――深夜、神谷家(奈緒の部屋)
ガチャッ!
奈緒「はー帰った帰った! まったく今日に限って収録も時間ギリギリまで掛かるんだから……」
奈緒「さてと今日もまほまゆ……の前に、公式がネットでやってるまほまゆの人気投票入れとくか」カチカチッ!
奈緒「ミユミユとふじともっと……あれ、ままゆの票がやけに伸びてるな……まあいいや、本スレはどうなってるかな? 聖ままゆを1位にしようぜって祭りが続いてるはずだけど……」カチッ
『おい今聖ままゆに入れたら闇ままゆに票入ったぞ!』
『試しに闇ままゆに票入れまくったら聖ままゆの票伸びてワロタ』
『運営票操作してんじゃねーぞ!!』
奈緒「うひー、荒れてるなぁ……まあいいか、そろそろまほまゆも始まる時間だし……視聴に切り替えていくか」
――
――――
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484066673
『前回までのお話し』
――鳥取(古代遺跡)
『いまここで我々は宣言する! 魔法の国マジカルランドは我がアーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団が支配する!!』
瑞樹「くっ! 鳥取の古代遺跡に来てみればこんな奴等が……!」
魔物「ガアアアアアッ!!」ビュッ!
美優「ウィンドシールド!」
ズガガガガガガッ!!
ふじとも「みんな気をつけて! この四足の魔物、鳥取のあらゆるところで戦ったけど遺跡にいるコイツは一際強いわ!」
まゆ「死へと誘う国、鳥取……まさかこんな大変なことになっていたなんて……」
もりくぼ「みなさん、い、遺跡が崩れそうなんですけど……早く脱出しないと生き埋めになっちゃうと思うんですけど……!」
瑞樹「出口はこっちよ! 早く!」
まゆ「くっ……また新しい敵が出てくるなんて日本はどうなってるんですかぁ……!」タタタタッ!
ふじとも「いや、今回の敵の狙いはマジカルランドだから……」ヒューン
……
…………
『第43話 力を1つに! アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団との戦い!』
――OP後のCM
<セーイッパイ! カガヤクゥー!
千川「プロデューサーのみなさん! 大変な事態になりましたよ!」
千川「スマートフォン向けアプリとして配信中のアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージに……」
千川「なんと、なんと! ついに丹羽仁美ちゃんが登場してしまいました! これは大変な事態ですよ!」
http://i.imgur.com/5n5SnN6.png
千川「そして仁美ちゃんの実装にあわせて1月10日は日本国民の祝日に指定されるそうです!」
千川「プロデューサーのみなさん、今すぐスターライトステージをプレイして丹羽仁美ちゃんをプロデュースしましょう!」
<ミライーダケミアゲテェー!
http://i.imgur.com/o1qILXC.png
http://i.imgur.com/fIO6Roh.png
……
…………
――東京、事務所
まゆ「平和ですねぇ……」ボケー……
瑞樹「そうね……」
美優「この前の東京崩壊が嘘みたいです……」
もりくぼ「復興のペースが尋常じゃないんですけど……まあ何でもいいんですけど……」
ふじとも「この前の戦いで東京が崩壊したのも3度目だからね……日本経済は壊滅的な打撃を受けているみたいだけど……」
ゆっこ「そうですねー……サイキック睡眠……」
まゆ「……」
瑞樹「……」
美優「……」
ふじとも「ってそうじゃないわよ!」バンッ!
