アイドルマスターシンデレラガールズです。
注意
この話は私が以前に書いていた
佐藤心「プロデューサーとアイドル」
佐藤心「プロデューサーとアイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445176290/)
と世界観が一致しており、これらの話のその後のお話となっております。
モバP「新米プロデューサーと」ナターリア「アイドル!」
モバP「新米プロデューサーと」ナターリア「アイドル!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481459613/)
こちらの続きになります。
日高舞「プロデューサーとアイドル。始まりの物語」
日高舞「プロデューサーとアイドル。始まりの物語」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482069237/)
こちらの設定も引き継いでいるので、こちらも読んで頂けると助かります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492953319
CGプロ寮
晴「ふわぁ……おはよーございまーす……」
ナターリア「オハヨウ! 晴!」
晴「おー、早いな、ナターリア」
ナターリア「そうカ? このくらい普通ダロ?」
晴「昨日ちょっと遅かったんだよ……オレ」
菜々「あ、おはようございます! 晴ちゃん!」
晴「おはようございます、菜々さん」
菜々「もう朝ごはん出来てるので、取りに来てくださいね~」
ナターリア「だっテ! 行こウ!」
晴「おうよ」
晴「いただきまーす」
ナターリア「いただきマス!」
菜々「はい、召し上がれ♪」
晴「他の連中は?」
菜々「みんなもうお仕事なり学校行ってますよ。晴ちゃんとナターリアちゃんで最後です」
晴「ふーん。みんな早いんだな」
ナターリア「晴と私は一緒に仕事だからナ!」
菜々「そうですねぇ~。あ、ナターリアちゃん、口の端にケチャップが……」
菜々「んー、はい! とれましたよ!」
ナターリア「アリガト! 菜々っておかーさんみたいだナ!」
菜々「え!?」
晴「でも、実際そんなもんだろ。菜々さん、ここで寮母もやるようになってからますますかーちゃんみたいになったし」
菜々「ナ、ナナはまだ17歳なのに……」
晴「永遠の、だろ?」
菜々「うぐぐ……」
ナターリア「? 菜々は17歳じゃないのカ?」
晴「菜々さんには色々あるんだよ」
菜々「17歳ですし……」
ナターリア「??」
舞「おっはよー」
菜々「あ、舞ちゃん。おはようございます。どうしたんですか? 今日はお昼からですよね?」
舞「お、美味しそうね」
晴「あげないぞ」
舞「取らないわよ。って、そうじゃなくて。ちょっと菜々達に頼みがあってね」
菜々「ナナ達に、ですか?」
ナターリア「頼みってなんダ?」
舞「んー。回りくどいの面倒だから直球で言うけど……」
舞「あ、入って良いわよ」
??「お、お邪魔しまーす……」
晴「……誰?」
ナターリア「お客サン?」
菜々「あ、嫌な予感がする」
舞「この娘、CGプロで雇ってくれるようにはぁとちゃん説得してくれない?」
菜々「やっぱり……」
晴「は?」
ナターリア「ウン! 任せテ!」
舞「さっすが、ナターリアちゃんね! 頼もしいわ!」
舞「じゃあ、そういう事で、よろしく!」
菜々「待って。待って!」
晴「そうだよ、いきなり雇えって、そもそも誰だよ」
??「あ、ご、ごめんなさい!」
響子「私、五十嵐響子って言います! これでも一応……アイドル……やってます」
ナターリア「ナターリアだヨ! よろしくナ!」
響子「はい! よろしくお願いします!」
