・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・明確にアニメ世界線と定めているわけではない為、一部その他のコンテンツの要素が入り混じることがあります
----事務所----
ガチャ
かな子「……お疲れさまです……」
杏「お疲れー、っと」
智絵里「……よかった、誰もいませんね」
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かな子「うん……そうだね」
杏「……なんか、かな子ちゃんがそんな感じだと、調子狂うよ。さっさと本題入ろう?」
智絵里「ですね……」
智絵里「それで、かな子ちゃん。わたしたちに相談って、何かな?」
かな子「うん……あの、他のみんなには内緒で、お願いね?」
杏「わかってる、わかってる。杏、言動は軽いけど口は堅いから」
智絵里「もう、杏ちゃんったら」クス
智絵里「あっ。もちろん、わたしも誰にも言わないよっ」
かな子「ありがとう、杏ちゃん、智絵里ちゃん……」
杏「悩みは人に話した時点で、半分は解決する。なんて言うしね」
杏「それで…………何キロ増えたの?」ジッ
かな子「……って! 違うよ、今回はそのことじゃ無いよぉ!」プンスコ
杏「あはは、ごめんごめん。……いや、杏なりにちょっと空気を和ませようと……」
かな子「むー……意地悪なんだから~」
智絵里「大丈夫だよ、かな子ちゃん! ほら、昨日もロケでたくさん歩いたし……!」
杏「智絵里ちゃん、それ多分フォローするとこ間違えてる」
かな子「あっ、あのロケで行ったパンケーキ屋さん、美味しかったよねぇ! また行きたいなぁ……♪」
杏「いや、相談する本人が話逸らせてどうするの」
かな子「あ……そうだよね、ごめんね」
智絵里「かな子ちゃん……もしかして、言いにくいことだったり……?」
かな子「い、言いにくいっていうか、ちょっと恥ずかしくて……」
かな子「でも、自分だけで考えてても解決しなさそうで」
杏「ふむふむ」
かな子「……えっとね? 今日、久しぶりに学校に行ったんだけど……」
智絵里「最近お仕事が続いてたもんね」
杏「まったく、プロデューサーは私達を働かせすぎだよ」
かな子「うん……それで、教室に入って、自分の机を見たら……」
かな子「中の奥の方に、これが入ってて」スッ
智絵里・杏「!!」
智絵里「手紙の、封筒……しかも」
杏「ハートのシールで封がしてある……まさか」
智絵里・杏「ラブレター!?」
かな子「あわわわっ! 二人とも、声が大きいよぉ!」
智絵里「ふぁっ、いけないいけない」
杏「はー、マジかぁ。このご時世に手書きとは、古風だねぇ」
かな子「うん……アイドル活動についてのファンレターならいろいろ届いてきたけど、こういうのは今まで無かったから……」
智絵里「そっ、それで……中は見たんですか?」ドキドキ
かな子「う、ううん。まだ……一人じゃ恥ずかしくて見れなくて」
杏「学校の友達とかに相談すればよかったのに」
かな子「放課後すぐ事務所に来ないといけなかったし……それに、アイドルとしてどうすればいいのか考えると、やっぱり二人に相談しようと思って」
杏「なるほどね……」
智絵里「差出人の名前は……書いてないですね」
杏「なんか怖くない? イタズラとか嫌がらせの線だってあるよねコレ」
智絵里「そんな……!」
かな子「うう、言われてみれば……」
智絵里「でも、本当のラブレターなら、それはそれで無下にもできないし……」
杏「Doki Doki 越えて Baku Baku してるハートが綴られてるかもしれない、と」
智絵里「か、かな子ちゃんが困っちゃう気持ち、分かるよ……」
杏「うーん、アイドルって大変なんだなぁ」シミジミ
かな子「ちょっと、杏ちゃんもアイドルでしょっ」
智絵里「こういうのって、プロデューサーさんに言っておいたほうがいいのかな……?」
杏「いや、まずは中身を見てみないことには始まらなくない?」
かな子「やっぱり、そうだよね……?」
杏「イタズラの類なら、無視してゴミ箱にポイで。もしこれがガチのラブレターで、かつ相手が真っ当な人で、かな子ちゃんが会って話してみたいっていうなら、その時にプロデューサーに相談すればいいんじゃないかな」
かな子・智絵里「な、なるほど……」
智絵里「杏ちゃん……もしかして、こういうの経験あるの?」
杏「まっさかー。私なんて、学校じゃマスコット扱いがいいとこだし」
かな子「そういえば、学校での杏ちゃんって、どんな風なのか想像できないよね……」
杏「普段と変わらないよ? 大抵寝てるだけー」
智絵里「授業中も? 先生に叱られたりしない?」
杏「うーん、放っておかれるのと起こされるのが半々ってとこかな」
かな子「へぇ……」
杏「そうそう、古典の先生でさ、いい年したおっちゃんの先生なんだけど」
