【ガルパン】沙織「みぽりん生活力特設改善対策本部」 (55)

麻子「休みの日なのに一体何の用だ、沙織」

華「今朝急にラインで言われて沙織さんの家に集合したのはいいんですが……」

優花里「西住殿がいませんね。遅刻でしょうか?」

沙織「みぽりんはこないよ」

優花里「へ?」

沙織「みんな、これより『みぽりん生活力特設改善対策本部』の会合を始めます!」

麻子「長い」

華「沙織さんのやることですから」

優花里「っていうか何ですか? その会議は」

沙織「実はね、この間のお休みの日、こんなことがあったの……」

~~~回想~~~

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―――サンクス学園艦店

沙織「うう~、今月もお小遣いピンチだなぁ~。でも仕送りはこれ以上増やしてもらえないだろうしなぁ~」

みほ「あ、沙織さん!」

沙織「あ! みぽりん! お買い物?」

みほ「うん。今月から新作のスイーツが入ったから味見しようと思って」

沙織「そういえばみぽりん、コンビニも好きだったねー」

みほ「それに、今日からボコの一番くじが始まったの!」

沙織「え、ボコの?」

みほ「そう! 限定ボコ人形や限定ボコステッカーまであって、全部そろえたいって思って朝から来てるんだ!」

沙織「朝からっ!? 今お昼過ぎだよ!?」

みほ「うん。A賞がなかなか出なくて……。もう三万円分もやってるのに」

沙織「さんまんっ!?」



~~~~~~~~




華「あらあら」

優花里「コレクターとしてはその気持ち、とても理解できます」

麻子「……お金の使い方に問題があるとはいえ、個人の自由だろう」

沙織「ううん。実はこの話には続きがあるの」



~~~~~~



沙織「す、すごいね……」

みほ「ううん。愛里寿ちゃんなんかクジの箱ごと買ったって言ってたから、私なんでまだまだだよ~」

沙織「ごめんねみぽりん、私にはその謙遜の意味がワカラナイ」

みほ「そう? あ、母さんから返信だ。……やった!」

沙織「どうかしたの?」

みほ「うん、実は仕送りのお願いしてて」

沙織「みぽりんもお小遣いのやりくり大変なんだぁ~。……まあそりゃそうだろうけど」

みほ「ボコミュージアムに入港のたびに行ってたらお金が無くなっちゃって……ここしばらく塩パスタしか食べてないんだ」

沙織「塩パスタぁぁぁ!?」

~~~~~~



華「そこまで困窮されてたんですね、みほさん……」

麻子「全然気づかなかった……。っていうかボコの何が西住さんをそこまで突き動かすんだ?」

優花里「ぎ、ぎりぎりわかります! マニアには今日の食事より大切なものがあるんですぅ!!」

沙織「さすがにわたしもほっとけなくてね、おうちでお昼ごはんをごちそうしたんだけど……」



~~~~~~

みほ「ありがとう、沙織さん! やっぱりおいしいね!」

沙織「ううん。食べる者に困ったらいつでも頼っていいからね!」

みほ「あはは……。これからは気をつけます。……あ、電話だ。ちょっとごめんね」

沙織「うん、全然気にしなくていいよー」

みほ「はい、みほです……。え? 本当ですかっ!?」

沙織(みぽりんが真剣な顔に……何があったんだろ?)

みほ「わかりました! すぐに用意します! ではまたあとで電話します」

沙織「どうしたの! みぽりん!!」

みほ「私の息子さんが会社のお金を使いこんでしまったから、その補てんに二百万振り込んでほしいって電話だったの! 今から銀行に行ってくる!」

沙織「みぽりんそれ詐欺だよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

~~~~~~~~

華「…………」

麻子「…………」

優花里「…………。に、西住流のジョークだったのでは?」

沙織「あれはマジの目だった」

麻子「いくらなんでも……。息子の方が年上じゃないか」

華「複雑な家庭の事情で年上の息子さんがいらっしゃるのでは?」

麻子「複雑すぎるぞ」

優花里「では、西住殿は本当に……」

沙織「うん。このままじゃ、みぽりん社会に出た瞬間に死んじゃうよ。比喩でもなんでもなく」

麻子「……これだと笑えないな」

華「それで、沙織さんはこの会議を招集したのですね?」

沙織「うん。私たちで、せめて自活できるだけの生活力をみぽりんにつけてもらおう! みぽりん生活力特設改善対策本部、略してみ生対、パンツァー・フォー!!」

「「「フォー!」」」

優花里「……この場合、パンツァーって正しいんですかね?」

麻子「知らん」

☆翌週☆

みほ「みんないらっしゃい!」

優花里「お邪魔しまー、す……」

華「失礼します」

麻子「……おぉ」

沙織「…………」

みほ「ごめんね。ちゃんと片付けたんだけど」

沙織「……みぽりん」

みほ「何? 沙織さん」

沙織「この……、壁一面のボコポスターと床一杯のボコ人形は一体?」

みほ「ボコミュージアムで買ったんだ! みてこれ! 初代ボコの限定版! この間やっと手に入れたんだよ!」

沙織「違うよみぽりん! 私が言いたいのはそんなことじゃないよっ! これじゃ足の踏み場もないよぉぉぉっ!!!!」

華「右を見ても左を見てもボコ。すこし新鮮です」

麻子「天井にもあるぞ、ボコポスター」

優花里「西住殿の着ているシャツ、よく見たら小さなボコはたくさんプリントされてます……」

沙織「なんでこんなに……」

みほ「えへへ、私、一人暮らしって初めてだから、誰にも邪魔されないんだ、って思ったら歯止めが利かなくなっちゃって……」

優花里「わ、わかりますよ西住殿! 自分の趣味をのびのび発揮できる空間ですもんねっ!!」

麻子「……さっきから気になってたんだが」

みほ「どうしたの麻子さん?」

沙織「ボコ以外に気になるところってある?」

麻子「台所が黒焦げになってるんだが」

みほ「ああ! 実は……

~~回想~~

テレビ『このフランス料理! 仕上げはシェフがフライパンにワインを振りかけ、火力で一気に焼き上げます!』

みほ「すごーい。……ちょっとやってみようかな?」

~~~~~~

みほ「で、やってみたら台所燃えちゃって。ヘヘっ」

沙織「朗らかに話す事じゃないよっ!!」

麻子「火事になりかけてるじゃないかっ!」

みほ「火災報知機ってすごい音するんだねー。後消火器があったからなんとかなったよ。やっぱりすごいね!」

優花里「……よく見たら、コンビニのお弁当ガラが詰まったゴミ袋がたまっていますね……」

みほ「ごみの集積日ってなかなか覚えられなくて……」

華「洗濯物も無造作に……」

みほ「どうせ部屋着にするからたたまなくてもいいかなって。あ! でもちゃんと洗濯はしてるよ! 洗剤もたっぷり使ってるし!」

沙織「……ねえ、みぽりん、たっぷりってどれぐらい?」

みほ「半分。ちゃんと洗うところにいれてるけど……」

華「洗濯用洗剤を、一回で半分?」

優花里「それを……、洗濯槽に直接入れてるんですか?」

みほ「うん。でも家で菊代さんがやってたみたいにふわふわにならなくて……。洗剤が少ないのかな?」

麻子「これは……、重症だぞ」

続きは明日以降になります。
ポンコツみぽりんが見てみたかったんです……。許してください……。


そういや意識してなかったけど名家の娘がいきなり寮生活ってかなりハードル高かったんだな

乙女の嗜みの前に生活力もつけてこそだもんな

さおりんの結婚相手決まったな(確信)

>>7
そうなると華さんも実はかなり危険が危なくなるんだが…

普通家庭科の教科書持っていくよね

みほでこれなら、まほの場合はどうなってしまうんだ…
黒森峰メンバー総出で彼女の世話をするのか

沙織「み、み生対はこんなことじゃ退かないんだから!」

みほ「み生対?」

沙織「みぽりん生活力特設改善対策本部の略だよ」

みほ「わたしの生活力、そんなにないのかな?」

沙織「皆無だよっ!!」

華「でもまあ、いきなり一人暮らしを始めてうまくできる人も稀ですから」

優花里「微力ながらお力添えしようと思いまして。武部殿の発案なんです!」

みほ「みんな……、ありがとう」

沙織「ううん! 私たち、みぽりんに生きてもらいたいから!」

みほ「それはちょっと大げさだよ~」

麻子「そうじゃないから怖いんだ」

沙織「それでね! ひとまず私たちの生活を参考にしてもらおっかなって思って、私たちの生活をビデオに撮ってきたんだ!」

みほ「沙織さんたちの?」

沙織「そう! 仮にも一人暮らし歴はみんなみぽりんより上だからね!」

みほ「私、みんながどんな風に暮らしてるかってよくわからなかったから、すごく参考になりそう」

優花里「何事もお手本は必要ですからね!」

沙織「じゃあまず最初は」

麻子「私だ」

華「…………」

優花里「…………」

沙織「…………」

みほ「わぁ~。どんななんだろう」

沙織「……うん、まあ、オチは見えてるけど」

優花里「ビデオ、再生しますね」

華「意外な発見があるかもしれませんよ?」

~~~~冷泉麻子の一日~~~~

AM8:00

麻子『zzz』

AM10:00

麻子『zzz』

PM3:00

麻子『……朝か』

~~~~~~

沙織「昼だよっ!! むしろ夕方だよっ!!」

華「期待を裏切りませんね、麻子さん」

~~~~~~~

麻子『……おなかがすいた』ゴソゴソ

麻子『買い置きしていたウィダーとカロリーメイトがあった……』

麻子『ん、うまい』モグモグ チューチュー

麻子『トイレ……』

麻子『眠い……。お休み……』

PM4:00 麻子、就寝

~~~~冷泉麻子の一日、おしまい~~~~

沙織「麻子ぉぉぉぉぉっ!!!!」

麻子「何もしないから危ないこともない。無駄遣いもしない。部屋も汚れない。効率的だろう?」

沙織「動物としてアウトな生き方だよ!!」

華「一日のお食事があれだけなんて……」

優花里「効率的といえば効率的な気もしますけどねぇ」

麻子「コアラもナマケモノも一日の大半を寝て過ごす。むしろこれは動物的に賢い生き方だ」

沙織「じゃあ言い換えるよっ! 人間としてアウトだよっ!! 健康でも文化的でもないよぉぉぉぉっ!!!」

みほ「でも麻子さんの言うことも納得できるような……」

沙織「駄目だからね! 生活力の対極だからね、これ」

優花里「では、続いては僭越ながら私が」

みほ「優花里さんが? でも、優花里さん実家暮らしだったよね?」

優花里「はい! ですが、自活したこともあったので、その時の映像を持参しました!」

沙織「へぇ~。ゆかりんにも一人暮らしの経験あったんだ」

華「ある意味、優花里さんが一番想像がつきませんね」

優花里「では再生します!」

~~~~秋山優花里の一日~~~~



優花里『ベースとの通信が途絶えて5日。現在地不明。食料は昨日のビスケットで底をつき、飲み水残りわずか。人里いまだ見えず……』



~~~~~~~~~~~~~~~~

沙織「ゆかりんこれ何っ!?」

優花里「実は~、中学生のころまでガールスカウトに所属していて」

麻子「いや遭難してるじゃないかこれ」

優花里「はい、ガールの『インパール行軍キャンプ』に参加した際の映像なんですが」

みほ「へぇ~、優花里さんそんなのにも参加してたんだ」

優花里「大変でしたよ~。ミャンマーからインドのインパールまで、山越え川越えジャングルを通り抜けていくんです! 八甲田雪中行軍キャンプより大変でしたけど楽しかったですよ?」

沙織「いやもうガールスカウトの活動じゃないよこれ!! 軍隊だよ!」

華「軍隊でも失敗しそうなルートですけどね」

麻子「と、とりあえず続きを見てみよう」

~~~~~~~~

優花里『手ごろなギャップを発見。今日はここを寝床にします』

優花里『ジャングルは湿気が多く、虫や蛇も多いので寝床には工夫が必要です。この携帯用蚊帳と、ハンモックを使用します』

優花里『おや? あんなところに鳥が……』

優花里『ロープと石を使えば簡単な狩猟道具を作れます! これをこうして、ああして』

優花里『よっ!』ビュン

鳥『クキュァァァっ!』

優花里『やった! 鳥さんゲットです!』

優花里『この子をこうやって絞めて』キュキャァァァァァァァァ!!!

優花里『羽をむしって~血抜きして~、内蔵は~、腐りやすいからすぐ捨てて~』

優花里『あ、こんなところに蛇もいました! この子は毒もないので』サクッ

優花里『これで今日のディナーは蛇のかば焼きと鶏肉の丸焼きです! タンパク質満点なんで厳しい遭難生活にもおすすめですよ!』

優花里『今のうちに木の葉っぱにビニールをかぶせておけば、明日の朝には蒸散の作用で飲み水もゲットできます!』

優花里『……ん? この足跡……。虎?』

虎『グルルルルル……』

優花里『おおう、いつの間にか虎の縄張りに入り込んでたようです……。こういう時は退散あるのみ!!』

優花里『以上、秋山優花里でした!』

~~~~秋山優花里の一日、おしまい~~~~

麻子「すごいところで終わったぞ!! 終わったの1日だけだよな!? 一生とかじゃないよな!?」

華「美味しそうでしたね、蛇と鳥」

沙織「ひぃぃぃぃぃぃゆかりん怖いいいいいいいぃぃぃぃっ!!」

麻子「いやスプラッタも衝撃だったが最後にそれ以上の衝撃あったぞっ!?」

みほ「すごいね優花里さん。私、にわとりでもあんなに上手に捌けないのに」

優花里「実は内蔵の処理の時にコツがありまして、こうやって筋の方向にナイフを」

沙織「そんな生々しい話しないでぇぇぇ!」

麻子「あの後大丈夫だったのか? 秋山さん」

優花里「あ、はい。直後に現地部族の人たちに助けてもらったんですよ~。そこでもいろいろ勉強できて、例えば植物を使った証拠の残らない致死毒の作り方とか~、蛙を使った媚薬の作り方とか~。ワニを指一本で倒す方法とか~」

沙織「いろんな意味でゆかりん怖いよっ!!」

みほ「わぁ~すごい。わたしにもあとで教えて!」

優花里「お任せください! 西住殿!」

沙織「知ってどうするの!?」

華「ええと……、では次は私が」

沙織「は、華ならなんだか安心だね」

優花里「やっと本道に戻れそうです」

華「少し恥ずかしいですけど……」

~~~~五十鈴華の1日~~~~

AM5;00

華『ふぁあ。おはようございます。今日もいい天気です! 朝ごはんの用意をしましょう』


~~~~~~~~~~~



沙織「すごい、健康的だ」

麻子「まともだ」

優花里「模範的です」

みほ「朝ごはんも自炊してるんだ~」

華「はい。できるだけ自炊するようにしています。自分のことは自分で、が五十鈴家のモットーなので」

沙織料理得意なのにこいうのはダメか・・・
そして部下口調なのに戦闘力最強のゆかりん





~~~~~~~~~~~~

華『おなかがペコペコです。今日のメニューはご飯にお味噌汁。納豆、卵焼き、塩鮭、ほうれん草のおひたし、キュウリの酢のもの、ウインナー、目玉焼き、ベーコン、バタートーストとはちみつトースト。ヨーグルトにシリアルにフルーツグラノーラもつけてしまいました。後、昨日の余りもののエビチリと麻婆豆腐……』

華『ちょっと少ないので、手抜きになってしまいますがラーメンもつけましょう』

~~~~~~~~~~~~




沙織「多いよ!! ちょっと予想してたけど多いよっ!!」

優花里「でも朝からこんなに用意するってすごいですねぇ~」

華「食事は生活の中で一番大切なことですから」

みほ「なるほど……。私も見習わなくちゃ」

沙織「華が言うと意味が違って聞こえちゃうよ……」

~~~~~~~~~~~

華『朝食の後はお花のお稽古です。集中力を使うのでお茶菓子を食べながら行います』パクパク

華『お稽古が終わればちょっと家事をしてお昼ごはん。今日はチャーハンです』

~~~~~~~~~~~

沙織「あ、お昼ごはんは普通なんだ。それまでは普通じゃなかったけど」

麻子「……、ちょっとおかしくないか?」

沙織「何が?」

麻子「なあ、五十鈴さんは食事の時お猪口を使って水を飲むのか?」

華「え? いいえ。普通の湯のみですよ」

沙織「うそ……。じゃああのチャーハン……」

麻子「高さ、50センチはあるぞ……」

華「うふふ。朝ごはんが少なかったので多めにしてしまいました」

優花里「え、あの朝食少なかったんですか?」

華「え? はい」

~~~~~~~~~

華『お昼ごはんの後は勉強です。頭を使うので板チョコを食べながら行います』ポリポリ

華『今日は7枚で済みました。いつもは10枚食べてしまうので進歩です!』

華『お勉強が終わったら夕飯です。今日は新しくできた回転ずしのお店に行きます』

華『なんとここ、何を食べても100円なんだそうです! 実はここに来たいがために、朝ごはんもお昼ごはんもセーブしていたんです!』

華『では、いただきます』



☆☆☆



店長『もう、堪忍、してください……』

店員1『あの人から後ろのレーン、お皿流れてないぞ』

店員2『っていうかあの人自体お皿の山で見えないぞ』

店員3『もう店のお皿が無くなる……』

華『う~ん。まあ、腹8分目といいますし、これで終わりにしましょう』

華『以上、五十鈴華でした』

~~~~五十鈴華の一日、おしまい~~~~~~

続きは今晩か明日上げます。ゆかりんは生活力ないけど生存力はカンストしてる気がします。

乙ー
華さんこれ常人なら体重100kg越え間違いなしの食生活や…

華道や勉強で糖を消耗し尽くしとるからへーきへーき

それであのナイスバディだからなぁ・・・

華道ってライザップかなにか?

茶道ライザップ説に草

み生対のBGMはEM20かな?

>>20
司令官より前線の兵士の方が戦闘力あるやろ



麻子「エンゲル係数とんでもないことになってるな、これ」

沙織「食費が恐ろしい……っていうか華そんなに食べてよくその体型維持できるね!」

華「これが五十鈴流です」

沙織「……私もやろうかな」

麻子「やめとけ」

優花里「でもまあ、食事量以外は普通では?」

みほ「うん。私も華さんの暮らしを参考にしてみる!」

沙織「それがいいかもね」

みほ「まず朝ごはんの量から……」

沙織「いやだからそうじゃないよっ!!」

麻子「……沙織、お前はさんざん人の生活にケチをつけてきたが、実際自分はどうなんだ?」

沙織「ふっふーん! そりゃ家事スキルはお嫁さん修行の第一歩だもん! 完璧に決まってるじゃん!!」

華「確かに、技能だけはすごそうですね、沙織さん」

沙織「でしょでしょ~。私の華麗なる一日、みぽりんに見せてあげるんだから!」

麻子「そういうと思って沙織の分はこっそり私が用意しておいた」

沙織「え?」

麻子「沙織はこういう場で見栄を張りたがるからな。ありのままの沙織を見てもらおう」

沙織「え、ちょ、麻子!?」

~~~武部沙織の1日~~~

AM10;00

沙織『ああー、・・・・・・二度寝しよ』


☆正午☆


沙織『もうお昼かぁ……。おなかすいたけど料理めんどいなぁ~。袋めんでいいや』

沙織『食器用意するのもめんどいから袋にお湯入れて食べよ』ジョボジョボ

沙織『ん~。普通』

沙織『あ、女王様のブランチやってるじゃん』

沙織『……ひひひっ。うっそ~』

沙織『あ、あの人また離婚したんだ。やっぱりね~。あ、華からもらったおせんべ食べよ』

沙織『さすが華。いいお店のだ~』

沙織『ふわぁ。……お昼寝しよっと』

これはゼクシィ武部ではなくアラサー独女さおりん

<ピンポーン

沙織『え!? うそ! お客さん!? どーしよ、私パジャマのままじゃん! ええと、とりあえず何か羽織って……。あ、お部屋のゴミ片付けなきゃ! ええい! ベットの下にとりあえず押し込む!! 後で片付けるからセーフ!!』

沙織『はーい!』パタパタ

沙織『え? セールス? 水素水?』

沙織『いや、私そういうのは別に……』

沙織『美容効果?』

沙織『へぇ~、ハーバード大の教授も認めてるんですか……』

沙織『嘘、あの女優さんも使ってるの!』

沙織『すごい!! この写真の女の人、まるで別人みたいに若返ってる!!』

沙織『今なら五万円のところ半額!? それにお友達を誘ったら1人ごとに一万円くれるんですか!?』

沙織『あんこうのみんな誘ったら四万円……。元取れるよね?』

沙織『期間限定? 今日まで? け、契約します!!』

沙織『じゃあ三万円……。カードでもいいですか?』

沙織『やった! お得な買い物しちゃった!』

沙織『いいことあったし、コンビニでおつまみでも買って酒盛りでもしよっかな~? あ、お財布に五百円しかない。トホホ、また金欠だよぉ~』

沙織『仕方ない、明日から節約生活だなぁ』

~~~~~~武部沙織の一日、おしまい~~~~~~

優花里「西住殿と同レベルじゃないですか!! むしろ生々しいですよ! どこの独身OLですか!!」

華「生活力(笑)ですね。あとお酒はダメですよ?」

沙織「ジュースだからっ!! 酒盛りってジュースとポテチのことだからっ!!」

麻子「っていうかマルチに引っかかってるじゃないか沙織。何他人を面倒事に巻き込もうとしてるんだ」

沙織「マルチじゃないもん!! もらったパンフレットにもちゃんと書いてるもん!! ほら」

麻子「……これ、ハーバード大じゃなくてバーハート大だぞ」

優花里「この写真、よく見たらちっさく薄い字で『この二人は別人です』って書いてますね」

華「それに女優さんの体験談、カッコで『あくまで想像です』ってありますよ」

沙織「なにそれ詐欺じゃん!!」

麻子「だからそういってるだろう」

華「あとでクーリングオフしましょうね」

沙織「うわぁぁぁぁん!!」

みほ「……優花里さん、私ってあんな感じなの?」

沙織「みぽりんなんでショック受けてるの!?」

麻子「反面教師という奴だな」

華「でも、みほさんの役に立ったじゃないですか」

沙織「うう……、なんかやだ」

優花里「ええと、西住殿?」

みほ「…………」

優花里「わ、我々、微塵も役に立ちませんでしたが、ええと……」

みほ「フフフっ」

沙織「え?」

みほ「こういうの、なんだかうれしいな」

華「といいますと?」

みほ「みんなどこか間違いがあるけど、それをみんなで指摘しあえる。なんだかこういうのって友達みたいだなって」

麻子「……何を言う」

沙織「みたいじゃなくて、私達友達でしょ!」

みほ「……ありがとう、みんな。私、世間のこと何にもわからないけど」

優花里「何言ってるんですか、西住殿! それはわたしたちも同じです!」

華「お互い支えあってのあんこうチーム。ですよね? みほさん」

みほ「みんな……」

沙織「よし! じゃあ今日はご飯会しよっか! みんなで協力して!」

華「では材料は私が。沙織さん、金欠なんでしょう?」

優花里「必要でしたら、コンロやナベなんかは私が用意しますよ!」

麻子「じゃあ私は完成まで寝てる」

沙織「何言ってるの麻子! 麻子も手伝ってよ!」

みほ「一緒に頑張ろうね、麻子さん!」

優花里「……よく考えたら、これ何も解決してないですよね?」

麻子「せっかくいい話風に終わったんだ。言うな」

<おまけ>
~~~~~~黒森峰の場合~~~~~~

