男「これが究極のかけごはんだ!」 (38)


司会「さあ始まりました、究極のかけごはんを決定する…」

司会「かけごはんナンバー1、決定グランプリ!」

審査員1「いやぁ、楽しみだなぁ」

審査員2「どんなかけごはんが登場するのかしら?」

審査員3「フォフォフォ。期待が膨らむわい」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489813367


司会「それではさっそく行きましょう、まずはこちら!」

司会「納豆かけごはんです!」

審査員1「どれどれ、早速頂きますか.…パクリ、モグモグ」


審査員1「…うーん、クセは強いけど、その分旨さも濃い!」

審査員2「日本の食卓の定番ね!」

審査員3「これは、いきなり優勝候補かのぉ」

司会「粒や、ひきわりなど」

司会「バリエーションが豊富です、納豆かけごはん!」

司会「さて、続いてのエントリーは、こちら!」


司会「とろろかけごはんです!」

審査員1「…うん、ほのかな甘みが醤油と相性バッチリ!」

審査員2「これはご飯が進むわ!」

審査員3「スルスルッと、いくらでも食べれるのぉ」

司会「すり下ろしたとろろと熱々のごはん、たまりませんねぇ」

司会「続いては、こちら!」



司会「焼肉のたれかけごはんです!」

審査員1「おお、ごはんに焼肉のたれをかけただけだけれど!」

審査員2「手軽さの割に、この美味しさ!」

審査員3「これぞ肉無し焼き肉丼じゃのう」

司会「低カロリーで焼肉丼を食べた気分になるから、ダイエットにも効果的です!」

司会「続いては、こちら!」


司会「大根おろしかけごはんです!」

審査員1「これは、サッパリとしていて爽やかな味だ」

審査員2「大根おろしとごはんって、意外と合うのね!」

審査員3「醤油をたらすのもいいが、ポン酢もいけるのぉ」

司会「大根には消化を助ける酵素も含まれていて、消化にもいいです」

司会「続いては、こちら!」


司会「バター醤油かけごはんです!」

審査員1「うっほー、こってりとした濃厚な味!」

審査員2「あらやだ、つい食べ過ぎちゃいそう」

審査員3「油っけと塩っけは、ごはんと相性ピッタリじゃからのう」

司会「バターの風味が、食欲をたまらなくそそります!」

司会「続いては、こちら!」


司会「卵かけごはんです!」

審査員1「うん、やっぱかけごはんといえばこれ!」

審査員2「本命中の本命ね!」

審査員3「TKGと略称まである、卵かけごはんの人気は本物じゃ」

司会「専用の醤油もあったりしまして、まさにかけごはんのキングオブキング!」


司会「以上で全て出揃いましたが、いかがでしたでしょうか?」

審査員1「いやー、どれもこれも美味しかったけれど」

審査員2「やっぱり、卵かけごはんが一番かしら?」

審査員3「そうじゃのう」


司会「どうやら意見が一致したみたいですね」

司会「それでは、かけごはんナンバーー1決定グランプリ」

司会「優勝は、卵かけご…」

男「ちょっと待ったぁぁーーーーーっ!」


司会「なっ、何ですか貴方は?」

男「こんなものが、かけご飯のナンバー1…?」

男「ハッ、ちゃんちゃらおかしい」

審査員1「なんだと!」

審査員2「聞き捨てならないわね」

審査員3「卵かけごはんの何が悪いんじゃ」


男「あんたらは、究極のかけごはんを食べた事がないんだな…」

審査員1「ほおう、でかい口をたたくじゃないか」

審査員2「あなたなら究極のかけごはんを用意できるっての?」

男「もちろん」

急に美味しんぼはじまた


男「これだ!これが究極のかけごはんだ!」

審査員1「これが、究極のかけごはん…?」

審査員2「何もかかってない、ただのごはんじゃないの」

審査員3「これの、一体どこが究極のかけごはんなんじゃ?」


男「まあとりあえず、食べて見てくれよ」

審査員1「どれ、モグモグ…。うーん、普通のごはんだ」

審査員2「本当に、ただのごはんね」

審査員3「一体これが何だというのかね」


男「わからない?どうやら説明が必要みたいだな」

審査員1「だから、どうしてこれが究極のかけごはんなんだ?」

審査員2「説明してよ!」

審査員3「そうじゃ。理由を説明せんか」


男「まず、この米。この米は俺が一から田んぼで育てて収穫したものだ」

審査員1「まあ、丁寧に作ってはいるのか」

審査員2「けれど、それだけじゃねえ」

審査員3「とても究極のかけごはんとは言えんのう」


男「しかし、この米はただ普通に収穫しただけじゃない…」

審査員1「というと?」


男「収穫する時、田んぼに噛まれたら死ぬ毒を持ったヘビを100匹ほど放って収穫した」

審査員1「はぁ?何だそれ?」

審査員2「それに何の意味があるの!?」

審査員3「わけがわからんのう」


男「そして、この米を炊く時に使った水」

審査員2「それがどうかしたの?」


男「これは、人食い虎のウヨウヨいるシベリアの奥地から汲んできた水だ」

審査員1「な、何でそんな所からわざわざ?」

審査員2「その水で炊くと美味しく炊き上がるの?」

審査員3「食べた感じだと、別に普通じゃったがのう」


男「そして、このごはんを炊き上げる時には!」

審査員3「どうしたんじゃ?」


男「耐熱服を着て、炊飯器ごとマグマの中に飛び込んで炊き上げたんだ!」

審査員1「何でそんなマネを!?」

審査員2「それが一体何なの!?」

審査員3「さっきから、さっぱり意味がわからんわい」

はっはーんなるほど

あーね

なんだよ、おかゆライスの話じゃないのかよ


男「わからないか?」

男「これを作るのに、俺は命をかけた」

男「そう、これこそ、究極のかけごはん…」


男「命がけごはんだぁぁーーーーーーーーっ!」

審査員1「なっ、何だとぉぉーーーーーっ!?」

審査員2「いっ、命がけでつくった命がけごはん!?」

審査員3「なっ、何と言うことじゃ…」

ああーなるほど


男「さあ、それを踏まえてもう一度食べてみてくれ!」

審査員1「うん、どれどれ…。うん!命がけで作ったごはんだと思うと」

審査員2「何だか、すごく美味しく感じるわ!」

審査員3「命をかけて作った、命がけごはん…こりゃあ、1本取られたわい」


司会「さーて、最後に思わぬハプニングがありましたが」

司会「どれが究極のかけごはんか、決まりましたでしょうか?」

審査員1「ああ。これはもう決まりだな」

審査員2「ええ、そうね」

審査員3「どうやら、意見は一緒のようじゃのう」

男「へへ…」


司会「それでは、発表します!」

司会「かけごはんナンバー1、決定グランプリ!」

司会「優勝は…」


司会「卵かけごはんです!」

男「は…?」

男「なっ、何でだぁぁーーーーーー!?」


審査員1「だって、よく考えたら普通のごはんだし」

審査員2「そもそも、上に何もかかってないわよね」

審査員3「卵かけごはんの方が普通にうまいしのう」

男「チックショォォォーーーーーーーー!!」


終わり

読んでくれてありがとうございます。
依頼出して来ます

これはうまいな
2つの意味で

つまり男には命をかけて育てた卵が「欠けて」いた、と

ふりかけご飯がない......

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom