絵里「ほのわんの飼い方」 (62)

絵里「ついに!ついにこの日が来たわ!」

絵里「苦節数カ月……亜里沙にばれないよう食事を節約したり……」

絵里「ほのわんの写真集をリビングに置いてアピールしたり……」

絵里「涙ぐましい努力を重ねながら……」

絵里「ついに今日ほのわんを買うことができたわ!」

絵里「だけど……」

穂乃果「……ウゥゥゥゥ~~!」

絵里「明らかに警戒されてるわね……
とても懐きやすいって本に書いてあったんだけど……」

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絵里「だけどこんな時のためにこの本を買ったのよ!」

『犬の飼い方~ほのわん編~』

絵里「えっとどれどれ……」ペラペラ

『ほのわんの飼い方~出会い編~
 ほのわんは知能がとても高い犬種である……がとても単純でもある
 好物であるイチゴ、パンなどを与えるとすぐに懐くので試すべし』

絵里「所謂餌付けってやつね。早速あげてみましょうか」ガサゴソ

穂乃果「!?」ビクッ

絵里「ふふっ。ほらー、パンよぉ?怖くないわよー?」

穂乃果「……!?」クンクン

絵里「大丈夫。何も入ってないわよ」

穂乃果「……パン!パン!パン!」モグモグモグ

絵里「すごい勢いで食いついたわね……。美味しい?」

穂乃果「おいしいわん!もっと食べたいっ!」モグモグ

絵里「ほら、まだまだあるから好きなだけ食べていいわよ?」

穂乃果「わーい!」モグモグ

絵里「ふふっ。美味しそうに食べててなんだか微笑ましいわね
……ところでお名前はなんていうの?」ナデナデ

穂乃果「くぅ~ん!穂乃果だわん!」モグモグ

絵里「穂乃果っていうのね?私は絵里って言うのよ」

穂乃果「えり?」

絵里「そうよ。今日からあなたの飼い主になるの」

穂乃果「穂乃果の飼い主……?」

絵里「ええ!だから今日は親睦の証に一杯パンを食べていいわよ?」

穂乃果「わーい!えへへ。これからよろしくね!
パンくれる絵里ちゃん大好きっ!」ワンワン

絵里「」キュンッ





絵里(なんとか無事に仲良くなることは成功したみたいね!)

~~~~~~~~~

『ほのわんの飼い方~お散歩編1~
ほのわんは外で遊ぶのが大好き!
仲良くなったら次はお散歩に連れていくべし』

絵里「ふむふむ……、お散歩ね」

絵里(このままパンを食べさせててもダメよね)

穂乃果「がつがつ」モグモグ

絵里(太っちゃいそうだし……ん、でも太った穂乃果ってのも可愛いんじゃ……)

穂乃果「くんくん」ガツガツ

絵里「って!ダメダメっ。―――穂乃果?お散歩にいかない?」

穂乃果「んっ……お散歩!?」

絵里「ええ。お外を一緒に歩きましょう?」

穂乃果「行きたい行きたい!」

絵里(あっ!首輪買ってない…….
大丈夫よね?)





~お散歩中~

穂乃果「わん!わん!わん!」タッタッタ

絵里「ふふっ、楽しそうね」

穂乃果「お散歩大好きだわん!絵里ちゃんの次くらいに!」

絵里(あぁ……、癒されるわ)

絵里「ふふっ、そんなに私のことが好きなの?」

穂乃果「うん!パンとイチゴとお昼寝の次くらいに好き!」

絵里「喜んでいいのか微妙なラインね……」



~数十分後~

絵里「だいぶ歩いたわね……。ちょっとあそこの公園で休んでいい?」

穂乃果「うん!早くいこー!」タッタッタッ

絵里(本当元気な子ね)

穂乃果「わん!わん!」クルクル

絵里「ふぅ……ねえ穂乃果。私はちょっとそこのベンチで休んでるわね」

穂乃果「うん!じゃああっちの方で遊んでるね!」タッタッタッ

絵里「あまり離れちゃダメよ?」

穂乃果「はーいっ!」タッタッタッ

絵里「さてと、私は本の続きでも読んどこうかしら」

『ほのわんの飼い方~お散歩編2~
