モバP「響子に甘えグセがついた」 (144)

モバマスSSになるよ

五十嵐響子(15)
家事が趣味

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[ある日 事務所]

P「で、今回のお便りコーナーはコレでいく予定です」

瑞樹「んー、どれどれ……あー、なるほどねぇ」

聖來「何、何?」

瑞樹「年下の彼に上手く甘えられない子ね」

聖來「あーねー」

瑞樹「彼に面倒な女だと思われたらイヤ!」

瑞樹「そもそも年上の彼女として甘えるのって難しい、というか無理!」

瑞樹「助けてミズキさーん!」

聖來「アタシと川島さん、どっち中心で答えるべき?半々?」

瑞樹「えっ、ちょっと、拾ってよ……」

P「中身次第ですね。なんでもいいですよ」

聖來「甘える、甘える……」

瑞樹「ふふっ、ここは私の甘え上手テクニックを」

P「いつものわんこトークとかでも」

聖來「わんこ……あっ、こんなのはどうかな」

聖來「『甘えられない』には3種類ある!」

P「お、なんだか良さそうですね。続けて続けて」

瑞樹「……」

聖來「一つ目は『キャラ的に甘えられない』」

瑞樹「あっ、わかるわ。年上だから、なんてまさにそれね」

聖來「わんこもね、最初の頃はちょっとそういうとこあったんだよ」

聖來「わしゃわしゃされた程度で気を許すと思うな!みたいな、ね」

瑞樹「今じゃ即尻尾ぶんぶんよね。その頃は見栄張ってただけ?」

聖來「そうそう。そういう見栄のオンオフ、っていうのかな?親しい仲なら、チャレンジしていいと思うよ!」

聖來「キャラはあくまでとっかかり、崩れても大丈夫!逆にギャップが気に入られるかもしれないし、思い切ろう!」

瑞樹「そうよねぇ。やっぱり思い切って、可愛いところみせてみるのがいいんじゃないかしら」

聖來(瑞樹さんが言うと現実味があってキツい)

P(瑞樹さんが言うと現実味があってキツい)

瑞樹「私もね、学生の頃から」

P(これ長いパターンです進めて進めて)チラッ

聖來「で!次はね」

瑞樹「」

聖來「二つ目、『遠慮して甘えられない』!甘えちゃ悪い、と思っちゃうパターン」

瑞樹「あー、あー……わかるわぁ。疲れてそうだし、今日はあんまり構ってもらえないかな~、とか」

聖來「そそ、遅くに仕事から帰ってきたらわんこもう寝てるじゃん!的な」

瑞樹「あ、聖來ちゃんサイドの話なのね……でも仕方ないんじゃない?」

聖來「うん。そういうときは流石にわんこ起こすと機嫌悪くなるし、アタシも疲れてるしでさっさと寝ちゃうんだ」

聖來「で、起きたらわんこがベッドの隣に陣取ってたりするんだよね。心なしかいつもよりも近い場所で」

瑞樹「散歩連れてけってサインじゃないの?」

聖來「それだったら無理矢理起こしに来るよ」

聖來「これね、わんこが『番してるから安心して寝てていいよ』って甘えさせてくれてるんだと思う」

瑞樹「あら、素敵。甘えるのを遠慮したら、甘えさせに来てくれるのね」

聖來「うん。甘えるのは一方的じゃダメだよね。やっぱりお互いを思いやる心が大事!甘えさせるのも大切だよ」

聖來「遠慮するのと思いやるのは必ずしも同じじゃないし、お互いに癒やし合う、支え合うような関係、目指すのもいいんじゃないかな!」

聖來「で、最後は『甘え方を知らない』!特に兄弟がいっぱいいる長男長女にはよくあると思う」

瑞樹「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい、が染み付いちゃってる子って確かにいるものね」

聖來「これはわんこ特に関係ないね」

瑞樹「えっ」

聖來「思いついただけ」

瑞樹「もうちょっとわんこで頑張りましょうよ……でも、わかるわ。私も」

聖來「甘え方がわからないなら、一緒に探らなきゃ!まずは自分が甘え下手なことを認識すること!」

聖來「それができたら、甘え下手なことを伝えて、お互いに上手くなっていきましょっ♪」

聖來「…ってとこで、どうかな?」

P「おー、サラサラ出てきますね。OKです」

聖來「やりぃ♪」

瑞樹「聖來ちゃん」

聖來「う、うん?」

瑞樹「お姉さんにもしゃべらせてよぉ…」

聖來「…やー、Pさんがこうしろって」

P「ははは…まあ次のコーナーは川島さんに任せますから。ここは今の感じでいきましょう」

瑞樹「はーい……にしても、わんこ万能ねぇ」

聖來「わんこも最初の頃はいろいろあったからねー」

瑞樹「でも確かに、甘えるって恋愛に限った話じゃないわね」

瑞樹「仕事でも友人でも家族でもペットでも、上手く甘えるのは大事だわ」

聖來「だよね。それができないと逆にストレス地獄だよ」

P「でも今回のコーナーはその切り口がいい感じですね亅

聖來「恋愛トークより、わんことかの話にするってこと?」

P「はい。あとは事務所の他の子とのとか。そっちの方がアイドルのラジオ番組らしくなりますし」

瑞樹「つまりアイドルアピールしていいのね!?」

P「……深夜ラジオなんですから、大騒ぎは無しで程々に」

瑞樹「やったー♪じゃあどうしましょう、ふふふっ」

聖來「あっ、それじゃこういうのはどう?この間さ、みくちゃんが…」

・・・

・・


[その日の夜 事務所]

P「ん、ごちそうさま。今日も美味しかったよ」

響子「はいっ、お粗末さまでした♪」

P「いつもありがとうな。仕事で疲れてるだろうに」

響子「ふふっ、好きでやってるんだからいいんですっ」

響子「……あの、お隣いいですか?」

P「どうぞどうぞ」

響子「それじゃ…えへへ」トスン

P(いつも進んで事務所の掃除してくれて、たまにこうして残業してる俺に夜食も用意してくれる)