晴「アイドルなんだろ? 事務所入ってるんじゃないのか?」
響子「それが……」
菜々「舞ちゃん」
舞「なにかしら?」
菜々「きちんと、説明してくれますよね?」
舞「そうね……話すと長いんだけど……」
◆
数日前 テレビ局 控室
舞「んー、収録まで暇ねー。ちょっとぶらぶらしてようかしら」
響子「きゃっ!」
舞「あ、ごめんごめん。まさか扉開けた先に人が居るとは。怪我ない?」
響子「ひ、日高さん!? だ、大丈夫です!」
響子「あ、あの! 私、五十嵐響子って言います! 今日の撮影でご一緒させていただきます!」
舞「あら、そうなの。わざわざありがと」
舞「いがきょん、今暇?」
響子「い、いがきょん……?」
舞「暇ならちょっと付き合ってくれる?」
響子「えっと……挨拶したらすぐに戻れって言われてて……」
舞「まぁいいじゃない。これも挨拶と思って。ね?」
響子「は、はい……」
テレビ局内
舞「んー、撮影始まるまで暇ねー」
響子「そうですね……」
舞「なんか暗いわね、どしたの?」
響子「あ……その……」
舞「おねーさんが聞いてあげるから言ってみなさい」
響子「……私、スカウトされて田舎から出てきたんですけど、その……」
舞「売れてなくてアイドル続けるか迷ってる?」
響子「あ、はい。そうです……」
舞「こういうのは実力も大事だけど、何より必要なのは運よ」
響子「運、ですか?」
舞「そ。私も昔は中々デビューさせてもらえなくて、癇癪起こしてたけど、ある時急にデビューしちゃったし」
響子「日高さんでもデビュー出来なかったんですか?」
舞「舞で良いわよ」
響子「は、はい! 舞……さん」
舞「私の場合はちょっと事情があったけどね。デビューも望んだ形じゃなかったし」
響子「そうなんですか……」
舞「えぇ。だから、必要なのは運。そして運を引き寄せるために環境変えたりするのはアリよ」
響子「環境を……」
舞「そ。と言うわけで、今くすぶってるならいっそ事務所変えてみたら?」
響子「でも……私、他に知ってる事務所なんて……」
舞「私の知り合いの事務所に入れてもらえるように頼んであげましょうか?」
響子「い、良いんですか!?」
舞「まぁ、はぁとちゃんなら良いって言うでしょうし、ヘレンちゃんもOK出すでしょ」
響子「あ、でも、今の事務所にもお世話になってますし……」
舞「事務所どこ?」
響子「○○ってとこですけど……」
舞「○○……。ふーん。あそこまだアイドル事務所やってたのね」
響子「知ってるんですか?」
舞「なんだかんだこの業界長いもの」
舞「いがきょんの控室ここ?」
響子「え? はい。ここですけど……」
舞「たのもー!」
◆
舞「というわけで、いがきょん貰っちゃった」
晴、菜々「「」」
ナターリア「フーン、響子も大変だったんだナ」
晴「待て! それって大丈夫なのか!? 大人のジジョーとかあるんじゃないのか!?」
菜々「舞ちゃんならやりかねませんけど……」
舞「それに、菜々も知ってるでしょ? ○○って事務所の噂」
菜々「……はい」
響子「何か……嫌な噂でもあるんですか?」
菜々「あんまり、他所を悪く言いたくはないんですけど……」
舞「○○って事務所は売り出すって決めたアイドル以外からはレッスン料とか称して金だけ毟る養分にしてるのよ」
菜々「それも、逃げられないようにたまにお仕事させたりして、自分も売り出してもらえてるって錯覚させたり……」
晴「ひでぇな……」
響子「そんな……」
舞「明らかにメインで売り出してるアイドルとは待遇が違うのよね」
菜々「昔はそんな事務所ばかりでしたけど、今も残ってるとは……」
舞「ま、高木さんと黒井さん達のお陰で大分浄化はされたけど、膿はまだ残ってるって良い証拠ね」
菜々「はい……」
ナターリア「ン? でも、響子はヤメたんダロ?」
