本田未央「もうやめようと思うんだ」 (28)
―――346プロ 事務所前廊下
モバP(以下P)「さて、今日も一日頑張るか」
奈緒『なあ未央、もうちょい頑張ってもいいんじゃないか?』
未央『いや、頑張ってはみたよ? でももう十分やったんじゃないかなって』
P(お、奈緒と未央の声だ。事務所の中にいるのか)
未央『だから、もうやめようと思うんだ。これ以上は無理だと思う』
奈緒『……そっか、やめちゃうのか。残念だな』
P(やめる? いったい何の話だ?)
未央『やっぱり私には向いてないって。私、普通の女の子に戻るよ』
奈緒『いや、その言い方は大げさだろ』
P「!? ふ、普通の女の子に……戻る? それにさっきまでの意味深な台詞の数々……ま、まさか未央、アイドルやめるつもりなんじゃ……」
未央『そうだね』
P「そうなの!? くっ、そんなこと……認められるか!」
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―――事務所
P「未央っ!」ガチャ
未央「わ!? プ、プロデューサー!?」
奈緒「い、いきなり入って来るなよ! びっくりするだろ!」
P「未央、やめるって本気で言ってるのか!?」
未央「え? あ、今の話聞いてたの? うん、やめるよ」
P「軽っ! お前……お前の思いは、その程度だったのか! そんな簡単にやめられるようなものだったのかよ!」
未央「ど、どうしたの、プロデューサー?」
奈緒「さ、流石にそこまで熱くなることないんじゃないか?」
P「奈緒、お前もなぜ引き止めない!? 仲間がやめようとしてるんだぞ!」
奈緒「え、いや、確かに残念だけど、未央がやめたいって言うんならしょうがないかなって」
P「しょうがないなんて言葉で済ませられるか!」
未央「お、落ち着いてよ、プロデューサー。そもそもプロデューサーには関係ないでしょ?」
奈緒「そうそう、関係ないじゃんか」
P「!? か、関係……ない……?」ガーン
未央「? まあいいや、私たちもうレッスン室行くね」
奈緒「そうするか」
未央「じゃーねー、プロデューサー」ガチャ
P「だ、駄目だ、俺一人の説得じゃ…………。こうなったら…………346プロアイドル、緊急招集!」ピポパ、ピッ
―――事務所 廊下
未央「……それにしてもプロデューサー、どうして私がポケ○ンやめるだけであそこまで熱くなってたんだろ?」
奈緒「さあ? そんなにポ○モン好きなのかな?」
未央「でも私はストーリークリアだけで十分かな。厳選だっけ? よくあんなに何十時間も延々と同じ作業出来るよね」
奈緒「そこも合わせて楽しいんだけどなー」
未央「私はそこまでの高みには至れないよ」
奈緒「ま、合う合わないは人それぞれだし、しゃーないか。せっかくの○ケモン仲間が減るのは残念だけど」
―――1時間後 事務所
P「事情は今説明したとおりだ」
卯月「み、未央ちゃんが……」
凛「アイドルを、やめるなんて……」
藍子「う、嘘ですよね、プロデューサーさん」
P「残念ながら、事実なんだ」
茜「そんな……!?」
P「だが、このままやめさせていいわけがない! 未央はもっと輝ける! まだあいつは、トップアイドルにだってなってないんだ!」
みく「その通りにゃ!」
美嘉「こんないきなりやめるなんて、ありえないよ!」
加蓮「でも……未央は、やめたいって言ってるんだよね?」
響子「未央ちゃんがやめたいのに、無理に続けてもらっても……」
P「ああ、確かにそうだ。本人がもうやめたいというのなら、そうさせてやるのが優しさなんだろう。でもな……それで納得出来るのか、お前たちは!」
『!?』
P「俺は出来ない! 未央がアイドルやめるなんて、考えられない! みんなも、同じ気持ちじゃないのか!」
『!』
P「どうなんだ!」
卯月「私も……私も、未央ちゃんと一緒にアイドルを続けていきたいです!」
凛「くじけそうになった時、何度も未央に励ましてもらったこと、私は絶対に忘れない!」
藍子「未央ちゃんがいないなんて、考えられません!」
茜「ポジティブパッションは、誰か一人でも欠けたら駄目なんです!」
P「あいつの気持ちは固い……俺たちが何を言っても、気持ちは変わらないかもしれない。でもそれでも、俺は未央を引き止めたい! みんなもそうだろ!?」
『そのとおりーっ!』
P「もし俺たちが引き止めてもまだ未央がやめると言うなら……その時は笑って見送ってやろう。だが、まだだ! まだ未央の気持ちを変えることができるかもしれない!」
『!』
P「俺たち全員の力を合わせて、未央の引退を阻止するぞ!」
『おぉーっ!』
―――レッスン室
みく「未央チャン!」
美嘉「未央!」
未央「みくにゃん、美嘉ねー、どうかしたの?」
みく「未央チャンのばかーっ!」パァーンッ
未央「あぶぅっ!? い、痛いよ!? なんでいきなりぶったの!?」
みく「なんでみくに何も言ってくれなかったの!?」