ゆっこ「そうです! アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団がマジカルランドを攻めようとしていることについて対策を練りませんと!」
まゆ「あの……ちょっとそのお話しやめませんかぁ? 一昨日も出張先ですら魔物と戦ったばかりですし……」
瑞樹「そうよねぇ……最近は通勤中も戦いになるときがあるし……労災とかないのかしら」
もりくぼ「あ、あれ……みなさんの魔法少女のお仕事については、もりくぼのほうから王国に申請を出しているので手当てがもらえるはずなんですけど……」
美優「でもスタージュエルって、私たちの世界だとお金として使えませんし……」ハァ……
ふじとも「ダメね……最近の激戦続きでみんなの心が完全にくたびれたサラリーマン状態になっているわ……」
ゆっこ「サイキックマッサージでみなさんの疲れを癒しているつもりなんですけど、精神的なことまではユッコのほうではどうにも……」ムムムー……
ふじとも「でも……みんなお願い! 魔法少女の力がないと、マジカルランドだけじゃなくてこの世界も……だから頑張りましょう!」
瑞樹「仕方が無いわねぇ……なんだったかしら、アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団だったかしら?」
美優「そうですね。アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団です」
まゆ「確か鳥取の古代遺跡に行ったときに聞いたお話だと、アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団はマジカルランドの世界のどこかに潜んでいるお話しでしたよねぇ?」
ゆっこ「アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団はマジカルランドを攻める準備をしていると言ってました!」
ふじとも「ただ、遺跡で戦った魔物の強さを見ても、アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団はかなり大規模な組織みたいね……」
もりくぼ「も、もりくぼたちだけで太刀打ちできるんでしょうか……大神官穂乃香との戦いも終わっていないんですけど……」
まゆ「そうですねぇ……アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団がどこにいるのかも分かりませんし……」
ゆっこ「そこはご安心を! ただいま王国が総力をあげてアーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団の基地を探しています! ゆっこのサイキックテレパシーで敵の足取りも掴んでいますから!」
瑞樹「ねぇ、さっきから気になってたんだけど、アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団って言い難くないかしら?」
美優「確かに……長い組織名ですね……」
ふじとも「アレよアレ、それっぽい用語並べて強い組織だと思わせようとしているのよ、きっと」
もりくぼ「で、でも長いから言い難いんですけど……舌も噛みそうなんですけど……」
まゆ「それじゃあ……名前の頭文字をとって、アーニャ教団って呼びましょう」
瑞樹「そうね。そっちのほうが言いやすいわ」
美優「アーニャ教団……確かに、私たちだけで戦うのは……」
ふじとも「こんなときにマジカルプリティーハートがいてくれたら……」
ゆっこ「それは難しいですね……マジカルプリティーハートがユッコたちの前に姿を現してくれるのは、余程のことが無い限りは……」
千佳『いまの千佳は星の記憶にいるから……だから、おねえさんたちの力にはなれないの。もし、奇跡が起きて、太陽の炎の魔法少女が来てくれるなら――』
まゆ「奇跡ってなんでしょうねぇ……というか、ああいう人たちっていつも大事なことだけはお話ししてくれませんよね。もったいぶるだけっていうか……」
ふじとも「まあほら、きっと色々都合があるのよ」
瑞樹「とはいえ、私たちだけじゃねぇ……どうしましょうか」
美優「……幹部たち」ボソッ
もりくぼ「え?」
ゆっこ「幹部……大神官穂乃香の幹部たちですか?」
美優「はい……その、アーニャ教団も大神官穂乃香と同じくマジカルランドを支配するのが目的なら、あの人たちにとってもアーニャ教団は敵になりますし」
ふじとも「一時的に共闘できればってこと? それは難しいと思うけど……」
まゆ「でも……共闘を持ちかけて油断しているところを後ろから……なんて手段も取れると思いますけど……」
瑞樹「まゆちゃん、私たちは魔法少女らしくいきましょう?」
ゆっこ「まあでも、幹部たちが普段はどこにいるのか分かりませんし……」ガタッ!
ピッ!
ゆっこ「おっと、テレビのリモコンが……」
『本日のニュースです』
『本日10時、木場コーポレーションの大手電気メーカー数社との業務提携について木場真奈美社長から発表がありました』
まゆ「……」
瑞樹「……」
美優「……」
ふじとも「……」
もりくぼ「……」
ゆっこ「……」
……
…………
――丸の内、KCビル前
まゆ「ここが、大神官穂乃香の幹部がいる木場コーポレーションビル……」
瑞樹「驚いたわね……超大手の企業じゃない」
美優「こんなところに幹部がいたなんて……」
もりくぼ「い、いままで気付かなかったのが不思議でならないんですけど……」
ふじとも「とりあえず、突然戦闘になったら困ると思ってみんなには変身してもらってから来たけど……」
「はい、それでは13時にお伺いしますのでよろしくお願いします!」
「三次面接ですか! ありがとうございます!」
ゆっこ「新卒採用時期の真っ只中、町中はリクルートスーツを着た学生が多いですねぇ」
瑞樹「若いっていいわね……みんな、希望に満ち溢れた表情を浮かべているわ」
もりくぼ「希望というよりは、就職活動を無事に終えられるか不安に駆られたような表情を浮かべている学生が多いように見えるんですけど……」
まゆ「ふ、ふじともちゃん、魔法少女の力でここにいる人たちの就職活動を……」
ふじとも「あのねままゆ、魔法少女の力で正社員に採用されたとして、それがその人のためになると思う?」
まゆ「ですよねぇ」
ゆっこ「とりあえずいきましょう! アーニャ教団の存在は向こうにとっても邪魔でしょうし、お話しくらいはできると思いますよ!」
……
…………
――KCビル(受付)
受付「申し訳ありません、本日社長はスケジュールが空いておりませんので……」
まゆ「そ、そこを何とか……えっと、ハートフルままゆが来たってお話してもらえれば……」
受付「はぁ……ハートフル……?」
ふじとも「時間がないの! 急いで木場真奈美に会わせて!」バンッ!