響子「えっと……はい……」
ナターリア「ならイイんじゃないカ?」
晴「響子は確かにいいかもしんねーけどさ、他にもそうやって良いように使われてるアイドル一杯居るんだろ?」
舞「まぁ、そうね」
響子「……なんだか、私だけ逃げちゃって悪い気がします」
舞「……」
菜々「……あんまり言いたくないですけど、現実ってのは残酷なんです」
ナターリア「菜々……?」
菜々「夢半ばで諦めなきゃいけない娘も、夢を見る事すら出来なくなる娘もいっぱい居ます」
菜々「……それが芸能界なんです」
晴「……つまんねーな」
舞「お、晴ちゃん良い事言うわね」
晴「だって、そうだろ。せっかくやりたい事あってアイドルになったのに、事務所の都合でやらせてもらえないなんて、つまんねーだろ」
響子「……私は、舞さんに会えて、運が良かったんですね」
菜々「……はい。響子ちゃんは運が良かったんです。他のアイドルに負い目を感じるかもしれませんが……仕方ないです」
舞「……私が昔にアイドルやってた頃よりはマシになってる。だから、今後もどんどん良くしてくれると思うわよ」
舞「高木さんに黒井さん達も頑張ってるし、はぁとちゃんと彼も頑張ってるでしょ?」
舞「だから、すぐには無理でも、きっとアイドルみんなが夢を見られるようになるわよ」
響子「……」
舞「だから、まずはいがきょんがその見本にならないとダメよ!」
響子「はいっ!」
菜々「そうですね! じゃあこれから一緒に頑張りましょう!」
響子「はい!」
心「何勝手に話をまとめてんだコラ☆」
晴「!?」
ナターリア「ア! はぁとサン! オハヨ!」
響子「……! しゅ、しゅがーはぁとさんですよね!?」
心「そうだけど……」
響子「あの! 私、あの日のフェス見てました! 『つぼみ』感動しました!」
心「そ、そう?」
響子「はいっ! 私、しゅがーはぁとさんを見てますますアイドルやりたいなって思って!」
心「ふ、ふーん☆ 照れる☆」
舞「ふっ……」
菜々「舞ちゃん、何やったんですか」
舞「いがきょんに仕込んどいたのよ。ほら、はぁとちゃんって単純でしょ? こうやっておだてれば大丈夫って」
菜々「そんな嘘すぐにバレますよ……」
舞「嘘じゃないわよ。見に来てたのは事実だし」
心「いやぁ~ん☆ もう~☆ そんなに褒めんな☆ 照れちゃう☆ 照れるぅ~☆」
響子「そんな! だって私の憧れですから!」
心「くふふっ……☆ じゃあこれからも一緒に頑張ろうね♪」
響子「はい♪ ありがとうございます!」
菜々「うわぁ、あの人簡単に落ちた」
晴「いいのか……これ?」
菜々「はぁとちゃんが良いならいいんじゃないですかね。どうせ、プロデューサーさんに丸投げでしょうし」
舞「うんうん。私の見立ては間違ってなかったわね。じゃあ私も仕事あるし、そろそろ行くわ」
心「……あ! ってこんなことしてる場合じゃねぇ! 晴! ナターリア! 行くぞ!」
晴「げっ!? やばい! 遅刻する!」
ナターリア「ダーリンは?」
心「Pは卯月とほたるの方! 今日は私! ほら、早く!」
ナターリア「ハーイ……」
心「あ、響子ちゃん!」
響子「は、はい!」
心「菜々先輩と一緒に事務所行ってくれる? 手続きはちひろちゃんがやってくれるから!」
響子「わかりました!」
心「じゃあ、そういうわけで、あとはお願いしますね、菜々先輩!」
菜々「はい! 行ってらっしゃい!」
心「行ってきます! ほら、早く! 途中で未央拾わないといけないんだから!」
晴「へいへい。いってきまーす」
ナターリア「行ってきまス!」
響子「あはは……に、賑やかなんですね」
菜々「そうですねぇ……。ここなら飽きる事はないと思いますよ」
菜々「はぁとちゃんも、プロデューサーさんもアイドルの事を真剣に考えてくれますしね!」
