クリスマスと言うことでSSを書いたので投下します。
酔った翔鶴と加賀さんと蒼飛が惚気るだけの物凄く短いSSです。今回は全編台本形式。
昔書いてた長編SSとの繋がりはありません。
・百合描写あり。
・独自設定、解釈等あり。
苦手な方はご注意を。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482505657
━━━━━12月24日 空母寮宴会場
瑞鶴「あー、ケーキ美味しかった~!」
瑞鶴「これであのターキーさえなければ、クリスマスって最高のイベントなのにね~」
飛龍「そんなこと言って、私達のこと羨ましそうに見てたじゃん。意地張らずに食べればよかったのに~」
瑞鶴「なっ!? ち、違いますから! 私はあの料理が大嫌いなの! 本当なんだからね!」
飛龍「はいはいわかったから。そういうことにしておきましょうか」
加賀「それより瑞鶴。明日も朝練するのでしょう? 歯磨きして早く寝なさい」
瑞鶴「あ、はーい。じゃあ加賀さん、一緒に部屋に戻ろ?」
加賀「私達はいいのよ。まだ少しだけここに残るわ」
瑞鶴「え、片付け? それなら提督さん達がやっておくって……いや、やるんなら私も手伝うけど」
蒼龍「そうじゃなくて……ほら、これだよこれ」
瑞鶴「あ、お酒……」
加賀「そういうこと。あなた、未成年でしょう? 飲ませるわけにはいかないわ」
瑞鶴「ずるーい! そうやって私のこと仲間外れにして!」
翔鶴「瑞鶴、これはそういう問題じゃないのよ」
加賀「子供はもう寝る時間。ただそれだけのことよ」
瑞鶴「な、何よみんなして! 私だって、お酒くらい飲めるんだから!」
蒼龍「あっ、ちょ、瑞鶴!?」
瑞鶴「んっ……」
飛龍「あーあ、お酒はそんな一気に飲むもんじゃないってのに」
瑞鶴「ど、どうよ!? これで私が子供じゃないっ……て、あ、あれ……?」
瑞鶴「め、目が……あ、頭も……クラクラするぅ……」
瑞鶴「う、うーん……」zzz
翔鶴「瑞鶴? 寝ちゃってるわね」
飛龍「アレだけで!? 瑞鶴弱いなぁ。でもまあ、寝かしつける手間が省けたわね」
蒼龍「でもこれで良かったのかなぁ? ちょっと可哀想な気もするけど……」
加賀「だからと言って、ルールを破って良いと言うことにはならないでしょう?」
飛龍「そうだねぇ。じゃあ瑞鶴は毛布かけて加賀さんの膝にでも置いといて、私達も飲むとしますか!」
加賀「何で私が……」
翔鶴「そんなこと言って、まんざらでもなさそうですね」
加賀「ま、まあ風邪を引かれても困りますし……今日だけ特別です」
━━━━━数時間後
蒼龍「ね、ねえちょっと……みんな飲みすぎじゃない?」
飛龍「えー、何よ蒼龍ったら。これくらいでだらしないわね~」
翔鶴「そうよ~、私が買ってきたお酒が飲めないって言うの~?」
蒼龍「ひっ……す、すいません翔鶴さん!」
飛龍「しょうがないから私が飲ませてあげよう!」
蒼龍「ひゃっ!? ちょ、飛龍!? く、口移しは駄目ぇ! 駄目だから、今は! んっ……んんっ!?」
翔鶴「うふふ、みんな良い感じに出来上がってきてますね~」
加賀「あなたも大概ですよ、翔鶴さん」
翔鶴「いえいえ、まだまだこれからですよ」
翔鶴「と言うわけで、空母女子会恒例の恋バナ大会を開催しまーす!」
翔鶴「トップバッターは僭越ながらこの翔鶴が! 努めさせていただきます!」
加賀「語りたかったのね……まあ、気が済むまでどうぞ」
翔鶴「こほん。では……えーっと、お気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、今日は何と赤城さんがいないんですよ!」
蒼龍「そう言えば出撃するって言ってましたよね。こんな日にまで大変だなぁ」
翔鶴「そうなんですよ! 1年でたった1日しかないイヴに、よりにもよって出撃なんですよ~! 信じられません!」
飛龍「あ~、そりゃ辛いね~翔鶴さん」
翔鶴「それでね、今朝見送りに行った時に……」
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赤城『ごめんなさいね翔鶴。こんな日に出撃なんて……』