P(小さい子の面倒見てもらったりもしてるし)

P(……よく考えたら何かと響子には頼ってばっかりだな)

P(これも甘えすぎ、なのかな…)


『甘えるのは一方的じゃダメだよね。やっぱりお互いを思いやる心が大事!甘えさせるのも大切だよ』


P(逆に響子に甘えさせる…うーん)

P(前にして欲しいことあるか聞いたときも『隣に座って話せれば十分』みたいな返事だったし)


『で、最後は「甘え方を知らない」!特に兄弟がいっぱいいる長男長女にはよくあるんじゃないかな?』


P(…直球、ねぇ)

P「……響子ってさ、弟さんがいるんだよな」

響子「はいっ。こう見えてお姉ちゃんなんですよ」

P「こう見えてって、根っこからお姉ちゃんだろ。いつも助かってるよ」

響子「えへへ」

P「やっぱり実家では小さい頃から家事とか手伝ってたのか?」

響子「うーん…言われてみれば、物心付いたらお手伝いしてたような…」

響子「どうしたんですか?急に」

P「今日、川島さん達のラジオ番組の打ち合わせで甘え方の話になってさ」

P「長男長女は甘え下手が多いって意見があったから、そういえば響子はどうだったのかなって思ったんだ」

響子「確かに、甘える機会ってあんまりなかったといえばなかったかも……しっかりしないといけませんでしたし」

響子「とは言っても、私にとってはそれが当たり前でしたから!心配無用ですっ!」

P「…そっか」

P(15のうちに家族から離れて東京に出てきて、衆目に晒される仕事をして)

P(それだけでも大変なはずなのに)

P(その上甘え方もわからず、甘えられる人もいない)


『それができないと逆にストレス地獄だよ』


P(…心配無用、ってわけにはいかない、な)

響子「あの……大丈夫、ですよ?」

P「響子」

響子「はい?」

P「前に二人三脚で一緒に頑張っていきたい、って言ってたことあったよな」

響子「あっ、はいっ!一緒に頑張るなら、やっぱり二人三脚のイメージなのかなって思うんです」

P「二人三脚はさ、コツがあるんだ」

響子「コツ…?掛け声とかですか?」

P「や、もっとわかりづらいところ」

響子「わかりづらいところ?」

P「相方の疲れ具合を感じ取ってペース調整したり、踏ん張りどころで応援し合ったり、引っ張るところは引っ張ったり」

P「そういう見えないところで支え合うのが大事なんだ」

響子「あ、なるほど…ふふ、そう考えるとなんだか素敵ですね」

響子「Pさんって二人三脚得意だったんですか?」

P「うん。学生の頃は毎年のように運動会で出てた」

響子「へぇ…」

P「で、さっきの甘え方の話に戻るけど」

響子「?」

P「俺じゃ頼りないかもしれないけど。そういうところも、二人三脚でいこう」

響子「へ?」

P「慣れない環境で、私生活も大変だろ?その上仕事もいつも十二分に頑張ってくれてる」

P「だからこそ、頑張り過ぎて転んだりしないか心配なんだ。響子は何かと頑張り屋だからさ」

響子「でも、頑張ってるのはPさんも同じですから。私もちゃんと応えたくて」

P「うん。そこは実際にいつも全力で応えてくれてるし、いい関係が構築できてると思ってるぞ」

P「でも仕事で支え合うのは、二人三脚で言えば『息を合わせる』とかの、わかりやすいところだな」

P「それももちろん大切。だけど、転ばないように、上手く走れるように支え合うのも同じくらい重要」

響子「…『見えないところで支え合う』、ですか?」

P「そうそう」

響子「それは…………でも…」

P(多感な年頃に親元から離れて、人目と責任に追われる仕事をして)

P(いろいろ背負い込んで、いつか押しつぶされるかもしれない)


P(身近な大人としてするべきことは、しっかり甘えさせること)

P(弱いところをさらけ出して頼れる相手になること、だよな)

P「だから、甘えたいときはどーんと受け止めるから。俺でよければ」

響子「…えっ?」

響子「それって、えっ、あの、いいんですか?」

響子「私、そういうのはダメだと思ってたから、」

P「俺も常日頃から響子のお世話になってるからさ。言い換えれば響子に甘えさせてもらってる」

P「担当アイドルに甲斐甲斐しく世話されてるってのも情けない話だけど、すごく助かってるんだ」

響子「それは、私が勝手に」

P「だったとしても、俺が甘えさせてもらってるのは事実だからな」

P「響子には逆に甘える権利がある、と思ってもらっていいぞ」

響子「…甘える、権利」

P「まあ遠慮はしなくていいって話で、別に間に合ってるとか嫌だったりするなら」

響子「そんなことないですっ!!絶対!!!」

P「お、おう?」

響子「…………それじゃあ、その……早速、いいですか?」

P(お、やっぱり抱えてる悩みとかあったのか)

P(相談事ならいくらでも……よーし)

P「いいぞー、なんでもこい」

響子「え、えっと……手を…」

P「手…?」



ギュッ

P「えっ」



響子「こ、これで……肩、借ります…」

コテッ

P(恋人つなぎで手繋いで、寄り添って肩枕)

P(え、いや、甘えるってこういう意味で言ったんじゃ…)

P「……えっと、響子?」

響子「えへへ……んっ♪」スリスリ

響子「と、とりあえずこれで……♪」

P「あ、うん………うん?」

P(…耳真っ赤にしながら思いっきり密着して)

P(今まで見たことないくらい、幸せそうにはにかんでて)

P(気に入ったと言わんばかりに、ちょっと肩に頬擦りなんてしちゃってて)

P(そうじゃないとはとても言い出せない雰囲気に…)