菜々「……響子ちゃんの同期の他のアイドルには、もうちょっと我慢してもらいましょう……。いつか、きっとみんなでアイドルやれますから」
響子「はいっ!」
◆
CGプロ
響子「わぁ……」
ちひろ「ボロくてすみません。これでも菜々さんと舞さんが掃除してくれてるんですけど、なかなか……」
響子「そ、そんなことないです! なんか……実家を思い出します」
菜々「実家ですか?」
響子「はいっ♪ 私の家って家族が多くて、いつもみんなが側に居て……」
みく「あー、なるほど。うちも狭いからね。確かにみんなを側に感じるにゃ」
幸子「まったく、このカワイイボクに相応しいとは言えないくらい狭いですからねぇ」
ちひろ「これでも昔は広かったんですよ」
響子「そうなんですか?」
ちひろ「はい。昔はアイドルも少なかったですし、スタッフも私と心さんだけでしたから」
みく「それがいつの間にかえーっと……17人? 響子チャン入れて18人?」
幸子「その割にスタッフは、ちひろさんとプロデューサーさんの二人だけ……」
菜々「あはは……。ヘレンちゃんとはぁとちゃんは兼任ですからね」
ちひろ「そもそも舞さんと菜々さんが手伝ってくれてなかったら既に回ってませんよ」
響子「大変……なんですね」
ちひろ「大変ですけど、みなさん楽しんでくれていますよ♪」
みく「それもそうにゃ。ここより楽しい事務所はそうそうないと思うしね!」
幸子「まぁ否定はしませんね。……スカイダイビングとかは止めてほしいですけども」
菜々「ナナ達……何故か無茶させられますからね……」
みく、幸子、菜々「「「はぁ……」」」
ちひろ「ま、まぁ心さんも悪気があったわけでは……」
みく「悪気があったらなお悪いわ!」
響子「あははっ……!」
菜々「あ、やっと笑いましたね!」
響子「あっ! ご、ごめんなさい!」
みく「大丈夫にゃ。アイドルは笑顔が命にゃ」
幸子「フフーン! そうですよ。響子さんもボクほどではないですけど可愛いんですから、もっと笑いましょう!」
響子「……うんっ!」
ちひろ「じゃあ必要な手続きは全部こちらで行っておきますね」
響子「はい! ありがとうございます!」
菜々「じゃあナナはお仕事まで掃除してきますね!」
ちひろ「はい、お願いします」
響子「あのっ!」
菜々「はい?」
響子「私もお手伝いします! これでも家事は得意なんです!」
菜々「響子ちゃん……! ちひろさん! 聞きました!? すごく良い子ですよ!」
ちひろ「はいはい。聞いてますよー。すみません、ちょっと電話取るので……」
菜々「あ、はい。すみません」
ちひろ「お電話ありがとうございます。CGプロです。あれ、プロデューサーさん?」
みく「じゃあみく達もいこっか」
幸子「そうですね。帰りは瑞樹さん達が顔を出してくれるんでしたっけ?」
ちひろ「はい!? 今からですか!?」
菜々「?」
ちひろ「ちょっと待ってください……。いや、無理ですね……。今からスケジュール空いてる娘居ないですよ……」
みく「何かあったの?」
ちひろ「それが……今日、一緒に収録をするはずだった他所の事務所のアイドルが来てないらしくて……」
幸子「うちからもっと出せないか、って話ですか?」
ちひろ「はい……」
菜々「えっと……今日スケジュールが空いてるのは……」
みく「……ダメにゃ。社長すらもスケジュール入ってるにゃ」
幸子「雪美さんならどうでしょう? 終わり次第すぐ向かえばなんとか……」
ちひろ「雪美ちゃんはその後にすぐ楓さんと凛ちゃんと一緒にインタビューの仕事が入っちゃったんです」
幸子「むむ……」
ちひろ「どうしましょう……765プロか876プロに応援を頼むしか……」
響子「あ、あのっ!」
ちひろ「はい?」
響子「そのお仕事、私じゃダメですか!?」