受付「あの、このぬいぐるみは……?」
瑞樹「あっ!? え、えっとぉ、これはぁ……ミズキたちのマスコットなの♪ 全自動で動くハイテクなぬいぐるみ☆」ガシッ!
ふじとも「もごもごっ!?」バタバタッ!!
美優「す、すみません……失礼します……!」
……
…………
――KCビル前
ウィーン……
ふじとも「こんなトコ2度と来ないわよ! これだからお役所仕事はダメなのよ!」フワフワ
まゆ「ふ、ふじともちゃん落ち着いてください……」
ゆっこ「ていうかお役所じゃないですよあそこ」
もりくぼ「で、でも……このままじゃ幹部に会うこともできないんですけど……」
ゆっこ「うーん……ユッコのサイコキネシスで受付の人の意識を奪っておきましょうか?」
美優「も、もう少し穏便にいきましょう?」
瑞樹「穏便ねえ……穏便……」チラッ
『木場コーポーレーション新卒採用試験会場はこちら』
瑞樹「……」
……
…………
――KCビル(第一面接会場)
面接官「えー、自己紹介をお願いします」
まゆ「はい……魔法少女ハートフルままゆです」
面接官「職務経歴は?」
まゆ「えっと、学生と……あと、魔法少女です」
面接官「魔法少女……魔法少女は前職ということでよろしいですか? 前職の退職理由は?」
まゆ「えっ? あの、いまも魔法少女なんですけど……」
面接官「なるほど……」
ふじとも(頑張って、ままゆ……!)
……
…………
――KCビル(第二面接会場)
面接官「まずは自己紹介をお願いします」
瑞樹「マジカルミズキです。魔法少女をやっています」
面接官「当社があなたを採用するメリットは何かありますか?」
瑞樹「はい、私は魔法少女なので、手からブリザードを出すことができます」
面接官「ブリザードですか? それは当社で仕事をする上でどのように活用できると思いますか?」
瑞樹「事務所が暑い日は涼しくできるかと思います」
面接官「なるほど。ちなみに、職務履歴を教えてもらえますか?」
瑞樹「これまでアナウンサーと魔法少女を経験しています」
面接官「随分と珍しい経歴ですね」
瑞樹「よく言われます。これもアピールの1つになるかと私自身は思っていますけれど」
もりくぼ(なんでお互いに素面でこんなお話しのやり取りができるんでしょうか……意味が分からないんですけど)
……
…………
――KCビル(第三面接会場)
面接官「えー……プリティーミユミユ、でしたか?」
美優「は、はい……」
面接官「あなたは当社の採用面接を受ける際に、どうしてそのようなコスプレ紛いの格好で来たのですか?」
美優「こ、これは……その……」
面接官「そのような破廉恥な格好をして、面接官に与える印象がどのような物であるのか考えましたか?」
美優「いえ……その、すみません……」
面接官「本気で当社の面接を受ける気があるのであれば、今すぐこの場でそのコスプレ衣装を脱いでリクルートスーツに着替えてください」
美優「えっ? こ、この場で!? でも、スーツが……」
面接官「そのような格好で面接に来たのはあなた自身です。誠意を見せるのであればこの場でその衣装を脱いでください。さあ、今すぐに」
ゆっこ「これはいけません! サイキックビーム!!」ビビビビッ!
面接官「ぎゃあああああっ!?」ドサッ!