響子「……本当は」

P「?」

響子「本当は、Pさんの言う通りなんです」

響子「お仕事も学校も、慣れないこと、大変なことがいっぱいで」

響子「最近は少しホームシックになったり、ひとりでくよくよしたり、してました」

P「……」

響子「夜になったらふっと急に寂しくなって、誰かに甘えられたらな、なんて思う度に自分を叱ってたんです」

響子「そんなこと言ってられない、頑張らなきゃ、しっかりしなきゃ、って」

響子「でも……えへ、えへへ……ふふっ♥」

P(ヤバい本格的に言い出せなくなった)

響子「今、とっても幸せです♪」

P「そ、そう?」

響子「はいっ!Pさんが甘えていいって言ってくれたのが、本当に嬉しいんです」

P「……」

響子「私、こういうことができたらいいのに、なんて思っても言い出す勇気が全然出なくて」

響子「でも…まるで心が通じてるみたいに、Pさんから言ってくれるなんて…」

P「たまたまだよ、偶然そういう話題があったからさ、」

響子「それでも、私のことを考えて心配してくれたんですからっ」

響子「…やっぱり、Pさんみたいに優しい人が…」

P「や、優しい人が…?」

響子「そ、その……」

響子「結婚するなら、Pさんみたいに優しい旦那さんが、いい、です……」

P「……あ、あー、前にもそれ言ってたな、ははは」

P「まあ響子もまだ15だしな、きっといずれそういう人が見つか…」

ギュッ

P「えっ」

響子「…私は、Pさんが…」

P(…ヤバい)

P(ヤバいヤバい)

P(響子なんか凄いコト言ってるし、顔めちゃくちゃ真っ赤だし)

P「……響子?」

響子「あはは……ちょっと浮かれすぎ、かも」

響子「でも、私は本当に、」

P「その、甘えていいとは言ったけど」

響子「っ、あ……その、」

P(相手はアイドルで、15歳で、俺はプロデューサーなのに)

P「……人前ではこういうのは無し、だからな?」

響子「っ!!は、はいっ!!えへへ、二人きりの時だけにしますっ♪」パアッ

P(ここまで真っ直ぐに想われて)

響子「ふふふっ、Pさん、Pさんっ♥」スリスリ

P(俺も正直満更でないのも、ヤバい……)

・・・

・・



P(この時以来、響子はあちこちで評価を上げ続けた)

P(トレーナーさん曰く、固さがなくなっていい表情をするようになった)

P(ファン曰く、見ているだけで幸せになるくらい明るくて元気)

P(だから、これで良しと考えていた。響子がアイドルとして輝くのに必要なことなんだと)


P(でも、重大なことを二つ、見落としていた)



P(一つ)

P(響子はスイッチが入ると相当押しが強い、ということ)

・・・

・・



[仕事後、車]

ガチャッ

響子「お疲れ様ですっ」

P「おう、お疲れ様。問題とかなかったか?」

響子「いえ、ばっちりでしたっ!」

P「現場の人たちは何か言ってた?」

響子「ちょっと恥ずかしくなるくらい褒めちぎりで…あはは」

P「お、そっかそっか。現場に好かれるのはいいことだ」

響子「えへへ…料理雑誌の撮影って他と雰囲気が違うから、楽しいです♪」

P「面白い人多いからなぁ。それじゃ、遅いし寮まで送…」

響子「あっ、実は作ったものタッパーで貰ってきたんです!よければPさんのお夜食に、と思って」

P「おっ、それじゃありがたく頂い」

響子「それで、その、私もまだご飯食べてないので、できれば事務所で一緒に、なんて…」

P「…ならこんな時間だしさ、俺は後で適当に」

響子「適当にって、コンビニですか?」

P「……まぁ、コンビニとか、その辺の空いてる店とか」

響子「だーめーでーすっ!体に悪そうなお弁当食べるくらいなら、これ食べてくださいっ」

P「それだと響子が食べるものが」

響子「じゃあ一緒に食べましょう♪」

P「でもな、流石にこんな時間に事務所に戻らせるわけには」

響子「なら、寮に戻って…」

P「うん、そうそう…」

響子「…私の部屋、来ますか?」

P「…それは本当にダメ」

響子「なら事務所しかないです!」

P「……俺がちひろさんに色々言わ」

響子「ちひろさんにわける分もあるし、大丈夫ですっ」

響子「それに愛情いっぱい込めて作ったんですから。Pさんに食べてほしいんです」

P「……」

響子「ねっ?」ニコッ

P「…」

P「…………事務所行くかぁ」


ブロロロロ


[事務所]

P「…電気、消えてるな」

響子「み、みたいですね!ちひろさんもう帰っちゃったんですねっ」

P「………響子?」

響子「……」

響子「……その、二人っきりの時間が欲しくて…」

響子「ダメ、ですか?」

P(あのとき以来、ちょくちょくこういうことはあった)

P(『二人っきりの時間が欲しい』は『甘えたい』)

P(場所はたいてい事務所)

P(早朝だったり、夜だったり、他に誰もいないスケジュールの穴の時間帯だったり)

P(その時間に二人っきりでいるために、響子は毎回相当なごり押しをしてくる)

P(朝や人がいない時間帯だと、いつ誰が出勤してくるかわからないから雑談程度だが)

P(夜の事務所に二人っきりとなると)

響子「ほらっ、Pさんも」

P「…ほい」

響子「もうちょっとこう、抱き寄せる感じでぐいっと」

P「こう?」

響子「わっ…ふふっ、はいっ♪」

響子「えへへ、こうやって肩抱かれるのって憧れだったんです♪」

P「なんか結構恥ずかしいな…」

響子「こういうのは苦手ですか?」

P「いや、こうさ、普段はアイドルとプロデューサーの間柄だろ?」

P「でもこういうことしてると意識せざるを得ないというか、距離感が狂うというか」

ズイッ

響子「Pさん」

P「うん?」

響子「いつも甘えさせてもらってます、けど。二人三脚なんですから」

響子「Pさんも私に甘えるべきなんです。こういうの、もっとするべきだと思います」

P「……マジ?」

響子「はいっ!それに意識されるのが嫌だったら、私もこんなことしませんし」

響子「むしろ意識して欲しいからこそのスキンシップ、みたいなところもあったり、なかったり」

P「……」

響子「……」

響子「あ、あと、スキンシップってすごく癒し効果があると思うんです!」

響子「実際私もPさんと触れ合って癒してもらってますし、だからPさんもしたければ、なんでも…」

P「ストップストップ、わかった、わかったから。『なんでも』なんて滅多に言うもんじゃないぞ」

響子「……そ、その、痛いのとか、外に出られなくなっちゃうようなのは、イヤですけど」

P「えっ」

響子「Pさんとなら、本当に、なんでも…!」

響子「あっ、でも初めてなので、できれば最初は普通の方がいい、かも」

P「ちょちょちょ、何言って、それは別にそういう意味で言ったわけじゃ」

響子「あ、い、今すぐにじゃなくてもいいんです!」

響子「Pさんもその気になったらくらいで、ってあああ、そうじゃなくて」

P「いや落ち着け、落ち着けって!」

響子「とにかく!私もPさんにいろいろしてもらいたいんです!」

P「い、いろいろ?」

響子「だってPさんって、仁奈ちゃんとか薫ちゃんが抱きついてきたらすっごい可愛がるじゃないですか!」

P「まあそれはこう、愛情を注いであげたくなるというか」

響子「私だって同じです!」

響子「Pさんに思いっきり抱きしめられたり、もふもふされたり」

響子「『Pさーん!』『響子ー!』みたいなやりとりとかしてみたいんです!」

P「…」

響子「だから、その、もっと…」

P「……あのさ」

響子「は、はいっ」

P「俺もちょっと急に響子との接し方が変わって、戸惑ってる部分があるんだ」

響子「……戸惑ってる…?」

P「今まではあくまでプロデュースするアイドルとして見てたからさ」

P「元気で、世話焼きで、サイドポニーがチャームポイントで。響子のそういう魅力は、全部プロデュース前提で考えてた」

響子「……むぅ」

P「でもこうも距離が詰まると、追い付かない部分が多いというか亅

P「どう応えたものかわかってないんだ。情けない話だけど」

響子「そんな、私はなんでも…」

P「そこは模索していきたいと思ってるから、これから徐々に…な?」

響子「なら…♥」

ガバッ


P「えっ」

ぎゅうっ


P「え、ちょ、ちょ」

響子「いっぱい練習しましょう♪」

P「いや、だから徐々に、」

響子「ほら、仁奈ちゃんにやってるみたいにぎゅーってし返してください♪」

P「や、あのさ、」

響子「Pさん」

P「う、うん?」

響子「好きです」

P「…」

響子「好きですっ!」

P「…すごい直球で来たな」

響子「本当ですよ?」

P「そう来るのはまだまだ先だと思ってた」

響子「私も、そのつもりでした。まだ少し怖いな、って」

響子「でも、なんとなくわかっちゃったんです」

響子「Pさんも甘え下手で、はぐらかそうとするのは照れ隠し」

P「…」ポリポリ

響子「甘えさせてくれるけど、自分から甘えるのは苦手で」

響子「甘え方を間違えたら私が怒ったり、がっかりするんじゃないかって、心配してる」

響子「…あってますか?」

P「…あってるかも」

響子「だから、私からちゃんと伝えておかなきゃって思ったんです」

響子「私、Pさんのこと大好きですから。甘え下手同士、いろいろ試せた方が私も幸せなんです」

響子「それに、私の思い違いじゃなければ、その、Pさんも私のこと…」

P「…鋭いなあ」

響子「!!!こ、これも、あってますか!?」

P「……はい、お察しの通りで」

響子「わわっ……じゃあPさん、わかりやすく伝えてください♥」

響子「ほらっ!ぎゅって抱きしめてくれれば、それでいいんです!」

P「……ぎゅっと?」

響子「はいっ!スキンシップは愛情表現ですからっ♪」


ぎゅっ


響子「えへへ…♥」

響子「Pさん、どうですか?」

P「やっぱ肩細い」

響子「他には?」

P「あったかい」

響子「Pさん?」

P「癒されます…」

響子「もう……ふふ、私もです♪Pさんと触れ合ってる時間が、今の私には一番幸せなんです」

響子「それこそ、本当は毎日したいくらいなんですから」

P(今でもほぼ毎日じゃ…)

響子「それで、他のことも少しずつ…」

P「…他のって」

響子「その、キスとか、あの…あれ、とか」

P「……」

響子「な、何か言ってくださいっ」

P「や、ごめん、普通にドキッとした」

響子「…慣れたら」

P「う、うん?」

響子「は、ハグに慣れたら、次にいきたい、です…」

P「…そんな焦らなくても」

響子「焦ってるんじゃなくて、私もいろいろしてみたいんですっ!」

響子「甘えて、甘えられて、いろんなことして、いっぱいお互いのことを好きになって」

響子「それで頑張って、いいお嫁さんに…」

P「…そんなに無茶しなくても、な?俺も逃げ出すわけじゃないから」

響子「…むぅ」

P「それに響子もまだ15なんだしさ。お嫁さんなんて先の先まで考えること…」

響子「……Pさんは、イヤ、ですか?」

P「え?」

響子「わ、私が、その、Pさんの…お嫁さん、って」

P「…イヤなわけあるか」

響子「!!!」

P「でも、それとこれは」

響子「えへへ…Pさんっ」ジリッ

P「ちょ、近い、近い近い、何、なに」

響子「私も、甘え方は全部手さぐりなんです」

P「お、おう?」

響子「家に帰ってからやりすぎた、恥ずかしいって思ったりすることも多くて。よくベッドの上でバタバタしてます」

P「うん、だからそこはお互い上手いことできるようになっていこう、な?」

響子「でも、しないで後悔するより、して後から悶える方がいいと思うんです」

P「うん、うん、わかる、わかるよ、響子の言おうとしてることはわかるから」

P「だから、ちょ、近い、近いって」

響子「…Pさん♪」

P「う、うん、何?近いよ?」



響子「んーっ♥」

P「んむっ!?」

・・・

・・



P(『お嫁さん』という単語が何を指すのか)