ちひろ「え、ですが響子ちゃんはまだ正式な手続きも終わっていませんし……」
響子「お願いします! やらせてください!」
響子「……他のみんなのためにも、私が夢を見られるって証明しないとダメなんです!」
ちひろ「……わかりました。響子ちゃんにお願いします」
響子「ありがとうございます!」
ちひろ「プロデューサーさんにはこのまま私が説明しておきます。資料もメールで送っておきます。なので、響子ちゃんはすぐに向かってください」
響子「はい! 行ってきます!」
みく「みく達も途中まで一緒に行くにゃ!」
幸子「はい! 行きましょう、響子さん!」
響子「うんっ!」
ちひろ「……」
ちひろ「と言うわけで、新人の娘が向かいますよ」
モバP(以下P)『はい。それはわかりましたけど、なんです? あの深刻そうなの』
ちひろ「内緒です♪ 色々あるんですよ」
P『? まぁいいや。とりあえずその娘の名前は?』
ちひろ「五十嵐響子ちゃんです」
P『いがらしきょうこ……っすね。了解です。じゃあ卯月とほたると一緒に待ってますんで。資料はパソコンの方にお願いします』
ちひろ「はい♪ すぐ送りますね」
菜々「……ちひろさん」
ちひろ「はい?」
菜々「もしかして、今の全部演技ですか?」
ちひろ「演技だなんて。相手の事務所がボイコットしたのは事実ですし、もう一人くらい出せないかって打診を受けたのも事実ですよ♪」
菜々「舞ちゃんが油断出来ないって言っていた理由がわかった気がします……」
◆
テレビ局
P「お、届いたな。この娘か」
卯月「どんな娘なんですか?」
P「ほれ」
ほたる「あれ、響子さん……?」
P「なんだ、ほたる。知り合いか?」
ほたる「はい……。家が近くて、昔はよく遊んでもらってました」
ほたる「でも、響子さんはアイドルにスカウトされて東京に出て行ってしまったので……」
P「ほぉー。となると結構テレビ慣れしてるのかな」
卯月「あれ、でもお仕事あんまりしてないみたいですね」
P「ん、ほんとだ」
P「まぁ、会えば分かるだろ」
しばらくして
響子「お、遅くなりましたっ!」
響子「はぁはぁ……はぁ……」
ほたる「響子さん……!」
響子「あ、ほたるちゃん!? わぁ! 久しぶり!」
ほたる「はいっ……! お久しぶりです……!」
P「あ、五十嵐響子ちゃん?」
響子「あ、はい! 五十嵐響子です!」
P「いやー。助かった。所属した初日にいきなり仕事でごめんな?」
響子「いえ! そんな事は……」
P「あ、すまん。俺はこいつらのプロデューサーで、多分だけど君のプロデュースもすると思う。で、こっちが島村卯月」
卯月「島村卯月です! よろしくお願いしますね、響子ちゃん♪」
響子「五十嵐響子です! よろしくお願いします!」
番組D「あ、追加の娘来てくれた?」
P「はい。遅くなって申し訳ありません」
番組D「いやいや、こっちこそ無理言ってごめんね。今度埋め合わせするからさ」
P「じゃあ金曜の夜の歌番組にうちを出してもらえませんかね?」
番組D「え、あれにかぁ……うーん、担当に話はしておくけど、あんまり期待はしないでね?」
P「そうやって言う割にいつも回してくれるじゃないですか。今回も期待させてもらいます!」
番組D「あはは。まぁ頑張ってはみるよ」
番組D「えーっと、君……」
響子「五十嵐響子です! 今日はよろしくお願いします!」
番組D「うん。よろしくー。じゃあとりあえず着替えてスタンバイお願いね」
響子「はい!」
P「卯月ー、ほたるー。衣装さんと一緒に響子のスタンバイ手伝ってやってくれ」
卯月「はい!」
ほたる「はいっ……」
◆
控室
卯月「はい、響子ちゃん。今日の台本」
ほたる「ざっとで良いから目を通しておいて欲しいそうです」
響子「うん。ありがと♪」
ほたる「まさかこっちで響子さんに会うとは思いませんでした」