翔鶴『赤城さん……』
赤城『ほら、そんな顔しないの。私はちゃんと戻ってくるから。約束するわ』
翔鶴『それだけじゃ……駄目です』
赤城『ええっ!? えっと、じゃあ……そうね、貴方の好きな苺のホールケーキを買ってきてあげるわ』
赤城『私からのクリスマスプレゼントよ。後で一緒に食べましょう』
赤城『だから……良い子にして待ってるのよ? 翔鶴』
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翔鶴「なーんて、顎クイしながらそんなことっ……カッコ良すぎなんですよ赤城さんのくせに!」
翔鶴「普段ベッドの上ではアンアン鳴いてるだけのくせに……」
飛龍「それって翔鶴さんを気持ち良くさせるために誘い受けしてるだけなんじゃ……」
蒼龍「しっ! 飛龍、余計なこと言わないっ!」
飛龍(まあ私も蒼龍によくやるしね~)
翔鶴「あぁもう! 本当に赤城さんってば、素敵です! 可愛くて、カッコ良くて……」
翔鶴「それでいて抜けてるところもたくさんあって……とどのつまり私って、赤城さんの全部が好きなんだなぁって……思ってしまうのでした」
加賀「終わったかしら?」
翔鶴「えっ? まだ赤城さんの魅力の1000分の1も語ってませんけど?」
加賀「長くなりそうなので先に飛龍達に語ってもらいましょう」
翔鶴「そうですか……まあ、他の方と比べて赤城さんがどれだけ素晴らしいかを再確認するのもまた一興ですね」
翔鶴「それでは飛龍さんからどうぞ」
飛龍「うん、まあね。確かに赤城さんって普段はおっとりしてるのに、戦場ではすごいカッコイイし、翔鶴さんが惹かれるのもわかるよ」
飛龍「でも私の蒼龍にはそんな赤城さんにも無いものを持っているんですよ」
蒼龍「ちょ、飛龍!? いきなりハードル上げないでよ!」
飛龍「まず、何と言ってもこの頼りないところ! これが本当に可愛くて可愛くて、庇護欲? ってのを掻き立てるんですよ~」
翔鶴「なるほど……確かに蒼龍さんは飛龍さんのような突出した攻撃力も、一航戦のお二人の様な防御力も持ち合わせていないですね」
加賀「搭載数も多くはないし、おまけにすぐテンパるわね」
飛龍「ですです! まあハッキリ言っちゃうと弱いってことなんですけど、だからこそ守ってあげたくなるんです!」
蒼龍「やだやだやだ! なんか私言われたい放題なんですけど!?」
飛龍「あっ、それとね」
蒼龍「まだ追い討ち掛けられるの私!?」
飛龍「いや、私達付き合い始めてから相当長いしさ……そろそろ結婚も考えてもいいかな~とか思ってるんだけど」
蒼龍「あ、その話……駄目だよ、まだ早すぎるって」
蒼龍「今はそんな大きな戦いが起きてなくて戦局は比較的安定してるけど、いつ深海棲艦が反攻態勢に入ってくるかわからないんだし……」
蒼龍「そう言うのは当面の戦いを終わらせて、平和になってからの方が……」
飛龍「ほら、いつもこんな感じ。私としては後は蒼龍からの言葉を待ってるだけなんだけどな~」
翔鶴「まあ仕方ないですね~。蒼龍さん、恐ろしいまでにヘタレですし」
蒼龍「ちょ、私に情けないキャラを定着させようとするのやめてください!」
蒼龍「そ、それより加賀さんこそ! 瑞鶴とはどうなってるんですか!?」
加賀「私をダシに使って話を逸らすつもり?」
翔鶴「あー、そちらも気になりますね~」
飛龍「まあ、これ以上蒼龍イジってマジ泣きされても困りますからね~」
加賀「っ、あなた達は……!」
翔鶴「まあまあ、言っちゃえば楽になることだってありますよ」
加賀「残念だけど、期待しているような面白い話はできないわよ? そもそも私と瑞鶴は付き合ってもいないんですから」
加賀「お互い告白もしていないし、ただ同じ部隊の仲間として行動しているだけです」
飛龍「え~? でも加賀さん、結構瑞鶴とセッ……夜戦してるじゃん」
加賀「!!!?」
加賀「なっ、なな!? 飛龍っ! どうしてそれを!?」
飛龍「いやだって瑞鶴声大きいし、この寮結構壁薄いからわかるよ」
加賀「で、でも二航戦とか、赤城さんと翔鶴さんの声は一度も聞いたことないわよ」
飛龍「当たり前だよ。私達はここじゃヤらないし、赤城さん達の部屋は管理人室じゃん」