ほのわんはとても人気なペットです。ほのわん自身も餌をくれる人にはほいほいついて行ってしますので、必ずリードを付け、手の届く範囲で散歩させるか、目を離さないようにしましょう。
最近ではほのわんの誘拐などが多発していますのでくれぐれも注意が必要です。』

絵里「ふむふむ……って!」

絵里「ゆ、誘拐!?まさか!?」ダッ

絵里「穂乃果―?どこなのー!?」

絵里(いた!あれは穂乃果と……誰?)

???「穂乃果ちゃんって言うんだ♪
かわいいね~、ほらマカロン食べていいよ?」チュンチュン

穂乃果「わーい!わんわん!」モグモグ

新しい倒錯

???「ふふっ、美味しい?」

穂乃果「美味しいわん!もっと食べたい!」

???「なら私のお家にいこうか?いくらでも食べさせてあげるね♪」ナデナデ

穂乃果「いくいく!」

絵里「ちょっとあなた!私の穂乃果をどこに連れていく気よ!」

穂乃果「あっ!絵里ちゃん!お姉さんがお菓子くれたわん!」モグモグ

絵里(くっ……、おバカなところもかわいい!)

???「……ちゅん」ダッ

絵里「あっ!待ちなさいよ!」ダッ

穂乃果「二人とも行っちゃった……、追いかけっこかな?」




絵里「見失ったわ……」

絵里「……あ!追うことに夢中で穂乃果を忘れてた……!」

絵里「穂乃果ああっ!?」ダッ





??「穂乃果って言うんですね?ほらお饅頭ですよ」

穂乃果「わーい!甘いわん!」モグモグ

??「ウチに来ればもっと食べられますよ?」

穂乃果「本当!?いくいく!」フリフリ

??「いい子ですね。では行きましょうか」ナデナデ

絵里「またなの!?こらー!穂乃果はうちの子よ!」

穂乃果「あっ!絵里ちゃんだ!」フリフリ

??「!? 飼い主がいたのですか!?」

絵里「当たり前じゃない!なに誘拐しようとしてるのよ!」

??「ご、誤解です!私は保護をしようとしてたんです!」

絵里「……保護?」

??「そうです!飼い主も近くにいなく首輪もしていなかったのでてっきり
捨てほのわんだと思ったんです!」

絵里「本当かしら……」

??「だいたいあなたもあなたです!こんなかわいい子を放置してたら
さらわれても文句は言えませんよ!何してたんですかっ!」

絵里「ぐっ……、色々あったのよ……」

??「むしろ保護しようとしてた私に感謝してほしいくらいです!」

絵里「そ、そうね……、勘違いしていたみたいね……。ごめんなさい」

??「いえ、気を付けていただければいいんです」

穂乃果「お姉さん!もっとお饅頭頂戴!」グイグイ

??「ふふっ。いっぱいありますから焦らないでも大丈夫ですよ」

絵里「こらっ。さっきパン食べたでしょ?もう駄目よ」

穂乃果「えー!?」シュン

絵里「いい時間だしもうそろそろ帰るわよ?」

穂乃果「はーい……」

??「えっ?もう帰っちゃうんですか?」

絵里「ええ、日も沈んできたし」

??「も、もうちょっと遊ばせてくださいよ!」

絵里「ダメよ。ご飯の用意だったあるし」

??「……わかりました、では最後に抱きしめさせてください!」

絵里「は、はあ?なんでそんことを―――」

??「あなたがいない間に穂乃果を守ってあげていたんです
そのお礼だと思ってください」

絵里「くっ……、分かったわ、ちょっとだけよ……」

??「穂乃果ー!」ギュッ

穂乃果「わんわん!」スリスリ

??「ああ!かわいいです!またお饅頭食べたくなったらいつでも声かけてくださいね!」

穂乃果「お饅頭のお姉さんありがとう!」スリスリ

絵里「もう終わり!帰るわよっ」

海未「あぁ!ほのかぁ……」

穂乃果「わん!お姉さんばいばーい!」





絵里「ようやく家に帰ってこれたわ……」

穂乃果「わーい!ただいまだわん!」

絵里「まさかお散歩がこんなに危険だなんて思わなかったわ……」

穂乃果「楽しかったわん!また行こうね絵里ちゃん!」スリスリ

絵里「ええ、そうね」ナデナデ

絵里(その前に首輪と躾ね……)