美優「ユッコちゃん……!」
ゆっこ「この面接官はただの変態ですよ! ミユミユ、ユッコたちは先に脱出しましょう!」
……
…………
――数時間後、KCビル前
美優「ダメでした……」
まゆ「まゆもです……」
瑞樹「私も、四次面接まではいけたんだけど……」
ふじとも「むしろよく四次面接までいけたわね」
もりくぼ「年の功ってやつだと思うんですけど……」
ゆっこ「しかし困りましたね。これじゃあいつまで経っても幹部には会えないままですし」
キーンコーンカーンコーン……
まゆ「あ、お昼のチャイムですね」
瑞樹「そうね。KCビルから社員がたくさん出てきたわ」
ふじとも「あたしたちもお腹空いたわね……」
美優「そうですね、お昼ご飯に……」
美波「……あら? あなたたち?」
まゆ「え?」
瑞樹「あ、あなた……」
ゆっこ「何だかピッチリとしたタイトスーツを着込んでほのかに大人な色香を見せているあなたは……」
まゆ「サ、サキュバス……!!」ザッ!
美波「ちょ、ちょっと待って! いまお昼だけど、私まだ業務中だから……それにこんなところで戦いとか、他の社員に見られたら……」
ふじとも「サキュバスが働いてるってどういう職場よ……」
もりくぼ「ちょ、ちょうどいいんですけど……あ、あの! もりくぼたちは、あなたたちに用事があって来たんですけど……」
美波「私たちに?」
……
…………
――KCビル(社長室)
真奈美「なるほど、アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団……アーニャ教団を壊滅させるために私たちと手を組みたいということか」
瑞樹「これ、美味しいわよ!」モグモグ!
まゆ「築地に行ってもこんなお寿司食べたことありませんよぉ!」モグモグ!
もりくぼ「このマグロは美味しいんですけど……タッパに入れて持って帰りたいんですけど……」モグモグ
美優「す、すみません……お昼ご飯まで頂いて……」
真奈美「気にしなくてもいい。いまのところ今回は君たち魔法少女は客人だ、私の行きつけの寿司屋の出前でよければ食べてくれ」
美波「無理やり接待交際費で落としますから大丈夫ですよ」
ゆっこ「あの、そろそろお話し進めてもいいですか?」
ふじとも「あなたたちもマジカルランドを手に入れたいと思っているならアーニャ教団は邪魔のはず……一時的にでも共闘したほうがお互いのためだと思うけど」
真奈美「ふむ、確かに……私たちとしても、奴らはどう対処していいかと悩んでいたところだ」
まゆ「やっぱり、そっちもアーニャ教団を倒そうと考えていたんですねぇ」
真奈美「所詮は小悪党が群れを成しているだけだとは思っているが、それなりの規模だ……分かった。魔法少女たちの提案に乗るとしよう」
美波「いいんですか?」
真奈美「構わん。それに、アーニャ教団は私たちに対しても攻撃を仕掛けてきている。潰すにはいい機会だ」
美波「それじゃあ穂乃香ちゃんには電話しておきますね」
まゆ「こう、念話とかじゃなくて電話でお話しするんですね」
美波「一応会社の中ですし……」
ゆっこ「こちらも王国から連絡がありましたよ! アーニャ教団の基地の場所が特定できたみたいです!」
瑞樹「なんだか良い流れが来てるわね。それなら急いでマジカルランドに行きましょう!」
ゆっこ「どうやら調べた結果によると、アーニャ教団は最果ての島、ヒカキン島に基地を作っているみたいです!」
もりくぼ「ヒ、ヒカキン島ですか……あの無法地帯の……」
ふじとも「やっかいなところにいるのね。それじゃあ移動するのも大変よ」
まゆ「最果ての島……どうやって行けばいいんでしょうか?」
ふじとも「それなら大丈夫よ! こういうときのためにマジカルランドが総力をあげて魔法少女たちのために移動手段を用意しているもの!」
瑞樹「さすが魔法の国ね♪」
美優「こういうときは……魔法の力は凄いって改めて思いますね」
ふじとも「それじゃあさっそく行くわよ! みんな、マジカルコンパクトを出して!」
まゆ「はいっ!」
……
…………
――マジカルランド(空港)
ビュオオオオオオオッ……!!