P(単に響子なりの恋愛感情の表し方の一つなのか)

P(それとも結婚を終着点として見据えてのことなのか)

P(あるいは、その先まで見ているのか)

P(どこまで考えているのか)



P(見落としていたことの二つ目は、そこだった)

P(響子の、意志の固さ)

・・・

・・



[事務所]

ちひろ「…はい、承りました。後日Pより…はい、はい、ありがとうございます」ガチャッ

ちひろ「雑誌企画で、折り返し希望、っと…」

ちひろ「それっ」

留美「…千川さん?」

ちひろ「ひゃっ!?」

ちひろ「あ、和久井さん…戻ってらしたんですね。お疲れ様です」

留美「ええ、お疲れ様。電話メモ、投げちゃダメよ?P君の机がめちゃくちゃじゃない」

ちひろ「あっ、ええっと、いっぱいかかってくるから後でまとめればいいかなー、なんて…」

留美「こういうのはこまめに整理するのが大切なの」

ちひろ「い、一応台帳で全部把握してはいるんです」

留美「なら尚更。台帳に紐付ける付箋貼るとかして、照らし合わせやすいようにしないと」

留美「それも後でやると、抜けがあったりするでしょう?」

ちひろ「あ、あう…」

留美「留守を預かってるんだから。P君が急に帰ってきたりしても大丈夫なように、ね?」

ちひろ「……ごめんなさい、手抜いてました…」

留美「P君も今週は丸々いないし、数が多くて大変なのはわかるけど。頑張って」

ちひろ「はい…プロデューサーさん、出張いいなぁ……」

留美「千川さん」

ちひろ「はい?」

留美「鳥取よ?」

ちひろ「…?」

留美「何もないわよ。本当に」

ちひろ「でも響子ちゃんの里帰り企画番組なんですから、地元のおいしいところとかにきっと…」

留美「確かにご飯は美味しいわ。でも何もないの」

ちひろ「えっ…そんなに……?」

留美「真昼間の市街地に人の気配がない」

留美「そもそも市街地なんて呼べるところがほとんどない」

留美「寂れてるとかじゃなくて、最初から何もない」

留美「そういうところよ、鳥取は」

ちひろ(和久井さん、過去に鳥取で何があったの!?)

ちひろ「きょ、響子ちゃんと一緒だしきっと楽しんでますよ!」

留美「……………………そうね」

ちひろ(えっ何今の沈黙)

留美「ねぇ、千川さん」

ちひろ「はい?」

留美「P君と響子ちゃんって、仲良いわよね」

ちひろ「それはまぁ、響子ちゃんは響子ちゃんですし、プロデューサーさんも響子ちゃんに激甘ですから」

留美「…下世話な話だけど、大丈夫かしら?」

ちひろ「えっ?」

留美「鳥取ってね、娯楽がないの。ひたすら暇なのよ。何もないから」

ちひろ(また…)

留美「そんなところに、仲は良いけど立場に阻まれた男女が二人」

留美「間違いが起こらないとは言い切れないんじゃないかしら」

ちひろ「…………」

留美「……」 

ちひろ「…だ、大丈夫ですよ!ほら、見てくださいこのスケジュール表!」

ちひろ「朝は撮影、昼も撮影、夜も撮影!プロデューサーさんは打ち合わせも!」

ちひろ「宿泊もプロデューサーさんはビジネスホテル、響子ちゃんは実家!」

ちひろ「仕事中は周りに関係会社の人もいますし、間違いなんて起こりませんってば!」

留美「…そうだといいのだけれど。響子ちゃんって、結構アレなのよね」

ちひろ「…アレ?」

留美「日和らないのよ。やるときはやるタイプ」

ちひろ「……そういえば、前に鎌倉でもそんなこと言ってたような…」

留美「私も、何もないとは思うけど…」

・・・

・・



[五十嵐家]

P「はぁ…いいご飯だったなぁ」

響子「もう、さっきからそればっかりですよ。ふふっ」

P「や、本当にさ」

響子「お口に合ったのならなによりです♪」

P「美味しかったのもそうだけど、食卓の雰囲気とかも。すごくよかったよ」

響子「雰囲気ですか?」

P「一家揃っていただきますができて、温かい会話があって。いいご家庭だなあ、と」

P「その中で『しっかり者で家事が上手なお姉ちゃん』してる響子見てると、これもまたほっこりするし」

響子「あ、あはは…そう見られてたって考えると、ちょっと恥ずかしいです」

P「なんか今日はご機嫌だったな」

響子「それはもう、Pさんが実家まで来てくれたんですから!機嫌もよくなりますよ♪」

響子「今回はほとんど諦めてたんです。でもまさか、こんなに時間に余裕ができるなんて」

P「前倒し前倒しで撮影進んだからなあ。俺もちょっと驚いた」

響子「スタッフさんが午前で解散しちゃったのはびっくりでした」

P「なー。まあ昨日の時点で打ち上げみたいな雰囲気だったし、仕方ないけど」

響子「あはは……都会に慣れてると、鳥取って退屈ですから」

P「ま、おかげで娘さん預かってる身としてもちゃんと挨拶できたし」

響子「パパもママも、Pさんのことすっごく気に入ってました」

P「よかったよかった」

響子「Pさんがいつも通りだったお陰で、私も変に緊張せずに済んでよかったです」

P「緊張……?」

響子「はい!だって親に会ってもらうなんて、一大イベントじゃないですか!」

P「え…俺は完全に事務所としての挨拶だけのつもりで」

響子「Pさん」

P「うん?」

響子「いつもは私、ご飯のとき弟の隣に座るんです」

P「……あれ?でも今日は」

響子「はい。今日はあえてその席じゃなくて、Pさんの隣に座りました」

P「…」

響子「パパもママも、最初はあれ?って顔してましたけど、多分二人ともなんとなく察してるはずです」

響子「パパはよーくPさんのこと見てましたし、ママも私に結構視線振ってきたりしてましたから」

P「…マジ?」

響子「はいっ。その上で、打ち解けてくれたんですから」

響子「えへへ…大きな一歩です♪」

響子「それでですね、Pさん」
P「うん?」
響子「あの、よければ今日は泊まって…」
P「え、いやいや、何言ってんだ」
響子「だって折角の機会ですし……その、水入らずで甘えたいなー、なんて」