まほ「あの……、エリカ?」

エリカ「夕飯もうすぐできますから、隊長はそこに座っていてください!」

まほ「いや、食事の準備ぐらい自分で」

エリカ「この間テレビの真似して台所燃やしたの誰でしたっけ!? 寮ごと全焼するところだったんですよ! もう隊長は火に触らないでください!」

まほ「いやそんな……」

小梅「隊長。今月の仕送りが入金されています。金額に間違いは?」

まほ「ないが……。やはり通帳の管理ぐらい自分で」

小梅「そんなこと言って、こないだ振り込め詐欺に引っかかって全財産盗られかけたじゃないですか」

まほ「あ、あれは仕方ないだろう!」

小梅「自分の息子が交通事故起こして示談金がいるっていう理由がですか?」

まほ「……必死になって頼られたら仕方ないじゃないか!」

小梅「自分に息子がいるかどうかぐらい把握していてくださいっ!」

直下「隊長、明日のお洋服、ここに置いときますね」

まほ「服ぐらい自分で着れる!」

直下「いや隊長。隊長ほっといたら靴下左右バラバラだったり、なぜかショッキングピンクで全身決めたりしてくるじゃないですか」

まほ「私はおしゃれには疎いから……」

直下「隊長の場合最低限がなってないってレベルです。おしゃれってレベルに達してませんよ?」

まほ「和服や礼服の着方ならわかるんだけどな……」

直下「もうちょっとカジュアルなレベルのマナーも身につけて下さい」

まほ(……ここを卒業したら、私は生きていけるんだろうか)

エリカ、小梅、直下(隊長、卒業したら生きていけるのかな……?)

~~~~~~西住本家~~~~~~

菊代「奥様? 通帳を持ってどちらへ?」

しほ「……西住の恥部だからあまり他言してほしくないのだけれど」

菊代「一体何が……」

しほ「まほが……、不倫相手の女性を妊娠させたとかで、示談金を振り込んでほしいって」

菊代「奥様、落ち着いて奥様」

しほ「おちついていられるものですか! あのまほがそんなことをしでかすなんて……。みほならともかく……」

菊代「みほお嬢様怒りますよ。落ち着いて、まほお嬢様はご息女でしょう?」

しほ「ええ。そうだけど」

菊代「女性は女性を妊娠させられませんし、そもそもまほお嬢様結婚されてないので不倫も何もないですよ」

しほ「あるかもしれないでしょうっ!」

菊代「ないです」

しほ「……わかりました。こちらからまほにもう一度確認を取ってみます」

菊代「そうしてください。あとお話したいことが」

しほ「他に何か?」

菊代「奥様がテレビの真似して燃やしたお台所の修理費用のことです」

まほハーの完成

以上で完結です。閲覧ありがとうございました。


戦車道以外ポンコツの西住家いいね

乙 ぽんこつは先祖代々のものなんだろうな。

戦闘スキルに全振りするなとあれ程…

乙でした!

みぽりんなら相手を妊娠させる事が出来るって言う風潮しかも親にまで言われて・・・

ポンコツ流じゃねえか!
かわいい

やはり最強の流派は五十鈴流だったか…

西住家はともかくとして……おい、発起人

戦車道は良妻賢母を悪性するはずでは・・・

指一本でエリカを倒すみほか…

ありすちゃんは大学生の悪いお姉さん方に捕まってないことを祈る

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年03月03日 (金) 17:08:16   ID: z2opKNNq

土地持ち旧家は生活力なんくてもいきていけるからね
ぢかたないね

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