蒼龍「管理人室だけは防音完璧だからね。音は外には漏れないよ」
翔鶴「へぇ、加賀さん。瑞鶴のこと散々子供扱いしてたくせに、手を出してたんですね」
飛龍「本当は瑞鶴のことどう思ってるの? 気になるわ~」
加賀「…………」
加賀「蒼龍、一升瓶」
蒼龍「ええっ!? そんなに飲むの!?」
加賀「こんなこと、素面じゃ語れないでしょう?」
蒼龍「も、もう! どうなっても知らないからね!」
加賀「ありがとう蒼龍。いただくわ」
加賀「んっ……んぐ……」
飛龍「おお、加賀さん良い飲みっぷりだね~」
加賀「ふぅ……さて、どこから話そうかしらね……」
翔鶴「まあ、瑞鶴が加賀さんのこと大好きなのは周知の事実でしたけど……加賀さんの方も……と言うのは意外でしたね」
翔鶴「大切にしているのは確かですけど、ただ空母としての師弟以上の関係ではないと思ってました」
加賀「そうね。私も最初はただ生意気なだけの後輩だと思っていたわ」
加賀「人の話は聞かないし、物臭だし、戦闘での独断専行も多い……」
加賀「それでいて持ち前の幸運と才覚で、滅多なことでは失敗しないからタチが悪い……そんな風にも考えていたわ」
加賀「でも違った。この子は、誰よりも優れた才能を持ちながら、誰よりも直向きに努力が出来る子だったわ」
加賀「私が課した訓練にも音を上げることなくついてきたし、日々の鍛錬だけでなく座学の方も怠らない」
加賀「まさに空母の……いえ、艦娘の模範とも言えるような子だったわ」
飛龍「うわ。加賀さん瑞鶴のことベタ褒めじゃん」
蒼龍「言いたくて仕方なかったんだろうな~」
加賀「でも、そんなこの子にも試練の時が訪れた……みんなも記憶に新しいと思う、あのMS諸島の戦いでね」
加賀「あの海域の敵の空襲は苛烈を極めていて、さすがの瑞鶴でも全てを躱し切ることは不可能だった……」
加賀「敵の主力連合艦隊を目の前にして大破。旗艦のアイオワは撤退するべきだと主張したけど、この子は聞き入れなかった」
加賀「ダメージコントロール要員として女神を招集しているからまだ戦えるって言って引かなかったのよ」
加賀「結局瑞鶴が折れなかったから先に進むことになったわけだけど……その結果は一緒にいた翔鶴さんなら知っていますよね……」
翔鶴「はい。空母棲姫の一撃を受けたところで女神が完璧なダメージコントロールと修復技術で対応。瑞鶴を救いました」
翔鶴「戦線に復帰した瑞鶴の活躍で、長かったこの戦いにも終止符が打たれる……誰もがそう思っていました。でも……」
加賀「そう。この子はあの戦いで、ただの一度も敵に有効打を与えられなかったのよ」
加賀「結局瑞鶴の不調が響いて空母棲姫を撃沈できずに作戦は失敗。攻略は次回に持ち越しとなった……」
加賀「提督へ報告した後、私が部屋に戻るとこの子は隅の方で蹲りながら震えていたわ」
加賀「瑞鶴は負けん気の強い子だから、空母棲姫を倒せなかった悔しさに打ち震えているのかと思っていたけど、違った……」
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加賀『まだ起きていたの? 早く寝なさい。疲労を残すと次の出撃に支障が出るわよ?』
瑞鶴『加賀さん……私、私……!』
加賀『昨日の戦いのことなら気に病む必要はないわ。誰だって不調な時くらいある』
瑞鶴『私、怖かった……みんなの前では威勢良く進める、まだ戦えるなんて言ってたのに……!』
瑞鶴『空母棲姫にやられて、でも女神のお陰で助かったはずだったのに……一瞬でも沈みかけたって言う恐怖はずっと消えなかった……』
瑞鶴『怖くて怖くて……もう戦いどころじゃなかった! 航空隊への支持もろくに出せなくて、みんなの足を引っ張っただけだった……!』
瑞鶴『艦娘として、みんなの為に戦いの中で散るんならそれもまた誉れだとか……』
瑞鶴『そういうのもちょっとヒロイックでカッコイイな、なんて思ってた頃もあったよ』
瑞鶴『はは……どんだけ夢見るお子様だったのよ。私ってホント馬鹿……』
加賀『瑞鶴、あなた……』
瑞鶴『加賀さん、私を抱いてください……』
加賀『……は?』
