真美「……で、けーがいわくせーってなに?」
貴音「まあまあ、真美。まずは視聴者の皆様にご挨拶を」
真美「あっ、そうだった! 全国の兄ちゃんと姉ちゃんと以下略っ! 双海真美だよー!」
貴音「宇宙、それは以下略。四条貴音です」
※拙作
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真美「で! ぼーとーのしつもん!」
貴音「はい、本日は内容を変更してお送りします。さっそく系外惑星についてのお話をしましょう。さて早速ですが真美、惑星とはなんですか?」
真美「惑星は、地球とか、金星とか」
貴音「そうですね、では太陽系の惑星を全て答えてみてください」
真美「えーっと、すいきんちーかーもくどってんかい、だから……水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星」
太陽系:http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133166.jpg
貴音「正解は真美の言うとおり、水星から海王星までの8つですね」
真美「冥王星は惑星じゃないんだよね?」
貴音「その通り。冥王星は現在、準惑星という種別の典型例、ということになっています」
真美「んじゃ、けーがいわくせーって、系外……あっ、分かった! 太陽系の外にある惑星だ!」
貴音「ご明察」
真美「……なにそれすごい」
貴音「そうですね」
真美「じゃあじゃあ! その系外惑星には宇宙人が住んでるかもしれないってこと?!」
貴音「ふふっ、どうでしょう……実際の系外惑星を見てみると、太陽系にはない変わった惑星も多いですから」
真美「変わった惑星?」
貴音「話は1995年に遡ります。ペガスス座51番星という星を観測していると、妙なことに気づいたのです」
真美「妙なことってなに? 宇宙人のUFOが見えたとか?」
貴音「残念、そうではなく、この星が、フラフラと揺れていることに気づいたのです」
真美「それって妙なことなの?」
貴音「ええ、星の動きというのは地球から見るととてもゆっくりで、観測している間にフラフラと揺れるなどということは前例のないことでした」
真美「フラフラ揺れるって、望遠鏡で見てたの? 地球から遠いんでしょ?」
貴音「実は太陽もフラフラと揺れているのですよ?」
真美「えっ?! うそっ! ぎゃあ眩しっ!!! 目がぁ……! 目がぁぁぁぁ!」
貴音「肉眼で太陽を見てはいけません。あと、人の目で見て分かるものではありませんよ」
真美「ううう、じゃあ、どうやって揺れてるのが分かったのさ」
貴音「ペガスス座51番星のスペクトル観測のデータです」
スペクトル:https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A9%E4%BD%93%E5%88%86%E5%85%89%E5%AD%A6-102553
イメージ:http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133167.jpg
真美「す、すぺくとる?」
貴音「詳しくは省きますが、星の光をプリズムに通したときに出来る波長……理科の実験でやりませんでしたか?」
真美「あー! あの虹色になるやつね!」
貴音「そういうことです。まあ、雨上がりの虹もまさにそうなのですが。そのデータが、ドップラー偏位していたのです」
真美「うう、今日は初めて聞く言葉が多いよぅ」
貴音「簡単に言うと、救急車のサイレンが、近づくときには高く、遠くにいくと低くなるのがドップラー偏位の代表例です」
真美「ああ!」
貴音「さて、ペガスス座51番星が揺れている。この原因は何か、と調べだした観測チームは、ある結論を導き出しました」
真美「ペガスス座51番星に惑星を発見!」
貴音「ところが、このミッシェル・マイヨールとディディエ・ケロズの発表に対して、周囲の反応は冷たいものでした」
真美「またそのパターン!」
貴音「仕方がないのです。ここまで惑星を見つけたという発表は誤報続きでしたから」
真美「でも、何でそんなに皆冷たいの?」
貴音「実は、このペガスス座51番星の惑星というのが、とんでもない惑星だったのです。どんなものかわかりますか?」
真美「んー?」
貴音「質量、つまり惑星の重さは木星の半分程度で、ペガスス座51番星の周りをわずか4日程度で回っているというのです」
貴音「暑いなどというレベルではありません。表面温度は1000℃にも達すると言われています。真美のお財布の中の1円硬貨に使われているアルミニウムは660℃くらいで溶けてしまいます」
真美「暑くて大変だね……ってそんなレベルじゃない!」
貴音「学会の方々がそんなはずがないと言うのも無理はありませんでした……しかし、世界中で観測されたデータが、この惑星の存在を裏付けました」
真美「やったね!」
貴音「かくしてペガスス座51番星の惑星は、木星型惑星が太陽の直ぐ傍を回るというとんでもないものだったのです。ちなみにこの惑星は一時期ベレロフォンというあだ名で呼ばれていました」
真美「何かベロベロ舐め回しそうな名前だね」
貴音「名前の由来は、ペガサスに騎乗していた古代ギリシア神話の英雄、ベレロポーンに由来しています」
真美「なるほど! ……でも、そんなんじゃ、もし人間が行っても住めないね」
貴音「そうですね。でも、系外惑星にはそういうものが多いんですよ?」