響子「それでですね、Pさん」

P「うん?」

響子「あの、よければ今日は泊まって…」

P「え、いやいや、何言ってんだ」

響子「だって折角の機会ですし……その、水入らずで甘えたいなー、なんて」

P「…泊まりで?」

響子「だ、だって今日なら誰にも…!」

P「いや、久しぶりの実家だろ!そもそも親御さんいるし!」

響子「なら、えっと…あ、私がPさんのホテルまで一緒に」

P「ダメダメ、というかそういうのはまだ先にしようって話だったろ!捕まる!俺が!」

響子「で、でもっ!わ、私、その」

P「焦らなくても大丈夫だから、な?無茶して会えなくなったりするのは嫌だろ」

響子「それはそう、ですけど…」

響子「焦ってるわけじゃなくて、今週は撮影づめで大変だったから」

響子「その、少し人肌に飢えてる、というか…甘えたくて」

P「…なら普通に今まで通りでも」

響子「でも……折角の機会なので、全力で、というか」

響子「…全身で、思いっきり甘えたいな、って」

P「ぜ、全身で…」

響子「…ダメ、ですか?」

P「……」

響子「……Pさん、私、」ジリッ



コンコン

響子「ひゃっ!?」

響子「は、はいっ…」トテトテ


『あ、ママ……うん、今ちょうどその話を』

『お布団を…?』

『でも、まだ決まってなくて』

『あっ、そ、それなら、とりあえず…』

トテトテ

響子「あの、ママがとりあえず親戚の家にお布団借りに行ってくる、って」

P「え、マジ?申し訳ないな…」

P(というかめっちゃ断りづらくなった)

