手塚「そんなことはない」
越前「え?いやそんなことあるでしょ」
不二「手塚の言う通りだよ」
海堂「越前もまだまだだな」
越前「不二先輩に海堂先輩まで…」
手塚「疑うのならば見せてやろう、無我の境地!」
桃城「出、出ましたッ!手塚先輩の無我の境地!いつ見てもさすがの貫禄です!」
乾「青学一の名は伊達ではないな」
桃城「ちなみにこのSSは実況桃城、解説乾の二段構えでお送りします!」
越前「メタいっすよ先輩」
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桃城「見ろ!手塚先輩のオーラが左手一本に集まっていく!」
乾「あれは…!百練自得の極み!」
越前「い、いや、なにかが違う!」
桃城「本当だ!左手だけじゃなく左手の指先だけに…!?」
乾「常人があんなことをしたら指先が破裂してしまう!」
手塚「見ろ越前…これが俺の…」
手塚「固 い プ ル タ ブ 缶 開 け だ」シュコッ
越前「は?」
不二「さすがだね、手塚…百練自得の極みによって倍近くアップされる腕のパワーをさらに指先に集めることでさらに数倍に高め、そのパワーでなかなか開きにくいプルタブ缶を強引にねじ開けるとはね…それに利便性も高い…すごい技だよ」
乾「あぁ、それだけではなく腕に集めることさえ常人には不可能な百練を指先に凝縮させるには高度な集中力が必要だ。少しでも集中を怠ってしまえば恐らく手塚の指は……」
海堂「手塚先輩の勝利への執着は全国大会で充分見てきたつもりでしたが…まさかここまでとは!」
桃城「恐れ入りました先輩……やっぱり手塚先輩は俺たちのヒーローですよ!」
越前「えぇ…?」
不二「もちろん、まだ終わりじゃないんだろ?」
手塚「あぁ、勿論だ」ゴウッ
桃城「あぁ!また無我の境地が!次は何をしてくれるんだ!?」
乾「無我の境地が不思議な輝きを帯び始めた…あれは才気煥発の極みか!」
海堂「ああっ!あの技は…!」
桃城「知っているのか海堂?」
海堂「前に部長が一度だけ見せてくれた…あの技は…人間業じゃない」
不二「手塚がさっき開けた缶を飲み始めたね」
越前「いったい何が…」
手塚「越前、これが俺の…」
手塚「コ ー ン ポ タ ー ジ ュ の コ ー ン を 残 さ ず に 飲 む 技 !」
越前「いやそれ技じゃないと思うんすけど…」
不二「さすがだね、手塚…才気煥発の極みでコーンポタージュのコーンを残さず飲む角度を調べたというのかい」
乾「いや、そんな単純なものではない…常に移動し続けるコーンたちをすべて口の中に入れるべく、才気煥発の極みでポタージュの流れ、コーンの数、コーンの大きさをすべて計算したんだ…」
海堂「そんなことが、可能なのか…人間業じゃねぇ…」
桃城「本当だ、一粒も残っていない…まさに神業!」
越前「いやそんなすごいことじゃないでしょ」
河村「みんな何してるの?」
桃城「あっ、タカさん!」
不二「実は越前がね…かくかくじかじかってわけさ」
河村「なるほど、テニス以外の活用法か…」
越前「タカさんも何かあるんですか?」
河村「あるにはあるけど…ここじゃできないなぁ」
不二「あぁ、あの技だね?」
海堂「あの技?いったいどんなものなんですか?」
不二「 波 動 う ど ん 」
越前「は?」
桃城「どういうことっすか!?」
乾「その技は俺も一度見たことがある…」
不二「すごい、の一言さ」
河村「いや、普通に波動混ぜ、波動こね、波動寝かせ、波動伸ばし、波動切り、波動茹で、波動湯切りの7工程で作るうどんだけど…」
海堂「な、なるほどッ!」
桃城「なんてすごいうどんなんだ…聞くだけでお腹が空いてくる!」
越前「いや、なんでそんなすぐ納得できるんすか?」
不二「特に波動湯切りの迫力は半端じゃないね」
越前「しかも無視するし」
乾「あぁ…湯切りした瞬間、俺のノートに十数個もの謎のシミがついたんだ…」
越前「それ湯切りの時にお湯が飛んだだけでしょ?」
海堂「ええっ…乾先輩の大事なノートにシミが!?」
越前「聞けよ」
不二「しかも美味しい…半端ないコシだったよ」
河村「ありがとう、不二」
不二「また食べに行ってもいいかい?」
河村「あぁ、次は俺の波動巻き寿司を食べに来てくれ」
乾「河村隆…彼もまた戦いの中で成長しているのか…」
桃城「俺らも負けてらんないっすね!」
越前「何と戦ってるんすか」
河村「そういえば不二、あの技は見せたの?」
不二「あの技?あぁ…三種の隠し芸(トリプルパーティトリック)だね?」
越前「すでに嫌な予感しかしないっす」
乾「まさか河村…三種全て見たのか!?」
桃城「えぇっ!?俺はひとつしか見ていないのに!?」
手塚「俺ですら2つだ、どういうことだ不二…」
不二「それじゃあ今から見せてあげるよ、僕の三種の隠し芸!」
桃城「いいぞーー!!!」
乾「今までとらせてもらえなかった不二のデータが!今とらずにいつとるんだ!」