~~~~~~~~~~~~
『ほのわんの飼い方~躾~
ほのわんはとても物覚えが悪いので根気よく躾けるべし
 叱るより褒めて伸ばそう』

絵里「穂乃果、クイズをしましょう」

穂乃果「わん?」

絵里「正解するごとこのイチゴあげるわ!」

穂乃果「イチゴ!?」

絵里「だからちゃんとやるのよ?」

穂乃果「わーい!いちご、いちご!」アーン

絵里「こらっ、正解してからよ!では問題よ」

絵里「『散歩をしていたら知らない人から声をかけられました、穂乃果ならどうする?』」

穂乃果「挨拶する!」

絵里「んー。まあいいわね。では
『知らない人から家にお菓子があるから来ないかと誘われたらどうする?』」

穂乃果「食べに行く!」ワン

絵里「はいアウトよ!」ペチン

穂乃果「ええっ!?な、なんで?」シュン

絵里「その知らない人が悪い人だったら大変でしょ?」

穂乃果「でも悪い人はお菓子くれないよ?」

絵里「もう……お菓子で穂乃果を釣って誘拐するつもりなのかもしれないのよ?」

穂乃果「あ!ああっ!なるほど!」

絵里「うぅ……先が思いやられるわね……」



~数時間後~

絵里「じゃあ今日やった所の復習よ!」

穂乃果「わん!」

絵里「知らない人には?」

穂乃果「挨拶!」

絵里「誘われたら?」

穂乃果「断る!」

絵里「貴方の飼い主は?」

穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「危ない場所には?」

穂乃果「近づかない!」

絵里「穂乃果が好きなのは?」

穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「完璧よ!穂乃果っ!」モギューッ

穂乃果「わーい!」フリフリ

狂気を感じる

~~~~~~~~~~~~
とある日 ペットショップ

絵里(今日こそは穂乃果の首輪を飼わないとね)

絵里(それにしても―――)

ズラーーーーーーーッ

絵里(首輪ってこんなに色々あるのね……どれにすればいいのかしら)ガサゴソ

絵里(これは……へぇライト付きで暗い夜道で光らせれるのね)

絵里(うっ……結構するわね。こっちは……)

絵里(消臭効果あり?確かにいい匂いがするけど……
でも穂乃果は元々いい匂いよね)ガサゴソ

でも穂乃果は元々いい匂いよね)ガサゴソ

絵里(凄い!これはGPSつきなのね!)

絵里(遠く離れてもGPSで居場所がすぐにわかるなんてハラショーね!)

絵里(……うっ、桁が他のとは一つ違う……とてもじゃないけど無理ね)

絵里(とりあえず今回は普通の首輪にしときましょうか……)

絵里(んっ……?あら、今ってこういうのもあるのね)




絵里「ただいまー!」

亜里沙「ひゃあああっ!?――――あっ!」

穂乃果「zzz」

亜里沙「良かったぁ……起きてない……」フゥ

絵里「そんなに大声出してどうしたの?」

亜里沙「もう!お姉ちゃん帰って来るならもっと静かに帰って来てよ!」

絵里「静かにって……普通に帰ってきたんだけど……」

亜里沙「駄目だよ!穂乃果が起きちゃうよ!」

絵里「え?……ああっ。そういうことね」

亜里沙「危なかったよぉ……」ナデナデ

穂乃果「zzz」