響子「あはは…ごめんなさい、Pさんが嫌だったら別に…」

P「…いや、お言葉に甘えて泊まらせてもらうよ」

響子「!!!」

P「でも、しないからな?」

響子「…ダメですか?」

P「親御さんも弟さんもいる手前、響子もイヤだろ?」

響子「う……確かによく考えたら恥ずかしいです、けど」

P「その分、寝るまでは一緒にいるからさ。今日はそれで勘弁してくれ」

響子「むぅ……わかりました」

P「まあ寝間着とかは…適当でいいか。明日の朝、ホテルに戻って着替えれば…」

響子「あっ、着替えなら……えっと、こっちのバッグの……」ガサゴソ

P「え、流石に響子の服を借りるのは」

響子「そんなのじゃないですよ、もうっ」

響子「じゃーん!ちゃんとPさん用のシャツと下着、あるんです!」

P「…………え?なんで?」

響子「…何かあったときに必要かな、って。東京で買っておいたので」

P「……何か、って?」

響子「…………」

P「……」

響子「その…前みたいに雨に降られちゃったりしたときに、あれば便利かなと思って」

P「…響子?」

響子「は、はい?」

P「東京で、一週間晴れが続きそうでよかった、って話したよな?」

響子「あっ…」

P「正直に」

響子「…………だって、地元でPさんと二人っきりなんですよ!?」

響子「チャンスがあればこっそりお泊りとかできるんじゃ、って考えますよ、私も!」

P「…東京で買ったってことは、こっちにくる前からそのつもりで…?」

響子「……い、いいじゃないですか!私だってそれくらいの下心はありますっ!」

P「いや、うん…」

響子「鎌倉のときも、二人きりで雨宿りなんて憧れのシチュエーションだったのに、何もできなくて」

響子「だから今度こそは、って思って…」

P「うん。でも節度は保とう、って話はしたよな?」

響子「で、でも」

P「気持ちは嬉しいんだ。ただ俺も響子のことはちゃんと大切にしたいし、嫌な結果にしたくない」

P「だからこそ、その一線を越えるタイミングはよく見計らわないとまずいんだ。な?」

響子「う…」

P「ほら、東京に戻ったら他の方法で埋め合わせするからさ」

P「そうそう、今度の休みとか、次のロケの下見ついでに果物市場とか見にいったり…」

響子「……」ギュッ

P「…響子?」

響子「……ごめんなさい。困らせるつもりは、なかったんです」

響子「あはは……こういうところも甘え下手、なんですね。私って」

P「こういうところ?」

響子「やめどころがわからないんです。上手くコントロールできない、というか」

響子「Pさんが甘えていいって言ってくれただけでも贅沢だったはずなのに」

響子「一度甘えたら、もっと、もっと、ってなって。止まらなくなっちゃうんです」

響子「……ごめんなさい。これからはもうちょっと我慢するようにします」

P「……いや、そういうのは言ってくれていいよ。問題があったらお互いに思ってることを言葉にして、解決しないと」

響子「……」

P「夫婦円満の秘訣は思いやりと話し合い、って記事をこの間新聞で見かけてさ」

響子「…夫婦、円満」

P「そうそう。夫婦生活は山あり谷ありだけど、その2つを大切にするのが円満のカギ、なんだと」

P「お互いの思っていることを聞く、伝える、わかり合って支え合う。そういうのが大事って書いてあってな」

P「これからもいろいろあると思うけど、そういうところは大切にしよう。こういうのは積み重ねだからな」

P「だから、変に我慢とかは無し、な?それでストレス抱えてちゃ、いろいろと台無しになる」

響子「……ふふっ♪」

P「ん?」

響子「えへ、えへへ…Pさん、Pさんっ♥」

ぎゅーっ

P「おおう…ははは、よしよし」

響子「夫婦円満とか、夫婦生活とか、まるでもう結婚してるみたいに話すんだから……えへへ」

P「あ……はは、ははは」

響子「わかりましたっ。二人三脚、ですからね」

P「そうそう。上手く支え合わないと」

響子「はい!Pさんはいい旦那さんに、私はいいお嫁さんに、一緒になりましょう♪」

P「…うん、そうだな」

響子「はいっ!」

P「……で、響子さ」

響子「?」

P「つかぬことを聞くけど」

響子「はい」

P「…寝るときっていつもそんな薄着なの?」

響子「…あっ」

P「うん、なんかいつもとは違う感じでこう、当たってるんだけど」

響子「……そ、その、いつもはちゃんと着けてるんですよ?」

P「うん」

響子「ただ今日はあわよくば、なんてさっきまで思ってて、だから…」

P「うん。その、俺の理性も無限じゃないからさ、できればちょっと離れてもらえると」

響子「あっ、あは、あはははは…ご、ごめんなさい」

P「……うん、だから、離れて、な?」

響子「……でも、これいつもより密着感があって、結構好きなんですけど…」

P「いや、だから俺が困るから、絵的にまずいことになってくるから!」

響子「絵的に、って……あっ、それって、その、」

P「ほら親御さんたちもいつ帰ってくるかわからないし、な?」

響子「あ、あはははは、そ、そういえばちょっと遅いですよね!で、電話してみます!」

P(ヤバいヤバい…ああやって体張ってゴリ押しされると押し切られる気しかしない)

P(とりあえず、のらりくらりかわしていくしかないな…)

響子『もしもし?…うん、遅いからどうしたのかなって』

P(押しも強いし、ああやって熱烈に迫られるとそれも難しいけど)

響子『……え?あ、え、お布団借りるって、え、ええっ…』

P(なんとかして寝る時間までまったりする方向にすり替えて…うん、それがいい)

響子『あ、うん……そう、だけど、そんな…』

響子『うん…はい……わかった…』 

響子「……」

P「お、電話終わった?大丈夫だったか?」

響子「……お布団借りに行ってくるって、意味が違いました」

P「へ?」

響子「『二人っきりにしてあげたいから、親戚の家に泊まってくる』ってことだったみたい、です」

P「……え」

響子「……」ガサゴソ

コトッ

P「……えっ」

響子「…実は、東京でコレも買ってきたんです。だいぶ恥ずかしかったんですけど」

P「……マジ?」

響子「そ、その、いっぱい変装したから、大丈夫です、多分…」

P「いや、その勇気はすごいけど。もうやらないでくれよ?」

P「未成年アイドルがゴム買ってるところなんて、すっぱ抜かれたりしたら…」

響子「…私も今思うと、よくやったなーって…もう一度はできる気がしないです」

ぎゅむっ

響子「Pさん」

P「ちょ、だから抱きつくのは、」

響子「わ、私、したいです」

P「っ!?」

響子「コレもありますし、二人っきりですから、その…人にバレるとか、間違いはないはず、です」

P「え、いや、ダメ、ダメだってば!すること自体が間違いだか」

がばっ

響子「んっ…」

P「んむっ!?」

ちゅうっ れろっ

響子「……ん…はぁ、はぁ…えへへ、舌、入れちゃいました」

P「っ、きょ、響子、まずいって」

響子「頭が、じーんって……もう、一回…んっ」

ちゅっ くちゅっ 

P「……ぷはっ、響子、よしよし、わかったから、ちょっと待って、待って」

響子「はぁ、はぁ、はぁ……Pさん、Pさん…」

P「っ、響子、本当に、まずいから」

響子「でも、Pさん、全然抵抗とか、しないじゃないです、かっ」スリスリ

P「それは、俺も」

響子「ほ、本当は、したいんです、よね?」

P「っ、いや、そんな、」

響子「私、今日はずっと期待、してました。Pさんと、できるんじゃないか、って」

P「なっ…なんで初めてなのに、そこまで」

響子「Pさんのことが、好きで、好きで、たまらないからです」

響子「えへへ…」

ちゅっ

響子「あと、その……き、既成、事実…」

P「!?」

響子「作りたいな、なんて……」

P「え、ちょ、待って待って、飛び過ぎだろ!?」

響子「そんなことないですっ!私も、その、安心したい、から…」

P「や、でもな、できちゃったらアイドルどころか学校すら行けなくなるぞ!?」

響子「…!?そ、そんなに痛いんですか!?」

P「痛いも何も、そんなの大変どころの話じゃないだろ!何にもできなくなるぞ!?」

響子「えっ、えっ、そんな、私、」

P「ダメダメ、そんな歳で妊娠なんて、親御さんも納得しないだろ!!」

響子「……へ?」

P「あっ、アレか、ゴムに穴開けてあるとかそういうオチか!?」

響子「あの、Pさん、私、別に今すぐ赤ちゃんが欲しいわけじゃ…」

P「…えっ」

響子「ただ、Pさんと結ばれたいって、それだけで」

響子「だから、私はPさんのもので、Pさんは私の、って既成事実を…」

P「……」

響子「…赤ちゃんは、私もさすがにまだ先かな、と思います」

P「そ、そうだよな、さすがに」

響子「私も、本当はダメなのは、わかってるんです」

P「ならさ、いつも通りでも」

響子「でも、今日は、今日だけは、大丈夫な日だから」

響子「だから、Pさん」

P「……っ」ゴクリ

響子「今日は、私のことを、本当にお嫁さんだと思って…」

・・・

・・

チュン チュン

響子「Pさーん、朝ですよー?」

P「…んん……」

響子「Pさん、Pさんったら」ユサユサ

P「んー……あ」

響子「おはようございます。あなた♪…なーんて……あはは」

P「お、おう、おはよう」

響子「はいっ!えへへ、朝のベッドで、隣にPさんがいるなんて…なんだか不思議です♪」

P「……」

P(…致してしまった)

響子「二人で寝るのって、温かいんですねっ♪なんだかちょっとぽわぽわします」

P(なんだかんだで流されて、致してしまった)

