二個です!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「食用に適した植物の種子を、無事入手いたしました!」

博士「個数は!?」

助手「三個です!」

博士「よくやった!」

助手「博士!」

博士「どうだった!?」

助手「先程の小麦粉を発酵させた食物の、細長いタイプのものを注文いたしました!」

博士「個数は!?」

助手「二個です!」

博士「よくやった!」

博士「これで材料と条件が全て整った!」

博士「本当に長かった……」

博士「なにしろ、一年のうち今日だけしかチャンスがないからな……」

助手「しかし、これでようやく我々の研究が実を結ぶのですね!」

博士「うむ、そのとおり!」

博士「あとはこの白く丈の長い帽子を設置すれば……一瞬にして完成する!」

博士「あっという間に……かわいいコックさん!」



http://i.imgur.com/WdVVGL1.jpg









END

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