美優「凄い風……!」
ちひろ「これです。マジカルランドが総力あげて準備していた輸送機です! みなさん、これに乗ってヒカキン島に向かってください!」
まゆ「あの、魔法的な要素は……」
ふじとも「時と場合によっては科学のほうが便利なのよ」フワフワ
もりくぼ「時代は魔法に拘らない柔軟性が求められているんですけど……」
瑞樹「もう何でもいいかしらね……」
美優「ま、まあ……これだけ大きい飛行船なら乗りやすそうですし……」
真奈美「というか、どうして妖精たちが作った輸送機が人間たちの作る飛行機と同等のサイズなんだ?」
ゆっこ「それは基本設計をしたのが王様だからです!」
美波「器用ですね……」
ちひろ「王様ですから」
「……これが、マジカルランドの切り札ですか」
まゆ「その声……!」ビクッ!
穂乃香「久しぶりですね、魔法少女たち」ザッ!
真奈美「大神官穂乃香……!」サッ!
美優「え、えええええ!?」
瑞樹「ちょっ……」
ちひろ「あの、別に切り札でも何でもないんですけど」
もりくぼ「あ、あわわわわわ……大神官穂乃香がどうしてマジカルランドに来てるんですか……」ガクガクブルブル!
ふじとも「ちょっと大神官穂乃香! どうやってマジカルランドに……!」
穂乃香「え? いえ……普通に入国審査所を通ってきたんですけど」
ゆっこ「普通敵の親玉をすんなり通しますかね?」
ふじとも「これだからお役所仕事はダメなのよ!」ガンッ!
ちひろ「あの、ふじともちゃんたちも一応お城務めですから、お役所仕事してますからね?」
穂乃香「国王ちひろ……アーヴァル・ニーコン・ヤロスラフ教団は私の可愛いぴにゃこら太たちを数多く虐殺しています。私は彼らを許すわけにはいきません」
ちひろ「あ、いまはアーニャ教団って呼ぶのが流行りみたいですよ」
穂乃香「……なので、私自らの手でアーニャ教団に裁きを下します。あなたたちに協力するわけではありませんので、勘違いしないように」
美波「でも移動が大変だからこっちに来て相乗りしようとしたんですよね?」
穂乃香「……」
まゆ「あの、目を逸らさないでくれませんか?」
ふじとも「とにかく行きましょう! 出発の準備は出来ているわよ!」
……
…………
――高度1万メートル上空、輸送機内
ゆっこ「えー、サイキック飲み物はいかがでしょうか? 緑茶、りんごジュース、コーヒー、コンソメスープがありますよ!」
穂乃香「りんごジュースで」
ゆっこ「はいどうぞ!」
まゆ「意外と広くてくつろげますね」
真奈美「ああ、このシートも中々に上質な物だ」
瑞樹「あ、そっちに置いてある雑誌、こっちのと違う? 交換してくれないかしら」
美波「はいどうぞ、そっちのほうください」
美優「……」スヤスヤ
ふじとも「どこからどう見ても空の旅を満喫してる集団にしか見えないんだけど」イライラ
もりくぼ「こ、国民の税金で作った輸送機ですから……快適さは十分みたいなんですけど……」
ガコンッ!!!!
ビビーッ!! ビビーッ!! ビビーッ!!
まゆ「きゃっ!?」ビクッ!
美優「ヒッ!?」ドサッ!
真奈美「なんだ!」
瑞樹「ゆ、輸送機が突然揺れて……!」
ふじとも「ちょっと操縦室! どうかしたの……ちょっと、応答して!」
もりくぼ「だ、ダメみたいなんですけど……操縦室と連絡が付かないんですけど……」
美波「それなら直接行ってみましょう! この揺れ、何かあったに違いないわ!」
穂乃香「すみません、りんごジュースください」
ゆっこ「あ、はい」
……
…………
――輸送機内(操縦室)
ガチャッ!
機長「うっ、ううう……!」
乗務員「うぐおおおお……!」
まゆ「大変です! 妖精さんたちが苦しんでますよ!」タタタッ!
