男「モテたい!」 (5)
悪魔「呼んだ?」
男「うわっ!?」
悪魔「もー、そんなに驚かなくてもいいじゃーん」
男「だ、誰だお前は!?どこから湧いた!?」
悪魔「私?私は悪魔。君の願いを叶えに来たよ」
男「あ、悪魔?な、何言ってんだよお前!」
悪魔「まーどろっこしーなーー。そんなことはどーでもいいの!」
男「そんなことって…」
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悪魔「答えは二つに一つ!」
男「はい!?」
悪魔「勉強も並、スポーツも並、顔がいいわけでもなければ性格がいいわけでもない、家が金持ちというわけでもなければ宝くじを当てるほどの強運もない!」
悪魔「そんな一生非モテが確約された人生を、これからずっと歩み続けるか!」
悪魔「私と契約して、あの子からもあの子からも引く手あまた!な!モテモテ薔薇色生活を送るか!」
悪魔「さぁ、どっち!」
男「なんなんだよお前!?」
悪魔「だーかーらー今はそんな些細なことに囚われてんな」
悪魔「わかってる?今はキミにとって一生に一度の大チャンスなんだよ?ここ逃したらもう二度とキミにこんなチャンスは訪れないんだよ?」
男「待て待て待て畳み掛けるなぁ!」
悪魔「あーもうウッザ、優柔不断ねそんなだからモテないんだよ」
男「そういう次元の話じゃねぇだろ!」
悪魔「わっかりましたー。今から十秒以内にどっちか選ばないとアンタを呪い殺しまーすさぁさぁはよえらべー」
男「ころっ……!?」
悪魔「はいじゅーう」
男「まてまてまてまてまてまて」
悪魔「きゅーう」
男「だから待ってくれって!!少しでいいから質問をさせてくれ!」
悪魔「……はぁ。やっぱ人間って苦手だわ。すぐ取り乱すしやりにくいったらありゃしない」
悪魔「で?質問って?」
男「えっと……それは……」
悪魔「……ろーく」
男「待て待てわかった質問です!悪魔ってなんですか!」
悪魔「……んー」
悪魔「詳しい説明面倒臭いからキミにとって必要な部分だけ話すね」
男「は、はぁ…」
悪魔「私ら悪魔がこの世界に存在するためには、この世界の住人である人間と契約を交わさないとダメ」
悪魔「その契約を交わす際に必要なものが、"契約対象者の願いを叶える"ってこと」
悪魔「だから私はキミの願いを叶えにやってきた」
男「…わかったけど、わからねぇ」
悪魔「私がなんでキミの部屋に来れたのかとか、なんでキミの願いを知ってるのかとか、キミのことを詳しく知ってるのかとか、そういうのはどうでもいいの」
悪魔「重要なのは、キミが私と契約する意志があるかどうか。……キミが、キミの願いを叶えたいかどうか」
男「俺の願い…」
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