絵里「ふふっ。起きてる時に直接撫でてあげればいいじゃない」

亜里沙「うぅ……だって嫌われちゃうかも……」

絵里「プッ……穂乃果が嫌う……くすくす」

亜里沙「なんで笑うのっ!?」

絵里「だって……ねえ?」チラッ

穂乃果「ぐうぐう」zzz

亜里沙「で、でも!」

絵里「大体穂乃果はご飯さえあげちゃえば見知らぬ人にでもついて行っちゃうのよ?」

亜里沙「うー……と、とりあえず今日は駄目!じゃあねっ!」タッタッタ

絵里「あっ。亜里沙!」

絵里「まったく……どうせご飯の時にあうのに……」

穂乃果「うぅ……えりちゃん?」ゴシゴシ

絵里「あっ。おはよう穂乃果」

穂乃果「ぅ絵里ちゃーん!」ガバッ

絵里「夜眠れなくなっちゃうからお昼寝は控えなさいって言ったでしょ?」

穂乃果「えへへ!大丈夫夜も寝るからっ」

絵里「もう……」

亜里沙「あわ、あわわ……」

穂乃果「あっ」

亜里沙「うっ……」


絵里「丁度いいからちゃんと紹介するわね。私の妹の亜里沙よ
何度か家で見かけてるでしょ?」

穂乃果「あっ!あのすぐ逃げる人だ!」

亜里沙「うぅ……」

絵里「逃げてたんじゃないのよ。穂乃果と話すのがちょっと恥ずかしかったみたいなの」クスクス

穂乃果「恥ずかしい?」

絵里「ふふっ、穂乃果のことが好きってことよ」

亜里沙「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!」

穂乃果「好き?うーん……じゃあ穂乃果も好きだよ!」

亜里沙「えっ……ええ!?」

穂乃果「だって穂乃果のこと好きなんでしょ?なら穂乃果も!えーっと……亜里沙ちゃん!」フリフリ

亜里沙「ほ、穂乃果!」モギューッ

穂乃果「うぐっ!?」

亜里沙「私ね!ずっとこうやってぎゅーって抱いて撫でてみたかったの!」ナデナデ

穂乃果「ぐ、ぐるじ……」

亜里沙「あ~ん!モフモフ!……そうだ!一緒に写真も撮ろう!雪穂に自慢しなきゃ!」

絵里「こらっ。ダメでしょ?穂乃果が苦しがってるわよ」

亜里沙「あ!ご、ごめんね!嬉しくてつい……」

穂乃果「え、えへへ。大丈夫だよ!」

亜里沙「あっ!そうだ、じゃあお散歩いこ?私ずっとお散歩に連れていくのが―――」

絵里「ダメよ。もうご飯よ」

亜里沙「えぇ!少しだけ!少しだけ!」

絵里「お散歩なら明日三人で行きましょ?―――それにほら、穂乃果もさっきから」

穂乃果「えへへ」グゥゥゥ

亜里沙「あっ、そうだよね……じゃあ穂乃果!一緒に食べようね」

穂乃果「うん!」

亜里沙「あとお姉ちゃん明日のお散歩だけど―――」

絵里「ふふふっ、ご飯食べながらゆっくり話しましょ」

穂乃果「えへへ!お腹ぺこぺこだよぉ」クゥーン

亜里沙「いっぱい食べていいからね!いこっ穂乃果!」タッタッタ

穂乃果「わんわん!」タッタッタ

絵里「さっきまで恥らってた亜里沙はなんだったのかしら……」

絵里「でも馴染んでくれて一安心ね……っと、そういえば首輪渡すの忘れてたわね」

絵里「まあいいかしら……これからいくらでも時間はあるものね」

<オネエチャーン!

<エリチャーン!ハヤクハヤク!

絵里「あっ!今行くわよ!」

絵里(改めてこれからよろしくね穂乃果!)

