キャンディアイランドのただただ毒にも薬にもならないおしゃべり (23)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります



----事務所----

ガチャ
杏「……おはよーございまーす」

かな子「おはようございます!」

智絵里「お、おはようございます」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489865625

ちひろ「あら。おはようございます、皆さん」

かな子「ちひろさん! おはようございますっ」

ちひろ「ふふっ。今日も三人は仲良しですね」

智絵里「は、はい!」

かな子「私たち、いつだって仲良しですから! ねっ、杏ちゃん?」

杏「……かな子ちゃんはどうしてそう、恥ずかしいことを息を吐くかのように言えちゃうのさ」

かな子「恥ずかしい……? そうかな?」キョトン

杏「はぁ、これだからコミュ力の塊は……」

ちひろ「なんだか妬けちゃいますね」クスクス

杏「ちひろさんまで……」

智絵里「ふふ、さすがかな子ちゃん」

ちひろ「事務所のみんなもよく言ってますよ? 『うちのユニットの中でも、キャンディアイランドは特に仲が良さそうに見える』って」

智絵里「そうなんですか?」

ちひろ「ええ。この間も卯月ちゃんが、『最近事務所に来ると、いつもキャンディアイランドの三人が楽しそうにお話しているんですよ』って、教えてくれましたし」

杏「お話っていうか……お茶会っていうか」

智絵里「むしろ……お菓子の試食会?」

かな子「あはは……みんなのことを考えてお菓子を作ってると、ついつい作り過ぎちゃって……」

杏「さすがにバウムクーヘンを一人ワンホール、とかはもう勘弁だけどね」

智絵里「あれは……うん」

武内が出るんだな?