美嘉「なんでアタシに相談してくれなかったの!?」
未央「なんの話!?」
美嘉「未央がやめるって、プロデューサーに聞いたの!」
未央「プ、プロデューサーに? やめるって……」
未央(……あ、ポケモ○か)
未央「……いや、なんでみくにゃんにわざわざ言わなくちゃいけないの!? 美嘉ねーに相談するほどのことでもなくない!?」
美嘉「そうやってアンタは……いつも一人で抱え込んで……っ!」
みく「一体何があったって言うの!? 未央チャンがやめるなんて、よっぽどのことがあったんでしょ!?」
未央「よ、よっぽどのことって……あえて言うなら、何十時間も延々と走り回るのがきつくて」
みく・美嘉『何十時間も!?』
みく「え、未央チャン、そんなハードなことしてたの!?」
未央「そうだよー、結構精神的に辛くてさ」
美嘉「いや肉体的に辛いでしょ、それ!」
未央「え、身体の方はたいしたことないけど」
みく「フルマラソン以上に走ってるのに!?」
未央「指と目がちょっと疲れるくらいかな」
美嘉「その程度の症状で済むの!?」
みく「未央チャン、ホントに人間!? ター○ネーターじゃないよね!?」
未央「人間だけど!? 何わけ分からないこと言ってるの!? もう、とにかく私はやめるの! これ以上やりたくないから!」
みく「くっ……だ、駄目だよ。みくたちじゃ、もう……」
美嘉「後は、他の皆に任せよう……」ガチャ
未央「……なんだったの?」
―――346プロ 屋上
奈緒「加蓮に比奈さん、あたしに何か用?」
加蓮「っ!」パァーンッ
奈緒「あぶぅっ!? い、いきなり何すんだ加蓮!」
加蓮「見損なったよ、奈緒!」
比奈「奈緒ちゃんがそんな薄情な子だったとは、思わなかったっス!」
奈緒「なんの話!?」
比奈「未央ちゃんがやめるって言ったのに、止めもしなかったらしいっスね!」
奈緒「え、やめる?」
奈緒(……あ、ポケ○ンか)
奈緒「うんまあ、止めなかったけど」
加蓮「それでも仲間!? 未央とは、何度も一緒にライブしたでしょ!?」
奈緒「それがどうした!?」
加蓮「奈緒は未央のこと、何とも思ってなかったの!? 大事な友達じゃないの!?」
奈緒「いや、大事な友達ではあるけど、それとこれとは関係ないだろ!?」
比奈「奈緒ちゃんにとって友達って……友情ってその程度のものだったんスか!」
奈緒「えぇ!? だ、だって嫌なものを無理に続けさせるのはさ……」
加蓮「い、嫌? 未央、嫌って言ってたの?」
奈緒「ああ。最初は楽しかったみたいなんだけど、最近は無理してやってたんだって」
比奈「む、無理を……?」
加蓮「嘘……そんなの、全然気付かなかった……」
奈緒「それ聞いたらあたし、続けてくれなんて言えなかったんだよ」
加蓮「……ごめん、奈緒。奈緒も色々と考えて、未央を止めなかったんだね」
比奈「……事情も聞かずに感情的になって、悪かったッス」
奈緒「い、いやまあ、別にいいけど……」
加蓮「……ひっく……」
比奈「……ぐすっ……」
奈緒「え、泣いてる!? 2人とも泣いてるのか!?」
比奈「み、未央ちゃんのそんな気持ちを聞いたら……私にはもう、未央ちゃんを止められないっス……」
加蓮「未央……なんで……っ」
奈緒(え、えぇ……。未央がポケ○ンやめるだけで、そこまで悲しまなくても……)
―――廊下
未央「さっきのホントになんだったんだろ?」
藍子・茜『未央ちゃんっ!』
未央「うぇ!? あ、あーちゃん、茜ちん、どしたの?」
藍子「未央ちゃん、やめるなんて嘘ですよね……?」
未央「あ、あーちゃんたちもその話しに来たの?」
未央(うちの事務所、こんなに○ケモン好きいたんだ……)
未央「あーちゃんたちには悪いかもだけど……ごめん、私はもう続けられそうにないんだ」
茜「どうして……どうしてですかっ! 未央ちゃん、あんなに楽しそうにやってたじゃないですか!」
未央「え、楽しそうに見えてた? う、うーん、正直そんなに面白くなかったんだけど……」
茜「え……」
藍子「な、何を、言っているんですか……?」
茜「面白く……なかった……?」
未央「あ、いや最初は楽しかったよ? でもね、やってくうちに作業感が強くなってきたって言うか……もはやあの作業の何が楽しいのか分からないというか……」
藍子「さ、作業……?」
茜「……せものです」
未央「? 茜ちん、今なんて?」
茜「偽物ですっ! 未央ちゃんがそんなこと言うはずありませんっ!」
未央「えぇ!?」
茜「どこです!? 本物の未央ちゃんをどこにやったんですか!?」
未央「ここにいるけど!?」
茜「偽物に用はありません! 本物の未央ちゃんを返してくださいっ!」
未央「お、落ち着いて茜ちん! 私には合わなかったんだから、しょうがなくない!? お願いだからそこまで怒らないでよ!」
茜「ここにいないのなら探し当てるまでです! 未央ちゃん、待っててください! 今助けに行きますっ!」ダッシュ!