響子「でもちょっと、汗とかでベタベタですね…あはは」

響子「でも……っ、ふふふっ♥」スリスリ

P(致してしまった…)

響子「えへへ……あっ、Pさん、朝風呂とか入りますか?」

P「…そう、だな。うん、借りようかな」

響子「それじゃ、ちょっと準備してきます!ついでに朝ごはんも作っちゃいますね♪」

P「ホント、いいお嫁さんになるだろうなぁ…」

響子「ふふっ、もうっ♪」

響子「えっと、服は……」

P「昨日畳んであっちに置いてなかったっけ?」

響子「あっ、そうでした!…名残惜しいですけど……よい、しょ…っ!?」

ヒョコヒョコ

響子「あ、あれ?」

P「ん、大丈夫か?痛む?」

響子「あれ、その、痛みはないんですけど、まだ、入ってるみたいな、感じが…」

響子「歩きづらい、です」ヒョコヒョコ

P「…えっと、とりあえず無理しないで横になっておいた方がいいんじゃないか?」

響子「いえっ、大丈夫です!歩きづらいだけで、痛いとかじゃないので…!」

響子「旦那さんの朝ごはんを用意するのは、お嫁さんの役目ですからっ!」

P「いやいや、それ言ったら嫁さんが普通に歩けてないのにほっとくわけにはいかん!」

響子「ダメです!こればっかりは譲るわけには…!」

P「なっ、そこは頑固になるところじゃないだろ!心配してるんだから、素直に横になりなさい!」

響子「でもっ、私は大丈夫なのにっ、Pさんが」


ブロロロロ…

響子「……」

P「……あれ、親御さんたち帰ってきた?」

響子「ふ、服!Pさん、私の服取ってください!」

P「お、おう!はいこれ、えっと、俺も服と…あ、消臭とかゴミとか、」

響子「とりあえず窓開けて……ああああ、でも誤魔化しても私が歩いてるの見たらすぐバレちゃいます」

P「……」

響子「え、ええっと…」

P「…覚悟、決めるか……」

響子「そ、そうですね……大丈夫ですっ!」

響子「親から二人きりにしてくれたんですから、公認の仲です!」

P「いいのかな……とりあえず正座して待っとくか…」

響子「そんな、改まらなくていいと思いますけど」

P「そう?」

響子「はいっ!腕組んだりして、仲がいいところ見せちゃいましょう!」

P「…きっちりして待っておいたほうがよくない?」

響子「いえ、ここはおしどりなところを見せておくべきですっ」

P「いや、流石に昨日の今日だし、親御さんの前でそんな…」

響子「いいじゃないですか!それに折角の朝のひと時を邪魔されるんだから、ちょっとくらい見せつけても…」

P「え、ちょ、そういうのがしたかったの!?ダメダメ、ここはしっかりと……」

響子「そんなの後からでもいいです!とりあえず今は……!」

P「いや、こういうのはだな……!」

響子「いえっ、私は…!」

P「……!」

響子「…!」

・・・

・・


[数週間後、事務所にて]

みく「PチャンPチャン、なーにしてるのー?」

P「仕事」

みく「なーんのお仕事ー?」

P「みくがみくでなくなるお仕事の企画」

みく「え゛っ!?なにそれ!?」

P「強く生きてくれ、みく」

みく「に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!」

響子「…?どうかしたんですか?」

みく「あっ、響子チャン!聞いて、Pチャンがまたみくにお魚食べる仕事させようとしてる!!」

響子「…Pさん?」

P「いや、違うぞ?魚じゃないぞ?」

みく「違わないでしょ!Pチャン嫌い!!」

響子「Pさん」

P「うん、いや、猫島レポートなんだけど」

みく「猫島!?ね、猫食べる人がいる島とか!?」

P「そうそう」

みく「あ゛あ゛あ゛あ゛!!やだやだ、みくお仕事やめる!みくやめる!!」

P「おお。みくがみくでなくなった」

響子「猫がいっぱい住んでる島、ですよね?」

みく「えっ?」

P「うん、まあそうなんだけど」

みく「本当!?Pチャン大好き!!!」

みく「Pチャン!!ご褒美のハグを…」

ぐりっ

P「いだっ!?」

みく「にゃっ!?」

響子「Pさん、また悪い姿勢でずっと作業してましたね?」

P「あ……うん、ごめん。つい熱中しちゃうと」

響子「もう、またこんなに肩こらせちゃって」モミモミ

P「あ゛ー……あ゛ー……」

みく(……あ、あれ?響子チャンって、突然こんなスキンシップする子だっけ?)

響子「血行悪くなって、いいことなんて一つもないですから。気を付けてください、ね?」

P「うん、気を付けてるつもりなんだけど……あ゛ー」

みく(もしかしなくても、みくがハグしようとしたのディフェンスされたにゃあ…?)

みく(しかもさっきPチャンの名前呼ぶだけで意思疎通してたし)

みく(…でも、みくはタダでは負けないよ!一矢報いるにゃあ!!)

みく「Pチャンは幸せ者だにゃあ?響子チャンみたいな奥さんもらえて!んぷぷ」

響子「ですって、Pさん♪」

P「あー、そうだなー……あ゛ー」

響子「もうっ、もう少し説得力のある返事してください」

P「やー、今実際極楽だし、幸せだ……あ゛ーそこそこそこ」

みく(……な、なにコレ)

みく(響子チャンが照れ惑うと思ったのに)

みく(すごい余裕があるというか…)

みく(しかもやたらと掛け合いの息もあってるし)

みく(これって、いわゆる…)

みく「夫婦漫才にゃあ…?」


響子「ほらPさん、夫婦ですって、夫婦♪」

P「ん゛あ゛ー……」


みく「……にゃあ…………」





    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
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                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'

                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月03日 (木) 16:01:23   ID: J9FSQjop

CDのボイスドラマが可愛かったので、久々に読みにきた。あれも里帰りイチャイチャで凄く良いものだった。オススメ。

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