真美「えっ?!」
貴音「ということで、CMの後はそんな系外惑星の姿をご紹介します」
真美「チャンネルは、そのまま!」
Without IHI ロケット篇(30秒)
https://youtu.be/B8R45ybG248
三菱重工テレビCM 「Search for MHI」
https://youtu.be/fKzdB3RsQrw
MITSUBISHI ELECTRIC CM / JAXA
https://youtu.be/U9D-PoPs5r4
オロナミンC | 元気の現場 「JAXA」
https://youtu.be/hmKWoqyBzfs
貴音「実は、先程のペガスス座51番星の系外惑星は、最初に発見された系外惑星ではありません」
真美「え、じゃあまだあったの?」
貴音「PSR B1257+12という星で見つかったのですが、この星、実は普通の星ではありません。中性子星なのです」
真美「ちゅーねんのおじちゃんたちが気にする……」
貴音「それは中性脂肪」
真美「でもその、ちゅーせーしせーってどんな星なの?」
貴音「中性子星は、太陽よりもずっと重たい星の最期の輝きである超新星爆発のあとに残される残骸です」
真美「死体?」
貴音「ま、まあそのようなものですか。更に、最近見つかっている系外惑星の多くが、赤色矮星の周りを回っています」
真美「せきしょくわいせー?」
貴音「簡単に言うと、太陽よりもかなり小さな恒星です。暗くて小さいので、地球から肉眼で見えるものはほとんどありませんが」
真美「ふーん。でも、それって凄いことなの?」
貴音「以前は太陽と同じような星にしか惑星はないと思われていたので」
貴音「さて、そんなわけで、ここからは系外惑星の代表的なタイプを3つ、ご紹介します」
真美「それじゃあ第一弾! エキセントリック・プラネット!……少年ボウイ?」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133170.jpg
貴音「岩井のレーズン……いちいちネタが古いですよ、真美」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133171.jpg
真美「お姫ちんも世代じゃないっしょー」
貴音「……コホン……えー、ではこのエキセントリック・プラネットについてですが、どんな惑星か想像はつきますか?」
真美「エキセントリック……形がすっごい変とか?」
貴音「ふむ、当たらずといえども遠からず」
真美「えっ?! ほんとに?!」
貴音「では、何の形がすっごい変なのか。当ててください」
真美「…………わ、わくせーの形が、☆マークの形、とか」
貴音「残念」
真美「えー」
貴音「正解は軌道の形が変わっているのです。まずは普通の惑星系はこんな感じです」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133159.jpg
真美「わくせーが丸い軌道で並んでるんだよね」
貴音「厳密には楕円形になりますが。では先程の図を踏まえた上でこちらを御覧ください」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133161.jpg
真美「なにこれ!」
貴音「これがエキセントリック・プラネットです」
真美「彗星みたいだね」
貴音「しかも木星質量の惑星がこんな軌道なのですから、それはもう、えきせんとりっく! としか言えませんね。定義としては軌道離心率が0.1以上のものとなっています」
真美「きどーりしんりつとかわかんないってひとは、きどーがめっちゃ細長い楕円になってるって思っておけばいい?」
貴音「まあ、そんなところです」
真美「なんでエキセントリック・プラネットは、こんなに捻くれちゃったの?」
貴音「いろいろな説がありますが、3つ以上木星質量クラスの惑星があると、相互に干渉して軌道が歪められ、エキセントリックプラネットになったり、惑星系外に跳ね飛ばされたり、ホット・ジュピターというものになったりという説もあります」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133162.jpg
↓
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133163.jpg
真美「あ、また新しいのが出てきた。ホット・ジュピターって何さ」
真美「あ、また新しいのが出てきた。ホット・ジュピターって何さ」
貴音「熱い木星、ということで、読んでそのままですよ?」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133160.jpg
真美「太陽にめっちゃ近いじゃん」
貴音「これが最初にご紹介したペガサス座51番星の惑星の正体です」
真美「ふーん、でも、今までずっと木星みたいなおっきなのしか出てきてないけど、地球みたいな惑星はやっぱ無いのかな……」
貴音「エキセントリック・プラネットやホット・ジュピターのでき方は、現在でも諸説あります。今後、更に系外惑星の研究が進むと、もっと違う方法で生まれたという理論が出てくるかもしれませんね」
貴音「ふふっ、実は最近はたくさん見つかっているのですよ。地球のように生命が誕生するのに適していると思われる位置にある惑星をハビタブル惑星といいます」
