奈緒「Treasure☆聴くとさ」(11)

奈緒「夢の国行きたくならないか?」

加蓮「え?そう?」

凛「奈緒の言いたいことわかるよ。シーのあれでしょ?」

奈緒「そうそう、シンドバッドのやつな」

加蓮「あぁ、わかった。ボートに乗って七つの海をめぐるやつね。影薄いから一瞬出てこなかった」

奈緒「おいっ」

凛「まぁそれもわかるかな。友達と行くとあんまり乗らないよね」

加蓮「でしょ!嫌いなわけじゃないんだけどさ、それよりジェットコースター系に乗りたいっていうか」

奈緒「んまぁ…確かに『なに乗る?』って話になった時にあれが出てくることってあんまないけどさ」

加蓮「あれ乗るならゴンドラの方が雰囲気あって好きだなぁ。船頭さんの歌もかっこいいしね」

凛「ゴンドラが橋の下を通る時に願い事を願うと叶うって聞いたことある?」

加蓮「もちろん!やっぱついやっちゃうよねぇ、ああいうの」

奈緒「そんなのあったんだ」

加蓮「またまた~、奈緒はそういうのしっかりチェックしてるくせに」

奈緒「なっ、そんなわけないだろ!初耳だ!」

凛「まぁまぁ…加蓮が一番好きなアトラクションはそれ?」

加蓮「ううん。やっぱりあれかな、レイジングスピリッツ」

奈緒「へぇー、なんか意外な気もするしイメージ通りな気もするし」

加蓮「体弱かったから、思いっきりああいうの乗り始めたのって結構最近なんだよね」

加蓮「前にプロデューサーに連れてってもらった時には、何度も連続で乗ってたせいでプロデューサーの方がダウンしちゃって」

凛「ちょっと待ってそれ聞いてないよ」

奈緒「そうだ!なんだよプロデキューサーに連れてってもらったって!」

加蓮「あ、これ内緒だった。てへ」

加蓮「まぁまぁ、ライブ成功のご褒美だから!二人だってそういうのあるでしょ」

凛「まぁね。私も実は連れてってもらったことあるし」

奈緒「あるのかよ!」

加蓮「ほらー。で、私の時はプロデューサーが『ちょ、加蓮ちょっと勘弁して、休もう、ほらベンチが俺たち待ってる』とか言い出して」

凛「ふふ、プロデューサーらしいね」

加蓮「結局プロデューサーがベンチでへたってる間に私が一人でもう一回乗ってきたんだ」

加蓮「苦手なのは仕方ないけど、もうちょっと頑張ってほしかったなー」

奈緒「何回乗ったか知らないけど、付き合ってくれただけいいじゃないか」

加蓮「まね。凛はなにがお気に入りなの?」

凛「特定のアトラクションではないけど、マーメイドラグーン全体が好きかな」

奈緒「あぁ、なんか凛ぽい。あそこ全体青いし」

加蓮「たしかに」

凛「色合いもそうなんだけど、やっぱり雰囲気がいいよね」

凛「あそこのレストランでピザとか頼んでみんなでおしゃべりしながら食べるのが好き」

加蓮「あ、わかるー!外のレストランで景色を見ながら食べるのもいいけど、あそこなんか別世界感あってワクワクするよね」

奈緒「シアターもいいよな。DVDとかで聞いたことある歌でも実際に聞くとやっぱ感動が違うっていうかさ」

加蓮「だよねー。誰と見るかも大事だけど」

奈緒「ん?」

加蓮「えっとー。奈緒はどのアトラクションが好きなの?」

奈緒「あたしも加蓮と同じで絶叫系が好きかなー。タワーオブテラーとか」

凛「あぁ」

奈緒「怖いんだけどなんかこう気持ちいいっていうか、つい乗りたくなっちゃうよな」

加蓮「だよね!いつも何時間待たせんの!って思うんだけど、やっぱり一回は乗らないとってなるよね」

奈緒「わかる」

凛「でも、奈緒が一番好きなのってそれじゃないでしょ?」

奈緒「き、急になんだよ」

凛「私知ってるんだよね、奈緒がこの間プロデューサーと夢の国行ってきたこと」

加蓮「え!?」

奈緒「あ、いや、それは」

凛「『あんまり一緒に乗ってくれる人いないんだろ?しょうがないからあたしが乗ってやるからまた誘ってよ!』だっけ」

奈緒「なんでそれを」

凛「事務所で話してて誰かに聞かれないと思ってる方がびっくりだけど」

加蓮「凛、どういうこと?」

凛「奈緒が単独ライブ成功のご褒美に夢の国へ連れて行ってもらって、そのお礼をプロデューサーに言ってたのが聞こえたんだよね」

凛「それで、プロデューサーが『俺も普段あんまり一緒に楽しんでくれる人がいないシンドバッドとかマーメードラグーンシアターとかに付き合ってくれて楽しかった』って言ってて」

加蓮「ほうほう」

奈緒「おい凛!」

凛「プロデューサーは絶叫系が苦手だから、雰囲気とか音楽を楽しむ系のアトラクションの方が好きなんだって」

凛「それを受けてのさっきの奈緒のセリフだよね」

加蓮「ちなみにその時の奈緒の表情はもちろん?」

凛「うん。眉毛だけは不機嫌そうにしかめてるけど、唇の端はにやけそうにピクピクしてたよ」

奈緒「そんなわけないだろぉっ!?」

加蓮「そっかー、いつもの奈緒だったかー」

奈緒「加蓮も乗るなっ」

凛「奈緒、つっこんでる場合?」

奈緒「へっ?」

加蓮「夢の国でどんな風にプロデューサーと楽しんだのか、詳しく聞かせてもらわないとー」

奈緒「はぁっ!?なんでそんなこといちいち報告しなきゃならないんだっ」

奈緒「第一、お前らだってプロデューサーと一緒に行ってるんだからあたしだけが問い詰められる意味が」

凛「だって奈緒だし」

加蓮「奈緒の話聞く方が絶対おもしろいもーん」

奈緒「おまえらぁぁ」

凛「さ、取り調べだよ、洗いざらい吐いてもらうからね」

奈緒「不条理だ!理不尽だ!不公平だぁっ!」


このあと奈緒は…ご想像にお任せします。

「Treasure☆」のMV見てて唐突に思いついた超短編です。
夢の国が奈緒の出身県にあるとかそういうネタも一切ぶっこんでいないです。

奈緒と夢の国に行きたいだけの人生だった。

以上。

劇団四季を見に行きたくもなるんだよなあ

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