加賀『あなたっ! 自分が何を言ってるかわかってるの!?』
瑞鶴『消えないんです。暗くて冷たい、深い水底に落ちていく感覚が……あの恐怖がずっとまとわりついて離れない……』
瑞鶴『だから……この恐怖を加賀さんの暖かさで塗り潰して欲しい……』
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加賀「その時になって漸く気付いたのよ。この子は、みんなが思っているような完全無欠のスーパーヒーローなんかじゃない……」
加賀「歳相応の弱さと儚さを持った、ごく普通の18歳の少女なんだって……」
翔鶴「あの瑞鶴がそこまで抱えていたなんて……私にはそんな素振り全く見せなかったのに……」
飛龍「まあそれで弱ってたところを抱いちゃったわけですね?」
蒼龍「ちょっ!? 飛龍!」
加賀「さ、最後まで理性にしがみついて必死に抵抗はしたわよ?」
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加賀『瑞鶴、そう言うことはあまり軽々と口にするべきではないわ』
瑞鶴『でも加賀さん……無理だよ。私、このままじゃ……』
加賀『今のあなたは少し混乱しているだけ。明日になったらきっと落ち着くわ』
加賀『こういうのは一時の気の迷いで一生後悔することもあるんだから……』
瑞鶴『私……私は、加賀さんになら……いいよ?』
加賀『!?』
瑞鶴『あっ……そう、だよね。加賀さんが嫌だよね。私なんて……こんな、子供みたいな体だし……』
瑞鶴『ごめんね、加賀さん。今のは聞かなかったことに……』
加賀『』
瑞鶴『あ、れ? か、加賀さん!? ち、近い! 近いですよっ、顔が! ふぇっ!?』
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加賀「あんな……上目遣いされて、我慢しろと言う方が無理な話でしょう?」
蒼龍「あ~確かに、瑞鶴の上目遣いは破壊力ありそうだね~」
加賀「それから、瑞鶴が不安になるたびに体を重ねていったわ。最初はこの子が立ち直るまでの関係のつもりだった」
加賀「でもいつからか、自分が瑞鶴のことをとても愛しく思っていると言うことに気が付いたのよ……」
加賀「直向きなところも面倒くさがりなところも、弱い部分、強い部分も全部見てきて……いつの間にかこの子に惹かれていたわ」
飛龍「ふーん。て言うかそれってもう両想いじゃん? 何でそれで付き合ってないのさ?」
加賀「怖いのよ……」
蒼龍「えっ?」
加賀「みんなはこの子が私のことを好きだなんて言うけれど、本当のところは本人にしかわからないじゃない」
加賀「私が一歩踏み込んでこの子に歩み寄ろうとして、もし拒絶されたらきっと元の関係には戻れなくなってしまう……私にはそれが怖い」
加賀「今は体だけの不健全な関係だけど、それでも瑞鶴は私を必要としてくれてる」
加賀「この子との繋がりを失ってしまうくらいならこのままでも良い……私はそう思ってしまったの……」
蒼龍「そんな……それってちょっと悲しすぎるよ」
加賀「そうね。でも、ここから変わるにはほんの少しの勇気が必要なのよ。だから、今はまだ……」
加賀「……? 少し、飲みすぎたかしら? 膝のあたりが熱くなってきたわ」
瑞鶴(……………………)
瑞鶴(ど、どうしよう!? 実は加賀さんが話し始めた辺りからずっと起きてたんだよね)
瑞鶴(て言うか加賀さん、本当は私のこと好きだったんだ……私が駄々をこねるから嫌々抱いてたんじゃなくて)
瑞鶴(私は……私も加賀さんと同じだったんだ。拒絶されて、何もかも失っちゃうのが怖くて)
瑞鶴(ずっと、加賀さんの優しさに甘えちゃってた……)
瑞鶴(だからこそ、加賀さんの本音が聞けて……嫌われてないってわかったのは嬉しい)
瑞鶴(嬉しいけど……どうしよう、今起きたら絶対気まずくなるよね)
加賀「んっ……少し、眠くなってきたわね」
蒼龍「もう、加賀さん。だから飲み過ぎだって言ったのに~」
加賀「ずい……鶴……本当は、わた……し……も……」
瑞鶴(あ、加賀さんが倒れ掛かって……ここだ。このタイミングで起きたことにしよう!)