杏「前にその先生の授業で熟睡してたら、突然先生が耳元で『にょわー! ハピハピするにぃ☆』つって起こしてきたことがあってさ」
智絵里「ほ、本当に!?」
杏「起きて状況を理解した後、笑い堪えるのに必死だったよ……杏も、他の皆も」
かな子「う、うわぁ……」
智絵里「その先生、きらりちゃんのファンなのかな……? ふふっ、楽しそうなクラスなんだね」
杏「まーねぇ」
杏「って、それはどうでもいいや。ラブレターを処理しないと」
智絵里「そ、そうでしたっ」
かな子「う、うん……。私、開けてみる!」
杏「あ、ちょっと待ってかな子ちゃん。……確かレターカッター、事務所にあったよね」
智絵里「……これですか?」
杏「そうそう」
杏「一応これ使って開けて。万が一、封筒の中にカミソリとか仕込まれてるといけないから、慎重にね」
智絵里「っ!」ゾク
かな子「わ、わかったよ……ありがとう、杏ちゃん」
かな子「うう……緊張するなぁ……」ドキドキ
智絵里「緊張しますね……」ギュッ
杏「当人はともかく、智絵里ちゃんまで……いつの間にか四つ葉のクローバー握り締めてるし……」
智絵里「だ、だって……」
かな子「……っ、開けたよ……。中は、普通に手紙だけみたい」
杏「よし。じゃあ、せーので読んでみよう」
かな子「うん……っ!」
三人「せーの!」ペラ
智絵里「……」
かな子「……」
杏「……」
智絵里「……あの、これって……」
かな子「……ひょっとして」
杏「ひょっとしなくても」
かな子「普通の、ファンレター……だね」
智絵里「この前の、キャンディアイランドのミニライブに来てくれてたみたいだね」
杏「『ステージの上のかな子ちゃんは、とってもキラキラしてて、素敵でした』だって」
智絵里「『元気と感動をありがとうございます。かな子ちゃんは、私の憧れです!』かぁ……」
智絵里「よかったね、かな子ちゃん! 素敵なお便りで」
かな子「うん……! 最初はドキドキしたけど……素直に嬉しいなっ」
杏「まあ確かに、同じ学校ならファンレターをわざわざ事務所宛に送るよりも、机に入れとくほうが早いよねぇ」
智絵里「ふぅ……わたしも、緊張が解けました……」
かな子「だよね~……ホッとしたよ」
杏「そんなこと言って、ホントは告白じゃなくてガッカリ、とか思ってたりして」ニヤニヤ
かな子「えぇっ!? そ、そんなことないよぉ!」ブンブン
かな子「それより、せっかくだからお返ししたいけど、結局中にも名前は書いてなかったし……」
杏「あー、そればっかりはどうしようもないね」
智絵里「……あっ」
かな子「智絵里ちゃん? どうかした?」
智絵里「い、いえ! その……もし叶うならいつか、かな子ちゃんの学校で凱旋ライブ、みたいな形でお返しできたらって、ちょっと考えたんだけど……」
杏「おー! それいいじゃん!」
かな子「そうだね……それなら、きっと見てくれるだろうし!」
かな子「友達や先生が沢山いる前で歌うのは、さすがにちょっと恥ずかしいけど……あはは」
智絵里「そ、それは確かに……」
杏「もし杏の学校でもやるなら、杏はさっきの古典の先生連れ出して、あんきら狂騒曲歌おうかな」
かな子「あはははっ! それは面白いねっ!」
智絵里「ふふっ! それじゃあ、今度プロデューサーさんに相談してみますか?」
杏「……う、しまった……また自分達から仕事を貰いにいくような流れに……」
かな子「なんだかんた言っても、杏ちゃんもしっかり、アイドルだよねっ」
杏「えー……二人のアイドル力が高いから、杏はそれに引っ張られてるだけじゃない?」
智絵里「そうかな……? わたしは、ステージに立てるのは杏ちゃんとかな子ちゃんが勇気をくれるから、だと思ってるんだけど」
かな子「それは、私も同じだよ」
かな子「……えへへ。やっぱり私たちは、三人一緒が一番だね!」
智絵里「うんっ!」
杏「あーあ。やっぱり二人には敵わないや」
杏「……ま、これはこれで楽しいから、いいかな」
かな子「それじゃあ、これからの目標のひとつに、凱旋ライブを追加ということで!」
ガチャ
卯月「お疲れさまですっ!」
かな子「いつかきっと、学校へ行けるようになるぞー!」
智絵里・杏「おー!」
卯月「えええっ!? みんな、高校生でしたよね!? 学校、行ってなかったんですか!?」
おわり
毒薬シリーズもちょうど10作目ということで、ちょっぴりいい話風に
お付き合いありがとうございました
前回
キャンディアイランドのひたすら毒にも薬にもならないおしゃべり
第一回
キャンディアイランドの毒にも薬にもならないおしゃべり
皆様よいお年をお迎えください
乙
安定のしまむーで感想が飛んだ
かわいい(かわいい)
かわいい
毒薬シリーズ!内容に反して略称が物騒な毒薬シリーズじゃないか!
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