美優「ど、どうしたんですか……一体何が……」
機長「は、腹が……腹が苦しい……!」
乗務員「ダメだ……ト、トイレに……腹が……うごおおおおお……!」
もりくぼ「ま、まさか食中毒……!?」
美波「……いえ、違うわ。妖精たちから別の魔力が感じられる」スッ
ふじとも「魔力……まさか!」
真奈美「アーニャ教団の者が我々の動きに気付いて、機長たちを妨害するために呪いを掛けたということか」
瑞樹「とりあえず2人ともトイレに連れて行きましょう!」
穂乃香「すみません、りんごジュースください」
まゆ「ちょっと後にしてくれませんかねぇ!!」イライラ
ガコンッ!!!!
ビビーッ!! ビビーッ!! ビビーッ!!
ふじとも「わわっ!?」
真奈美「機体が……くっ、オートパイロットも作動していないのか!?」
美優「もしかしたら、機械のほうにも何か妨害が仕掛けられているのかもしれません……」
ゆっこ「むむむー……サイキックフルパワー……!!」ビビビビッ!!
プチッ……
ゆっこ「よし! エスパーユッコが魔力の残骸を頼りに、機長さんたちに呪いを掛けていた遠くにいる悪者をサイコキネシスで絞め殺しておきましたよ!」
美優「遠くで何かが潰れたような音が聞こえたような……」
まゆ「とりあえず機長さんたちはこれで大丈夫ってことですねぇ……だけど、このままじゃ輸送機が……」
美波「みんなちょっと下がって、私が操縦するわ!」
瑞樹「サキュバス!?」
真奈美「美波、君は輸送機の操縦ができるのか?」
美波「ええ、私には遠い昔、穂乃香ちゃんに召喚される前に、宇宙で戦闘機を乗りこなして異性体と戦った経験があったはず……!」
まゆ「なんでそう物騒な経験しかないんですかねぇ……」
ふじとも「魔族って何でもアリなのね」
美波「オートメーション機能の変わりになるものは……ないわね。ひとまず姿勢制御を……」グッ……!
フワッ……
ゆっこ「おおっ! 飛行が安定した感じがしますよ!」
美波「でもダメね、ホイールが出せない……このままだとヒカキン島のどこかで胴体着陸をさせることになるわ」
瑞樹「そ、それって大丈夫なの!?」
美波「私もそこまでの経験は無いわね……」
ふじとも「どう考えても戦闘機に乗って宇宙で戦うほうが特殊な経験だと思うけど」
もりくぼ「サキュバスも時代の先を行っているんですけど……」
真奈美「くっ……ヒカキン島は目の前だというのに!」
まゆ「このままじゃまゆたち、島に着く前に天国に行っちゃいますよぉ!」
穂乃香「……あなたたち、先ほどから何を騒いでいるんですか?」
ふじとも「これまでの話し聞いてなかったの!?」
美優「ゆ、輸送機が墜落しそうってお話しをしていたんですけど……」
穂乃香「すみません、りんごジュースください」
ゆっこ「あ、どうぞ」
まゆ「りんごジュースくださいじゃありませんよぉ! まゆたち、どうしようもない状況なんですよ!」
穂乃香「何を言っているんですかあなたたちは……もう島は目前なんでしょう?」
美波「そうですね……ですが、このままだと着陸が……」
穂乃香「あなたたち魔法少女なんですから、これくらいの距離なら飛べばいいじゃないですか」
まゆ「あ……」
……
…………
――ヒカキン島(沿岸部)
ドガアアアアアアアアアンッ!!!!!!
もりくぼ「国民の血と汗と涙の税金で作った輸送機が燃えているんですけど……」
ふじとも「まあ、命があっただけでもよしとしましょう」
ゆっこ「これ、報告書どうしましょうか……ユッコたち絶対減給ですよね……」
まゆ「ここが……ヒカキン島……」
瑞樹「島のあちこちに人工的な建造物が見えるわね」
真奈美「恐らく、アーニャ教団の者たちが用意した施設だろう。マジカルランドへの進軍準備に使っている施設だとは思うが……」
美波「アーニャ教団……あれだけの魔物も用意して、教団を統率してる者はどんな人物なんでしょうか」
美優「分かりませんけれど……恐ろしい敵だと思います」
瑞樹「ていうかあなた、私たちと違って輸送機から飛び降りたけど大丈夫なの?」
真奈美「気にしなくていい、これでも鍛えているんだ。高度2000メートルの高さからの落下程度であれば何とも無い」
まゆ「この人殺しても死なないようなタイプでしょうか……」
穂乃香「魔法少女たち」ザッ!
