ある特殊部隊の駐屯地――
隊長「大都市に正体不明の怪物が出現し、余りの強さに警察でも手をつけられないという!」
隊長「となれば、我ら特殊部隊の出番だ!」
隊長「今こそ日頃の訓練の成果を見せる時だ!」
隊長「各自、出撃準備に入れ!」
隊員A「はいっ!」
隊員B「はいっ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492615399
隊員A「――と勇ましく返事したはいいけど」
隊員A「どうせオレらってやられ役だよな……」
隊員B「まぁな」
隊員A「特殊部隊だエリート部隊だ精鋭部隊だ、と強そうな肩書きを引っさげて登場して」
隊員A「まあ……全滅するよな」
隊員B「全滅だろうな」
隊員A「よくて半壊」
隊員B「勝つことは」
隊員A「まずないな。絶対ない」
隊員B「間違いなく負けるだろうなぁ」
隊員A「どんな相手でも恐れません、この最新装備なら負けません、と意気込んでみるも」
隊員A「結局は全然通じなくて」
隊員B「悲鳴上げながらマシンガン乱射したり」
隊員A「情けなく逃げ惑って」
隊員B「蹂躙されて」
隊員A「後に残るのは死体の山」
隊員A「全滅までどのくらいかかるかな? 5分? 10分?」
隊員B「下手すりゃ戦ってる姿すら描かれないかもしれないぞ」
隊員A「なーんで特殊部隊ってやられ役なんだろ?」
隊員B「なんでだろうなぁ……」
隊員B「やられ役ってのは、ある程度強くなきゃ成立しないわけじゃん?」
隊員A「そりゃそうだな」
隊員B「だからじゃね?」
隊員B「特殊部隊は普通の部隊より強い、だからやられ役にしよう、って図式」
隊員A「特殊部隊をやられ役にすることで、それを壊滅させた敵が輝くってわけね」
隊員B「そうそう」
隊員A「でもさ、特殊部隊イコールやられ役ってのはもうすっかり定着しちゃってるし」
隊員A「なんていうかあまり強いイメージないよね」
隊員A「出てきた瞬間に、こいつら全滅しそうな気がするっていうか」
隊員B「そういわれてみればそうだけどさ……」
隊員B「そこはほら、歴史と伝統ってことで納得しとこう」
隊員B「未知の怪物や超人の強さを示すなら、特殊部隊を全滅させとけって図式なんだよ」
隊員A「お約束ってやつか」
隊員A「そういやさ、特殊部隊はあまり強いイメージないけど、“元特殊部隊”は強いよな」
隊員B「強いな」
隊員A「どうして? なんで現役より強いの?」
隊員B「そりゃあれだろ、死なずに退役できたんだから強いって理屈だろ。経験もあるだろうし」
隊員A「でも絶対ブランクとかあるじゃん? 体は絶対なまってるだろ」
隊員B「そこはほら、密かに訓練してたってことで」
隊員A「あーあ、オレも元特殊部隊だったらなぁ」
隊員B「こんな土壇場で愚痴ってもしょうがないだろ」
隊員A「まぁな」
お約束をネタにするssしか描けねえのかお前らは
隊員A「たとえやられ役であろうと、オレらは出撃しなきゃならないし」
隊員B「やられても、敵の情報を後で戦う奴らに伝えることができれば万々歳だ」
隊員A「なんもできずにやられたとしても、それはそれで敵の恐ろしさは伝わるって寸法か」
隊員B「そういうことさ」
隊長「準備は整ったか!? さっそく大都市へ出撃するぞ!」
隊員A「はいっ!」ジャキッ
隊員B「はいっ!」ジャキッ
特殊部隊は出撃する――
任務をまっとうするために――
たとえ己に待ち受ける運命を予感していたとしても――
― 終 ―
乙
味方の特殊部隊で活躍したのってガンダムUCのエコーズしか思いつかない
お約束シリーズ俺は好きだよ
TV「怪物は特殊部隊により撃退されました!」
映画のラストとかで、主人公がラスボスを倒すも残党にやられそうになってるとこを特殊部隊が助けに来たって展開は脳汁出るほど好きなんだがな。
ロンド・ベル隊にだけ格好いい思いはさせられないな
閃いた
出撃する前に特殊部隊という仕事から逃げ出せば「元特殊部隊」という肩書も手に入るし生存できる!!
>>15
良いなぁその展開
何かあったっけ?
>>18
マンガだが、ガンダムのムーンクライシスってのはまさにその展開だった思い出
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません