華「だ、だって！みほさんが戦車がお喋りできるなんて言い出すから！」

麻子「そうだ！戦車くんからも言ってあげてくれ、戦車は人間とコミュニケーションを取ることはできないって」

戦車「……みほ、現実を見るんだ」

みほ「戦車さんまで私を否定するの？」

みほ「昨日だってIV号戦車D型さんがお喋りしてたでしょ！？」

戦車「みほ、戦車は……人間と意思疎通は測れないんだ」

みほ「そんなの嘘っぱちだ！私は信じない！」ﾀｯﾀｯﾀ

麻子「みほっ！」

戦車「僕が後を追いかけるよ」

みほ「みんなどうして信じてくれないの……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

戦車「みほ、こんなところにいたのか」ﾌﾞｫｫｫﾝ

みほ「戦車さん……私、どうしたらいいかわからないのよ」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

戦車「女の子が簡単に燃料漏れを引き起こしちゃダメなんだぞ」ﾌﾞﾌｫｫﾝ

みほ「ひゃっ！？すごい衝撃ッ！！砲弾が発射されたと同時に土煙が上がって、私の涙が枯れてしまったッ！」

みほ「やっぱり戦車さんは凄いね……」

みほ「それに比べて私は……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

戦車「また燃料漏れ起こしちゃったね、やれやれ」ﾌﾞｫｫｫﾝ

戦車「僕、ちょうど乗車してくれる女の子を探していたんだ」

戦車「特等席で、景色でも眺めてみないかい？」

みほ「う、うん……」ｺﾞｿｺﾞｿ

みほ「凄い！高い！戦車から見上げる景色ってやっぱり綺麗！」

戦車「うおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！」ﾌﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾝ

みほ「戦車さんのスピードが早すぎて、涙が乾いちゃった」ﾆｯｺﾘ

戦車「それは良かった」

僕たちは、夕日目掛けて走った。

みほ「すっかり辺りも暗くなっちゃったね……」

戦車「僕、点検の時間すっぽかしちゃったよ！自動車部の人達に怒られそうだなぁ」

みほ「そ、そのときは私も一緒に謝るから！心配しないで！」

戦車「みほは優しいね、そんな君に燃料漏れは似合わないよ」

戦車「もうこれから何があっても泣くんじゃないぞ？僕との約束だ」

華「お待ち下さい」

戦車「誰や」

華「五十鈴華です」

戦車「あぁ……五十鈴さん、どうしたんですか？」

みほ「華さん……」

華「すみませんでした……みほさんが言っていたことは事実だったのですね」

みほ「え？」

華「みほさんが去った後、私と麻子さんでIV号戦車D型のところに向かったんです」

華「すると驚いたことに、我々に話しかけてきたんですよ」

華「いつも乗ってくれてありがとうって」

みほ「ぁ……！ぁ……！」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

戦車「やっぱり、人間と戦車はコミュニケーションを測れるんだ！」

戦車「良かったね！みほ！」

みほ「良かったよぉ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

～回想終わり～

みほ「そんなこともあったね///」

戦車「あれから、君は僕の専用乗務員だった……」

戦車「だからそろそろ、結婚もいいんじゃないかと思ってね」

まほ「そんなこと許すわけ無いだろう」

みほ「お姉ちゃん！？」

まほ「人間と戦車は種族が違うんだ」

まほ「お前は西住流の掟を忘れたのか？」

まほ「戦車に乗ることはあっても、恋をしてはならない」

まほ「結婚なんて、言語道断だ！」

まほ「戦車くんは私が引き取るからな」

みほ「嫌だ！」

まほ「大人しく、戦車くんを引き渡すんだ」

まほ「でないとゼクシィを破り捨てるぞ？」

みほ「この卑怯者！！」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

戦車「いいんだ、みほ…最初からわかってたさ」

戦車「僕が人間であるみほと結ばれることなんて無理だってね」ﾌﾞｫｫｫﾝ

みほ「ああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

まほの家

まほ「戦車くん、あんな妹より、私の方がいいとそろそろ気付いてくれないか？」

戦車「やっぱりか……だから言ったじゃないですか、僕はまほさんと付き合えないって」

まほ「あんな妹のどこがいいんだ！私のほうが財力もある、可憐さだって上だ！」

戦車「みほには、まほさんにない魅力があるんです」

まほ「わからずやめ……！ならこれでどうだ！」

戦車「こ、これは！？先日発売されたばかりの超高級戦車用追加砲塔…！」ｺﾞｸﾘ

まほ「これがあれば、みほも喜ぶだろうなぁ」ﾆﾀｧ

戦車「な、何が望みなんですか！？」

まほ「一晩、私と寝てくれるだけでいいよ……それで諦める」

まほ「この戦車用追加砲塔も君のものになる」ｻﾜｯ

戦車「うっ……ごめんね、みほ」

翌日

みほ「うぅ……戦車さんは無事かな……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

みほ……みほ……ﾌﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾝ

みほ「こ、この声は戦車さん！？戦車さんが帰ってきてくれたのね！」

戦車「ごめんね……みほ……」

みほ「え……？なに……それ？」

まほ「はっはっは！みほ！戦車くんは私の戦車になったのだ！」

まほ「この烙印を見ろ！」

みほ「そ、それは黒森峰女学園の烙印……！まさか！」

戦車「ごめんね……体はまほの物になったけれど、心はみほの物だから」

みほ「よくも騙したあああああああああぁああああ！！騙してくれたなぁ！！！！！！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

まほ「これから私は毎晩戦車くんと寝るんだ」

みほ「ああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！」

まほ「そうそう♪戦車くんの88mm砲はなかなかのものだったぞ♪」

戦車「ごめんね…ごめんね…」ﾌﾞォォｫﾝ

みほ「謝罪なんて聞きたくない！」

みほ「もう一生私の前に現れないで……薄汚い売戦車めっ！」

戦車「うっ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

まほ「みほがひどいことを言うから戦車くんが燃料漏れを引き起こしたじゃないか」

まほ「やれやれ、帰ったらきちんと隅々まで点検してやらんとな」

一週間後、まほの体を砲塔が貫き死んだ
みほはゼクシィを燃やしていた途中で家に燃え移り、全焼、遺体となって発見された

終わり

狂っとる・・・

は？


は？