最原「SCP-605-JP」 (23)


ニューダンガンロンパV3の最原君達がSCP-605-JPに巻き込まれる話です。
簡単に言うと意味不明なゲームで男死6人が盛り上がる話です。

参考:『異誤(リバーシ)』http://ja.scp-wiki.net/scp-605-jp

SCPについて解釈ミス等あったらごめんなさい。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490094024



 SCP-605-JPは、対局の度に未知のルールにより対局が行われる、一見通常のオセロです。

        ―――――SCP-605-JPに関する報告書より引用



――ゲームルーム

百田「あーちくしょうっ!」

王馬「にしし、また百田ちゃんが大貧民だね!」

天海「危なかったっす……ぎりぎり貧民っすね」

百田「なんでだ!? なんでこんな負けるんだ!?」

真宮寺「百田君は強いカードを先に出しすぎなんじゃないかナ」

星「真宮寺の言う通りだ、百田。だから終盤で出せるカードがなくなってんだ」

百田「いや、けどよ、だからって最初の方で出せるカードがあるのにパスするのはなんか釈然としねえって言うか……」

天海「百田君、このゲームに向いてないっすね」

星「スピードなら強いんじゃないのか?」


ガチャリ

最原「あ、百田くんここにいたんだ」

百田「最原?」

最原「みんなで遊んでたの?」

天海「そうっす。大富豪してたんすよ」

百田「それで、何の用だ? オレを探してたんだろ?」

最原「うん。倉庫でオセロを見つけたから百田くんと遊ぼうと思って……でも、みんなで遊んでるならこれはまた今度にしようか」

王馬「いやいや! オセロやろうよ! オレ、オセロでも強いんだからね!」

星「そうだな。一回休憩がてら最原と誰かでオセロするか。ちょうどひと段落着いたところだしな」

最原「え? いいの?」


天海「俺は構わないっすけど」

真宮寺「僕も賛成だヨ。少し疲れたところだしネ」

王馬「えー! もっと大富豪しようよー!」

最原「王馬くん、言ってることがさっきと違うけど」

百田「王馬はいつもそうだろ。王馬、オレと最原でオセロしてもいいか?」

王馬「うん、別にいいけど。さっきからずっとオレが大富豪でつまらなくなってきたところだし!」

百田「よし、決まりだな」

天海「それにしても、倉庫にオセロなんてあったんすね。このトランプも王馬君が倉庫から持ってきたやつっすけど」

最原「奥の方から出てきたんだよね。パッケージの文字がちょっとおかしいけどさ」

真宮寺「文字がおかしい?」

最原「うん。ほら、『異誤(リバーシ)』って……誤変換か何かかな」

真宮寺「……! 最原君、今すぐそれを置いてここから逃げ――」



――――――


――――


――



最原「じゃあ、まずは先攻決めから行こうか」

百田「おう!」

天海「さあ! 最原選手と百田選手による勝負が間もなく始まろうとしているっす! 実況はこの俺、天海蘭太郎が務めるっす! 解説の真宮寺君はこの勝負をどう見るっすか?」