~~~~~~
朝 登校時

亜里沙「雪穂―!おまたせーっ!」

雪穂「亜里沙おっそい!遅刻しちゃうでしょ!」

亜里沙「ご、ごめんね雪穂……!穂乃果の毛づくろいしてたらギリギリになっちゃって」エヘヘ

雪穂「あー。穂乃果ってちょっと前に飼いはじめた犬のことだっけ?」

亜里沙「うん!すごく可愛いんだよ。尻尾がもふもふでハラショーなの!」

雪穂「へぇー」

亜里沙「昨日も一緒に公園に遊びに行ってね……あ!そうだ!写真見せてあげるね!」ハイッ

雪穂「どれどれ―――ん!?」

亜里沙「どうしたの?」

雪穂「う……え、い、いや……なんだか体に電流が走ったような気が……」

亜里沙「ええ?……あっ!そっか!雪穂も穂乃果の可愛さにやられちゃったんだ!」

雪穂「そんな感じじゃなくて昔から知ってる家族のような……」

亜里沙「え?でも穂乃果見たのは初めてだよね?」 

雪穂「そ、そうなんだけどさ!」

亜里沙「それに毛の色も目の色も全然雪穂とは違うし」

雪穂「う、うん……」

亜里沙「むしろ見て見て!この目の色!わたしにそっくりでしょ?」

雪穂「……」ジー

亜里沙「きっと金髪にしたらそっくりになると思うんだ!
尻尾と耳も隠せば本当の姉妹みたいに―――ハラッショォだよね!」

亜里沙「そしたら一緒に―――」

雪穂(―――でも、どこか他人の気がしないんだよねぇ)

雪穂(……んっ、この子って犬だし他人じゃなくて他犬っていうのかな?)

亜里沙「――――でね!雪穂はどう思う?」

雪穂「え?」

亜里沙「もー!穂乃果にズボンとスカートどっちが似合うかって話だよ!」

雪穂「うーん……でも私実物も見たことないしどんな犬なのかも……」

亜里沙「あっ!そういえば穂乃果が来てからウチにきてないもんね……
じゃあ今度遊び来てよっ。なんなら今日にでも―――」キャッキャッ

雪穂(亜里沙なんだか楽しそうだなぁ)

雪穂(ウチももう一匹犬買おうかな……)

~~~~~~~
ある日の休日

絵里「穂乃果―?お出かけに行くわよ」

穂乃果「お出かけっ!?お散歩!?」ワンワン

絵里「うーん。ちょっとお散歩とは違うわね。」

穂乃果「わん?公園じゃないの」

絵里「ええ。今日はもうちょっと遠いところに行くのよ」

穂乃果「ふぇ?面白いとこに行くの?」

絵里「んー……どうかしら……
でもいい子にしてたら帰りイチゴ買ってあげるわね」

穂乃果「本当絵里ちゃん!?わーいわーい!」フリフリ

絵里(とりあえず苺で釣れば大丈夫よね……)

穂乃果「どこに行くのかな!」フリフリ

絵里(うん……きっと……ね)




殺伐としたスレにシュレディンガーの凛ちゃんが!

      ______
    /          /|
   ┃~~~~~┃ ┃< にゃー
   ┃          ┃ ┃
   ┃          ┃/
   ~~~~~~

 _人人人人人人人人_
 >  生 存 確 認  <
 ~^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y~


絵里(まあ、こうなるわよね)