響子「私もだよ。元気だった? って、聞くまでもないかな」
ほたる「はい……!」
卯月「二人は仲が良いんですね!」
響子「はい! 実家に居た頃はよく一緒に遊んでたんです♪」
ほたる「響子さんは私にも優しくて……お姉さんみたいでした」
響子「あはは……うちって弟が居るからついお世話焼いちゃって……」
卯月「ほたるちゃんが妹ですか。いいなぁ~」
ほたる「卯月さんも私にとってお姉さんみたいですよ……?」
卯月「ほたるちゃん……! ありがとうございます! ぎゅーってしてあげるね!」
ほたる「う、卯月さん……! 恥ずかしいです……」
響子「仲が良いんですね!」
卯月「はい! うちの事務所はみんな仲良しですよ!」
響子「羨ましいなぁ……」
ほたる「羨ましい……ですか?」
響子「うん……私が前に居た事務所はみんなピリピリしてたから……」
卯月「大丈夫です!」
響子「え?」
卯月「響子ちゃんももう私達の仲間ですから! もう仲良しですよ!」
響子「卯月さん……!」
卯月「えへへ……ちょっと恥ずかしい、かな……」
ほたる「そんなことないですよ。卯月さんとってもかっこいいです……!」
卯月「ありがとう、ほたるちゃん♪」
スタッフ「スイマセ~ン、そろそろ準備の方、よろしくお願いします~」
卯月「あ、はーい!」
ほたる「頑張りましょうね、響子さん……!」
響子「うんっ!」
◆
CGプロ事務所
P「ただいま戻りましたー」
卯月、ほたる、響子「「「お疲れ様でーす」」」
心「おう☆ お疲れ☆」
ちひろ「お疲れ様です♪」
心「どうだった?」
P「いや、響子のおかげで驚くほど撮影がスムーズに進みました」
響子「そ、そんな事ないですよ!」
P「いや、ほんと響子様様だったよ。卯月の失敗もすかさずフォローしてくれたし」
卯月「あはは……ごめんね、響子ちゃん……」
心「じゃあデビューとしては順調って感じ?」
P「そっすね。アイドルとしての基礎がしっかりしてるのもあると思いますけど、元々面倒見がいいんだと思います。ほたるも懐いてますし」
心「まじか☆ あの引っ込み思案なほたるがか☆」
心「頑張ったなー☆ 偉いぞー☆」
ほたる「あ、あの……それにはわけが……」
心「わけ?」
ほたる「えっと……私と響子さんは実家が近くて……」
心「お、となると響子ちゃんも鳥取出身なのか☆」
響子「はい!」
心「なるほどな~」
ほたる「だから、私が頑張ったわけじゃなくて……」
響子「そんなことないよ! 昔はおどおどしてたほたるちゃんだったけど、今日はちゃんとお仕事してたもん!」
ほたる「きょ、響子さん……!」
心「ま、なんにせよ、ほたるも頑張った事に違いは無いだろ☆」
卯月「ですね! ほたるちゃんも響子ちゃんもとっても頑張ってました!」
心「うむ。初仕事でそれだけやれれば上出来だ☆」
P「じゃあ、報告も終わったし、今日はもう帰らせて大丈夫ですかね?」
心「おう☆」
P「じゃあ送っていくから、車まで行くぞー」
卯月、ほたる「「はい!」」
響子「……」
P「どうした? 行くぞ?」
響子「あはは……それがその……」
心「どした?」
響子「えっと……前の事務所辞めちゃったんで……その……帰る場所が……」
P「?」
心「ん? なんで?」
響子「住んでたところが前の事務所の持ち物で……。しばらくは舞さんの家に泊めてもらってたんですけど……。だから今日は住むとこ探そうと思ってたんです……」
ちひろ「響子ちゃんのお部屋なら寮にありますよ?」
響子「えっ!?」
心「あれ? ちひろちゃんから説明聞いてない?」
響子「えっ!? えっ!?」
ちひろ「あー。すみません。プロデューサーさんから応援の電話があってすぐ行ってもらったんですよ」
心「あー、なるほど。そういう事か」
響子「私……帰る場所、あるんですか……?」