真宮寺「そうだネ……最原君は序盤の攻勢に定評があるから、百田君は是が非でも先攻を取っておきたいところだと思うヨ」

天海「なるほど……勝負の前から勝負は始まっているというわけっすね!」

最原「えいっ!」

天海「最原選手! 思い切り石を床にたたきつけたっす!」

百田「そらっ!」

天海「負けじと百田選手も石を床にたたきつけて……蹴り飛ばしたっす!」

王馬「出たー! 百田ちゃんの必殺技が炸裂だ!」

星「ふん……こんな早くから大技が見れるとはな」

最原「! 百田くん、やるじゃないか」

百田「まあな。先攻はもらったぜ」


天海「というわけで、先攻の百田選手の攻撃からスタートっす!」

百田「最初は……ここだ!」バシィ

天海「百田選手。まずは黒を盤面のど真ん中に置いたっす。定石ともいえる手っすけど、先攻を取った割には少し無難すぎるんじゃないっすかね?」

真宮寺「いや、そうとも言えないヨ。自分がどう攻めるかを悟られないためにもしっかりと王道の一手を打つのは効果的だからネ」

天海「なるほど……さあ、これを最原選手はどう受けるのか!?」

最原「仕方ない。ここはスルーかな」

天海「おっと! 最原選手はスルーを選択!」

百田「いいのか? 一発目でスルーなんて」

最原「いいんだよ。今度はこっちの攻撃だし……それに、これくらいのハンデは当然でしょ?」


百田「おいおい、このゲームの前年度チャンピオンだからって、それはオレを舐めすぎじゃないか?」

最原「それはどうかな?」

天海「続いては最原選手の攻撃っす!」

最原「それ!」

百田「何っ!」

天海「最原選手! 百田選手の真正面に黒を打ち込んだ!」

王馬「こんな序盤でそんな一手を!?」

星「こりゃあ百田は相当苦しいぞ……」

百田「そんな事されたら、オレはこう守るしかねえだろ!」

天海「突然立ち上がった百田選手! 右のかかとを振り下ろし、最原選手の黒を踏み抜いたっす!」

真宮寺「当然の一手だネ。これをスルーしてしまうと百田君は負けになってしまうから」


百田「そのままこっちの攻撃だ! くらえ!」

天海「さあ、反撃の百田選手! 今度は最原選手側の角に白を叩きつけたっす!」

最原「黒石で受ける!」

天海「その上に黒を乗せて、百田選手の白を無効化した最原選手!」

百田「くそっ!」

最原「その手は読んでいたよ、百田くん。そして僕の攻撃!」

天海「最原選手は立ち上がり、石をいくつも握り込んで……ま、まさか!」

最原「これで終わらせる!」バシッ

王馬「あ、あれは……!」

天海「最原選手の得意技、最原スペシャル!!!」


百田「ここで出してきたか!」

天海「無数の石を同時に盤面にたたきつける最原スペシャルが見事決まったっす!」

真宮寺「しかも、ただの最原スペシャルじゃない……今の攻撃は、投げるときの右腕の動き、左手の指の曲がり具合に視線の動きまで何から何まで完璧だったヨ。これは芸術点も加算されてかなり強力な一手だネ」