真美「ハビタブル惑星のハビタブルって何?」
貴音「ラテン語の住む(habitare)に英語の~できる、という意味のABLEがくっついた造語ですね。つまり、住むことが出来る、ということになります」
真美「じゃあ、地球はハビタブル惑星ってこと?」
貴音「その通りです。ちなみに、このハビタブル惑星のある軌道のエリアをハビタブルゾーンといいます。この範囲に入っている惑星を、ハビタブル惑星、更に、この範囲内で地球と同じような惑星のことをゴルディロックス惑星と言ったりします」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133164.jpg
真美「ここを外れたら人は住めないの?」
貴音「住めないというわけでは無いのですが、条件は厳しくなりますね。例えば、太陽系のハビタブルゾーンには地球しか入っていませんが、そのすぐ内側には金星、外側には火星があります」
真美「確か金星は灼熱地獄で、火星は逆に寒いんだよね」
貴音「そうですね。火星はまだ希望はあるようですが、金星に住むのは難しいでしょう?」
真美「じゃあ、このハビタブルゾーンに入ってる惑星を探せば」
貴音「第二、第三の地球が見つかるかもしれませんね。実は既に、そういう太陽系外惑星も見つかっていて、今年に入ってニュースにもなった『TRAPPIST-1』では、3つの惑星がハビタブルゾーン内に入っている、とNASAが発表を行いました」
TRAPPIST-1: https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/825_trappist1
真美「他には?!他にはあるの?!」
貴音「有名なものですと、某宇宙戦艦のアニメに出てきたグリーゼ581星系には、ハビタブルゾーンにある惑星が幾つか発見されています」
グリーゼ581c| https://kids.gakken.co.jp/kagaku/keywords/070514.html
真美「宇宙人、宇宙人は?!」
貴音「生命は……どうでしょうね。まだまだ地球で生命が誕生した起源にも諸説あります。でも、地球で誕生した生命とは全く違う生命が登場しても不思議ではないのですから、意外と宇宙人というのは多種多様なのかもしれませんよ」
真美「そうだねー、たんそせーめーたいとかそういうのもいるかもね」
貴音「真美……実は私も」
真美「おひめちんは地球人でしょ。いくら真美でもそんなジョークは通用しないよ」
貴音「うう……昔はもっと驚いてくれたのに。私は寂しいです」
真美「ちょっ! 泣かないでよ! わ、わー!おひめちんが宇宙人だったのかー?!」
貴音「さて、冗談は此処までにして」
真美「女の涙は信用出来ないね!」
貴音「このように、観測技術の進歩に伴い、系外惑星の数は飛躍的に増え続け、3500個以上の系外惑星が発見されています。今後も、まだまだ増えるでしょう」
貴音「さて、系外惑星のお話をしましたが、最後に、ドレイクの方程式について触れておきましょう」
真美「ま、またほーてーしき……」
貴音「アメリカの天文学者、フランク・ドレイクが1961年に発表したもので『我々の銀河系に存在し人類とコンタクトする可能性のある地球外文明の数』を求めることができます」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira133165.jpg
貴音「ドレイク自身はこの方程式を使って、地球外文明の数を10個と算出しました」
真美「10個! ……って多いの? 少ないの?」
貴音「さあ? ですが、変数の値が変わればこれが100にも200にもなるかもしれませんし、もしかしたら0かもしれません。何せ本当に地球外文明があるかどうかはわかりませんし、私達がその存在を知る頃には、その文明は既に滅んでいるかもしれないのですから」
真美「なーんだ……」
貴音「ですが、真美。人類はこの広大な宇宙の中に、一人ではないかもしれない。そう思うと、とてもワクワクしませんか?」
真美「する!」
貴音「私達が望遠鏡で遠く空を見上げたその先に、もしかすると、同じように望遠鏡で空を見つめている我々の隣人が居るかもしれないのです」
真美「系外惑星が増えれば増えるほど、そのかのーせいも増すってことだね!」
貴音「その通りです。あと、ドレイクは地球外文明のメッセージを捉えようとした『オズマ計画』にも関わっているのですが、こはまたおいおい」
貴音「それでは今日もこの辺りで、今後の系外惑星探査も目が離せませんね」
真美「次回は前回の予告通り、ソ連宇宙開発影の立役者、セルゲイ・コロリョフのお話をゲストを呼んでお送りするよー! ところでおひめちん、ゲスト誰なの? ねえ教えて教えて~!」
貴音「それは次回までのとっぷしーくれっと、です」
真美「あー! おひめちんだけ知っててずるいー!」
貴音「それでは今日は理論宇宙学の権威、スティーブン・ウィリアム・ホーキングの言葉で締めくくりましょう」
貴音「私の頭脳は数学的なので、数字の面からだけ言っても、宇宙人は存在すると考えるのは完璧に合理的だ」
真美「以上! 双海真美と四条貴音の宇宙航空探求機構でした!」
時期を逸した感。あと1ヶ月くらい早く出すべきだった…
おつおつ
こういう雑学系だいすき
NASA?
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