瑞鶴「お、おわぁ!? な、何事!?」
飛龍「あ、瑞鶴起きた?」
瑞鶴「あ、あれ? わ、私何で加賀さんの膝の上に!? て言うか加賀さん何で寝てるの!?」
蒼龍「うーん、まあ、タイミング的にはちょうど良かったのかな……?」
翔鶴「瑞鶴、加賀さんは少し飲みすぎたみたいだから。外にでも連れて行ってあげて」
翔鶴「今日はそんなに寒くないから、酔い覚ましにはちょうどいいかも知れないわ」
瑞鶴「わ、わかったわ。まったく、世話の焼ける一航戦なんだから……!」
━━━━━数分後
加賀「んっ……ここは?」
瑞鶴「あ、やっと起きた。加賀さん、酔い潰れて寝ちゃってたんだよ!」
加賀「そう……迷惑を掛けたわね」
瑞鶴「ん……別に私は良いんだけどさ……」
加賀「…………」
瑞鶴「…………」
瑞鶴(ど、どうしよう……あんなこと聞いちゃった後だから、何を話したらいいか……)
瑞鶴(あ、でも加賀さんが本当は私のことが好きってのはわかった。それならもう何も迷うことはないんじゃないかな?)
瑞鶴(これで告白でもすれば、両想いなんだし恋人同士になれてハッピーエンド……)
瑞鶴(確かにそうなんだけど、なんか釈然としない。それでいいのかなって、思っちゃう)
瑞鶴(だって、加賀さんの本音ってあれはお酒で酔った勢いで出たってだけだし)
瑞鶴(もっとこう、ちゃんとした形って言うか……本当に加賀さん自身の意思で私のことを好きって言ってもらいたいって言うか……)
瑞鶴(ああもう! 本当に自分のことながら私って面倒くさい奴だなって思うけどさ! とにかく今はダメなの!)
瑞鶴(もっとお互いの距離を縮めたい! それこそ自然に好きって言い合える仲にまで! その為には……!)
瑞鶴「ね、ねえ、加賀さん……?」
加賀「なに?」
瑞鶴「明日……って言うかもう今日か。朝練の後、予定……ある?」
加賀「いいえ。特には……」
瑞鶴「そっか。だったら、終わった後一緒に遊びに行かない?」
加賀「私は構わないけど、いいの? あなた、色んな子からパーティーに誘われているでしょう?」
瑞鶴「いいの! 加賀さんとは……大事な時はいつも一緒に過ごしたいんだから」
瑞鶴「約束だよ? 空けておいてよ!?」
加賀「……わかったわ」
瑞鶴「やったっ!」
加賀「ん、急に抱きついたら危ないわよ?」
瑞鶴「えへへ……だって嬉しかったんだもん」
瑞鶴(今日のデートで一気に距離を近づけて……絶対加賀さんに告白してやるんだから!)
瑞鶴(あっ、でもその前に……)
瑞鶴「そう言えば加賀さんに言ってないことがあったんだ」
加賀「奇遇ね。私もよ」
瑞鶴「本当に? それじゃあ一緒に言おうよ!」
加賀「ええ、いいわよ」
瑞鶴「せーの……」
瑞加賀「「Merry Christmas!」」
完
と言うわけでクリスマスの瑞加賀SSでした。
当初はただひたすら軽いノリで惚気るだけの内容にしようと思いましたが
いつの間にか実話を元にした少し重い設定が入ってました。
次回作の構想等はまだ出来てませんが久しぶりに長編バトル物とか書いてみたいと思ってます。
もしまた目にする機会がありましたらよろしくお願いします。
それではここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。
良い瑞加賀ライフを。
おつー
おつ
おつ!
加賀さんは22歳くらい?
html化依頼出してますが質問があったので一つだけ。
>>39
私のSSでは特別な設定や作品内での時間経過等がない限り、全て以下の設定で書いています。
瑞鶴(18)
加賀、飛龍、蒼龍(23)
翔鶴(24)
赤城(26)
赤城おばさん
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