天海「さあ、絶体絶命の百田選手! どう守るっすか!?」

百田「そっちがそう来るなら、オレにも策があるぜ!」

星「……策?」

王馬「追い詰められてからの百田ちゃんはつまらなくないからね……これは見ものだよ」

百田「『――空に輝く光を求め、天まで続く闇の塔』」

最原「ま、まさか……!」

天海「百田選手の口から吐き出される言葉たち……これは!」

真宮寺「間違いないネ。彼は"絶技"を使おうとしているヨ」

星「"絶技"……成功すれば一発逆転も夢じゃねえが、成功率が問題だ。百田が絶技の詠唱に成功したのはみたことねえぞ」

王馬「それでも、やる価値はあると思うよ。正直、最原ちゃんの攻撃を凌ぐにはこれしかないし」

天海「さあ、百田選手は絶技を決めることができるのか!?」


百田「『――そして世界は一つになる』」

天海「詠唱は無事言い切ったっす! そして……盤上に起こるかすかな時空の揺らぎ!」

星「! 詠唱に成功しやがった!」

天海「さあ、後は技をこなすだけっすよ!」

百田「くらえ!」

天海「百田選手のかけ声とともに、握りこぶしが盤面へと突き刺さる! 完全に決まったっす!」

最原「な、何だって……!」

真宮寺「"絶技"がここまできれいに決まるなんて……百田君、素晴らしいヨ!」

天海「百田選手の"絶技"の効果で、盤上の黒と白がすべて入れ替わったっす!」

真宮寺「これで完全に形勢逆転だネ」

王馬「しかも、今のは百田ちゃんの防御のターンだから……」

星「さらに百田が続けて攻撃か!」

百田「その通りだ! ほら!」

天海「百田選手の攻撃で繰り出したのは……これまた大技っす!」

真宮寺「腕立て伏せの体勢からの急激な逆立ち……パワータイプである百田君ならではの大技だネ。テクニックタイプの最原君には厳しい展開だ」

星「そして逆立ちのまま盤面の中央付近に白を置く……相当な集中力も必要だぞ」


王馬「いやー、圧巻だね……」

百田「どうだ、最原! 投了したっていいんだぞ!」

最原「投了? 何言ってるんだよ、百田くん」

百田「何……?」

最原「投了するのは百田くんの方だよ!」

天海「最原選手! この状況で、まだ手を残しているというんすか!」

真宮寺「最原君は前年度チャンピオンだからネ。このまま終わるとも思えないよ」

百田「へっ、そう来なくっちゃな!」

王馬「ねえ星ちゃん……オレ達、とんでもない場に立ち会ってるね」

星「そうだな。こんな試合、生きてるうちに見れるかどうかだぞ」

最原「さあ行くよ、百田くん! これが僕の全力だああっ!!」


―――3時間後

最原「はあ……はあ……」

百田「ふう……」

天海「互いに死力を尽くして技を出し合った両者、体力も尽きているはずっす!」

最原「時間だね……一旦休憩だ」

百田「だな……」

真宮寺「激戦だったネ」

王馬「まさか序盤から必殺技の応酬が見れるとは思わなかったよ!」

星「この二人にしかできない戦いだな……」

天海「それじゃあこれより1時間の休憩に――」

モノクマ「入らせてたまるか! いつまでやるつもりだ!」

最原「も、モノクマ!?」

百田「何の用だ?」

モノクマ「うるさい! はい、この勝負はここで終了! 皆記憶も消すからね!」

最原「え、ちょ――!」


――1時間後

ガチャリ

赤松「モノパッドによると、最原くん達はここにいるらしいけど……え!? 皆倒れてる!?」

最原「…………」

赤松「だ、大丈夫?」

最原「ううん……あれ、赤松さん?」

赤松「よかった、無事なんだね……」

百田「ん……あれ?」

天海「…………いつの間にこんなところで寝てたんすかね?」

王馬「あれー……?」

真宮寺「どうしてだったかな……」

星「妙だな……」


赤松「皆、どうしたの?」

最原「うーん……思い出そうとしても、思い出せないんだよね」

赤松「思い出せない?」

百田「そうなんだよな。気づいたらここに倒れてたし……」

天海「よくわからないっす……」

赤松「そうなんだ……」

最原「あ、でも、一つだけ覚えてることがあるよ」

赤松「何?」

最原「なぜかは分からないけど――」




最原「――すごく楽しかった」



短いですが以上です。
対局のルールは深く考えないでください。自分もわかりません。

聖鼻毛領域か

SCPで他作品とのクロスって良いのか?
SCPの二次作品はCC3.0 BY-SAに従わなきゃ駄目だがクロス先に無許可でやったらアウトじゃね
まあ無許可で二次SS作ってるここじゃ今更だが
どちらにせよ>>1は某wikiのようにライセンスを明記する必要がある
http://ja.scp-wiki.net/licensing-guide
https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja

えっと…エクストリームスポーツかな?

あー……なるほど、ありがとうございます。

出典:SCP-605-JP『異誤(リバーシ)』by nekomiya-guu様
   http://ja.scp-wiki.net/scp-605-jp

この内容は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス(https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja)に従います。


SCPのことロクに知らないけど『異誤(リバーシ)』は特に危害を加えてこない系のやつなのかな?

真宮寺が存在を知ってたのが地味に気になるな

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