未央「あ、茜ちーんっ!?……い、行っちゃったし。あーちゃん、茜ちんいったい……」
藍子「……もう、私の知っている未央ちゃんはいないんですね」
未央「なんでそんな泣きそうな顔してるの!? 2人ともそこまで好きだったの!?」
藍子「好きに決まっているじゃないですか! 茜ちゃんも私も、ずっとずっと大好きですっ!」
未央「え、えぇー……」
未央(さ、さすがにそこまでポケ○ンが好きって宣言されると、ちょっと引くなー……)
藍子「……でも、私では駄目みたいですね……。もう、私の言葉じゃ…………っ」
未央「え、ちょっとあーちゃん? どこ行くの? おーい…………」
―――事務所
未央「何か今日、みんな変だなぁ……」ガチャ
凛「来たね、未央……っ!」
卯月「未央ちゃん……っ!」
未央「し、しぶりんにしまむー? ま、まさか2人もやめるなとか……」
凛「言うに決まってるでしょ!」
卯月「未央ちゃん、やめるなんて言わないで!」
未央「何なのこの事務所!? 怖いよ! ここまでだともう怖いよ!」
凛「未央……未央は覚えてないの? 私たち3人でやった、デビューライブを」
未央「で、デビューライブ? そりゃもちろん覚えてるけど……」
卯月「あの時からずっと、3人で頑張ってきたよね……。私、これからも未央ちゃんと一緒に頑張っていきたいよ……っ!」
未央「そ、そうだね、頑張っていこうね」
卯月「ならやめるなんて言わないで!」
未央「なんでそうなるの!? それとこれとは別でしょ!?」
凛「別じゃないでしょ! 私たちだけじゃない……事務所のみんなが、未央にやめてほしくないの!」
未央「みんな!?」
P「その通りだ!」ガチャッ
『未央(ちゃん)やめないで!』
未央「いっぱい出てきたぁああああああああああああああああああああ!? え!? みんなやってたの!? そんなに流行ってたの!? GOのせい!?」
卯月「お願い!」
凛「未央!」
『これからも私たちと一緒に、アイドルを続けて!』
未央「……え、うん、続けてくけど」
卯月「そんなこと言わずに……え、続けてくれるの?」
未央「そりゃそうでしょ。みんな急にどうしたの? 言われなくてもアイドル続けてくに決まってるじゃん」
凛「だ、だって未央、やめるって」
未央「いやいや、ポ○モンやめることとアイドルやめることは一切関係ないでしょ」
『……○ケモン?』
未央「? どうしたの、みんな? そんなマメパトが豆鉄砲食らったような顔して」
藍子「……あの、未央ちゃん、アイドルをやめるって言いましたよね?」
未央「ほぇ? そんなこと言うわけないよ」
茜「じゃ、じゃあ何をやめるんですか……?」
未央「だからポ○モンだって。いくら頼み込まれても、無理なものは無理なの」
『……………………………………………………………………………………………………』
未央「なんでこんな静まり返ってるの!?」
凛「……ねぇ、誰だったっけ? 未央がアイドルやめるなんて言い出したの」
卯月「……誰でしたっけ、プロデューサーさん?」
P「……………………………………………………あ、俺、この後用事が―――」
茜「逃がしませんよ」ガシッ
藍子「流石に……人騒がせにもほどがあります」
『……私たちはいまから怒るぜッ!!』
P「俺はプラズマ団じゃないんだけど!? よせお前ら! 悪かった! 悪かったから! 俺を倒しても経験値は得られな―――」
―――屋上
加蓮・比奈『うぇ―――――――んっ!』
奈緒「2人とも、いつまで泣いてるんだよ……」
『ひぎゃぁあああああああああああああああああああああああああっ!?』
奈緒「!? な、なんだ今の断末魔みたいな叫び!?」
加蓮・比奈『うわぁ―――――――――――んっ!』
奈緒「だ、だから泣き止めって! あー、もう、なんなんだよぉー!」
THE END
ジュカインが好きです
乙
これ系読むといつも
こいつら脳に障害でもあるんじゃないのかって思う
346プロ ??
どこの事務所だ
765プロじゃないの
21
リアルでこういう人種がいるわけねぇだろ。妄想の中の話だから成り立つんだよんなことも分からんのかnoobww
面白かった
アイドルが頭おかしくなるのは発作だから気にしたら負け
面白かった、言葉の綾ってのは怖いねぇ
おつおつ
アンジャッシュ系もっとはやれ
アメトークの影響かな
マルノームをすこれよ
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