穂乃果「ううううううっ!」グルルル

絵里「ほ、ほら穂乃果行きましょ?」

穂乃果「ヤダヤダ!ここ知ってる!来たことあるもん!」

絵里(そう……今日のお出かけの目的地は公園でも遊園地でもなく……)チラッ

『西木野動物病院』

絵里「大丈夫よ、すぐに終わるから。帰りはイチゴを買って帰りましょう、ね?」ナデナデ

穂乃果「うぅ……注射……苺……苺……」フラフラ




<バンゴウフダ―――

穂乃果「!」ビクッ

<○○バンデオマチノカター

穂乃果「ほっ……」シュン

絵里「何度も言うけど穂乃果の為なのよ?
それに終わったらいちごも買ってあげるから」ナデナデ

穂乃果「うぅ……でも痛いのは……」シュン

絵里「大丈夫よ。ここの先生は腕がいいって評判になってるって本で見たんだから」

穂乃果「本当……?」

<バンゴウフダ○○バンデオマチノカター

絵里「ええ。ほら行きましょう」ギュ

穂乃果「うん……」ギュッ




真姫「はい。じゃあ力を抜いてね」

穂乃果「う……うぅ……」ギュ

絵里「こ、こら穂乃果……」

真姫「仕方がないわね。ほのわん種は大体注射が苦手だから」

絵里「すみません……」

真姫「いいわよ。……ウチの子も最初は嫌がって大変だったしね」

絵里「え?」

真姫「ウチのほのわんったらすぐ泣いちゃうのよ
この前もこの前も公園ではしゃぎすぎて転んで――――」

絵里「あ、あの先生……」

真姫「っと、カウンセリングじゃなくて予防接種だったわね」

穂乃果「!」ビクッ

絵里「ほ、穂乃果!力を入れちゃ駄目よ!」

真姫「大丈夫よ―――えーっと……貴方お名前は?」

穂乃果「わ、私……?」

真姫「そう。私は真姫よ。貴方は?」

穂乃果「ほ、穂乃果……」

真姫「! そう。とってもいい名前ね」ニッコリ

穂乃果「あ、ありがとう!」フリ

真姫「じゃあ穂乃果、私たちの出会いの記念にプレゼントをあげるわ」

穂乃果「ぷれぜんと?」

真姫「ええ。特製のイチゴキャンディーよ。ほら、あーんして?」

穂乃果「イチゴ! あーん!」フリフリフリ

真姫「ふふっ。いい子ね」

プスッ

絵里(あっ……!)

穂乃果「んー♪すっごく甘いねこれ!」

真姫「ええ。特製だからよ」フキフキ

穂乃果「いつも舐めてるアメより全然美味しい!」

真姫「また来た時あげるわね。じゃあ今日はもう大丈夫よ」ナデナデ

穂乃果「わーい!いこっ、絵里ちゃん!」タッタッタ

絵里「あっ、穂乃果!」

真姫「あっ!飼い主さんはちょっと待って」

絵里「は、はい?」

真姫「ちょっと話があるんだけど―――」





穂乃果「いっちご!いっちご!」フリフリ

絵里「美味しい?」

穂乃果「うん!飴もいいけどやっぱり苺だね!」モグモグ

絵里「ふふっ。焦って食べるから頬っぺたに着いちゃってるわよ?」フキフキ

穂乃果「くぅ~ん」スリスリ

絵里(それにしても……あの先生のテク凄かったわね……)

絵里(好物で興味を引いてからの一刺し……)

絵里(ほのわんのことを詳しくないととてもできない芸当ね……)

絵里(……)

真姫『はい。これ私の連絡先よ。ほのわんのことで何かあったらすぐ連絡してね』

真姫『貴方飼い始めたばかりでしょ?見てればわかるわ』


真姫『ほのわんはどんな環境でも生き抜く力があるわ
……多少の無理なら効くし、調子が悪くても自分から話さないことも多いの』

真姫『そんな時に貴方だけじゃあ困る時もあるでしょ?
それに私はほのわんブリーダーの方もかじっててね、躾とかの相談にものってあげれるし』

真姫『え?なんでそこまでしてくれるかって?
バカね。そんなのほのわん好きの同志だからに決まってるじゃない』

真姫『ふふっ。『さん』はいらないわよ?だって同志なんだからね!
えーっと……貴方は絵里って言うのね?じゃあ―――』

真姫『っと、話こんじゃったわね。そうそう今のうちに一つアドバイスしとくわ
これはほのわん初心者が一番陥りやすい事態なんだけど――――』

絵里(……私も真姫みたいに一人前のほのわんブリーダーになりたい……!)

絵里(いえ、ならなくちゃ!絶対になってやるんだから!)