心「おうよ☆ 空いてる部屋、どこでも使っていいぞ☆」
ちひろ「荷物も舞さんの家から回収してきてありますので安心してください♪」
ちひろ「とりあえずは共同スペースに運んであるので、後でちゃんと確認してくださいね」
響子「ぐすっ……ありがとうございます……!」
ほたる「響子さん……」
響子「ん? なぁに?」
ほたる「私の隣の部屋が空いてるので、お隣に来ませんか?」
響子「……うん! よろしくね! ほたるちゃん!」
ほたる「はいっ!」
卯月「むー……」
P「どした?」
卯月「なんか寮が楽しそうで羨ましいなって……」
心「卯月ちゃんは駄目だぞ☆」
卯月「な、なんでですか!?」
心「卯月ちゃんのお母さんから言われてる。なんでも片づけ出来なくてすぐちらかすらしいな☆」
卯月「ま、ママ~……!」
心「あんまり菜々先輩に負担かけられないからね☆」
響子「その事なんですけど……」
心「ん?」
響子「寮の家事って私もやっても良いですか?」
心「え? そりゃいいけど」
響子「ありがとうございます!」
P「家事やりたいのか。珍しいな。幸子なんてすごく嫌がってたのに」
響子「えへへ……家事が趣味なんです!」
心「だから菜々先輩が良い子って言ってたのか☆」
ちひろ「むしろやってくれるならこちらとしてもありがたいです♪」
心「だな☆」
P「じゃあ、寮の事含め、改めてこれからよろしくな」
響子「はいっ。よろしくお願いします、プロデューサーさん♪」
◆
CGプロ寮
菜々「舞ちゃん」
舞「ん?」
菜々「もし、もしもですよ。響子ちゃんがうちに所属出来なかったらどうするつもりだったんですか?」
舞「その時は石川さんとこに頼むつもりだったわよ。876が駄目なら765や961も考えてたわ」
舞「どこも受け入れてくれなかったら、最悪私が面倒見るつもりだったし」
菜々「……結果良かったかも知れませんけど、さすがに今回は周りに迷惑かけ過ぎだと思います」
舞「……分かってるわよ」
舞「でも、アイドルが道具みたいに使い捨てられてるのを見たくなかったのよ」
菜々「……」
舞「……私達の頃とはだいぶ変わったとは言え、やっぱりまだアイドルを道具としか思ってないとこはあるのよ」
菜々「……あの頃は本当に酷かったですからね」
舞「そ」
舞「……色々壊しちゃった身としてはね。それなりに責任も感じてるのよ」
菜々「舞ちゃん……」
舞「私を見る怯えた目がね。今も忘れられないの」
舞「だから、これはただの罪滅ぼしみたいなもんよ」
菜々「ごめんね、舞ちゃん」
舞「良いのよ、今更だし」
舞「さ、それよりいがきょん達がそろそろ戻ってくるんでしょ? お出迎えしてあげましょ」
菜々「そうですね」
ほたる「ただいま戻りました」
響子「た、ただいま……!」
菜々「おかえりなさい!」
End
以上です。
前回から大分空いてしまいました。どうにもこうにもなかなかしっくりこなくて何度か書き直してたり、他のを書いてたりしてたらこんなに空いてしまいました。
舞さんが響子ちゃんを気に入ってたのを見てちょっとびっくりもしましたが、基本的に頑張ってる娘が好きみたいなので、今後もこうやって876とシンデレラの絡みが増えてほしいものです。もちろん、765とも。
さて、現在は第6回シンデレラガール総選挙が行われています。
私の担当である、『佐藤心』、『神谷奈緒』をどうぞよろしくお願いします。
では、お読み頂ければ幸いです。依頼出してきます。
おつおつ
今回も読みごたえがあった
菜々さんも後悔が深そう
過去作まとめて読みたいところだけど、検索しても多すぎてまとめきれぬ
このSSまとめへのコメント
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