越前「そんな期待するもんじゃないと思うんですけどね」
不二「まずは三種の隠し芸、一つ目…『 つ ば め の ヒ ナ 』!」
海堂「出た!不二先輩のつばめのヒナだ!」
越前「つばめ返しじゃないんすか」
桃城「口を開けて上を向くさま…そっくりだ!」
越前「こんなのただのものまねじゃないですか…」
手塚「まだだ越前。つばめのヒナはこれで終わりではない」
乾「あぁ、不二にはアレがある…!」
乾「越前、これをあのヒナにあげるんだ」
越前「ただの金平糖すよね?」
河村「早くしないとヒナが死んでしまうよ」
越前「はぁ…わかりましたよ」ぽいっ
不二「ピィッ、ピッ………」
桃城「ああ!喉につまらせてヒナが死んでしまった!」
手塚「定番のやり取りだな」
河村「手塚が笑った…成功だ!」
越前「何が面白いんですか」
不二「三種の隠し芸の二つ目…『ヒグマ切り取り』!」
乾「出た!不二のヒグマ切り取り!あれは理屈ではない…」
越前「ハサミ取り出して何するんすか?」
手塚「黙って見ていろ、越前」
河村「折り紙を超速で切り取る…手の角度、力の入れ具合に超精密な調整が必要な点は三種の返し技(トリプルカウンター)の『羆落とし』と同じさ」
桃城「あの早さは真似できないっす…」
不二「できたよ、手塚…これがヒグマ切り取り!」
海堂「北海道土産の木彫りの熊そっくりのフォルムだ!」
桃城「不二先輩がこんなに切り絵が上手かったなんて…」
河村「前よりも早さが上がったんじゃないか?」
手塚「見事だ、不二」
乾「これも手塚が笑っている…合格だ!」
越前「その基準何なんすか」
不二「最後の三つ目…『白目(はくもく)』!」
桃城「ハクモク…いったいどんな技なんだ!」
越前「漢字見れば丸わかりっすよ先輩?」
不二「ハッッッ!」ギンッ
乾「不二が白目に!?」
海堂「どうしたんすか不二先輩!」
河村「不二の白目はここからさ」
不二「ハァァッッ!」
乾「これは…逆立ち!?逆立ちだぁあああああ!!!!!」
桃城「なんてこった!!!!白目で逆立ちなんて!!!!」
海堂「あまりに無謀すぎる!!!!!」
手塚「そうだ、不二!!やめるんだ!!!!」
越前「……」
不二「うん、いいよ」
河村「手塚にあそこまで感情をあらわにさせるとはね、文句なしだよ」
越前「わけがわかんないっす!先輩たちのこと、ちょっと尊敬してたのに!!」
乾「越前……」
越前「なんなんですか白目で逆立ちなんて!!!!ふざけるなッッッ!!!!」
不二「まずい!僕の白目は感情を増幅させる効果を持つ!きっと越前は今までの技を見て冷静につっこみをいれているように見えたが実際はイライラしていたんだ!」
大石「おいおい、どうした?ケンカか?」
桃城「あっ、大石先輩!」
菊丸「英二先輩もいるよーん」
河村「越前が止まらない!」
手塚「そうだ、菊丸!お前のあの技なら越前を止められる!」
大石「だ、ダメだ!あの技は危険すぎる!」
菊丸「……やるしかない!」
越前「またなんかよくわかんないことやるつもりですか!!!!懲りろ!!!!」
菊丸「おチビ!よく見ててよ!」
手塚「来るぞ……」
乾「心の準備は、できている…!」
大石「くっ、英二…!」
菊丸「これが菊丸印のステップを応用した…」
菊丸「 一 人 遊 戯 王 だ ! 」
越前「あ、あああ、あああああああああ~~!!!???」
乾「二つのデッキを向かい合わせて…!!」
大石「なんて悲しい技なんだ…!英二ッ!」
不二「この技を見ていると…涙が止まらないよ…」
桃城「くっ…菊丸先輩ッ!」
越前「うわああああああああああああ」
手塚「越前は理性の崩壊を起こしている!この調子だ菊丸!」
乾「もうやめろ菊丸!再起不能になるぞ!」
菊丸「まだおチビを止めるには足りない…だったら!」
大石「ばかな!それ以上は―――」
菊丸「 一 人 タ ッ グ バ ト ル だ ! 」
乾「一人で4つもデッキを並べて…!なんて技だ!」
越前「きくま、る、せんぱ、い…?」
大石「越前が意識を取り戻したぞ!」
桃城「やった!成功だ!」
河村「大変だみんな!英二が!!」
手塚「息がない…」
不二「耐えきれなかったのか…一人の苦しさに」
越前「俺のせいで菊丸先輩が…」
手塚「全員…黙祷…」
その後、責任を感じた青学レギュラー陣は全員テニス部を退部
もう二度と菊丸英二のような悲しい犠牲は繰り返さない、その一心で手塚部長を筆頭にカードゲーム部を設立する。
そして青春学園の名が強豪として中学テニス界に轟くことはなくなった……。
越前「ルールを守って、楽しくデュエル!」
完ッッッッ
むしゃくしゃしてやった。
一番始めにキャラ崩壊注意の一文を入れ忘れたこと以外に悔いはないッ
しょーもなwww
やっぱテニヌはこうでなくっちゃ!乙!
才気は普通に便利だと思いました(KONMAI)
強盗を撃退できるんだよなぁ
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