絵里(そのためにもまずは……)

絵里「穂乃果っ!」

穂乃果「うん?」モグモグ

絵里「食べ終わったらお散歩行きましょうね!」

穂乃果「お散歩!?わーい!わーい!」フリフリ

真姫『甘やかしすぎての肥満化には気をつけなさいよね』

絵里(先は長いわね!ファイトよ私!)ゴゴゴゴ

~~~~~~~~

穂乃果の一日

~朝6時~

穂乃果「くぅ……くぅ……」zzz

絵里「スー……スー」zzz

穂乃果「ううん……zzz」ギュッ

絵里「んー……ほの……」zzz

穂乃果「ぐぅ……ぐぅ……」zzz


~7時15分~

絵里「穂乃果。朝よ、起きて」ユサユサ

穂乃果「うぅ……くぅーん……」zzz

絵里「早くしないと私も亜里沙も学校に行っちゃうわよ
朝ごはん一緒に食べるんでしょう?」

穂乃果「うぅ……今いくぅ……」フラフラ




7時50分

絵里「じゃあ行ってくるわね」

亜里沙「行ってくるね穂乃果!」

穂乃果「うん!いってらしゃいっ」フリフリ

絵里「ちゃんといい子にしてるのよ?勝手に外出たりしちゃ駄目だからね」

穂乃果「うんうん!」フリフリ

絵里「お昼ご飯はいつものところに置いてあるから、食べた後はちゃんと歯を磨いて―――」

亜里沙「お、お姉ちゃんそれ昨日も一昨日も言ってるよ……」

穂乃果「大丈夫だよ絵里ちゃん!お留守番なら任せといてっ!」ワン!

絵里「穂乃果……」ジーン

亜里沙「あっ!本当に遅刻しちゃうよ!」

絵里「っと……じゃあ行ってくるわね」

亜里沙「いってきまーす!」

穂乃果「うん!いってらしゃーい!」フリフリ



穂乃果「さてと」

穂乃果「二度寝しよ!」




10時

穂乃果「……」ゴロゴロ

穂乃果「……暇だなぁ」ゴロゴロ

穂乃果「わおー……はっ!」

絵里『いい穂乃果?一人で暇だからって無駄吠えとかしちゃだめよ?』

穂乃果「うぅ……でも玩具もテレビもなんかイマイチだし……」

穂乃果「あ!そうだお散歩に―――」

絵里『ちゃんといい子にしてるのよ?勝手に外出たりしちゃ駄目だからね』

穂乃果「あっ……」

穂乃果「……」

穂乃果「……」ウズウズ

穂乃果「そういえば……」

絵里『お散歩に行きましょ?家でゴロゴロしてばかりだと太っちゃうものね』

穂乃果「!」ピコーン

穂乃果「太っちゃ駄目って言われてたから、お散歩行かなきゃだね!」ワンワン

ガチャ

タッタッタ




穂乃果「今日はどこに行こうかな~♪」

穂乃果「よしっ。まずはあそこにいこっ!」タッタッタ


穂乃果「確かこっちの方だったよね」クンクン

穂乃果「あっ!この甘い匂いは―――」


――
―――
――――

1時間後

穂乃果「おじさんありがとう!またね!」フリフリ

無口な人「……」サッ






穂乃果「あのお菓子屋さんに行くといつもお饅頭くれるんだよね!」

穂乃果「無口だけどいいおじさんだね!」

穂乃果「さてと、一回ご飯食べに戻らなきゃ!」




12時

穂乃果「ふぅ、美味しかったぁ……」

穂乃果「ってことで食後のお散歩!次はどこに行こうかなぁ」

穂乃果「うーん……あそこにしよ!」




13時

ピンポーン

穂乃果「わんわん!」

ピンポーンピンポーン

にこ「だあああああっ!聞こえてるわよ!」ガチャッ

穂乃果「あっ!にこちゃん!遊びに来たよっ」ワンワン!

にこ「ったく、誰かと思えば……アンタまた来たの?」

穂乃果「うん!にこちゃんならいると思って」クゥーン

にこ「すっかり暇人扱いね……」

穂乃果「でも穂乃果が来るときは大体いるよね!」

にこ「運がいいのか悪いのかアンタが来るときが私のオフと被ってるのよ!」

穂乃果「へぇ!じゃあにこちゃんも穂乃果もラッキーなんだね!」ワン

にこ「犬は良いわね単純で……まあ、来たからにはいいわよ。あがってきなさい」