まゆ「大神官穂乃香……」
穂乃香「ここまでは幸運にも辿りつけたようですけど、ここから先は敵の本拠地……力が足りなければ、私はあなたたちを容赦なく切り捨てます」
まゆ「言っておきますけど、あなた輸送機の中にいるとき1人だけ何もしていませんでしたからね?」
穂乃香「些細なことです。私は、私の可愛いぴにゃこら太たちを虐殺したアーニャ教団を誰一人として生かして帰すつもりはありません」
まゆ「奇遇ですねぇ……まゆも同じことを考えていたんですよ」
穂乃香「そうですか。それなら……足手纏いにならないようにしてください」
まゆ「お互いに、ですね」
瑞樹「まあまあ2人とも、そんなに睨み合わないの! 今回は……同じ目的があってここに来ているんだから」
ふじとも「そうね……よし、それじゃあみんな、アーニャ教団を倒しに行きましょう!!」
「「「「「「「おー!!」」」」」」」
つづく
……
…………
『次回予告!』
真奈美「魔法少女! ここは私たちに任せて先に進め!」
まゆ「そうさせてもらいますよぉ!」
――アーニャ教団の猛攻に苦戦する魔法少女たち。
美波「この魔力!? 感じたことのある、全てを凍てつかせる力……これは……」
ふじとも「サキュバス!?」
もりくぼ「そんな……もりくぼたちを庇って……」
瑞樹「ダメよ! いまはサキュバスの力が必要……私たちの魔法でカバーしないと……!」
――犠牲になる仲間たち。
裕子「今回は出血大サイキックサービスです! エスパーユッコの底力、見せてあげますよ!」
穂乃香「この程度の者たち、私1人でも問題ありません」
美優「ままゆ、サキュバス! 2人は行ってください!」
――最奥に辿り着いたままゆ。そこで待ち受けていた人物は!
まゆ「あなたが、教団を統率している……」
美波「やっぱりこの魔力、どこか懐かしい感じが……」
「ダー……そうです」
『次回、魔法少女ハートフルままゆ第44話!』
『決戦! 魔法少女、マジカルランドを守るための戦い!』
美波「私の中にある、この記憶は……星の……」
『次回もお楽しみに!』
――
――――
――深夜、神谷家(奈緒の部屋)
奈緒「引き伸ばしすぎだろ……飛行機乗っただけで1話使うとか……本スレも荒れてるだろうなぁ……」ガタッ
奈緒「『就活シーンに何の意味があったんだよ』『お前らこんな糞アニメ見てないで働けってことだ』『りんごジュース飲むわ』ほらやっぱり……」カチッ、カチッ
奈緒「にしても新しい敵勢力が出てきたら壊滅させての繰り返しばっかりだな最近は……まあ、ここまで来たら打ち切りとかも無いとは信じたいけど」
奈緒「それにしても……アーニャ教団のボスは一体どんなヤツなんだろうな。シルエットだけだとよく分からなかったし……」
奈緒「ん、そういえばそろそろ劇場版魔法少女ハートフルままゆの予告も出来る頃か? テレビ放送中にPVの1つでも流してくれればいいけど……」
奈緒「ふわぁ……眠い。ウェブの人気投票の様子は明日また見るか……今日はもう寝よう」
……
…………
おわり
何でもいいけど私は9割くらい丹羽ちゃん担当かもしれません。8割はクンカーしてほしい紗枝はんの担当かもしれません。
全力で担当やってるアイドルがイベントとかで来てしまったらと思うと恐ろしいです。
あ、あと今回は結構魔法少女っぽい回を抜粋したと思います。
乙乙
ちなみにハワイマレー沖海戦で使われた九六式陸攻は、引込脚がハンドルを回して畳むタイプでした
あの…体調が悪くなった機長たちはどこに行ったんですかね…?
これ一周回って絶対人気出るだろ
乙
おつ、そういやちびみずき・・・
乙
闇まゆゆって遊戯王か何か?これ糞アニメすぎて1周回って人気出たのか
奈緒は唐突にまゆの世界に行ってデウス・エクス・マキナして終わりそうな気がしてきた
ヒカキン島か…
教祖「ブンブン、ハローマジカルガール」
木場さんの握った寿司ではなかったか
このSSまとめへのコメント
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