智絵里「結局、全然食べきれなくて、おすそ分けをする人を探して事務所中を回ったもんね」

ちひろ「あぁ、そういえば以前、私もバウムクーヘンの切り分けを戴いたことが……そういう経緯だったんですね」

かな子「うーん、美味しいから大丈夫、だと思ったんだけどなぁ」

杏「あのさ。美味しいのはわかるけど、杏の胃袋はそんなにスペック高くないの。腹八分目って言うでしょ?」

かな子「うぅ……ごめんなさい……」ショボン

智絵里「……杏ちゃんが、なんだかトレーナーさんみたい」

ちひろ「やっぱり杏ちゃんって、普段はだらけているように見えて、本当はすごく責任感がありますよね」

杏「……ハッ! しまった、ついキャラじゃないことを……!」

杏「か、かな子ちゃん! やっぱり杏もスイーツ沢山欲しいなー! 飴でもケーキでも、なんでも!」

かな子「ええぇっ!? ど、どっちなの~!?」

>>4
武内P含め、Pは出てこない予定です

ちひろ「では、そんな杏ちゃんにはこれを」コト

杏「おー! 飴だぁ!」

智絵里「わっ……なんか高級そうな缶に入ってますけど……いいんですか?」

ちひろ「ええ。部長が頂いたものだそうなんですけど、アイドルのみんなでどうぞ、とのことでしたので」

杏「さすが部長さん、太っ腹だねぇ。んじゃ、そういうことなら遠慮なく」ヒョイパク

杏「……んー! あまー!」

ちひろ「満足しました?」

杏「うん、したした」

かな子「わ、私もいいかな……?」ウズウズ

智絵里「それなら、私も」

ちひろ「ふふふ。ちゃんと他のユニットのみんなの分も、残しておいてあげてくださいね?」

かな子「はーい!」

杏「んむー、この一粒のために生きてるって感じだよー。五臓六腑に染み渡る、ってやつ?」

智絵里「ビールじゃないんだから……」

かな子「あはは……もしかして杏ちゃん、将来早苗さんみたいなビール好きになるのかな?」

杏「えー? でも、ビールって苦いんでしょ? 甘党の杏とは対極の飲み物だと思うけどなぁ」

智絵里「でも、早苗さんや友紀さんはすごく美味しそうに飲んでるよね……」

かな子「うーん。苦いけど、美味しいから大丈夫、なのかな?」

智絵里「味よりも、喉越し? を楽しむものだー、みたいな話は聞いたことがあるけど」

杏「ちひろさん、実際そこんとこどうなの?」

ちひろ「えっ、私ですか?」

杏「そうそう、オトナの貴重な意見を是非」

ちひろ「そうですね……私もたまに、それこそ早苗さん達に誘われたりして飲みにいくことはありますが……」

ちひろ「ビールそのものの味というよりは、仕事の疲れとか、あと飲み会の楽しい雰囲気が美味しく感じさせる、というのはあるのかも」

かな子「なるほどー……。スイーツも、一人よりみんなで食べたほうが美味しく感じるのと同じかな?」

杏「かな子ちゃんの脳は何でも一瞬でスイーツに変換されるよね」

智絵里「飲み会かぁ……分かりやすく言えば、お酒を飲みながらのパーティーってことですよね」

ちひろ「うーん、パーティーですか……そんなに華やかなものじゃない時もありますけどね……」トオイメ

かな子「……ちひろさん?」

ちひろ「……はっ。いえ、その……この間、私以外の全員が先に酔い潰れてしまって、介抱が大変だった時のことを思い出して……」

杏「ぅわぁ……」

ちひろ「あはは……美優さんがあれほど泣き上戸だったとは、知りませんでした……」

ちひろ「って、あぁ! いけない、もうこんな時間! 会議室のセッティングをしておかないと」

智絵里「わわっ、ご、ごめんなさい! お忙しいところを、引き止めちゃって」

ちひろ「いえいえ、気にしないで。私も息抜きになりましたし、それに、アイドルとのコミュニケーションもアシスタントの仕事のうちですから」

ちひろ「では、失礼しますね」フリフリ

かな子「いってらっしゃーい!」フリフリ

ちひろ「あ! 分かってるとは思いますが、お酒は二十歳になってから、ですよっ」ガチャ バタン

智絵里「はぁいっ。……行っちゃった。ちひろさん、大変そうだね」

杏「プロデューサーもそうだけど、うちの人達はホント働き者だよねー」

杏「杏には真似出来そうにないや」ゴロン

智絵里「またそんなこと言って……ふふっ」

かな子「でも、そんなちひろさんやプロデューサーさんのお陰で私たちはお仕事出来てるんだから、期待に応えられるように、私たちもしっかりしなきゃ!」グッ

智絵里「ですねっ」

杏「じゃあ、今は体力を温存するために、しっかりだらだらしよー」グデー

かな子「はいはい。時間が来るまでだからね?」

杏「うー……このまま時が止まればいいのに」

智絵里「なんだかロマンチックな台詞だね」

杏「そんなこと言われても、杏にはロマンの欠片も無いよ」

かな子「マカロンならあるけど……」ガサゴソ

杏「いや、いいって……。そこまで語感も似てないからね?」

智絵里「……マロンのマカロンだったりして……」

かな子「ふふ、ラップの歌詞みたい」

杏「……そうかなぁ?」

杏「ラップってもっとこう、文章のなかで韻を踏ませるもんじゃないの?」

かな子「あっ。しばし監視、寝癖さえファンシー! みたいな?」

智絵里「みりあちゃんの曲だね」

かな子「ああいうのを作詞出来る人って、凄いよね」

杏「試しに、ちょっと即興でやってみてよ、スイーツラップみたいなの」

智絵里「わぁ、おもしろそう!」

かな子「えぇ~!? ま、またそうやって無茶振りするんだから……」

杏「まぁまぁ。かな子ちゃんのスイーツ愛があれば、なんとかなるなる」

かな子「そんなぁ……。うーん、えぇと……」

かな子「ま、マロンのマカロン、食べると、もちろん……美味しい、ろん♪」

かな子「……やっぱりダメ! 難しいよ~!」

杏「あはは。最後、『ろん』がただの語尾みたいになっちゃったね」

智絵里「でもいい感じだったよ、かな子ちゃん!」

かな子「えぇ……絶対そんなことないよぉ」

杏「いやいや、充分可愛かったろん」

智絵里「そうですろん!」

かな子「ちょっと、二人とも! からかわないでよ~!」プンスコ

智絵里「えへへ……ごめんなさいっ」

杏「お菓子作りが得意なかな子ちゃんは、歌詞を作る才能もある、ってね」

智絵里「……あっ。それって、お菓子と歌詞が掛かってる?」

かな子「やっぱり杏ちゃんのほうが、そういうの得意なんじゃないかなぁ……?」

杏「ふふーん。よぉし、じゃあ座布団の代わりに飴をもらおう」ヒョイパク

かな子「あっ。ちゃんと残しておかないとダメだよ? ちひろさんも言ってたし」

杏「まだいっぱいあるから大丈夫だって。……んー、あまー。幸せー」

智絵里「杏ちゃん、顔が緩み切ってるね……」

かな子「溶けかけのソフトクリームみたい」クス

智絵里「そういえば私、ソフトクリームとかクレープとかを食べると、いつも決まっておしりのほうからクリームが溶けて出てきちゃって、慌てちゃうんだよね」

かな子「わかる~! つい味わうのに夢中になっちゃって、気が付くと結構時間が経っちゃってたりね!」

智絵里「あれって、なんとかならないかなぁ……?」

かな子「うーん……素早く食べちゃうのが一番なのかもしれないけど、それだとなんだかもったいない気もするし……」

智絵里「上の方が少し減ってきたら、逆に下の方からかじって食べちゃう……とか」

杏「それはそれで、食べ辛くない?」

智絵里「だよね……」

かな子「ソフトクリームのコーンに付いてるカバーを、よくある薄い紙じゃなくて、もう少し丈夫なのにしてくれれば……」

智絵里「そっか。せめて紙コップぐらいの厚みがあれば、垂れても大丈夫かも」

杏「なるほどねー。コストかかりそうだけど」

杏「……結局、アイスはカップ入りのをスプーンで食べるのが最強、ってことで」

かな子「み、身も蓋もないね……」

智絵里「……ふふっ」

杏「智絵里ちゃん?」

智絵里「あっ、いえ……今日は飴とかお酒とかアイスとか……食べたり飲んだりの話ばっかりだなって思って」

かな子「確かに……でも、それって」

杏「いつも通りじゃない?」

智絵里「……そうだね。いつも通りでした」

杏「だって私達、キャンディアイランドだもん。仕方ないよね」

かな子「あはっ。それじゃあ、もうすぐレッスンの時間だし、最後くらいお仕事の話、しておく?」

智絵里「ですねっ」

かな子「よしっ! 次のステージも、三人で頑張って……」




ガチャ
卯月「おはようございますっ!」



かな子「フルーツたっぷりのケーキみたいに、華やかで楽しいものにしようねっ!」

卯月「わぁ、ケーキですかっ! 今日も、みんなでスイーツのお話ですか?」

かな子「ちっ、違うよ、今のは!」

智絵里「かな子ちゃん……」

杏「……例えが悪いよ」



おわり


以上、お付き合いありがとうございました。


前作
キャンディアイランドのまるきり毒にも薬にもならないおしゃべり


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