穂乃果「うん!お邪魔しますっ!」フリフリ

にこ「っと!その代わり―――」

穂乃果「また踊りの練習を見てればいいんでしょ!任せて!」

にこ「見てるだけじゃ駄目よ。ちゃんとずれてるとこがあったら言いなさいよ?」

穂乃果「はーい!じゃあとりあえずオレンジジュース!」タッタッタッ

にこ「何飲み物まで催促してるのよ!……確かイチゴ大福があったっけ
ったく。本当運がいいわね」

<ニコチャーン ワンワン!

にこ「今行くわよっ!」



15時

にこ「――――ふぅ」

にこ「今の振り付けはどうだった?」

穂乃果「うん!さっきの動画の動きとぴったりだったよ!」

にこ「まっ、当然ね!」フフン

穂乃果「そういえばなんでずっと踊りの練習してるの?」

にこ「仕事よ仕事。家で歌うわけにもいかないしね」

穂乃果「そうなんだぁ」

にこ「そういえばそれよりアンタ時間はいいの?
何時もこのくらいで帰ってたわよね」

穂乃果「じか……ん……?ああああっ!か、帰らなきゃ!」ビクッ

にこ「ちゃんと気を付けて帰るのよ?」

穂乃果「う、うん!今日もありがとうにこちゃんっ!またね!」タッタッタ

にこ「はいはい、またね。
暇だったらまた相手してあげるわよ」




15時30分

穂乃果「うぅ……長いしすぎちゃったよ……」クゥーン

穂乃果「早く変えなきゃ……あっ!この広場―――」

『お姉さん何やってるの?』

『んっ……?犬……ほのわん?』

『うん!穂乃果は穂乃果だよ!お散歩中なんだ!』

『ふーん。私はダンスの練習中よ』

『へー。なんかすごそう!』

『まぁ?これでもプロだし?凄くないわけでもないわね』フフン

『お姉さんプロなの!?』

『当然!……まだ駆け出しだけど』ボソッ

『すっごい!練習見ててもいい!?』

『ん。別にいいけど面白いもんでもないわよ?』

『大丈夫!お姉さんは面白そうだからっ!』

『ぬわぁんですってぇ!?』

穂乃果「えへへ!ここでにこちゃんと出会ったんだっけ!」

穂乃果「懐かしいなぁ……っと!早く帰らなきゃだった!」タッタッタ




16時半

穂乃果「……」ソワソワ

穂乃果「……!」クンクン

コツン コツン コツン

穂乃果「この匂いは!」

ガチャッ

絵里「ただいまっ!穂乃果っ!」

穂乃果「おっかえり!絵里ちゃんっ!」

絵里「んーっ!」ギューッ

穂乃果「えへへ!」モギューッ

絵里「ちゃんといい子にお留守番してた?なにもなかった?」ナデナデ

穂乃果「うん!今日もいつお通りだったよ!」クゥーン

絵里「さすがね穂乃果っ!」ナデナデ

穂乃果「えへへ!」スリスリ




9時半

穂乃果「ごちそうさまでしたっ!」クプッ

絵里「次はお風呂ね。すぐに行くから先に行ってて」

穂乃果「はーい!」ヌギヌギ
タッタッタ

絵里「ふふっ。散らかしちゃって。じゃあ亜里沙、今日は私が穂乃果とお風呂入るわね」パタパタ

亜里沙「あっ……はーい」

亜里沙(見間違いかな……でもなんだか……)

亜里沙「……ちょっと丸くなってる気がする」




22時

穂乃果「うぅん……」ウツラウツラ

絵里「あら、もうこんな時間……穂乃果、お休みしましょうね」

穂乃果「う、ん……」zzz

絵里「駄目よちゃんとベッドまで行かなきゃ」ナデナデ

穂乃果「くぅーん……絵里ちゃん……」zzz

絵里「ふふっ。しょうがないんだから」ヨイショット

穂乃果「zzz」

絵里「……あら」

絵里「なんだか前より……重い?」

後日、穂乃果ちゃんのご飯が低カロリーな物に代わるのはまた別のお話

おわり

犬を飼いたい・・・


癒される…


雪穂の飼ってる犬だけは普通の犬なんだろうなー

若干ビターエンド?


心が癒される

可愛いわぁ

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